JPH08172900A - 育苗用培土 - Google Patents

育苗用培土

Info

Publication number
JPH08172900A
JPH08172900A JP6327742A JP32774294A JPH08172900A JP H08172900 A JPH08172900 A JP H08172900A JP 6327742 A JP6327742 A JP 6327742A JP 32774294 A JP32774294 A JP 32774294A JP H08172900 A JPH08172900 A JP H08172900A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
acrylamide
water
seedlings
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6327742A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Sato
佐藤  寛
Jun Nakajima
純 中島
Satoru Iwamoto
哲 岩本
Yuichi Kaji
裕一 梶
Akihiro Mori
明弘 森
Hiroshi Ito
伊藤  博
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP6327742A priority Critical patent/JPH08172900A/ja
Publication of JPH08172900A publication Critical patent/JPH08172900A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械による作物苗の移植に適した育苗用培土
を提供する。 【構成】 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸またはその塩0.5〜10モル%をアクリルア
ミドと共重合した水溶性アクリルアミド系重合体を土壌
に対し0.1〜5重量%添加混合する。 【効果】 混合した後に倉庫にて保管しておいても固結
することなく、取り出してすぐに育苗用トレイに充填可
能であり、育苗障害もなく、かつ、機械移植時に必要な
根鉢部(土付苗の根を被覆している部分)の強度も十分
である土付苗を作出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、育苗用培土に関する。
詳しくは、機械による作物苗の移植に適した育苗用培土
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農家における人手不足は深刻な問
題である。土付き苗を機械によって移植する方法による
農作業の省力化はこの問題に対する大変有効な解決手段
になると考えられており、今後機械移植は相当な勢いで
普及すると思われる。現在、作物の苗を育てる育苗用の
容器および培土を使用し、育てた苗を移植する方法とし
て根部の傷みが少なく、しかも活着の良い土付き苗によ
る移植方法が注目されている。土付苗は移植を行う際
に、土付苗の根を被覆している部分(以下、根鉢部)が
あるので、苗の取扱が植物体に触れずに行え、機械によ
る移植の場合であっても植物体を傷めずに移植すること
が可能である。
【0003】しかしながら、従来使用されている育苗用
培土は、移植時に取り扱われる根鉢部についての強度を
向上させるような工夫はなされておらず、移植時に根鉢
部が崩壊したり、あるいは、欠落して移植作業に支障を
生じさせており、また移植後においても活着の不良によ
る生育不良の原因となっている。この対策として、例え
ば土壌にピ−トモスなどの繊維状の有機質素材を混合す
るとか、土壌自体で粘着力を得るために練床状にした湿
土を用いる方法がとられている。これらの方法では、混
合・混練に手間を要するだけでなく、通気性・透水性が
低下し、生育が阻害され易く、なおかつ根鉢部の強度も
満足できるものとはならなかった。
【0004】近年になり、水溶性高分子を土壌に混合し
て育苗用土とする方法が種々提案されている。例えば、
水溶性高分子として、アクリルアミド−アクリル酸ナト
リウム共重合体(特開昭48−90848、特開昭59
−59119、特開昭59−88025、特開59−1
06228)、ポリビニルアルコ−ル系重合体(特開昭
59−183630)、ポリエチレングリコ−ル系重合
体(特公平3−17451、特開平5−23048)等
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した水溶性高分子
のうちポリエチレングリコ−ル系重合体を使用した場
合、親水性が高すぎ、かん水による流失が激しく、育苗
期間が比較的長期(1か月以上)となる場合根鉢部が弱
くなり、実用性が低い。
【0006】また、アクリルアミド−アクリル酸ナトリ
ウム共重合体、ポリビニルアルコ−ル系重合体を使用し
た場合、これらを土壌に添加することにより活着の良
い、根鉢部の強度に優れた土付苗をうることができ、移
植については効率よく行うことができる。しかし、実際
にそれらの水溶性高分子を添加した土壌を使用して播種
する場合、育苗用容器への充填にあたって、作業性や播
種作業のために土壌中の水分を通常20〜30%程度に
保つ必要があるが、使用する土壌によって多少の差はあ
るものの、一般的に10%を超える水分を含む土壌にこ
れらの水溶性高分子を添加ししておくと、経時と共に水
溶性高分子が吸水し、その他の要因による変性が進行
し、その根鉢部の形成する効果を失なったり、最悪の場
合添加した水溶性高分子自身がゾル化して土壌が粘着性
を帯び、団子状となり育苗用容器への充填が不可能とな
る。そのため、予めこれら水溶性高分子を混合・混練し
た育苗用培土を製造しておくには水分をできるだけ少な
く、通常、10%以下にしておかなければならない。従
って、これらの水溶性高分子を含む育苗用培土を育苗用
容器に充填し播種する場合、作業に先立って必要な水
分、即ち粉塵発生防止や育苗用容器へ充填後、播種可能
な空間を造るためロ−ラ−等で圧縮可能とするため等に
必要な水分を、10〜12%以上に通常20〜30%程
度に再調整し、再調整後篩分する作業が不可欠となる。
さらに、これらの水溶性高分子を土壌に添加した土壌
は、上記の理由により水分を播種作業するのに適した水
分含量に再調整したものは保存性が非常に悪くて、水分
の再調整は、播種作業ごとに行われなければならいた
め、大量の育苗用土を必要とし、数日間に渡って播種作
業を行うタマネギのような作物では非常に面倒で、作業
効率が悪い要因となっていた。このように土壌の事前処
理を必要とすることは、移植の機械化による効果を相殺
するものであり、この技術の課題になっている。
【0007】一方、スルホン酸基含有モノマ−とアクリ
ルアミドの架橋重合体を土壌に添加した技術(特開昭6
4−31025、特開平3−93892)があるが、こ
れは土壌の保水性を向上させるものであり、根鉢部の強
度向上にはつながらない。
【0008】したがって本発明の解決すべき課題は、土
壌に水溶性高分子を添加した育苗用培土の提供にあたっ
て、該培土に使用前の水分調整を施すことなく、そのま
ま育苗用容器に充填し播種作業を行うことができ、かつ
えられる苗の根鉢部が充分強く、機械移植を効率性に行
える、農作業の省力化に有効な育苗用培土を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の点に
鑑み鋭意検討した結果、特定のアクリルアミド系重合体
が、土壌中において幼植物の生育を抑制せず、該重合体
を添加した土壌を使用時に必要な水分量を含有した状態
で保存しても、変性して効果を失ったり、土壌が団子状
になることがなく、かつ農家においてはそのまま育苗用
容器に充填し、播種作業を行うことができ、さらに得ら
れた苗は効率よく機械移植できることを見出し、本発明
に到達した。
【0010】すなわち、本発明は2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸もしくはその塩0.5〜
10モル%および/または不飽和ジカルボン酸もしくは
その塩0.5〜10モル%をアクリルアミドと共重合し
てなる水溶性アクリルアミド系重合体を土壌に対し、
0.1〜5重量%添加混合してなる育苗用培土である。
【0011】以下本発明について詳述する。本発明にお
いて、土壌に混合される水溶性アクリルアミド系重合体
は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(以下、AMPSと表す。)もしくはその塩0.5〜1
0モル%および/または不飽和ジカルボン酸もしくはそ
の塩0.5〜10モル%をアクリルアミドに共重合させ
たものであり、主成分はアクリルアミドである。これら
単量体の他にこれらと共重合可能な単量体を含んでいて
も良い。すなわち、AMPSもしくはその塩、および/
または不飽和ジカルボン酸もしくはその塩の含有量が上
記の範囲内にある水溶性アクリルアミド系重合体は水分
10〜12%以上の土壌に添加されても、変性してその
効果を失ったり、土壌を団子状に粘着させることなく長
期の保存が可能で、またその使用にあたっては予め製造
され、保管されていた培土をそのまま育苗用容器に充填
し、播種作業を行うことができる。AMPSもしくはそ
の塩、および/または不飽和ジカルボン酸もしくはその
塩の共重合割合が少ない場合には、長期の保存は可能で
あるが得られる苗の根鉢部の強度が十分でなく移植に支
障を生じる。またその共重合割合が多い場合には、親水
性が高くなり過ぎて、育苗期間中のかん水で該重合体が
流失したり、あるいは根鉢部が十分に固まらず、結果と
して強度不足となり移植に支障が生じてしまう。AMP
Sはそのままでも水溶性の塩であってもよい。水溶性の
塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩であり、具体的には、リチウム塩、ナトリウム塩、カ
リウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩
等があげられる。
【0012】不飽和ジカルボン酸とは不飽和結合と2個
のカルボン酸を有する2塩基性脂肪酸であり、具体的に
は、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等をあげること
ができ、それらは混合して使用してもよい。また、その
塩としては、モノ塩、ジ塩のいずれであっても、水溶性
のものであれば特に限定はない。水溶性の塩として、ア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩があり、具体的に
は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシ
ウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等があげられる。
【0013】第3の共重合する単量体として、親水性の
非イオン性のもの、イオン性のもののいずれもが使用可
能であり、これらの使用により該重合体の親水性を高
め、あるいは低下させることも可能である。親水性の非
イオン単量体として、メタクリルアミド、N−メチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロ
イルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジ
ン、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトン
アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド誘
導体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレ−ト、各種のメトキシポ
リエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等の(メ
タ)アクリレ−ト、N−ビニル−2−ピロリドン、アク
リロニトリル、酢酸ビニル、グリシジルメタクリレ−ト
等をあげることができる。また、酢酸ビニル、グリシジ
ルメタクリレ−ト等の加水分解により水酸基を生成する
単量体を共重合により導入して、それを加水分解して親
水性を賦与することもできる。一方、イオン性の単量体
では、スルホン酸基含有単量体として、スチレンスルホ
ン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニル
スルホン酸およびそれらの塩等を上げることができ、ま
た不飽和モノカルボン酸含有単量体として、アクリル
酸、メタクリル酸およびそれらの塩等を上げることがで
きる。これらの第3の共重合する単量体としては、中で
も不飽和モノカルボン酸系の単量体が好ましい。なお、
これらの第3の共重合する単量体としては、通常、5モ
ル%以下が適当である。
【0014】アクリルアミド系重合体はその分子量が1
00万〜2500万であるものが良好に用いることがで
き、好ましくは500万〜2000万のものである。
【0015】次に上記した単量体を使用して水溶性アク
リルアミド系重合体を製造する方法は特に限定はない
が、具体的にはそれらの単量体をラジカル重合開始剤に
より重合してアクリルアミド系重合体を得る方法が最も
一般的である。
【0016】重合する単量体はそのまま塊状で重合して
もよいが、重合熱による暴走を防ぐため、多くの場合水
のような溶媒で希釈して重合を行う方が好ましい。ラジ
カル重合開始剤としてはラジカル重合を開始する能力を
有するものであれば制限はなく、たとえば無機過酸化
物、有機過酸化物、それらの過酸化物と還元剤との組み
合わせおよびアゾ化合物等がある。具体的には過酸化物
として過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ、過酸化水素、
tert−ブチルパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキ
サイド、クメンヒドロパ−オキサイド、tert−ブチ
ルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト、過安息香酸
ブチル等をあげることが可能であり、それらと組み合わ
せうる還元剤としては亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ロンガ
リット、鉄、銅、コバルト等の低次のイオン価の塩、テ
トラメチルエチレンジアミン、アニリン等の有機アミ
ン、更にはアルド−ス、ケト−ス等をあげることができ
る。アゾ化合物としては、アゾピスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン酸塩、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレイン酸等を使
用することができる。また、上記重合開始剤の2種以上
を併用することも可能である。
【0017】重合開始剤の使用量は通常アクリルアミド
の重合に使用される量的範囲で十分であり、たとえば単
量体当たり0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜
0.8重量%の範囲である。
【0018】このようにして得られる重合体は水などの
溶剤を留去して粉砕することにより粉状に、高濃度で重
合することによりゲル状に、あるいは低濃度で重合する
ことにより溶液状と各種の形状をとることができるが、
土壌に対する均等な混合、育苗用培土製造時における作
業効率、製造後の該培土の保存性などから、通常粉末の
状態で使用することが望ましい。
【0019】本育苗用培土の主成分となる土壌は粉状の
ものでも、人工的に造粒されたものでもよいが、使用時
に必要な水分が比較的少なく、ゆえに製造時における水
分調整が比較的簡単であり、また農家における作業性を
考慮した場合、粉状のものと1〜3mm程度に造粒され
たものが適量混合されている形状が望ましい。この際
に、必要に応じて肥料分、PH調節剤、有機質素材、腐
食土、鉱物質粉末などを含んでいてもよい。
【0020】アクリルアミド系重合体の土壌への混合割
合は、土壌に対し0.1〜5.0重量%、好ましくは
0.1〜1.5重量%である。0.1重量%未満では十
分な根鉢部の強度が得られない。また1.5重量%を越
えると作物によっては発芽、幼苗の育成を阻害すること
があり、さらにコスト面も考慮した場合0.1〜1.5
%が好ましい混合割合といえる。
【0021】上記濃度の育苗用培土をつくる方法として
は、あらかじめ使用時に必要な水分を調整した土壌に対
し、所定濃度となるよう該アクリルアミド系重合体粉末
を直接加える方法と、該アクリルアミド共重合体粉末を
5〜20程度の高濃度に調整したマスタ−バッチ土壌を
用意し、これと無添加の土壌を混合して所定濃度となる
ようにする方法がある。
【0022】均一な混合ということを考慮した場合、
(混ざりやすさを考慮し)無添加の土壌よりも低水分に
調整した土壌か、ゼオライト、ベントナイト等の鉱物質
粉末を使用したマスタ−バッチ土壌を用意した方がよい
場合が多い。
【0023】混合の際に使用される混合機は、一般的に
は皿型のものかドラム型のものが使用されるが、均一な
混合が可能なものであれば何れでも支障はない。次に育
苗用培土の保管方法であるが、製造後は極端な水分の偏
りによる該アクリルアミド系重合体のべとつきが生じな
いよう冷暗所に保管されることが望ましいが、通常肥料
や(合成)培土の保管に使用される倉庫であればこのよ
うな問題は生じない。水分の極端な偏りさえ生じなけれ
ば、従来使用されるアクリルアミド−アクリル酸ナトリ
ウム共重合体などと異なり、播種作業時に必要な水分を
含んでいても比較的長期間の保存が可能であり、その結
果として播種作業時における水分調整や篩分等の面倒な
作業を行う必要がなく、開封後直ちに播種作業を行える
という優れた作業性が実現する。このような方法により
製造(保管)した育苗用培土を、区分けされた育苗用容
器に所定量充填し、植物の種類により必要がある場合に
は上から圧縮した後、各区毎に播種し、苗を育てること
によって機械移植に耐え得る強度をもつ根鉢部が得られ
る。
【0024】育苗期間中において使用される育苗用容器
とは播種してから移植時までの間、植物を栽培する容器
である。現在、プラスチック製のものが作物別に数種類
市販されている。
【0025】栽培管理については土壌に該重合体が混合
されていることで、通常の土壌と物理性が異なるもの
の、かん水、温度等の管理で従来の方法より特に逸脱す
る点はない。
【0026】本発明の育苗用培土は野菜、花き、苗木、
あるいは水稲の薄播きによる成苗移植などに使用でき、
対象作物は特に限定されないが、根の本数が少ないある
いは根が直根で細根も少なく土つかみが悪いため根鉢部
を形成しづらい作物、例えば、タマネギ、レタスなどに
おいて特に有効である。
【0027】
【実施例】以下に該重合体の製造例と、タマネギにおけ
る本発明の育苗用培土の使用実施例を示すが本発明はこ
れらに何ら限定されるものではない。
【0028】製造例1 AMPSナトリウム塩(以下、AMPS−Naと表す)
5モル%を含有したアクリルアミド系共重合体の製造 アクリルアミド25.6重量%とAMPS−Na4.3
重量%含有水溶液をジュワ−瓶中に入れ、窒素ガスで置
換した後、30℃にて亜硫酸水素ナトリウムおよび過硫
酸カリウムを単量体総量に対して各々0.5重量%加
え、断熱的に重合した。得られたゲルを細断して、12
0℃で乾燥した後、さらに粉砕し、篩にてふるい分け、
20−100メッシュ画分を採取した。このアクリルア
ミド系共重合体の分子量(ゲルパ−ミエ−ションクロマ
トグラフィ−(GPC)による分子量(重量平均))は
1100万であった。AMPS−Naの量を加減し、以
下同様にして、AMPS−Naの含有量及び分子量の異
なるアクリルアミド・AMPS−Na共重合体を得た。
【0029】製造例2 イタコン酸ナトリウム(以下、イタコン酸Naと表す)
1モル%を含有したアクリルアミド系共重合体の製造 アクリルアミド29.2重量%、イタコン酸Na0.7
重量%含有水溶液をジュワ−瓶中に入れ、窒素ガスで置
換した後、30℃にて亜硫酸水素ナトリウムおよび過硫
酸カリウムを単量体総量に対して各々0.5重量%添加
して、断熱的に重合した。得られたゲルを細断して、1
20℃で乾燥し、さらに粉砕した後、篩にて20−10
0メッシュ画分を採取した。得られた共重合体の分子量
(重量平均)は800万であった。イタコン酸Naの量
を加減し、以下同様にして、イタコン酸Naの含有量及
び分子量の異なるアクリルアミド・イタコン酸Na共重
合体を得た。
【0030】製造例3 AMPS−Na2モル%とイタコン酸Na1モル%を含
有したアクリルアミド系共重合体の製造 アクリルアミド27.5重量%、AMPS−Na1.8
重量%およびイタコン酸Na0.7重量%含有水溶液を
ジュワ−瓶中に入れ、窒素ガスで置換した後、30℃に
て亜硫酸水素ナトリウムおよび過硫酸カリウムを単量体
総量に対して各々0.5重量%添加して、断熱的に重合
した。得られたゲルを細断して、120℃で乾燥し、さ
らに粉砕した後、篩にて20−100メッシュ画分を採
取した。得られた共重合体の分子量(重量平均)は90
0万であった。AMPS−Naおよびイタコン酸Naの
量を加減し、以下同様にして、AMPS−Naおよびイ
タコン酸Naの含有量及び分子量の異なるアクリルアミ
ド・AMPS−Na・イタコン酸Na共重合体を得た。
【0031】製造例4 AMPS−Na3モル%とアクリル酸ナトリウム(以
下、アクリル酸Naと表す)0.5モル%を含有したア
クリルアミド系共重合体の製造 アクリルアミド27.1重量%、AMPS−Na2.7
重量%およびアクリル酸Na0.2重量%含有水溶液を
ジュワ−瓶中に入れ、窒素ガスで置換した後、30℃に
て亜硫酸水素ナトリウムおよび過硫酸カリウムを単量体
総量に対して各々0.5重量%添加して、断熱的に重合
した。得られたゲルを細断して、120℃で乾燥し、さ
らに粉砕した後、篩にて20−100メッシュ画分を採
取した。得られた共重合体の分子量(重量平均)は10
00万であった。
【0032】製造例5 イタコン酸Na4モル%とアクリル酸Na0.8モル%
を含有したアクリルアミド系共重合体の製造 アクリルアミド26.9重量%、イタコン酸Na2.8
重量%およびアクリル酸Na0.3重量%含有水溶液を
ジュワ−瓶中に入れ、窒素ガスで置換した後、30℃に
て亜硫酸水素ナトリウムおよび過硫酸カリウムを単量体
総量に対して各々0.5重量%添加して、断熱的に重合
した。得られたゲルを細断して、120℃で乾燥し、さ
らに粉砕した後、篩にて20−100メッシュ画分を採
取した。得られた共重合体の分子量(重量平均)は80
0万であった。
【0033】製造例6 AMPSNa4モル%、イタコン酸Na2モル%および
アクリル酸Na1モル%を含有したアクリルアミド系共
重合体の製造 アクリルアミド24.9重量%、AMPSナトリウム塩
3.5重量%、イタコン酸ナトリウム1.3重量%およ
びアクリル酸ナトリウム0.4重量%含有水溶液をジュ
ワ−瓶中に入れ、窒素ガスで置換した後、30℃にて亜
硫酸水素ナトリウムおよび過硫酸カリウムを単量体総量
に対して各々0.5重量%添加して、断熱的に重合し
た。得られたゲルを細断して、120℃で乾燥し、さら
に粉砕した後、篩にて20−100メッシュ画分を採取
した。得られた共重合体の分子量(重量平均)は950
万であった。
【0034】実施例1〜6 (1)育苗用培土の調整 肥料分を含む主成分となる土壌として、寒冷地向水稲育
苗用培土「成苗用ナイスマット」(三井東圧肥料(株)
製)に肥料分としてKg当たりチッソ150mg 、リン酸50
0mg 、カリウム150mg を含むよう調整し、水分18%、
PH6に調節したものを使用した。この土壌20Kgを
小型の皿型混合機中で混合しながら、製造例1で製造し
たAMPS−Na2モル%含有するアクリルアミド系重
合体を粉末の状態で表1に示す添加量となるよう添加混
合し、ビニ−ル袋に詰め、肥料用倉庫で3か月保管した
ものを育苗用培土のサンプルとした。
【0035】(2)タマネギの育苗および根鉢部強度試
験 育苗用シ−トの下に敷く下土として、砂土壌に肥料分と
してチッソ200mg/Kg、リン酸600mg/Kg、カリウム200mg/
Kgを加え、炭酸カルシウムでPHを6に調節したものを
使用し、水稲用の14×32=448の小区画(直径16mm,深さ
24mm)からなる市販の育苗用シ−ト(みのる産業(株)
製造)に上記育苗用培土を詰め(1シ−トに1サンプ
ル)、上から圧縮した後、1区画に1粒づつタマネギの
種(品種:春ひぐま)を播種し覆土した。播種作業完了
後十分にかん水し、10日間はビニ−ルシ−トで表面を
覆い、それ以後はビニ−ルシ−トを取り去り温室内で育
苗した。播種後10日目以降、育苗期間中は適時に適量
かん水した。播種後45日目にかん水を停止し、7日間
放置し、土壌中の含有水分量を15%以下に乾燥したと
ころで、再度十分に水分が行き渡るようかん水を行い、
育苗用シ−トから半数の底部からガラス棒で突き上げる
ことにより適度に湿った根鉢部を有する苗を得た。根鉢
部を有する苗を取り出す前に草丈(mm)を測定した。
強度は、得られた苗のうち無作為に100個を選び出
し、80cmの高さから地面に根鉢部の底を下にして自
然落下させ、壊れる個数を数えた。100個中の壊れた
個数により、A(壊れた数0〜4個)、B(壊れた数5
〜9個)、C(壊れた数10〜19個)、D(壊れた数
20〜49個)およびE(壊れた数50個以上)で表わ
す。
【0036】(3)機械移植および移植後の調査 落下試験終了後、育苗用シ−トの残り半分をタマネギの
移植機(みのるOP−4:みのる産業(株)製)に装着
し、畑地に移植作業を行ない、植えつけの状態と植え付
け2週間後の活着状態について調査を行った。植えつけ
状態(機械移植)は、移植作業後に、欠株(不発芽によ
るものを除く)・2本苗・逆さ苗などの移植不良苗の数
を調査し、移植不良苗の数が移植した全苗の割合を求
め、その割合により、A(不良率10%未満)、B(不
良率10〜15%未満)、C(不良率15〜25%未
満)、D(不良率25%以上)で表した。なお、根鉢部
の強度不足で移植作業が上手く行かなかったものについ
ては−で示した。活着の状態は、機械移植で正常に移植
されたものから100本を無作為に選び95%以上が正
常に成育していたものを良好と表した。また、根鉢部の
強度不足で移植作業が上手く行かなかったものについて
は活着の状態を調べていないので−で示した。得られた
結果を表1にまとめて示す。
【0037】比較例1 アクリルアミド系重合体を使用せず、実施例1〜6と同
様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0038】比較例2 アクリルアミド系重合体の添加量を0.05重量%とす
る他は、実施例1〜6と同様の試験を行った。結果を表
1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例7〜9 アクリルアミド系重合体として、それぞれAMPS−N
aの含有率が0.5モル%、5モル%、10モル%であ
るアクリルアミド系重合体を使用する他は実施例4と同
様の試験を行った。結果を表2に示す。
【0041】比較例3、4 アクリルアミド系重合体として、それぞれAMPS−N
aの含有率が0.2モル%、15モル%であるアクリル
アミド系重合体を使用する他は実施例4と同様に試験を
行った。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】 表中AMPSNaはAMPS−Naを表す。また、参考のた
め、実施例4を載せた。
【0043】実施例10〜14、比較例5、6 アクリルアミド系重合体として、AMPS−Naの代わ
りにイタコン酸Naを表3に示す含有量であるアクリル
アミド系重合体を使用する他は実施例4と同様の試験を
行った。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】 表中IANaはイタコン酸Naを示す。
【0045】実施例15〜20、比較例7、8 アクリルアミド系重合体として、AMPS−Naおよび
イタコン酸Naを表4に示す含有量であるアクリルアミ
ド系重合体を使用する他は実施例4と同様の試験を行っ
た。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】 表中 AMPSNa およびIANaはそれぞれAMPS−Na、
イタコン酸Naを示す。
【0047】実施例21 アクリルアミド系重合体として、AMPS−Na3モル
%およびアクリル酸Na0.5モル%を含有するアクリ
ルアミド系重合体を使用する他は実施例4と同様の試験
を行った。結果を表5に示す。
【0048】実施例22 アクリルアミド系重合体として、イタコン酸Na4モル
%およびアクリル酸Na0.8モル%を含有するアクリ
ルアミド系重合体を使用する他は実施例4と同様の試験
を行った。結果を表5に示す。
【0049】実施例23 アクリルアミド系重合体として、AMPS−Na4モル
%、イタコン酸Na2モル%およびアクリル酸Na1モ
ル%を含有するアクリルアミド系重合体を使用する他は
実施例4と同様の試験を行った。結果を表5に示す。
【0050】比較例9〜12 アクリルアミド系重合体として、アクリル酸Naをそれ
ぞれ0.6モル%、2モル%、7モル%、10モル%含
有するアクリルアミドとアクリル酸Naとの共重合体を
使用し、調製した培土の肥料用倉庫内での保管日数を1
0日とした他は実施例4と同様に試験を行った。結果を
表5に示す。
【0051】
【表5】 表中 AMPSNa 、IANaおよびAANaはそれぞれAMPS
−Na、イタコン酸Naおよびアクリル酸Naを示す。
なお、比較例9〜12は調製した後10日間の倉庫保管
した調製培土を用いた。
【0052】
【発明の効果】表1にみられるように、本発明で用いる
アクリルアミド系重合体の添加量が、0.1重量%未満
あるいは1.5重量%を越えるものでは強度が小さい、
または発芽率や幼苗の生育が低下する等の問題があった
ことから、添加量としては0.1〜1.5%が適当であ
った。表2〜4にみられるように、AMPS−Naやイ
タコン酸Naを適正な範囲内のモル分率で含有するアク
リルアミド系重合体を、適正な範囲内の重量%で土壌に
添加混合した育苗用培土は、肥料用倉庫内における保管
日数が3か月であっても発芽状況、生育状況、根鉢部強
度、機械移植による植えつけ、活着いずれも良好であ
り、実用性の高いことが判明した。また表5にみられる
ように、アクリル酸NaをAMPS−Naやイタコン酸
Naとともに共重合させ、親水性を増したものについて
も問題はなかったが、従来使用されているアクリル酸N
aのみを共重合させたアクリルアミド系重合体では肥料
用倉庫内における保管が10日の段階でその効果を失っ
ていた。
【0053】AMPSもしくはその塩および/または不
飽和ジカルボン酸もしくはその塩を共重合してなる水溶
性アクリルアミド系重合体は特異な性能を有し、紙パル
プ廃水、製鉄製鋼廃水、下水の処理だけでなく、再冷水
用防蝕剤、金属表面処理剤など様々な分野に利用されて
いるが、本発明のように土壌に混合し、機械移植に耐え
得る強度を発現することを見出して育苗用培土に利用し
た例は未だ見当たらなかった。従来公知のアクリル酸N
aとアクリルアミドの共重合体を土壌に添加した育苗用
培土では、使用時に必要な水分を保持した状態では短期
間でも保存がきかないため、製品の水分を極力低いもの
にしなければならず、粉塵発生防止の為あるいは育苗用
容器に充填後、播種に必要な空間を作るためロ−ラ−等
で圧縮を行う場合、使用現場(農家)で必要な水分を調
整しなければならず、またこのときに発生する団子状の
塊を取り除くため篩分を行う必要が生じ、これらの作業
は移植の機械化による効果を相殺するものであった。し
かし本発明の育苗用培土は使用時に必要な水分が存在し
ていても比較的長期間の保存が可能であるため、使用現
場において新たに水分を調整し直したり、篩分を行うこ
となく開封後直ちに育苗用容器に充填し、播種作業を行
えるという優れた作業性を実現した。本発明の育苗用培
土は対象作物を限定しないが、根の本数が少ない、ある
いは根が直根で細根も少なく土つかみがわるく根鉢部を
形成しずらい作物、タマネギ、レタスなどにおいて特に
有効であり、根鉢部の強度、作業性の面から実用的な効
果が大きい。
フロントページの続き (72)発明者 梶 裕一 北海道砂川市豊沼町1番地 三井東圧肥料 株式会社内 (72)発明者 森 明弘 北海道砂川市豊沼町1番地 三井東圧肥料 株式会社内 (72)発明者 伊藤 博 神奈川県横浜市栄区笠間町1190 三井東圧 化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
    ンスルホン酸もしくはその塩0.5〜10モル%および
    /または不飽和ジカルボン酸もしくはその塩0.5〜1
    0モル%をアクリルアミドと共重合した水溶性アクリル
    アミド系重合体を土壌に対し、0.1〜5重量%添加混
    合してなる育苗用培土。
JP6327742A 1994-12-28 1994-12-28 育苗用培土 Pending JPH08172900A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6327742A JPH08172900A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 育苗用培土

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6327742A JPH08172900A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 育苗用培土

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08172900A true JPH08172900A (ja) 1996-07-09

Family

ID=18202477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6327742A Pending JPH08172900A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 育苗用培土

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08172900A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005229857A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Sumika Agrotech Co Ltd 覆土層固化培土及びその利用
JP2016153468A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 みのる産業株式会社 機械移植用固化培土

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005229857A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Sumika Agrotech Co Ltd 覆土層固化培土及びその利用
JP2016153468A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 みのる産業株式会社 機械移植用固化培土

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5927003A (en) Polymeric media amendment
KR100478742B1 (ko) 식물 보수용 담체
JP5010276B2 (ja) 吸水性樹脂を主成分とする粒子状植物育成用保水材
US4906276A (en) Plant transplant and plant preservation medium
US5209768A (en) Method of improving sod growth
JP2010523092A (ja) 土壌調整剤を注入するための装置及び方法
US4985061A (en) Plant transplant and plant preservation medium
Nirmala et al. Hydrogel/superabsorbent polymer for water and nutrient management in horticultural crops
US4985062A (en) Method of improving crop yield
JP2007244393A (ja) 育苗培土の調製方法及び育苗培土並びに育苗培土調製用セット
JPH0279911A (ja) 土壌保水剤および保水方法
JPH08172900A (ja) 育苗用培土
JP5774862B2 (ja) 土付き苗用の培土
JP2007222111A (ja) セル成型苗用の育苗用養土およびセル成型苗の生産方法
JP3315660B2 (ja) 改良された機械移植用育苗用培土
JP2706727B2 (ja) 土壌保水剤および保水方法
JPH11235127A (ja) 育苗培土の調製方法及び育苗培土並びに育苗培土調製用セット
JP6120202B2 (ja) 水耕栽培用苗の栽培培地
JP4694810B2 (ja) 吸水性樹脂を主成分とする植物育成用保水材
JP2876002B1 (ja) 改良された機械移植用育苗用培土
JP3572683B2 (ja) 育苗培土
JPH08256592A (ja) 人工培土
JP2002171831A (ja) 機械定植用育苗培土
JP2000144131A (ja) 育苗培土
JPH0822185B2 (ja) 水稲育苗法およびこれに使用する床土組成物