WO2010044281A1 - ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤 - Google Patents

ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤 Download PDF

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Abstract

 植物の育成に際して、乾燥地帯等の水分の少ない環境下においても、上記植物の種子の発芽率が高い植物育成用保水材組成物を付着させた種子を提供すること、発芽後の植物体への水、及び成長促進剤の供給源としての機能を発揮するとともに、播種作業性に優れた植物育成用保水材組成物を付着させた種子を提供することである。植物の種子の表面に特定の物性を有する吸水性樹脂粒子を含む植物育成用保水材組成物を付着させる。特定の物性とは2.07kPa・60分間の加圧下純水吸収倍率(AAPw)が60~200[g/g]である。

Description

ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤
 本発明は、植物育成用粒子状吸水剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、培地に混合され、植物への水の供給源として機能しうる植物育成用保水剤及びこれを用いた植物の育成方法、並びに、乾燥した地域での播種の際、水不足による種子の発芽率低下を抑制することができる、植物種子組成物に関するものである。
 近年、紙オムツ、生理用ナプキンや失禁パット等の衛生用品に、体液吸収の観点から、その構成原材料として吸水性樹脂が幅広く利用されている。このような吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体等のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を含むポリカルボン酸(塩)系吸水性樹脂や、澱粉‐アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物等がある。これらの中でも、特にポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂がコストおよび物性の観点から優れており、大量に使用されている。
 また近年、吸水性樹脂は衛生用品の原材料以外に、その低コスト性や保水性を活かして農園芸用途等に使用されるようになっている。例えば、緑化工法、節水栽培、砂地栽培の保水剤として、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を使用する技術(特許文献1~3)や、植物の成長に悪影響を与えない保水剤として、ポリアクリル酸アンモニウム塩を用いた吸水性樹脂を使用する技術(特許文献4)、植物の成長阻害を改善した保水剤として、ポリアクリル酸系吸水性樹脂を使用する技術(特許文献5)等が開示されている。
 しかしながら、これらの特許文献1~6に開示された従来のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、植物育成用保水剤として使用した場合、植物の成長に悪影響を及ぼし、特に著しい発根および根成長阻害を引き起こすことが明らかとなっている(非特許文献1)。
 また、植物の育成を促進するためには、培地の保水性能および空気量を向上させることが必要であり、そのためには、特定の粒子径および吸収倍率を有する吸水性樹脂を保水剤として使用することが望まれる。しかしながら、上記文献には、吸水性樹脂の粒子径、粒度分布、吸収倍率、吸水前後の体積比等の物性が特定されておらず、植物育成用保水剤として、十分な効果が得られない場合があった。また、上記保水剤は、培地の地中深くに配置されることが多く、加圧状態で保持されるため、吸水性能を著しく阻害する。そのため、吸水前後の体積変化が小さく、培地の空気量が不十分となるおそれもあった。
 そこで、培地の保水性能および空気量の向上を目的として、粒子径の大きい吸水性樹脂を保水剤として使用する技術(特許文献7,8)が開示されている。しかし、特許文献7に開示された吸水性樹脂は、粒子径が大きすぎるため、吸収速度が遅く、植物の成長を促進するには、培地に保水効果を与える必要があり、結果として灌水量が多大となるおそれがあった。また、特許文献8に開示された吸水性樹脂は、必要なゲル強度が得られず、培地中での吸収倍率が低下するため、培地の空気量が減少するおそれがあった。
 また、植物育成のために、ノニオン系やカルシウム塩系の吸水性樹脂を保水剤とする技術(特許文献9~15)が開示されているが、これらの保水剤も吸水速度が遅く、また、ゲル強度が低く、さらに製造コストが高いため、汎用できるものではなかった。また、植物育成用保水剤に好適なパラメーター(特許文献16)が開示されているが、未だ十分な性能を発揮できなかった。
 さらに農園芸分野においては、近年、効率化や省力化に対応できる技術が求められている。そのひとつとして、機械播種可能であり、間引き作業が軽減される造粒コーティング種子が普及している。このような造粒コーティング種子は、例えば、赤土、クレー、非晶質シリカ、タルク、カオリナイト、珪藻土、炭酸カルシウム等の造粒剤を、澱粉、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、水等の結合剤を用いて種子にコーティングすることによって得られる。このようにして得られた造粒コーティング種子は、播種後、土壌中の適度な水分によってコート層が吸水し、数箇所に亀裂が生じることでブロック状に破砕され、種子の発芽が起こる。このような造粒コーティング種子の一例として、種子の一部分が露出した造粒コーティング種子が開示されている(特許文献17)。しかしながら、特許文献17に開示された造粒コーティング種子は、土壌中の水分が低い乾燥地域において、コート層に亀裂を生じさせるために必要な水分を確保できず、種子の発芽を妨害するという問題点があった。
 また、造粒コーティング種子の一例として、造粒コーティング剤に吸水性樹脂を使用する技術が開示されている(特許文献18)。しかしながら、吸水性樹脂を含んだ造粒コーティング剤を良好に種子に付着させることは容易ではなく、そのため、種子への酸素供給を妨げたり、必要以上に吸水性樹脂が吸水するために種子への水分供給を妨げたりするといった問題点があった。さらに、造粒コーティング作業中に吸水性樹脂が吸水し膨潤することによって種子から脱離してしまい、吸水性樹脂が核となって造粒され、種子のないコーティング物が副生されるという問題点もあった。
 また、農業の機械化に伴う、種子の機械撒きが実施されているが、微細な種子を均一に播種することは困難であり、さらに種子に必要量の造粒コーティング剤を均一に配置させるのも困難であるという問題点があった。
 また、広大な土地へ植物の種子を播種する場合、例えば、航空機から播種する方法等が挙げられるが、保水剤も散布しようとすると、種子と保水剤とを別々に散布しなければならず、種子と保水剤とを均一に散布することは困難であった。
 そこで、上記問題を解決するため、播種に好適であり、かつ、発芽率の高い種子コーティング用組成物が開示されている(特許文献19)。この方法によって、種子と保水剤とを均一に散布することは可能となるが、土壌、特に乾燥した土地への播種における種子の発芽率が明らかにされていない。
 また、これらの先行技術文献に開示される造粒剤や吸水性樹脂は、その粒径が小さく、水分を吸収して膨潤した際に種子の表面を隙間無く覆ってしまうため、種子が窒息に陥りやすいという問題点があった。さらに、植物種子コーティング剤を付着させる際に複数の植物種子が含まれる場合、発芽に必要な水分を複数の種子で消費するため、水分が不足し、発芽に支障をきたす問題があった。また、発芽後も水分や栄養分を複数の苗で消費することになり、充分な成長が行えず、間引きを行う必要が出てくる等の問題もあった。
特開昭58-42602号公報 特開昭63-68026号公報 特開昭64-51028号公報 特開昭62-273283号公報 特開2000-139208公報 特開平01-285119号公報 特開昭57-25383号公報 米国特許出願公開第2007/0101644号明細書 特開平10-191777号公報 特開2000-139208号公報 特開2000-308412号公報 特開2000-324948号公報 特開2007-319029号公報 欧州特許第1145621号明細書 特開平03-1419288号公報 特開昭63-068026号公報 特開2005-287338公報 特開2000-135005公報 特開2005-058221公報 川島和夫ら、高吸水性高分子物質の作物の初期成長へ及ぼす影響、砂丘研究、31(1)、1-8、1984年
 本発明が解決しようとする課題は、培地の表面近傍だけでなく、地中深くに埋設しても充分な保水効果を発揮しうる植物育成用保水剤及びこれを用いた植物の育成方法、および乾燥した環境下における植物の育成に際して、上記植物への水分供給源としての機能を発揮すると共に、土壌表面のみならず土中においても発芽率を向上させることができる植物種子組成物に使用することのできるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤を提供することにある。
 上記課題を解決する方法は以下の通りである。
 すなわち、本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤は、2.07kPa、60分間の加圧下純水吸収倍率(AAPw)が60~200[g/g]である。
 本発明の植物育成用粒子状吸水剤の製造方法は、アクリル酸(塩)水溶液を架橋重合する重合工程と、得られた含水ゲル状架橋重合体を乾燥する工程と、得られた乾燥重合体を粉砕および分級する工程とを含む植物育成用粒子状吸水剤の製造方法であって、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が20~1000[g/g]となるように上記重合工程がなされ、かつ、850μm以上の粗粒子が10重量%以上80重量%未満となるように上記粉砕および分級する工程がなされる。
 本発明の植物育成用保水剤は、上記粒子状吸水剤を含んでいる。この粒子状吸水剤は、粒子径が850μmを超える粗粒子を有しており、その含有量が、粒子状吸水剤全体に対して10重量%以上80重量%未満である。
 本発明の植物の育成方法は、
(1)上記粒子状吸水剤を含んでおり、この粒子状吸水剤が粒子径850μmを超える粗粒子を有しており、その含有量が、粒子状吸水剤全体に対して10重量%以上80重量%未満である上記植物育成用保水剤を培地に配置させる工程と、
(2)苗木を培地に植栽する工程とを含み、
 該苗木を植栽する培地において、植穴に配置された植物育成用保水剤のうち、最深部分にある該植物育成用保水剤が、地表から5~50cmの深さである。
 本発明の植物種子組成物は、上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤を、植物種子の表面に付着させたものである。
 本発明に係る粒子状吸水剤は、加圧下での吸水特性に優れる。この粒子状吸水剤を含む植物育成用保水剤は、地中深くに埋設されても、充分な保水効果を発揮しうる。さらに、この植物育成用保水剤は、その粒子径が大きいので、培地の空気量を維持しうる。この植物育成用保水剤は、植物の育成に効果的に寄与しうる。このような植物育成用保水剤は、植林に適用されうる。さらにこの粒子状吸水剤を含む植物種子組成物は、乾燥しやすい条件下や土中等の加圧条件下でも高い発芽率を得ることができる。換言すれば、吸水して膨潤した後、一旦乾燥しても、再度容易に吸水することができ、さらに播種後、土壌水分が不足する場所や砂漠地帯等の乾燥地や土中等の加圧下でも生育に必要な水分を保持している。したがって、乾燥しやすい環境下においても、高い発芽率を得るこができる。さらに、本発明の植物種子組成物は、成長に必要な水分を供給することができ、間引きの必要も無く、間引きによる植物種子の無駄な消費を減らすことができる効果がある。
図1は、本発明の一実施形態にかかる植物の育成方法を示す概略図である。 図2は、図1の培地の一部(図1の領域P)を示した概略図である。 図3は、加圧下純水吸収倍率(AAPw)を測定する際に使用する測定装置の概略図である。 図4は、実施例5~7及び比較例3~5における発芽率〔1〕の測定結果を示した図である。 図5は、実施例8及び比較例6~7における発芽率〔2〕の測定結果を示した図である。
符号の説明
 2・・・苗木
 4・・・培地
 6・・・幹
 8・・・根
 10・・・土壌
 12・・・保水剤
 100・・・支持円筒
 101・・・金網
 102・・・吸水性樹脂
 103・・・ピストン
 104・・・錘
 105・・・ペトリ皿
 106・・・ガラスフィルター
 107・・・ろ紙
 108・・・純水
 以下、本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更、実施し得る。具体的には、本発明は下記の各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。 
〔1〕用語の定義
(a)「吸水性樹脂」
 本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味する。なお、「水膨潤性」とは、ERT441.2-02で規定する無加圧下吸収倍率(CRC)が必須に5[g/g]以上であることをいい、また、「水不溶性」とは、ERT470.2-02に規定する水可溶分(Extractables)が必須に0~50重量%であることをいう。
 該吸水性樹脂は、その用途に応じて適宜設計可能であり特に限定されるものではないが、カルボキシル基を含有する親水性架橋重合体であることが好ましい。また、全量(100重量%)が重合体である形態に限定されない。
(b)「ポリアクリル酸(塩)」
 本発明における「ポリアクリル酸(塩)」とは、繰り返し単位としてアクリル酸(塩)を主成分とする重合体を意味する。具体的には、架橋剤を除く単量体として、アクリル酸(塩)を必須に50~100モル%、より好ましくは70~100モル%、さらに好ましくは90~100モル%、特に好ましくは実質100モル%、含む重合体をいう。
 重合体としての塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が好ましく、これらの中でも1価の塩、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。また、ポリアクリル酸(塩)の形状は特に限定されず、粒子状(粉末状とも称することがある。)であることが好ましい。
(c)「植物育成用粒子状吸水剤」
 本発明における「植物育成用粒子状吸水剤」とは、上記ポリアクリル酸(塩)を繰り返し単位として得られる重合体や、該重合体に添加剤等を添加して改質したものをいう。すなわち、特定の物性を得るために、吸水性樹脂そのものや、吸水性樹脂を改良したもの、吸水性樹脂に添加剤等を添加して改良したものを、植物育成用粒子状吸水剤(以下、「粒子状吸水剤」あるいは単に「吸水剤」と称することもある)という。
 本発明では、地中深く埋設しても充分な保水効果を発揮する「植物育成用保水剤」や種子表面に付着させることで乾燥しやすい環境下でも高い発芽率が得られる「植物種子組成物」の原材料として、上記粒子状吸水剤を用いる。
(d)「植物育成用保水剤」
 本発明における「植物育成用保水剤」とは、上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤を土壌に埋設し、植物育成用に使用されるものである。したがって、所望の吸水性能が得られる範囲内において、添加剤の添加等の改良操作は任意であり、例えば、吸水性樹脂自体の吸水性能が所望の範囲に入る場合、該吸水性樹脂が植物育成用保水剤となる。
(e)「植物種子組成物」
 本発明における「植物種子組成物」とは、植物種子の表面に、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤と、必要により造粒剤とを、結合剤を用いて付着させた植物種子全体のことをいう。すなわち、本発明の植物種子組成物には、「植物種子」、「粒子状吸水剤」及び「結合剤」が必須に含まれ、「造粒剤」が任意に含まれる。
 なお、上記植物種子組成物から植物種子および結合剤を除いたもの、すなわち、粒子状吸水剤、あるいは粒子状吸水剤および造粒剤との混合物を、本発明では「植物種子コーティング剤」(以下、単に「コーティング剤」とも称する)という。
 したがって、コーティング剤の物性は、構成する物質ごとに測定することが好ましいが、コーティング剤として植物種子に付着している場合、へら等を用いて植物種子から剥ぎ落とした後、コーティング剤全体として物性を測定してもよいし、構成物質ごとに分離してそれぞれの物性を測定してもよい。
(e-1)「植物種子」
 本発明における「植物種子」とは、地球上に存在する植物の種子であり、いわゆる商品作物の植物種子のことをいう。なお、商品作物とは、自己消費よりも市場での販売を目的として生産する農作物のことをいう。
(e-2)「造粒剤」
 本発明における「造粒剤」とは、上記コーティング剤に任意に用いられる物質のうち、粒子状吸水剤以外の物質のことをいう。ただし、本発明における「結合剤」に該当するものは、「造粒剤」から除かれる。
(e-3)「結合剤」
 本発明における「結合剤」とは、上記コーティング剤を、植物種子の表面に付着させる際に用いる接着効果のある、粒子状吸水剤および造粒剤以外の物質のことをいう。
(f)「EDANA」および「ERT」
 「EDANA」は、European Disposables and Nonwovens Assoiationsの略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(ERT/EDANA Recomeded Test Method)の略称である。
 なお、本明細書においては、特に断りのない限り、ERT原本(公知文献:2002年改定)に準拠して、粒子状吸水剤等の物性を測定する。
(g)「無加圧下純水吸収倍率(GVw)」
 本発明における「無加圧下純水吸収倍率(GVw)」とは、無加圧下における粒子状吸水剤の吸水性能を示す指標であり、ERT441.2-02(CRC/Centrifuge Retention Capacity/遠心分離機保持容量/無加圧下吸収倍率)に準拠して、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に代えて純水(本発明においては、電気伝導度が5[μS/cm]以下の脱イオン水を指す。以下同じ。)を用いて測定した値(単位;「g/g」)である。
 なお、ERT441.2-02(CRC)は、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液で規定される無加圧下純水吸収倍率であるが、純水での吸収倍率は、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液での吸収倍率に対して、はるかに高くなる傾向にある。したがって、膨潤ゲルの重量(通常は、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液の数倍~数十倍)に合わせて、測定時の粒子状吸水剤の重量は、適宜減量すればよい。
 また、本発明では、粒子状吸水剤に代えて造粒剤についても、同様の試験方法により測定される値を無加圧下純水吸収倍率という。
(h)「加圧下純水吸収倍率(AAPw)」
 本発明における「加圧下純水吸収倍率(AAPw)」とは、加圧下における粒子状吸水剤(0.900g)の吸水性能を示す指標であり、ERT442.2-02(AAP/Absorbency Against Pressure/加圧下吸収倍率)に準拠して、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に代えて純水を用いて測定した値(単位;[g/g])である。
 なお、本発明では、(1)2.07kPa・60分間、(2)2.07kPa・20時間、(3)4.8kPa・60分間の条件下で、加圧下純水吸収倍率を測定した。
 また、本発明では、粒子状吸水剤に代えて造粒剤についても、同様の試験方法により測定される値を加圧下純水吸収倍率という。
(i)「純水吸収速度(10分)」
 本発明における「純水吸収速度(10分)」とは、粒子状吸水剤の吸水性能を示す指標であり、上記加圧下純水吸収倍率(AAPw)の測定装置のうち、錘、ピストンを用いない無加圧下条件で、さらに10分間で測定した値(単位;「g/g」)である。
(j)重量平均粒子径(D50)
 本発明における「重量平均粒子径(D50)」とは、米国特許第5051259号明細書等に開示されているように、一定目開きのJIS標準篩で篩い分けした後、残留百分率Rを対数確率紙にプロットし、R=50重量%に相当する標準篩の粒子径のことをいう。
 また、本発明では、粒子状吸水剤に代えて造粒剤についても、同様の試験方法により測定される値を重量平均粒子径(D50)という。さらに、上記保水剤組成物の重量平均粒子径は、粒子状吸水剤の重量平均粒子径と造粒剤の重量平均粒子径とを加重平均した値をさす。
(k)粒度分布の対数標準偏差(σζ)
 本発明における「粒度分布の対数標準偏差(σζ)」とは、下記の式にしたがって算出される値をいい、σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
 σζ = 0.5 × ln(X2/X1)
 ここで、X1およびX2は、上記(j)重量平均粒子径(D50)と同様の操作を行った後、残留百分率Rを対数確率紙にプロットし、R=84.1重量%(X1)、R=15.9重量%(X2)に相当する標準篩の粒子径をさす。
(l)「水可溶分」
 本発明における「水可溶分」とは、粒子状吸水剤の性能を示す指標であり、通常、ERT470.2-02(Extractables)に準拠して、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を用いて測定する値(単位;[重量%])である。
 ただし、本発明の粒子状吸水剤は酸基を有しないノニオン性ポリマーを含むため、pH滴定(ERT470.2-2002)を行えず、適宜、重量法(実施例で規定する)で測定する。
(m)「残存モノマー」
 本発明における「残存モノマー」とは、粒子状吸水剤中に残存しているモノマー成分の含有量をいい、ERT410.2-02(Residual Monomers)に準じて、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を用いて測定した値(単位;[重量ppm])である。なお、本発明では、未反応のアクリル酸および/またはその塩が、残存モノマーに該当する。
(n)「その他」
 本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、「X以上、Y以下」であることを意味する。また、重量の単位である「t(トン)」は、「Metoric ton(メトリック トン)であることを意味する。
〔2〕植物育成用粒子状吸水剤
 本発明における植物育成用粒子状吸水剤は、以下の物性を有するポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分(50モル%以上)とすることが好ましく、70モル%以上とすることがより好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、実質100モル%であることが好ましい。すなわち、植物育成用粒子状吸水剤が所望の物性を有する範囲内で、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂と同一であるとする。
(2-1)無加圧下純水吸収倍率(GVw)
 本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)は、20~1000[g/g]が好ましく、50~1000[g/g]がより好ましく、60~1000[g/g]がさらに好ましく、80~1000[g/g]が特に好ましく、100~1000[g/g]が最も好ましい。ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が上記範囲内となることで、植物の生育に必要な水分を供給できるとともに、土中等の加圧下においても充分に水分を保持することができる。なお、上限値は1000[g/g]であるが、本発明ではより好ましい上限値は、従来の無加圧下純水吸収倍率(GVw)の上限値より低い値となる。すなわち、上記無加圧下純水吸水倍率(GVw)の上限値としては、500[g/g]以下が好ましく、300[g/g]以下がより好ましく、200[g/g]以下がさらに好ましく、150[g/g]以下が特に好ましい。下限値は上述したように、20[g/g]以上が好ましく、50[g/g]以上がより好ましく、60[g/g]以上がさらに好ましく、80[g/g]以上が特に好ましく、100[g/g]以上が最も好ましい。
 従来、吸水性樹脂では、高倍率の無加圧下純水吸収倍率が求められていたが、本発明では、従来の市販品や上記特許文献1~19等の公知の吸水性樹脂に比して低いことが好ましい。このような低無加圧下純水吸収倍率によって、特に200[g/g]以下の場合に、より好適な植物育成用粒子状吸水剤が得られることが見出された。
 (2-2)加圧下純水吸収倍率(AAPw)
 本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の加圧下純水吸収倍率(AAPw)は、測定条件によってその好ましい範囲が異なる。具体的には、(1)2.07kPa・60分間の加圧下純水吸収倍率は、灌水効率や土壌中での水分保持量等の観点から、60~200[g/g]が好ましく、80~200[g/g]がより好ましく、100~200[g/g]がさらに好ましい。
 また、(2)2.07kPa・20時間の加圧下純水吸収倍率は、植物育成の観点から、60[g/g]以上が好ましく、80[g/g]以上がより好ましく、100[g/g]以上がさらに好ましい。
 さらに、(3)4.8kPa・60分間の加圧下純水吸収倍率は、植物育成、得られる保水剤やコーティング剤の性能向上、低コストで安定的な生産等の観点から、15[g/g]以上が好ましく、22[g/g]以上がより好ましく、24[g/g]以上がさらに好ましく、26[g/g]以上が特に好ましい。また上限としては、35[g/g]以下が好ましい。
 なお、上記2.07kPaの加圧は、嵩比重が1.5[g/cm3]の土壌において深さ約14cmの位置で受ける圧力に相当する。
(2-3)純水吸収速度(10分)
 本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の純水吸収速度(10分)は、通常、20~500[g/g]であり、30~500[g/g]が好ましく、50~500[g/g]がより好ましく、70~500[g/g]がさらに好ましく、100~500[g/g]が特に好ましい。ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の純水吸収速度(10分)が20[g/g]を下回る場合、所望の保持水量が確保されず灌水頻度が高くなり効率が悪くなる。また、上記純水吸収速度(10分)が500[g/g]を超える場合、製造コストが高くなり不利となる。
(2-4)重量平均粒子径(D50)
 本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)は、該ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を上記植物育成用保水剤として用いる場合は、200~2000μmが好ましく、300~2000μmがより好ましく、500~2000μmがさらに好ましく、600~2000μmが特に好ましく、700~2000μmが最も好ましい。上記重量平均粒子径(D50)が200μm未満の場合、植物育成用保水剤の表面積が大きいため水分の蒸散が速くなり、植物に充分な水分を供給することができない。また、上記重量平均粒子径(D50)が2000μmを超える場合、吸収速度が低下し灌水効率が悪くなるため、取扱性に問題が生じる。
 なお、上記重量平均粒子径(D50)の上限値は2000μm以下であるが、上記範囲内でさらに1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下がさらに好ましい。すなわち、本発明では従来の吸水性樹脂よりも粗く制御することにより、好適な植物育成用保水剤が得られることを見出した。
 また、上記ポリアクリル酸(塩)吸水性樹脂を上記植物種子コーティング剤として用いる場合、該ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)は、300~1000μmが好ましく、300~900μmがより好ましく、350~800μmがさらに好ましい。上記重量平均粒子径(D50)が300μm未満の場合、植物種子コーティング剤が吸水した際、植物種子の表面をすき間なく覆い空気を遮断してしまうため、植物種子が窒息するおそれがある。また、上記重量平均粒子径(D50)が1000μmを超える場合、植物種子との付着面積が小さくなり、種子表面から吸水性樹脂が剥がれやすくなるおそれがある。
(2-5)粒子径および粒度分布の対数標準偏差(σζ)
 本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の粒子径は、特に限定されず、その用途によって適宜選択することができる。例えば、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を上記植物育成用粒子状吸水剤として用いる場合、粒子径が150μm未満の吸水性樹脂の含有量は、吸水剤全体に対して、0~20重量%が好ましく、0~10重量%がより好ましく、0~5重量%がさらに好ましい。粒子径150μm未満の吸水性樹脂の含有量が20重量%を超えると、粒子状吸水剤から溶出される水可溶分が増加し、植物の成長を阻害するおそれがある。すなわち、本発明では、従来の吸水性樹脂より微粉(150μm未満)が植物の成長を阻害することが見出された。
 また、粒子径が850μmを超える吸水性樹脂の含有量は、吸水剤全体に対して、10重量%以上80重量%未満が好ましく、15重量%以上80重量%未満がより好ましく、20重量%以上80重量%未満がさらに好ましく、25重量%以上60重量%未満が特に好ましい。粒子径850μm以上の吸水性樹脂の含有量が上記範囲内となることで、粒子状吸水剤が膨潤した場合でも閉塞することがなく、植物の呼吸を妨げることない。すなわち、本発明では従来の吸水性樹脂より粗く制御すること、特に粒子径が850μm以上の粒子を所望量含有することが好ましい。粒子径が850μm以上の粒子が多すぎる場合、吸収速度が低下するため好ましくない。また、粒子径が850μm以上の粒子が少ない場合、加圧下純水吸収倍率が低下するため好ましくない。
 また、本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の粒度分布(標準篩分級で規定)は、300~3000μmの範囲が好ましく、300~1400μmの範囲がより好ましく、該範囲を主成分(50重量%以上)とすることが好ましく、70重量%以上とすることがより好ましく、80重量%以上がさらに好ましい。
 さらに、本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の粒度分布の対数標準偏差(σζ)は、0.3~2.0が好ましく、0.5~1.5がより好ましく、0.6~1.5がさらに好ましく、0.7~1.0が特に好ましい。粒度分布の対数標準偏差(σζ)が上記範囲内となることで、土壌中の土、水分、空気の三相分布が良好となり、土壌の保水量および空気量を増大させ、土壌中での目詰まりや止水層の形成を抑えることができる。本発明では、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が上記範囲内、好ましくは粗く粒度される。したがって、重合後や乾燥後の粉砕を制御し、さらに分級を制御することで、上記粒度とすればよい。
(2-6)水可溶分
 本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の水可溶分は、0~25重量%が好ましく、以下、0~20重量%、0~15重量%、0~10重量%、0~7重量%、0~5重量%の順に好ましく、0~3重量%が最も好ましい。水可溶分が上記範囲内となることで、未架橋の水溶性高分子(ポリアクリル酸(塩))が植物体の生存環境に溶出することがない。すなわち、本発明では、未架橋の水溶性高分子が植物の成長を阻害することが見出された。
 また、本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の溶出可溶分は、0~0.5重量%が好ましく、0~0.3重量%がより好ましく、0~0.1重量%がさらに好ましく、0~0.005重量%が特に好ましい。該溶出可溶分は、特定の飽和吸収倍率を持つ粒子状吸水剤が、24時間、25℃の密閉状態で放置されたときに、この粒子状吸水剤から溶出する可溶分量のことをいう。
 本発明では、上記範囲内、好ましくは低く制御されるがそのために、重合時の架橋剤量を制御することで上記可溶分とすればよい。
(2-7)残存モノマー
 本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の残存モノマーは、500重量ppm以下が好ましく、以下、400重量ppm以下、300重量ppm以下、250重量ppm以下、200重量ppm以下、150重量ppm以下、の順に好ましく、100重量ppm以下が最も好ましい。残存モノマーが上記範囲内となることで、吸水時の異臭発生を抑制することができ、また、製造作業者の健康被害を抑制することができる。すなわち、本発明では、残存モノマー(アクリル酸)が植物の成長を阻害することが見出された。本発明では上記範囲内、好ましくは低く制御されるが、そのために、重合時または重合後にアクリル酸の沸点(143℃)以上に加熱、好ましくは150~200℃に加熱して残存モノマーの少なくとも一部を揮発させればよい。さらに好ましくは、重合後に無機還元剤、特に亜硫酸(水素)塩を添加、特に0.001~1重量部(対重合体)添加すればよく、残存モノマーはより効果的に低減できる。
〔3〕植物育成用粒子状吸水剤の製造方法
 本発明の実施形態にかかる粒子状吸水剤としては、ポリアスパラギン酸架橋体、γ-グルタミン酸架橋体等のポリアミド型吸水性樹脂;CMC架橋体等の天然物吸水性樹脂等が例示されるが、吸水性能の観点から、不飽和単量体を重合して得られる内部架橋構造を有する吸水性樹脂が好ましい。
 さらに吸水性樹脂の表面または表面近傍に、有機二次架橋構造を有していてもよい。このような吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸部分中和物の重合体、デンプン-アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン-アクリル酸グラフト重合体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体の鹸化物又はその架橋体、アクリロニトリル共重合体またはアクリルアミド共重合体の加水分解物の架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、および架橋イソブチレン-無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの吸水性樹脂は、単独または2種以上の混合物の形態で用いられる。
 これらの中でも、アクリル酸および/またはその塩(中和物)を主成分とする単量体から得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂(以下、単に「吸水性樹脂」と称することもある)が最も好ましい。
 上述したように本発明の植物育成用粒子状吸水剤は、2.07kPa、60分間の加圧下純水吸収倍率(AAPw)が60~200[g/g]であるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤である。さらに、粒子径が850μmを超える粒子状吸水剤が10重量%以上80重量%未満であり、また、重量平均粒子径(篩分級で規定)が200~2000μmであり、水可溶分が0~25重量%であり、残存モノマーが500重量ppm以下であり、粒度分布の対数標準偏差が0.3~2.0であり、無加圧下純水吸収倍率が20~1000[g/g]であり、さらに200[g/g]以下の植物育成用粒子状吸水剤である。すなわち、本発明の植物育成用粒子状吸水剤は、2.07kPa、60分間の加圧下純水吸収倍率(AAPw)を一定範囲とすることに特徴があり、また、植物育成のため、好ましくは従来より粗い粒度分布で、低吸収倍率に特徴がある。さらに、一定以下の水可溶分や残存モノマーに特徴がある。
 このような植物育成用粒子状吸水剤の製造方法の一例を下記に記載するが、本発明はこれに限定されない。すなわち、2.07kPa、60分間の加圧下純水吸収倍率(AAPw)を一定範囲とするために、アクリル酸(塩)水溶液を架橋重合する工程、得られた含水ゲル状架橋重合体を乾燥する工程、得られた乾燥重合体を粉砕および分級する工程を含む植物育成用粒子状吸水剤であって、無加圧下純水吸収倍率が20~1000[g/g]となるように架橋重合し、かつ、850μm以上の粗粒子が10重量%以上80重量%未満となるように粉砕および分級する製造方法を提供する。かかる製造方法において、さらに粒度を粗く、また、無加圧下純水吸収倍率を低くすることが好ましく、重量平均粒子径が500~2000μmとなるように粉砕および分級し、粒度分布の対数標準偏差が0.3~2.0であり、残存モノマーを低減するために、アクリル酸の沸点以上で重合中または重合後に加熱処理して、アクリル酸のすくなくとも一部を揮発させる。
 以下、上記製造方法およびその他の製造方法について述べる。
(3-1)重合工程
 <不飽和単量体>
 本発明にかかる粒子状吸水剤は、主原料(不飽和単量体)として、アクリル酸および/またはその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)の水溶液を使用する。該水溶液は、アクリル酸(塩)を単量体の主成分(50~100モル%が好ましく、70~100モル%がより好ましく、90~100モル%がさらに好ましく、実質100モル%)として含む。
 また、重合により得られる含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」と称することもある)は、吸水性能の観点から、重合体の酸基の少なくとも一部が中和されていることが好ましい。このようなアクリル酸の部分中和塩としては、特に限定されないが、得られる植物育成用粒子状吸水剤としての機能、工業的入手性、および安全性等の観点から、中和の主成分がアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、必要によりカルシウム塩の併用がさらに好ましい。
 したがって、不飽和単量体としてのアクリル酸、または、重合後の重合体の中和反応に用いられる塩基性物質としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物や、炭酸(水素)ナトリウム、炭酸(水素)カリウム等の炭酸(水素)塩等の塩基性物質が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
 上記中和反応は、重合前の不飽和単量体(アクリル酸)に行ってもよく、または、重合後の重合体(含水ゲル)に行ってもよいが、生産性や加圧下純水吸収倍率(AAPw)の向上等の観点から、中和された単量体を使用することが好ましい。すなわち、アクリル酸の部分中和塩を単量体として使用することが好ましい。
 上記中和反応の中和率は、特に限定されないが、10~100モル%が好ましく、30~95モル%がより好ましく、50~90モル%がさらに好ましく、60~80モル%が特に好ましい。また、中和時の温度(中和温度)としては、特に限定されないが、10~100℃が好ましく、30~90℃がより好ましい。その他、中和処理条件等の好ましい範囲は、欧州特許第574260号明細書に開示されており、これらの条件も本発明に適用され得る。また、必要により、アクリル酸(塩)の使用量に対して0~50モル%の多価金属塩やカルシウム塩が中和反応で併用される。
 また、本発明においては、アクリル酸(塩)以外の親水性または疎水性の不飽和単量体(以下、「他の単量体」と称する)を併用してもよい。他の単量体としては、特に限定されないが、例えば、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソブチレン、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートやそれらの塩等が挙げられる。他の単量体を併用する場合、その使用量としては、アクリル酸(塩)の使用量に対して、0~50モル%が好ましく、0~30モル%がより好ましく、0~10モル%がさらに好ましく、0~5モル%が特に好ましい。他の単量体使用量を上記範囲内とすることで、粒子状吸水剤の植物成長促進効果や吸水性能の向上に加えて、抗菌性等の別の機能を付与でき、さらに安価で生産することができる。
 <架橋性単量体(内部架橋剤)>
 本発明にかかる粒子状吸水剤は、必須に架橋構造を有するが、架橋性単量体を有しない自己架橋型であってもよいし、1分子内に2個以上の重合性不飽和基や2個以上の反応性基を有する架橋性単量体(以下、「内部架橋剤」と称する)を共重合あるいは反応させたものであってもよい。
 上記内部架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリオキシエチレン)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(β-アクリロイルオキシプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ(β-アクロイルオキシプロピオネート)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン等の分子内に重合性二重結合を少なくとも2個有する化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル類化合物;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のポリオール類化合物等、カルボキシル基と反応して共有結合を形成しえる化合物が挙げられる。これらの中から、反応性を考慮して1種または2種以上の内部架橋剤が用いられ、さらに、得られる粒子状吸水剤の吸収倍率を考慮して2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を重合時に必須に用いることが好ましい。
 上記内部架橋剤の使用量は、上記単量体の使用量に対して、0.001~5モル%が好ましく、0.005~1モル%がより好ましく、0.01~0.5モル%がさらに好ましく、0.02~0.3モル%が特に好ましい。内部架橋剤の使用量が0.001モル%未満の場合、重合ゲルの強度が低下し水可溶分が増加する傾向にあるため、好ましくない。また、内部架橋剤の使用量が5モル%を超える場合、吸水性能が低下する傾向にあるため、好ましくない。本発明の好ましい製造方法では、無加圧下純水吸収倍率(GVw)が従来より低く制御されるが、所望の無加圧下吸収倍率(GVw)を得るには上記内部架橋剤の使用量を増加すればよい。これら内部架橋剤の増量による無加圧下純水吸収倍率(GVw)を低く制御することは適宜実施できる。
 なお、内部架橋剤の添加は、特に限定されず、反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよい。さらに架橋構造を重合体内部に導入する場合、内部架橋剤を単量体の重合前、重合中、重合後、あるいは中和後のいずれかの時点で添加すればよい。
 <重合開始剤>
 本発明にかかる粒子状吸水剤は、上記単量体を重合することで得られ、その重合開始剤として、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、t-ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸等の熱分解型重合開始剤や、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン等の光分解型重合開始剤が挙げられる。
 また、これらのラジカル重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用し、レドックス系重合開始剤とすることもできる。還元剤としては、特に限定されないが、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等の亜硫酸塩化合物;亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等の亜硫酸水素塩化合物;ピロ亜硫酸(塩)、L-アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、亜リン酸(塩)アミノ酸等が挙げられる。
 これら重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、得られる粒子状吸水剤の物性等の観点から、全単量体の使用量に対して、0.001~2重量%が好ましく、0.01~0.5重量%がより好ましい。重合開始剤の使用量が0.001重量%未満の場合、未反応の単量体成分が増加し、得られる粒子状吸水剤の残存モノマーが増加するため、好ましくない。また、重合開始剤の使用量が2重量%を超える場合、重合制御が困難となるため、好ましくない。本発明の好ましい製造方法では、残存モノマーを従来より低く制御するために、適宜、重合開始剤の使用量を増加すればよい。
 また、上記単量体の重合は、上記重合開始剤の添加によって開始されるが、重合開始剤の代わりに、放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射してもよく、重合開始剤と活性エネルギー線を併用してもよい。
 <重合方法>
 本発明にかかる粒子状吸水剤の重合方法としては、特に限定されないが、例えば、バルク重合、沈殿重合、水溶液重合、逆相懸濁重合等を挙げることができる。これらの中でも、粒子状吸水剤の吸水性能および重合制御の容易性等の観点から、上記単量体を水溶液とする水溶液重合や逆相懸濁重合が好ましく、連続水溶液重合がより好ましい。本発明の好ましい製造方法では、粒度が従来より粗く制御されるため、所望する粗粒度の吸水剤を得るには水溶液重合が好ましい。逆相懸濁重合や沈殿重合では、得られる粒子状吸水剤の粒度が細かく、また、有機溶媒が残存するため、植物の育成に悪影響を与える恐れがある。したがって、所望する粗粒度の吸水剤を得るために、好ましい連続重合として、ニーダー型重合機で行われる連続ニーダー重合(例えば、米国特許第6987151号および同第670141号)や、ベルト型重合機で行われる連続ベルト重合(例えば、米国特許第4893999号、同第6241928号、および米国特許出願公開第2005/215734号)等が挙げられる。さらに、吸水速度の観点から、連続重合として高温開始重合(単量体の重合開始温度が、30℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましく、50℃以上が特に好ましく、上限は沸点が好ましい)や、高濃度重合(単量体濃度が、30重量%以上が好ましく、35重量%以上がより好ましく、40重量%以上がさらに好ましく、45重量%以上が特に好ましく、上限は飽和濃度が好ましい)が、好ましい重合の一例として挙げられる。上記高温開始重合の好適な一例として、米国特許第6906159号および同第7091253号等に例示されている。
 なお、水溶液重合とは、分散溶媒を用いることなく単量体水溶液を重合させる方法であり、例えば、米国特許第4625001号、同第4873299号、同第4286082号、同第4973632号、同第4985518号、同第5124416号、同第5250640号、同第5264495号、同第5145906号、同第5380808号等の米国特許や、欧州特許第0811636号、同第0955086号、同第0922717号、同第1178059号等の欧州特許に開示されている。また、逆相懸濁重合とは、単量体水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁させて重合させる方法であり、例えば、米国特許第4093776号、同第4367323号、同第4446261号、同第4683274号、同第5244735号等の米国特許に開示されている。これらの特許文献に記載されている単量体、内部架橋剤、重合開始剤、およびその他添加剤についても、本発明において使用することができる。
 本発明において、水溶液重合あるいは逆相懸濁重合を行う場合、単量体の水溶液濃度としては、特に限定されないが、10~80重量%が好ましく、20~60重量%がより好ましい。水溶液重合を行う場合には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよい。併用される溶媒の種類は特に限定されない。また、重合開始時の温度としては、使用する重合開始剤の種類等の条件にもよるが、15~130℃が好ましく、20~120℃がより好ましい。重合開始時の温度が上記範囲を外れると、得られる粒子状吸水剤中の残存モノマーの増加や、自己架橋反応が過度に進行し得られる吸水剤の吸水性能が低下するおそれがあるため、好ましくない。重合時間についても、特に限定されず、不飽和単量体および重合開始剤の種類、重合温度等の条件に応じて、適宜決定すればよい。
 また、必要に応じて、不飽和単量体に、炭酸(水素)塩、二酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒等の発泡剤;澱粉・セルロース、澱粉・セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;界面活性剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤等を、本発明の効果を損なわない範囲(例えば、不飽和単量体100重量部に対して、発泡剤は30重量部以下、親水性高分子は30重量部以下、界面活性剤は30重量部以下、連鎖移動剤は1重量部以下)内で適宜添加することもできる。
 以上の重合工程において、含水ゲル状架橋重合体が得られる。
(3-2)ゲル細粒化工程
 上記重合工程で得られた含水ゲル状架橋重合体(含水ゲル)は、そのまま乾燥してもよいが、必要により、重合時又は重合後にゲル解砕機(例えば、ニーダー、ミートチョパー)等を用いて細断(細分化)された後、乾燥する。含水ゲルを細断する場合、その形状は、特に限定されないが、例えば、顆粒状、粉末状、フレーク状、繊維状等、任意の形状に細断することができる。
 上記細断方法として種々の方法で行われるが、例えば、任意形状の多孔構造を有するスクリュー型押出機を用いて細断する方法が例示される。
 ゲル解砕時の含水ゲルの温度は、物性の面から、40~95℃が好ましく、50~80℃がより好ましい。含水ゲルの樹脂固形分は、特に限定されないが、物性の面から、10~70重量%が好ましく、15~65重量%がより好ましく、30~55重量%がさらに好ましい。上記含水ゲルに、水や、多価アルコール、水と多価アルコールの混合液、水に多価金属を溶解した溶液、あるいはこれらの蒸気等を添加しても良い。
 上記ゲル解砕後の粒子状含水ゲルの重量平均粒子径は、粗く制御する。具体的には、0.2~10mmが好ましく、0.3~5mmがより好ましく、0.5~3mmがさらに好ましい。また、粒子状含水ゲルの粒子径が5mm以上の粒子は、全体の0~10重量%が好ましく、0~5重量%がより好ましい。粒子状含水ゲルの重量平均粒子径が、上記範囲内であれば、最終的な粒子状吸水剤の粒度を粗く制御でき、所望の加圧下純水吸収倍率(AAPw)とすることができる上に、乾燥が効率的に行われるため好ましい。なお、含水ゲル状架橋重合体の粒子径は、重合時のゲル粉砕(上記ニーダーの回転数)や重合後のゲル粉砕(ミートチョッパーの多孔板の口径)等で適宜制御することができる。
 ここで、粒子状含水ゲルの粒子径は、粉砕工程後の吸水性樹脂の粒子径と同様に、特定の目開きの篩で分級することによって求められる。また、粒子状含水ゲルの重量平均粒子径についても、後述の重量平均粒子径(D50)と同様にして求められる。ただし、上記粒子状含水ゲルの分級操作は、乾式では困難なため、特開2000-63527号公報の段落〔0091〕に記載の湿式の分級方法を用いて測定する。
(3-3)乾燥工程
 上記重合工程あるいはゲル細粒化工程で得られた含水ゲル状架橋重合体は、乾燥工程において、所望する樹脂固形分量まで乾燥され、乾燥重合体が得られる。乾燥工程における乾燥方法は、特に限定されないが、例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸による脱水乾燥、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等が挙げられる。これらの中でも、露点が40~100℃、より好ましくは50~90℃の気体と接触させる熱風乾燥が好ましい。
 また、乾燥工程で使用されうる乾燥装置としては、特に限定されないが、例えば、伝導伝熱型乾燥機、輻射伝熱型乾燥機、熱風伝導型乾燥機、誘電加熱乾燥機等が挙げられる。乾燥効率の観点から、熱風伝導型乾燥機が好ましく、通気バンド式、通気回路式、通気竪型式、平行流バンド式、通気トンネル式、通気溝型攪拌式、流動層式、気流式、噴霧式等の熱風型乾燥装置が挙げられる。これらの中でも、粒子状吸水剤の物性制御が容易であるという観点から、バンド式が好ましい。
 乾燥温度としては、50~300℃が好ましく、100~250℃がより好ましく、150~200℃がさらに好ましい。なお、乾燥温度が100℃以下の場合には、減圧下で行うことが好ましい。また、乾燥時間としては、特に限定されないが、得られる粒子状吸水剤の固形分率(粒子状吸水剤1gを180℃で3時間静置乾燥して得られる乾燥減量)が所望する値となる時間であればよく、含水ゲルの粒子径、乾燥温度、風量等の乾燥条件や生産効率等の観点から、2時間以内とすることが好ましい。なお、上記固形分率は、吸水性能および取扱性の観点から90重量%以上であることが好ましい。また、残存モノマー量の観点から、アクリル酸の沸点以上に、重合中または重合後に加熱処理してアクリル酸の少なくとも一部を揮発させることが好ましい。この場合の加熱温度としては、150~200℃が好ましく、170~200℃がより好ましい。加熱温度を上記範囲内とすることで残存モノマーが揮発し、目的の残存モノマーとすることができる。
(3-4)粉砕/分級工程
 上記乾燥工程で得られた粒子状吸水剤は、さらにその目的に応じ、必要により粒径を制御するため、粉砕/分級工程を経てもよい。これらの方法は、例えば、国際公開特許第2004/69915号に開示されている。
 用いられる粉砕機としては、ロールミル、ハンマーミル、ロールグラニュレーター、ジョークラッシャー、ジャイクトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、カッターミル等、従来から知られている粉砕機を使用することができる。吸水性樹脂の篩分級方法は、例えば、米国特許第6164455号、国際公開第2006/074816号、同第2008/03672号、同第2008/037673号、同第2008/03675号、同第2008/123477号等に例示される。
 好ましい粒度は上記範囲であり、粉砕および分級を適宜制御することで、上記の重量平均粒子径(D50)、粒子径、粒度分布およびその対数標準偏差(σζ)とされる。かかる粒子、特に粗い粒子とすることで、本発明の粒子状吸水剤が得られる。
 すなわち、粉砕および分級後の粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)は、200~2000μmが好ましく、300~2000μmがより好ましく、500~2000μmがさらに好ましく、600~2000μmが特に好ましく、700~2000μmがもっとも好ましい。上限は2000μm以下であるが、上記範囲内で、さらに1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μmがさらに好ましい。また、粒子径が150μm未満の吸水剤の含有量は、吸水剤全体に対して、0~20重量%が好ましく、0~10重量%がより好ましく、0~5重量%がさらに好ましい。また、粒子径が850μmを超える吸水剤(粗粒子)の含有量は、吸水剤全体に対して、10重量%以上80重量%未満が好ましく、15重量%以上80重量%未満がより好ましく、20重量%以上80重量%未満がさらに好ましく、25重量%以上60重量%未満が特に好ましい。好適な粒度分布(標準ふるい分級で規定)は、300~3000μmが好ましく、300~1400μmがより好ましく、主成分(50重量%以上)、特に70重量%以上、さらには80重量%とすることが好ましい。
(3-5)その他の工程
 上記以外に、必要により、表面架橋工程、造粒工程、微粉除去工程、微粉リサイクル工程等を設けてもよい。また、多価金属化合物を含んでもよい。
〔4〕植物育成用保水剤およびこれを用いた植物の育成方法
 本発明の植物育成用粒子状吸水剤は、植物育成用の保水剤として用いることができる。以下、植物育成用保水剤(以下、単に「保水剤」と称する)およびこれを用いた植物の育成方法について、説明する。
(4-1)植物育成用保水剤
 上記保水剤は、上述したように、主要構成物質として、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂からなるが、所望の吸水性能が得られる範囲内において、吸水性樹脂の改良操作は任意である。したがって、上記保水剤の吸水性樹脂含有量は50~100重量%が好ましく、80~100重量%がより好ましく、95~100重量%が特に好ましい。吸水性樹脂の含有量が50重量%未満の場合、無加圧下純水吸収倍率(GVw)のみならず、加圧下純水吸収倍率(AAPw)をも低下し、培地の空気量が減少するおそれがある。この場合、植物の育成効果が十分に得られない。
 上記保水剤は、〔3〕植物育成用粒子状吸水剤の製造方法に従って生産される。
 本発明の植物育成用保水剤12は、用途に応じ、任意成分として、さらに、消臭剤、抗菌剤、害虫および動物の忌避剤、農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤等)、植物活力剤、植物延命剤、植物ホルモン、キンコン菌、ミネラル、顔料、染料、増粘剤、粘着剤、塩類、pH調整剤、カオリン土、粘土、土壌等を含んでもよい。これらの任意成分の含有量は、保水剤12に対して、0~50重量%が好ましく、0~20重量%がより好ましく、0~1重量%がさらに好ましく、0~1重量%が特に好ましい。
 また、上記植物ホルモンとして、発根とカルス化を促進する2,4‐ジクロロフェノキシ酢酸、ナフタレン酢酸、インドール酢酸等のオーキシンや、芽の分化を促進するカイネチン、ゼアチン、インペンテニルアデニン、ベンジルアデニン等のサイトカイニン、茎や葉梢の成長を促すジベレリン、成長バランスの調節作用を有するアブシジン酸、開花や果実の成熟を促すエチレン等が挙げられる。これらの植物ホルモンは、育成対象の植物によって、必要とする種類、量が異なり、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 さらに、乳酸、酢酸、木酢等の抗菌作用を示すものや抗菌剤は、上記保水剤12に含有させておくことが好ましい。これらの添加量は、保水剤12に対して、0~50重量%が好ましく、0~20重量%がより好ましく、0~5重量%がさらに好ましく、0~1重量%が特に好ましい。
(4-2)植物育成用保水剤を用いた植物の育成方法
 次に、上記保水剤を用いた植物の育成方法について説明する。
 図1は、本発明の実施形態にかかる植物の育成方法を示す概略図である。図示したように、苗木2が培地4に植栽されている。苗木2の幹6から根8が伸び、苗木2の成長とともに、根8は地中深くに成長していく。また、実線LAは、この培地4に含まれる保水剤12のうち、最も深い位置(最深位置)に存在している保水剤12の位置を示し、両矢印線DAは、地表からこの最深位置にある保水剤12までの鉛直方向の深さを表している。
 図2は、図1の培地4の一部(図1の領域P)を示した概略図である。図示したように、培地4には土壌10と保水剤12が含まれる。
 本発明の保水剤を用いた植物の育成方法は、(1)保水剤12を培地4に配置させる工程(配置工程)と、(2)苗木2を培地4に植栽する工程(植栽工程)とを含む。
(1)配置工程
 本発明の育成方法において、保水剤12の配置は、育成対象の植物種によって適宜決定でき、特に限定されないが、例えば、培地4に均一に分散するように配置してもよく、あるいは、培地4の特定領域にのみ配置するようにしてもよい。また、培地4の形成方法についても特に限定されない。例えば、大地を耕し、該大地を構成する土壌10に保水剤12を混合して培地4を形成してもよいし、大地に植穴を掘り、該植穴に土壌10と保水剤12との混合物を投入して培地4を形成してもよいし、上記植穴に保水剤12を配置した後、土壌10を投入・混合して培地4を形成してもよいし、根8の部分に予め保水剤12を付着させておいた苗木2を、上記植穴に植栽する際に土壌10と混合し培地4を形成してもよい。
 また、上記保水剤12の配合量は、培地4を形成するために使用した土壌10および下記の植物育成用担体の合計重量に対して、0.01~10重量%の範囲内で使用するのが好ましく、0.05~10重量%がより好ましく、0.08~5重量%がさらに好ましく、0.1~3重量%が特に好ましい。上記配合量が0.01重量%未満の場合、保水効果が十分でない場合がある。また、10重量%を超える場合、土壌10や地盤の強度が低下したり、乾燥時には土壌体積が減少したりする場合がある。なお、植栽時に苗木2に予め付着している土壌の重量は、上記合計重量に含まれない。
 本発明の育成方法では、上記培地4に、保水剤12の他に、必要により、植物育成用担体を配置することもできる。該植物育成用担体としては、特に限定されないが、例えば、砂礫、軽石、ゼオライト、バーミキュライト、パーライト、フィルトン、ピート、炭化物、薫炭、バーク、クリプトモス、ヤシガラ、ロックウール、スポンジ、水苔、ポリスチレンやポリウレタン等の合成樹脂発泡体およびその破砕物、パルプ等が挙げられる。これらの植物育成用担体は、単独あるいは2種以上を併用することができる。
 本発明の育成方法に用いられる保水剤12は、加圧下における吸水特性に優れるため、地中深くに埋設されても十分な保水効果を発揮し、培地の空気量の増大に寄与しうる。つまり、保水剤12が培地4中の土壌、水分および空気の三相分布を良好にし、培地4の保水量および空気量を増大させ、さらに培地での目詰まりおよび止水層の形成を抑えることができる。
(2)植栽工程
 本発明の育成方法において、苗木2を培地4に植栽する際、その植穴の深さDAは、苗木2の種類によって適宜決定すればよく特に限定されないが、0~50cmが好ましく、5~50cmがより好ましく、5~40cmがさらに好ましく、5~30cmが特に好ましく、5~20cmが最も好ましい。植穴の深さDAが50cmを超えるの場合、保水剤12の吸水性能が十分に発揮できず、培地4の保水性能および空気量が低下し、植物の育成を阻害するおそれがある。
〔5〕植物種子組成物
 本発明の植物育成用粒子状吸水剤は、植物種子組成物の構成物質のひとつとして用いることができる。以下、植物種子組成物を構成する物質について、説明する。
(5-1)植物の種子
 本発明において、用いられる植物種子としては、特に限定されるものではなく、地球上に存在する植物の種子が該当し、例えば、以下のものが挙げられる。
 米、とうもろこし、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、ハト麦、キビ、アワ、ヒエ等の穀物類;インゲン、うまい菜、エンドウ、カイラン、カブ、カボチャ、からし菜、カリフラワー、キャベツ、キュウリ、キンサイ、ケール、コールラビ、コウサイタイ、コマツナ、コラード、ゴボウ、サイシン、サヤエンドウ、サラダ菜、山東菜、シュンギク、スイートコーン、セルリー、ソバ、ソラマメ、タアサイ、体菜、高菜、タマネギ、ダイコン、チヂミナ、チマサンチュ、チンゲンサイ、ツケナ、豆苗、トマト、ナス、菜花、ニラ、ニンジン、ネギ、野沢菜、ハクサイ、パクチョイ、パセリ、広島菜、ビーツ、ビタミン菜、ふだんな、ブロッコリー、べかな、ホウレンソウ、ミズナ、ミツバ、レタス、小豆、大豆、リョクトウ、蕎麦等の野菜類;アンズ、リンゴ、梨、洋ナシ、ビワ、カリン、柿、無花果、ザクロ、ぶどう、みかん、オレンジ、グレープフルーツ、はっさく、パパイヤ、アボガド、マンゴー、ライチ等の果実類;アグロステンマ、アスター、アリッサム、アルメリア、アンドロサセ、F1ナチュレ系、エリシマム、オステオスペルマム、おだまき、カーネーション、かすみ草、カンパニュラ、ガザニア、金魚草、金盞花、ギリア、クラスペディア、クリサンセマム、コスミディウム、コスモス、ゴデチャ、サポナリア、シネラリア、パンジー、シレネ、スイートピー、スカビオサ、スティパ、ストック、セラスチウム、セリンセ、セントーレア、ダスティーミラー、チェイランサス、千鳥草、つりがね草、帝王貝細工、デージー、ディディスカス、ディモルフォセカ、デルフィニウム、トルコ桔梗、撫子、なでしこ、菜の花、ニーレンベルギア、ニゲラ、ネモフィラ、花げし、花菜、花菱草、葉牡丹、バーベナ、パンジー、ひまわり、姫金魚草、ビオラ、フェリシア、フロックス、ブプレウルム、ヘリオフィラ、ヘリクリサム、ベニジューム、ペンステモン、ポピー、松虫草、マリーゴールド、むぎ、矢車草、ユーストマ、夕霧草、リナリア、リビングストンデージー、リモニューム、ルドベキア、ルナリア、ルピナス、れんげ、ローダンセ、ローレンティア、ロナス、ロベリア、ワイルドフラワー、わすれな草、綿花等の花類;センダン、アカメガシワ、ノイバラ、ヌルデ、アキグミ、カラキグミ、チョウセンマツ、ポプラ、サジー、ヤマハゼ、ハゼノキ等の樹木類が挙げられる。これらの中でも、穀物類、野菜類、果物類、綿花等いわゆる商品作物の植物種子が好ましく、穀物類、綿花がより好ましく、綿花がさらに好ましい。
 また、本発明において、植物種子の大きさ(長辺部分の長さ)は、上記粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)より大きいものが好ましい。具体的には、植物種子の長辺部分の長さが、粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)の3~50倍が好ましく、3~40倍がより好ましく、3~30倍がさらに好ましい。植物種子の長辺部分の長さが3倍未満の場合、植物種子1粒あたりに付着するコーティング剤が少なくなるとともに、植物種子との接触面積が少なくなりコーティング剤が外れやすくなるため、好ましくない。また、植物種子の長辺部分の長さが50倍を超える場合、コーティング剤の付着作業性が低下することがあるため、好ましくない。
(5-2)造粒剤
 本発明の植物種子組成物は、造粒剤をさらに含むことができる。この植物種子組成物に、必要により用いられる造粒剤としては、粒子状吸水剤と植物種子以外であれば特に限定されないが、通常使用される無機物、有機物、さらには無機粒子または有機粒子、特に天然物無機粒子または有機粒子が挙げられる。これらの造粒剤は、好ましくは、水難溶性あるいは水不溶性の粒子が用いられる。水難溶性とは、水100gに対して0.01重量%未満の溶解度であることをいう。造粒剤の使用量は、用いられる造粒剤や粒子状吸水剤によって適宜決定されるが、通常、粒子状吸水剤に対して0~900重量%が好ましく、0~300重量%がより好ましい。
 本発明に用いられる造粒剤の具体例としては、珪藻土、シリカ、長石、タルク、ゼオライト、バーライト、バーミキュライト、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の無機物や、木屑、おが屑、ピートモス等の有機物が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。さらに上記に例示した物質は、入手が比較的容易であり、天然物由来のものが多く、地球環境にも優しい。
 上記造粒剤の重量平均粒子径(D50)としては、特に限定されないが、150~1000μmが好ましく、200~800μmがより好ましく、300~500μmがさらに好ましい。重量平均粒子径(D50)が150μm未満の場合、本発明のコーティング剤を植物種子に付着させる際、コーティング剤中の吸水剤が植物種子に付着しないおそれがあり、好ましくない。また、重量平均粒子径(D50)が1000μmを超える場合、造粒剤が植物種子に付着しないため、好ましくない。さらに、2種以上の造粒剤を併用する場合、それぞれの造粒剤の重量平均粒子径(D50)は、上記範囲内にあれば特に問題はないが、同程度の重量平均粒子径(D50)とすることが、植物種子への付着性の観点から好ましい。
 また、造粒剤の無加圧下純水吸収倍率(GVw)は、5.0[g/g]未満であることが好ましい。さらに、2.07kPa・60分間の加圧下純水吸収倍率(AAPw)は、5.0[g/g]未満であることが好ましい。上記造粒剤の無加圧下純水吸収倍率及び加圧下純水吸収倍率が5.0[g/g]以上である場合、周辺の吸水剤と共に、吸収した水分で植物種子を完全に覆ってしまい、種子が窒息状態に陥るため、好ましくない。さらに、2種以上の造粒剤を併用する場合であっても、それぞれの造粒剤が、上記に示した無加圧下純水吸収倍率および加圧下純水吸収倍率を有すればよい。
(5-3)結合剤
 本発明の植物種子組成物は、結合剤をさらに含む。本発明において、上記コーティング剤を植物種子の表面に付着する際、結合剤を用いる。該結合剤は、該コーティング剤を植物種子の表面に付着させることができれば、特に限定されないが、通常使用される有機物、無機物、特に液状物を挙げることができる。具体的には、でんぷん、ゼラチン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の有機物;赤土、火山灰、カオリン、クレー、粘土鉱物、ベントナイト、水等の無機物が挙げられる。これらの物質は、単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。通常、これらの物質は水溶液状態で用いられる。該水溶液の濃度としては0.01重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。
 これらの物質は、比較的容易に入手でき、また、植物や鉱物等を原料とする天然物由来のものや水溶性の高いものが多いため、取扱が簡便で安全性が高く、植物種子と上記コーティング剤との結合剤に適している。
 結合剤の使用量は、粒子状吸水剤、造粒剤、結合剤によって適宜決定されるが、通常、粒子状吸水剤に対して0.01~100重量%が好ましく、0.1~100重量%がより好ましい。
 特に有機物は、水溶液としたときの粘性が高くなるものが多く、コーティング剤の植物種子への付着が容易に行えるので好ましい。また、水溶性が高いものほど種子の表面に薄く均一に塗布することができるので、好ましい。さらに水のみを結合材として単体で用いることもできる。なお、上記「付着」とは、異なる二つの物質が接触したときに、互いの分子間の力によって接合することをいう。
 本発明においては、上記コーティング剤が植物種子の表面に物理的に接触して離れない状態を指し、該接触状態は、面接触でも点接触でもよい。また、播種の前後において、上記コーティング剤が植物種子の表面に接合していればよい。また、本発明における「個々の植物種子の表面」への付着とは、種子1粒毎の表面に上記コーティング剤が付着している状態で、かつ、コーティング剤が付着した粒子が1粒ずつで存在している状態をいう。また、コーティング剤が付着される表面の割合(%)は、植物種子の表面積に対して10~100%が好ましく、50~100%がより好ましく、60~100%がさらに好ましい。面積比の測定は、顕微鏡やビデオの画像処理で実施できる。
 さらに、上記「水溶性」とは、溶媒としての水に対する溶質となる物質の溶解する割合を示す指標であり、水100gに対する溶質の重量として示される。本発明における水溶性とは、一般的に水溶性と呼ばれるものであれば特に限定されないが、具体的には、溶媒である水に溶質が均一に分散して溶液となるものをいい、溶媒と溶質が別々に存在する場合と比較して溶液全体の自由エネルギーが小さくなり、安定した状態となるものをいう。なお、本発明においては、水100gに対して0.01g以上溶解する物質を「水溶性」とする。また、本発明においては上記水溶性結合剤に、水膨潤性水不溶性である粒子状吸水剤は含まれない。
(5-4)その他の添加剤
 また、上記植物種子組成物に、必要に応じて、肥料、殺虫剤、殺菌剤、抗菌剤、農薬、栄養剤、植物ホルモン剤等の補助成分を添加してもよい。これらの物質は、コーティング剤を構成する粒子状吸水剤100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。上記物質の添加により、植物種子組成物に、種々の機能が付与される。
(5-5)植物種子組成物の製造方法
 本発明における植物種子組成物の製造方法としては、当業者が行う一般的な方法で植物種子の表面に上記コーティング剤を付着できればよく、特に制限されない。
 例えば、上記結合剤の水溶液を、刷毛、スプレー等を用いて植物種子の表面に塗布した後、予めバットに広げておいた粒子状吸水剤と造粒剤との混合物からなるコーティング剤上にのせ、数回転がして接触させることで付着させることができる。また、上記コーティング剤に予め水分を加え、粘着質状にして植物種子と混合し、付着させることもできる。これらの方法により、個々の植物種子に、コーティング剤を付着させることができる。また、吸水剤として上記物性を満たす含水ゲルを使用して、含水ゲルを付着させ必要により乾燥させてもよい。
 本発明におけるコーティング剤の使用量は、粒子状吸水剤、造粒剤によって適宜決定されるが、通常、植物種子に対して1~10000重量%が好ましく、1~1000重量%がより好ましく、1~500重量%がさらに好ましい。
 本発明における植物種子組成物は、粒子状吸水剤または粒子状吸水剤と造粒剤との混合物からなるコーティング剤を、結合剤を用いて、植物種子の表面に付着させることで得られるが、植物に充分な呼吸と発芽しやすい環境を与えるという観点から、適度な空隙を設けて付着させることが好ましい。
 上記コーティング剤が粒子状吸水剤のみからなる場合、粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)は300μm以上であれば、膨潤した後も空隙が生じるため、好ましい。
 また、上記コーティング剤が、粒子状吸水剤および造粒剤とからなる場合、それらが交互に並んで付着させることで、適度な空隙を与えることができ、充分な呼吸と発芽しやすい環境を与えることができるため、好ましい。さらに、粒子状吸水剤の粒子径と造粒剤の粒子径とが同程度の大きさであることが好ましい。造粒剤の粒子径が吸水剤の粒子径より小さい場合、造粒剤が優先的に植物種子に付着し、吸水剤の付着を阻害するため、好ましくない。一方、造粒剤の粒子径が吸水剤の粒子径よりも大きい場合、造粒剤が植物種子表面に付着せず、空隙を与える効果がなくなるため、好ましくない。
 本発明において、植物種子の表面に付着した粒子状吸水剤と造粒剤との存在比率は、顕微鏡を用いて観察、測定することができる。粒子状吸水剤と造粒材との存在比率(吸水剤:造粒剤)は、重量比で10:90~100:0が好ましく、20:80~100:0がより好ましく、25:75~100:0がさらに好ましい。粒子状吸水剤と造粒剤との存在比率をこの範囲とすることで、植物種子の発芽に必要な水分を充分に供給するとともに、種子表面に適度な空隙を与えることができ、発芽するために重要な要素である種子の呼吸を充分に行えるようにする効果がある。
 以下、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、粒子状吸水剤等の物性測定は、特に注釈のない限り、温度:20~25℃(以下、単に「室温」あるいは「常温」と称することもある。)、相対湿度:40~50%の条件下で実施した。
(1)無加圧下純水吸収倍率(GVw)
 粒子状吸水剤0.02gを不織布製の袋(60mm×80mm)に均一に入れ、25℃に調温した500mLの純水(電気伝導度5μS/cm以下)に浸漬し、静置させた。24時間経過後、袋を引き上げ、遠心分離機にて水切り(250G/3分間)を行い、袋の重量W2[g]を測定した。同様の操作を、粒子状吸水剤を入れずに行い、そのときの袋の重量W1[g]を測定した。これらの重量W1及びW2から、次式にしたがって無加圧下純水吸収倍率[g/g]を求めた。なお、造粒剤の無加圧下純水吸収倍率(GVw)についても、上記粒子状吸水剤での測定方法に準じて測定した。
 GVw[g/g]=(W2-W1)/(粒子状吸水剤の重量)
(2)加圧下純水吸収倍率(AAPw)
 加圧下純水吸収倍率(AAPw)は、純水(電気伝導度5μS/cm以下)に対する加圧下での吸収倍率をいい、図3に示す装置を用いて測定する。
 図3に示した装置は、支持円筒100、金網101、ピストン103、錘104、ガラスフィルター106、ろ紙107、ペトリ皿105から構成されている。支持円筒は内径60mmのプラスチック製のパイプであり、その底部に400メッシュのステンレス製の金網が融着されている。この金網の上に粒子状吸水剤W3[g](通常、0.900g)102を、室温(20~25℃)、相対湿度50%RHの条件下で、均一に散布した。そして、この粒子状吸水剤の上に、ピストンと錘をこの順序で載置した。なお、ピストン及び錘の外径は支持円筒の内径より僅かに小さいため、支持円筒との間に隙間が生じず、かつ、ピストン及び錘が上下に摺動できるようになっている。
 この装置は、ピストン及び錘の重量を適宜調整することが可能であり、粒子状吸水剤に対して任意の荷重を均一に加えることができる。本願発明においては、粒子状吸水剤に対して、2.07kPaあるいは4.8kPaの荷重を均一に加えるように調整している。そして、このように構成した測定装置一式の重量W4[g]を測定した。
 次に、直径150mmのペトリ皿の内側に、直径90mmのガラスフィルター(株式会社相互理化学硝子製作所製、細孔直径:100~120μm)を置き、ペトリ皿内側に、20~25℃に調温した純水をガラスフィルター上面と同じレベルとなるように加えた。さらにその上に、直径90mmのろ紙(アドバンテック東洋株式会社製、商品名「JIS P 3801 No.2」;厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)1枚をのせ、ろ紙の表面全体が濡れるようにした後、過剰の純水を取り除いた。
 次に、上記測定装置一式を上記ろ紙上にのせ、(1)2.07kPa・60分間、(2)2.07kPa・20時間、および(3)4.8kPa・60分間の条件で、粒子状吸水剤に純水を吸収させた。所定時間の経過後、測定装置一式を持ち上げ、該測定装置一式の重量W5[g]を測定した。上記測定操作から得られた重量W3、重量W4、重量W5から、下記の式にしたがって加圧下純水吸収倍率[g/g]を算出した。
 AAPw[g/g]=(W5-W4)/W3
(3)吸収速度
 内径60mmのプラスチック支持円筒の底に、400メッシュ(目開き38μm)のステンレス製金網を融着させた測定セルを用意した。この測定セル中に、室温(20~25℃)、相対湿度50±5%の条件下で、粒子状吸水剤(重量W6[g])を厚さが均一となるように投入した。その後、測定セル装置一式の重量W7[g]を測定した。
 次いで、直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mmのガラスフィルター(株式会社相互理化学硝子製作所製、細孔直径100~120μm)を置き、脱イオン水(20~25℃)をガラスフィルターの上面と同じ高さになるように加え、上記測定セルを前記ガラスフィルターの上に載せ、粒子状吸水剤に脱イオン水を吸収させた。なお、吸水中は脱イオン水の液面が一定になるように脱イオン水が随時補充された。10分経過後、測定セル装置一式を引き上げ、重量W8[g]を測定した。下記数式により、吸収速度(脱イオン水中の10分間での吸収倍率)[g/g]を算出した。
 吸収速度(g/g)=(W8-W7)/W6
(4)重量平均粒子径(D50)
 粒子状吸水剤を、目開き5600μm、4750μm、4000μm、3350μm、2800μm、2360μm、2000μm、1700μm、1400μm、1000μm、850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μmのJIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、R=50重量%に相当する粒径を重量平均粒子径(D50)として読み取った。
 篩い分け方法としては、吸水性樹脂粒子10gを室温(20~25℃)、相対湿度50%RHの条件下で、上記JIS標準ふるい(The IIDA TESTING SIEVE:内径80mm)に仕込み、ロータップ型ふるい振盪機(株式会社飯田製作所製「ES-65型ふるい振盪機」:回転数230rpm、衝撃数130rpm)を用いて10分間振盪させ、分級を行った。なお、造粒剤の重量平均粒子径(D50)についても、上記粒子状吸水剤での測定方法に準じて測定した。
(5)水可溶分
 本発明に用いられる粒子状吸水剤は、酸基を有しないノニオン性ポリマーが含まれるため、水可溶分の測定方法のひとつであるpH滴定が不可である。そこで、本発明では、下記重量法を用いて測定した。
 まず、粒子状吸水剤0.5gを1000mlの純水に分散させる。16時間攪拌した後、16時間静置させ、上記サンプルから水可溶分を抽出する。得られた抽出液をろ紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社製;品名 JIS P 3801、No.2;厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を用いてろ過する。ろ液W9[g]をナス型フラスコに入れ、80℃のロータリーエバポレーターで全量濃縮した。濃縮後のろ液をアルミカップに入れ、180℃の無風オーブンで加熱した。3時間経過後、アルミカップに残存した固形分量W10[g]を測定し、下記の式にしたがって水可溶分[重量%]を算出した。
 水可溶分[重量%]=(W7)×(1000/(W6))/0.5×100
(6)残存モノマー
 容量250mlビーカーに、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlと、0.999~1.001gの粒子状吸水剤とを入れ、スターラーチップ(30mm×6mm)で攪拌した(攪拌速度;500±50rpm、温度;23±2℃、抽出時間;16時間)。上記攪拌後、膨潤ゲル化した粒子状吸水剤をろ別し、ろ液中のモノマー(アクリル酸)量を液体クロマトグラフィーにて定量した。
(7)造粒剤の付着率
 本発明の植物種子組成物に、食品添加物青色2号1gを純水1Lに溶解して作成した青色の水溶液をパスツールピペット1、2滴を滴下することで、植物種子の表面に付着した粒子状吸水剤を膨潤させた。
 膨潤前後の植物種子組成物の表面状態を、光学顕微鏡写真機で撮影し、青く膨潤しなかった部分を造粒剤が付着した箇所として、植物種子全体の面積に対する比率として、造粒材の付着率を求めた。
(8)発芽率〔1〕
 砂質土壌(千葉県木更津市祇園で採取した川砂)が入ったプラスチック製容器(寸法;幅50×奥行50×高さ50mm)を用意した。該容器1つにサンプル種子1粒を深さ20mmに埋め、人工気象器(日本医科器械製作所社製)中にて2週間育成させた。2週間経過後の発芽状態を目視で確認し、発芽率を求めた。なお、人工気象器の条件は以下の通りである。
 明期:25℃、16時間/暗期:18℃、8時間の交互運転。
 灌水:1日当たり、2.5mLで実施。
(9)発芽率〔2〕
 プラスチックシャーレにサンプル種子1粒を入れ、該種子の表面が乾かないように水をスプレーしながら、人工気象器(日本医科器械製作所社製)中にて2週間育成させた。2週間経過後の発芽状態を目視で確認し、発芽率を求めた。なお、人工気象器の条件は以下の通りである。
 明期:25℃、16時間/暗期:18℃、8時間の交互運転。
[植物育成用保水剤の評価]
〔実施例1〕
 アクリル酸を苛性ソーダで中和することにより、75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウム水溶液(1)4500g(単量体濃度39重量%)を得た。この水溶液(1)に、トリメチロールプロパントリアクリレート5.6gを溶解し反応液(1)とした。次に、この反応液(1)を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液(1)を供給し、該反応液(1)を30℃に保ちながら反応系を窒素ガス置換した。続いて、反応液(1)を攪拌しながら、過硫酸ナトリウム2.0gおよびL‐アスコルビン酸0.01gを水溶液で添加したところ、約1分後に重合が開始した。重合を開始して60分経過前に、含水ゲル状架橋重合体(1)を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体(1)は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(1)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、得られた乾燥物(1)を、3段ロールミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、粒子状吸水剤(a)を得た。この粒子状吸水剤(a)について、重量平均粒子径(D50)、目開き850μm篩い残率、目開き150μm篩い通過率、粒度分布、粒度分布の対数標準偏差(σζ)、2.07kPa加圧下純水吸水倍率、4.8kPa加圧下純水吸収倍率、無加圧下吸収倍率、吸収速度、水可溶分及び残存モノマーを測定した。その結果を、下記の表1に示す。
〔実施例2〕
 アクリル酸を苛性ソーダで中和することにより、71.3モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウム水溶液(2)4500g(単量体濃度39重量%)を得た。この水溶液(2)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数;8)5.0gを溶解し反応液(2)とした。次に、この反応液(2)を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液(2)を供給し、該反応液(2)を30℃に保ちながら反応系を窒素ガス置換した。続いて、反応液(2)を攪拌しながら、過硫酸ナトリウム2.26gおよびL‐アスコルビン酸0.03gを水溶液で添加したところ、約1分後に重合が開始した。重合を開始して60分経過前に、含水ゲル状架橋重合体(2)を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体(2)は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(2)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、粒子状吸水剤(b)を得た。この粒子状吸水剤(b)について、重量平均粒子径(D50)、目開き850μm篩い残率、目開き150μm篩い通過率、粒度分布、粒度分布の対数標準偏差(σζ)、2.07kPa加圧下純水吸水倍率、4.8kPa加圧下純水吸収倍率、無加圧下吸収倍率、吸収速度、水可溶分及び残存モノマーを測定した。その結果を、下記の表1に示す。
〔比較例1〕
 実施例1のトリメチロールプロパントリアクリレート5.6gを1.1gに変更する他は実施例1と同様の作業を実施し、含水ゲル状架橋重合体(3)を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体(3)は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(3)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、粒子状吸水剤(c)を得た。この粒子状吸水剤(c)について、重量平均粒子径(D50)、目開き850μm篩い残率、目開き150μm篩い通過率、粒度分布、粒度分布の対数標準偏差(σζ)、2.07kPa加圧下純水吸水倍率、4.8kPa加圧下純水吸収倍率、無加圧下吸収倍率、吸収速度、水可溶分及び残存モノマーを測定した。その結果を、下記の表1に示す。
〔実施例3〕
 底穴に見開き38μmの金網を備え付けたビニル樹脂製植木鉢(縦30cm、横30cm、高さ50cm)に実施例1で得た粒子状吸水剤(a)を0.05重量%の割合で混合した培養土(タキイ種苗(株)製、商品名「タキイ培養土」)を底からの高さ20cmまで投入し、次に苗木、培養土を投入した。表面の高さは、底から40cmであった。
 これに、灌水として水道水(姫路市)を、10日に1回の割合とし、灌水量は植木鉢の底穴から出てくるまで与えた。
 この操作を繰り返し、2カ月後の苗木の高さを測定したところ、48cmとなっており、18cm成長していた。
〔実施例4〕
 実施例3で使用した粒子状吸水剤(a)を粒子状吸水剤(b)に変更した以外は、実施例3と同様の操作を行った。6カ月後の苗木の高さを測定したところ、44cmとなっており、14cm成長していた。
〔比較例2〕
 実施例3で使用した粒子状吸水剤(a)を粒子状吸水剤(c)に変更した以外は、実施例3と同様の操作を行った。6カ月後の苗木の高さを測定したところ、35cmとなっており、5cm成長していた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示されるように、実施例は2.07kPa下での加圧下吸収倍率が大きい。実施例は、加圧下における吸収特性に優れる。この実施例によれば、苗木の発育状態が良好であることも確認された。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
[植物種子組成物の評価]
〔製造例1〕
 実施例1と同様の操作により、含水ゲル状架橋重合体(1)の乾燥物を得た。得られた乾燥物(1)を、振動ミルを用いて粉砕し、粒子状吸水剤(A)を得た。得られた粒子状吸水剤(A)の重量平均粒子径(D50)は622μm、無加圧下純水吸収倍率(GVw)は80[g/g]、加圧下純水吸収倍率(AAPw)は60[g/g]、水可溶分は7.5[重量%]であった。
〔製造例2〕
 容量1Lのガラス製三ツ口セパラブルフラスコに、N-ビニルアセトアミド200gと、N,N-ジアセチル-N,N-ビニル-1,4-ビスアミノメチルシクロヘキサン1.0g、及び水750gとを投入し、反応液(3)とした。
 次に、上記反応液(3)が入った三ツ口セパラブルフラスコに、窒素導入管、温度計保護管及び排気管をセットし、30℃の恒温槽に浸した後、該反応液(3)に窒素ガスを流量1L/分で30分間バブリングし、溶存酸素を除去した。引き続き、2,2-アゾビス(2-ジアミノプロパン)二塩酸塩0.8重量%水溶液50gを反応液(3)に添加した。添加後、該フラスコを断熱容器に入れ、窒素流量を0.1L/分に下げ静置した。16時間経過後、ゲル状の内容物を取り出し、ミキサーにて細分化した。細分化したゲル状内容物は、アセトンで脱水した後、105℃で5時間乾燥し、乾燥重合体(3)を得た。
 得られた乾燥重合体(3)を粉砕し、分級して48~100メッシュに整え、粒子状吸水剤(B)(ポリ(N-ビニルアセトアミド)の架橋体)を得た。得られた吸水剤(B)の重量平均粒子径(D50)は275μm、無加圧下純水吸収倍率(GVw)は48[g/g]、加圧下純水吸収倍率(AAPw)は40[g/g]、水可溶分は8.0[重量%]であった。
〔製造例3〕
 製造例1で得られた乾燥物(1)を、振動ミルを用いて粉砕した後、分級して48~100メッシュに整え、粒子状吸水剤(C)を得た。得られた吸水剤(C)の重量平均粒子径(D50)は280μm、無加圧下純水吸収倍率(GVw)は78[g/g]、加圧下純水吸収倍率(AAPw)は56[g/g]、水可溶分は8.0[重量%]であった。
〔実施例5〕
 製造例1で得られた粒子状吸水剤(A)のみからなる植物種子コーティング剤を用意した。
 次いで、綿花の種子に、結合剤として水溶性でんぷんのり(不易糊工業株式会社製;品番:FP200)を刷毛で全体に30%重量(対粒子状吸水剤重量)を塗布した後、バットに広げておいた上記コーティング剤の上に置き、3回程度転がして該コーティング剤を種子表面に150%重量(対種子重量)付着させた。その後、予め40℃に昇温した送風乾燥機内で8時間乾燥させ、コーティング剤を付着させた種子(a)を得た。
 種子(a)の珪藻土付着率は、上記(7)の「造粒材の付着率」にしたがって測定し、また、種子(a)の発芽率は、上記(8)の「発芽率〔1〕」にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
〔実施例6〕
 製造例1で得られた粒子状吸水剤(A)と珪藻土とを、重量比50:50で混合したコーティング剤を150%重量(対種子重量)使用した以外は、実施例5と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(b)を得た。種子(b)の珪藻土付着率は、上記(7)造粒材の付着率にしたがって測定し、また、種子(b)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
〔実施例7〕
 製造例1で得られた粒子状吸水剤(A)と実施例6で用いた珪藻土とを、重量比25:75で混合したコーティング剤を150%重量(対種子重量)(即ち、吸水剤:珪藻土=25:75(重量比))使用した以外は、実施例6と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(c)を得た。種子(c)の珪藻土付着率は、上記(7)造粒材の付着率にしたがって測定し、また、種子(c)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
〔比較例3〕
 コーティング剤を使用しなかった以外は、実施例5と同様の操作を行い、種子(d)を得た。種子(d)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
〔比較例4〕
 製造例2で得られた粒子状吸水剤(B)と実施例6で用いた珪藻土とを、重量比25:75で混合したコーティング剤150%重量(対種子重量)を使用した以外は、実施例6と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(e)を得た。種子(e)の珪藻土付着率は、上記(7)造粒材の付着率にしたがって測定し、また、種子(e)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
〔比較例5〕
 製造例2で得られた粒子状吸水剤(B)と実施例6で用いた珪藻土とを、重量比5:95で混合したコーティング剤150%重量(対種子重量)を使用し、さらに結合剤として、アルギン酸ナトリウム2重量%水溶液を種に5[重量%]使用した以外は実施例6と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(f)を得た。種子(f)の珪藻土付着率は、上記(7)造粒材の付着率にしたがって測定し、また、種子(f)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2及び図4に示したように、加圧下純水吸収倍率(AAPw)の高い吸水剤を用いた本発明の植物種子組成物の発芽率が高いことが分かる。さらに、コーティング剤中の造粒剤の割合を増加させることで発芽率を向上させることができる。このように、本発明の植物種子組成物は、水分の保持と供給が充分に行われており、さらに造粒剤を増加することによる種子の呼吸と発根の促進により、発芽率が向上する効果がある。また、地中に埋めた加圧下の状態においても充分な発芽率が得られることを確認した。
〔実施例8〕
 実施例5で得られた種子(a)の発芽率について、上記(9)の発芽率〔2〕を測定した。その結果を表3および図5に示す。
〔比較例6〕
 製造例3で得られた粒子状吸水剤(C)のみから成るコーティング剤を使用した以外は、実施例5と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(g)を得た。種子(g)について、実施例8と同様に発芽率〔2〕を測定した。その結果を表3および図5に示す。
〔比較例7〕
 比較例3で得られた種子(d)について、実施例8と同様に発芽率〔2〕を測定した。その結果を表3および図5に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表3及び図5に示したように、水分が充分に補給される環境下においては、本発明の植物種子組成物の発芽率は100%であった。これは、与えた水分が充分にコーティング剤に保持され植物種子に供給されるとともに、植物種子の表面に付着しているコーティング剤の粒子間に適度な空隙が設けられることによって、植物種子の呼吸が充分に行え、かつ、発根しやすい環境を与えたことによる。
 一方、何も付着させていない植物種子は水分を与えても種子表面に保持しにくく、また、加圧下純水吸収倍率(AAPw)の低い粒子状吸水剤を用いたコーティング剤を付着させた植物種子は、水分の補給は充分行えるものの、膨潤した粒子状吸水剤間に隙間が小さくなり、種子の呼吸を妨げてしまい、その結果として発芽率の低下を起こしている。
 本発明の植物種子組成物を用いることで、砂漠や年間降水量の少ない乾燥地帯において、高い発芽率が得られるとともに、発芽後の植物体への水及び成長促進剤の供給源としての機能を発揮することで植物体の育成が容易となる。また、植物種子組成物を用いることで優れた播種作業性が得られる。本発明は、様々な植物の育成に適用されうる。

Claims (27)

  1.  2.07kPa、60分間の加圧下純水吸収倍率(AAPw)が60~200[g/g]である、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤。
  2.  上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の水可溶分が0~25重量%である、請求項1に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
  3.  上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の残存モノマーが500重量ppm以下である、請求項1または2に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
  4.  上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.3~2.0である、請求項1~3のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
  5.  上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が20~1000[g/g]である、請求項1~4のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
  6.  上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が200[g/g]以下である、請求項5に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
  7.  上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の純水吸収速度(10分)が20~500[g/g]である、請求項1~6のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
  8.  アクリル酸(塩)水溶液を架橋重合する重合工程と、得られた含水ゲル状架橋重合体を乾燥する工程と、得られた乾燥重合体を粉砕および分級する工程とを含む植物育成用粒子状吸水剤の製造方法であって、
     ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が20~1000[g/g]となるように上記重合工程がなされ、かつ、850μm以上の粗粒子が10重量%以上80重量%未満となるように上記粉砕および分級する工程がなされることを特徴とする、植物育成用粒子状吸水剤の製造方法。
  9.  上記粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)が200~2000μmとなるように粉砕および分級する、請求項8に記載の製造方法。
  10.  上記粒子状吸水剤の粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.3~2.0となるように粉砕および分級する、請求項8または9に記載の製造方法。
  11.  アクリル酸の沸点以上の温度で、重合中または重合後に加熱処理してアクリル酸の少なくとも一部を揮発させる、請求項8~10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12.  上記重合工程が水溶液重合であり、重合時または重合後に含水ゲル状架橋重合体が細分化される、請求項8~11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13.  上記重合工程がニーダー型重合機またはベルト型重合機で行われる、請求項12に記載の製造方法。
  14.  請求項1~7のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤が、粒子径850μmを超える粗粒子を有しており、その含有量が、粒子状吸水剤全体に対して10重量%以上80重量%未満である植物育成用保水剤。
  15.  上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が50~100重量%含まれている、請求項14に記載の植物育成用保水剤。
  16.  上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)が200~2000μmである、請求項14または15に記載の植物育成用保水剤。
  17.  上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が200[g/g]以下となるように架橋する、請求項14~16のいずれか1項に記載の植物育成用保水剤。
  18.  請求項14に記載の植物育成用保水剤を培地に配置させる工程と、
     苗木を培地に植栽する工程とを含み、
     該苗木を植栽する培地において、植穴に配置された植物育成用保水剤のうち、最深部分にある該植物育成用保水剤が、地表から5~50cmの深さにある、植物の育成方法。
  19.  請求項1~7のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤を、植物種子の表面に付着させたものである、植物種子組成物。
  20.  個々の上記植物種子の表面に上記粒子状吸水剤が付着した、請求項19に記載の植物種子組成物。
  21.  上記粒子状吸水剤、または、上記粒子状吸水剤と少なくとも1種以上の造粒剤との混合物が、上記植物種子の表面に付着している、請求項19又は20に記載の植物種子組成物。
  22.  上記粒子状吸水剤の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が60~1000[g/g]であり、かつ、上記造粒剤の無加圧下純水吸収倍率が5[g/g]未満である、請求項19~21のいずれか1項に記載の植物種子組成物。
  23.  上記植物種子の長辺の長さが、上記粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)の3~50倍である、請求項19~22のいずれか1項に記載の植物種子組成物。
  24.  上記粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)が、300~1000μmである、請求項19~23のいずれか1項に記載の植物種子組成物。
  25.  上記粒子状吸水剤、または、上記粒子状吸水剤と少なくとも1種以上の造粒剤とからなる混合物が、結合剤により上記植物種子の表面に付着している、請求項19~24のいずれか1項に記載の植物種子組成物。
  26.  上記結合剤が有機化合物である、請求項25に記載の植物種子組成物。
  27.  上記結合剤が水溶性である、請求項25または26に記載の植物種子組成物。
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