JP2000144131A - 育苗培土 - Google Patents

育苗培土

Info

Publication number
JP2000144131A
JP2000144131A JP10319341A JP31934198A JP2000144131A JP 2000144131 A JP2000144131 A JP 2000144131A JP 10319341 A JP10319341 A JP 10319341A JP 31934198 A JP31934198 A JP 31934198A JP 2000144131 A JP2000144131 A JP 2000144131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
soil
seedling
acrylamide
soluble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10319341A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Tsuruta
学 鶴田
Masahiko Mitsuzuka
雅彦 三塚
Hiroshi Sato
佐藤  寛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP10319341A priority Critical patent/JP2000144131A/ja
Publication of JP2000144131A publication Critical patent/JP2000144131A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G3/00Mixtures of one or more fertilisers with additives not having a specially fertilising activity
    • C05G3/80Soil conditioners

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Soil Sciences (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 N−アリル置換アルケニルコハク酸ハー
フアミドないしその塩を0.01〜1モル%共重合した
水溶性アクリルアミド系重合体を土壌に添加混合してな
る育苗培土。 【効果】 作物苗の機械移植に適した育苗培土を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、育苗培土に関す
る。詳しくは、機械移植による作物苗の移植に適した育
苗培土に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農家における人手不足は深刻であ
る。土付き苗を機械によって移植する方法による農作業
の省力化はこの問題に対する大変有効な手段になると考
えられており、今後機械移植は相当な勢いで普及すると
思われる。現在、作物の苗を育てる育苗用の容器および
培土を使用し、育てた苗を移植する方法として根部の傷
みが少なく、しかも活着の良い土付き苗による移植方式
が注目されている。 土付き苗は移植を行う際に、土付
き苗の根を被覆している部分(以下、根鉢部)があるの
で、苗の取り扱いが植物体に触れずに行え、機械移植に
よる移植の場合であっても植物体を傷めずに移植するこ
とが可能である。
【0003】しかしながら、従来使用されている育苗培
土は、移植時に取り扱われる根鉢部についての強度を向
上させるような工夫はなされておらず、移植時に根鉢部
が崩壊したり、あるいは、欠落して移植作業に支障を生
じさせており、また移植後においても活着の不良による
生育不良の原因となっている。この対策として、例えば
土壌にピートモスなどの繊維状の有機質素材を混合する
とか、土壌自体で粘着力を得るために練床状にした湿度
を用いる方法がとられている。
【0004】これらの方法では、混合・混練に手間を要
するだけでなく、通気性、透水性が低下し、生育が阻害
され易く、なおかつ根鉢部の強度も満足できるものとは
ならなかった。
【0005】近年になり、水溶性高分子をバインダーと
して土壌に混合して育苗培土とする方法が種々提案され
ている。例えば、水溶性高分子としてアクリルアミド−
アクリル酸ナトリウム共重合体(特開昭48−9084
8、特開昭59−59119、特開昭59−8802
5、特開昭59−106228)、ポリビニルアルコー
ル系重合体(特開昭59−183630)、ポリエチレ
ングリコール系重合体(特公平3−17451、特開平
5−23048)等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した水溶性高分子
のうちポリエチレングリコール系重合体を使用した場
合、親水性が高すぎ、かん水による流失が激しく、育苗
期間が比較的長期(1ヶ月以上)となる場合根鉢部が弱
くなり、実用性が低い。また、アクリルアミド−アクリ
ル酸ナトリウム共重合体、ポリビニルアルコール系重合
体を使用した場合、これらを土壌に添加することにより
活着の良い、根鉢部の強度に優れた土付き苗を得ること
ができ、移植については効率よく行うことができる。し
かし、実際にそれらの水溶性高分子を添加した土壌を使
用して播種する場合、育苗用容器への充填にあたって、
作業性や播種作業のために土壌中の水分を10〜30%
程度に保つ必要があるが、使用する土壌によって多少の
差はあるものの、一般的に10%以上の水分を含む土壌
にこれらの水溶性高分子を添加しておくと、経時と共に
水溶性高分子が吸水(湿)し、その他の要因も含めて変
性が進行し、根鉢部を形成する能力を失ったり、最悪の
場合添加した水溶性高分子自身がゾル化して土壌が粘着
性を帯び、団子状となり育苗用容器への充填が不可能と
なる。そのため、予めこれら水溶性高分子を混合・混練
した育苗培土を製造しておくには水分をできるだけ少な
く、通常、10%未満にしておかなければならない。
【0007】従って、これらの水溶性高分子を含む育苗
培土を育苗用容器に充填し播種する場合、作業に先立っ
て必要な水分、すなわち粉塵発生防止や育苗用容器へ充
填後、播種可能な空間を造るためローラー等で圧縮可能
とするため等に必要な水分を10〜12%以上に、土壌
の形状によっては20〜30%程度に再調整し、再調整
後篩分する作業が不可欠となる。さらに、これらの水溶
性高分子を添加した土壌は、上記の理由により水分を播
種作業するのに適した水分含量に再調整したものは保存
性が非常に悪くて、水分の再調整は播種作業ごとに行わ
れなければならないため、大量の育苗培土を必要とし、
数日間に渡って播種作業を行うタマネギのような作物で
は非常に面倒で、作業効率が悪い要因になっていた。こ
のように土壌の事前処理を必要とすることは、移植の機
械化による効果を相殺するものであり、この技術の課題
となっている。
【0008】一方、スルホン酸基含有単量体とアクリル
アミドの架橋重合体を土壌に添加した技術(特開昭64
−31025、特開平3−93892)があるが、これ
は土壌の保水性を向上させるものであり、根鉢部の強度
向上にはつながらない。従って本発明の解決すべき課題
は、土壌に水溶性高分子を添加した育苗培土の提供にあ
たって、該培土に使用前の水分調整を施すことなく、そ
のまま育苗用容器に充填し播種作業を行うことができ、
かつ得られる苗の根鉢部が充分強く、機械移植を効率的
に行える、農作業の省力化に有効な保存性に優れた育苗
培土を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の点に
鑑み鋭意検討した結果、N−アリル置換アルケニルコハ
ク酸ハーフアミド(別名アルケニルスクシンアリルアミ
ド酸)ないしその塩(両者を合わせて以下ASA−MA
と略す)を0.01〜1モル%共重合した水溶性アクリ
ルアミド系共重合体が、土壌中において幼植物の生育を
抑制せず、該重合体を添加した土壌を使用したときに必
要な水分を含有した状態で保存しても、変性して効果を
失ったり、土壌が団子状になることがなく、かつ農家に
おいてはそのまま育苗容器に充填し播種作業を行うこと
ができ、さらに得られた苗は効率よく機械移植できるこ
とを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明はAS
A−MAを0.01〜1モル%共重合した水溶性ポリア
クリルアミド系重合体からなる耐水性に優れたバインダ
ー、及び該バインダーを土壌に対し0.1〜5重量%添
加混合してなる保存性に優れた育苗培土である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳述する。本
発明において、土壌に混合される水溶性アクリルアミド
系重合体はASA−MAを0.01モル%〜1モル%ア
クリルアミドを主成分とする単量体と共重合させたもの
であり、主成分はアクリルアミドである。
【0011】ASA−MAの共重合割合が上記の範囲内
にある水溶性アクリルアミド系重合体は水分10〜12
%以上の土壌に添加されても、変性してその効果を失っ
たり、土壌を団子状に粘着させることなく長期の保存が
可能で、またその使用に当たっては予め製造され保管さ
れていた培土をそのまま育苗容器に充填し、播種作業を
行うことができる。ASA−MAの共重合割合は0.0
1〜1.0モル%、より好ましくは0.02〜0.5モ
ル%、更に好ましくは0.05〜0.2モル%である。
ASA−MAの共重合割合が0.01モル%より少ない
場合には根鉢部の強度に支障を生じる。またその共重合
割合が1.0モル%より多い場合には疎水性が強くなり
すぎて、充分な分散、延伸が得られないことにより根鉢
部が固まらず結果として強度不足となり移植に支障を生
じることになる。ここでいうASA−MAの共重合割合
とは、アクリルアミド、ASA−MAを含む全単量体の
モル数に対するASA−MAのモル数の比率である。ま
た本発明においては、全単量体の内20モル%以下であ
れば重合速度の調整などのために、アクリルアミド、A
SA−MA以外の単独ないし複数の単量体をアクリルア
ミド、ASA−MAと共重合させてもよい。
【0012】アクリルアミド、ASA−MAと共重合し
うる単量体はアクリルアミド、ASA−MAと共重合可
能でれば特に限定するものではない。例を挙げればメタ
クリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチル
アクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、 N,
N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタク
リルアミド、 N−エチルアクリ ルアミド、N−エチル
メタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、
N,N− ジエチルメタクリルアミド、N−n−プロピ
ルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、
N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリ
ジン、N−アクリロイルモルホリン、N,N−ジ−n−
プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミ
ドなどの不飽和カルボン酸アミド類やメチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチ
ルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメ
タクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレ
ート、
【0013】N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ートなどの不飽和カルボン酸エステル類や2−アクリル
アミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアクリ
ルアミドスルホン酸類およびそれらのアルカリ金属塩、
アンモニウム塩、有機アミン塩や、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテ
ル、ビニル−n−プロピルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルなどのビニルアルキルエーテル類や、アクリロ
ニトリル、スチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、マレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヒキシルマレ
イミド、ビニルスルホン酸およびその塩類、スチレンス
ルホン酸およびその塩類、アリルアミン、N−メチルア
リルアミン、2−メチルアリルアミン、ジアリルアミ
ン、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドなどのアリ
ルアミン類とそれらの塩類などが挙げられる。ただし、
アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類お
よびそれらのアルカリ金属塩は培土の保存性を低下させ
ることがあるので好ましくない。本発明に用いられるA
SA−MAとは式(1)(化1)
【0014】
【化1】 (ここで、Mは水素原子またはアルカリ金属、アルカリ
土類金属、アンモニウム基、有機塩基を表す。またRは
全炭素数が10〜25の直鎖ないし分岐鎖アルケニル
基)で表される。ASA−MAの置換基Rの全炭素数が
10より小さいと根鉢部の強度が低下することがある。
またRの全炭素数が25を超えると疎水性が強くなりす
ぎて、充分な分散、延伸が得られないことにより根鉢部
が固まらず結果として強度不足となり移植に支障を生じ
ることがある。より好ましくはRの全炭素数が16〜1
8程度のものである。ASA−MAは、有機溶剤中ある
いは無溶媒で対応するアルケニルコハク酸無水物(通称
ASA)にアリルアミンを付加させることにより得るこ
とができる(例えば特開平9−52872など)。反応
式を式(2)(化2)
【0015】
【化2】 に示す。付加反応後のASA−MAは酸型でありそのま
ま用いることもできるが、共重合溶媒に水を用いる場合
には酸型は溶解性が低いので、苛性ソーダ、苛性カリ、
アンモニアなどの塩基で中和して用いることがより好ま
しい。ASAは紙のサイズ剤などとして販売されている
製品を用いることができる。代表的な製品に三菱石油製
パベラス−NPが挙げられる。市販のASAは、アルケ
ニル基が分岐しており、分岐の位置や不飽和結合の位置
が異なる複数の異性体の混合物であるが、混合物であっ
ても本発明に用いるにはなんら差し支えない。勿論アル
ケニル基が直鎖のものや、混合物ではなく単一の構造の
ASAを用いてもよい。アリルアミンは工業薬品として
市販されている。
【0016】次に上記した単量体を使用して水溶性アク
リルアミド系重合体を製造する方法は特に限定はなく公
知の方法で重合できる(例えば特開平9−52872な
ど)。例を挙げればラジカル重合開始剤の存在下、所定
温度に保つことにより重合を行うことができる。単量体
濃度は10〜90重量%程度が適当である。反応温度は
反応中一定に保つ必要はなく、重合の進行に伴い適宜変
えてもよく、必要に応じて加熱または除熱しながら行
う。また断熱重合を行うこともできる。断熱重合後、引
き続いて加熱により後反応を行ってもよい。適当な重合
温度は使用する単量体の種類や濃度、重合開始剤の種類
などにより異なり特に限定するものではないが、単一開
始剤の場合には概ね30〜200℃の範囲であり、レド
ックス系重合開始剤の場合にはより低く、一括で重合を
行う場合には概ね−10〜80℃であり、単量体を逐次
添加する場合には概ね0〜90℃である。
【0017】重合器内の雰囲気は特に限定はないが、重
合を速やかに行わせるには窒素ガスのような不活性ガス
で空気を置換した方がより好ましい。また反応液も予め
不活性ガスで溶存酸素を置換した方が更に好ましい。重
合時間は特に限定はないが、概ね10分〜40時間であ
る。反応圧力は特に限定はないが、常圧ないし弱加圧が
適当である。重合溶媒としては該記の単量体を実質的に
共重合しうる様に溶解するものであればよいが、水が一
般的に用いられる。N−アリル置換アルケニルコハク酸
ハーフアミドは分子内のカルボキシル基をアルカリで中
和すると水に可溶になる。水に可溶になるpHはアルケ
ニル基の鎖長などにより異なるが、例えばアルケニル基
の炭素数が16〜18の場合ではpH8以上の条件で、
水を溶媒とする均一重合が可能である。水に不溶なpH
条件でも、界面活性剤の存在下で乳化重合することもで
きる。
【0018】重合に有機溶剤を用いることも可能であ
り、二硫化炭素、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸、モ
ルホリン、テトラヒドロフラン、ピリジン、メチルエチ
ルケトン、アセトンやメタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコール等のアル
コール類、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシドなどが例として挙げられる。これらの
1種ないし数種を水と混合して用いることもできる。
【0019】重合開始剤としては一般のラジカル重合開
始剤が使用できる。具体的には水を溶媒とする場合の重
合開始剤としては、過酸化物系では、例えば過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリ、過酸化水素、tert−ブチル
パーオキサイド等の水溶性の開始剤が挙げられる。この
場合、単独でも使用できるが、還元剤と組み合わせてレ
ドックス系重合剤としても使える。還元剤としては、例
えば亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルト等の低
次のイオンの塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩、N,N,N',
N'-テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン、更
にはアルドース、ケトース等の還元糖などをあげること
ができる。また、アゾ化合物としては、2,2'-アゾビス-
2-アミジノプロパン塩酸塩、2,2'-アゾビス-2,4-ジメ
チルバレロニトリル、4,4'-アゾビス-4-シアノバレイ
ン酸及びその塩などを使用することができる。更に上記
した重合開始剤を2種以上併用してもよい。その他にも
過酸化物系では、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロル
ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
ジ-tert-ブチルパーオキサイド、
【0020】1,1,3,3,-テトラメチルブチルパーオキサ
イ ド、2,5ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサ イド、tert−ブチ
ルパーベンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、te
rt−ブチルパーフェニルアセテート、tert−ブチルパー
オキシラウレート、クミルパービバレートまた、アゾ化
合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-ア
ゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、
2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-
ア ゾビスイソブチロニトリル、1,1'-アゾビス(シク
ロヘキサン-1-カルボニトリル)、2- フェニルアゾ-4-
メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2'-アゾビス
(2,4,4-トリ メチルペンタン)、2,2'-アゾビス(2-
メチルプロパン)、ジメチル2,2'-アゾビス(2- メチ
ルプロピオネート)などを使用することができる。更
に、上記した重合開始剤を2種以上併用することも可能
である。
【0021】重合開始剤の添加量は単量体の反応性や濃
度等により異なるが、単量体に対して0.0001〜1
0重量%の範囲、より好ましくは0.01〜8重量%が
適当である。また、レドックス系の場合には、重合開始
剤に対して還元剤の添加量はモル基準で0.1〜100
%、より好ましくは0.2〜80%が適当である。ま
た、必要に応じてイソプロピルアルコール、α-チオグ
リセロール、メルカプトこは く酸、チオグリコール
酸、トリエチルアミン、次亜りん酸ナトリウム等の連鎖
移動剤を適宜使用することもできる。また、重合速度を
調整するなどの目的で、エチレンジアミン4酢酸ナトリ
ウム(EDTA−Na)やクエン酸、酒石酸、尿素、チ
オ尿素、L−アスコルビン酸、エチレントリチオカーボ
ネート、フェノチアジン、ニコチン酸アミドなどの化合
物を使用してもよい。連鎖移動剤や重合速度の調整剤な
どの使用量は、共重合体の分子量などにより異なるが、
概ね単量体全量に対して0.01ppm〜5.0重量%
程度が適当である。
【0022】重合に供する単量体類、重合開始剤、溶
媒、連鎖移動剤などは重合を開始する時点で一度に反応
容器に仕込んでもよいが、重合の進行に応じて、1種あ
るいはそれ以上の成分を、単独あるいは溶媒などに混合
したものを逐次添加していってもよい。このようにして
得られた水溶性アクリルアミド系重合体はその分子量が
50万〜2500万のものが良好に用いることができ
る。より好ましくは分子量100万〜2000万、更に
好ましくは分子量300万〜1000万のものである。
ここでいう水溶性とは、重合体が純水ないしは各種塩類
の水溶液に完全にあるいは部分的に溶解しうるものであ
り、ハイドロゲルなどの単に水膨潤性の重合体とは異な
ることを表している。
【0023】得られた重合体は水などの溶媒を留去して
粉砕することにより粉状に、高濃度で重合することによ
りゲル状に、あるいは低濃度で重合することにより溶液
状と各種の形状をとることができるが、土壌に対する均
等な混合、育苗培土製造時における作業効率、製造後の
該培土の保存性などから、通常粉末の状態で使用するこ
とが望ましい。本育苗培土の主成分となる土壌は粉状の
ものでも、人工的に造粒されたものでもよいが、使用時
に必要な水分が比較的少なく、ゆえに製造時における水
分調整が比較的簡単であり、また農家における作業性を
考慮した場合、粉状のものと1〜3mm程度に造粒された
ものが適量混合されている形状のものが望ましい。この
際に、必要に応じて肥料分、PH調節剤、有機素材、腐
植土、鉱物質粉末などを含んでいても良い。水溶性アク
リルアミド系重合体の土壌への混合割合は、土壌に対し
0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.1〜1.5
重量%、更に好ましくは0.2〜1.5重量%、最も好
ましくは0.5〜1.5重量%である。0.1重量%未
満では十分な根鉢部の強度が得られない。5.0重量%
を超えると作物の発芽を阻害することがある。また1.
5重量%を超えると作物によっては発芽、幼苗の育成を
若干阻害することがあり、さらにコスト面も考慮した場
合0.1〜1.5%がより好ましい混合割合といえる。
【0024】上記濃度の育苗培土をつくる方法として
は、あらかじめ使用時に必要な水分を調整した土壌に対
し、所定濃度となるよう該水溶性アクリルアミド系重合
体粉末を5〜20%程度の高濃度に調整したマスターバ
ッチ土壌を用意し、これと無添加の土壌を混合して所定
濃度となるようにする方法がある。均一な混合というこ
とを考慮した場合、(混ざりやすさを考慮し)無添加の
土壌よりも低水分に調整した土壌か、ゼオライト、ベン
トナイト、白土等の鉱物質粉末を使用したマスターバッ
チ土壌を用意した方が良い場合が多い。混合の際に使用
される混合機は、一般的には皿型のものかドラム型のも
のが使用されるが、均一な混合が可能なものであれば何
れでも支障はない。
【0025】次に育苗培土の保管方法であるが、製造後
は極端な水分の偏りによる該水溶性アクリルアミド系重
合体のべとつきが生じないよう冷暗所に保管されること
が望ましいが、通常肥料や合成培土の保管に使用される
倉庫であればこのような問題は生じない。水分の極端な
偏りさえ生じなければ、従来使用されるアクリルアミド
−アクリル酸ナトリウム共重合体などと異なり、播種作
業時に必要な水分を含んでいても比較的長期間の保存が
可能であり、その結果として播種作業時における水分調
整や篩分等の面倒な作業を行う必要がなく、開封後直ち
に播種作業を行えるという優れた作業性が実現する。こ
のような方法により製造〜保管した育苗培土を、区分け
された育苗用容器に所定量充填し、植物の種類により必
要がある場合には上から圧縮した後、各区毎に播種し、
苗を育てることによって機械移植に耐えうる強度をもつ
根鉢部が得られる。
【0026】育苗期間中において使用される育苗用容器
とは播種してから移植時までの間、植物を栽培する容器
である。現在、プラスチック製のものが作物別に数種類
市販されている。栽培管理については土壌に該重合体が
混合されていることで、通常の土壌と物理性が異なるも
のの、かん水、温度等の管理で従来の方法より特に逸脱
する点はない。本発明の育苗培土は野菜、花き、苗木、
あるいは水稲の薄播きによる成苗移植などに使用でき、
対象作物は特に限定されないが、根の本数が少ないある
いは根が直根で細根も少なく、土つかみが悪いため根鉢
部を形成しづらい作物、例えば、タマネギ、レタスなど
において特に有効である。
【0027】
【実施例】以下に該水溶性アクリルアミド系重合体の製
造例と、タマネギにおける本発明の育苗培土の実施例を
示すが、勿論本発明はこれらに何ら限定されるものでは
ない。 (水溶性アクリルアミド系重合体の製造例)アクリルア
ミド単量体の30重量%水溶液800gを0℃まで冷却
した。この溶液を断熱容器に移液した後、細管より流量
毎分2.1Lの窒素を1時間吹き込んで溶液内の溶存酸
素を置換脱酸素した。窒素を気相パージに切り替え、A
SA−MA50重量%水溶液2.9gを加え撹拌した。
ASA−MAは三菱石油製パベラス−NP(アルケニ
ル基が全炭素数18で分岐したもの)と広栄化学製アリ
ルアミンから合成し、苛性ソーダで中和したものを用い
た。重合開始剤として過硫酸アンモニウムの1.9重量
%水溶液2g、つづいて硫酸第一鉄アンモニウムの2.
1重量%水溶液2gを加え攪拌後放置し断熱重合した。
温度上昇の停止した時点から更に1時間放置後重合を終
了した。
【0028】重合反応終了後、重合体を取り出し小塊に
切り分け、肉挽機を用いて細かく分断した後75℃で2
時間乾燥した。その後粉砕、粉末化し試験用サンプルと
した。得られた重合体は分子量が400万で水に可溶で
あった。分子量はGPCの測定から、分子量既知のプル
ランを標準として求めた重量平均分子量を用いた。
【0029】実施例1〜6 (1) 育苗培土の調整 肥料分を含む主成分となる土壌として、寒冷地向け水稲
用育苗培土「成苗用ナイスマット」(三井東圧肥料
(株)製)に肥料分としてKg当たり窒素150mg、
リン酸500mg、カリウム150mgを含むよう調整
し、水分18%、PH6に調節したものを使用した。こ
の土壌20Kgを小型の皿型混合機中で混合しながら、
製造例で製造したASA−MAを0.1モル%含有する
アクリルアミド系重合体を粉末の状態で表1に示す添加
量となるよう添加混合し、ビニール袋に詰め、肥料用倉
庫で3ヶ月間保管したものを育苗培土のサンプルとし
た。
【0030】(2) タマネギの育苗および根鉢部強度
試験 育苗用シートの下に敷く土として、砂壌土に肥料分とし
てKg当たり、窒素200mg、リン酸600mg、カ
リウム200mgを加え、炭酸カルシウムでPHを6に
調節したものを使用し、タマネギ用の14×32=44
8の小区画(直径約16mm、深さ約24mm)からな
る市販の育苗用シート(みのる産業(株)製造)に上記
育苗培土を詰め(1シートに1サンプル)、上から圧縮
した後1区画に1粒づつタマネギの種(コーテイング種
子(粒径約4mm):品種スーパー北もみじ)を播種し
覆土した。
【0031】播種作業完了後十分かん水し、10日間は
シルバーポリトウで表面を覆い、それ以後はシルバーポ
リトウを取り去り温室内で育苗した。播種後10日目以
降、育苗期間中は適時に適量かん水した。播種後45日
目にかん水を停止し、7日放置し、土壌中の含有水分量
を15%以下に乾燥したところで、再度十分に水分が行
き渡るようかん水を行い、育苗用シートの片側半分の底
部をガラス棒で突き上げることにより適度に湿った根鉢
部を有する苗を得た。
【0032】根鉢部を有する苗を取り出す前に草丈(m
m)を測定した。強度は、得られた苗のうち無作為に1
00個を選び出し、80cmの高さから地面に根鉢部の
底を下にして自然落下させ、壊れる個数を数えた。10
0個中の壊れた個数により、A(壊れた数0〜4)、B
(壊れた数5〜9)、C(壊れた数10〜19)、D
(壊れた数20〜49)、およびE(壊れた数50以
上)で表わす。
【0033】(3) 機械移植および移植後の調査 落下試験終了後、育苗用シートの残り半分をタマネギの
移植機(みのるOP−4:みのる産業(株)製)に装着
し、畑地に移植作業を行い、植え付けの状態と植え付け
2週間後の活着状態について調査を行った。植え付け状
態(機械移植)は、移植作業後に、欠株(不発芽による
ものを除く)・2本苗、逆さ苗などの移植不良苗の数を
調査し、移植不良苗の数が移植した苗の全苗に占める割
合を求めその割合により、A(不良率10%未満)、B
(不良率10〜15%未満)、C(不良率15〜25%
未満)、D(不良率25%以上)で表した。なお、根鉢
部の強度不足で移植作業がうまくいかなかったものは−
で示した。
【0034】活着の状態は、機械移植で正常に移植され
たものから100本を無作為に選び95%以上が正常に
生育していたものを良好と表した。また根鉢部の強度不
足で移植作業が上手くいかなかったものについては活着
の状態を調べていないので−で示した。
【0035】得られた結果を表1にまとめて示す。 比較例1 アクリルアミド系重合体を使用せず、実施例1〜6と同
様の試験を行った。結果を表1に示す。 比較例2、3 アクリルアミド系重合体の添加量を0.05重量%ない
し10.0重量%とする他は、実施例1〜6と同様の試
験を行った。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】 実施例7〜12 水溶性アクリルアミド系重合体として、それぞれASA
−MAの共重合割合が0.01モル%、0.02モル
%、0.05モル%、0.2モル%、0.5モル%、
1.0モル%であるアクリルアミド系重合体を使用する
他は、実施例4と同様に試験を行った。結果を表2に示
す。 比較例4、5 水溶性アクリルアミド系重合体として、それぞれASA
−MAの共重合割合が0.005モル%、1.5モル%
であるアクリルアミド系重合体を使用する他は実施例4
と同様に試験を行った。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】 比較例6〜16 アクリルアミド系重合体として、ASA−MAの代わり
にアクリル酸ナトリウムを表3に示す含有量であるアク
リルアミド系重合体を使用する他は実施例4と同様の試
験を行った。
【0038】
【表3】 表中AANaはアクリル酸ナトリウムを表す。また参考
のため、実施例4を載せた。
【0039】
【発明の効果】表1に見られるように、本発明で用いら
れる水溶性アクリルアミド系重合体の添加量が0.1重
量%未満のものでは強度が小さいので、添加量としては
0.1〜5重量%程度が適当であった。また添加量が5
重量%のものでは発芽率や幼苗の生育が若干低下するこ
とがあったことから、より好ましい添加量は0.1〜
1.5重量%、更に好ましくは0.2〜1.5重量%、
最も好ましくは0.5〜1.5重量%であった。
【0040】表2に見られるように、ASA−MAを適
正な範囲内のモル分率で含有する水溶性アクリルアミド
系重合体を、適正な範囲内の重量%で土壌に添加混合し
た育苗培土は、肥料用倉庫内における保管日数が3ヶ月
であっても発芽状況、生育状況、根鉢部強度、機械によ
る植え付け、活着いずれも良好であり、実用性の高いこ
とが判明した。
【0041】また表3に見られるように、従来使用され
るアクリル酸ナトリウムとアクリルアミドの共重合体は
肥料用倉庫内における保管期間中にその効果を失ってい
た。ASA−MAを共重合してなる水溶性アクリルアミ
ド系重合体は水溶性のポリアクリルアミドを主な骨格と
し、疎水性のASA−MA側鎖による水中での会合性等
により、水溶性ではあるが特異な性状を発現するが、こ
れを土壌に添加混合することにより培土が機械移植に耐
えうる強度を発現することを見出して育苗培土に利用し
た例は未だ見当たらなかった。
【0042】従来公知のアクリル酸ナトリウムとアクリ
ルアミドの共重合体を土壌に添加した育苗培土では、使
用時に必要な水分を保持した状態では保存性が低いた
め、製品の水分を極力低いものにしなければならず、粉
塵発生防止のため、あるいは育苗用容器に充填後、播種
に必要な空間を作るためローラー等で圧縮を行う場合、
使用現場(農家)で必要な水分を調整しなければなら
ず、またこのときに発生する団子状の塊を取り除くため
篩分を行う必要が生じ、これらの作業は移植の機械化に
よる効果を相殺するものであった。
【0043】しかし本発明の育苗培土は使用時に必要な
水分が存在していても比較的長期間の保存が可能である
ため、使用現場において新たに水分を調整し直したり、
篩分を行うことなく開封後直ちに育苗用容器に充填し、
播種作業を行えるという優れた作業性を実現した。本発
明の育苗培土は対象作物を限定しないが、根の本数が少
ない、あるいは根が直根で細根も少なく土つかみが悪く
根鉢部を形成しづらい作物、タマネギ、レタスなどにお
いて特に有効であり、根鉢部の強度、作業性の面から実
用的な効果が大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−アリル置換アルケニルコハク酸ハー
    フアミドないしその塩を0.01〜1モル%共重合した
    水溶性アクリルアミド系重合体からなる耐水性に優れた
    バインダー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のバインダーを土壌に対
    し0.1〜5重量%添加混合してなる保存性に優れた育
    苗培土。
JP10319341A 1998-11-10 1998-11-10 育苗培土 Pending JP2000144131A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10319341A JP2000144131A (ja) 1998-11-10 1998-11-10 育苗培土

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10319341A JP2000144131A (ja) 1998-11-10 1998-11-10 育苗培土

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000144131A true JP2000144131A (ja) 2000-05-26

Family

ID=18109088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10319341A Pending JP2000144131A (ja) 1998-11-10 1998-11-10 育苗培土

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000144131A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016154449A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 株式会社ヤマザキ タマネギおよび軟弱植物の育苗培土用固化剤および育苗用培土

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016154449A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 株式会社ヤマザキ タマネギおよび軟弱植物の育苗培土用固化剤および育苗用培土

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100478742B1 (ko) 식물 보수용 담체
WO1998054946A1 (en) Seedling culture mat
US4906276A (en) Plant transplant and plant preservation medium
WO2009103760A2 (en) Coated inert granules
US5209768A (en) Method of improving sod growth
US4985061A (en) Plant transplant and plant preservation medium
US4985062A (en) Method of improving crop yield
JP2010523092A (ja) 土壌調整剤を注入するための装置及び方法
JPS6234363B2 (ja)
JP2007244393A (ja) 育苗培土の調製方法及び育苗培土並びに育苗培土調製用セット
JP2000144131A (ja) 育苗培土
EP0122797B2 (en) Process for producing granular, water-swellable crosslinked acrylic copolymer, and its use
JP2007222111A (ja) セル成型苗用の育苗用養土およびセル成型苗の生産方法
JP3315660B2 (ja) 改良された機械移植用育苗用培土
JP2706727B2 (ja) 土壌保水剤および保水方法
JP6120202B2 (ja) 水耕栽培用苗の栽培培地
JPH10191780A (ja) 植物育成用培土
JPH08172900A (ja) 育苗用培土
Khushbu et al. Synthesis and study of a novel carboxymethyl guar gum/polyacrylate polymeric structured hydrogel for agricultural application
JP5205627B2 (ja) 教材を用いて植物生長を観察する方法
JP3645001B2 (ja) 緩効性肥料
JPH0822185B2 (ja) 水稲育苗法およびこれに使用する床土組成物
JPS58224607A (ja) 種籾の直播方法
JP2876002B1 (ja) 改良された機械移植用育苗用培土
JPS5959119A (ja) 移植用育苗培土の硬度向上剤