JP3188276U - 植物栽培装置 - Google Patents

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安代 西村
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Abstract

【課題】作物の生長効率を改善できる植物栽培装置を提供する。【解決手段】植物栽培装置1は、水6が収容されたプランター2と、その端部9bが水6に浸漬され、端部9bから中央部9aへ水6を送るように構成されている吸水シート9と、吸水シート9の中央部9a上に載置された、熱可塑性樹脂を含む植物栽培用培地12とを備える。植物栽培用培地12は熱可塑性樹脂を含むチップ13であることが好ましい。チップ13の形状は球状、柱状、扁平状、多面体、フレーク状からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。吸水シート9と植物栽培用培地12との間に防根透水シート10が設けられていることが好ましい。【選択図】図1

Description

本考案は、花卉、根菜類を含む野菜、果実類、穀類などの各種作物の栽培に好適に用いることのできる植物栽培装置に関する。
養液栽培は、作物を栽培するのに、土壌を使用しないため、連作障害がなく、栽培環境や養分水管理をコントロールしやすい。また、自動化、省力化ができ、収穫物の清浄性や肥料効率が高い栽培方法として注目されている。
養液栽培用の固形培地は水に浸漬されるため、ある程度の耐水性が必要であると共に、透水性、保水性、通気性、強度などが要求される。従来、養液栽培用の固形培地としては天然石(おもに玄武岩)を繊維状にしたものを収束させたロックウールなどが知られている。
養液栽培においては根が固形培地の内部に張り詰めるために新たな固形培地に交換する必要が生じることがあるが、ロックウールを固形培地に使用した場合には、リサイクルが困難であるという問題がある。その上、ロックウールは無機物であるため使用後のロックウールの有効な処分方法がない。現在、使用後のロックウールの処分方法としては、産業廃棄物として廃棄する、田に少量ずつ鋤き込むなどの方法が採られているが、これらのような方法で処分するにも限界がある。また、ロックウールは水の保持量が良過ぎて水が多量に存在するため、根菜類は肥大化できず、栽培が困難である。そのため、植物栽培用培地として必要な耐水性、透水性、保水性、通気性、強度などの物性を保持し、理化学的にも安定していて作物を充分に生長させることができ、しかも、環境への負荷の小さい培地が求められている。
特開平8−280281号公報(特許文献1)には、ポリビニルアルコールを用いた植物栽培用培地が開示されている。特許文献1では、たとえば木炭粉の結合剤としてけん化度98モル%以上の完全けん化型ポリビニルアルコール樹脂を用い、このようなけん化度98モル%以上の完全けん化型ポリビニルアルコール樹脂が親水性でありながら水に溶解しにくく、木炭粉の結合剤として使用した場合には、木炭粉粒子表面の水に対する濡れ性を向上させると共に水中に浸漬されても容易には倒壊しない培地となることが記載されている。しかしながら、たとえけん化度98モル%以上の完全けん化型ポリビニルアルコール樹脂を使用したとしても水溶性ポリマーであることには変わりなく、特許文献1に記載された培地を長期使用した場合にはポリビニルアルコール樹脂が徐々に溶出するため、長期にわたり作物を生長させることは困難であった。
また、特開平2−109920号公報(特許文献2)には、培地として粒状またはチップ状の多孔体を用いる養液栽培方法が記載されており、当該多孔体としては、ポリビニルアルコールを素材とするものが吸水性および吸湿性の保持力の点で好ましいことが記載されている。しかしながら、上述のようにポリビニルアルコールは水溶性ポリマーであるために湿潤下で長期安定性に乏しく、長期にわたり作物を生長させる場合には、培地の形状を維持することが困難であり、実用性に乏しかった。
特開平6−98627号公報(特許文献3)には、吸収性材料に水および香料を含ませてなる吸水ゲルを用いた芳香性人工培地が開示され、吸収性材料としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を用い得ることが記載されている。エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた場合には、上述のポリビニルアルコールのように徐々に溶出してしまうことは防止できる。
国際公開第2012/108374号(特許文献4)では、エチレン−ビニルアルコール共重合体チップを含む植物栽培用培地について提案されている。この特許文献4に記載された植物栽培用培地によれば、作物を充分に生長させることができるとともに、リサイクル性にも優れていて繰り返し使用することができ、使用後に焼却などによって容易に廃棄することができ、環境への負荷の小さい植物栽培用培地を提供することができる。
特開平8−280281号公報 特開平2−109920号公報 特開平6−98627号公報 国際公開第2012/108374号
本考案の目的は、作物の生長効率を改善できる新規な植物栽培装置を提供することである。
本考案の植物栽培装置は、水が収容されたプランターと、その端部が前記水に浸漬され、端部から中央部へ水を送るように構成されている吸水シートと、前記吸水シートの中央部上に載置された、熱可塑性樹脂を含む植物栽培用培地とを備えることを特徴とする。
本考案の植物栽培装置は、前記植物栽培用培地が熱可塑性樹脂を含むチップであることが好ましい。ここにおいて、前記チップの形状は球状、柱状、扁平状、多面体、フレーク状からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本考案の植物栽培装置は、吸水シートと植物栽培用培地との間に防根透水シートが設けられていることが好ましい。
本考案によれば、花卉、根菜類を含む野菜、果実類、穀類などの各種作物の栽培を栽培するにあたり、高い効率で充分にこれら作物を生長させることができる植物栽培装置を提供することができる。
本考案の好ましい一例の植物栽培装置1を模式的に示す図である。
図1は、本考案の好ましい一例の植物栽培装置1を模式的に示す図である。本考案の植物栽培装置は、水が収容されたプランターと、その端部が前記水に浸漬され、端部から中央部へ水を送るように構成されている吸水シートと、前記吸水シートの中央部上に載置された、熱可塑性樹脂を含む植物栽培用培地とを備えることを特徴とする。このような構成を備えることにより、プランター内の水が吸水シートの端部から中央部に送られ、さらにその上に載置された植物栽培用培地へと送られる。これにより、熱可塑性樹脂を用いた植物栽培用培地では、土壌やロックウールを用いた場合とは異なり、効率的な植物の生長が可能となる。
図1に示す例の植物栽培装置1において、プランター2は、上方に開口3を有する箱状物であり、側壁4の適当な高さに排水口5を有し、その内部空間に、排水口5から零れ出さない程度の高さ(深さ)にまで、養分を含んだ水(養液)6が収容される。プランター2の底壁7には、水6の面よりも上にその載置面8aが配置されるように棚8が設けられ、棚8の上に、吸水シート9が、上方から見てプランター2の底壁7を殆ど覆うように設けられる。この吸水シート9は、たとえばセルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの材料で形成されたシート状物であり、その中央部9aは棚8の載置面8a上にあり、かつ、その端部9bがプランター2内の水6に浸かるように設けられ、端部9bから吸収した水6を、中央部9aに送るように構成されている。
図1に示す例では、吸水シート9上に、その端部10aがプランター2の側壁4の上端4aに引っかかるようにして防根透水シート10が配置される。防根透水シート10は、植物栽培装置1で根菜類を生育させる際に設けられることが好ましく、生育させる植物11が根菜類ではない場合には必ずしも設けなくともよい。このような防根透水シート10が設けられる場合、プランター2内の水6は、吸水シート9を介して防根透水シート10へと送られる。
防根透水シート10は、たとえば各種ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、又はこれらを不飽和カルボン酸で変性、若しくはその誘導体でグラフト変性、若しくは無水マレイン酸で変性した変性ポリオレフィンなど)、各種ナイロン(ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−6/66共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタールおよび変性ポリビニルアルコールなどの樹脂からなるシート等、あるいは繊維状物で構成される織布、不織布、マット状物であり、親水性、透水性、柔軟性を有し、根を通さないシートである。上記樹脂からなるシートを防根透水シート10として用いる場合、微細孔を無数にかつ均一な分布で有していることが好ましく、この場合、微細孔の最大径は20μm以下であることが好ましい。微細孔の最大径が20μmを超えると、植物の根が防根透水シート10を貫通し、吸水シート9に侵入してからみつき、根が過剰に吸水することにより植物の生長に問題が生じる虞がある。また微細孔の最大径が非常に小さい場合、たとえば5μm以下の場合には、吸水シート9からの水の浸出が阻害され植物の生育に問題が生じる虞がある。
図1に示す例では、防根透水シート10上に、熱可塑性樹脂を含む植物栽培用培地12が載せられ、その中で植物11が生育される。図1には、植物栽培用培地12として、複数個の円柱状のチップ13が用いられた例が示されている。本考案における植物栽培用培地12は、熱可塑性樹脂を用いたものであれば、その形態は制限されるものではなく、図1に示す例のように熱可塑性樹脂のチップ13を複数敷き詰めたものであってもよいし、熱可塑性樹脂を用いた不織布の形態であってもよいが、植物生育の効率の観点からは、熱可塑性樹脂のチップを用いることが好ましい。
本考案における熱可塑性樹脂としては、特に制限されるものではないが、たとえば各種ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、又はこれらを不飽和カルボン酸で変性、若しくはその誘導体でグラフト変性、若しくは無水マレイン酸で変性した変性ポリオレフィンなど)、各種ナイロン(ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−6/66共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタールおよび変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。これらは1種類のみを用いてもよいし、いずれか2種類以上を併用してもよい。
上述の熱可塑性樹脂の中でも、エチレン単位およびプロピレン単位の少なくともいずれかを含むものであることが好ましく、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、またはこれらを不飽和カルボン酸で変性、若しくはその誘導体でグラフト変性、若しくは無水マレイン酸で変性したものが挙げられる。これらの中でもエチレン−ビニルアルコール共重合体であるのが好ましい。
エチレン単位およびプロピレン単位の少なくともいずれかを含む熱可塑性樹脂は、その全構成単位中、エチレン単位およびプロピレン単位の少なくともいずれかを20モル%以上(より好ましくは20〜60モル%、さらに好ましくは22〜58モル%)含むオレフィン共重合体であることが好ましい。オレフィン共重合体において、エチレン単位およびプロピレン単位の少なくともいずれかが20モル%以上である場合には、湿潤下で長期安定性に優れ、長期にわたり作物を生長させる場合に培地の形状を維持できる。
エチレン−ビニルアルコール共重合体と他の樹脂成分とを含む樹脂を同時に用いる場合には、エチレン−ビニルアルコール共重合体と他の樹脂成分との全質量に対するエチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量は3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体の比率が上記範囲にあることで、得られる植物栽培用培地の保水量が優れたものとなる。
エチレン−ビニルアルコール共重合体と他の樹脂成分とを含む樹脂を同時に用いる方法としては、別々の熱可塑性樹脂からなるチップを混ぜて使う方法、別々に熱可塑性樹脂を製造した後にドライブレンドし溶融混練して製造したチップを用いる方法、特定の熱可塑性樹脂を用いて製造したチップを別の樹脂でコーティングして製造したチップを用いる方法等が挙げられる。
別の樹脂でコーティングしたチップを用いる場合には、上述の他の樹脂成分の表面をエチレン−ビニルアルコール共重合体でコーティングすることが好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体のコート厚みとしては0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上であることがさらに好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体のコート厚みが上記厚みよりも薄い場合、得られる植物栽培用培地の保水量が低下する虞がある。
熱可塑性樹脂が主としてエチレン単位(−CHCH−)とビニルアルコール単位(−CH−CH(OH)−)とからなるエチレン−ビニルアルコール共重合体である場合、当該エチレン−ビニルアルコール共重合体を構成する全構造単位のモル数に対してエチレン単位およびビニルアルコール単位の合計のモル数が占める割合は80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましく、99モル%以上であることが特に好ましい。
エチレン−ビニルアルコール共重合体の製造方法は特に制限されるものではなく、公知の適宜の製造方法を採用することができる。たとえばエチレンとビニルエステル系単量体とを共重合して得られたエチレン−ビニルエステル共重合体をけん化触媒の存在下にアルコールを含む有機溶媒中でけん化する方法が一般的である。
上述のビニルエステル系単量体としては、たとえばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられるが、とりわけ酢酸ビニルが好ましい。
エチレンとビニルエステル系単量体とを共重合する方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など、公知の方法を採用することができる。重合開始剤としては、重合方法に応じて、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤などが適宜選ばれる。このとき、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物や、その他の連鎖移動剤の存在下で重合を行なってもよい。
けん化反応としては、有機溶媒中で公知のアルカリ触媒または酸触媒をけん化触媒として用いる加アルコール分解、加水分解などを採用することができ、中でもメタノールを溶媒として苛性ソーダ触媒を用いるけん化反応が簡便であり最も好ましい。
上述のエチレン−ビニルアルコール共重合体のメルトフローレート(温度210℃、荷重2.16kgの条件下にJIS K 7210に記載の方法により測定)は、チップへの成形加工が良好になることから、0.1〜100g/10分の範囲内であることが好ましく、0.5〜50g/10分の範囲内であることがより好ましく、1〜20g/10分の範囲内であることがさらに好ましい。メルトフローレートが上記範囲を下回る場合には、チップへの成形加工を溶融混練によって行なう際に成形加工機のトルクが上がりすぎることがある。また、メルトフローレートが上記範囲を上回る場合には、チップの連続生産性が難しく、かつ、チップにした場合の強度が不足して培地としての性能が低下する虞がある。
本考案における植物栽培用培地が上述したチップである場合、その形状は特に制限されるものではなく、柱状(円柱状、角柱状)、球状、扁平状(断面が楕円状となる形状)、フレーク状(裏表2つの主面を有する薄片状の形状)、多面体などであってよい。フレーク状の場合、薄膜状の形状である成形体は積層体であってもよい。積層体を製造する方法としては、特に制限されるものではなく、例えば熱可塑性樹脂を薄膜状に成形後、複数枚を重ねてニップロール等で圧着する方法、熱可塑性樹脂から得られる成形体(フィルム、シート等)に別の熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、熱可塑性樹脂と別の熱可塑性樹脂とを共押出する方法、熱可塑性樹脂と別の熱可塑性樹脂とを共射出する方法、熱可塑性樹脂から得られる上記成形体と他の基材のフィルム、シート等とを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物等の公知の接着剤を用いてラミネートする方法、等が挙げられる。なお、本考案における植物栽培用培地においては、いずれか1種類のみの形状のチップを用いてもよいし、いずれか2種以上の形状のチップを混在させて用いても勿論よい。
本考案における植物栽培用培地が上述したチップである場合、いずれの形状であっても、そのサイズは特に制限されるものではないが、その最大長さが1〜10mmの範囲内であることが好ましく、1〜50mmの範囲内であることがより好ましく、1〜20mmの範囲内であることがさらに好ましい。なお、当該最大長さはノギスを用いて測定することができる。
本考案における植物栽培用培地は、上述した熱可塑性樹脂のみ、または上述した熱可塑性樹脂と水のみから構成されていてもよいが、必要に応じて、アルカリ金属塩、炭酸塩、炭酸ガス、可塑剤、安定剤、界面活性剤、色剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯電防止剤、乾燥剤、架橋剤、充填剤などの、上述した熱可塑性樹脂および水以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。
本考案における植物栽培用培地は、上述した熱可塑性樹脂を含むチップのみから構成されていてもよいが、当該チップと共に、ロックウール、砂、土、セラミックボール、ヤシガラ、バーク、ピートモス、水苔などの成分をさらに含んでいてもよい。本考案における植物栽培用培地における上述した熱可塑性樹脂を含むチップの含有率は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
本考案における植物栽培用培地の使用形態に特に制限はないが、培養液を用いた養液培養用の培地として用いることが好ましい。
本考案の植物栽培用培地を用いて栽培する植物の種類に特に制限はなく、たとえば花卉、根菜類を含む野菜、果物類、穀類などが挙げられ、特に大根、さつまいも、ごぼう、にんじん、キュウリ、トマト、ナス、ピーマンなどの野菜の栽培に使用することが好ましい。特に、ロックウールでは栽培が困難であった根菜類にも好適に用いることができるという利点もある。
以下、実施例および比較例を挙げて本考案をより詳細に説明するが、本考案はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
植物栽培用培地12として、円柱状のエチレン−ビニルアルコール共重合体チップ(エバールF101:株式会社クラレ製)、吸水シートとして「ジャームガード」(東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社製)、防根透水シート(東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社製)を用い、上部幅50cm×上部奥行40.2cm×深さ18cm(容量21L)のポリプロピレン製のプランター(側壁の高さ1cmの位置に排水口5)を用いて、図1に示したような本考案の植物栽培装置1を作製した。プランター2内に、排水口5から零れ出さない高さにまで養分として大塚アグリテクノ株式会社製の養液栽培用肥料「大塚ハウス1号」、「大塚ハウス2号」および「大塚ハウス5号」を混合溶解した水(養液)6(N:98.7ppm、P:19.4ppm、K:125.7ppm、Ca:63.0ppm、Mg:13.4ppm、Mn:0.709ppm、B:0.487ppm、Fe:2.025ppm、Cu:0.018ppm、Zn:0.048ppm、Mo:0.019ppm)を注入し、当該水6の液面より高い位置にその載置面8aが配置されるようにプランター2内に棚8を設けた。次に、棚8の載置面8a上に吸水シートの中央部9aがあり、かつ、吸水シートの端部9bが水6に浸漬するように、棚8を上側から覆うようにして吸水シート9を設けた。吸水シート9上に、その端部10aがプランター2の側壁4の上端4aに引っかかるようにして防根透水シート10を設置し、防根透水シート10上に植物栽培用培地12として上述のチップを、プランター上辺から1cmの高さまで敷き詰めた。このようにして、実施例1の植物栽培装置を作製した。
[保水量の測定と保持率の算出]
得られた植物栽培装置に、「トンボジョーロ4号」(新輝合成株式会社製)を用いて万遍なく水(養液)1Lをかけた。水(養液)をかけて1分後と3時間後にプランターからメスシリンダーを用いて100mLの熱可塑性樹脂を量り取り、重量を測定した。保水量は以下の数式(1)から算出し、併せて水(養液)の保持率を以下の数式(2)から算出した。
保水量(g/100mL)=W − W (1)
上記式でWとWは以下の値を示す。
W:水(養液)をかけた1分後または3時間後の100mLあたりの熱可塑性樹脂の重量(g)
:水(養液)をかける前の100mLあたりの熱可塑性樹脂の重量(g)
保持率(%)=M/M×100 (2)
上記式でMとMは以下の値を示す。
:水(養液)をかけた1分後の熱可塑性樹脂の保水量(g/100mL)
:水(養液)をかけた3時間後の熱可塑性樹脂の保水量(g/100mL)
実施例1の植物栽培装置において、上記手順で測定された熱可塑性樹脂の保水量は1分後で15g/100mL、3時間後で12g/100mLであり、水(養液)の保持率は80%であった。
<実施例2>
防根透水シートを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして植物栽培装置を作製した。実施例1と同様にして測定された熱可塑性樹脂の保水量は1分後で15g/100mL、3時間後で11g/100mLであり、水(養液)の保持率は73%であった。
<比較例1>
吸水シートおよび防根透水シートを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして植物栽培装置を作製した。実施例1と同様にして測定された熱可塑性樹脂の保水量は1分後で15g/100mL、3時間後で5g/100mLであり、水(養液)の保持率は33%であった。
結果を表1に示す。
Figure 0003188276
[植物(大根)の生長度合いの評価方法]
大根‘たんしん’を用いてハウス内で栽培試験を行った。底部より1cmに排水口を設けたプランター(上部幅28.5cm×上部奥行46.5×深さ26cm、容量28L)を用い、棚よりも2cm程度大きく切った吸水シート「ジャームガード」(東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社製)を棚に被せ、余りを底部に折り返してプランターに設置した。さらにその上に防根透水シート(東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社製)をプランター内側に敷いた後、エバールF101(株式会社クラレ製)プランター上辺から1cmの高さまで敷き詰めた。播種は2013年4月3日、7cm×9cm間隔で種9穴、1穴あたり2粒直播した。間引きは2013年4月24日に行い、灌水は1日3〜6回程度、天候および生育状況に応じて「トンボジョーロ4号」(新輝合成株式会社製)で大塚アグリテクノ株式会社製の養液栽培用肥料「大塚ハウス1号」、「大塚ハウス2号」および「大塚ハウス5号」を混合溶解した養液を与え、収穫調査は2013年6月1日に行った。肥大根の平均値は根径32.6mm、根長135.1mmであった。
1 植物栽培装置、2 プランター、3 開口、4 側壁、4a 側壁の上端、5 排水口、6 水、7 底壁、8 棚、8a 棚の載置面、9 吸水シート、9a 吸水シートの中央部、9b 吸水シートの端部、10 防根透水シート、10a 防根透水シートの端部、11 植物、12 植物栽培用培地、13 チップ。

Claims (4)

  1. 水が収容されたプランターと、
    その端部が前記水に浸漬され、端部から中央部へ水を送るように構成されている吸水シートと、
    前記吸水シートの中央部上に載置された、熱可塑性樹脂を含む植物栽培用培地とを備える、植物栽培装置。
  2. 前記植物栽培用培地が熱可塑性樹脂を含むチップである、請求項1に記載の植物栽培装置。
  3. 前記チップの形状が球状、柱状、扁平状、多面体、フレーク状からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の植物栽培装置。
  4. 吸水シートと植物栽培用培地との間に防根透水シートが設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物栽培装置。
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