JPH0515253A - 人工培土及び土壌改良方法 - Google Patents

人工培土及び土壌改良方法

Info

Publication number
JPH0515253A
JPH0515253A JP3198538A JP19853891A JPH0515253A JP H0515253 A JPH0515253 A JP H0515253A JP 3198538 A JP3198538 A JP 3198538A JP 19853891 A JP19853891 A JP 19853891A JP H0515253 A JPH0515253 A JP H0515253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
artificial
artificial soil
cedar
cypress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3198538A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3103394B2 (ja
Inventor
Hisashi Obayashi
久 大林
Hiroyuki Takahata
博之 高畑
Yasuhiro Matsumura
康弘 松村
Norio Naito
紀雄 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Garden Product Co Ltd
Original Assignee
Takeda Garden Product Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Garden Product Co Ltd filed Critical Takeda Garden Product Co Ltd
Priority to JP03198538A priority Critical patent/JP3103394B2/ja
Publication of JPH0515253A publication Critical patent/JPH0515253A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3103394B2 publication Critical patent/JP3103394B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からな
る、人工培土。この人工培土を砂及び/又は土に混入さ
せて土壌改良を行う場合には、この人工培土を重量比で
0.3%混入させる。この人工培土は、芝生植付用、傾
斜地用、養液栽培培地用、トピアリー培地用、ハンガー
バスケット培地用、登攀補助材用、マルチ材用、育苗培
地用、底面吸水培地用、仮植培地用、コンテナー栽培培
地用、イネ幼苗育成培地用の人工培土として有用に利用
できる。この人工培土に肥料成分等を含有させてもよ
い。 【効果】この人工培土は、バクテリアによる分解性が小
さく、施肥過多による濃度障害に起こし難い。また、長
期にわたって土壌の肉やせを防止できる。また、植物の
生育を促進できる。病原菌による病害を抑制できる。害
虫の生育及び自然発生を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工培土及び土壌改良
方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来、人工培土としては、ピ
ートモス、バーク堆肥、ミズゴケ、バーミキュライト、
パーライト等が知られており、これらは、農業、園芸、
土木等の分野において、広く用いられている。
【0003】ところが、これらの人工培土は次のような
問題がある。ピートモス等はバクテリアによって容易
に分解される。このため、アンモニア態窒素濃度の経時
的変化が大きく、適性な施肥量の判定が困難で、施肥過
多による濃度障害を起こし易い。また、短期間で土壌が
肉やせし、新規な培土への植え替えを必要とする。ピ
ートモス等は植物の生育促進機能を備えていない。本発
明では、バクテリアによる分解性が低く、かつ植物の生
育促進機能を備えた人工培土、及びこの人工培土用いる
土壌改良方法の提供、をその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1発明は、スギ及び/
又はヒノキの皮層の細切物からなる、人工培土を提供す
る。第2発明は、第1発明の人工培土を、砂及び/又は
土に重量比で0.3%以上混入させる、土壌改良方法を
提供する。
【0005】第3発明は、第1発明の人工培土からな
る、芝生植付用の人工培土を提供する。第4発明〜第7
発明は、いずれも第1発明の人工培土からなる、芝生植
付用の人工培土であって、第4発明は庭園用、第5発明
は公園用、第6発明はグラウンド用、第7発明は競馬場
馬場用のものを提供する。
【0006】第8発明は、第1発明の人工培土を、砂及
び/又は土に重量比で0.3重量%以上混入させる、競
馬場馬場の芝生植付用土壌の土壌改良方法を提供する。
第9発明は、第1発明の人工培土を、砂に重量比で0.
3%以上混入させる、競馬場ダートの土壌改良方法を提
供する。
【0007】第10発明〜第19発明は、いずれも第1
発明の人工培土からなるもので、第10発明は傾斜地
用、第11発明は養液栽培培地用、第12発明はトピア
リー培地用、第13発明はハンガーバスケット培地用、
第14発明は登攀補助材用、第15発明はマルチ材用、
第16発明は育苗培地用、第17発明は底面吸水培地
用、第18発明は仮植培地用、第19発明はコンテナー
栽培培地用、第20発明はイネ幼苗育成培地用の人工培
土を提供する。
【0008】第21発明は第1発明の人工培土に、肥料
成分を含有させた、人工培土を提供する。
【0009】
【作用及び効果】
(第1発明) (1)スギまたはヒノキの皮層は、バクテリアによる分解
性が小さい。このため、スギ及び/又はヒノキの皮層の
細切物からなる人工培土によれば、アンモニア態窒素濃
度の経時的変化を小さくでき、適性な施肥量の判定が簡
単で、施肥過多による濃度障害を起こし難い。また、長
期にわたって肉やせを防止できる。 (2)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる人工
培土によれば、植物の生育を促進することができる。 (3)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる人工
培土によれば、雑草の成長を抑制することができ、また
病原菌による病害を抑制することができ、また、害虫の
生育及び自然発生を抑制することができる。
【0010】(第2発明) (4)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる人工
培土を、砂及び/又は土に重量比で0.3%以上混入さ
せるので、この人工培土を土及び/又は砂に混入させて
土壌改良を行う場合においても、上記作用効果(1)〜
(3)を確実に奏し得る。
【0011】(第3発明〜第6発明)第3発明〜第7発
明は、上記第1発明の作用効果(1)〜(3)を奏し、
特に作用効果(2)・(3)がより具体的な作用効果
(2)′・(3)′として生じる。 (2)′スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物の人工培
土からなる、芝生植付用の人工培土によれば、芝生は、
根長、根層厚、草丈等において良好な生育結果が得られ
る。また、長年使用しても土壌のしまりがなく、空気の
流通もよく、芝生の張り替えを必要としない。 (3)′メヒシバその他の雑草の成長を抑制できる。ま
た、根腐れ病等の病害の発病が抑制される。また、コガ
ネムシ、シバゾウリムシ、ハエ等の害虫の生存が抑制さ
れるとともに、その自然発生が抑制される。
【0012】(第7発明)第7発明は、上記第3発明〜
第6発明の作用効果(1)・(2)′・(3)′に加
え、次の作用効果(5)をも奏する。 (5)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる、
競馬場馬場の芝生植付用の人工培土によれば、これに植
えた芝生は、その上を競走馬が走っても剥がれ難い。ま
た、水はけがよく、雨天時でも良好な馬場を維持でき
る。
【0013】(第8発明) (6)スギ及び/又はヒノキの皮層からなる人工培土
を、砂及び/又は土に重量比で0.3%以上混入させ
て、競馬場馬場の芝生植付土壌の土壌改良を行うので、
この人工培土を砂及び/又は土に混入させる場合にも、
上記第7発明の作用効果(1)・(2)′・(3)′・
(5)を確実に奏し得る。
【0014】(第9発明)第9発明は、上記第1発明の
作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果(7)を
も奏する。 (7)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる人工
培土を、砂に重量比で0.3%以上混入させて、競馬場
ダートの土壌改良を行うので、競馬場ダートからスター
トする競走馬のひずめのめり込みが、砂のみの場合に比
べて少なくなり、競走馬が脚を傷めることが少なくな
る。
【0015】(第10発明)第10発明は、上記第1発
明の作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果
(8)をも奏する。 (8)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる傾斜
地用の人工培土によれば、金網ネットを用いなくても、
傾斜地に対する定着性に優れ、ずれ落ちがない。また、
降雨による定着性の劣化も殆どない。
【0016】(第11発明)第11発明は、上記第1発
明の作用効果(1)〜(3)を奏し、特に作用効果(2)・
(3)がより具体的な作用効果(2)″・(3)″とし
て生じる。 (2)″スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
養液栽培培地用の人工培土によれば、養液栽培されたト
マト、キュウリ、メロン等の植物は、草丈、葉数におい
て、良好な生育結果が得られる。また、トマト青枯病、
トマト疫病、キュウリつる割り病等の病害が抑制され
る。また、養液栽培で生育させたトマト等の植物を同質
の栽培用培土に植え替えた場合にも、草丈、葉数、根長
において良好な生育結果が継続して得られる。 (3)″トマト等の植物におけるセンチュウ類等の害虫
の発生を抑制できる。
【0017】(第12発明)第12発明は、第1発明の
作用効果(1)〜(3)を奏し、特に作用効果(1)が
より具体的な作用効果(1)″として生じる。 (1)″スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
トピアリー培地用の人工培土によれば、肉やせがなく、
造形したトピアリーの形状が長期間にわたって維持でき
る。
【0018】(第13発明)第13発明は、上記第1発
明の作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果
(9)をも奏する。 (9)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなるハ
ンガーバスケット培地用の人工培土によれば、この人工
培土を収容したハンガーバスケットを軽量にでき、壁に
容易に掛けることができる。
【0019】(第14発明)第14発明は、第1発明の
作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果(10)
をも奏する。 (10)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる登
攀補助材用の人工培土によれば、登攀補助材への植物の
活着性が良好になる。
【0020】(第15発明)第15発明は、第1発明の
作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果(11)
をも奏する。 (11)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
マルチ材用の人工培土によれば、メヒシバその他の雑草
の発生を抑制することができる。
【0021】(第16発明)第16発明は、第1発明の
作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果(12)
をも奏する。 (12)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
育苗固形培地用の人工培土によれば、メロン等の植物を
鉢上げする際の欠株を防止できる。
【0022】(第17発明)第17発明は、第1発明の
作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果(13)
をも奏する。 (13)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
底面吸水培地用の人工培土によれば、ラン、シクラメ
ン、セントポーリア等、根腐りし易い植物の根腐りを防
止できる。
【0023】(第18発明)第18発明は、第1発明の
作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果(14)
をも奏する。 (14)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
仮植培地用の人工培土によれば、根への絡みがよく、移
植時に脱落がなく、根巻きが不要となる。
【0024】(第19発明)第19発明は、第1発明の
作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果(15)
をも奏する。 (15)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
コンテナー栽培培地用の人工培土によれば、水切りがよ
いため、余分の水を与えずに済み、ミカン、ブドウ等、
果実の糖度を高めることができる。
【0025】(第20発明)第20発明は、第1発明の
作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果(16)
をも奏する。 (16)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
イネ幼苗生育培地用の人工培土によれば、イネの立枯れ
病、根腐れ病等の病害を防除できる。
【0026】(第21発明)第21発明は、第1発明の
作用効果(1)〜(3)に加え、次の作用効果(17)
をも奏する。 (17)スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物に肥料成
分を含有させた人工培土によれば、施肥作業を省略する
ことができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)スギの皮層を樹皮剥離機で剥ぎ、これを細
切りし、羽毛状の細切物とする。また、ヒノキの皮層を
同様にして羽毛状の細切物とする。このスギの皮層の細
切物とヒノキの皮層の細切物とを等量混合して、人工培
土を得た。
【0028】《試験例1》上記実施例1の人工培土のバ
クテリアによる分解性を調べた。バーク堆肥、ピートモ
ス、水ゴケを比較例とした。これら試料を、それぞれ容
器に入れ、25゜Cの恒温器中で1日1回400ccの
精製水のみで灌水し、水中の窒素分を測定した。測定
は、試験開始後、1週間目、3週間目、5週間目、8週
間目にぞれぞれ行った。結果を表1に示す。
【表1】 表1に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物から
なる人工培土は、各比較例に比べ、バクテリアによる分
解性が小さいことがわかる。また、スギ又はヒノキ単独
の皮層の細切物でも、ほぼ同等の結果が得られた。した
がって、スギ及び/又はヒノキの細切物からなる人工培
土によれば、土壌のアンモニア態窒素濃度の経時的変化
を小さくすることができ、適性な施肥量の判定が簡単
で、施肥過多による濃度障害を起こし難いことがわか
る。また、長期にわたって土壌の肉やせを防止できるこ
とがわかる。
【0029】(実施例2〜実施例6)実施例1の人工培
土100%からなる土壌を実施例2とした。砂に実施例
1の人口培土を重量比で25.4%(容量比で75%)
混入させた改良土壌を実施例3とした。以下、同様に1
0.2%(容量比で50%)の改良土壌を実施例4と
し、3.6%(容量比で25%)の改良土壌を実施例
5、0.3%(容量比で 1.0%)の改良土壌を実施例
6とした。
【0030】《試験例2》実施例2〜実施例6の土壌に
よる植物の生育促進性を調べた。砂のみの土壌、砂にピ
ートモスを重量比で5.9%(容量比で50%)混入さ
せた土壌、砂にバーク堆肥を重量比で23.8%(容量
比で50%)混入させた土壌を比較例とした。これらの
土壌を20cmの厚さで敷き、各土壌表面にそれぞれヒ
メコウライシバを植え、2日毎に散水、7日毎に施肥し
て、45日間栽培し、450cm2の区画内のヒメコウ
ライシバの根長、根層厚、草丈を測定した。結果を表2
に示す。
【表2】 表2に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物から
なる人工培土100%の土壌、またはこの人工培土を砂
に重量比で0.3%以上混入して得られた改良土壌で
は、ヒメコウライシバの生育が促進されることがわか
る。また、スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等
の結果が得られ、砂を土に変えた場合にも同等の結果が
得られた。したがって、スギ及び/又はヒノキの皮層の
細切物からなる人工培土が植物の生育を促進させるこ
と、この人工培土を砂及び/又は土に混入させる場合に
は、人工培土が重量比で0.3%以上の時に、その効果
が確実に得られることがわかる。
【0031】《試験例3》実施例2〜実施例6で得た土
壌による雑草成長抑制の程度を調べた。試験例2で植え
たヒメコウライシバの900cm2の区域に発生した雑
草の種類と本数を調べた。砂のみの土壌にヒメコウライ
シバを植えたものを比較例とした。結果を表3に示す。
【表3】 表3に示すように、スギ及びヒノキの細切物からなる人
工培土100%の土壌、またはこの人工培土を砂に重量
比で0.3%以上混入して得られた改良土壌では、メヒ
シバ等の雑草の成長が抑制されたことがわかる。また、
スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等の結果が得
られ、砂を土に変えた場合にも同等の結果が得られた。
したがって、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物から
なる人工培土が雑草の成長を抑制すること、この人工培
土を砂及び/又は土に混入させる場合には、人工培土が
重量比で0.3%以上の時に、その効果が確実に得られ
ることがわかる。
【0032】《試験例4》実施例2〜実施例6で得た土
壌による病原菌の抑制の程度を調べた。試験例2で植え
たヒメコウライシバにブラウンパッチ菌(Rhizoctonia
salani)を接種し、2週間後の発病度を調べた。砂の
みの土壌にヒメコウライシバを植えたものを比較例とし
た。結果を表4に示す。
【表4】 表4に示すように、スギ及びヒノキの細切物からなる人
工培土100%の土壌、またはこの人工培土を砂に重量
比で0.3%以上混入して得られた改良土壌では、ブラ
ウンパッチ菌に対するヒメコウライシバの発病度が著し
く低いのがわかる。また、スギ又はヒノキ単独の皮層の
細切物でも同等の結果が得られ、砂を土に変えた場合に
も同等の結果が得られた。したがって、スギ及び/又は
ヒノキの皮層の細切物からなる人工培土が芝生等の植物
の発病を抑制すること、この土壌改良材を砂及び/又は
土に混入させる場合には、人工培土が重量比で0.3%
以上の時に、その効果が確実に得られることがわかる。
【0033】《試験例5》実施例2〜実施例6で得た改
良土壌による害虫の生存抑制効果を調べた。試験例2で
植えたヒメコウライシバ450cm2の区域に1齢およ
び2齢のコガネムシの幼虫各10匹をそれぞれ放し飼い
した。10日後のコガネムシの生存数を調べ、生存率を
算出した。結果を表5に示す。
【表5】 表5に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物から
なる人工培土100%の土壌、またはこの人工培土を砂
に重量比で0.3%以上混入して得られた改良土壌で
は、コガネムシの生存が著しく抑制されたことがわか
る。また、スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等
の結果が得られ、砂を土に変えた場合にも同等の結果が
得られた。したがって、スギ及び/又はヒノキの皮層の
細切物からなる人工培土が害虫の生存抑制効果を有する
こと、この人工培土を砂及び/又は土に混入させる場合
には、人工培土が重量比で0.3%以上の時に、その効
果が確実に得られることがわかる。
【0034】《試験例6》実施例2〜実施例6で得た土
壌による害虫の自然発生抑制効果を調べた。試験例2で
植えたヒメコウライシバ1350cm2の区域各3区
に、植え込みから210日後にそれぞれ自然発生したコ
ガネムシ類の幼虫の自然発生数を調べた。砂のみの土壌
を比較例とした。結果を表6に示す。
【表6】 表6に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物から
なる人工培土100%からなる土壌、またはこの人工培
土を砂に重量比で0.3%以上混入して得られた改良土
壌では、コガネムシ類の幼虫の自然発生が抑制されたこ
とがわかる。また、スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物
でも同等の結果が得られ、砂を土に変えた場合にも同等
の結果が得られた。したがって、スギ及び/又はヒノキ
の皮層の細切物からなる人工培土が害虫の自然発生を抑
制すること、この人工培土を砂及び/又は土に混入させ
る場合には、人工培土が重量比で0.3%以上の時に、
その効果が確実に得られることがわかる。
【0035】《試験例7》実施例2〜実施例6で得た改
良土壌に植えた芝生の引き抜き強度を調べた。砂のみの
もの、砂にピートモスを重量比で1.0%(容量比で1
0%)混入させたものを比較例とした。10cm角のヒ
メコウライシバの中央部の深さ3cmの部位に直径3m
mの細金を通し、これが引き抜かれるまでの最大の強度
をバネバカリで測定した。結果を表7に示す。
【表7】 表7に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物から
なる人工培土100%の土壌、またはこの人工培土を砂
に重量比で0.3%以上混入して得られた改良土壌で
は、ヒメコウライシバの引き抜き強度が大きいことがわ
かる。また、スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同
等の結果が得られ、砂を土に変えた場合にも同等の結果
が得られた。したがって、スギ及び/又はヒノキの皮層
の細切物からなる人工培土によれば、これに植えた芝生
の上を競走馬が走っても、芝生の剥がれが軽減されるこ
と、この人工培土を砂及び/又は土に混入させる場合に
は、人工培土が重量比で0.3%以上の時に、その効果
が確実に得られることがわかる。
【0036】(実施例10)砂に実施例1の人工培土を
重量比で1.2%(容量比で10%)混入させた改良土
壌を実施例10とした。
【0037】《試験例8》実施例2〜5及び実施例10
で得た土壌の保水性と透水性とを調べた。砂にピートモ
スを重量比で1%混入させたもの、砂のみのものを比較
例とした。各土壌1000ccを5号鉢に入れ、200
ccの水を灌水し、完全に透水する時間を測定した。結
果を表8に示す。
【表8】 表8に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物から
なる人工培土100%の土壌、またはこの人工培土を砂
に重量比で1.2%以上混入して得られた改良土壌で
は、保水量が高い割りには透水時間が短いのがわかる。
また、スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等の結
果が得られ、砂を土に変えた場合には同傾向の結果が得
られた。したがって、スギ及び/又はヒノキの皮層の細
切物の人工培土で競馬場馬場を改良すると、水はけが良
好になり、雨天時でも良好な馬場を維持できること、こ
の人工培土を砂及び/又は土に混入する場合には、人工
培土が重量比で1.2%以上の時に、その効果が確実に
得られることがわかる。そして、表7と表8の結果を総
合すると、この土壌改良材を砂及び/又は土に混入する
場合には、土壌改良材が重量比で1.2%以上の時に、
芝生が剥がれ難く、かつ水ハケの良い良好な馬場が確実
に得られることがわかる。
【0038】(実施例7〜実施例9)砂に実施例1の人
工培土を重量比で4%混入させて得た改良土壌を実施例
7とし、2%混入させたものを実施例8とし、1%混入
させたものを実施例9とした。
【0039】《試験例9》実施例6〜実施例9で得た改
良土壌の異物侵入性を調べた。砂のみのもの、砂にピー
トモスを重量比で4%混入したものを比較例とした。こ
れらの土壌をそれぞれ、口径70mmのカップに200
g入れ、30ccの水で均一に湿らせ、5回軽くたたい
てバット上に逆さに取り出し、直径30mmで荷重13
30gの棒をその上にのせ、1分後、及び1年後に棒が
沈んだ距離を測定した。結果を表7に示す。
【表9】 表9に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物から
なる人工培土を砂に重量比で0.3%以上混入して得ら
れた改良土壌では、棒の沈む距離が小さいことがわか
る。また、スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等
の結果が得られた。したがって、スギ及び/ヒノキの皮
層の細切物からなる人工培土を、砂に重量比で0.3%
以上混入させて、競馬場ダートの土壌改良を行うと、競
馬場ダートからスタートする競走馬のひずめがダートの
砂にめり込みにくくなり、競走馬が脚を損傷する危険を
軽減できることがわかる。
【0040】《試験例10》実施例1で得られた人工培
土のカサ変化と気相率変化とを調べた。ピートモスを比
較例とした。試験開始初期、放置1年後、3年後、5年
後における1000cc当たりの重量、および気相率を
調べた。結果を表10に示す。
【表10】 表10に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土では、経時的なカサ変化及び気相率変化
が僅かであることがわかる。また、スギ又はヒノキ単独
の皮層の細切物でも同等の結果が得られた。したがっ
て、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる人工
培土によれば、土壌の肉やせがなく、土壌の美観を長期
にわたった保持できることがわかる。
【0041】《試験例11》実施例1の人工培土の傾斜
地に対する定着性を調べた。クヌギバーク堆肥とピート
モスとを容量比90対10の割合で混合したものを比較
例とした。傾斜角10゜、15゜、30゜、45゜の法面
に、空気圧縮機により、噴射圧2Kg/cm2で吹き付
けを行い、200日後における定着率を調べた。結果を
表11に示す。
【表11】 表11に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土は、金網ネットを用いなくても傾斜地に
対する定着性が高いことがわかる。また、スギ又はヒノ
キ単独の皮層の細切物でも同等の結果が得られた。した
がって、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
人工培土を傾斜地に用いると、金網ネットが不要とな
る。
【0042】《試験例12》実施例1の人工培土の傾斜
地での耐雨性を調べた。クヌギバーク堆肥とピートモス
とを容量比90対10の割合で混合したものを比較例と
した。傾斜角50゜の法面に、空気圧縮機により、噴射
圧2Kg/cm2で吹き付けを行い、降雨量を10mm
/hr、20mm/hr、30mm/hr、40mm/
hrに設定し、各降雨量での8ケ月経過後における、定
着率を測定した。結果を表12に示す。
【表12】 表12に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土は耐雨性に優れることがわかる。スギ又
はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等の結果が得られ
た。したがって、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物
からなる人工培土を傾斜地に用いると、降雨による定着
性の劣化が小さいことがわかる。
【0043】(実施例11)実施例1の人工培土15重
量部に酢酸ビニルエマルジョン樹脂(樹脂分50重量
%)85重量部をミキサーで撹拌しながら混合し、この
混合物を型枠に投入し、16時間自然乾燥させた後、脱
型して養液栽培培地とした。尚、酢酸ビニルエマルジョ
ン樹脂に代えて、ウレタンエマルジョン樹脂、アクリル
エマルジョン樹脂、合成ゴムエマルジョン樹脂等を用い
てもよい。また、デンプン、CMC(カルボキシメチル
セルロース)のナトリウム塩を配合して、接着性を強固
にしてもよい。また、熱可塑性樹脂(例えばポリエチレ
ン、ポリ酢酸ビニル)の粉末を人工培土に混合して加熱
した後、冷却して成型品を得てもよい。
【0044】《試験例13》実施例11の培地による養
液栽培での植物の生育促進性を調べた。実施例11で得
た養液栽培培地に、トマト、キュウリ、メロンの子苗を
定植し、灌水パイプで培養液(タケダ園芸(株)製、水
耕液肥A)を供給して30日間栽培を行い、各20株の
草丈、葉数の平均値を調べた。ロックウール培地を比較
例として用いた。結果を表13に示す。
【表13】 表13に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土を用いた養液栽培培地では、トマト、キ
ュウリ、メロンのいずれも、草丈、葉数において顕著な
生育を示した。スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも
同等の結果が得られた。したがって、スギ及び/又はヒ
ノキの皮層の細切物からなる人工培土を養液栽培培地に
用いると、植物の生育が促進されることがわかる。
【0045】《試験例14》実施例11の養液栽培培地
で発生するアオミドロの抑制効果、悪臭抑制効果を調べ
た。実施例11で得た養液栽培培地に、ハツカダイコン
を定植し、定植から20日後に、50株についてのアオ
ミドロ発生株率と悪臭を発した株率とを調べた。結果を
表14に示す。
【表14】 表14に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土を用いた養液栽培培地では、アオミドロ
が発生した株はなく、また悪臭を発した株もないことが
わかる。スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等の
結果が得られた。したがって、スギ及び/又はヒノキの
皮層の細切物からなる人工培土を養液栽培培地に用いる
と、栽培される植物にアオミドロが発生することがな
く、また悪臭が生じないことがわかる。
【0046】《試験例15》実施例11の養液栽培培地
で養液栽培した植物を、培地とともに同質の栽培用培地
に植え替えた場合の植物の生育促進性を調べた。実施例
11で得た養液栽培培地に、トマトの子苗を定植し、灌
水パイプで培養液(タケダ園芸(株)製、水耕液肥A)
を供給して20日間栽培を行い、成長したトマトの小苗
を養液栽培培地とともに同質の栽培用培地に植え替え、
30日間栽培を行い、草丈、葉数、根長を調べた。ロッ
クウール培地を比較例として用いた。結果を表15に示
す。
【表15】 表15に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土を用いた養液栽培培地では、これで養液
栽培した子苗を、培地とともに同質の栽培用培地に植え
替えた場合には、その後も植物の生育促進性が継続する
ことがわかる。スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも
同等の結果が得られた。したがって、スギ及び/又はヒ
ノキの皮層の細切物からなる人工培土を養液栽培培地に
用いると、これで養液栽培した植物を培地とともに同質
の培地に植え替えた場合には、その後も植物の生育促進
性が継続することがわかる。
【0047】《試験例16》実施例11の培地で養液栽
培した植物の病害抑制効果を調べた。実施例11で得た
養液栽培培地に、トマト、キュウリの子苗を定植し、灌
水パイプで培養液(タケダ園芸(株)製、水耕液肥A)
を供給して80日間栽培を行い、トマト青枯病、トマト
疫病、キュウリつる割り病を対象として各30株の発病
率を調べた。ロックウール培地を比較例として用いた。
結果を表16に示す。
【表16】 表16に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土を用いた養液栽培培地では、これで養液
栽培したトマト、キュウリについてのトマト青枯病、ト
マト疫病、キュウリつる割り病を完全に抑制できること
がわかる。スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等
の結果が得られた。したがって、スギ及び/又はヒノキ
の皮層の細切物からなる人工培土を養液栽培培地に用い
ると、これで養液栽培した植物の病害を抑制できること
がわかる。
【0048】《試験例17》実施例11の養液栽培培地
で養液栽培した植物に発生する害虫の発生抑制効果を調
べた。実施例11の培地に、メロンの子苗を定植し、灌
水パイプで培養液(タケダ園芸(株)製、水耕液肥A)
を供給して80日間栽培を行い、30株についてのセン
チュウ類の発生株率を調べた。ロックウール培地を比較
例として用いた。結果を表17に示す。
【表17】 表17に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土を用いた養液栽培培地では、これで養液
栽培したトマトにおけるセンチュウ類の発生を完全に抑
制できることがわかる。スギ又はヒノキ単独の皮層の細
切物でも同等の結果が得られた。したがって、スギ及び
/又はヒノキの皮層の細切物を養液栽培培地に用いる
と、これで養液栽培した植物における害虫の発生を抑制
できることがわかる。
【0049】(実施例12)実施例1の人工培土で動物
を型どったトピアリー用培地を作成した。
【0050】《試験例18》実施例12のトピアリー用
培地で作成したトピアリーの保形維持性について調べ
た。実施例12のトピアリー用培地の表面にオオイタビ
を植えてトピアリーを形成し、トピアリーの形状が変化
する期間を調べた。ピートモスを比較例とした。結果を
表18に示す。
【表18】 表18に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土をトピアリー培地に用いると、造形した
トピアリーの形状が長期間にわたって維持できることが
わかる。スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等の
結果が得られた。したがって、スギ及び/又はヒノキの
皮層の細切物からなる人工培土をトピアリー培地に用い
ると、造形したトピアリーの形状が長期間にわたって維
持できることがわかる。
【0051】《試験例19》実施例1の土壌改良材を用
いたハンガーバスケットの取り扱いの容易性について調
べた。実施例1の人工培土を重量400g、容量200
0ccのハンガーバスケットに収容し、その総重量を測
定した。ピートモス、鹿沼土、赤王土を主体とした市販
のハンガーバスケット用の培土を比較例とした。その結
果を表19に示す。
【表19】 表19に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土をハンガーバスケット培地に用いると、
これを収容したハンガーバスケットを軽量にでき、容易
に壁に掛けることができることがわかる。スギ又はヒノ
キ単独の皮層の細切物でも同等の結果が得られた。した
がって、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
人工培土をハンガーバスケット培地に用いると、これを
収容したハンガーバスケットを軽量にでき、容易に壁に
掛けることができることがわかる。
【0052】(実施例13)実施例1の人工培土15重
量部に酢酸ビニルエマルジョン樹脂(樹脂分50重量
%)85重量部をミキサーで撹拌しながら混合し、この
混合物を型枠に投入し、中心に補強材を入れて、120
゜C、6時間熱乾燥させた後、脱型して登攀補助資材と
した。尚、酢酸ビニルエマルジョン樹脂に代えて、ウレ
タンエマルジョン樹脂、アクリルエマルジョン樹脂、合
成ゴムエマルジョン樹脂等を用いてもよい。また、デン
プン、CMC(カルボキシメチルセルロース)のナトリ
ウム塩を配合して、接着性を強固にしてもよい。また、
熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン、ポリ酢酸ビニル)
の粉末を人工培土に混合して加熱した後、冷却して成型
品を得てもよい。
【0053】《試験例20》実施例13の登攀補助資材
に対する植物の活着性について調べた。実施例13の登
攀補助資材にコチョウランを10株植え、その活着する
までの平均日数を調べた。ヘゴ板を比較例とした。結果
を表20に示す。
【表20】 表20に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土を用いた登攀補助資材では、コチョウラ
ンの活着日数を短くできることがわかる。スギ又はヒノ
キ単独の皮層の細切物でも同等の結果が得られた。した
がって、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
人工培土を登攀補助資材に用いると、植物の活着日数を
短くできることがわかった。また、実施例13のもの
は、表面にアオミドロが発生せず、美観もよく、悪臭も
発生しなかった。
【0054】(実施例14及び実施例15)実施例1の
人工培土のみの育苗培地を実施例14とし、実施例1の
人口培土を寒天に5%混入した育苗培地を実施例15と
した。
【0055】《試験例21》実施例14及び実施例15
の育苗培地に栽培した植物の鉢上げの際の欠株の防止に
つき調べた。実施例14及び実施例15の育苗培地に洋
ランのメリクロン苗を植え、10日間栽培し、その後5
0株を鉢上げし、その欠株数を調べた。寒天培地を比較
例とした。結果を表21に示す。
【表21】 表21に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土単独またはこれを寒天に混入した育苗培
地では、洋ランの鉢上げによる欠株を防止できることが
わかる。スギ又はヒノキ単独の皮層の細切物でも同等の
結果が得られた。したがって、スギ及び/又はヒノキの
皮層の細切物からなる人工培土を用いた育苗培地では、
植物の鉢上げによる欠株を防止できることがわかる。
【0056】《試験例22》実施例1の人工培土をマル
チ材に用いた場合の雑草の抑制について調べた。実施例
1の人工培土を土壌表面に、10cm、5cm、2cm
の厚さに敷き、50日後の490cm2の範囲内の雑草
の発生数を測定した。人工培土を敷かなかったものと、
5cmの敷ワラを比較例とした。結果を表22に示す。
【表22】 表22に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土を用いたマルチ材では、雑草の発生を抑
制できることがわかる。スギ又はヒノキ単独の皮層の細
切物でも同等の結果が得られた。したがって、スギ及び
/又はヒノキの皮層の細切物からなる人工培土を用いた
マルチ材では、雑草の発生を抑制できることがわかる。
【0057】《試験例23》実施例1の人工培土を底面
吸水培地に用いた場合の、ラン等の根腐れ病の防除性に
ついて調べた。植木鉢に実施例1の人工培土を入れ、ラ
ン、シクラメン、セントポーリアを植え、植木鉢の下か
ら垂らした吸水片を植木鉢の下の水皿につけ、60日間
栽培し、根腐れ病についての発病度を調べた。ミズゴ
ケ、ピートモス、バーク堆肥を比較例とした。結果を表
23に示す。
【表23】 表23に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土を底面吸水培地に用いた場合には、ラ
ン、シクラメン、セントポーリアのいずれも、根腐れ病
の発病を完全に防除できることがわかる。スギ又はヒノ
キ単独の皮層の細切物でも同等の結果が得られた。した
がって、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる
人工培土を底面吸水培地に用いた場合には、植物の根腐
れ病の発病を防除できることがわかる。
【0058】《試験例24》実施例1の人工培土を仮植
培地に用いた場合の、根への定着性について調べた。直
径50cmの丸型ポットに実施例1の人工培土を入れ、
これに高さ2mのカイズカイブキを移植し、1年後、ポ
ットを外し、高さ30cmから落として、土の脱落率を
測定した。真砂土、黒土を比較例とした。比較例につい
ては、根巻きしたものも測定した。結果を表24に示
す。
【表24】 表24に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土を仮植培地に用いた場合には、根への定
着性が優れることがわかる。スギ又はヒノキ単独の皮層
の細切物でも同等の結果が得られた。したがって、スギ
及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる人工培土を仮
植培地に用いた場合には、根への定着性に優れることが
わかる。
【0059】《試験例25》実施例1の人工培土をコン
テナー栽培培地に用いた場合の、果実の糖度の向上につ
いて調べた。コンテナーに実施例1の人工培土を入れ、
温州ミカンと甲州ブドウとを植え、700日間栽培した
後、果実の糖度を測定した。畑土の土壌の比較例とし
た。結果を表25に示す。
【表25】 表25に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土をコンテナー栽培培地に用いた場合に
は、果実の糖度が高まることがわかる。スギ又はヒノキ
単独の皮層の細切物でも同等の結果が得られた。したが
って、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からなる人
工培土をコンテナー栽培培地に用いた場合、果実の糖度
が高まることがわかる。
【0060】《試験例26》実施例1の人工培土をイネ
幼苗育成培地に用いた場合の、イネの根腐れ病の防除性
について調べた。実施例1の人工培土にイネの幼苗を植
え、1500cm2の範囲にイネの根腐れ菌を1g、2
g、3gずつ施用し、各区の発病度を測定した。床土用
培土の土壌を比較例とした。結果を表26に示す。
【表26】 表26に示すように、スギ及びヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土をイネ幼苗育成培地に用いた場合には、
イネの根腐れ病を防除できることがわかる。スギ又はヒ
ノキ単独の皮層の細切物でも同等の結果が得られた。し
たがって、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物からな
る人工培土をイネ幼苗育成培地に用いた場合、イネの根
腐れ病を防除できることがわかる。
【0061】本発明の実施例及び試験例の内容は以上の
通りであるが、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物か
らなる人工培土は、そのままで用いてもよいが、これに
肥料成分を含有させて用いてもよい。この場合の肥料成
分としては、合成肥料の他、動物の糞、発酵残渣、木材
屑をあげることができ、その1種または2種以上のもの
をそのまま或いは発酵させた状態で含有させる。
【0062】また、この人工培土には、必要に応じて、
次のようなものを含有させる場合もある。例えば、鉄、
マグネシウム、銅、ホウ素、亜鉛、モリブデン、カルシ
ウム等の微量要素。ビタミンB1・B6等のビタミン類。
システィン、アルギニン等のアミノ酸類。ベンジルアミ
ノプリン、ジベレリン等のホルモン剤。バーミキュライ
ト、ピートモス、オスマンダ等の他の人工培土。保水
剤。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物か
    らなる、人工培土。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の人工培土を、砂及び/
    又は土に重量比で0.3%以上混入させる、土壌改良方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の人工培土からなる、芝
    生植付用の人工培土。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の人工培土からなる、庭
    園の芝生植付用の人工培土。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の人工培土からなる、公
    園の芝生植付用の人工培土。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の人工培土からなる、ク
    ラウンドの芝生植付用の人工培土。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の人工培土からなる、競
    馬場馬場の芝生植付用の人工培土。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の人工培土を、砂及び/
    又は土に重量比で0.3重量%以上混入させる、競馬場
    馬場の芝生植付用土壌の土壌改良方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の人工培土を、砂に重量
    比で0.3%以上混入させる、競馬場ダートの土壌改良
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    傾斜地用の人工培土。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    養液栽培培地用の人工培土。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    トピアリー培地用の人工培土。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    ハンガーバスケット培地用の人工培土。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    登攀補助材用の人工培土。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    マルチ材用の人工培土。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    育苗培地用の人工培土。
  17. 【請求項17】 請求孔1に記載の人工培土からなる、
    底面吸水培地用の人工培土。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    仮植培地用の人工培土。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    コンテナー栽培培地用の人工培土。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の人工培土からなる、
    イネ幼苗育成培地用の人工培土。
  21. 【請求項21】 請求項1に記載の人工培土に、肥料成
    分を含有させた、人工培土。
JP03198538A 1991-07-12 1991-07-12 人工土及び土壌改良方法 Expired - Lifetime JP3103394B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03198538A JP3103394B2 (ja) 1991-07-12 1991-07-12 人工土及び土壌改良方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03198538A JP3103394B2 (ja) 1991-07-12 1991-07-12 人工土及び土壌改良方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0515253A true JPH0515253A (ja) 1993-01-26
JP3103394B2 JP3103394B2 (ja) 2000-10-30

Family

ID=16392824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03198538A Expired - Lifetime JP3103394B2 (ja) 1991-07-12 1991-07-12 人工土及び土壌改良方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3103394B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06317893A (ja) * 1993-04-02 1994-11-15 Internatl Business Mach Corp <Ibm> リソグラフィックマスクおよびパターン形成方法
JP2001031969A (ja) * 1999-07-22 2001-02-06 Hokushin Kk 土壌改質材および土壌改質方法
JP2002084878A (ja) * 2000-09-19 2002-03-26 Takeda Engei Kk 培 土
CN105325233A (zh) * 2015-10-19 2016-02-17 徐发辉 一种爬地柏全光照喷雾嫩枝扦插繁育技术方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107466627A (zh) * 2017-08-01 2017-12-15 常州彤骉贸易有限公司 一种带土草坪的建植方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06317893A (ja) * 1993-04-02 1994-11-15 Internatl Business Mach Corp <Ibm> リソグラフィックマスクおよびパターン形成方法
JP2001031969A (ja) * 1999-07-22 2001-02-06 Hokushin Kk 土壌改質材および土壌改質方法
JP2002084878A (ja) * 2000-09-19 2002-03-26 Takeda Engei Kk 培 土
CN105325233A (zh) * 2015-10-19 2016-02-17 徐发辉 一种爬地柏全光照喷雾嫩枝扦插繁育技术方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3103394B2 (ja) 2000-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105993626B (zh) 一种盆栽金花茶的培育方法
CN102475020B (zh) 北方蓝莓栽培方法
CN104429472A (zh) 紫皮石斛天然林附植高产栽培技术
CN104272937A (zh) 一种香樟树的栽培方法
CN105532353A (zh) 一种猕猴桃的高产种植方法
CN102293106A (zh) 一种适合北纬26~30度气候的耐寒桉树林的栽培方法
CN104472139A (zh) 一种桂花树育苗方法
CN104082007A (zh) 一种番荔枝扦插繁育方法
CN102349430B (zh) 一种葡萄容器育苗的方法
CN102687650A (zh) 一种梨树的盆栽方法
CN110140575A (zh) 一种石榴矮化丛栽或石榴简易设施栽培方法
CN107173083A (zh) 一种苹果矮化砧嫁接育苗方法
CN107360931A (zh) 一种老桃园快速更新成园的方法
CN107079773A (zh) 渭北旱塬果树与杂草共生方法
CN111096191A (zh) 一种坚果果树矮化密植高效栽培技术及其工艺方法
JPH0515253A (ja) 人工培土及び土壌改良方法
CN110199757A (zh) 一种羊蹄甲繁育方法
CN109983934A (zh) 一种核桃嫁接繁育的方法
CN109168925A (zh) 一种提高盐碱地番石榴品质和产量的栽培方法
JP2006061036A (ja) 植物栽培用培地及び該培地を用いた植物の栽培方法
Gough Growing Small Fruit in the Home Garden
JP3721370B2 (ja) 緑樹の枝葉を原料とした育苗制御材およびこれを用いた育苗制御方法
CN113100005B (zh) 一种可可树的盆栽方法
Welsh Pat Welsh's southern California gardening: a month-by-month guide
CN105393899A (zh) 一种在家庭阳台内利用醋糟基质栽培水果黄瓜的方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110825

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term