JPH07228507A - 病害虫忌避性に優れる土壌改質用培養土 - Google Patents

病害虫忌避性に優れる土壌改質用培養土

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JPH07228507A
JPH07228507A JP6020365A JP2036594A JPH07228507A JP H07228507 A JPH07228507 A JP H07228507A JP 6020365 A JP6020365 A JP 6020365A JP 2036594 A JP2036594 A JP 2036594A JP H07228507 A JPH07228507 A JP H07228507A
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JP
Japan
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soil
water
culture
peeled
culture soil
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JP6020365A
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Masaru Shiga
勝 志賀
Hiroyuki Kurita
裕之 栗田
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05FORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C, e.g. FERTILISERS FROM WASTE OR REFUSE
    • C05F11/00Other organic fertilisers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 資源を活用しつつ病害虫を忌避することの可
能な土壌改質用培養土を提供する。 【構成】 粉砕された杉の剥皮70重量部に、吸水性樹
脂(セルロース系、平均径2mm、吸水容量200g/
g)30重量部を添加し、均一に分散するよう混合・混
練し、さらに腐葉土100重量部を混合する。その後、
1〜24時間程度放置した後、シート状の土壌改質用培
養土4に成形し、改質すべき土壌10表面に敷き詰め
る。林業から大量に排出される産廃である杉の剥皮を利
用し、これを含有させることにより、杉剥皮中に含まれ
る病害虫忌避成分が土壌中に徐放されるので、土壌中に
病害虫を忌避することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、病害虫忌避性に優れる
土壌改質用培養土に関する。
【0002】
【従来の技術】植物、例えば、野菜、花、穀物、牧草な
どの栽培においては、種蒔から発芽までの管理が極めて
重要であり、その発芽率が収量の多少を決定する重要な
要因となっている。播種(種蒔)後の発芽率の低下を引
き起こす原因として、(1)種子のばらつき、(2)種
子中の水分不足、(3)播種後の土壌水分の不足、
(4)病害虫による被害、(5)天候不順による被害な
どが挙げられる。
【0003】また、植物の生育期、収穫期においても上
記と同様の被害、とりわけ土壌水分の不足、病害虫によ
る被害が無くなるわけではない。このため、天候不順等
の不可避的な被害を除いて、種子を発芽させ、かつ発芽
したものをより確実に育成させるために、種子を植えた
土壌には、長期間にわたる散水とともに、農薬散布など
が必要とされている。
【0004】一方、木材産業において、現在、多量に発
生する剥皮(樹木を剥いだあとの残りの皮、すなわち産
廃)の処理問題が重要な課題となっている。木工業の発
展とともに、年々増加傾向にあるこの剥皮産廃は、今の
ところ焼却することにより処理している。木材の剥皮の
焼却により発生する熱エネルギーは、暖房用途等に利用
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、病害虫
等を忌避するために用いられる農薬は、それを取り扱う
人体及び自然に悪影響を与えている。特に、食用の野
菜、穀物等の農作物に用いられた場合には、農作物の残
留農薬が人体に摂取されることによる健康上の弊害が問
題となっている。さらに、農薬散布には、多大な労力と
コストが必要であった。
【0006】また、木材の剥皮の焼却により発生する熱
エネルギーは、暖房用途等に利用できるものの、燃え残
りカス、すなわち焼却灰が新たな産廃(2次産廃)とし
て発生してしまう。また、焼却処理が剥皮そのものの活
用ではないために、省資源といった観点からすれば、天
然資源の有効な活用方法であるとは言えない。
【0007】従って、本発明は、上記課題を解決し、資
源を活用しつつ病害虫を忌避することの可能な土壌改質
用培養土を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の土壌改
質用培養土は、病害虫忌避成分を含む木材の剥皮を含有
することを特徴とする。病害虫忌避成分とは、病害虫等
が忌避行動を起こす成分である。特定の種類の木材の剥
皮には、病害虫等を忌避し、かつ植物には影響を与えな
い成分が含まれていることが従来より知られている。本
発明における病害虫忌避成分については、病害虫等を忌
避できれば特に限定されず、種々の特定されていない成
分を含むが、特にαピネン等が有効である。
【0009】病害虫忌避成分を含む木材としては、種々
の木材が利用可能であり、例えば、杉、檜等が挙げられ
る。このうち、杉の剥皮は、多量に木材廃棄物として産
出されるので、資源活用、低コストの点から特に好まし
い。本発明においては、林業から大量に排出される木材
の剥皮(産廃)を剥皮のまま利用するために、焼却灰等
の2次産廃の発生がなく、資源を有効に活用することが
できる。また、産出された剥皮をそのまま利用できるた
めに、剥皮の持つその特徴を損なわず、かつ低コストで
利用できる。さらに、木材の剥皮は、ナチュラルなもの
であるため、勿論、環境を破壊することもなく、人体に
悪影響を与えることもない。
【0010】また、剥皮を用いることにより、持続効果
を適当に選択することができる。即ち、速効効果を持た
せる場合は、樹皮の表面積を広くすれば良く、細かく粉
砕して利用する。特に、好ましくは厚さ5mm以下、よ
り好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下
程度であると、速効効果に優れている。逆に、長期に効
果を持続させたり、遅効性効果が必要な場合は、荒い粉
砕、あるいは産出された剥皮そのままで適用することが
できる。特に、好ましくは厚さ5mm以上、より好まし
くは10mm以上、さらに好ましくは20mm以上程度
であると、3年以上もの長期に渡って良好な忌避効果が
得られる。このように、剥皮の厚さに応じて所望の忌避
効果を得ることができるので、農薬散布等のように多大
な労力を必要としない。また、厚さ20mm以下である
ことが、土壌中に均一に分散するのに好ましい。
【0011】土壌に対する剥皮の含有量は、好ましく
は、10重量%〜80重量%、より好ましくは30重量
%〜50重量%である。10重量%よりも剥皮の含有量
が少ないと、病害虫等の忌避効果が低下する傾向にあ
る。また、80重量%よりも剥皮の含有量が多すぎて
も、それ以上の効果は期待できない。
【0012】本発明の土壌改質用培養土によれば、上記
のような木材の剥皮を含有することにより、病害虫忌避
成分が土壌中に徐放されるので、土壌中に病害虫を忌避
することができる。このため、農薬を必要とせずに低コ
ストに病害虫による被害を防ぎ、植物を良好に生育させ
ることができる。
【0013】さらに、本発明の土壌改質用培養土には、
植物の生育に有用な種々の材料を含有させることができ
る。植物の生育に有用な材料としては、保水材、養分、
土等が挙げられる。保水材としては、保水性を有する有
機高分子または無機化合物等が挙げられる。
【0014】有機高分子としては、吸水性樹脂が挙げら
れ、例えば、天然高分子類(デンプン系、セルロース
系、多糖類系、蛋白質系)あるいは、合成高分子類(ポ
リビニルアルコール系、アクリル系、ポリエーテル系)
等が挙げられる。望ましくは、安全性が高く、かつ土壌
汚染の原因とはならない天然素材の天然高分子類である
が、安全性の高いものであれば合成類を使用しても良
い。
【0015】吸水性樹脂は、イオン性を有する基を持つ
3次元網状構造であるために、水に溶けることなく、自
重の数百倍もの水を吸収し、かつ保持する能力を持つの
で好ましい。吸水性樹脂自身の大きさは、数十ミクロン
から数ミリまでと幅広く、本発明においては、用途に応
じて使い分けることができる。例えば、樹脂の粒子径が
1〜3mmのものを土に混合すると、保水性と通気性に
優れた土壌とすることが出来る。1mmよりも小さいと
通気性が低下する傾向にあり、また3mmよりも大きい
ものは、製造されていないために入手しにくい。
【0016】また、上記の有機吸水性樹脂の代わりに、
数オングストロームから数ミクロンの微細孔を有する多
孔質の無機化合物を用いても同様に、水に溶けることな
く水を吸収し、保水性を維持することができる。この化
合物の一例としては、動植物に安全性の高い、例えばケ
イ酸塩系が適しており、有機吸水性樹脂の代替としてこ
の化合物を用いてもよい。無機化合物は、有機高分子に
比べてコストが低い点で好ましい。
【0017】保水材としての吸水樹脂は、土壌粒を通じ
て長期の間、植物に水を供給し続けることが可能であ
る。従って雨量の少ない地域(砂漠など)、あるいは散
水に手間がかかる場合(広域の散水など)には極めて有
効な手段となる。また、室内で植物を生育させる場合に
は、散水の回数が省略される。特に、大規模面積の乾燥
地においては、通常、砂地は雨が降っても水が染み通っ
てしまうため植物の水分供給には向かず、また、その厳
しい環境上、大規模な灌水にはコスト等の制約があり、
植物が育成する環境を整える対策は、現在においても単
純ではないが、保水材を適用することにより、低コスト
に緑化することが可能となる。
【0018】吸水性樹脂は、灌水時の吸水/膨潤、ある
いは乾燥時の収縮を繰り返しても粒子自体が崩れること
は無く、また膨潤時には土壌容積を2〜5割程度押し広
げ、土壌の通気性を高める効果も有している。従って、
常に植物の根、根毛の近くの土壌粒子の間には空隙があ
り、根の呼吸に関しても理想的である。
【0019】また、吸水性樹脂は、忌避成分の担体とし
て、薬剤の無駄な流亡を防止し、防虫効果を持続させる
メリットもある。樹脂選択の目安としては、上記粒子径
のほかに、耐候性が良いこと、ゲル強度が高い(つぶれ
にくい)ことなどである。この点から好ましいものとし
ては、強度の高い酢酸ビニル系が挙げられる。
【0020】その他、吸水速度、吸水量等は、土壌との
関連で決定すれば良い。特に吸水量が高いものとして
は、ポリアクリル酸系、デンプン系が挙げられる。ま
た、特に吸水速度の速いものとしては、デンプン系、イ
ソブチレン系が挙げられる。さらに、吸水速度や吸水量
等は、高分子が合成される際の条件に依存する。
【0021】また、形状も粒状、繊維状、あるいは不織
布状など任意に選択できるものである。粒状である場合
には、他の成分との混合が容易である。また、繊維状あ
るいは不織布状である場合には、施工が容易である。即
ち、巻回したものを土中にくるくると巻解して敷けばよ
い。上から土をかけておけば、徐々に繊維または不織布
内に土が混ざり合う。
【0022】土壌に対する保水材の含有量は、好ましく
は、10重量%〜80重量%、より好ましくは30重量
%〜50重量%である。10重量%よりも保水材の含有
量が少ないと、保水効果が低下する傾向にある。また、
80重量%よりも保水材の含有量が多すぎても、それ以
上の効果は期待できない。
【0023】さらに、植物の生育に必要な養分として
は、いずれの公知の養分であってもよく、尿素、第2リ
ン酸カリウム、モリブデン酸アンモン、窒素固定菌等を
含有する市販の液状栄養剤や粒子状の栄養剤であっても
よい。特に、植物の生育に必要な栄養素をバランスよく
含み、かつ環境を破壊しない点から、腐葉土が好まし
い。
【0024】また、他に所望に応じて園芸用土を加える
ことができる。園芸用土としては、いずれの種類のもの
でもよいが、上記腐葉土を用いた場合には、植物に必要
な栄養素を有するために好ましい。土壌改質用培養土と
して、上記木材の剥皮と保水材と養分とを含む場合に
は、病害虫を忌避するとともに植物の生育に必要な水分
と養分とを保持するために、植物を良好に生育させるこ
とができる。
【0025】土壌に対する養分の含有量は、好ましく
は、10重量%〜80重量%、より好ましくは30重量
%〜50重量%である。10重量%よりも養分の含有量
が少ないと、植物を成長させる効果が低下する傾向にあ
る。また、80重量%よりも養分の含有量が多すぎて
も、それ以上の効果は期待できない。
【0026】本発明の土壌改質用培養土は、土壌の種類
に応じて一定の割合で混合攪拌後、造粒し、例えばシー
ト状、塊状、顆粒状に加工する。シート状とした場合
は、広域面積への作業性に優れ、また塊状、粒状の場合
は特定区域への集中効果に優れるものである。
【0027】本発明の土壌改質用培養土は、いずれの形
態で用いて土壌を改質してもよい。例えば、改質すべき
土壌の中に埋設してもよく、または改質すべき土壌上に
配置してもよい。この場合、土壌改質用培養土を埋設ま
たは配置する厚さは、特に限定されないが、好ましくは
5mm〜50mmである。5mmよりも少ないと改質す
る効果が減少する傾向にあり、また、50mmよりも厚
すぎてもそれ以上の効果は得られない傾向にある。
【0028】あるいは、本発明の土壌改質用培養土は、
種子の周りのみを被覆して配置してもよい。この場合に
は、土壌改質用培養土を配置する厚さは、特に限定され
ないが、好ましくは5mm〜50mmである。5mmよ
りも少ないと改質する効果が減少する傾向にあり、ま
た、50mmよりも厚すぎてもそれ以上の効果は得られ
ない傾向にある。
【0029】さらに、本発明の土壌改質用培養土は、改
質すべき土壌と所定の割合で混合してもよい。
【0030】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下に本発明の好適な実施例を説明す
る。以下図面に従って、本実施例の土壌改質用培養土の
製造方法を説明する。
【0031】図1は、本発明の製造方法による土壌改質
用培養土の製造過程の一例を示す。まず、使用目的に応
じて粉砕され、秤量された杉の剥皮2に、同様に秤量さ
れた吸水性樹脂1を添加し、剥皮と樹脂が均一に分散す
るよう混合・混練する。[図1(イ)] 尚、本実施例では、吸水性樹脂として、セルロース系
で、平均径が2mm、吸水容量200g/gのものを使
用した。また、杉の剥皮は、1×1×1mm〜10×1
0×10mm程度のものとした。
【0032】この工程では、剥皮に含まれるαピネン等
の病害虫忌避成分を吸水樹脂に吸着させ、無駄な流出を
防ぐと共に、樹脂粒が局所的に遍在しないよう均一化を
はかる。続いて、吸水性樹脂1が分散された剥皮2に腐
葉土3を混合する。[図1(ロ)] それぞれの混合比率は、以下のような重量部としたが、
改質すべき土壌に応じて適宜決定することができ、特に
この混合比率に限定する必要はない。また、剥皮および
腐葉土中の水分は5〜10%程度が吸水樹脂に取り込ま
れるが、特に問題はない。
【0033】 [通常の土壌改質用培養土a] 吸水性樹脂 30重量部 杉の剥皮 70重量部 腐葉土 100重量部 [病害虫駆除を重視した土壌改質用培養土b] 吸水性樹脂 20重量部 杉の剥皮 100重量部 腐葉土 80重量部 [砂漠など保水性を重視した土壌改質用培養土c] 吸水性樹脂 90重量部 杉の剥皮 10重量部 腐葉土 100重量部 混合および攪拌が終了した後、1〜24時間程度放置す
る(ねかせる)が、これは吸水性樹脂の膨潤(上記の5
〜10%分)を安定させ、その後の加工を容易とするた
めである。[図1(ハ)] しかし、後加工の必要が無い場合は、特に放置する必要
はない。
【0034】これらの混合物をシートとする場合は、図
2に示すように、プレス成形機や押出成形機5に投入し
て、所定の寸法幅・厚みのシート状土壌改質用培養土4
とする。シートとした場合には、広域面積への作業性に
優れる。また、シート状の苗床に種子をあらかじめ一定
間隔で植え込むことにより、種子の乾燥を防ぎ、作業性
の悪い現場での植え付け作業を軽減する。
【0035】同様に、塊状、顆粒状とする場合には、図
3に示すように、造粒機6などにて作製すれば良い。塊
状、粒状の場合には、特定区域への集中効果に優れるも
のである。また、植物の球根に被覆・包装することによ
り、保護、輸送の取扱いを便利にする。
【0036】製造コストからすれば、シートや造粒など
の後加工は不利であるが、加工の有無は現場での培養土
の設置作業に必要とされるコスト(人件費など)を含め
たトータルコストにより決定すれば良いものである。本
考案の土壌改質用培養土は、例えば、図4に示すよう
に、シート状とした本実施例の土壌改質用培養土4を、
改質すべき土壌10の表面に一様に敷き詰め、植物8を
植えてもよい。また、図5に示すように、顆粒状とした
本実施例の土壌改質用培養土7を種子9に被覆してもよ
い。この場合には、種子9を保護し、輸送する場合には
その取扱が便利である。また、図示はしていないが、本
実施例の土壌改質用培養土は、空中散布することによっ
て改質すべき土壌に加えても構わない。あるいは、その
まま改質すべき土壌と混練しても良い。
【0037】[比較例]上記実施例で得られた土壌改質
用培養土の効果を確認するため、以下の比較を行った。
比較として、畑から得た土壌A、病害虫の多い土壌B及
び砂Cを用意し、これら土壌での種子の発芽率と、それ
ぞれの土壌上に上記本実施例によるシート状の土壌改質
用培養土a、b及びcを図4に示すように30mm敷き
詰めた土壌での種子の発芽率とを比較した。結果を表1
に示す。尚、水撒き回数は共に1回である。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、本実施例の土壌
改質用培養土a,b,cを適用した場合には、有効に病
害虫を忌避することができるために、発芽及び成長を能
率良く、かつ確実に行うことができた。このため、野菜
(ほうれんそう、人参)で80%以上の発芽率を達成で
きた。
【0040】次に、吸水材としての吸水性樹脂の効果を
確認するため、水撒き回数による種子の発芽率の比較
を、土壌Cと、土壌Cに本実施例による土壌cを埋設し
た土壌とで行った。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から明かなように、本実施例の土壌改
質用培養土cを適用していない土壌Cでは、水撒き回数
が1回ではほぼ死滅しており、水撒き回数が10回でも
発芽率が68%程度であるのに対し、本実施例の土壌改
質用培養土cを用いた場合には、1回の水撒き回数で
も、90%もの優れた発芽率を示した。
【0043】このことを本実施例による土壌改質用培養
土cを土壌C上に埋設した場合の透水率の変化によって
説明する。図6に示すように、砂(土壌C)の中に本実
施例の土壌改質用培養土cを10mm埋設した土壌[図
6(イ)]と、砂のみの土壌C[実施例6(ロ)]に水
分11を滴下し、透水率を比較した。この結果を表3に
示す。
【0044】
【表3】
【0045】表3から明らかなように、本実施例の土壌
改質用培養土cを埋設した場合には、砂地土壌での透水
率を89%から18%までにも低減し、保水効果を高め
ていることがわかる。このため、乾燥地において植物を
生育させることが可能となる。乾燥地農業、とりわけ降
雨量の極めて少ない砂漠地帯での植物育成には、生育に
必要な養分はもちろんのこと、充分な土壌水分が必要で
あるが、通常、砂地は雨が降っても水が染み通ってしま
うため植物の水分供給には向いていない。また、その厳
しい環境上、大規模な灌水にはコスト等の制約があり、
植物が育成する環境を整える対策は、現在においても単
純ではないので、本実施例の土壌改質用培養土は、低コ
ストな砂漠地帯の緑化用培養土として優れていることが
わかる。
【0046】尚、上記実施例では、保水材として天然セ
ルロース系を用いたが、いずれの吸水樹脂、例えば、天
然高分子類(デンプン系、多糖類系、蛋白質系)あるい
は、合成高分子類(ポリビニルアルコール系、アクリル
系、ポリエーテル系)を用いてもよい。または、多孔質
の無機ケイ酸塩であってもよい。
【0047】また、剥皮の樹種を杉としたが、忌避成分
を含む剥皮であれば樹種は問わず、例えば、檜等であっ
ても同様な効果が得られる。同様に、土の種類を腐葉土
としたが、改質すべき土壌の不足養分、状態等を考慮
し、適宜変えても構わないものである。また、特に必要
な栄養剤を添加してもよい。
【0048】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の土壌改質
用培養土によれば、資源を活用しつつ病害虫を忌避する
ことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の土壌改質用培養土の製造工程を示
す模式説明図である。
【図2】 本実施例の土壌改質用培養土をシート状とす
る方法を示す模式説明図である。
【図3】 本実施例の土壌改質用培養土を塊状、顆粒状
とする方法を示す模式説明図である。
【図4】 本実施例の土壌改質用培養土を改質すべき土
壌表面に敷き詰めた状態を示す模式説明図である。
【図5】 本実施例の土壌改質用培養土を種子周囲に被
覆させた状態を示す模式説明図である。
【図6】 本実施例のシート状土壌改質用培養土を砂地
の土壌中に敷設した場合の水分の透過モデル図である。
【符号の説明】
1・・・吸水性樹脂、2・・・杉の剥皮、3・・・腐葉
土、4,12・・・シート状土壌改質用培養土、5・・
・プレス/押出成形機、6・・・造粒機、7・・・塊、
顆粒状土壌改質用培養土、8・・・植物、9・・・種
子、10・・・改質すべき土壌、11・・・水分、13
・・・砂地の土壌。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 病害虫忌避成分を含む木材の剥皮を含有
    することを特徴とする土壌改質用培養土。
  2. 【請求項2】 上記木材が杉であることを特徴とする請
    求項1記載の土壌改質用培養土。
  3. 【請求項3】 さらに、保水材と、植物の生育に必要な
    養分とを含有することを特徴とする請求項1または2記
    載の土壌改質用培養土。
JP6020365A 1994-02-17 1994-02-17 病害虫忌避性に優れる土壌改質用培養土 Pending JPH07228507A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015229709A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 株式会社ヴェルデ 土壌改良材の製造方法及び土壌改良材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015229709A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 株式会社ヴェルデ 土壌改良材の製造方法及び土壌改良材

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