JPH08337775A - 育苗用土組成物 - Google Patents

育苗用土組成物

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JPH08337775A
JPH08337775A JP7171470A JP17147095A JPH08337775A JP H08337775 A JPH08337775 A JP H08337775A JP 7171470 A JP7171470 A JP 7171470A JP 17147095 A JP17147095 A JP 17147095A JP H08337775 A JPH08337775 A JP H08337775A
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JP
Japan
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soil
seedlings
polymer
raising
composition
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Application number
JP7171470A
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English (en)
Inventor
Makoto Sukegawa
誠 助川
Akinori Nagatomo
昭憲 長友
Hiroaki Tamaya
玉谷  弘明
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G3/00Mixtures of one or more fertilisers with additives not having a specially fertilising activity
    • C05G3/80Soil conditioners

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Soil Sciences (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有用植物土付苗の育苗・移植に際して、根鉢
部分の保水効果、通気効果、形状維持効果、粘結強度維
持効果、発根促進効果、移植作業省力化効果、移植植物
定着率改善効果に優れると共に、移植後には、高分子成
分が迅速に土壌中で分解性を発揮してコンポスト化し、
分解生成物のアスパラギン酸又はその塩により植物体の
根の活着を促進し、分解生成物により圃場の土壌及び収
穫作物を汚染しない特徴を有する育苗用土組成物を提供
すること。 【構成】 単量体単位としてアスパラギン酸塩を含む重
合体を混合した有用植物土付苗用の育苗用土組成物。 【効果】 育苗期間及び移植時には、優れた保水効果、
通気効果、根鉢部分形状維持効果、根鉢部分粘結強度維
持効果、発根促進効果を発現し、移植作業の際には、省
力化と高い定着率を実現し、移植後には、重合体が土壌
中で周囲を汚染することなくコンポスト化し、徐放的に
分解生成するアスパラギン酸又はその塩が植物体発根促
進効果を発現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有用植物土付苗用の育苗
用土組成物に関する。さらに詳しくは、有用植物土付苗
を移植するに際して土付苗根元の根と土壌が一体となっ
た部分(根鉢部分)の形状を維持したまま移植でき、苗
の根の周囲の土が崩れにくいという特性を有する育苗用
土組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】古典的な農業における有用植物苗又は幼
有用植物の圃場への移植・定植作業は、有用植物の植物
体をそのまま手植えすることにより行なわれ、その労力
負担は大きく、又、根の保護が確保されないまま移植す
るために定着率が低かった。農業の近代化に伴い、移植
・定植作業の省力化・効率化・確実化が希求され、ま
た、苗の集中的生産や商業的生産が行なわれるようにな
ってきた。近代農業においては、有用植物の植物体をそ
のまま手植えするのではなく、有用植物土付苗を何らか
の手段(例えば、人手、移植機、移植ロボット等による
手段)により移植することにより、定植作業の省力化・
効率化や定着率の向上が図られるようになってきた。
【0003】有用植物のうち、例えば、野菜(例えば、
レタス、キャベツ、ブロッコリー、白菜、なす、トマト
等)、花卉(例えば、菊、ばら等)、穀物(例えば、水
稲等)は、単位面積当たりの植付本数が多く、栽培に要
する全労力に対する定植作業に要する労力の比率が相対
的に高いことから、定植作業の省力化・効率化による効
果が極めて高く、種々の形状の育苗容器が開発され、土
付苗を育苗、移植されことが多くなってきた。古典的な
農業における植物体自体の直接移植と比較し、近代的な
農業の土付苗の移植においては、苗の根を直接取り扱う
のではなく、土の付いた根の部分(以下、根鉢部分とい
う。)を取り扱うので、根痛みや植痛みが少なく活着が
良いこと、機械移植が可能となり、省力化や定着率の向
上に大きく寄与する等の利点がある。
【0004】しかしながら、現在広く利用されている育
苗培土は、根鉢部分を強化するための特別な工夫はなさ
れたおらず、移植に際して、根鉢部分が崩れたり、欠け
たりしやすく、移植作業の効率を低下させる原因ともな
っている。この対策として、例えば、ピートモスなどの
繊維状の有機質素材を添加した土を使用したり、土壌粒
子自体の粘着力を増加するために練床状にした湿土を使
用したりする方法が採用されるが、混合、混練に手間を
要し、土壌の通気性の低下に起因する幼植物の生育抑制
や根腐れを招来し、根鉢部分の強度も不十分等の欠点が
あった。
【0005】一方、有用植物苗の良好な生育を図るため
には、育苗期間中、たえず土壌に適度な水分を保持さ
せ、水分を植物に補給し続けることが不可欠な条件であ
る。土壌に保水性を付与する方法として、保水性のある
土壌改良材(以下、保水材という。)を土壌に混合する
ことが広く実施されている。
【0006】保水材には、保水効果と共に、根の呼吸の
維持と、根腐れを抑制するために、空気の流通を維持す
る通気効果も要求される。保水材の具体例としては、例
えば、腐葉土、鹿沼土、ピートモス、パーライト、バー
ミキュライト、発泡ウレタン等が挙げられるが、これら
は、保水効果及び通気効果の両者を、必ずしも同時に満
足するものではない。保水材の他の具体例としては、例
えば、でん粉−ポリアクリロニトリルの加水分解物、で
ん粉−ポリアクリル酸塩架橋物、ポリエチレンオキサイ
ド変性物、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合物等
の、半合成及び合成の吸水性高分子材料が挙げられる
が、これらの高分子物質も、保水効果及び通気効果の両
者を、必ずしも同時に満足するものではなく、また、苗
移植後にも高分子材料が土壌中に残留するという問題点
があった。
【0007】例えば、特公平3−49525号には、単
量体単位としてアクリル酸ナトリウムを0.01〜25
モル有するアクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重
合体を土壌に混合してなることを特徴とする、移植時に
根に付着した土がはずれにくく、機械的強度のある土付
苗を実現する育苗用土組成物に関する技術が開示されて
いる。土付用苗の育苗及び移植の好ましい態様として、
粒径0.5〜3.0mmに造粒した土壌に、上記アクリ
ルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体を0.05〜
5重量%添加した育苗用土を用いて育苗することが開示
されており、これによれば育苗期間中は、充填育苗土の
粗孔隙が適当に大きいので、通気性及び透水性に優れ、
それゆえ苗の生育は順調であり、移植の際は、機械又は
人手による移植の能率と確実性が向上し、移植後は、根
の活着が改善されるという作用効果が発現される。しか
しながら、上記アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム
共重合体は、通常の吸水性合成高分子であり、苗移植後
にも高分子のまま長期にわたり土壌中に残留し、さらに
は、劣化生成物であるアクリルアミドのモノマーやオリ
ゴマーは、毒性が高く、圃場の土壌や収穫作物を汚染す
るおそれがあり、問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、育苗
期間及び移植時には、優れた保水効果、通気効果、根鉢
部分形状維持効果、根鉢部分粘結強度維持効果、発根促
進効果を発現し、移植の際には、作業の省力化・効率化
・確実化を実現し、移植後には、組成物中の高分子成分
が迅速に土壌中で分解性を発揮してコンポスト化し、分
解により徐放的に生成する発根促進効果を有する成分が
植物体の根の活着を促進する、有用植物土付苗用の育苗
用土組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点に鑑み、鋭意検討の結果、単量体単位とし
てアスパラギン酸(塩)を含む高分子を混合した有用植
物土付苗用の育苗用土組成物が、上記目的を達成できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は分子内に式(1)または式
(2)で表される単量体単位を有する重合体または共重
合体と土壌を含有してなる有用植物土付苗用の育苗用土
組成物である。
【0011】
【化2】 (ただし、Xは水素原子または塩形成可能な原子もしく
は基である。) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】式(1)で表される単量体単位はα型ポリ
アスパラギン酸(塩)単量体単位であり、式(2)で表
される単量体単位はβ型ポリアスパラギン酸(塩)単量
体単位である。式(1)または式(2)のXにおける塩
形成可能な原子または基とは、アルカリ金属(例えばナ
トリウム、カリウム等)、アンモニウム、有機塩基(例
えば、トリエチルアンモニウム、N−メチルモルホリノ
基、トリエタノールアンモニウム、ジイソプロピルエチ
ルアンモニウム等)である。
【0013】式(1)または式(2)で表される単量体
単位の重合体分子を構成する全単量体単位に対するモル
%は、有用植物土付苗用の育苗用土組成物を調製した際
に、実質的に充分な保水効果と通気効果を同時に発揮で
きるのであれば特に限定されず、必ずしも100モル%
でなくてもよく他の単量体単位を含んでもよいが、一般
的には、50モル%以上が好ましい。
【0014】他の単量体単位としては、例えば、グリシ
ン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン等の脂
肪族アミノ酸類、セリン、スレオニン等のオキシアミノ
酸類、メチオニン、システイン、シスチン等の含硫アミ
ノ酸類、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ
酸類、リジン、オルニチン、アルギニン等の塩基性アミ
ノ酸類、フェニルアラニン、チロシン等の芳香族アミノ
酸類、トリプトファン、ヒスチジン、プロリン、オキシ
プロリン等の複素環アミノ酸類、アスパラギン、グルタ
ミン等のアミド基を有するアミノ酸類が挙げられ、これ
らはL体、D体、DL体にかかわらず使用することがで
きる。
【0015】前記(共)重合体の重量平均分子量は、有
用植物土付苗用の育苗用土組成物を調製した際に、実質
的に充分な保水効果と通気効果を同時に発揮できるので
あれば、特に限定されないが、通常は100万〜160
0万程度である。一般的には、上記(共)重合体は、水
不溶性を発揮する程度まで、又はゲル状となる程度ま
で、架橋構造を有していることが好ましい。
【0016】本発明に係る有用植物土付苗用の育苗用土
組成物に使用することができる(共)重合体に関して
は、その製造方法は特に限定されない。例えば、アスパ
ラギン酸を脱水縮合して得らるポリこはく酸イミドを水
溶液中、あるいは有機溶剤中でジアミン化合物と反応さ
せて部分的に架橋させ、残りのイミド部分をpHを調整
しながらアルカリ加水分解することにより、優れた吸水
性と加水分解性を具備した樹脂を得ることができる。こ
こで用いられるジアミン化合物の具体例としては、例え
ば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂
肪族ジアミン、ノルボルネンジアミン等の脂環式ジアミ
ン、リジン、オルニチン等の側鎖にアミノ基を持つアミ
ノ酸類及びその誘導体、シスチン、シスタミン等のモノ
アミノ化合物がジスルフィド結合によりつながったもの
及びその誘導体等が挙げられ、これらは単独で又は組み
合わせて使用することができる。これらの中では、ポリ
アスパラギン酸塩架橋物分解後の安全性が高い、リジ
ン、オルニチン、シスチン、シスタミン及びその誘導体
が好ましい。前記誘導体の具体例としては、例えば、リ
ジン、オルニチンの環状二量体であるジケトピペラジン
類、リジン、オルニチン、シスチンのエステル類が挙げ
られ、これらは単独で又は組み合わせて使用することが
できる。ジアミンの使用量は、ポリアスパラギン酸塩架
橋物が実質的に水不溶性と高吸水性を発現できる量であ
ればよく、ポリこはく酸イミドに対して、0.1〜40
モル%が好ましい。
【0017】このようにして得られるポリアスパラギン
酸塩架橋物は、ティーバッグ法で評価した場合、蒸留水
に対して50倍以上、生理食塩水(0.9重量%食塩
水)に対して25倍以上の吸水能を有する。このような
吸水能は、本発明の育苗用土組成物に使用する(共)重
合体としては好ましい範囲のものである。だたし、本発
明においては、実質的に充分な保水効果と通気効果を同
時に発揮できるのであれば、保水能は特に限定されな
い。
【0018】このようにして得られる(共)重合体は土
壌に混合して本発明の育苗用土組成物とする。育苗用土
組成物中の(共)重合体の量は、実質的に充分な保水効
果と通気効果を同時に発揮できるのであれば特に限定さ
れないが、一般的には土壌に対して0.01〜5重量%
が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。0.0
1重量%未満では、土組成物の粘結強度が低下する傾向
がみられ、5重量%を超えるとコストが高くなったり、
粘結強度が高くなりすぎる傾向がみられる。粘結強度が
高くなりすぎると、作業性が低下したり、有用植物の種
類によっては、生育が不全となる場合がある。
【0019】(共)重合体の乾燥状態における形状及び
大きさは、有用植物土付苗用の育苗用土組成物を調製し
た際に、実質的に充分な保水効果と通気効果を同時に発
揮できるのであれば特に限定されない。一般的には、優
れた通気性及び透水性に優れた粗孔隙を発現し得るため
には、形状としては多孔質の、粉末や粒状のものが好ま
しく、大きさは粒度5〜50メッシュ程度、又は、粒径
0.5〜5.0mm程度が好ましい。
【0020】(共)重合体は、水分を加えることにより
吸水膨張又は膨潤し、土壌粒子を抱き込むよう土壌間に
浸透し、相互に連結して抱合体を形成するため、それが
適度に乾燥して弾性あるいは機械的強度を生じ、移植に
際し根崩れすることがなく、バインダーとしての機能を
発揮する。なお、本発明においては、本発明の目的を害
さない限り他の種類の吸水性又は粘着性を有する水溶性
バインダー又は吸水性バインダーを添加することもでき
る。
【0021】有用植物土付苗用の育苗用土組成物を調製
する際に使用する土壌は、有用植物土付苗用の育苗用土
組成物を調製した際に、実質的に充分な保水効果と通気
効果を同時に発揮できるのであれば特に限定されず、そ
の形態は粉末でも粒状でもかまわない。一般的には、優
れた通気性及び透水性に優れた粗孔隙を発現し得る、粒
度5〜50メッシュ程度(乾燥状態)、又は、粒径0.
5〜5.0mm程度(乾燥状態)に造粒したものが好ま
しい。
【0022】本発明の育苗用土組成物は、実質的に前記
(共)重合体の作用効果を抑制しない範囲で各種の有用
成分を含有してもよい。例えば、水分、肥料(堆肥、鶏
糞等)、有機質素材、pH調整剤、腐食物質、堆肥、保
水性保肥性改良鉱物質粉末材(ベントナイト、ゼオライ
ト粉末等)、農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤等)、珪藻
土、粘土、石灰等が挙げらる。所望により、ピートモス
を前記(共)重合体に対して、5〜15重量%添加して
もよい。また、例えば、特開昭57−147583号に
開示されているような土壌酸度低下調整用組成物を添加
してもよい。
【0023】本発明の育苗用土組成物を調製する方法
は、特に限定されない。その具体例としては、(共)重
合体と土壌を一括混合する方法が挙げられる。他の具体
例としては、予め高濃度の共重合体を含むマスターバッ
チ土組成物を調製し、次いで、これに土壌を追加混合し
て所定共重合体濃度とする方法が挙げられる。このとき
の(共)重合体の形状・形態は、有用植物土付苗用の育
苗用土組成物を調製した際に、実質的に充分な保水効果
と通気効果を同時に発揮できるのであれば特に限定され
ない。(共)重合体は乾燥した状態で用いてもよいし、
予め水で膨潤させたり、水に分散させたりしてもよい。
従って、粉状、粉粒状、粒状、顆粒状、リオフィライズ
状、ペレット状、スラリー状、ヘドロ状、ペースト状、
ゲル状、フレーク状、棒状、円柱状、板状、ブロック
状、球状等、任意の形状・形態でよい。
【0024】育苗用土組成物を調製する好ましい態様と
しては、まず、前記(共)重合体を前記のごとき他の添
加物質と混合し、次いで、その混合物を土壌に所定量配
合する方法が挙げられ、この方法を採用することにより
均一な混合を実現することができる。他の好ましい態様
としては、まず、前記(共)重合体に水又は他の添加物
質水溶液(肥料水溶液等)を吸収させ、次いで、これを
土壌に所定量配合する方法が挙げられ、この方法を採用
することにより均一な混合を実現することができる。
【0025】育苗用土組成物の水分量は、特に制限はな
いが、一般的には、(共)重合体容積に対して、0.2
〜3倍量が好ましく、0.5〜1倍量がより好ましい。
【0026】本発明の育苗用土組成物は、各種繊維を添
加することにより、曲げ強度を向上させ、取扱い時の破
損を防ぎ、また成形体に微細な空隙を確保して植物の生
育に必要な通気性を向上させることができる。即ち、繊
維を添加することにより、繊維が(共)重合体の間に分
散して互いに絡み合い、(共)重合体のゲルの作用によ
り植物に必要な通気性や保水性を確保したまま、繊維の
絡み合いを強固にし、しかも水分吸収によって型崩れも
なく、かつ強度の低下を少なくする。
【0027】繊維としては、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリオレフィン、アラミド繊維、酢酸セルロース繊
維、ガラス繊維、ロックウール、アスベスト、セラミッ
クス繊維、炭素繊維などを挙げることができるが、土壌
に長期にわたり繊維が残留しないことを望む場合には、
セルロース系繊維、脂肪族ポリエステル系繊維等の分解
性のものが好ましい。繊維の長さは、5〜50mmもの
が好ましい。繊維の添加量は、(共)重合体に対して1
〜10重量%とするのが好ましく、(共)重合体を添加
した後に加えて撹拌するのが良い。
【0028】本発明の育苗用土組成物は所望の形に成形
し、成型物に植物の種子を播種し、育苗して土付苗とす
る。成形するには、通常本発明の組成物を底面又は側面
に水が透過するが水以外の原料が透過しないような孔径
を有するメッシュを張った型枠に流し込み脱水成形す
る。この場合、前記共重合体が潰れない程度の圧力で加
圧すると脱水成形が促進される。加圧を行なう場合の圧
力は、10〜1000kg/cm2が好ましく、10〜
200kg/cm2がより好ましい。また、成形時にメ
ッシュを敷いた底部を減圧にしたり、また遠心力により
脱水を行ってもよい。得られた成形体は脱型後、必要に
応じて乾燥する。乾燥は40〜200℃の雰囲気下で行
なう。
【0029】成形後に、湿潤状態で、その表面又は内部
に有用植物体種子を播種し、発芽育成する。また、成形
後に、乾燥状態で、その表面又は内部に有用植物体種子
を播種し、乾燥状態で発芽させないまま保管し、その
後、所望の時期に水を供給して、湿潤状態で発芽育成す
ることもできる。
【0030】なお、育苗用土組成物の成形物の深さが2
0〜50mm程度と浅い場合は、予め育苗用土組成物中
に種子を混合して成形してもよく、好ましい態様であ
る。この場合は、種子の損傷を少なくするために、乾燥
は80℃以下で行うのが好ましく、減圧下で乾燥を行う
ことにより、より効果的に乾燥することができる。
【0031】このようにして、本発明の育苗用土組成物
を用いて土付苗を得ることができる。土付苗とは、ポッ
ト苗、プラグポット苗、プラグ苗、育苗鉢等、特定の態
様に限定されるものではなく、いずれかの手段(例え
ば、人手、移植機、移植ロボット等による手段)で移植
するに際して、根鉢部分の形状を維持したまま、苗の根
の周囲の土が崩れにくい特性を有するものと認識される
ものを全て包含する。
【0032】本発明に係る育苗用土組成物は、圧縮を必
ずしも必要とせずに、充分な粘結強度を具備した成形品
を調製することができることから、植物の根の伸長に必
要なブロック中の通気性を損なうことなく、複雑な形に
成形することも可能である。したがって、例えば、植物
プランターに合わせて成形することができるのみなら
ず、コンクリート製法枠、コンクリート製井桁、コンク
リート製積みブロック擁壁、中央分離帯用コンクリート
ブロック等のコンクリート製品の隙間を利用して緑化す
る場合には、上記コンクリート製品の隙間の形状に嵌合
する形状に簡単に成形できる。さらに植物苗を直接植栽
できるような形に成形することも容易である。また、逆
に、コンクリート製品に予めポット苗が丁度入る大きさ
の穴があくように型枠を工夫しておけば、ポット苗の植
栽を簡単に行うことができる。さらに、本発明の育苗用
土組成物は、水耕栽培に使用することもできる。水耕栽
培方法は、一般的には固形培地方式と非固形培地方式に
分類されるが、固形培地方式が好ましく採用される。
【0033】本発明における有用植物には特に限定はな
い。例えば、以下の「(I)農作物」及び 「(II)林業樹
木」に包含されるものが挙げられ、好ましくは「(I)農
作物」、より好ましくは「(2) 園芸作物」、さらに好ま
しくは「ii) 野菜」及び「iii) 花類」が挙げられ
る。
【0034】(I) 農作物の具体例 (1) 食用作物;イネ(水稲、陸稲)、コムギ、トウモロ
コシ、ダイズ、サツマイモ、バレイショ、サトイモ、ヤ
ツガシラ、
【0035】(2) 園芸作物 i) 果樹;リンゴ、ナシ、カキ、モモ、ウメ、ブドウ、
ビワ、温州ミカン、オレンジ、レモン、グレープフルー
ツ、 ii) 野菜;キュウリ、カボチャ、イチゴ、キャベツ、
レタス、白菜、小松菜、サラダ菜、ホウレンソウ、カ
ブ、ナス、トマト、ミニトマト、ダイコン、カイワレダ
イコン、ニンジン、ゴボウ、ピーマン、シシトウ、トウ
ガラシ、ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、
シソ、スイカ、メロン、ウリ、ブロッコリー、カリフラ
ワー、
【0036】iii) 花類;イ ) 一・二年草;アサガオ、コスモス、アイスランドポ
ピーアスター、イエローサルタン、キンギョソウ、キン
センカ、ストック、パンジー、ヒマワリ、ベニジュウ
ム、ディモルフォセカ、ベニバナ、ホワイトレースフラ
ワー、ヤグルマソウ、トルコギキョウ、ローダンセ、サ
フィニア、マリーゴルード、ペチニア、インパチェン
ス、アジサイ、ゼラニューム、
【0037】ロ) 宿根草; a) シバ類;東洋ラン、カスミソウ、カーネーション、
ガーベラ、キキョウ、キク、カキツバタ、スターチス、
シャクヤク、マーガレット、 b) 球根草;ユリ類、グラジオラス、アイリス、アネモ
ネ、カラー、スイセン、フリージア、ラナンキュラス、
ヒオウギ、 c) 花木類;アカシア、ツツジ、バラ、ニューサイラ
ン、サツキ、サルスベリ、ジンチョウゲ、センリョウ、
ソテツ、ツバキ、サザンカ、ユーカリ、サクラ、アジサ
イ、ハナミズキ、クチナシ、ボタン、 d) 温室植物;洋ラン、シクラメン、
【0038】ハ) 工芸作物; a) 油料作物;ナタネ、ゴマ、 b) 糖料作物;サトウキビ、テンサイ、 c) 繊維作物;ワタ、アサ、 d) デンプン作物;コンニャク、 e) 薬料作物;ハッカ、ケシ、チョウセンニンジン、ト
リカブト、 f) 嗜好作物;チャ、タバコ、ホップ、コーヒー、 g) 紙原料作物;コウゾ、ミツマタ、 h) 染料作物;アイ、アカネ、 i) 香料作物;ゼラニウム、 j) 樹液作物;ウルシ、ゴム、チクル、ニ ) 飼料作物; a) 飼料作物;オーチャードグラス、アカクローバー、
シロクローバー、 b) 飼肥料木;パンノキ、ネムノキ、 c) 緑肥作物;レンゲ、ウマゴヤシ、
【0039】(II) 林業樹木の具体例 (1) 針葉樹;スギ、ヒノキ、マツ、 (2) 常緑広葉樹;アオキ、ヤツデ、 (3) 落葉広葉樹;ケヤキ、カエデ、ナラ、ブナ、プラタ
ナス、
【0040】本発明の有用植物土付苗用の育苗用土組成
物は、少なくとも、次の i)〜vi)の6つの有利な特性
を有する i) 育苗用土組成物の調製時;本発明に係る有用植物土
付苗用の育苗用土組成物を使用して育苗すると、例え
ば、ピートモスを購入して混合する手間も不要で、育苗
用土組成物調製の際の省力化を図ることができる。ま
た、練床状にした土を作成して、それを育苗容器に土詰
めする煩わしさもない。 ii) 育苗用土組成物の貯蔵時・土詰め時;育苗用土組
成物の貯蔵の際に、そして、育苗容器に土詰めする際
に、例えば、ピートモスと土が再分離したりするような
トラブルも生じにくい。 iii) 育苗期間;優れた保水効果、通気効果、根鉢部分
形状維持効果、根鉢部分粘結強度維持効果、発根促進効
果を発現する。
【0041】iv) 移植時;作業の省力化・効率化・確
実化を実現する。 v) 移植後;前記共重合体が迅速に土壌中で分解性を
発揮してコンポスト化し、苗移植後に高分子のまま長期
にわたり土壌中に残留することがなく、さらには、劣化
生成物であるモノマーやオリゴマーは毒性がなく、圃場
の土壌や収穫作物を汚染することがない。 vi) 植物の生育の促進化;前記共重合体が迅速に土壌
中で分解性を発揮してコンポスト化し、分解により徐放
的に生成する発根促進効果を有するアスパラギン酸又は
その塩が植物体の根の活着を促進する。従来より、アス
パラギン酸が、発根促進効果を有することは知られてい
たが、本発明のように、分解性高分子の分解により徐放
的に生成するアスパラギン酸又はその塩により持続的に
発根促進効果を維持することは知られていなかった。ま
た、育苗容器に土詰めした際、詰めた土組成物の粗孔隙
及び保水性/水はけ性が、実質的に充分な保水効果と通
気効果を同時に発揮するのに適当なものであり、植物の
生育が促進される。
【0042】
【実施例】以下に合成例、実施態様、実施例をあげて本
発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0043】製造例1 DL−アスパラギン酸100gと85重量%リン酸50
gとを混合し、ロータリーエバポレーターにより減圧
下、180℃で2.5時間反応させた。反応液を400
mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した後、2
Lの水により再沈させて、ポリこはく酸イミド68gを
得た。リジンメチルエステル二塩酸塩1.8gを20g
のN,N−ジメチルホルムアミドに懸濁し、1.6gの
トリエチルアミンで中和した。該溶液に重量平均分子量
9.4万のポリこはく酸イミド5.0gをN,N−ジメ
チルホルムアミド20gに溶解させた液を挿入し室温で
1時間攪拌した後、1.6gのトリエチルアミンを滴下
し、室温で47時間反応させて反応液がゲル化する前に
ろ過して、ろ液をエタノールに排出し、乾燥して架橋ポ
リマー5.1gを得た。得られた架橋ポリマー2.6g
を500gの水に懸濁し、2N水酸化ナトリウム水溶液
を滴下し、pHを9〜11に調整しながら加水分解をお
こなった。得られた反応懸濁液をエタノールに排出し、
ろ過、乾燥してポリアスパラギン酸架橋物2.4gを得
た。
【0044】実施例1 製造例1で得られた本発明によるポリアスパラギン酸塩
架橋物を0.1%の濃度で混合した土壌を用い、育苗用
プラスチック箱にトマトを5粒ずつ播種し、40日後に
草丈、乾物重について生育調査を行った。なお、試験は
1区10連制で行った。 比較例1 実施例1と同様に、吸水性高分子を混合せずにトマトの
生育調査を行った。 比較例2 実施例1のポリアスパラギン酸塩架橋物の代わりに、酢
酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体のケン化物のナト
リウム塩を用いた。
【0045】実施例2 実施例1と同様に、キウリを5粒ずつ播種し、1区10
連制で30日後に生育調査を行った。 比較例3 実施例2と同様に、吸水性高分子を混合せずにキウリの
生育調査を行った。 比較例4 実施例1のポリアスパラギン酸塩架橋物の代わりに、酢
酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体のケン化物のナト
リウム塩を用いた。
【0046】得られた結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明に係る育苗用土組成物は、育苗期
間及び移植時には、優れた保水効果、通気効果、根鉢部
分形状維持効果、根鉢部分粘結強度維持効果、発根促進
効果を発現し、移植作業の際には、省力化と高い定着率
を実現し、移植後には、共重合体が土壌中で周囲を汚染
することなくコンポスト化し、徐放的に分解生成するア
スパラギン酸又はその塩が植物体発根促進効果を発現す
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に式(1)または式(2)で表さ
    れる単量体単位を有する重合体または共重合体を土壌中
    に含有してなる有用植物土付苗用の育苗用土組成物。 【化1】 (ただし、Xは水素原子または塩形成可能な原子もしく
    は基である。)
  2. 【請求項2】 重合体または共重合体中の式(1)また
    は式(2)で表される単量体単位の量は50〜100モ
    ル%である請求項1の育苗用土組成物。
  3. 【請求項3】 重合体または共重合体が、架橋構造を形
    成していることを特徴とする、請求項1又は2記載の育
    苗用土組成物。
  4. 【請求項4】 重合体または共重合体が、ポリこはく酸
    イミドとジアミン化合物を反応させると同時に、または
    反応させた後に加水分解することにより得られることを
    特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項記載の育苗用
    土組成物。
  5. 【請求項5】 ジアミン化合物がリジン、オルニチン、
    シスチン、シスタミン及びそれらの誘導体からなる群か
    ら選択された少なくとも1種類である請求項4記載の育
    苗用土組成物。
  6. 【請求項6】 重合体または共重合体の量は土壌100
    重量部に対して0.01〜5.0重量部である請求項1
    乃至5の何れか1項記載の育苗用土組成物。
  7. 【請求項7】 土付苗が、ポット苗、プラグポット苗又
    はプラグ苗であることを特徴とする、請求項1乃至6の
    何れか1項記載の有用植物土付苗用の育苗用土組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100955703B1 (ko) * 2009-09-28 2010-05-03 코스팜 주식회사 아스파르틱산-알킬아스파르틱산 공중합체를 함유하는 염류장해 경감과 식물 활착이 개선된 친환경 토양개량제 조성물 및 이의 용도

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KR100955703B1 (ko) * 2009-09-28 2010-05-03 코스팜 주식회사 아스파르틱산-알킬아스파르틱산 공중합체를 함유하는 염류장해 경감과 식물 활착이 개선된 친환경 토양개량제 조성물 및 이의 용도

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