JPH09238578A - 成形育苗用資材の製造方法 - Google Patents

成形育苗用資材の製造方法

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JPH09238578A
JPH09238578A JP8075209A JP7520996A JPH09238578A JP H09238578 A JPH09238578 A JP H09238578A JP 8075209 A JP8075209 A JP 8075209A JP 7520996 A JP7520996 A JP 7520996A JP H09238578 A JPH09238578 A JP H09238578A
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Kazuichi Kawarabayashi
主一 河原林
Michiyuki Ashihara
通之 芦原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液状の成形媒体を使用しないで固体の保水材
を成形する育苗用資材の製法の提供。 【解決手段】 固体の保水材を水溶性フィルム等でパッ
クして成形する成形育苗用資材の製造方法。 【効果】 経済的かつ、安全に製造でき形状の制約もな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形された育苗用資
材に関する。更に詳しくは、苗を支持する固体の保水材
を、水溶性または生分解性を有する樹脂フィルムでパッ
クしてなる育苗用資材に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】農業就労人口の減少と高齢化
が叫ばれている現在、土壌の乾燥、殺菌、農薬や肥料等
との混合、育苗容器への充填等をはじめとする育苗準備
作業や、育苗時から収穫までの追肥作業は、農家にとっ
て大きな負担となっており、これら一連の農作業におけ
る省力化が強く望まれていた。上記作業の軽減のため従
来から保水材を用いた育苗床、育苗用覆土、育苗ブロッ
ク等の成形育苗資材(特公昭49-026336 号、特開平54-1
30309 号、特開平01-098421 号、特開平05-268842 号)
が開発されてきた。しかしながら、これらの資材は育苗
作業の面においては非常に有効ではあるが、その製法は
スラリー状にした保水材を加熱・乾燥、加圧によって固
化するか、澱粉やPVA等の水溶性接着剤を添加し加熱
・乾燥成形する事によって行われている。特に水稲用の
育苗マットは一般に厚さ2〜3cmの平板状であり、通
常の使用に耐えるためには相当量の樹脂溶液を添加する
必要があった。これらの成形工程においては何れも添加
した水分を乾燥させる工程が必要であり、蒸発潜熱の大
きい水を乾燥させるには、非常に大きなエネルギーと長
い乾燥時間がかかり経済的に製造できる資材ではなかっ
た。また、蒸発潜熱の小さい有機溶剤を溶媒にした方法
も考えられるが、作業環境の問題や、大気中への有機溶
剤の漏れによる環境汚染の問題が懸念される。例えこれ
らの問題を解決したとしても、解決にかかる費用は膨大
なものとなる。一方、最近では有機高分子ゲルが、従来
の農業用保水材に比べ極めて大きな吸水・吸収能力を有
することから新しい保水材として注目され一部使用もさ
れている。しかしながらこれら高分子ゲルは、加熱また
は有機溶剤との接触、及びその両方の作用によって吸水
力にダメージを受けるものが多い。特に多糖類系のもの
は水分が存在する状態で加熱されると糊化するし、蛋白
質系のものは加熱により蛋白変成を受けやすい。また、
比較的熱に強い合成系のものであっても長時間の加熱は
吸水力を減退させるため、製造中の加熱によって予定し
た吸水力が得られない場合も多い。有機高分子ゲルはこ
れまでの保水材に比べ保水力は大きいものの、価格にお
いてもこれまでの保水材に比べ非常に高価なものであ
り、加熱による保水力の低下は成形保水材のコストアッ
プにつながるため、有機高分子ゲルの保水力を維持しつ
つ成型する方法が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は育苗床、育苗
用覆土、育苗ブロック等成形育苗資材の製造において、
水分や水分を含む接着剤、また有機溶剤を含む接着剤を
使用せずに、低コスト且つ容易に苗を支持する固体の保
水材を成形する成形育苗用資材の製造方法、及び該資材
を用いた作物苗の栽培法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明は下記(1)ないし
(6)の構成を有する。 (1)苗を支持する固体の保水材を、水溶性または生分
解性を有する樹脂フィルムでパックして成形することを
特徴とする成形育苗用資材の製造方法。 (2)苗を支持する固体の保水材が土壌、無機質保水
材、有機質保水材及び繊維状物質の一種以上からなる前
記(1)に記載の成形育苗用資材の製造方法。 (3)無機質保水材がバーミキュライトである前記
(2)に記載の成形育苗用資材の製造方法。 (4)有機質保水材が有機高分子ゲルである前記(2)
に記載の成形育苗用資材の製造方法。 (5)苗を支持する固体の保水材を、水溶性または生分
解性を有する樹脂フィルムで真空パックする前記(1)
〜(4)に記載の成形育苗用資材の製造方法。 (6)苗を支持する固体の保水材を、水溶性または生分
解性を有する樹脂フィルムでパックされた成形育苗用資
材に播種し若しくは稚苗を移植することを特徴とする作
物苗の育苗方法。
【0005】本発明の構成と効果について以下に詳述す
る。本発明に使用される苗を支持する固体の保水材は特
に限定するものではないが、土壌、無機質保水材、有機
質保水材及び繊維状物質から選ばれた一種以上のものが
使用される。保水材として土壌は作物の栽培が可能なも
ので有れば何れのものであっても本発明の目的は達成さ
れ、特に限定するものではない。無機質保水材として
は、バーミキュライト、ゼオライト、パーライト、ベン
トナイト、カオリナイト、マイカ粉末等が挙げられる。
有機質保水材としては藻、籾殻、籾殻燻炭、おが屑、木
片、ピートモス、木屑、バーク堆肥、稲藁堆肥、リンタ
ー、水苔、天然スポンジ等の天然有機物、更に有機高分
子ゲルが挙げられる。
【0006】本発明で云うところの有機高分子ゲルと
は、いわゆる吸水性樹脂を指し、水に接触すると吸水・
膨潤し、水全体をゲル状にする性質を持つ高分子のこと
を云う。有機高分子ゲルとしては天然高分子系、合成高
分子系何れのものも使用でき、天然高分子系としてはカ
ラゲナン、アルギン酸、澱粉、ペクチン、ガラクトマン
ナン、キサンタン、ヒアルロン酸等の多糖類、コラーゲ
ン、アクチン、ミオシン、チュブリン、カゼイン、フィ
ブリン等の蛋白質が代表的なものとして挙げられ、合成
高分子系のものとしてはカルボシキメチルセルロース、
カルボキシメチルデンプン、アクリル酸グラフト澱粉、
アクリロニトリルグラフトセルロース加水分解物等の半
合成高分子ゲル、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンイミン、ポリヒドロキシエチルメタク
リレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサ
イド等の架橋体である合成高分子ゲルを挙げることが出
来る。
【0007】繊維状物質としては鉱物繊維、ガラス繊
維、セラミック繊維、ケイ素繊維、ホウ素繊維、金属繊
維、炭素繊維等の天然繊維、更にポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリイミド繊維、
ポリアクリレート繊維、ポリアミド・イミド繊維、ポリ
エーテル・イミド繊維、フェノール系繊維等の合成繊維
を挙げることが出来る。
【0008】本発明においては上記保水材の一種以上を
任意に選択して使用できるが、上記以外のものであって
も育苗期間中苗を支持し、生育に充分な保水性を備えた
もので有れば何れのものであっても使用できる。但し、
本発明においては水溶性もしくは生分解性の樹脂フィル
ムを使用するため、保存性の点から保水材は乾燥状態に
ある物でなければならない。前記保水材のうちバーミキ
ュライトは焼成されているため、水分もほとんど含ま
ず、且つ非常に軽量で、吸水力も高いため製造、保管、
使用の何れの場面においても好ましい保水材である。更
に、後述のように育苗開始時に生育期間全体に必要な肥
料分のすべて、若しくは大部分を施用する栽培法におい
ては、育苗容器中にしめる保水材の量が極端に少なくな
るため、吸水力の大きな保水材が望ましく、この面から
もバーミキュライトは好ましい保水材であり、更に高い
吸水力を有する有機高分子ゲルも好ましい材料の一つで
ある。
【0009】本発明に使用される樹脂フィルムは水溶性
の樹脂、もしくは生分解性の樹脂からなる。水溶性樹脂
としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリエチレンオキサイド、ポリアミド等の合成
高分子、水溶性合成高分子と澱粉との混合物等が使用さ
れる。生分解性樹脂としては、ポリ−ヒドロキシ−アル
キルプロピオン酸、ポリ−ヒドロキシ−アルキル酢酸、
ポリ−カプロラクトン、脂肪族カルボン酸とグリコール
との共重合体等のポリ−ヒドロキシ−カルボン酸類、コ
ポリエステルエーテル、コポリエステルアミド、コポリ
エステルカーボネート、コポリエステルウレタン等が使
用される。
【0010】本発明に係るフィルムの製造に使用される
樹脂は、同じ樹脂であってもフィルム成形に適合した物
性の樹脂を選択して使用すべきである。また、本発明に
おいてはパック内の空気を吸引し、真空状態にして任意
の形状を保つため、パック内に容易に空気が侵入するよ
うな通気性フィルムであってはならない。フィルム内へ
の空気(気体)の侵入し易さは、樹脂固有のガス透過速
度やフィルムの製造法によって異なるが、フィルムの厚
さは20μm以上、好ましくは40μm以上である。
【0011】本発明に係る育苗資材は水や水溶性の接着
剤、更に有機溶剤に溶解している接着剤を使用すること
なく、樹脂フィルムによりパックすることで任意の形状
に成形する所に特徴を有し、パックの仕方については特
に限定するものではないが、パック内の空気を減圧吸引
装置などで吸引、抜き出し、真空状態にすることによっ
て成型品の形状保持力を上げる方法が推奨される。この
場合の真空状態とは、厳密な意味での真空状態を必ずし
も必要とせず、必要に応じてパック内の空気量を決定し
てかまわない。
【0012】本発明の育苗資材はフレキシブルなフィル
ムでパックして成形するため、如何なる形態にでも成形
が容易に出来るのも大きな特徴である。本発明は例えば
水稲の育苗床、育苗床の覆土用に平板状にも容易に成形
できるし、イチゴ苗やトマト苗用のビニールポットの形
状にも容易に成形可能である。更に、葉菜類のプラグ育
苗用の形状であっても容易に成形できる。成形方法とし
ては袋状にした該フィルムに予め保水材を入れたものを
型枠に入れ、形を整えてからパッキング、更には中の空
気を吸引除去してパッキングしても良く、また、型枠に
該フィルムを密着させた所に保水材を充填し、或る程度
形状を整えた時点で該フィルムで完全に覆い、開口部を
ヒートシール等で塞ぐと云った手法でも良い。
【0013】成形の仕方は上記の方法に限定するもので
はなく、目的とする資材の形状に合わせて任意に選択で
きるが、本発明においては水溶性または生分解性を有す
る樹脂フィルムでパックするため、製造においては使用
する材料、及び機材が乾燥していることが重要である。
水溶性樹脂の場合には水と接触した際に直ちに溶解を開
始するし、生分解性樹脂の場合においては直ちに溶解す
ることはなくても、水分の溜まったところに細菌が繁殖
し、ついにはフィルムを分解して本発明の資材形状を保
持できなくなるからである。
【0014】本発明の育苗用資材は水溶性若しくは生分
解性の樹脂フィルムでパック成形された保水材であり、
その使用に関しては、育苗開始(潅水)直後から形状が
崩れるため、例えば水稲のように移植機により本圃に移
植する場合であってもマットが硬く苗が掻き取れない、
若しくは機械が傷む等の問題が極めて起こりにくく、こ
の様に機械移植する作物の育苗において最適な育苗用資
材であると言える。
【0015】更に、水稲の栽培において近年極めて有効
な省力化栽培法として普及しつつある栽培方法であり、
栽培期間に必要な肥料の全部若しくはその大部分を、樹
脂等で被覆して肥料の溶出を厳密にコントロールした被
覆粒状肥料の形で育苗箱に施用する苗箱全量施肥育苗法
にも使用できる。この場合は慣行の育苗箱( 縦:28c
m、横:58cm、深さ:3cm)当たり相当な量(被
覆肥料の成分量や、肥料の種類、更に栽培法や品種によ
っても異なるが、一箱当たり被覆肥料として200〜
2,000g)の肥料を投入することになるため、保水
材の量はその分少なくなることから、バーミキュライト
や有機高分子ゲルのような吸水力の大きな保水材を用い
ることが望ましい。
【0016】しかしながら、本発明の育苗用資材は水稲
の栽培に限定されるものではなく、何れの栽培において
も使用することが出来る。例えばビニールポットで育苗
するイチゴ苗やトマト苗にも使用でき、更に畑作におけ
る機械移植用のプラグの形状にして使用しても良い。
【0017】本発明の育苗資材では以上述べた各種資材
の他に、各目的に応じて肥料、種子、除草剤、殺菌剤、
殺虫剤、更にわい化作用を有する植物成長調整剤等の農
薬を添加することもできる。特に被覆肥料、特に好まし
くは育苗期間中の溶出を抑制した時限溶出型の被覆肥料
を添加することは、施肥の省力化において特に有効であ
る。
【0018】本発明の製造方法は、水分の無い状態で、
且つ加熱することなく成形することが出来るので、樹脂
被膜、特に熱可塑性樹脂被膜による被覆肥料を添加する
場合においては、製造中水分との接触による溶出や熱に
よる被膜機能の劣化が起きないため非常に有効である。
また、種子を添加する場合にも、加熱による発芽率の低
下や発芽後の生育不良を起こすことなく作物の種子を添
加することが出来、この場合においても極めて有効な方
法である。以下実施例によって本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例により制限されるものではない。
【0019】
【実施例】
「製造例」 比較例1〜3 比較例1 焼成バーミキュライト(見かけ比重:0.1)400g
に、けん化度90%以下のポリビニルアルコール2%溶
液100ミリリットルを添加混合した後、縦28cm、
横58cm、深さ10cmの木枠に入れ、圧搾成型器に
よって5〜10kg/cm2 程度の圧力を加えて成形
し、100〜110℃に調整された恒温乾燥器中で24
時間乾燥した。 比較例2 予め天日で充分に乾燥させた火山灰土壌(熊本県水俣市
袋の水田土壌、粒径2mm以下)1600gと酢ビ・ア
クリル酸エステル共重合体ケン化物(住友化学工業
(株)製、イゲタゲル−P)8gとの混合物に、けん化
度90%以下のポリビニルアルコール2%溶液300ミ
リリットルを添加混合した後、縦28cm、横58c
m、深さ10cmの木枠に入れ、圧搾成型器によって5
〜10kg/cm2 程度の圧力を加えて成形し、100
〜110℃に調整された恒温乾燥器中で24時間乾燥し
た。 比較例3 パーライト(見かけ比重:0.1)200gとイソブチ
レン・無水マレイン酸共重合体架橋物(クラレ(株)
製、KIゲル−201K)1gとを混合したものに、け
ん化度90%以下のポリビニルアルコール2%溶液50
0ミリリットルを添加混合した後、縦28cm、横58
cm、深さ10cmの木枠に入れ、圧搾成型器によって
5〜10kg/cm2 程度の圧力を加えて成形し、10
0〜110℃に調整された恒温乾燥器中で24時間乾燥
した。
【0020】実施例1〜5 実施例1 焼成バーミキュライト(見かけ比重:0.1)400g
を、澱粉60wt%、ポリビニルアルコール40wt%
からなる水溶性樹脂フィルム(厚さ:50μm) の袋状
パック(縦30cm、横60cm)に入れ、これを平面
上で均一に分散させ減圧吸引装置で内部の空気を抜いた
後、開いている口をヒートシールによって密閉した。 実施例2 予め天日で充分に乾燥させたバーク堆肥2000gを、
澱粉60wt%、ポリビニルアルコール40wt%から
なる水溶性樹脂フィルム(厚さ:50μm) の袋状パッ
ク(縦30cm、横60cm) に入れ、これを平板上で
均一に分散させ減圧吸引装置で内部の空気を抜いた後、
開いている口をヒートシールによって密閉した。 実施例3 予め天日で充分に乾燥させた火山灰土壌(熊本県水俣市
袋の水田土壌)1600gと酢ビ・アクリル酸エステル
共重合体ケン化物(住友化学工業(株)製、イゲタゲル
−P)8gとの混合物を、澱粉60wt%、ポリビニル
アルコール40wt%からなる水溶性樹脂フィルム(厚
さ:50μm) の袋状パック(縦30cm、横60c
m) に入れ、これを平板上で均一に分散させ減圧吸引装
置で内部の空気を抜いた後、開いている口をヒートシー
ルによって密閉した。 実施例4 パーライト(見かけ比重:0.1)200gとイソブチ
レン・無水マレイン酸共重合体架橋物(クラレ(株)
製、KIゲル−201K)1gとを混合したものを、澱
粉60wt%、ポリビニルアルコール40wt%からな
る水溶性樹脂フィルム( 厚さ:50μm) の袋状パック
(縦30cm、横60cm) に入れ、これを平板上で均
一に分散させ減圧吸引装置で内部の空気を抜いた後、開
いている口をヒートシールによって密閉した。 実施例5 焼成バーミキュライト(見かけ比重:0.1)200g
と長さ1cmのポリプロピレン・ポリエチレン複合繊維
(チッソポリプロ繊維(株)製、商品名:チッソES繊
維) 200gとの混合物を、ポリ(3−ヒドロキシブチ
レート・3−バリレート) 共重合体(ブチレート/バリ
レート=88/12、MFI=12g/10min:A
STM法No.1238−906/2.16kg、厚
さ:30μm)の袋状パック(縦30cm、横60c
m) に入れ、これを平板上で均一に分散させ減圧吸引装
置で内部の空気を抜いた後、開いている口をヒートシー
ルによって密閉した。
【0021】「落下試験(マット強度)」実施例1〜5
及び比較例1、2、3において製造された育苗マットを
地上0.5m、1mの高さからコンクリートの地面に落
下させ、マットの損傷の有無(変形、更には亀裂の状
況)を確認した。この試験結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】上記比較例、実施例とも板状に成形され、
本発明の実施例においては通常の使用状況では破損しな
い程度の強度が得られた。本発明の水溶性または生分解
性樹脂フィルムでパックした成形された保水材であって
も成形や成形後の形状保持については問題ないことが明
らかになった。
【0024】「育苗試験」比較例1〜3、実施例1〜5
を、慣行の育苗箱(縦28cm、横58cm、深さ3c
m)に入れ、催芽籾100g/箱(品種:ヒノヒカリ)
を播種後、育苗用の肥料として硫加燐安(13−13−
13)を育苗箱当たりNとして1g相当量加えた粒状培
土1kgで覆土し、灌水後室内の温度コントロールが可
能なガラスハウス(実施場所:熊本県水俣市)におい
て、慣行の育苗管理に準じ育苗を行った。なお、育苗期
間中に硫加燐安(13−13−13)を苗箱あたりNと
して0.5gずつ2回施用した。更に、保水性の大きい
洪積火山灰土(熊本県水俣市袋の水田土壌、粒径2mm
以下)を用い上記試験区と同様に施肥し、慣行の育苗管
理に準じて育苗を行い対照区とした。なお、追肥も試験
区同様に行った。本試験は5月11日に播種し、6月1
0日まで育苗を行った。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】実施例、比較例共に対照区と同等の生育を
示し、本発明の製造法である該フィルムでパックした場
合であっても育苗期間中の生育に問題ないことが確認さ
れた。
【0027】「保水性測定試験」縦28cm、横57c
m、深さ3cmの枠の片側に50メッシュの金属製の網
を張った容器に、比較例2、3、及び実施例3、4、更
に対象として予め天日で充分に乾燥させた火山灰土壌
(熊本県水俣市袋の水田土壌)1600gと酢ビ・アク
リル酸エステル共重合体ケン化物(住友化学工業(株)
製、イゲタゲル−P)8gとの混合物(対照区1)、及
びパーライト(見かけ比重:0.1)200gとイソブ
チレン・無水マレイン酸共重合体架橋物(クラレ(株)
製、KIゲル−201K)1gとを混合したもの(対照
区2)をいれ、これを深さが2cmになるように水を張
ったバット(縦35cm、横65cm、深さ5cm)に
つけ、保水材の表面、全面に水が上がってくるまで放置
した。次に、同じサイズのバットに厚さ0.5cmのス
ポンジを均一に敷き詰め、更にスポンジの表面が濡れる
までの量の水を入れた、この上に先ほどの保水材中に充
分水を吸収させた保水材を置き、2時間放置後の保水材
中の水分量を測定した。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】比較例では2つの区とも対照区に比べ明ら
かに保水力が低下していることがわかる。これに比べ実
施例の区では対照区と同等の吸水力を保っていることか
ら、乾燥時の加熱によって保水材の吸水力が低下したと
推測される。この様に本発明の製造法によれば、乾燥工
程が必要ないばかりではなく、乾燥によってその保水力
に負の影響を受ける保水材の成形に効果的である。
【0030】
【発明の効果】本発明は苗を支持する固体の保水材を、
水溶性または生分解性を有する樹脂フィルムでパックし
た成形育苗用保水材であるので、成形時の水の添加、水
溶性樹脂の添加が無いため乾燥工程が必要ない、つまり
蒸発潜熱の大きな水を蒸発させるためのエネルギー、及
び時間を必要とせず、低コスト且つ短時間での成形を可
能とした。更に、有機溶剤も使用しないので作業環境の
問題や、大気中への有機溶剤の漏れによる環境汚染の問
題もない。この様に本発明の製造法によれば、水や有機
溶剤等の液状の成形媒体を使用しないため乾燥のための
加熱工程もなく、有機高分子ゲルのように加熱により吸
収力にダメージを受ける保水材であっても、保水材自身
の吸収力を保持しつつ成形することが可能になった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苗を支持する固体の保水材を、水溶性ま
    たは生分解性を有する樹脂フィルムでパックして成形す
    ることを特徴とする成形育苗用資材の製造方法。
  2. 【請求項2】 苗を支持する固体の保水材が土壌、無機
    質保水材、有機質保水材及び繊維状物質の一種以上から
    なる請求項1に記載の成形育苗用資材の製造方法。
  3. 【請求項3】 無機質保水材がバーミキュライトである
    請求項2に記載の成形育苗用資材の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機質保水材が有機高分子ゲルである請
    求項2に記載の成形育苗用資材の製造方法。
  5. 【請求項5】 苗を支持する固体の保水材を、水溶性ま
    たは生分解性を有する樹脂フィルムで真空パックする請
    求項1〜4に記載の成形育苗用資材の製造方法。
  6. 【請求項6】 苗を支持する固体の保水材を、水溶性ま
    たは生分解性を有する樹脂フィルムでパックされた成形
    育苗用資材に播種し若しくは稚苗を移植することを特徴
    とする作物苗の育苗方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010130955A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Tact:Kk 真空パック園芸用粒状土およびその製造方法
CN105393836A (zh) * 2015-11-25 2016-03-16 沈阳农业大学 一种农作物秸秆营养种坨成型工艺及设备

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