JP2001346438A - 育苗用培土 - Google Patents

育苗用培土

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JP2001346438A
JP2001346438A JP2000173682A JP2000173682A JP2001346438A JP 2001346438 A JP2001346438 A JP 2001346438A JP 2000173682 A JP2000173682 A JP 2000173682A JP 2000173682 A JP2000173682 A JP 2000173682A JP 2001346438 A JP2001346438 A JP 2001346438A
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fiber
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Hisashi Nagi
比佐志 凪
Yoshinobu Omae
好信 大前
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便かつ効率的な方法で強力の高い根鉢を形
成し、移植機で苗を根鉢ごと田畑などに植付ける際に根
鉢の崩壊が生じず円滑に植付けることができ、しかも苗
を育成阻害を招くことなく健全に育てることの出来る育
苗用培土の提供、および該育苗用培土の固化方法の提供
する。 【解決手段】 培土基材に、繊維長が0.5mm以上、
水中溶解温度10〜100℃の湿熱接着性繊維を配合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、育苗用培土および
その固化方法に関する。より詳細には、本発明は、簡便
かつ効率的な方法で強力の高い根鉢を形成し得る育苗用
培土およびその固化方法に関するものであり、本発明の
育苗用培土は、特に移植機による苗植え付け時に崩壊す
ることのない根鉢を形成するため、セル苗の育成用培土
として適している。
【0002】
【従来の技術】わが国では、就農人口の減少、就農人員
の高齢化などに伴って、農作業の省力化、機械化が進め
られている。その1つとして、小さな容器で育てた苗を
移植機で根鉢ごと容器から抜き取って、田畑に自動的に
植付ける方法が広く採用されるようになっている。この
方法による場合は、通常「セル」、「ポット」などと称
されるプラスチック等からなる小さな容器または該小容
器を連結して設けたトレーに培土を自動的に土詰めした
後に野菜、草花、果樹、樹木などの植物の種子を播いて
所定期間育苗するか、或は種子を加えた培土を前記小さ
な容器またはそれを連結してなるトレーに自動的に土詰
めした後に所定期間育苗し、それを根鉢ごと小容器から
抜き取って移植機で田畑に植え付けることが一般に行わ
れている。根鉢は、培土の自己接着力と植物の根の絡み
による強力でその形で維持しているが、根鉢強力が低
く、わずかな衝撃で根鉢の形が崩れてしまい、移植機に
よる苗の植付けが困難であった。
【0003】そこで、移植機による植付けを可能にする
ことを目的として、育苗用培土の根鉢強力を向上させる
方法が従来から提案されており、そのような従来技術と
しては、酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体ケン化
物、ポリアクリル酸ナトリウム架橋物、ビニルアルコー
ル−アクリル酸共重合体などのようなイオン性吸水性樹
脂を培土に混合したもの(特開昭58−31919号公
報)、培土に寒天ゲル、ベントナイト、澱粉等の結合剤
を添加したもの(特開平5―7427号公報)、培土に
長さ2〜20mmのセルロース繊維を添加したもの(特
開平8―130976号公報)などが知られている。こ
れらの従来技術による場合は、ある程度の根鉢強力の向
上は認められるものの、いまだその効果は十分ではな
く、根鉢強力をより向上させるためには前記した結合剤
を多量に使用する必要があり、多量の結合剤の使用は培
土の水捌け性の低下、植物の育成能の低下、コストの上
昇などを招きやすいものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡便
かつ効率的な方法で強力の高い根鉢を形成し、移植機で
苗を根鉢ごと田畑などに植付ける際に根鉢の崩壊が生じ
ず円滑に植付けることができ、しかも苗を育成阻害を招
くことなく健全に育てることの出来る育苗用培土の提
供、および該育苗用培土の固化方法の提供することにあ
る。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は、(1) 培土
基材に、繊維長が0.5mm以上、水中溶解温度100
℃以下の湿熱接着性繊維を配合したことを特徴とする育
苗用培土、(2) 湿熱接着性繊維がポリビニルアルコ
ール系繊維であることを特徴とする(1)に記載の育苗
用培土、(3) 湿熱接着性繊維の繊維長が0.5〜1
5mm、アスペクト比が20〜1000である(1)又
は(2)に記載の育苗用培土、(4) 培土基材と湿熱
接着性繊維の配合割合が、質量比で99:1〜85:1
5である(1)〜(3)のいずれかに記載の育苗用培
土、(5) 育苗用培土中で湿熱接着性繊維が接着効果
を発現している(1)〜(4)のいずれかに記載の育苗
用培土、(6) セル育苗用である(1)〜(5)のい
ずれかに記載の育苗用培土、(7) 培土基材及び繊維
長が0.5mm以上、水中溶解温度10〜100℃の湿
熱接着性繊維を含む育苗用培土を植物育成用容器に充填
し、潅水した後、加熱処理して培土中の湿熱接着性繊維
の接着効果を発現させることを特徴とする育苗用培土の
固化方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては、特定の湿熱接
着性繊維を用いる必要がある。かかる繊維を配合するこ
とにより、簡便で効率的な方法で根鉢強力を高めること
ができ、また田畑等に植えかえた後に降雨及び太陽熱な
どにより繊維が実質的に溶解するため、根の発育等が阻
害されず優れた効果が得られる。また種子の種類によっ
ては予め播種した後に湿熱処理を施して固化することが
可能となるため効率性の点でも一層優れた効果が得られ
る。繊維の水中溶解温度は100℃以下、好ましくは8
0℃以下、さらに好ましくは70℃以下とする必要があ
る。水中溶解温度が高すぎると湿熱下で接着能を発現し
にくく、極めて高温で処理しなければ接着能力が発現し
にくくなるため効率的でない。また田畑等に移植した後
に繊維が溶解しにくくなるため根の生育が阻害される可
能性がある。しかしながら、水中溶解温度が低すぎると
湿熱下で接着能を十分発現することなく溶解してしまう
ことから、水中溶解温度は0℃以上、特に10℃以上、
さらに40℃以上、またさらに50℃以上であるのが好
ましい。なお水中溶解温度は実施例に記載の方法により
測定でき、実質的に水に溶解しない繊維は水中溶解温度
が100℃をこえる繊維であると解する。
【0007】本発明に用いられる湿熱接着性繊維として
は、繊維の水中溶解温度を上記範囲とし、かつ湿熱下で
接着能を発現させるものであれば特に限定されないが、
接着能力が高く、しかも種子や環境に対して悪影響を与
えにくい点から、少なくともポリビニルアルコール(P
VA)系繊維を用いるのがより好ましい。PVA系繊維
を構成するビニルアルコール系ポリマーとしては、湿熱
下における接着能の点からは重合度2500以下、特に
2000以下であるのが好ましく、同理由からケン化度
は99モル%以下であるのが好ましい。また適度な耐水
性を保持させる点からは平均重合度500以上、特に1
000以上であるのが好ましく、ケン化度は85モル%
以上であるのが好ましい。なお、本発明にいうPVA系
繊維とは、PVAのみから構成された繊維だけでなく、
他のポリマーとのブレンド繊維(海島繊維等)や複合紡
糸繊維等を包含するものであるが、PVAの優れた特長
をより一層効果的に発現させる点からは、PVAの含有
割合が50質量%以上、特に70質量%以上のPVA系
繊維を用いるのが好ましい。PVA系繊維の製造方法は
特に限定されず、従来一般に知られているPVA水溶液
を湿式紡糸する方法や、またPVAを有機溶剤に溶解し
て得られる紡糸原液を湿式紡糸する方法等により製造さ
れた繊維等を用いればよい。またもちろん、湿熱接着性
繊維としてPVA系繊維以外の繊維を併用してもかまわ
ない。
【0008】本発明で用いる湿熱接着性繊維は、その繊
維長が0.5mm以上、好ましくは1mm以上であるこ
とが必要である。湿熱接着性繊維の繊維長が短すぎると
繊維同志又は繊維と培土基材間で十分な絡み合いが生じ
ないために根鉢強力が不十分となる。しかしながら、繊
維の繊維長が長すぎると繊維を培土中に均一分散させる
のが困難になり、またセル等に培土を充填する作業を行
いにくくなることから、繊維長を15mm以下、さらに
10mm以下、特に5mm以下とするのが好ましい。該
繊維の繊度は特に限定されないが、十分な接着能力を発
現させる点からは繊維径を小さくするのが好ましく、具
体的には10dtex以下、特に5dtex以下とする
のが好ましい。しかしながら均一分散性の点からは0.
1dtex以上、特に1dtex以上とするのが好ましい。
【0009】また本発明で用いられる湿熱接着性繊維の
アスペクト比は、根鉢強力の点からは大きいものが好ま
しく、具体的には20以上、さらに50以上であるのが
好ましい。逆に均一分散性の点、またセルなどへ培土を
充填する作業効率の点からは1000以下、特に800
以下、さらに500以下であることがより好ましい。な
お、本発明にいう繊維のアスペクト比とは、繊維長を繊
維径(繊維の横断面と同一の面積を有する円の直径)で
除した値をいう。湿熱接着性繊維の断面形状は特に限定
されず、例えば丸型、三角形型、T型、偏平型、多葉
型、V字型、中空型などのいずれの断面形状であっても
よい。もちろん、本発明の効果を損わない範囲であれば
上記湿熱接着性繊維以外の繊維が併用されていてもかま
わない。しかしながら、本発明の効果を効率的に得る点
からは、培土を構成する繊維の50質量%以上、特に8
0質量%以上を上記湿熱接着性繊維とするのが好まし
い。
【0010】本発明の育苗用培土に用いる培土基材の種
類は特にに制限されず、育成する植物などの種類に応じ
て、たとえば従来と同様のものを使用する事ができる。
そのうちでも、本発明では、培土基材として、重粘土、
植土、植壌土、壌土などのいわゆる土(天然土)及び/
またはピートモス、パーク堆肥、亜炭、モミガラ、薫
炭、炭粉などの有機質資材を少なくとも配合するのが好
ましい。なかでも、安価で且つ取扱性が良好であって、
植物育成用容器から取出しやすいピートモスを主体とす
る培土基材が好ましく用いられる。もちろん、所望によ
りパーライト、バーミキュライト、ロックウール、ゼオ
ライトなどの無機質資材から選ばれる1種または2種以
上の土壌改良材、ポリエチレングリコール系湿潤剤など
の湿潤剤ならびに無機質肥料、有機質肥料、化学堆肥な
どの肥料をさらに配合してもかまわない。例えばバーミ
キュライトや湿潤剤を配合することにより、水捌け性や
保温性を適正に調整でき、肥料は種子および苗の育成に
寄与する。培土基材の好ましい例としては、前記したよ
うな天然土に、ピートモスなどの有機資材、バーミキュ
ライトなどの無機資材、湿潤剤及び肥料を配合した培土
基材が挙げられる。一般的には、土100質量部に対し
てピートモスなどの天然資材を10〜800質量部、バ
ーミキュライトなどの無機資材を10〜500質量部、
湿潤剤を0.1〜1質量部、肥料を0.1〜2質量部の
割合で配合するのがよい。
【0011】本発明の育苗用培土では、培土基材と湿熱
接着性繊維の配合割合が、質量比で99:1〜85:1
5であることが好ましく、98:2〜90:10である
ことが好ましく、97:3〜95:5であるのがさらに
好ましい。育苗用培土の全質量に基づいて、湿熱接着性
繊維の配合割合が小さすぎると十分な根鉢強力が得られ
にくくなり、湿熱接着繊維の配合量が大きすぎると混合
時に湿熱接着性繊維が繊維塊を生じて湿熱接着性繊維が
培土基材中に均一に分散されにくくなって、ポット、セ
ル、トレー、苗箱などの苗育成用容器への土詰め作業が
円滑に行われにくくなりしかもコストが高くなる。また
湿熱接着性繊維の配合割合が高すぎると根の生育が阻害
される可能性が生じる。
【0012】本発明の培土を湿熱処理することにより効
率的に培土を固化させることができる。かかる湿熱処理
を本発明の育苗用培土の販売者が行うかまたは購入者
(使用者)が行うかはいずれであってもかまわない。固
化の具体的方法は特に限定されないが、効率的かつ簡便
に培土を固化させる点からは、培土基材と湿熱接着性繊
維を少なくとも混合してなる育苗用培土を所望の容器に
充填した後に、湿熱処理を施すことによって湿熱接着性
繊維の接着能を発現させて該培土を固化させるのが好ま
しい。また場合によっては、本発明の育苗用培土を比較
的大きな箱などに充填して湿熱処理して固化させた後
に、それを苗育成用容器に詰め得る適当な大きさに切断
して、その形状を保持しながら苗育成用容器に詰めるこ
ともできる。
【0013】本発明の育苗用培土を詰めるための苗育成
用容器の種類、形状、構造、サイズなどは特に限定され
ず、従来から用いられているのと同様のセル等が使用で
きる。例えば本発明の育苗用培土を自動播種機の土入れ
ボックスに入れ、それがたとえば特表平5―50899
4号公報に記載されているようなポット苗箱に充填した
後にポット苗箱に潅水してから湿熱処理を行う方法、本
発明の育苗用培土をみのる産業株式会社製のポット自動
播種機「LSPE―4」の土入れボックスに投入し、れ
をポット苗箱(みのる産業株式会社製「ポット448苗
箱」に自動的に充填した後にポット苗箱に潅水してから
湿熱処理を行う方法などを採用することができる。本発
明の育苗用培土に湿熱処理を施して育苗用培土中に配合
されている湿熱接着性繊維の接着能を発現させることに
よって、湿熱接着性繊維同志の接着、及び湿熱接着性繊
維と培土基材中の成分との接着が行われて、育苗用培土
内に三次元の網目状補強構造が形成されて育苗用培土が
固化され、その形状保持性が増し、高根鉢強力が付与さ
れる。本発明においては比較的水中溶解温度の低い繊維
を用いていることから、それほど高温で処理しなくても
繊維の接着能を発現させることができる。よって大規模
な設備等を用いなくても湿熱処理を効率的に行うことが
可能となる。
【0014】育苗用培土の湿熱処理の具体的方法は特に
限定されないが、育苗用培土に潅水した後に加熱処理を
行う方法が好適に挙げられる。育苗用培土に潅水した後
に加熱処理を行うと、育苗用培土中に含まれる湿熱接着
性繊維が短時間でかつ低温で接着能を発現できるために
効率的に培土を固化することができ、また全体的に均整
のとれた強力を有する固化物(根鉢)が形成できる。ま
た必要であれば播種時にさらに潅水してもかまわない。
湿熱処理時の潅水の程度は育苗用培土を構成している培
土基材、繊維等の種類によって適宜調整すればよく、湿
熱接着性繊維が接着能を発揮できる程度以上に潅水すれ
ばよい。また場合によってはスプレー等により湿度を高
めるだけでも十分に接着能を高めることもできる。
【0015】また、湿熱処理温度は、湿熱接着性繊維の
水中溶解温度、繊維の種類等に応じて調整するのが好ま
しく、接着能を十分に発現させる点からは(水中溶解温
度―10)℃以上、特に水中溶解温度以上の温度で処理
するのが好ましく、効率性、種子等の性能を損わない
点、さらに必要以上に繊維を溶解させると接着能が低下
する点から(水中溶解温度+30)℃以下、特に(水中
溶解温度+20)℃以下で処理するのが好ましい。効率
性の点からは50〜80℃程度で処理を行うのが好まし
く、1〜30分、特に5〜20分間程度の処理を行うの
が効率性、さらに十分に固化させる点から好ましい。加
熱の方法及び装置は特に限定されず、育苗用培土全体を
所定の温度に均一に加熱できる方法および装置であれば
よい。たとえばオートクレーブ等を用いるのが好まし
い。
【0016】培土を固化させた後に種子を播いてもかま
わないが、本発明においてはそれほど高温で湿熱処理し
なくても十分な接着能が発現されるため、予め培土に種
子を蒔いた後に湿熱処理を施してもかまわない。もちろ
ん種子の種類によっては、熱により種子の変死、死滅な
どが生じて発芽しなかったり、発芽しても発育不良とな
るケースが考えられるため、この場合は、加熱処理後に
播種するのが好ましい。また本発明の育苗用培土は、種
子を播種するだけでなく、挿し木などにも用いることが
できる。育苗用培土へ挿し木を行い、播種時と同様に取
扱えばよい。
【0017】
【実施例】以下、実施例などにより本発明をより具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例により何等限定さ
れるものではない。 [繊維の水中溶解温度 ℃]繊維サンプル5mgを10
0ccビーカーを入れ、水を攪拌しながら2℃/min
で昇温したとき、繊維が完全に溶解消失する温度を水中
溶解温度とする。 [培土基材]土(赤玉土)100質量部にピートモス2
0質量部及びバーミキュライト10質量部を混合して得
た混合物100質量部に対して、湿潤剤(ポリエチレン
グリコール)を0.01質量部及び肥料(チッソ旭肥料
株式会社製「低度化成肥料アサヒマイクロポーラス」)
を0.5質量部配合して培土基材とした。
【0018】[根鉢強力]試料(根鉢)を1mの高さか
ら落下させて、下記に示す4段階の評価基準にしたがっ
て点数評価した。 ランクA:根鉢の割れが何等生じなかった。 ランクB:根鉢が2〜4個に割れた。 ランクC:根鉢が5〜8個に割れた。 ランクD:根鉢がバラバラに砕けた。
【0019】
【0020】[実施例1]上記の培土基材95質量部
と、繊度1.1dtex、繊維長3mm、水中溶解温度60
℃の湿熱接着性PVA系繊維(株式会社クラレ製「VP
B105―2×3」;アスペクト比300)5質量部を
ミキサー容器に入れ、攪拌して育苗用培土を調製した。
繊維均一分散性は良好であり培土中に塊状物は実質的に
形成されておらず良好に分散していた。さらに該培土を
みのる産業株式会社製のポット自動播種機「LSPE−
4」の土入れボックスに投入して培土をポット苗箱(み
のる産業株式会社製「ポット448苗箱」)に自動的に
充填(土詰め)した。次いで、このポット苗箱に2cc
/ポットの量の水を潅水し、それをオートクレーブ中で
70℃で15分間湿熱処理した。得られた根鉢強力はラ
ンクBであり根鉢強力の高いものであり、また70℃と
いう低温で処理可能のため効率的に処理を行うことがで
きた。また湿熱処理後のポット内の育苗用培土に、ブプ
レオラムの種子を1個/ポットの割合で播いて温度15
〜20℃、湿度50〜70%の条件下で約15日間育成
して高さが2〜3cmになるまで成長させ、これを移植
機(みのる産業株式会社製「野菜移植機OP−4」)を
使用して根鉢ごと抜き取って畑に移植したところ、移植
時に根鉢の崩壊が生じず取扱性に優れたものであった。
また移植後は太陽熱と降雨等により湿熱接着性繊維が実
質的に完全に溶解したために根の生育が阻害されず良好
に生育した。
【0021】[比較例1]繊維を配合しない以外は実施
例1と同様に育苗用培土を調製し、湿熱処理を行った。
得られた培土の根鉢強力はランクDと極めて性能に劣っ
たものであり、また実施例1と同様に播種して移植を行
ったところ、移植時に根鉢が崩壊したため効率的に移植
できず取扱性に劣ったものとなった。 [比較例2]湿熱接着性繊維として、繊度1.1dtex、
繊維長0.1mm、水中溶解温度60℃の湿熱接着性P
VA系繊維(株式会社クラレ製「VPB105―2×
0.1」;アスペクト比10)5質量部をミキサー容器
に入れ、攪拌して育苗用培土を調製した。繊維均一分散
性は良好であり培土中に塊状物は実質的に形成されてお
らず良好に分散していた。さらに実施例1と同様に湿熱
処理を施したが、繊維長が短すぎるために繊維同志及び
繊維と培土基材の絡み合いが低いために十分な根鉢強力
が確保できず、根鉢強力はランクDと低いものであっ
た。また実施例1と同様に播種及び移植を行ったとこ
ろ、移植時に根鉢が崩壊するため効率的に移植できず取
扱性に劣ったものとなった。
【0022】[比較例3]前記の培土基材95質量部
と、繊度1.1dtex、繊維長3mm、水中溶解温度が1
00℃をこえるPVA系繊維(株式会社クラレ製「VP
B103×3」;アスペクト比300)5質量部をミキ
サー容器に入れ、攪拌して育苗用培土を調製した。繊維
均一分散性は良好であり培土中に塊状物は実質的に形成
されておらず良好に分散していた。さらに該培土を実施
例1と同様の方法にてポット苗箱に自動的に充填(土詰
め)した。次いで、このポット苗箱に2cc/ポットの
量の水を潅水し、それをオートクレーブ中で100℃で
30分間熱処理した。しかしながら、繊維同志の接着、
及び繊維と培土基材の接着が低いために十分な根鉢強力
が確保できず、根鉢強力はランクDと低いものであっ
た。また実施例1と同様に播種及び移植を行ったとこ
ろ、移植時に根鉢が崩壊するため効率的に移植できず取
扱性に劣ったものとなった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培土基材に、繊維長が0.5mm以上、
    水中溶解温度100℃以下の湿熱接着性繊維を配合した
    ことを特徴とする育苗用培土。
  2. 【請求項2】 湿熱接着性繊維がポリビニルアルコール
    系繊維であることを特徴とする請求項1に記載の育苗用
    培土。
  3. 【請求項3】 湿熱接着性繊維の繊維長が0.5〜15
    mm、アスペクト比が20〜1000である請求項1又
    は請求項2に記載の育苗用培土。
  4. 【請求項4】 培土基材と湿熱接着性繊維の配合割合
    が、質量比で99:1〜85:15である請求項1〜3
    のいずれかに記載の育苗用培土。
  5. 【請求項5】 育苗用培土中で湿熱接着性繊維が接着効
    果を発現している請求項1〜4のいずれかに記載の育苗
    用培土。
  6. 【請求項6】 セル育苗用である請求項1〜5のいずれ
    かに記載の育苗用培土。
  7. 【請求項7】 培土基材及び繊維長が0.5mm以上、
    水中溶解温度10〜100℃の湿熱接着性繊維を含む育
    苗用培土を植物育成用容器に充填し、潅水した後、加熱
    処理して培土中の湿熱接着性繊維の接着効果を発現させ
    ることを特徴とする育苗用培土の固化方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103404362A (zh) * 2013-09-03 2013-11-27 徐州徐薯薯业科技有限公司 甘薯茎尖栽培方法
WO2020013286A1 (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 株式会社クラレ 吸水性培土

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