JPH08289638A - 成形育苗資材 - Google Patents

成形育苗資材

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JPH08289638A
JPH08289638A JP7120829A JP12082995A JPH08289638A JP H08289638 A JPH08289638 A JP H08289638A JP 7120829 A JP7120829 A JP 7120829A JP 12082995 A JP12082995 A JP 12082995A JP H08289638 A JPH08289638 A JP H08289638A
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JP
Japan
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fertilizer
water
seedling
seedling raising
molded
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JP7120829A
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English (en)
Inventor
Michiyuki Ashihara
通之 芦原
Takao Azuma
隆夫 東
Sayoko Miyoshi
佐代子 三好
Kazuichi Kawarabayashi
主一 河原林
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Fertilizing (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 保管、運搬および使用時の取り扱いが極めて
容易な育苗資材、育苗に使用する容器の形状に合わせ、
資材の大きさ、形状を容易に調節でき、また、水や溶剤
を使用した接着剤を用いずに簡単に得ることのできる製
造方法、および栽培に用いると、育苗資材の調整、追肥
作業等の煩わしい作業を極めて低減させることのでき、
徒長や肥料焼け等の濃度障害を起こさず、収量、品質の
良い作物を得ることができる栽培方法を提供することで
ある。 【構成】 育苗および栽培に必要な資材が水溶性または
生分解性を有する樹脂フィルムでパックされている成形
育苗資材、該資材を該フィルムでパックする製造方法、
および該成形育苗資材を用いた栽培方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の目的は、取り扱いが簡単
で、作業効率の優れる成形育苗資材、該成形育苗資材を
得るための製造方法および該成形育苗資材を用いた作物
の栽培方法に関する。更に詳しくは、育苗および栽培に
必要な資材がパックされているものであるため、保管、
運搬および使用時の取り扱いが極めて容易な成形育苗資
材、育苗に使用する容器の形状に合わせ、育苗および栽
培に必要な資材を容易に調整でき、水や水分を含む接着
剤、有機溶剤を含む接着剤等を使用せず、加熱処理を行
うことなく得ることのできる製造方法および育苗を行う
ときの育苗資材の調整、栽培時におこなう追肥作業等の
煩わしい作業を極めて低減させることのできる栽培方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、作物を栽培するには(以下、栽
培行程という。)、作物を栽培できるように乾燥や殺菌
を行って土壌を整え、種子を播き、栽培する作物に必要
な量の農薬および肥料等を、作物の成長に合わせて数回
追肥しなければならない。直接、本田や本圃に種子を播
くこともあるが、日本の様な栽培面積の小さい国におい
ては、育苗容器に土壌、種子、肥料、保水材等の育苗に
必要な資材を必要量充填し、その育苗容器内で、種子を
稚苗や中苗まで育て(以下、育苗行程という。)、育苗
容器で生育した該苗を、移植機を用いて、本田や本圃に
植え込み、収穫までの間に、数回必要な量の肥料等を追
肥して栽培するのが普通であった。
【0003】しかし、農業就労人口の減少や農業就労者
の高齢化が叫ばれている現在、このような栽培行程や育
苗行程にかかる農作業は、農家にとって非常に大きな負
担となっており、これら一連の農作業の省力化が強く望
まれている。そこで、最近では、特に、育苗行程におけ
る省力化に注目した発明として、保水材を用いた育苗
床、育苗用覆土、育苗ブロック等の成形育苗資材等(特
公昭49−26336号公報、特開昭54−13030
9号公報、特開平1−98421号公報、特開平5−2
68842号公報)の発明が精力的に行われている。
【0004】育苗資材とは、先に述べた育苗に必要な、
土壌、種子、肥料、保水材等の総称であり、先の発明で
ある成形育苗資材は、必要に応じて組み合わせた該資材
を育苗容器の形状に合わせて、固めたものであり、固め
ることにより、保存、運搬、取り扱いが容易となり、育
苗作業の低減に非常に有効であった。しかし、該成形育
苗資材は、保水材と水とを混合したスラリーを乾燥、加
圧して固めたり、澱粉やPVA等の水溶性接着剤を該育
苗資材に添加した後、乾燥して固めたりするものである
ため、製造の際に水を必要成分とする。従って、どうし
ても使用した水分を乾燥させる工程が必要となり、蒸発
潜熱の大きい水分を乾燥のに大きなエネルギーを必要と
する。また、乾燥時間も長時間必要であるため、経済的
な製造方法とは言えなかった。
【0005】該成形育苗資材を製造する時に用いる水
を、蒸発潜熱の小さい有機溶剤に代えれば、製造効率は
向上するが、反面、作業環境の悪化、有機溶剤漏洩によ
る大気汚染等の問題が発生し、このような問題を解決す
るには、施設に膨大な金額を費やさなくてはならないの
で、結局不経済となる。
【0006】また、特公昭61−58439号公報や特
開平1−263319号公報に開示されているように、
種子や肥料を含有した成形育苗資材を製造するとき、水
を用いると、用いた水で肥料が溶解したり溶出が起こっ
たりするため、肥料の初期溶出濃度が高くなり、種子が
肥料によって徒長したり、肥料焼けしたりする等の濃度
障害を起こす。また、肥料に肥効調節型肥料を用い、播
種から収穫までに必要な肥料成分量を一括添加した育苗
資材を用いる場合、水分が存在し、かつ加熱処理を必要
とする前述の発明の成形育苗資材の製造方法では、肥効
調節型肥料の溶出抑制機能を失効させてしまうため、当
初予想していた肥効調節型肥料の溶出曲線が、作物の成
長に必要な肥料供給曲線から大きくズレてしまい、作物
の成長に悪影響を与える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、育苗
および栽培に必要な資材がパックされ、保管、運搬およ
び使用時の取り扱いが極めて容易な成形育苗資材、育苗
に使用する容器の形状に合わせ、育苗および栽培に必要
な資材を容易に調整でき、水や水分を含む接着剤、有機
溶剤を含む接着剤等を使用せず、加熱処理を行うことな
く得ることのできる製造方法および育苗資材の調整、追
肥作業等の煩わしい作業を極めて低減させることのでき
る栽培方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明は下記の(1)ない
し(9)の構成を有している。 (1)水溶性または生分解性を有する樹脂フィルムでパ
ックされた成形育苗資材。 (2)播種から収穫までに必要な肥料成分が含有されて
いる肥効調節型肥料または播種から収穫までに必要な肥
料成分が含有されている肥効調節型肥料と種子との混合
物を水溶性または生分解性を有する樹脂フィルムでパッ
クする成形育苗資材の製造方法。 (3)播種から収穫までに必要な肥料成分が含有されて
いる肥効調節型肥料と苗を支持する固体の保水材との混
合物または播種から収穫までに必要な肥料成分が含有さ
れている肥効調節型肥料と苗を支持する固体の保水材と
種子との混合物を水溶性または生分解性を有する樹脂フ
ィルムでパックする成形育苗資材の製造方法。 (4)水溶性または生分解性を有する樹脂フィルムで真
空パックする前記第(2)項または前記第(3)項に記
載の成形育苗資材の製造方法。 (5)育苗期間中の肥料成分の溶出を抑制できる肥効調
節型肥料を用いた前記第(2)項ないし前記第(4)項
のいずれかに記載の成形育苗資材の製造方法。 (6)育苗期間中の肥料成分の溶出量が全肥料成分の
0.5〜10wt%である肥効調節型肥料を用いた前記
第(2)項ないし前記第(5)項に記載の成形育苗資材
の製造方法。 (7)育苗期間中の肥料成分の溶出量が全肥料成分の
0.5〜5wt%である肥効調節型肥料を用いた前記第
(2)項ないし前記第(5)項に記載の成形育苗資材の
製造方法。 (8)苗を支持する固体の保水材が、バーミキュライト
である前記第(2)項または前記第(3)項に記載の成
形育苗資材の製造方法。 (9)水溶性または生分解性を有する樹脂フィルムでパ
ックされた成形育苗資材を用いる作物の栽培方法。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
成形育苗資材は、育苗および栽培に必要な資材である肥
料、保水材、種子、土壌等がそれぞれ単独もしくは組み
合わされて、水溶性または生分解性を有する樹脂フィル
ムでパックされたものである。
【0010】資材をパックする方法については、特に限
定されるものではなく、袋状のものに資材を詰めただけ
のものでも、それをヒートシールして密閉したものでも
良いが、パックに資材を詰めた後、パック内の空気を減
圧吸引装置などで吸引し、内部を真空に近い状態にして
密閉する方が、得られた成形育苗資材の形状保持力が上
がり、取り扱い易くなるので好ましい。
【0011】また、本発明の成形育苗資材は、用いる育
苗容器の形状にあった形に予め成形しておくことが望ま
しい。例えば、水稲の場合は、慣行の育苗箱(縦28c
m、横58cm、深さ3cm)に収まる様に、平板状に
成形しておき、イチゴやトマトの場合には、ビニールポ
ット形の育苗容器に合うように成形しておき、葉菜類の
場合には、プラグ形の育苗容器に合うように成形してお
くことが望ましい。
【0012】本発明の成形育苗資材は、肥料だけがパッ
クされたものであっても、肥料と種子との混合物がパッ
クされたものであっても、育苗行程に必要な資材全てが
パックされたものであっても、いずれでも良いが、育苗
行程および栽培行程に必要な資材の全てが1つのパック
に入っている方が、取り扱いが容易で、従来行っていた
育苗行程における種々の作業(土壌の調整等)や栽培に
おける追肥行程を実施しなくて済み、非常に作業効率が
上がる。
【0013】本発明において水溶性を有する樹脂フィル
ムを用いたものは、成形育苗資材を、育苗容器にセット
した後、その上から水をかけるだけで樹脂フィルムが容
易に溶解され、育苗が開始される。それゆえ、該フィル
ムを用いた場合は、育苗行程および栽培行程に必要な資
材全てを一括してパックしておくことが好ましい。一
方、本発明において生分解性を有する樹脂フィルムを用
いたものは、成形育苗資材を、育苗容器にセットした
後、その上から水をかけるだけでは、樹脂フィルムが容
易に分解されない。しかし、成形育苗資材を育苗容器に
セットした後、覆土し、その上から水をかけると、覆土
に含まれる分解菌の活動が活発となり、該菌が樹脂フィ
ルムを分解し、育苗が開始されるので、該フィルムを用
いる場合は、覆土を資材の中に加えずにパックし、育苗
容器にセットした後、該パックの上に覆土することが好
ましい。
【0014】本発明に用いられる樹脂フィルムは、水溶
性または生分解性であれば、特に限定されることはない
が、フィルム状にして使用されるので、フィルム成形に
あった物性を有する樹脂を使用するのが好ましい。ま
た、場合によっては、使用する育苗容器の形に合った形
状に、該フィルムを成形することもあるので、真空成
形、射出成形に耐え得る物性を有する樹脂を選択するこ
とが好ましい。さらに、本発明の製造方法では、パック
内の空気を吸引し、真空に近い状態にすることが好まし
いので、パック内への空気の侵入速度の遅いフィルム、
すなわち、ガス透過速度の遅い樹脂を用いたフィルムが
好ましい。また、空気の侵入速度は、用いるフィルムの
厚みによっても左右されるので、フィルムの厚みを20
μm以上、好ましくは40μm以上にして使用するのが
望ましい。
【0015】具体的には、本発明に用いられる水溶性を
有する樹脂フィルムとしては、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキサイド、
ポリアミド等の合成高分子、水溶性合成高分子と澱粉と
の混合物等が挙げられ、本発明に用いられる生分解生を
有する樹脂フィルムとしては、ポリヒドロキシアルキル
プロピオン酸、ポリヒドロキシアルキル酢酸、ポリカプ
ロラクトン、脂肪族カルボン酸とグリコールとの共重合
体等のポリヒドロキシカルボン酸類、コポリエステルエ
ーテル、コポリエステルアミド、コポリエステルカーボ
ネート、コポリエステルウレタン等が挙げられる。
【0016】本発明の栽培方法は、本発明の成形育苗資
材を育苗容器に挿入するだけで簡単にセットでき、その
上から水をかけるだけで育苗が開始されるので、育苗作
業が非常に楽である。本発明の栽培方法は、本発明の成
形育苗資材を用いて行う栽培であり、パックされる資材
を調整することによって、育苗だけではなく、収穫まで
の栽培を行うこともできる。つまり、播種から収穫まで
に必要な肥料成分が含有されている肥効調節型肥料を成
形育苗資材に添加しておけば、作物の成長とともに、次
第に根も成長してゆき、育苗期間が終わり、稚苗もしく
は中苗に育つころには、該苗の根は、育苗成形資材中に
張り巡らされるので、成形育苗資材は、その根に絡まっ
て、該苗と一体になっている。従って、該苗と一体にな
っている成形育苗資材を、移植機によって、本田もしく
は本圃に植え込むと、成形育苗資材中に配合されている
収穫までに必要な肥料成分が含有されている肥効調節型
肥料も一緒に、本田もしくは本圃に植え込むことになる
ので、通常、収穫までの間に行う追肥作業を行わなくて
済み、農家の作業負担を極めて低減させることができ
る。従って、本発明の成形育苗資材には、作物が播種か
ら収穫までに必要な成分が全て混合されていることが好
ましい。特に、播種から収穫までに必要な肥料成分の全
て、もしくはそれに近い量が含有されている肥効調節型
肥料を添加しておくことが好ましい。
【0017】ただし、播種から収穫までに必要な肥料成
分が含有されている肥効調節型肥料を成形育苗資材中に
一括添加した場合は、育苗期間に溶出される肥料成分を
抑制できる肥効調節型肥料を使用しなければならない。
育苗期間に、種子に対して、過剰な肥料成分を与えると
種子が肥料によって、徒長や肥料焼け等の濃度障害を起
こしてしまうからである。好ましくは、育苗期間に全肥
料分の0.5〜10wt%の肥料成分が溶出される肥効
調節型肥料が望ましい。さらに好ましくは、肥効調節型
肥料として、育苗期間に全肥料分の0.5〜5wt%の
肥料成分が溶出され、苗を本圃に植え替えた後、収穫ま
でに残りの肥料成分が溶出される時限溶出型被覆肥料が
望ましい。
【0018】該肥効調節型肥料としては、アセトアルデ
ヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素、ホルム
アルデヒド加工尿素、オキサミド、グアニル尿素等の緩
効性合成有機肥料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、硫黄
等の被覆材で粒状肥料を被覆した被覆粒状肥料等が挙げ
られる。該粒状肥料は、粒状品であれば、その種類につ
いて限定するものではない。すなわち、公知の化学肥
料、例えば、硫安、塩安、硝安、尿素、塩化カリ、硝酸
カリ、硝酸ソーダ、リン酸アンモニア、リン酸カリ、リ
ン酸石灰等の単肥やこれら2種以上を複合した化成肥料
が挙げられる。
【0019】育苗期間中に必要な肥料成分量は、少量で
よく、肥効調節型肥料が育苗期間中に溶出される溶出量
で充分補えるが、作物の品種や栽培法によっては、必要
量に満たない場合もあるので、そのような場合は、苗の
生育を阻害しない範囲で、化成肥料等を併用すると良
い。また、収穫までに必要な肥料成分が含有されている
肥効調節型肥料を成形育苗資材に配合するとき、配合比
が大きくなり過ぎて、他の資材(保水材や培土等)が相
対的に少なくなり、良好な育苗ができなくなる場合は、
肥効調節型肥料を減らし、移植する本田や本圃に予め基
肥として速効性の化成肥料を施用しておいていても差し
支えない。
【0020】本発明の成形育苗資材には、苗を支持する
固体の保水材として、木屑、パルプ粕、リンター、ピー
トモス、水苔等の天然有機物、スポンジ様の合成有機ポ
リマー、発泡材、パーライト、バーミキュライト等の無
機多孔性物質、容水量の大きな粒または粉状の土壌、紙
類、パルプスラッジ等の繊維物質、並びに天然繊維、天
然繊維と合成繊維とからなる不織布の1種または2種以
上の混合物を使用することが好ましいが、パックする水
溶性もしくは生分解性の樹脂フィルムを溶解もしくは分
解しないような保水材を使用しなければならなく、充分
に乾燥を施した保水材を用いることが望ましい。好まし
くは、水分をほとんど含まず、かつ非常に軽量で、吸水
力が高いバーミキュライトを保水材として用いることが
好ましい。
【0021】本発明の成形育苗資材には、前述した各種
資材の他に、各目的に応じて除草剤、殺菌剤、殺虫剤お
よびわい化作用を有する植物成長調整剤等の農薬を添加
することもできる。中でも、植物成長調節剤は、育苗期
間に必要以上の肥料成分が溶出し、苗が徒長するのを防
止するのに有効である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の試験例及び実施例を用いその
詳細を説明する。なお、本実施例は本発明をなんら限定
するものではない。
【0023】実施例1 図−1に示される溶出曲線(25℃水中における溶出)
を有する被覆尿素(チッソ(株)社製LPSS100:窒
素成分40wt%)335g(窒素134g相当量)
を、澱粉60wt%とポリビニルアルコール40wt%
からなる水溶性樹脂フィルム(厚さ50μm)の袋状パ
ック(縦28cm、横61cm)に充填し、該被覆尿素
を袋内で平板状に均一分散させておき、減圧吸引装置で
内部の空気を抜いた後、該パックの口部をヒートシール
して密閉し、被覆肥料からなる縦27cm、横57c
m、高さ0.5cmの板状成形育苗資材を得た。次に、
水稲の慣行の育苗箱(縦28cm、横58cm、深さ3
cm)に、焼成バーミキュライト(見かけ比重:0.1
g/ml)600gを投入し、圧縮することによって、
育苗箱内に高さ2cmの保水層を得た後、その上に、該
成形育苗資材を置き、さらにその上に、水稲種子100
g(品種:ヒノヒカリ)を播種した後、N、P25、K
2Oを各0.5mg加えた粒状培土1kg覆土して、サ
ンプルA1(育苗試験および栽培試験用サンプル)を得
た。
【0024】実施例2 図−1に示される溶出曲線を有する被覆尿素(チッソ
(株)社製LPSS100:窒素成分40wt%)335
g(窒素134g相当量)と焼成バーミキュライト(見
かけ比重:0.1g/ml)600gとの混合物を、澱
粉60wt%とポリビニルアルコール40wt%からな
る水溶性樹脂フィルム(厚さ50μm)の袋状パック
(縦30cm、横63cm)に充填し、該混合物を袋内
で平板状に均一分散させておき、減圧吸引装置で内部の
空気を抜いた後、該パックの口部をヒートシールして密
閉し、被覆肥料とバーミキュライトからなる縦26c
m、横56cm、高さ2cmの板状成形育苗資材を得
た。次に、水稲の慣行の育苗箱(縦28cm、横58c
m、深さ3cm)に、該成形育苗資材を置き、その上
に、水稲種子100g(品種:ヒノヒカリ)を播種した
後、N、P25、K2Oを各0.5mg加えた粒状培土
1kg覆土して、サンプルA2(育苗試験および栽培試
験用サンプル)を得た。
【0025】実施例3 図−1に示される溶出曲線を有する被覆尿素(チッソ
(株)社製LPSS100:窒素成分40wt%)335
g(窒素134g相当量)と焼成バーミキュライト(見
かけ比重:0.1g/ml)600gと水稲種子(品
種:ヒノヒカリ)100gと混合物を、澱粉60wt%
とポリビニルアルコール40wt%からなる水溶性樹脂
フィルム(厚さ50μm)の袋状パック(縦33cm、
横66cm)に充填し、該混合物を袋内で平板状に均一
分散させておき、減圧吸引装置で内部の空気を抜いた
後、該パックの口部をヒートシールして密閉し、被覆肥
料とバーミキュライトからなる縦27cm、横57c
m、高さ3cmの板状成形育苗資材を得た。次に、水稲
の慣行の育苗箱(縦28cm、横58cm、深さ3c
m)に、該成形育苗資材を置き、その上に、N、P
25、K2Oを各0.5mg加えた粒状培土1kg覆土
して、サンプルA3(発芽試験用サンプル)を得た。
【0026】比較例1 図−1に示される溶出曲線を有する被覆尿素(チッソ
(株)社製LPSS100:窒素成分40wt%)335
g(窒素134g相当量)と焼成バーミキュライト(見
かけ比重:0.1g/ml)600gの混合物に、けん
化度90%以下のポリビニルアルコール2%溶液100
ml添加混合した後、縦28cm、横58cm、深さ1
0cmの木枠に入れ、圧搾成型器によって5〜10kg
/cm2 程度の圧力を加え、80〜90℃の温度で乾燥
し、縦28cm、横58cm、高さ2cmの板状成形育
苗資材を得た。次に、水稲の慣行の育苗箱(縦28c
m、横58cm、深さ3cm)に、該成形育苗資材を置
き、その上に、水稲種子100g(品種:ヒノヒカリ)
を播種した後、N、P25、K2Oを各0.5mg加え
た粒状培土1kg覆土して、サンプルB1(育苗試験お
よび栽培試験用サンプル)を得た。
【0027】比較例2 図−1に示される溶出曲線を有する被覆尿素(チッソ
(株)社製LPSS100:窒素成分40wt%)335
g(窒素134g相当量)と焼成バーミキュライト(見
かけ比重:0.1g/ml)600gと水稲種子(品
種:ヒノヒカリ)100gと混合物に、けん化度90%
以下のポリビニルアルコール2%溶液100mlを添加
混合した後、縦28cm、横58cm、深さ10cmの
木枠に入れ、圧搾成型器によって5〜10kg/cm2
程度の圧力を加え、40〜50℃の温度で乾燥し、縦2
8cm、横58cm、高さ3cmの板状成形育苗資材を
得た。次に、水稲の慣行の育苗箱(縦28cm、横58
cm、深さ3cm)に、該成形育苗資材を置き、その上
に、N、P25、K2Oを各0.5mg加えた粒状培土
1kg覆土して、サンプルB2(発芽試験用サンプル)
を得た。
【0028】比較例3 水稲の慣行の育苗箱(縦28cm、横58cm、深さ3
cm)に、硫加燐安(13−13−13)を育苗箱あた
りNとして1g相当量となるように、保水性の大きい洪
積火山灰土(最大容水量120%、粒径2mm以下)へ混
合したものを投入し、その中に、水稲種子100g(品
種:ヒノヒカリ)を播種して、サンプルB3(育苗試験
および栽培試験用サンプル)を得た。
【0029】「育苗試験」実施例1、2および比較例
1、3により得られた各サンプルを、温度コントロール
の可能なガラスハウス(実施場所:熊本県水俣市)内に
おいて、慣行の育苗管理に準じた育苗を行った。5月1
1日に、各サンプルに対し潅水を行い、この日を育苗開
始日と定め、6月10日の本田への移植日までの間を、
育苗期間と定めた。比較例3については、育苗期間中に
硫加燐安(13−13−13)を育苗箱あたりNとして
0.5gずつ2回の追肥を施し、他のサンプルは、追肥
を行わず育苗を実施した。各サンプルの育苗度合いを、
移植日(育苗終了日)における苗の草丈、苗質(新鮮茎
葉重、乾物茎葉重)、N含有率を測定することによって
判定した。結果を表−1に示す。草丈は、育苗終了日の
苗1000本の平均の長さである。この数値が大きい方
が、植物の大きく成長していることを表す。新鮮茎葉重
は、育苗終了日の苗1000本の平均の重さである。こ
の数値が大きい方が、植物が品質良く生育していること
を表す。乾物茎葉重は、新鮮茎葉重を70℃で一昼夜乾
燥させた後の苗1000本の平均の重さである。この数
値が大きい方が、植物が品質良く生育していることを表
す。N含有率は、育苗終了日の苗の窒素成分含有量であ
る。新鮮茎葉重を硫酸分解した後、ケンダール法によっ
て測定した。この数値が大きい方が、肥料成分であるN
を多量に吸収していることを表す。この結果より、比較
例1のサンプルB1においては、N含有率が大きく、肥
料成分を多く吸収していること、草丈が大きいことか
ら、成長が著しいことが判る。しかし、その反面、苗質
が小さく、品質的に良いものでないことが判る。明らか
に、肥料成分の濃度障害を起し、苗が徒長を起こしてい
る。これは、サンプル製造時において用いた水分および
乾燥を行った時の熱によって、用いている被覆肥料の溶
出調整機能が失効し、肥料成分溶出量が多くなって、苗
が多量の肥料を吸収してしまった結果である。これに対
し、実施例1および実施例2のサンプルであるA1、A
2は、全く濃度障害を起こしておらず、慣行の育苗法で
ある比較例3のサンプルB3と同等の極めて品質の良い
苗が得られいることが判る。
【0030】
【表1】
【0031】「発芽試験」比較例2および実施例3によ
り得られた各サンプルの上から、潅水を行い、育苗を開
始させ後、それから3日目の発芽率、すなわち、種子の
数に対する発芽した芽の数の比率を測定した。結果を表
−2に示す。この結果より、比較例2のサンプルB2に
おいては、サンプル製造時において用いた水分および乾
燥を行った時の熱によって、用いている被覆肥料の溶出
調整機能が失効し、種子の成長に対し、バランスの悪い
肥料成分溶出を行っているため、発芽率が極めて悪いこ
とが判る。また、実施例3のサンプルA3は、バランス
の良い肥料成分溶出が行なわれているため、種子および
苗が濃度障害を起こすことなく、極めて良好な発芽およ
び成長が行われることが判る。
【0032】
【表2】
【0033】「本田栽培試験」育苗試験によって、6月
10日まで育苗し育てた各サンプ ル(A1、A2、B
3)を、慣行の田植機で、本田(熊本県水俣市深川)へ
移植した。6月10日に、各サンプル(育苗箱30枚/
サンプル)を、本田面積10アールに対し、栽培密度が
1株、30cm×15cm(22.2株/m2)となる
ように移植し、この日を本田栽培開始日と定め、10月
15日の収穫日までの間を、本田栽培期間と定めた。サ
ンプルA1およびA2を移植する本田には、基肥時に、
硫加燐安(4−22−22)を10アール当たりNとし
て1.46kg(P25:8kg、K2O:8kg)施
用しておき、移植後の追肥は行わなかった。サンプルB
3を移植する本田には、基肥時に、硫加燐安(10−2
0−20)を10アール当たりNとして4kg(P
25:8kg、K2O:8kg)施用しておき、移植
後、収穫までの間に、追肥として、硫酸アンモニア
(N:21%)をNとして2kgづつ、2度にわたり施
用した。各サンプルの生育度合い及び収量を、収穫日に
おける稲の稈長、穂長、穂数、倒伏、藁重、籾重、精玄
米重、指数、検査等級を測定することによって判定し
た。結果を表−3に示す。稈長は、収穫日の稲1000
本の平均の長さである。この数値が大きい方が、成長が
良い事を表す。穂長は、収穫日の穂1000本の平均の
長さである。この数値が大きい方が、成長が良い事を表
す。穂数は、収穫日の1m2当たりの穂数である。この
数値が大きい方が、生育の良い事を表す。倒伏は、収穫
日に倒れていた稲がある場合を有、ない場合を無とし
た。これが有の場合は、脆弱な稲になっていることを表
す。藁重は、収穫した稲穂から籾を取った後の藁の重さ
である。この数値が大きい方が、生育の良い事を表す。
籾重は、収穫した稲穂から得られた籾の重さである。こ
の数値が大きい方が、生育の良い事を表す。精玄米重
は、収穫した籾から籾ガラを取って得られた精玄米の重
さである。この数値が大きい方が、生育の良い事を表
す。精玄米重指数は、サンプルB3から収穫された精玄
米の重さを100とした時の、他のサンプルから収穫さ
れた精玄米の重さとの比率。この数値が大きい方が、慣
行の栽培法と比較して、生育の良い事を表す。検査等級
は、精玄米の品質を表したもので、青米、茶米、胴割
れ、破損米の混入率、および形状、光沢の善し悪しによ
って判定した。1上が最も良く、次に1中、1下、2
上、・・・3下、等外と続く。この結果より、実施例1
のサンプルA1、実施例2のサンプルA2においては、
追肥を行わなくても、苗を本田に移植した後の生育が良
好で、慣行の栽培を行ったサンプルB3と比較しても、
減肥したにもかかわらず収量が多く、品質を表す検査等
級も同等かまたはそれ以上のものとなっていることが判
った。また、出穂も、サンプルB3の出穂と比較し、2
〜3日早くなっていることが判明した。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の育苗資材は、保
管、運搬および使用時の取り扱いが極めて容易であり、
育苗に使用する容器の形状に合わせ、資材の大きさ、形
状を容易に調節でき、また、水や溶剤を使用した接着剤
を用いずに簡単に製造することができ、栽培に用いる
と、育苗資材の調整、追肥作業等の煩わしい作業を極め
て低減させることのでき、徒長や肥料焼け等の濃度障害
を起こさず、収量、品質の良い作物を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】チッソ(株)製LPSS100の25℃水中に
おける溶出曲線の図

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性または生分解性を有する樹脂フィル
    ムでパックされていることを特徴とする成形育苗資材。
  2. 【請求項2】播種から収穫までに必要な肥料成分が含有
    されている肥効調節型肥料または播種から収穫までに必
    要な肥料成分が含有されている肥効調節型肥料と種子と
    の混合物を水溶性または生分解性を有する樹脂フィルム
    でパックすることを特徴とする成形育苗資材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】播種から収穫までに必要な肥料成分が含有
    されている肥効調節型肥料と苗を支持する固体の保水材
    との混合物または播種から収穫までに必要な肥料成分が
    含有されている肥効調節型肥料と苗を支持する固体の保
    水材と種子との混合物を水溶性または生分解性を有する
    樹脂フィルムでパックすることを特徴とする成形育苗資
    材の製造方法。
  4. 【請求項4】水溶性または生分解性を有する樹脂フィル
    ムで真空パックすることを特徴とする請求項2または請
    求項3に記載の成形育苗資材の製造方法。
  5. 【請求項5】育苗期間中の肥料成分の溶出を抑制できる
    肥効調節型肥料を用いることを特徴とする請求項2ない
    し請求項4のいずれかに記載の成形育苗資材の製造方
    法。
  6. 【請求項6】育苗期間中の肥料成分の溶出量が全肥料成
    分の0.5〜10wt%である肥効調節型肥料を用いる
    ことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに
    記載の成形育苗資材の製造方法。
  7. 【請求項7】育苗期間中の肥料成分の溶出量が全肥料成
    分の0.5〜5wt%である肥効調節型肥料を用いるこ
    とを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記
    載の成形育苗資材の製造方法。
  8. 【請求項8】苗を支持する固体の保水材が、バーミキュ
    ライトであることを特徴とする請求項2または請求項3
    に記載の成形育苗資材の製造方法。
  9. 【請求項9】水溶性または生分解性を有する樹脂フィル
    ムでパックされた成形育苗資材を用いることを特徴とす
    る作物の栽培方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010130955A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Tact:Kk 真空パック園芸用粒状土およびその製造方法

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