WO2010044281A1 - ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)上記粒子状吸水剤を含んでおり、この粒子状吸水剤が粒子径850μmを超える粗粒子を有しており、その含有量が、粒子状吸水剤全体に対して10重量%以上80重量%未満である上記植物育成用保水剤を培地に配置させる工程と、
(2)苗木を培地に植栽する工程とを含み、
該苗木を植栽する培地において、植穴に配置された植物育成用保水剤のうち、最深部分にある該植物育成用保水剤が、地表から5~50cmの深さである。
4・・・培地
6・・・幹
8・・・根
10・・・土壌
12・・・保水剤
100・・・支持円筒
101・・・金網
102・・・吸水性樹脂
103・・・ピストン
104・・・錘
105・・・ペトリ皿
106・・・ガラスフィルター
107・・・ろ紙
108・・・純水
(a)「吸水性樹脂」
本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味する。なお、「水膨潤性」とは、ERT441.2-02で規定する無加圧下吸収倍率(CRC)が必須に5[g/g]以上であることをいい、また、「水不溶性」とは、ERT470.2-02に規定する水可溶分(Extractables)が必須に0~50重量%であることをいう。
本発明における「ポリアクリル酸(塩)」とは、繰り返し単位としてアクリル酸(塩)を主成分とする重合体を意味する。具体的には、架橋剤を除く単量体として、アクリル酸(塩)を必須に50~100モル%、より好ましくは70~100モル%、さらに好ましくは90~100モル%、特に好ましくは実質100モル%、含む重合体をいう。
本発明における「植物育成用粒子状吸水剤」とは、上記ポリアクリル酸(塩)を繰り返し単位として得られる重合体や、該重合体に添加剤等を添加して改質したものをいう。すなわち、特定の物性を得るために、吸水性樹脂そのものや、吸水性樹脂を改良したもの、吸水性樹脂に添加剤等を添加して改良したものを、植物育成用粒子状吸水剤(以下、「粒子状吸水剤」あるいは単に「吸水剤」と称することもある)という。
本発明における「植物育成用保水剤」とは、上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤を土壌に埋設し、植物育成用に使用されるものである。したがって、所望の吸水性能が得られる範囲内において、添加剤の添加等の改良操作は任意であり、例えば、吸水性樹脂自体の吸水性能が所望の範囲に入る場合、該吸水性樹脂が植物育成用保水剤となる。
本発明における「植物種子組成物」とは、植物種子の表面に、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤と、必要により造粒剤とを、結合剤を用いて付着させた植物種子全体のことをいう。すなわち、本発明の植物種子組成物には、「植物種子」、「粒子状吸水剤」及び「結合剤」が必須に含まれ、「造粒剤」が任意に含まれる。
本発明における「植物種子」とは、地球上に存在する植物の種子であり、いわゆる商品作物の植物種子のことをいう。なお、商品作物とは、自己消費よりも市場での販売を目的として生産する農作物のことをいう。
本発明における「造粒剤」とは、上記コーティング剤に任意に用いられる物質のうち、粒子状吸水剤以外の物質のことをいう。ただし、本発明における「結合剤」に該当するものは、「造粒剤」から除かれる。
本発明における「結合剤」とは、上記コーティング剤を、植物種子の表面に付着させる際に用いる接着効果のある、粒子状吸水剤および造粒剤以外の物質のことをいう。
「EDANA」は、European Disposables and Nonwovens Assoiationsの略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(ERT/EDANA Recomeded Test Method)の略称である。
本発明における「無加圧下純水吸収倍率(GVw)」とは、無加圧下における粒子状吸水剤の吸水性能を示す指標であり、ERT441.2-02(CRC/Centrifuge Retention Capacity/遠心分離機保持容量/無加圧下吸収倍率)に準拠して、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に代えて純水(本発明においては、電気伝導度が5[μS/cm]以下の脱イオン水を指す。以下同じ。)を用いて測定した値(単位;「g/g」)である。
本発明における「加圧下純水吸収倍率(AAPw)」とは、加圧下における粒子状吸水剤(0.900g)の吸水性能を示す指標であり、ERT442.2-02(AAP/Absorbency Against Pressure/加圧下吸収倍率)に準拠して、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に代えて純水を用いて測定した値(単位;[g/g])である。
本発明における「純水吸収速度(10分)」とは、粒子状吸水剤の吸水性能を示す指標であり、上記加圧下純水吸収倍率(AAPw)の測定装置のうち、錘、ピストンを用いない無加圧下条件で、さらに10分間で測定した値(単位;「g/g」)である。
本発明における「重量平均粒子径(D50)」とは、米国特許第5051259号明細書等に開示されているように、一定目開きのJIS標準篩で篩い分けした後、残留百分率Rを対数確率紙にプロットし、R=50重量%に相当する標準篩の粒子径のことをいう。
本発明における「粒度分布の対数標準偏差(σζ)」とは、下記の式にしたがって算出される値をいい、σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
σζ = 0.5 × ln(X2/X1)
本発明における「水可溶分」とは、粒子状吸水剤の性能を示す指標であり、通常、ERT470.2-02(Extractables)に準拠して、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を用いて測定する値(単位;[重量%])である。
本発明における「残存モノマー」とは、粒子状吸水剤中に残存しているモノマー成分の含有量をいい、ERT410.2-02(Residual Monomers)に準じて、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を用いて測定した値(単位;[重量ppm])である。なお、本発明では、未反応のアクリル酸および/またはその塩が、残存モノマーに該当する。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、「X以上、Y以下」であることを意味する。また、重量の単位である「t(トン)」は、「Metoric ton(メトリック トン)であることを意味する。
本発明における植物育成用粒子状吸水剤は、以下の物性を有するポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分(50モル%以上)とすることが好ましく、70モル%以上とすることがより好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、実質100モル%であることが好ましい。すなわち、植物育成用粒子状吸水剤が所望の物性を有する範囲内で、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂と同一であるとする。
本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)は、20~1000[g/g]が好ましく、50~1000[g/g]がより好ましく、60~1000[g/g]がさらに好ましく、80~1000[g/g]が特に好ましく、100~1000[g/g]が最も好ましい。ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が上記範囲内となることで、植物の生育に必要な水分を供給できるとともに、土中等の加圧下においても充分に水分を保持することができる。なお、上限値は1000[g/g]であるが、本発明ではより好ましい上限値は、従来の無加圧下純水吸収倍率(GVw)の上限値より低い値となる。すなわち、上記無加圧下純水吸水倍率(GVw)の上限値としては、500[g/g]以下が好ましく、300[g/g]以下がより好ましく、200[g/g]以下がさらに好ましく、150[g/g]以下が特に好ましい。下限値は上述したように、20[g/g]以上が好ましく、50[g/g]以上がより好ましく、60[g/g]以上がさらに好ましく、80[g/g]以上が特に好ましく、100[g/g]以上が最も好ましい。
本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の加圧下純水吸収倍率(AAPw)は、測定条件によってその好ましい範囲が異なる。具体的には、(1)2.07kPa・60分間の加圧下純水吸収倍率は、灌水効率や土壌中での水分保持量等の観点から、60~200[g/g]が好ましく、80~200[g/g]がより好ましく、100~200[g/g]がさらに好ましい。
本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の純水吸収速度(10分)は、通常、20~500[g/g]であり、30~500[g/g]が好ましく、50~500[g/g]がより好ましく、70~500[g/g]がさらに好ましく、100~500[g/g]が特に好ましい。ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の純水吸収速度(10分)が20[g/g]を下回る場合、所望の保持水量が確保されず灌水頻度が高くなり効率が悪くなる。また、上記純水吸収速度(10分)が500[g/g]を超える場合、製造コストが高くなり不利となる。
本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)は、該ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を上記植物育成用保水剤として用いる場合は、200~2000μmが好ましく、300~2000μmがより好ましく、500~2000μmがさらに好ましく、600~2000μmが特に好ましく、700~2000μmが最も好ましい。上記重量平均粒子径(D50)が200μm未満の場合、植物育成用保水剤の表面積が大きいため水分の蒸散が速くなり、植物に充分な水分を供給することができない。また、上記重量平均粒子径(D50)が2000μmを超える場合、吸収速度が低下し灌水効率が悪くなるため、取扱性に問題が生じる。
本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の粒子径は、特に限定されず、その用途によって適宜選択することができる。例えば、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を上記植物育成用粒子状吸水剤として用いる場合、粒子径が150μm未満の吸水性樹脂の含有量は、吸水剤全体に対して、0~20重量%が好ましく、0~10重量%がより好ましく、0~5重量%がさらに好ましい。粒子径150μm未満の吸水性樹脂の含有量が20重量%を超えると、粒子状吸水剤から溶出される水可溶分が増加し、植物の成長を阻害するおそれがある。すなわち、本発明では、従来の吸水性樹脂より微粉(150μm未満)が植物の成長を阻害することが見出された。
本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の水可溶分は、0~25重量%が好ましく、以下、0~20重量%、0~15重量%、0~10重量%、0~7重量%、0~5重量%の順に好ましく、0~3重量%が最も好ましい。水可溶分が上記範囲内となることで、未架橋の水溶性高分子(ポリアクリル酸(塩))が植物体の生存環境に溶出することがない。すなわち、本発明では、未架橋の水溶性高分子が植物の成長を阻害することが見出された。
本発明にかかるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の残存モノマーは、500重量ppm以下が好ましく、以下、400重量ppm以下、300重量ppm以下、250重量ppm以下、200重量ppm以下、150重量ppm以下、の順に好ましく、100重量ppm以下が最も好ましい。残存モノマーが上記範囲内となることで、吸水時の異臭発生を抑制することができ、また、製造作業者の健康被害を抑制することができる。すなわち、本発明では、残存モノマー(アクリル酸)が植物の成長を阻害することが見出された。本発明では上記範囲内、好ましくは低く制御されるが、そのために、重合時または重合後にアクリル酸の沸点(143℃)以上に加熱、好ましくは150~200℃に加熱して残存モノマーの少なくとも一部を揮発させればよい。さらに好ましくは、重合後に無機還元剤、特に亜硫酸(水素)塩を添加、特に0.001~1重量部(対重合体)添加すればよく、残存モノマーはより効果的に低減できる。
本発明の実施形態にかかる粒子状吸水剤としては、ポリアスパラギン酸架橋体、γ-グルタミン酸架橋体等のポリアミド型吸水性樹脂;CMC架橋体等の天然物吸水性樹脂等が例示されるが、吸水性能の観点から、不飽和単量体を重合して得られる内部架橋構造を有する吸水性樹脂が好ましい。
<不飽和単量体>
本発明にかかる粒子状吸水剤は、主原料(不飽和単量体)として、アクリル酸および/またはその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)の水溶液を使用する。該水溶液は、アクリル酸(塩)を単量体の主成分(50~100モル%が好ましく、70~100モル%がより好ましく、90~100モル%がさらに好ましく、実質100モル%)として含む。
本発明にかかる粒子状吸水剤は、必須に架橋構造を有するが、架橋性単量体を有しない自己架橋型であってもよいし、1分子内に2個以上の重合性不飽和基や2個以上の反応性基を有する架橋性単量体(以下、「内部架橋剤」と称する)を共重合あるいは反応させたものであってもよい。
本発明にかかる粒子状吸水剤は、上記単量体を重合することで得られ、その重合開始剤として、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、t-ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸等の熱分解型重合開始剤や、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン等の光分解型重合開始剤が挙げられる。
本発明にかかる粒子状吸水剤の重合方法としては、特に限定されないが、例えば、バルク重合、沈殿重合、水溶液重合、逆相懸濁重合等を挙げることができる。これらの中でも、粒子状吸水剤の吸水性能および重合制御の容易性等の観点から、上記単量体を水溶液とする水溶液重合や逆相懸濁重合が好ましく、連続水溶液重合がより好ましい。本発明の好ましい製造方法では、粒度が従来より粗く制御されるため、所望する粗粒度の吸水剤を得るには水溶液重合が好ましい。逆相懸濁重合や沈殿重合では、得られる粒子状吸水剤の粒度が細かく、また、有機溶媒が残存するため、植物の育成に悪影響を与える恐れがある。したがって、所望する粗粒度の吸水剤を得るために、好ましい連続重合として、ニーダー型重合機で行われる連続ニーダー重合(例えば、米国特許第6987151号および同第670141号)や、ベルト型重合機で行われる連続ベルト重合(例えば、米国特許第4893999号、同第6241928号、および米国特許出願公開第2005/215734号)等が挙げられる。さらに、吸水速度の観点から、連続重合として高温開始重合(単量体の重合開始温度が、30℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましく、50℃以上が特に好ましく、上限は沸点が好ましい)や、高濃度重合(単量体濃度が、30重量%以上が好ましく、35重量%以上がより好ましく、40重量%以上がさらに好ましく、45重量%以上が特に好ましく、上限は飽和濃度が好ましい)が、好ましい重合の一例として挙げられる。上記高温開始重合の好適な一例として、米国特許第6906159号および同第7091253号等に例示されている。
上記重合工程で得られた含水ゲル状架橋重合体(含水ゲル)は、そのまま乾燥してもよいが、必要により、重合時又は重合後にゲル解砕機(例えば、ニーダー、ミートチョパー)等を用いて細断(細分化)された後、乾燥する。含水ゲルを細断する場合、その形状は、特に限定されないが、例えば、顆粒状、粉末状、フレーク状、繊維状等、任意の形状に細断することができる。
上記重合工程あるいはゲル細粒化工程で得られた含水ゲル状架橋重合体は、乾燥工程において、所望する樹脂固形分量まで乾燥され、乾燥重合体が得られる。乾燥工程における乾燥方法は、特に限定されないが、例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸による脱水乾燥、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等が挙げられる。これらの中でも、露点が40~100℃、より好ましくは50~90℃の気体と接触させる熱風乾燥が好ましい。
上記乾燥工程で得られた粒子状吸水剤は、さらにその目的に応じ、必要により粒径を制御するため、粉砕/分級工程を経てもよい。これらの方法は、例えば、国際公開特許第2004/69915号に開示されている。
上記以外に、必要により、表面架橋工程、造粒工程、微粉除去工程、微粉リサイクル工程等を設けてもよい。また、多価金属化合物を含んでもよい。
本発明の植物育成用粒子状吸水剤は、植物育成用の保水剤として用いることができる。以下、植物育成用保水剤(以下、単に「保水剤」と称する)およびこれを用いた植物の育成方法について、説明する。
上記保水剤は、上述したように、主要構成物質として、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂からなるが、所望の吸水性能が得られる範囲内において、吸水性樹脂の改良操作は任意である。したがって、上記保水剤の吸水性樹脂含有量は50~100重量%が好ましく、80~100重量%がより好ましく、95~100重量%が特に好ましい。吸水性樹脂の含有量が50重量%未満の場合、無加圧下純水吸収倍率(GVw)のみならず、加圧下純水吸収倍率(AAPw)をも低下し、培地の空気量が減少するおそれがある。この場合、植物の育成効果が十分に得られない。
次に、上記保水剤を用いた植物の育成方法について説明する。
本発明の育成方法において、保水剤12の配置は、育成対象の植物種によって適宜決定でき、特に限定されないが、例えば、培地4に均一に分散するように配置してもよく、あるいは、培地4の特定領域にのみ配置するようにしてもよい。また、培地4の形成方法についても特に限定されない。例えば、大地を耕し、該大地を構成する土壌10に保水剤12を混合して培地4を形成してもよいし、大地に植穴を掘り、該植穴に土壌10と保水剤12との混合物を投入して培地4を形成してもよいし、上記植穴に保水剤12を配置した後、土壌10を投入・混合して培地4を形成してもよいし、根8の部分に予め保水剤12を付着させておいた苗木2を、上記植穴に植栽する際に土壌10と混合し培地4を形成してもよい。
本発明の育成方法において、苗木2を培地4に植栽する際、その植穴の深さDAは、苗木2の種類によって適宜決定すればよく特に限定されないが、0~50cmが好ましく、5~50cmがより好ましく、5~40cmがさらに好ましく、5~30cmが特に好ましく、5~20cmが最も好ましい。植穴の深さDAが50cmを超えるの場合、保水剤12の吸水性能が十分に発揮できず、培地4の保水性能および空気量が低下し、植物の育成を阻害するおそれがある。
本発明の植物育成用粒子状吸水剤は、植物種子組成物の構成物質のひとつとして用いることができる。以下、植物種子組成物を構成する物質について、説明する。
本発明において、用いられる植物種子としては、特に限定されるものではなく、地球上に存在する植物の種子が該当し、例えば、以下のものが挙げられる。
本発明の植物種子組成物は、造粒剤をさらに含むことができる。この植物種子組成物に、必要により用いられる造粒剤としては、粒子状吸水剤と植物種子以外であれば特に限定されないが、通常使用される無機物、有機物、さらには無機粒子または有機粒子、特に天然物無機粒子または有機粒子が挙げられる。これらの造粒剤は、好ましくは、水難溶性あるいは水不溶性の粒子が用いられる。水難溶性とは、水100gに対して0.01重量%未満の溶解度であることをいう。造粒剤の使用量は、用いられる造粒剤や粒子状吸水剤によって適宜決定されるが、通常、粒子状吸水剤に対して0~900重量%が好ましく、0~300重量%がより好ましい。
本発明の植物種子組成物は、結合剤をさらに含む。本発明において、上記コーティング剤を植物種子の表面に付着する際、結合剤を用いる。該結合剤は、該コーティング剤を植物種子の表面に付着させることができれば、特に限定されないが、通常使用される有機物、無機物、特に液状物を挙げることができる。具体的には、でんぷん、ゼラチン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の有機物;赤土、火山灰、カオリン、クレー、粘土鉱物、ベントナイト、水等の無機物が挙げられる。これらの物質は、単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。通常、これらの物質は水溶液状態で用いられる。該水溶液の濃度としては0.01重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。
また、上記植物種子組成物に、必要に応じて、肥料、殺虫剤、殺菌剤、抗菌剤、農薬、栄養剤、植物ホルモン剤等の補助成分を添加してもよい。これらの物質は、コーティング剤を構成する粒子状吸水剤100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。上記物質の添加により、植物種子組成物に、種々の機能が付与される。
本発明における植物種子組成物の製造方法としては、当業者が行う一般的な方法で植物種子の表面に上記コーティング剤を付着できればよく、特に制限されない。
粒子状吸水剤0.02gを不織布製の袋(60mm×80mm)に均一に入れ、25℃に調温した500mLの純水(電気伝導度5μS/cm以下)に浸漬し、静置させた。24時間経過後、袋を引き上げ、遠心分離機にて水切り(250G/3分間)を行い、袋の重量W2[g]を測定した。同様の操作を、粒子状吸水剤を入れずに行い、そのときの袋の重量W1[g]を測定した。これらの重量W1及びW2から、次式にしたがって無加圧下純水吸収倍率[g/g]を求めた。なお、造粒剤の無加圧下純水吸収倍率(GVw)についても、上記粒子状吸水剤での測定方法に準じて測定した。
GVw[g/g]=(W2-W1)/(粒子状吸水剤の重量)
加圧下純水吸収倍率(AAPw)は、純水(電気伝導度5μS/cm以下)に対する加圧下での吸収倍率をいい、図3に示す装置を用いて測定する。
AAPw[g/g]=(W5-W4)/W3
内径60mmのプラスチック支持円筒の底に、400メッシュ(目開き38μm)のステンレス製金網を融着させた測定セルを用意した。この測定セル中に、室温(20~25℃)、相対湿度50±5%の条件下で、粒子状吸水剤(重量W6[g])を厚さが均一となるように投入した。その後、測定セル装置一式の重量W7[g]を測定した。
吸収速度(g/g)=(W8-W7)/W6
粒子状吸水剤を、目開き5600μm、4750μm、4000μm、3350μm、2800μm、2360μm、2000μm、1700μm、1400μm、1000μm、850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μmのJIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、R=50重量%に相当する粒径を重量平均粒子径(D50)として読み取った。
本発明に用いられる粒子状吸水剤は、酸基を有しないノニオン性ポリマーが含まれるため、水可溶分の測定方法のひとつであるpH滴定が不可である。そこで、本発明では、下記重量法を用いて測定した。
水可溶分[重量%]=(W7)×(1000/(W6))/0.5×100
容量250mlビーカーに、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlと、0.999~1.001gの粒子状吸水剤とを入れ、スターラーチップ(30mm×6mm)で攪拌した(攪拌速度;500±50rpm、温度;23±2℃、抽出時間;16時間)。上記攪拌後、膨潤ゲル化した粒子状吸水剤をろ別し、ろ液中のモノマー(アクリル酸)量を液体クロマトグラフィーにて定量した。
本発明の植物種子組成物に、食品添加物青色2号1gを純水1Lに溶解して作成した青色の水溶液をパスツールピペット1、2滴を滴下することで、植物種子の表面に付着した粒子状吸水剤を膨潤させた。
膨潤前後の植物種子組成物の表面状態を、光学顕微鏡写真機で撮影し、青く膨潤しなかった部分を造粒剤が付着した箇所として、植物種子全体の面積に対する比率として、造粒材の付着率を求めた。
砂質土壌(千葉県木更津市祇園で採取した川砂)が入ったプラスチック製容器(寸法;幅50×奥行50×高さ50mm)を用意した。該容器1つにサンプル種子1粒を深さ20mmに埋め、人工気象器(日本医科器械製作所社製)中にて2週間育成させた。2週間経過後の発芽状態を目視で確認し、発芽率を求めた。なお、人工気象器の条件は以下の通りである。
明期:25℃、16時間/暗期:18℃、8時間の交互運転。
灌水:1日当たり、2.5mLで実施。
プラスチックシャーレにサンプル種子1粒を入れ、該種子の表面が乾かないように水をスプレーしながら、人工気象器(日本医科器械製作所社製)中にて2週間育成させた。2週間経過後の発芽状態を目視で確認し、発芽率を求めた。なお、人工気象器の条件は以下の通りである。
明期:25℃、16時間/暗期:18℃、8時間の交互運転。
〔実施例1〕
アクリル酸を苛性ソーダで中和することにより、75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウム水溶液(1)4500g(単量体濃度39重量%)を得た。この水溶液(1)に、トリメチロールプロパントリアクリレート5.6gを溶解し反応液(1)とした。次に、この反応液(1)を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液(1)を供給し、該反応液(1)を30℃に保ちながら反応系を窒素ガス置換した。続いて、反応液(1)を攪拌しながら、過硫酸ナトリウム2.0gおよびL‐アスコルビン酸0.01gを水溶液で添加したところ、約1分後に重合が開始した。重合を開始して60分経過前に、含水ゲル状架橋重合体(1)を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体(1)は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(1)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、得られた乾燥物(1)を、3段ロールミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、粒子状吸水剤(a)を得た。この粒子状吸水剤(a)について、重量平均粒子径(D50)、目開き850μm篩い残率、目開き150μm篩い通過率、粒度分布、粒度分布の対数標準偏差(σζ)、2.07kPa加圧下純水吸水倍率、4.8kPa加圧下純水吸収倍率、無加圧下吸収倍率、吸収速度、水可溶分及び残存モノマーを測定した。その結果を、下記の表1に示す。
アクリル酸を苛性ソーダで中和することにより、71.3モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウム水溶液(2)4500g(単量体濃度39重量%)を得た。この水溶液(2)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数;8)5.0gを溶解し反応液(2)とした。次に、この反応液(2)を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液(2)を供給し、該反応液(2)を30℃に保ちながら反応系を窒素ガス置換した。続いて、反応液(2)を攪拌しながら、過硫酸ナトリウム2.26gおよびL‐アスコルビン酸0.03gを水溶液で添加したところ、約1分後に重合が開始した。重合を開始して60分経過前に、含水ゲル状架橋重合体(2)を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体(2)は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(2)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、粒子状吸水剤(b)を得た。この粒子状吸水剤(b)について、重量平均粒子径(D50)、目開き850μm篩い残率、目開き150μm篩い通過率、粒度分布、粒度分布の対数標準偏差(σζ)、2.07kPa加圧下純水吸水倍率、4.8kPa加圧下純水吸収倍率、無加圧下吸収倍率、吸収速度、水可溶分及び残存モノマーを測定した。その結果を、下記の表1に示す。
実施例1のトリメチロールプロパントリアクリレート5.6gを1.1gに変更する他は実施例1と同様の作業を実施し、含水ゲル状架橋重合体(3)を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体(3)は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(3)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、粒子状吸水剤(c)を得た。この粒子状吸水剤(c)について、重量平均粒子径(D50)、目開き850μm篩い残率、目開き150μm篩い通過率、粒度分布、粒度分布の対数標準偏差(σζ)、2.07kPa加圧下純水吸水倍率、4.8kPa加圧下純水吸収倍率、無加圧下吸収倍率、吸収速度、水可溶分及び残存モノマーを測定した。その結果を、下記の表1に示す。
底穴に見開き38μmの金網を備え付けたビニル樹脂製植木鉢(縦30cm、横30cm、高さ50cm)に実施例1で得た粒子状吸水剤(a)を0.05重量%の割合で混合した培養土(タキイ種苗(株)製、商品名「タキイ培養土」)を底からの高さ20cmまで投入し、次に苗木、培養土を投入した。表面の高さは、底から40cmであった。
実施例3で使用した粒子状吸水剤(a)を粒子状吸水剤(b)に変更した以外は、実施例3と同様の操作を行った。6カ月後の苗木の高さを測定したところ、44cmとなっており、14cm成長していた。
実施例3で使用した粒子状吸水剤(a)を粒子状吸水剤(c)に変更した以外は、実施例3と同様の操作を行った。6カ月後の苗木の高さを測定したところ、35cmとなっており、5cm成長していた。
〔製造例1〕
実施例1と同様の操作により、含水ゲル状架橋重合体(1)の乾燥物を得た。得られた乾燥物(1)を、振動ミルを用いて粉砕し、粒子状吸水剤(A)を得た。得られた粒子状吸水剤(A)の重量平均粒子径(D50)は622μm、無加圧下純水吸収倍率(GVw)は80[g/g]、加圧下純水吸収倍率(AAPw)は60[g/g]、水可溶分は7.5[重量%]であった。
容量1Lのガラス製三ツ口セパラブルフラスコに、N-ビニルアセトアミド200gと、N,N-ジアセチル-N,N-ビニル-1,4-ビスアミノメチルシクロヘキサン1.0g、及び水750gとを投入し、反応液(3)とした。
製造例1で得られた乾燥物(1)を、振動ミルを用いて粉砕した後、分級して48~100メッシュに整え、粒子状吸水剤(C)を得た。得られた吸水剤(C)の重量平均粒子径(D50)は280μm、無加圧下純水吸収倍率(GVw)は78[g/g]、加圧下純水吸収倍率(AAPw)は56[g/g]、水可溶分は8.0[重量%]であった。
製造例1で得られた粒子状吸水剤(A)のみからなる植物種子コーティング剤を用意した。
製造例1で得られた粒子状吸水剤(A)と珪藻土とを、重量比50:50で混合したコーティング剤を150%重量(対種子重量)使用した以外は、実施例5と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(b)を得た。種子(b)の珪藻土付着率は、上記(7)造粒材の付着率にしたがって測定し、また、種子(b)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
製造例1で得られた粒子状吸水剤(A)と実施例6で用いた珪藻土とを、重量比25:75で混合したコーティング剤を150%重量(対種子重量)(即ち、吸水剤:珪藻土=25:75(重量比))使用した以外は、実施例6と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(c)を得た。種子(c)の珪藻土付着率は、上記(7)造粒材の付着率にしたがって測定し、また、種子(c)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
コーティング剤を使用しなかった以外は、実施例5と同様の操作を行い、種子(d)を得た。種子(d)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
製造例2で得られた粒子状吸水剤(B)と実施例6で用いた珪藻土とを、重量比25:75で混合したコーティング剤150%重量(対種子重量)を使用した以外は、実施例6と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(e)を得た。種子(e)の珪藻土付着率は、上記(7)造粒材の付着率にしたがって測定し、また、種子(e)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
製造例2で得られた粒子状吸水剤(B)と実施例6で用いた珪藻土とを、重量比5:95で混合したコーティング剤150%重量(対種子重量)を使用し、さらに結合剤として、アルギン酸ナトリウム2重量%水溶液を種に5[重量%]使用した以外は実施例6と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(f)を得た。種子(f)の珪藻土付着率は、上記(7)造粒材の付着率にしたがって測定し、また、種子(f)の発芽率は、上記(8)発芽率〔1〕にしたがって測定した。その結果を表2および図4に示す。
実施例5で得られた種子(a)の発芽率について、上記(9)の発芽率〔2〕を測定した。その結果を表3および図5に示す。
製造例3で得られた粒子状吸水剤(C)のみから成るコーティング剤を使用した以外は、実施例5と同様の操作を行い、コーティング剤を付着させた種子(g)を得た。種子(g)について、実施例8と同様に発芽率〔2〕を測定した。その結果を表3および図5に示す。
比較例3で得られた種子(d)について、実施例8と同様に発芽率〔2〕を測定した。その結果を表3および図5に示す。
Claims (27)
- 2.07kPa、60分間の加圧下純水吸収倍率(AAPw)が60~200[g/g]である、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする植物育成用粒子状吸水剤。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の水可溶分が0~25重量%である、請求項1に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の残存モノマーが500重量ppm以下である、請求項1または2に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.3~2.0である、請求項1~3のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が20~1000[g/g]である、請求項1~4のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が200[g/g]以下である、請求項5に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の純水吸収速度(10分)が20~500[g/g]である、請求項1~6のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤。
- アクリル酸(塩)水溶液を架橋重合する重合工程と、得られた含水ゲル状架橋重合体を乾燥する工程と、得られた乾燥重合体を粉砕および分級する工程とを含む植物育成用粒子状吸水剤の製造方法であって、
ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が20~1000[g/g]となるように上記重合工程がなされ、かつ、850μm以上の粗粒子が10重量%以上80重量%未満となるように上記粉砕および分級する工程がなされることを特徴とする、植物育成用粒子状吸水剤の製造方法。 - 上記粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)が200~2000μmとなるように粉砕および分級する、請求項8に記載の製造方法。
- 上記粒子状吸水剤の粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.3~2.0となるように粉砕および分級する、請求項8または9に記載の製造方法。
- アクリル酸の沸点以上の温度で、重合中または重合後に加熱処理してアクリル酸の少なくとも一部を揮発させる、請求項8~10のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記重合工程が水溶液重合であり、重合時または重合後に含水ゲル状架橋重合体が細分化される、請求項8~11のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記重合工程がニーダー型重合機またはベルト型重合機で行われる、請求項12に記載の製造方法。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤が、粒子径850μmを超える粗粒子を有しており、その含有量が、粒子状吸水剤全体に対して10重量%以上80重量%未満である植物育成用保水剤。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が50~100重量%含まれている、請求項14に記載の植物育成用保水剤。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)が200~2000μmである、請求項14または15に記載の植物育成用保水剤。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が200[g/g]以下となるように架橋する、請求項14~16のいずれか1項に記載の植物育成用保水剤。
- 請求項14に記載の植物育成用保水剤を培地に配置させる工程と、
苗木を培地に植栽する工程とを含み、
該苗木を植栽する培地において、植穴に配置された植物育成用保水剤のうち、最深部分にある該植物育成用保水剤が、地表から5~50cmの深さにある、植物の育成方法。 - 請求項1~7のいずれか1項に記載の植物育成用粒子状吸水剤を、植物種子の表面に付着させたものである、植物種子組成物。
- 個々の上記植物種子の表面に上記粒子状吸水剤が付着した、請求項19に記載の植物種子組成物。
- 上記粒子状吸水剤、または、上記粒子状吸水剤と少なくとも1種以上の造粒剤との混合物が、上記植物種子の表面に付着している、請求項19又は20に記載の植物種子組成物。
- 上記粒子状吸水剤の無加圧下純水吸収倍率(GVw)が60~1000[g/g]であり、かつ、上記造粒剤の無加圧下純水吸収倍率が5[g/g]未満である、請求項19~21のいずれか1項に記載の植物種子組成物。
- 上記植物種子の長辺の長さが、上記粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)の3~50倍である、請求項19~22のいずれか1項に記載の植物種子組成物。
- 上記粒子状吸水剤の重量平均粒子径(D50)が、300~1000μmである、請求項19~23のいずれか1項に記載の植物種子組成物。
- 上記粒子状吸水剤、または、上記粒子状吸水剤と少なくとも1種以上の造粒剤とからなる混合物が、結合剤により上記植物種子の表面に付着している、請求項19~24のいずれか1項に記載の植物種子組成物。
- 上記結合剤が有機化合物である、請求項25に記載の植物種子組成物。
- 上記結合剤が水溶性である、請求項25または26に記載の植物種子組成物。
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