本発明は、上述の技術的な諸課題に鑑みてなされたもので、新規で有用なディスクチェンジャ装置を提供することを目的としている。本発明の好ましい実施形態は、全ディスクを待機位置からディスクを交換できるディスク交換位置へエジェクトすることができ、しかも、上から下へ順にトレイを1枚ずつ格納することができるディスクチェンジャに係るものである。また、本発明の好ましい実施形態は、簡単なボタン操作一つで、自動的に、ディスクチェンジャ内部に貯えられたディスクを直接に目視でチェックすることができるディスクチェンジャに係るものである。更に、本発明の実施形態の好ましい特徴は、ディスクチェンジャが、待機位置において全トレイを拘束する、堅固で信頼性の高いトレイロック装置を備えていることである。また更に、本発明の実施形態の今一つの好ましい特徴は、ディスクチェンジャが、「非拘束」期間を減少させ、拘束動作がより正確でより効果的となるように、トレイを拘束することができるトレイトリガー装置を備えていることである。
本発明の第1の様相によれば、次のような光ディスクチェンジャが提供される。すなわち、
光ディスクからの情報の再生および光ディスクへの情報の記録の少なくとも何れか一方の作動を行う光ディスクチェンジャであって、
ターンテーブルと、
該ターンテーブル上に載置された光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生の少なくとも何れか一方の作動を行う記録/再生ユニットと、
各々の光ディスクを搬送する複数のトレイと、
該複数のトレイを受容するハウジングと、
トレイ駆動歯車ユニットと、
トレイがハウジング内に受容される待機位置において前記トレイを拘束し、該トレイを解放し、前記待機位置から全トレイがトレイ駆動歯車ユニットに係合する位置へトレイを駆動するトレイトリガーユニットと、
選択された一つのトレイ上のディスクをターンテーブル上に載置する機構と、を備え、
前記トレイ駆動歯車ユニットは、トレイとの係合に基づいて、各々の光ディスクの搭載または取り出しのためにトレイがハウジングから排出されるディスク交換位置へ、全トレイを同時に駆動するように作動し、更に、複数のトレイを1枚ずつディスク交換位置から待機位置へ選択的に引き出すように作動する、
ことを特徴とする光ディスクチェンジャ。
本発明の前記第1の様相の一つのより詳しい表現は、次の通りである。
複数のディスクを貯え、これら複数のディスクから選択された1枚のディスクを搬送し、当該ディスクに対して情報信号の記録/再生を行う、ディスクチェンジャであって:それぞれディスクを搭載でき、それぞれディスクの主面に平行な実質的に水平な方向に移動でき、ディスクの主面に垂直な実質的に上下の方向に積み重ねられる、複数のトレイと;ディスクチェンジャのハウジングとしてのメカニカルシャーシ内で前記トレイが貯えられる待機位置と、前記トレイが前記メカニカルシャーシから外方へ突き出されることにより、当該トレイ上にディスクを載せ、また、当該トレイからディスクを取り出すことができるディスク交換位置との間で、前記トレイを往復移送させることができるように、前記各トレイに設けたラックと各々係合することができる歯車を有する、トレイ駆動歯車ユニットと;電動モータによって駆動されて、前記トレイ駆動歯車ユニットを駆動する駆動力を発生させる、歯車駆動機構と;前記待機位置にある前記トレイを拘束/拘束解除することができるトレイトリガーユニットであって、トレイを拘束解除した後に全トレイを同時に押し動かして各トレイに設けたラックを前記トレイ駆動歯車ユニットの各歯車と係合させることができる、トレイトリガーユニットと;ターンテーブル上に載置されたディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録/再生ユニットと;該記録/再生ユニットを前記ターンテーブルと共に上下方向に移動させて、記録/再生ユニットをトレイに対して位置調整し、当該トレイ上のディスクをターンテーブル上に載置することができる、昇降ユニットと;を備え、待機位置にあり前記トレイトリガーユニットによって拘束されたトレイが、トレイトリガーユニットの作動により、全トレイの拘束が同時に解除されると共に、全トレイが同時に押し動かされてラックが前記トレイ駆動歯車ユニットと係合させられ、前記歯車駆動機構の駆動力によって全トレイが同時に所定の同一トレイストロークだけメカニカルシャーシから外方に向かって突き出され、その後、各トレイが前記トレイ駆動歯車ユニットの歯車によって順次駆動されて、上から下へ1枚ずつ待機位置に戻され、最後のトレイが待機位置に達すると、前記トレイトリガーユニットが全トレイを待機位置に拘束する、ことを特徴とするディスクチェンジャ。
本発明の第1の様相の構成によれば(そのより詳細な表現において)、トリガーユニットは、始動動作(トレイをトレイ駆動歯車ユニットの作動領域へ移動させること)と拘束/拘束解除(ロック/アンロック)動作の両方を行うことができる。すなわち、トレイトリガーユニットは、トレイの全てを拘束するのに用いることができる。更に、トレイトリガーユニットを作動させることにより、待機位置でトレイトリガーユニットによって拘束された全トレイの拘束が同時に解除され、全トレイは同時に押し動かされてトレイ駆動歯車ユニットと係合する。そして、全トレイは、同時に所定の同一トレイストロークだけメカニカルシャーシから外方に向かって排出される(エジェクトされる)。その後、トレイは、トレイ駆動歯車ユニットによって駆動されて、上から下へ順番に1枚ずつ待機位置へ戻される。そして、最後のトレイが待機位置に到達すると、トレイトリガーユニットが全トレイを待機位置で拘束する。従って、ユーザは、ボタン操作一つで自動的に、全トレイを同時に所定の同一トレイストロークだけ待機位置からディスク交換位置へエジェクトすることができ、ディスクチェンジャの操作性が格段に向上する。
また、本発明の第2の様相によれば、次のような光ディスクチェンジャが提供される。すなわち、
光ディスクからの情報の再生および光ディスクへの情報の記録の少なくとも何れか一方の作動を行う光ディスクチェンジャであって、
ターンテーブルと、
該ターンテーブル上に載置された光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生の少なくとも何れか一方の作動を行う記録/再生ユニットと、
各々の光ディスクを搬送する複数のトレイと、
該複数のトレイを受容するハウジングと、
トレイ駆動歯車ユニットと、
トレイがハウジング内に受容される待機位置において前記トレイを拘束し、該トレイを解放し、前記待機位置から全トレイがトレイ駆動歯車ユニットに係合する位置へトレイを駆動するトレイトリガーユニットと、
選択された一つのトレイ上のディスクをターンテーブル上に載置する機構と、を備え、
前記トレイ駆動歯車ユニットは、現在ターンテーブル上に載せられているディスクに関連したトレイを除く全トレイとの係合に基づいて、各々の光ディスクの搭載または取り外しのためにトレイがハウジングから排出されるディスク交換位置へ、係合しているトレイを同時に駆動するように作動し、更に、係合している複数のトレイを1枚ずつディスク交換位置から待機位置へ選択的に引き出すように作動する、
ことを特徴とする光ディスクチェンジャ。
本発明の前記第2の様相の一つのより詳しい表現は、次の通りである。
複数のディスクを貯え、これら複数のディスクから選択された1枚のディスクを搬送し、当該ディスクに対して情報信号の記録/再生を行う、ディスクチェンジャであって:それぞれディスクを搭載でき、それぞれディスクの主面に平行な実質的に水平な方向に移動でき、ディスクの主面に垂直な実質的に上下の方向に積み重ねられる、複数のトレイと;ディスクチェンジャのハウジングとしてのメカニカルシャーシ内で前記トレイが貯えられる待機位置と、前記トレイが前記メカニカルシャーシから外方へ突き出されることにより、当該トレイ上にディスクを載せ、また、当該トレイからディスクを取り出すことができる、ディスク交換位置との間で、前記トレイを往復移送させることができるように、前記各トレイに設けたラックと各々係合することができる歯車を有する、トレイ駆動歯車ユニットと;電動モータによって駆動されて、前記トレイ駆動歯車ユニットを駆動する駆動力を発生させる、歯車駆動機構と;前記待機位置にある前記トレイを拘束/拘束解除することができるトレイトリガーユニットであって、トレイを拘束解除した後に全トレイを同時に押し動かして各トレイに設けたラックを前記トレイ駆動歯車ユニットの各歯車と係合させることができる、トレイトリガーユニットと;ターンテーブル上に載置されたディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録/再生ユニットと;該記録/再生ユニットを前記ターンテーブルと共に上下方向に移動させて、記録/再生ユニットをトレイに対して位置調整し、当該トレイ上のディスクをターンテーブル上に載置することができる、昇降ユニットと;を備え、待機位置にあり前記トレイトリガーユニットによって拘束されたトレイが、トレイトリガーユニットの作動により、全トレイの拘束が同時に解除されると共に、搭載されたディスクが記録/再生動作中であるトレイ以外の全トレイが同時に押し動かされてラックが前記トレイ駆動歯車ユニットと係合させられ、前記歯車駆動機構の駆動力によって搭載されたディスクが記録/再生動作中であるトレイ以外の全トレイが同時に所定の同一トレイストロークだけメカニカルシャーシから外方に向かって突き出され、その後、各トレイが前記トレイ駆動歯車ユニットの歯車によって順次に駆動されて、上から下へ1枚ずつ待機位置に戻され、最後のトレイが待機位置に達すると、前記トレイトリガーユニットが、搭載されたディスクが記録/再生動作中であるトレイ以外の全トレイを待機位置に拘束する、ことを特徴とするディスクチェンジャ。
本発明の第2の様相の構成によれば(そのより詳細な表現において)、トリガーユニットは、始動動作と拘束/拘束解除動作の両方を行うことができる。すなわち、トレイトリガーユニットは、複数のトレイを拘束するのに共通して用いることができる。更に、トレイトリガーユニットを作動させることにより、待機位置でトレイトリガーユニットによって拘束された全トレイの拘束が同時に解除され、搭載されたディスクが記録/再生動作中であるトレイ以外の全トレイは同時に押し動かされてトレイ駆動歯車ユニットと係合する。そして、搭載されたディスクが記録/再生動作中であるトレイ以外の全トレイは、同時に所定の同一トレイストロークだけメカニカルシャーシから外方に向かって突き出される。その後、トレイは、トレイ駆動歯車ユニットによって駆動されて、上から下へ順番に1枚ずつ待機位置へ戻される。そして、最後のトレイが待機位置に到達すると、トレイトリガーユニットが、搭載されたディスクが記録/再生動作中であるトレイ以外の全トレイを待機位置で拘束する。従って、ユーザは、ボタン操作一つで自動的に、搭載されたディスクが記録/再生動作中であるトレイ以外の全トレイを同時に所定の同一トレイストロークだけ待機位置からディスク交換位置へエジェクトすることができ、ディスクチェンジャの操作性が格段に向上する。この場合、更に、1枚のディスクの記録/再生動作中に、他のトレイの排出及び/又は格納を行うことができる。
本発明の第1又は第2の様相の第1の好ましい特徴においては、前記所定のトレイストロークは、好ましくは、待機位置とディスク交換位置との間の全ストロークである。
この第1の好ましい特徴によれば、トレイは、ディスク交換位置へ全ストロークにわたって引き出される。これにより、ユーザは、ディスクチェンジャ内部に貯えられているディスクを直接にまた目で見てチェックすることができ、簡単な操作でディスクを交換することができる。
また、本発明の第1又は第2の様相の他の好ましい特徴においては、前記所定のトレイストロークは、好ましくは、待機位置とディスク交換位置との間の全ストロークの実質的に半分のストロークである。
この特徴によれば、トレイは、半分のストロークだけ引き出される。これにより、ユーザは、ディスクチェンジャ内部に貯えられているディスクを直接にまた目で見てチェックすることができ、簡単な操作でディスクを交換することができる。
更に、本発明の第3の様相によれば、次のような光ディスクチェンジャが提供される。すなわち、
光ディスクからの情報の再生および光ディスクへの情報の記録の少なくとも何れか一方の作動を行う光ディスクチェンジャであって、
ターンテーブルと、
該ターンテーブル上に載置された光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生の少なくとも何れか一方の作動を行う記録/再生ユニットと、
各々の光ディスクを搬送する複数のトレイと、
該複数のトレイを受容するハウジングと、
トレイ駆動歯車ユニットと、
トレイがハウジング内に受容される待機位置において前記トレイを拘束し、該トレイを解放し、前記待機位置から全トレイがトレイ駆動歯車ユニットに係合する位置へトレイを駆動するトレイトリガーユニットと、
選択された一つのトレイ上のディスクをターンテーブル上に載置する機構と、
カムギヤと、を備え、
前記トレイ駆動歯車ユニットは、各々の光ディスクの搭載または取り外しのためにトレイがハウジングから排出されるディスク交換位置へトレイを駆動するように作動し、更に、複数のトレイをディスク交換位置から待機位置へ引き出すように作動し、
前記トレイトリガーユニットは、前記カムギヤによって駆動され、最後のトレイがディスク交換位置から待機位置へ移動した後に、該待機位置でトレイを拘束するように配置されている、
ことを特徴とする光ディスクチェンジャ。
本発明の前記第3の様相の一つのより詳しい表現は、次の通りである。
複数のディスクを貯え、これら複数のディスクから選択された1枚のディスクを搬送し、当該ディスクに対して情報信号の記録/再生を行う、ディスクチェンジャであって、:それぞれディスクを搭載でき、それぞれディスクの主面に平行な実質的に水平な方向に移動でき、ディスクの主面に垂直な実質的に上下の方向に積み重ねられる、複数のトレイと;ディスクチェンジャのハウジングとしてのメカニカルシャーシ内で前記トレイが貯えられる待機位置と、前記トレイが前記メカニカルシャーシから外方へ突き出されることにより、当該トレイ上にディスクを載せ、また、当該トレイからディスクを取り出すことができる、ディスク交換位置との間で、前記トレイを往復移送させることができるように、前記各トレイに設けたラックと各々係合することができる歯車を有する、トレイ駆動歯車ユニットと;電動モータによって駆動されて、前記トレイ駆動歯車ユニットを駆動する駆動力を発生させる、歯車駆動機構と;前記待機位置にある前記トレイを拘束/拘束解除することができるトレイトリガーユニットであって、トレイを拘束解除した後に全トレイを同時に押し動かして各トレイに設けたラックを前記トレイ駆動歯車ユニットの各歯車と係合させることができる、トレイトリガーユニットと;ターンテーブル上に載置されたディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録/再生ユニットと;該記録/再生ユニットを前記ターンテーブルと共に上下方向に移動させて、記録/再生ユニットをトレイに対して位置調整し、当該トレイ上のディスクをターンテーブル上に載置することができる、昇降ユニットと;を備え、前記トレイトリガーユニットは、カムギヤによって駆動され、待機位置に移動した全トレイを当該待機位置に拘束すると共に拘束解除位置に移動するトリガープレートを備え、該トリガープレートは前記複数のトレイに各々対応するように設けたトリガーレバー形状部を有しており、該トリガーレバー形状部が前記カムギヤによって駆動されるトリガープレートと同時に移動し、前記トリガーレバー形状部が全トレイを同時に押し動かして各駆動歯車と同時に係合させると共に、当該トレイの係合位置では前記トレイトリガーユニットによる全トレイの拘束を解除する、ことを特徴とするディスクチェンジャ。
本発明の第3の様相の構成によれば(そのより詳細な表現において)、トリガーユニットは、カムギヤによって駆動され、待機位置へ移動した全てのトレイを待機位置で拘束すると共に拘束解除位置に移動するトリガープレートを備え、該トリガープレートのトリガーレバー形状部が前記トリガープレートと同時に移動し、全トレイを同時に押し動かして駆動歯車と同時に係合させる。従って、ユーザは、ボタン操作一つで自動的に、全トレイを同時に所定の同一トレイストロークだけ待機位置からディスク交換位置へエジェクトすることができ、ディスクチェンジャの操作性が格段に向上する。
本発明の第3の様相の好ましい特徴においては、好ましくは、前記トリガープレートは前記カムギヤのカム形状部に繋がるトリガーギヤと常時係合し、該トリガーギヤのボス形状部は、カムギヤのカム形状部内に挿入されており、カムギヤ回転中にカム形状部の形状が変化すると、前記トリガーギヤが回転しトリガープレートを駆動する。
この好ましい特徴によれば、トリガー摺動プレート上のカム形状部は、可撓性のある(フレキシブル)リブが、トレイを発送位置でしっかりと、しかも正確に制御されたフリープレイ(free play)を伴って、保持できるようにし、複数のトレイの強固な拘束動作を達成できる。この構造は、また、複数のトレイを拘束するための追加的な部品をなくすることにより、コストを低減せしめる。トレイのトリガー形状部及びトレイロックレバーは、大きな傾斜状または面取り(チャンファー:chamfer)状に形成することができ、このことは、次のような別の利点をもたらす。つまり、待機位置でロック形状部がトレイロック形状部の方へ押し動かされると、大きな傾斜状のロック形状部がトレイを均等に案内し配列させ、トレイがディスク交換位置から待機位置へ戻る際に停止位置の変動があっても、トレイが待機位置で一様に配列されるようにすることができる。
本発明の第3の様相の第2の好ましい特徴においては、前記トレイトリガーユニットは、始動動作と拘束/拘束解除動作の両方を行うのに唯一つの駆動源を用いている。
この第2の好ましい特徴によれば、始動動作と拘束/拘束解除動作の両方を唯一つの駆動源を用いて行うことができるので、ディスクチェンジャの構造を簡素化することができる。
本発明の第3の様相の第3の好ましい特徴においては、前記トリガープレートは、湾曲して前記メカニカルシャーシの案内スロットに追随するトリガーレバー形状部を有しており、該形状部はディスクチェンジャの後部から前部へ移動する間に形状が変化し、更に、前記形状部がトレイトリガーゾーンでトレイのトリガーリブに当接して、トレイがトレイ駆動歯車ユニットと係合する方に押し動かされる。
この第3の好ましい特徴によれば、トレイ非拘束期間が極小となり、拘束は、トレイが待機位置に移動させられた後、迅速に行われる。トレイのインターロック効果は、最も効果的な拘束結果を達成することができる。トレイが前方へ移動すると、トレイロックレバーがロック方向に回転し、より大きな拘束力が生じる。発送拘束状態では、トリガー摺動プレートのロック形状部がトレイロックレバーのフリーな遊び間隙部を最小化しているので、トレイロックレバー動くことができない。このことは、トレイがディスク記録/再生位置に向かって後方へ移動することを許容するだけであり、トリガー摺動プレートによって押し動かされない限り、トレイが前方へ移動することを防止する。
更に、この第3の好ましい特徴によれば、トレイロックレバーは、トレイが他のレバーを乗り越えて貯留位置へ至る間、別のレバーと干渉することなくそれ自体が回転することができる連結部をもたらすように、プラスチック製のリンク機構によって連結されている。プラスチックのリンク機構を備えたトレイロックレバーは、コストの低減と取付工程の簡略化のために、他のレバーと結合されて一つの部品になる。トレイロックレバーは、各レバーが他のレバーに影響を及ぼさない場合には、別々の部品として働くことができる。
本発明の第3の様相の第4の好ましい特徴においては、前記トレイトリガーユニットは、トレイが前方へ移動するときに拘束方向に向かって回転する傾向があるトレイロックレバーを備えており、該トレイロックレバーは、トレイに対しインターロック作用をもたらす。
この第4の好ましい特徴によれば、トレイトリガーユニットは、トレイが前方へ移動するときに拘束方向に向かって回転する傾向があるトレイロックレバーを備えており、該トレイロックレバーは、トレイに対しインターロック作用をもたらす。従って、確実なトレイ拘束状態を得ることが可能になる。
本発明の第3の様相の第5の好ましい特徴においては、前記トレイロックレバーは、前記メカニカルシャーシの壁部に向かって作用するバネ力をもたらすプラスチックのバネ形状部を有しており、前記バネ力は、最後のトレイが待機位置へ移動する迄は、トレイを拘束するためにトレイロックレバーを押圧する。
この第5の好ましい特徴によれば、トレイロックレバーは、トレイが他のレバーを乗り越えて貯留位置へ至る間、別のレバーと干渉することなくそれ自体が回転することができる連結部をもたらすように、プラスチック製のリンク機構によって連結されている。プラスチックのリンク機構を備えたトレイロックレバーは、コストの低減と取付工程の簡略化のために、他のレバーと結合されて一つの部品になる。トレイロックレバーは、各レバーが他のレバーに影響を及ぼさない場合には、5つの別々の部品として働くことができる。
また更に、本発明は、前述の技術課題に鑑みてなされたもので、新規で有用なディスクチェンジャ装置を提供することを目的としている。本発明の或る好ましい実施形態は、全てのトレイを待機位置からディスクを交換できるディスク交換位置へ排出することができ、また、最上部のトレイから最底部のトレイへ順に1枚ずつトレイを格納することができる。更に、この好ましい実施形態は、ボタン操作一つで自動的に、ディスクチェンジャ内部に貯えられたトレイを直接に且つ目視的にチェックすることができるようにする。
本発明の好ましい目的の一つは、ディスク記録/再生位置とディスク待機位置との間でトレイを駆動する動作を実行するための、部品点数が少なくて済み、簡素な構造のトレイ駆動ラックユニットを備えたディスクチェンジャを提供することである。好ましい実施形態は、水平方向に移動し上下方向には移動する必要がないトレイ駆動ラックユニットを備えたディスクチェンジャである。トレイ駆動ラックユニットは、ディスク待機位置からディスク交換位置への移動動作を束縛することなく、選択されたディスクに配列されることができるトレイキャッチレバーを駆動することができる。更にまた、好ましい実施形態は、ロード及びアンロード動作を行うために互いに始動するトレイ駆動ラックと横スライド板とを備えたディスクチェンジャである。
本発明の他の様相によれば、次のような光ディスクチェンジャが提供される。すなわち、
光ディスクからの情報の再生および光ディスクへの情報の記録の少なくとも何れか一方の作動を行う光ディスクチェンジャであって、
ターンテーブルと、
該ターンテーブル上に載置された光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生の少なくとも何れか一方の作動を行う記録/再生ユニットと、
各々の光ディスクを搬送する複数のトレイであって、平行に配置されたトレイと、
該複数のトレイを受容するハウジングと、
待機位置からディスクがターンテーブル上に載置される記録/再生位置へ選択された一つのトレイを駆動するように作動するトレイ駆動ラックユニットと、
該トレイ駆動ラックユニットを駆動する駆動力を発生する歯車駆動機構と、を備え、
前記トレイ駆動ラックユニットは、前記歯車駆動機構の駆動歯車に常に噛み合って駆動され、選択されたトレイを前記待機位置と前記記録/再生位置との間で移動させるべく水平方向に移動するトレイ駆動ラックと、該トレイ駆動ラック上に設けられ、垂直方向に移動して選択されたトレイを保持するトレイキャッチレバーとを有しており、
該トレイキャッチレバーはトレイの平面を横切って移行することにより一つのトレイを選択して保持し、前記トレイ駆動ラックは前記トレイキャッチレバーにより選択して保持したトレイをトレイの平面と平行に、前記記録/再生ユニットの方向またはこれから遠ざかる方向へ移行させる、
ことを特徴とする光ディスクチェンジャ。
本発明の代替的な表現は、次の通りである。
複数のディスクを貯え、これら複数のディスクから選択された1枚のディスクを搬送し、当該ディスクに対して情報信号の記録/再生を行う、ディスクチェンジャであって:それぞれディスクを搭載でき、それぞれディスクの主面に平行な実質的に水平な方向に移動でき、ディスクの主面に垂直な実質的に上下の方向に積み重ねられる、複数のトレイと;ディスクチェンジャのハウジングとしてのメカニカルシャーシ内で前記トレイが貯えられる待機位置と、前記トレイが前記メカニカルシャーシから外方へ突き出され、それにより、当該トレイ上にディスクを載せ、また、当該トレイからディスクを取り出すことができる、ディスク交換位置との間で、前記トレイを往復移送させることができるように、前記各トレイに設けたラックと各々係合することができる歯車を有する、トレイ駆動歯車ユニットと;電動モータによって駆動されて、前記トレイ駆動歯車ユニットを駆動する駆動力を発生させる、歯車駆動機構と;前記待機位置において前記トレイを拘束/拘束解除することができるトレイトリガーユニットであって、トレイを拘束解除した後に全トレイを押し動かして前記トレイ駆動歯車ユニットと係合させることができる、トレイトリガーユニットと;ターンテーブル上に載置されたディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録/再生ユニットと;該記録/再生ユニットを前記ターンテーブルと共に上下方向に移動させて、記録/再生ユニットをトレイに対して位置調整し、当該トレイ上のディスクをターンテーブル上に載置することができる、昇降ユニットと;ディスク待機位置とディスク記録/再生位置との間で選択されたトレイを駆動するトレイ駆動ラックユニットと;該トレイ駆動ラックユニットを駆動する駆動力を発生する歯車駆動機構と;を備え、前記トレイ駆動ラックユニットは、前記歯車駆動機構の駆動歯車に係合して駆動され、選択されたトレイを前記ディスク待機位置と前記ディスク記録/再生位置との間で移動させるべく水平方向に移動するトレイ駆動ラックと、該トレイ駆動ラック上に設けられ、垂直方向に移動して選択されたトレイを保持するトレイキャッチレバーとを有する、ことを特徴とするディスクチェンジャ。
前記トレイ駆動ラックユニットは、ディスク待機位置とディスク記録/再生位置との間で移動するようにトレイを駆動するために、トレイ駆動ラックとトレイキャッチレバーとを備えている。トレイ駆動ラックは、第2のプレイレバーを動かし、その後に第1のプレイレバーを動かし、クランプ動作を完了させるために横スライド板を始動させる。
本発明の或る好ましい実施形態では、前記トレイ駆動ラックは、前記トレイキャッチレバーの穴部が嵌め込まれる長い軸形状部を有している。トレイ駆動ラックのギヤラックは、ディスク待機位置とディスク記録/再生位置との間で移動するために、第2プレイギヤと係合して駆動される。トレイ駆動ラックの動きは、トレイキャッチレバーも動かす。
或る実施形態によれば、トレイ駆動ラックは水平方向に移動する。トレイ駆動ラックは、メカニカルシャーシ内部、特に、メカニカルシャーシ内の低い位置に設けられる。この構成により、トレイ駆動ラックは、安定した堅実な支持を有することができる。このことは、とりわけ、トレイがディスクを収容している場合に、ディスク記録/再生位置とディスク待機位置との間でのトレイの安定した動作を確かなものとする。トレイ駆動ラックは、トレイが選択されているときは、水平方向に動き垂直(上下)方向に動く必要はない。このことは、トレイ駆動ラックが上下の動作を行うことを許容する特別なスペースは必要ないので、トレイ駆動ラックを収容するのに要するスペースを低減する。従って、トレイ駆動ラックの上方スペースを、例えばギヤ搭載等の他の目的に使用することができ、及び/又はディスクチェンジャの全体の大きさ、特にディスクチェンジャの高さを低減することができる。
本発明の或る好ましい実施形態では、前記トレイキャッチレバーは記録/再生部(UDベース:アップ/ダウン・ベース)に支持されており、その上で移動する。トレイキャッチレバーの上部にはキャッチ(捕捉)形状部があり、この捕捉形状部は、選択されたディスクをディスク待機位置とディスク記録/再生位置との間で牽引するのに用いられる。実際の駆動力は、トレイ駆動ラックからキャッチレバーに伝達される。トレイをディスク待機位置とディスク記録/再生位置との間で駆動する駆動源を与えるために、前記トレイ駆動ラックの軸形状部は、トレイキャッチレバーの穴部に挿入されている。記録/再生部は、トレイ選択動作の間に、トレイキャッチレバーを上下方向において選択されたトレイに整列させる。トレイ選択操作のために、如何なる追加的な駆動歯車列も必要はない。
この実施形態によれば、トレイを駆動するのに2つの部品(トレイキャッチレバーとトレイ駆動ラック)が用いられる。このことは、軸形状部の高さを半分にできるようにする。この構成は、部品の直線性についての制御を著しく容易にするであろう。この設計においては、トレイキャッチレバーは記録/再生部に取り付けることができ、安定したやり方でUDベースに支持することができる。この構成は、駆動機構により強靱な構造をもたらす。記録/再生部は、一定ピッチでの上下方向の動きによって、より正確なやり方で、トレイキャッチレバーを選択されたトレイに整列させることができる。良好な接触を達成すると共にトレイ駆動動作中に発生する摩擦力をより低減するために、トレイキャッチレバー内のキャビティの内側に、円形の滑らかな表面のリング形状部を形成しても良い。この円形の滑らかな表面のリング形状部は、トレイ駆動ラックの軸形状部に接する。更に、トレイキャッチレバーの外表面も、UDベースの壁部に接する同様の円形のリング表面を有している。
本発明の或る好ましい実施形態では、トレイ駆動ラックによってディスク待機位置へ駆動されると、トレイキャッチレバーは、トレイのフック形状部から離間するように回転する。そして、トレイ駆動ラックが、トレイキャッチレバーをディスク記録/再生位置へ戻す方向へ駆動すると、トレイキャッチレバーは、トレイのフック形状部内へ向かって回転し、トレイを駆動する。
この実施形態によれば、UDベースのカム形状部とトレイキャッチレバーのカム形状部とを用いることにより、トレイがディスク待機位置へ移動させられると、トレイキャッチレバーは、回転させられトレイから離れるように動作する。この構成は、ディスク待機位置で、トレイキャッチレバーがトレイのフック形状部に係合していない状態を生み出す。トレイキャッチレバーが選択されたトレイに整列している場合でも、トレイは、ディスク記録/再生位置へ駆動されるだけでなく、待機位置からディスク交換位置へも駆動され得る。
本発明の或る好ましい実施形態では、トレイキャッチレバーは、トレイが記録/再生位置に達したときに、「過剰(オーバ)ストローク」を行うことができる。すなわち、トレイが(記録/再生位置ストッパとして機能する)ストッパに当接するとき、トレイ駆動ラックは更になお移動することができる。このことは、トレイが常にトレイ駆動ラック停止前に停止するトレイ停止位置を確かなものとする。
尚、安定した正確なディスククランプ動作を得るためには、トレイが記録/再生位置で停止するとき、ターンテーブルの中央でディスクが停止することが重要である。この理由により、ディスク待機位置から記録/再生位置へのトレイの移動動作は、オーバストローク設計により恩恵を受けている。このオーバストローク設計は、記録/再生位置において明確な位置で、トレイがストッパに当接して停止することを保証する。トレイ駆動ラックとトレイキャッチレバーとが分離していることで、トレイがストッパに突き当たった後にトレイ駆動ラックが更に移動することができる。このとき、トレイキャッチレバーは、トレイ駆動ラックの軸形状部を押圧することを回避するために、ある角度だけ回転することができる。
本発明の或る好ましい実施形態では、トレイ駆動ラックと横スライド板との間の噛み合いを達成するために、簡素なトリガー構造が用いられている。トレイ駆動ラックがディスク記録/再生位置に達すると第2プレイレバーが回転して第1プレイレバーを押し動かす。それから、第1プレイレバーのボス形状部が横スライド板に向かって押され第2プレイレバーに係合する。第1プレイレバーはUDベースに固定される一方、第2プレイレバーはメカニカルシャーシに固定されている。
この実施形態によれば、第1プレイレバーは、記録/再生部と共に移動でき横スライド板との安定した連結が得られるようにするために、UDベースに固定されている。長い軸形状部を有する第2プレイレバーは、トレイ駆動ラックと第1プレイレバーとの間の安定した連結を確かなものとするために、メカニカルシャーシに固定されている。記録/再生部がトレイを選択するために上下方向に作動するとき、第1プレイレバーの開口部が第2プレイレバー上を摺動する。この構成により、ローディング又はアンローディング中のトレイ駆動ラックと横スライド板との間の伝達動作は、極小の力の損失で行うことができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るディスクチェンジャを全トレイTが引き出された状態で示す斜視図である。図1に示すように、ディスクチェンジャ1は複数のトレイTを設けている。この実施形態では、ディスクチェンジャ1は5枚のトレイT(符号T1〜T5)を設けているが、別の実施形態ではトレイTの数を変更することができる。各トレイTにはディスクDを搭載することができる。ディスクDは例えばユーザの要望に応じて、直径が12cmと大きい大型ディスクDaと、直径が8cmと小型ディスクDbであってよい。ディスクチェンジャ1は更に、そのハウジングまたは外部フレーム本体として機能する、概してボックス型のメカニカルシャーシ3を設けている。
各トレイTは、ディスクDの主面に対して垂直な実質的に縦方向に積み重ねられ、ディスクDの主面に平行な実質的に水平方向に移動できる状態において、メカニカルシャーシ3内に格納することができる。
図2(a)〜図2(e)はディスクチェンジャ1の略側面図であり、ディスクチェンジャ1のトレイTおよび記録/再生部70の様々な動作を示す。これらの図に示すように、ディスクチェンジャ1は、水平方向に異なる3つの位置をトレイ位置として設けている。即ち、メカニカルシャーシ3からトレイTが外方に突出するディスク交換位置X、トレイTがメカニカルシャーシ3内に格納されている待機位置Y、記録/再生部70と相互作用できるよう正確に位置決めされる記録/再生位置Zである。記録/再生位置Zはメカニカルシャーシ3の後部付近に、待機位置Yはメカニカルシャーシ3の入口付近に設定されている。
図2(a)〜図2(e)において、図2(a)はリセット状態を示す。このリセット状態では、最上位置にあるトレイT1を除いた5枚の全トレイTが、待機位置Yにて相互に整列した状態で格納されている。記録/再生部70は縦方向に移動でき、図2(a)では最上位置にある状態で示されている。最上位置にあるトレイは記録/再生位置Zに格納されている。
図2(b)は一連のディスク交換状態を示す。図2(b−1)に示す状態では、全トレイTがディスク交換位置Xに同時に移動される。図2(b−1)〜図2(b−5)に連続して示すように、トレイTを上から下へ1枚ずつ移動させることで、ディスクD(DaまたはDb)をトレイT上に載置したり、トレイTから取り出したりすることができる。
図2(c)は、一連の記録/再生状態を示す。これらの各状態では、指定されたトレイTが待機位置Yから記録/再生位置Zへ移動されて停止し、その後、指定されたトレイTに搭載されているディスクDに対する信号の記録または再生が開始される。信号の記録/再生の実行を行うディスクDは、指定トレイTを交換することで交換できる。図2(c−1)に関しては、最上トレイT1が記録/再生ユニット70に配置されているので、トレイTの配列は図2(a)の状態で示したリセットの配列と同じである。一連のイメージ図2(c−1)〜図2(c−5)は、トレイTを記録/再生位置Zへ連続移動させる方法を示す。
更に、図2(d)は、記録/再生動作中、例えば、トレイT1が記録/再生位置Zにある状態でのディスク交換中の一連のディスク交換状態を示す。図2(d−1)は、全てのディスクDがディスク交換位置Xにある図2(b−1)と同じ配置のディスクチェンジャ1を示す。図2(d−2)に示す状態では、記録または再生動作中にディスクDを支持するトレイT1を除いた全トレイT(T2〜T5)がディスク交換位置Xに位置決めされ、一連の図2(d−2)〜2(d−5)では、トレイTが上から下へ1枚ずつ格納されてゆくため、ディスクDを、ディスク交換位置Xにて最上にある各トレイT(T2〜T5)に搭載するか、またはここから取り除くことができる。
図2(e)は、記録および/または再生動作中における一連の完全なトレイ引き出し状態のイメージを、図2(1−e)〜図2(e−5)にて示している。これらの状態のそれぞれでは、指定された1枚のトレイTが記録または再生位置Zにあり、これ以外の全トレイTがディスク交換位置Xに位置決めされている。トレイTがディスク交換位置Xにあり、一方で、記録または再生位置Zにある指定されたトレイT上のディスクDに対して記録または再生動作が施されている時には、ディスクDを関連するトレイに搭載するか、このトレイから取り除くことができる。
次に、図3〜図5を参照しながら、上述の動作を実施する、本発明の一実施形態によるディスクチェンジャ1の全体配置について説明する。
図3(a)は、本発明の実施形態によるディスクチェンジャ1の平面図であり、図3(b)は、トレイTの一部の拡大斜視図であり、図4は図3に示したディスクチェンジャ1の側面図であり、図5は図3(a)の線L5−L5に沿ったディスクチェンジャ1の断面図である。
図3〜図5に示すように、各トレイTの上方面には、直径の大きな段状部分Taと直径の小さい段状部分Tbが設けられている。これにより、直径の異なる(12cmと8cm)大型ディスクDaと小型ディスクDbから選択した1枚をトレイTに搭載することができる。
トレイT裏面の左右両側には溝Tcが形成され、その片側(例えば左側)にはギヤラックTdが形成され、トレイT後部の裏面には左側には上昇面Teが形成されている。図3(b)に示すように、トレイT後部の裏面の左側の、ラックTdの下には、更にリブTfが形成されている。また、トレイ支持部の後部の左側にはフック形状部Tgの開放部が形成されている。
複数(例えば5枚)のトレイTをそれぞれ平行して配列すると、これらのトレイは実質的に縦方向、即ちディスクDの主面に対して垂直に方向に積み重ねられた状態となる。更に、図3に示すように、トレイTは、メカニカルシャーシ3の内部の右側と左側に設けられた案内リブ3aによって支持されているため、トレイTは実質的に水平方向(横方向)、すなわちディスクDの主面と平行する方向に移動できる。
トレイTは、メカニカルシャーシ3の左側に設けられたトレイ駆動歯車ユニット20によって、ディスク交換位置Xと待機位置Yの間で移動される。トレイTの後方の左側にはトレイ駆動ラックユニット60が設けられている。トレイ駆動ラックユニット60はUDベース5上に搭載されており、指定されたトレイのアドレスにまで自己を移動させて整列させ、トレイTを記録/再生部70へ搬送する。図3〜図5は、最上トレイT1(第1トレイ)T1(第1トレイ)がディスク交換位置Xにある状態を示す。
ディスク記録/再生部70は、待機位置YにあるトレイTの後ろに設けられている。ディスク記録/再生部70は、メカニカルシャーシ3の両側に形成された左案内リブ3bと右案内リブ3cによって支持され、後で説明する上昇ユニット30によって上下方向(垂直方向)に移動される。
ディスクチェンジャ1の左側にはトリガーユニット50(図4に示し、更に図31を参照しながら以下でより詳細に説明する)が設けられており、メカニカルシャーシ3の左側面と平行な方向へ移動することで、トレイTを押し動かしてトレイ駆動歯車ユニット20と係合させる。更に、待機位置YにあるトレイTの下には、各部品を駆動するモータ、歯車列、歯車列を切り換えるためのプランジャユニット、検出スイッチで構成された駆動機構100(以降で図21を参照しながら説明する)が設けられている。
上述したように、メカニカルシャーシ3の左側にはトレイ駆動歯車ユニット20が配置され、ディスク交換位置Xへ駆動されるトレイTを検出するためのオープンスイッチレバー27がトレイ駆動歯車ユニット20の付近に設けられている。トレイ駆動歯車ユニット20とオープンスイッチレバー27を含むメカニカルシャーシ3頂部の所定部分を被覆するために、歯車カバー28が取り付けられている。これにより、トレイ駆動歯車ユニット20の軸とオープンスイッチレバー27の縦(垂直)軸が、相互に関連して正確かつ安定的に位置決めされる。更に、メカニカルシャーシ3の頑丈さを増加させ、これを埃から保護するために、メカニカルシャーシ3の頂部には頂部カバー4が取り付けられている。
図6は、ディスクチェンジャ1のトレイ引き出し機構の詳細を示す平面図である。トレイ引き出しシステムはトレイT、トレイTを待機位置Yからディスク交換位置Xへ駆動することができるトレイ駆動歯車ユニット20、トリガースライド板52を具備したトレイトリガーユニット50を含んでいる。トリガースライド板52はトリガーギヤ51とカムギヤ114によって移動され、待機位置にあるトレイTを拘束/拘束解除し、また、全トレイTを押し動かしてトレイ駆動歯車ユニット20と係合させる。トリガースライド板52はメカニカルシャーシ3の側部を滑動することで移動し、トリガースライド板52のボス部分52cはメカニカルシャーシ3の頂部と底部の両方においてカム形状部3dを追従する
図7は、トレイトリガーユニット50に焦点を合わせて示した図6のディスクチェンジャ1の一部の底面図である。図7に示すように、ギヤラック51bを装備したトリガーギヤ51が、カムギヤ114の溝114b内に嵌合した(図6を参照)ボス部分51aによって、カムギヤ114に接続している。カムギヤ114が回転すると、ボス部分51aがカム溝114bの形状に従って駆動されて、トリガーギヤ51が支持ボス部分51cの周囲で回転する。これにより、スライド板52のトリガーラック形状52bと係合するトリガーギヤ51上のギヤラック51bがトリガースライド板52を押し動かして、これを前方方向へ移動させ、次に、トリガーリブThにあるトレイTを押し動かす(図8(b)を参照)。
トレイTとトリガースライド板52の間にはトレイロックレバー53が配置されている。トレイロックレバー53は、トレイTを待機位置Yにて拘束するロック形状部53a(例えば凸部分)を設けている。ロック形状部53aは、トレイTの側部に形成されたくぼみの表面Tk、Tmを接触させることによって、待機位置にあるトレイTの制御を行う。
図8(a)、図8(b)は、トレイTをトリガーするための、トリガースライド板52の移動工程を示す。トリガースライド板52の頂部と底部にはボス形状部52cが設けられている。ボス形状部分52cは、メカニカルシャーシ3の頂部と中間部分に形成されたカム溝3d内に嵌合している。カム溝3dは、トリガースライド板52のボス部分52cのための3つの移動経路P1〜P3を設けている。
移動経路P1はトリガースライド板52のボス部分52cのための「ホーム」経路、移動経路P3は「トリガー」経路であり、移動経路P2は「ホーム」経路P1と「トリガー」経路P3の間に配置された「変位」経路である。
図8(b)は、「トリガー」経路P3内におけるトリガースライド板52のボス部分52cを示しており、トリガースライド板52の駆動リブ52aはトレイTのトリガーリブThに触れており、トレイTをトレイ駆動歯車ユニット20へと押し動かす準備ができた状態にある。
図9(a)〜図9(c)は、トレイTをトリガーし、トレイTを待機位置Yに拘束/拘束解除するためのトリガースライド板52の一連の移動順序を示す。図9(a)は「ホーム」位置にあるトリガースライド板52を示す。第1突出形状部52eは、トレイロックレバー53から突出したリブ53bに触れているため、トレイロックレバー53の矢印Fまたは矢印E方向への移動が阻止される。ロック形状部53aは表面Tk、Tmに触れているため、トレイTは待機位置Yにて「拘束」される。トリガースライド板52のボス部分52cが「変位」経路へ移動すると、図9(b)に示すように、第1突出形状部52eがリブ53bから離れる。しかし、トレイロックレバー53は図9(a)と同じ状態に留まる。
これは、トレイロックレバー53のプラスチックバネ53dの機能によるものである。プラスチックバネ53dは、これに曲げ力が付加された場合には、トレイロックレバー53が矢印Fの方向へ回転することを許容しない。トリガースライド板52の駆動リブ52aが図9(c)に示すトレイTに形成されたくぼみの表面Thに触れようとしてこれに到達する以前に、第2突出52dが既にトレイロックレバー53の凸部分53cを別のレベルへ押し上げている。そのため、トレイロックレバー53は矢印Eの方向に回転し、トレイTを「拘束解除」する。
図10(a)は、「ホーム」位置Q1から「トリガー」位置Q3、「トリガー」位置Q4から「ホーム」位置Q7といった、トリガースライド板52のボス部分52cの様々な移動位置を示す。中立線位置において、トリガースライド板リブ52fには応力がかかっていない。応力は、トリガースライド板52のボス部分52cが「ホーム」位置Q1から「変位」位置Q2を通って「トリガー」位置Q3へ移動する際に増加する。図10(b)は、トリガースライド板52の側面図を示す。
トリガースライド板52は、トレイTをトレイ駆動歯車ユニット20と係合させるためのトレイTの押し動かしを「トリガー」位置Q3にて開始する。移動順序の終わりに、カム形状部の開放部によって、ボス部分52cが応力のかかったトリガースライド板リブ52fを開放し、中立状態に戻れるようになる。これにより、トリガースライド板52のボス部分52cが、トレイTのディスク交換位置Xから待機位置Yへの戻り時にトレイTと形状が重なることを回避するために別の経路を追随して、「ホーム」位置に戻れるようになる。
「ホーム」位置Q7にて、反対方向における(左に向かう)トリガースライド板リブ52f上の曲げ応力が増加する。位置Q8にて、トリガースライド板52がカム形状部の開口部へ移動し、その元の位置(「ホーム」位置)に戻った後に、応力のかかったトリガースライド板リブ52fが開放される。
図11(a)〜図11(c)は、トレイ駆動歯車ユニット20とトレイTとの係合および係合解除を示す。初期状態(トレイTがトリガースライド板52によってトリガーされる前の、待機位置Yにある状態)では、ギヤラックTdはトレイ駆動歯車ユニット20と係合していない。トレイTがトリガースライド板52によってトリガーされた後に、トレイTが前方へ移動し、ギヤラックTdがトレイ駆動歯車ユニット20と係合する。そのため、全トレイTは同時に前方へと駆動されてディスク交換位置Xに移行する。
戻り状態では、ギヤラックTdは、待機位置Yに到達するとトレイ駆動歯車ユニット20から離れる。図12(a)に示すように、ギヤラックTdの最後のギヤ歯がトレイ駆動歯車ユニット20から離れ、トレイロックレバー53が回転してトレイリブのくぼみ内へ入る時に、トレイロックレバー53が図12(b)に示すようにトリガーリブThによって押し離される。ロック形状部53aとくぼみの表面Tjとが接触することで、トレイTが待機位置Yに達した後にディスク交換位置Xへ移動してしまうことを防止するインターロック効果が生まれる。全トレイが待機位置Yに達したら、トリガースライド板52の第1突出部52eがロックレバーリブ53bへと押し動かされ、図9(a)に示すように待機位置YにあるトレイTと整列し、これを拘束する。
図13(a)はトレイ駆動歯車ユニット20の分解図である。参照符号24は、最上トレイT1を駆動する最上段のトレイ駆動歯車を表しており、参照符号22は、最上トレイT1および最下トレイT5以外のトレイT(T2〜T4)を駆動するトレイ駆動歯車を表し、参照符号25は、最下トレイT5を駆動する底部トレイ駆動歯車を表す。更に、参照符号23は、相互に近接し、駆動歯車22、24、25にダミー回転を行わせる2つの駆動歯車の間に配置されたプラスチックリングを表し、参照符号21は、全ての駆動歯車22、24、25とプラスチックリング23を保持する、シャフト21sに固定されたシャフトギヤを表す。頂部駆動歯車24はシャフト21sにしっかりと取り付けられており、シャフトと共に1つの非中空体として回転する。図13(b)は、トレイ駆動歯車ユニット20の完成した組立品を示す。図13(b)に見られるように、プラスチックリング23にはストッパリブ23a、23bが設けられ、最上段のトレイ駆動歯車24にはストッパリブ24a、24bが設けられている。
図14は、トレイ駆動歯車ユニット20と、それを駆動する歯車機構の斜視図である。図14に示すように、トレイ駆動歯車ユニット20のシャフトギヤ21は、カムギヤ114によって駆動されるトレイリレー歯車112と係合する。カムギヤ114が時計回り方向に回転すると、シャフトギヤ21がこれと同じ方向へ駆動される。頂部駆動歯車24もまた、これと同じ方向へ駆動される。
なお、トレイ駆動歯車ユニット20の付近には突起26aを備えた金属バネ26が設けられている。又、金属バネ26の突起26aはトレイ駆動歯車22、25の側部に触れているため、トレイ駆動歯車22、25に摩擦力が提供され、これにより、トレイ駆動歯車が、電気モータ116からの実際の力によって駆動される前に適所に維持される(これについては、以降で図21を参照しながらより詳細に説明する)。
図15(a)〜図15(g)はトレイ駆動歯車ユニット20の「リセット」動作を示す。「リセット」は、全トレイ駆動歯車22、24、25を、これらがあたかも、複数のトレイTと係合できる複数の駆動歯車22、24、25の層を設けた1つの非中空体の歯車であるかのように、同一の回転速度で回転させるためのものである。この説明においては最上段のトレイ駆動歯車24と、これに隣接した下方トレイ駆動歯車23のみについて説明するが、これは、これ以降のトレイ駆動歯車の「リセット」順序は同一なためである。図16、図17は、全トレイTを待機位置Yに駆動した後のトレイ駆動歯車ユニット20を示す。
トレイTをディスク交換位置Xへ駆動するためには、トレイ駆動歯車ユニット20が図中において時計回り方向に回転する必要がある。カムギヤ114により駆動されるトレイリレー歯車112が回転すると、シャフトギヤ21が回転する。図14、図15(a)を参照すると、最上段のトレイ駆動歯車24がシャフト21sと共に時計回り方向へ回転すると、最上段のトレイ駆動歯車24上のストッパリブ24bの側面が、近接する下方高さにあり、約1回転を終えたプラスチックリング23上のストッパリブ23aの側面(レベル1)と接触する。最上段のトレイ駆動歯車24とプラスチックリング23は共に回転し、プラスチックリング23のストッパリブ23b(レベル1)の側面が、最上段のトレイ駆動歯車24よりも2レベル下に位置するストッパリブ23a(レベル2)の側面と接触するまで第2回転を継続する。
図15(e)、15(f)は、最上段のトレイ駆動歯車24を取り外した状態の、トレイ駆動歯車ユニット20の頂部図と等角図である。第2レベルのプラスチックリング23のストッパリブ23aが回転すると、これが次のトレイ駆動歯車22上のストッパリブ22bに触れる。次に、このトレイ駆動歯車22が、頂部駆動歯車24と同じ方向および速度で回転する。この回転は、底部トレイ駆動歯車25が回転を開始するまで続き、この時点でトレイ駆動歯車ユニット20が図15(g)に示すように完全に「リセット」される。この状態で、全ての歯車のギヤ歯が相互に整列し、1つの非中空体の歯車としてとして回転する。
図16は、待機位置YでのトレイTを伴ったトレイ駆動歯車ユニット20の側面図である。又、図17は、待機位置YでのトレイTを伴ったトレイ駆動歯車ユニット20の拡大斜視図である。上述したように、突起26aを具備した金属バネ26がトレイ駆動歯車ユニット20の付近に設けられている。金属バネ26の突起26aはトレイ駆動歯車22、25の側部に触れているので、トレイ駆動歯車22、25に摩擦力が提供されて、これらのトレイ駆動歯車が、モータ116からの実際の力によって駆動される前に適所に保持される。
図18(a)〜図18(d)は、トレイTを上から下に1枚ずつディスク待機位置Yへ駆動するトレイ駆動歯車ユニット20の動作を示す。最上段のトレイ駆動歯車24はシャフト21sにしっかりと取り付けられ、更に、この時点で全トレイ駆動歯車間における回転を開始する。
トレイ駆動歯車ユニット20は、トレイTをディスク交換位置Xから待機位置へ駆動するために、図中の反時計回り方向へ回転する必要がある。この時、第1回転を終えたストッパリブ24aの側面が、プラスチックリング23のストッパリブ23b(レベル1)の側面と接触することで、トレイTがディスク交換位置Xから、ディスク交換位置Xと待機位置Yの中間の位置へと駆動されるが、これは、トレイ駆動歯車どうしの間に2つのプラスチックリング23を使用しているためである。第2回転は、ストッパリブ23a(レベル1)がストッパリブ23b(レベル2)と接触するまで継続される。これで、最上段のトレイT1が待機位置Yに完全に駆動された状態となった。ストッパリブ23a(レベル2)が回転して、下方トレイ駆動歯車22上のストッパリブ22bを押し動かすと、第2トレイT2は移動を開始する。
図19(a)はディスクチェンジャ1の平面図であり、ここでは、最上段のトレイT1は最上段のトレイ駆動歯車24によって待機位置Yへ駆動されており、第2トレイT2はトレイ駆動歯車ユニット20がディスク交換位置Xから待機位置Yへ移動するべく回転するのを待っている。図19(b)は、トレイTと係合するトレイ駆動歯車ユニット20を示している。最上段のトレイT1は待機位置Yへ移動し、トレイ駆動歯車22から係合解除され、これよりも低いレベルの別のトレイが交換位置Xにつく。トレイTの格納は上から下に向かって行われる。
図20(a)〜図20(c)は、最上段のトレイT1をディスク交換位置Xからディスク待機位置Yへ格納する順序を示す側面図である。図20(a)は、全トレイTがディスク交換位置Xに位置決めされた状態を示す。なお、トレイ駆動歯車ユニット20は、トレイTをディスク交換位置Xへ駆動する際には、単体として回転される。
図20(b)は、最上段のトレイT1が、ディスク交換位置Xとディスク待機位置Yの間で半分格納された状態にある状態を示す。これは、トレイ駆動歯車ユニット20の第1回転によって実行される。図20(c)は、最上段のトレイT1がディスク待機位置Yに完全に格納された状態を示す。これは、トレイ駆動歯車ユニット20の第2回転によって実行される。その後、トレイ駆動歯車ユニット20が回転を続けると、第2トレイT2が移動を開始する。
この設計のプラスチックリング23は、駆動歯車にダミー回転を提供することでトレイ駆動歯車22のサイズを縮小する上で便利である。第1トレイ駆動歯車が回転すると、第1トレイ駆動歯車から係合解除された直後のトレイTが格納されて、第1トレイ駆動歯車のストッパリブがプラスチックリング23のストッパリブに当たり、これにより第2トレイ駆動歯車が回転する。つまり、第2トレイT2を回転させるべく第2トレイ駆動歯車が回転を始める前にトレイをディスク待機位置へ駆動させるために、第1トレイ駆動歯車が(360〜2θ)の角度だけ回転する(角度θは、図15(h)に示すように、ストッパリブの幅に関連した角度である)。
プラスチックリング23を用いない場合には、トレイ排出ストローク「y」の駆動歯車のPCD(ピッチ円直径)「D1」が次式(1)より得られる。
D1=[y/π]×[360−2θ] ‐‐‐(1)
プラスチックリング23を使用しているため、トレイ排出ストローク「y」の駆動歯車のPCD(ピッチ円直径)「D2」は次式(2)より得られる。この場合には、トレイ排出ストローク「y」は、トレイ駆動歯車22により達成されるストロークと、プラスチックリング23により達成されるストロークとで構成されている。
y=πD2[(360−2θ)/360]+πD2[(360−2θ)/360]=2πD2[(360−2θ)/360]
D2=[1/2]×[y/π]×[360/(360−2θ)] ‐‐‐(2)
D2=[1/2]D1
したがって、プラスチックリング23(ダミーリング)を使用することで、トレイ駆動歯車22のPCDを1/2に低減することが可能となる。
「n」個のプラスチックリング23を使用した場合(本発明の別の実施形態による)、トレイ排出ストローク「y」の駆動歯車のPCD(ピッチ円直径)「Dn」は次式より得られる。
y=πD2[(360−2θ)/360]+n{πD2[360−2θ]/360]}=(1+n)πD2[(360−2θ)/360]
Dn=[1/(1+n)]×[y/π]×[360/(360−2θ)] ‐‐‐(3)
Dn=[1/(1+n)]D1
更に多くのプラスチックリング23を用いれば、トレイ駆動歯車22の直径を更に縮小できる。
次に、ディスクチェンジャ1の駆動機構について説明する。
図21は、実施形態によるディスクチェンジャ1内部の駆動(歯車)機構100の全体的な配置構造を示す平面図である。図22は、図21の要部の詳細を示す平面図である。
図21、図22では、参照符号Zはディスク記録/再生位置を、参照符号Yはディスク待機位置を、参照符号Xはディスク交換位置を表している。更に、参照符号100は、ディスク待機位置Yに配置されたディスクチェンジャ1の歯車機構を表す。
図21、図22、図23では、参照符号116は、歯車機構に駆動力を提供する電気モータを表す。駆動機構100はモータ滑車115、ベルト121、滑車歯車101、第1リレー歯車102、第2リレー歯車103、第3リレー歯車104を設けている。第2リレー歯車103は滑車歯車101の裏側に設けられている。駆動機構100は更に、切換歯車105、ロングギヤ106、作動歯車107、第1UD歯車108、第2UD歯車109、第1遊び歯車110、第2遊び歯車111を設けている。駆動機構100はメイン駆動歯車113、カムギヤ114、トレイリレー歯車112を更に装備している。全ての駆動歯車はメカニカルシャーシ3の内部に配置されている。
図23は、切換歯車105周囲の歯車係合を示す斜視図である。切換歯車105は常に第3リレー歯車104と係合しており、又、切換歯車105の上下動作はこれを第3切換歯車104に沿って滑動させることで実行される。各切換歯車の歯105aは、ロングギヤ106およびメイン駆動歯車113との係合を容易にするための先細り面を具備している。メイン駆動歯車113は、切換歯車105との係合を容易にするための各歯車歯上にコイニング形状部113aを具備している。
図24は、作動歯車107周りの歯車の係合状態を示す斜視図である。作動歯車107はロングギヤ106と常に係合しており、作動歯車107の上下動作は、これをロングギヤ106に沿って滑動させることで行われる。各作動歯車歯107bは、第1UD歯車108および第1遊び歯車110との係合を容易にするための先細り面を具備している。第1遊び歯車は、各歯車歯上に、作動歯車107との係合を容易にするためのコイニング形状110aを設けている。
図25(a)、図25(b)は、切換歯車105による第1歯車列切換システムを示す模式的な側面図である。図25(a)に示すように、切換歯車105はプランジャレバー126によって支持されている。プランジャユニット117に電流が付加されると、プランジャユニット17が可動コア118を使用してプランジャレバー126を引き、これにより、切換歯車105が上昇されてロングギヤ106と係合する。その一方で、プランジャユニット117に電流が供給されない場合には、切換歯車105がコイルバネ119によって押し下げられ、図25(b)に示すようにメイン駆動歯車113と係合する。
切換歯車105が下方位置にある時の駆動機構100の動作は、トレイ引き出し/格納システムまたは選択システム(再生/格納駆動/上昇駆動)の機能を駆動するためのものである。その一方で、切換歯車105が上方位置にある時の駆動機構100の動作は、トレイ再生/格納システムまたは昇降システムの機能を駆動するためのものである。
図26(a)、図26(b)は、作動歯車107による第2歯車列切換システムを示す模式的な側面図である。これらの図面に示すように、作動歯車107は機能レバー125によって支持されている。機能レバー125の丸い端部125aは、カムギヤ114の下方側部にて外周輪郭形状114e、114fを追随しながら移動する。カムギヤ114が回転し、平面形状114eが作動歯車107の丸い端部125aに触れると、機能レバー125が作動歯車107を上昇させる。この時点で、作動歯車107が、昇降システムを駆動する第1UD歯車108と係合する。図26(b)は、丸い端部125aに触れるカムギヤ114の平面114fを示す。この状態にて、作動歯車107は機能レバー125によって押し下げられ、作動歯車107がトレイ再生/格納システムを駆動する第1遊び歯車110と係合する。
図27は、組立状態にあるディスクチェンジャ1の機能レバー125および作動歯車107の斜視図である。機能レバー125は、作動歯車107の歯車本体107aを保持するためのフック部分125bを設けている。この構成により、機能レバー125は作動歯車107を常に保持することができ、作動歯車107は機能レバー125の動作によって垂直方向に移動することができる。
図28(a)はカムギヤ114を示す平面図である。図28(b)は、カムギヤ114の下方側の外周輪郭形状114e、114fを示す斜視図である。図28(a)に示すように、カムギヤ114のギヤ歯車114aはメイン駆動ギヤ113およびトレイリレーギヤ112と係合する。カムギヤ114は、トリガーギヤ51、第1ロックレバー93、第2ロックレバー94の回転動作を作り出すためのカム溝114b、114c、114dを設けている。
カムギヤ114の下方側における外周輪郭形状114e、114fは、機能レバー125の状態を変更するために使用される。平面形状114eにより、作動歯車107が、上昇駆動機能を実施するべく係合できるようになり、又、平面形状114fにより、作動歯車107が、トレイ再生/格納機能を実施するべく係合できるようになる。カムギヤ114は更にセンサ形状114gを設けており、このセンサ形状は、引き出しまたは格納時におけるトレイTの状態を表示する電子センサ信号の変化を感知する。
図29に示すブロック図で説明されるように、ディスクチェンジャ1の駆動機構100にはシングルモータ駆動を達成するための切換モード切換モードが備えられている。電気モータ116から供給された電力は、切換歯車105と作動歯車107を使用して、歯車列システム(昇降システム、トレイ再生/格納システム、トレイ引き出し/格納システム)に送られる。プランジャユニット117と、カムギヤ114の平面形状114e、114fとを使用することにより、両歯車のレベルを変更できる。
図30は、ディスクチェンジャ1内におけるトレイ引き出し/格納システムの歯車列を示す平面図である。この歯車列は、トレイTをディスク交換位置Xとディスク待機位置Yの間で駆動する。
ディスクチェンジャ1がトレイ引き出し/格納システムの歯車列を駆動するべく動作すると、駆動源歯車列がメイン駆動歯車113と接続する。駆動源歯車列は、駆動源を電気モータ116から切換歯車105にまで接続させる。歯車列はカムギヤ114、トレイリレー歯車112から、シャフトギヤ21を介してトレイ駆動歯車ユニット20へと続いている。トレイ駆動歯車ユニット20は、全トレイTを待機位置Yからディスク交換位置Xへ同時に駆動できるように設計されている。
図31(a)〜図31(d)は、主にカムギヤ114によって制御されるトレイ引き出し動作の一連の動きを示す平面図である。トレイ引き出し/格納システムは、トリガー部50とトレイ駆動歯車ユニット20を設けている。トリガー部50は、トリガー歯車51、トリガースライド板52、トレイロックレバー53を装備している。ディスクチェンジャ1をトレイ引き出し/格納システムを駆動させるよう動作すると、カムギヤ114が時計回り方向に回転してトレイTをディスク交換位置X(引き出し)へ移動させるか、または、反時計回り方向に回転してトレイTをディスク待機位置Y(格納)へ移動させる。トレイTを引き出す場合、カムギヤ114の回転時に、トレイ駆動歯車ユニット20が全ての駆動歯車を「リセット」するべく回転することで、トレイ駆動歯車ユニット20が単体として回転できるようになり、又、これと同時に、カム形状部114bがトリガー歯車51を押圧して、トリガースライド板52を回転させて駆動する。
図31(a)は、トレイ引き出し/格納システムが移動を開始する瞬間の状態を示す。トレイロックレバー53はこの状態において全トレイTを拘束し、トレイ駆動歯車ユニット20はトレイTと係合しない。図31(b)、図31(c)は、カムギヤ114がトレイ引き出し/格納システムの歯車列によって駆動され、カムギヤ114の回転がトリガー歯車51を介してトリガースライド板52を移動させている状態を示している。トリガースライド板52は、動作中にトレイロックレバー53の拘束を解除してトレイTを解放する。図31(c)は、トレイTが押し動かされてトレイ駆動歯車ユニット20と係合する状態を示す。図31(d)は、全トレイTがトレイ駆動歯車ユニット20によってディスク交換位置Xへ駆動される状態を示す。トレイTの格納は、トレイ引き出し動作を反転させることで実施される。トレイTは上から下へ1枚ずつ格納される。
図32(a)、図32(b)は、トリガー歯車51およびトリガースライド板53を示す斜視図である。図32(a)、図32(b)に示す状態では、トリガー歯車51のボス部分51a(図7を参照)がカムギヤ114のカム溝114b内に挿入され、カム溝114bの輪郭形状によって駆動される。カムギヤ114上のカム溝形状114bはトリガー歯車51の制御経路である。トリガー歯車51上の歯車歯51bは、トリガースライド板52のラック歯車52と周期的に係合する。トリガー歯車51は、その支持ボス部分51c周囲で回転し、この支持ボス部分51cはピッチ板120のボス部分120aによって保持されている。トリガー歯車51のボス部分51aはカム溝114bによって移動される。そのため、カム歯車114が回転すると、カム溝114bの動作がトリガー歯車51によってトリガースライド板52へ伝達されて、トリガースライド板52が直線移動できるようになる。
図33は、ディスクチェンジャ1内の昇降システムの歯車列を示す平面図である。この歯車列は記録/再生部70を垂直方向に移動させ、次に特定のトレイと整列させるように動作する。
ディスクチェンジャ1が歯車列を昇降システムの駆動するように動作すると、駆動源歯車列が、駆動源を上昇モータ116からロングギヤ106、作動歯車107、第1UD歯車108、第2UD歯車109にまで移送する。駆動源歯車列は、電気モータ116からの駆動源を切換歯車105にまで移送する。次に、昇降システムの歯車列は、記録/再生部70を垂直方向へ移動するための上昇ユニット30を駆動する。
図34は、上昇ユニットの構成部品を示す斜視図である。右側UDラック32と左側UDラック31は1本の接続レバー33によって相互に接続している。上昇ユニットは、記録/再生部70を昇降システムの歯車列へ接続することにより垂直方向に移動するために使用される。駆動源は、第2UD歯車109の歯車歯109aによって右側UDラック32のギヤラック32bへ移送される。UDラック32、UDラック31のそれぞれの上には階段状カム32a、31aが設けられている。この階段状カム32a、31aは、側面図中の階段と類似したカム形状部を備えている。
階段状カム32a、31aのカム形状部は、記録/再生部70の動作を方向付ける。UDベース5の側部に設けられたボス部分5aはUDラック32、31のカム形状部32a、31a上に据設され、メカニカルシャーシ3の左案内部3bと右案内リブ3cによって支持されている。UDラック32、31が前方または後方へ直線移動されると、記録/再生部70が垂直方向に移動する。UDラック32はUDラック31に接続されているため、接続レバー33によって同期的に動作する。右側UDラック32のボス部分32cは接続レバー33のスロット33a内に嵌合している。更に、左側UDラック31のボス部分31bは、接続レバー33の反対側のスロット33b内に嵌合している。
図35は、右側UDラック32上に設けた階段状のカム形状部32aを示す側面図である。階段状カム32aは、記録/再生部70の、トレイTと整列する位置またはレベルに関連した水平部分32а−1〜32a−5を設けている。32a−1〜32a−5のレベルは、センサ形状部32dを使用した電気センサによって決定される。
図36(a)及び図36(b)は、それぞれ最上段位置(トレイT1)および最下段位置(トレイT5)での記録/再生部70をそれぞれ示す斜視図である。記録/再生部70を上方位置へ上昇させるには、昇降システムの歯車列によって右側UDラック32を前方へ駆動させる。この動作は、ピッチ板120のボス部分120bによって旋回可能に支持されている接続レバー33によって左側UDラック31へ伝達される。その結果、左側UDラック31が後方へ移動する。記録/再生部70を下方位置へ移動するには、UDラック32、31両方の移動方向を上記とは反対にする。
図37は、ディスクチェンジャ1内部のトレイ再生/格納システムの歯車列を示す平面図である。この歯車列は、トレイTをディスク記録/再生位置Zとディスク待機位置Yの間で駆動する。
ディスクチェンジャ1が、トレイ再生/格納システムの駆動歯車列を動作する場合、駆動源歯車列が駆動源を電気モータ116からロングギヤ106、作動歯車107、第1遊び歯車110、第2遊び歯車111へ伝達する。次に、トレイ再生/格納システムは、トレイTを記録/再生位置Zとディスク待機位置Yの間で移動できるトレイ駆動ラックユニット60を駆動する。
図38(a)及び図38(b)は、ディスク待機位置Yと記録/再生位置Zの間での駆動トレイTの移動を示す平面図である。
記録/再生部70が選択したトレイTのレベルに整列されると、トレイ駆動ラックユニット60によってトレイTをディスク記録/再生位置Zとディスク待機位置Yの間で駆動できるようになる。
図39は、トレイ駆動ラックユニット60の構成部品を示す斜視図である。トレイ駆動ラックユニット60はトレイキャッチレバー61、第1再生レバー62、第2再生レバー63、トレイ駆動ラック64、横スライド板65を設けている。記録/再生位置Zに配置されたトレイがない場合には全トレイTは待機位置Yにあり、トレイ格納/再生システムの歯車列は、第2遊び歯車111によって、ラック歯車64aと第2遊び歯車の歯車歯111aとの歯車係合を介してトレイ駆動ラック64に接続される。第2遊び歯車111が時計回り方向に回転すると、トレイTが記録/再生位置Zへ駆動される。
図40(a)は、組立状態にあるトレイ駆動ラックユニットの示す斜視図であり、図40(b)は、トレイ駆動ラックユニット60の実質的な部分を示す拡大斜視図である。更に、図41(a)は、組立状態にあるトレイキャッチレバー61とトレイ駆動ラック64を示す斜視図であり、図41(b)は、トレイキャッチレバー61とトレイ駆動ラック64の組立状態を示す平面図であり、図41(c)は、図41(b)のL41−L41線に沿った断面図である。
図40(a)、図40(b)に示すように、トレイキャッチレバー61は、UDベース5の側壁5wに形成されたガイドスロット5g内に挿入されて、ガイドスロット5gによって案内される。トレイ駆動ラック64はメカニカルシャーシ3上に搭載されており、ディスク記録/再生位置Zとディスク待機位置Yの間で水平(前後)方向に移動する。更に、トレイキャッチレバー61は、UDベース5の上下動作により、トレイT1のレベルとトレイT5のレベルの間で垂直(上下)方向に移動できる。トレイ駆動ラックユニット60は、トレイ駆動ラック64およびトレイキャッチレバー61を使用して、トレイTをディスク待機位置Yとディスク記録/再生位置Zの間で移動させる。トレイ駆動ラック64は第2再生レバー63を動かし、次に第1再生レバー62を動かすことで横スライド板65をトリガーし、クランパユニット10によるクランプ動作を完了させる。
メカニカルシャーシ3上に支持されたトレイ駆動ラック64は、メカニカルシャーシ3内の最下レベルにて水平方向に移動する。この配置では、トレイ駆動ラック64を安定的かつ均一に支持することができる。これにより、特にトレイTにディスクDが搭載されている際に、トレイTをディスク記録/再生位置Zとディスク待機位置Yの間で安定して移動することが確実にできるようになる。トレイ駆動ラック64は水平方向に移動するが、トレイTが選択されている場合にトレイ駆動ラック64が垂直(上下)方向に移動する必要はない。これにより、トレイ駆動ラック64が上下に動作するための余分な空間を提供する必要がないため、トレイ駆動ラック64を収納するのに必要な空間を縮小できる。したがって、トレイ駆動ラック64の上の空間を、歯車搭載といった別の目的に使用できる。あるいは、ディスクチェンジャ1のサイズ、又特にディスクチェンジャの高さも縮小できる。
図40(b)に詳細に示すように、記録/再生部70(UDベース5)を最上トレイT1のレベルに位置決めした場合、第1再生レバー62上に設けられた開口部62aが、トレイ選択中に第2再生レバー63のシャフト63b上を滑ることによって移動する。シャフト63bの表面は滑らかであるため、記録/再生選択部70によるトレイ選択の最中に開口部62aとシャフト63bの間で滑らかな滑動が得られる。
更に、図41(a)〜図41(c)に示すように、トレイキャッチレバー61は通し穴61aを設けており、トレイ駆動ラック64は長いシャフト64bを設けている。この長いシャフト64bは通し穴61a内に挿入され、これにより、トレイキャッチレバー61が長いシャフト64bによって支持される。トレイキャッチレバー61は、トレイ駆動ラック64の水平動作によって水平(前後)方向に移動する。トレイ駆動ラック64のギヤラック64aは第2遊び歯車111と係合し、これによってディスク待機位置Yとディスク記録/再生位置Zの間で駆動される。トレイ駆動ラック64により、更にトレイキャッチレバー61が移動する。
図42は、トレイ駆動ラック64及びディスク待機位置YにあるトレイTと係合するトレイキャッチレバー61を示す斜視図である。更に、図43(a)は、トレイ駆動ラック64とディスク待機位置YにあるトレイTと係合するトレイキャッチレバー61を示す平面図であり、図43(b)は図43(a)のL43−L43線に沿った断面図であり、図43(c)は、トレイ駆動ラック64の長いシャフト64bに接続したトレイキャッチレバー61の取り付け部分を示す拡大断面図である。
上述したように、トレイキャッチレバー61は記録/再生部70(UDベース5:上下基部)上に支持されており、この上で移動する。トレイキャッチレバー61の頂部にはキャッチ突起61bが設けられており、このキャッチ突起61bはトレイTを引っ張ることで、ディスク待機位置Yとディスク記録/再生位置Zの間で移動させる。実駆動力が、トレイ駆動ラック64からキャッチレバー61へ、トレイ駆動ラック64の長いシャフト64bを介して伝達される。トレイ選択動作中に、UDベース5が、トレイキャッチレバー61を上下させることで、これを選択したトレイTと整列させる。トレイ選択動作に駆動歯車列を追加する必要は全くない。
図43(c)に明示するように、トレイ駆動ラック64の長いシャフト64bの外面とトレイキャッチレバー61の通し穴61aの内面との間の接触を維持するために、トレイキャッチレバー61の通し穴61aの内面に丸いリング突起61cが設けられている。丸いリング突起61cの表面は滑らかになっている。この配置により、トレイ駆動動作中に過剰な摩擦力を生成せずに優れた接触を達成することが可能となる。更に、トレイキャッチレバー61の外面には表面が滑らかな丸いリング突起61dが設けられている。
図44(a)は、UDベース5に組み付けられたトレイ駆動ラックユニット60を示す平面図であり、図44(b)は、図44(a)のL44−L44線に沿った断面図であり、図44(c)は、UDベース5の側壁5wのガイドスロット5gに接続されたトレイキャッチレバー61の嵌合部を示す拡大断面図である。
上述したように、トレイキャッチレバー61はUDベース5の側壁5wのガイドスロット5g内に挿入され、ガイドスロット5gによってトレイキャッチレバー61の水平方向への移動が案内される。
図44(c)に明示するように、トレイキャッチレバー61の外面に丸いリング突起61dが設けられ、これによりUDベース5の側壁5wとの優れた接触を維持していることで、摩擦との接触を最小にすることができる。更に、表面が滑らかな1対の丸い突起5eをガイドスロット5gの上方内縁上に設けている。トレイキャッチレバー61はこの丸い突起5eによって支持されている。この配置によって、トレイ駆動ラック64がトレイTをディスク待機位置Yとディスク記録/再生位置Zの間で駆動するトレイ駆動動作中に、過剰な摩擦力を生成することなく優れた滑り接触を得ることが可能となる。
この実施形態によれば、2つの別個の部品(トレイキャッチレバー61、トレイ駆動ラック64)を使用してトレイTを駆動する。この2つの部品により、シャフト形状部の高さを半分に縮小することができる。この配置は、部品の直線性の制御を著しく促進する。トレイキャッチレバー61を分離して設計しているため、これを記録/再生部70上に搭載し、UDベース上にしっかりと支持することが可能となる。この配置は、駆動機構の構造をより強力なものにする。記録/再生部70は、トレイキャッチレバー61を、水平動作中にある選択されたトレイTと、一定のピッチで、より正確な形で整列させることができる。更に、トレイキャッチレバー61の外面にも、UDベース5の壁に触れる丸いリング面を設けることが可能である。
図45(a)〜図45(d)は、トレイTをディスク待機位置Yから記録/再生位置Zへ駆動するトレイキャッチレバー61の移動の一連の順序を示す拡大平面図である。図45(a)は、トレイキャッチレバー61がディスク待機位置YにあるトレイTから離れた状態を示す。UDベース5は、トレイキャッチレバー61が垂直方向に移動中、記録/再生位置Zへ駆動される必要のあるトレイTと自己を整列させる際に、トレイキャッチレバー61を支持する。
図45(b)、図45(c)に示すように、トレイ駆動ラック64は第2遊び歯車111が時計回り方向に回転する際に後方へ移動するが、この移動が生じると、トレイ駆動ラック64上のボス部分64bが穴61aを介してトレイキャッチレバー61を引っ張る。トレイキャッチレバー61が後方へ移動すると、キャッチ形状部(凹状部分)61bが回転してトレイTのフック形状部Tg内に嵌合する。トレイキャッチレバー61の回転は、トレイキャッチレバー61の下方面上のカム溝61cと、UDベース5上の小さなボス部分5bとによって生じる。トレイキャッチレバー61の回転は、小さなボス部分5bに取り付けられたカム溝61cによって生じる。次に、図45(d)に示すように、トレイTがトレイ駆動ラックユニット60によってディスク記録/再生位置Zへ移動される。
図46(a)〜図46(d)は、トレイ駆動ラックユニット60によって実施される一連の動作を示す拡大平面図である。図46(a)は、トレイ駆動ラック64とトレイキャッチレバー61がディスク待機位置Yに位置決めされている初期位置を示す。この状態では、第2遊び歯車111がトレイ駆動ラック64のラック歯車64aと係合しており、横スライド板のラック歯車65bは第2遊び歯車111と係合していない。図46(b)は、トレイ駆動ラック64の移動が終了する前に、トレイ駆動ラック64のボス部分64cが第2再生レバー63の開口部63a内へ移動される状態を示している。トレイ駆動ラック64は後方への移動を続けると、第2再生レバー63がトレイ駆動ラック64のボス部分64cによって押し動かされて回転し、第2再生レバー63のボス部分63bが第1再生レバー62の開口部62aを押圧する。
更に、横スライド板65のカム形状部65c内に挿入された第1再生レバー62のボス部分62bが回転し、カム形状部65aの先細り面を押圧する。横スライド板65が押圧されて時計回り方向へ移動し、図46(c)に示すように、ラック歯車65aの第1歯車歯が第2再生歯車111の歯車歯111aと係合する。次に、図46(d)に示すように、駆動源が横スライド板65へ伝達されると、ディスククランプ動作の完了を示すスイッチを検出するまで、横スライド板65が時計回り方向へ駆動される。
トレイをディスク記録/再生位置Zからディスク待機位置Yへ駆動する動作は、上述した説明を逆にしたものである。駆動源は第2遊び歯車111から横スライド板65へ伝達される。横スライド板65のカム形状部65aが第1再生レバー62の回転動作を、次に第2再生レバー63の回転動作をトリガーすると、これによってトレイ駆動ラック64が引っ張られ、第2遊び歯車111と係合する。トレイ駆動ラック64が、トレイTに引っ掛かっているトレイキャッチレバー61を引っ張る。トレイTがディスク待機位置Yに達すると、トレイキャッチレバー61がフック形状部Tgから出て、反時計回り方向に回転し元の位置へ戻る。図45(b)に示すように、この回転はカム溝61cとUDベースボス5のボス部分5bによって達成される。
図47(a)、図47(b)〜図51(a)、図51(b)は、トレイTが待機位置Yから記録/再生位置Zへ移動する順序を示している。図47(a)は、トレイTが、UDベース5上のストッパ5dによって記録/再生位置Zで停止される前の状態を示す底面図であり、図47(b)は、図47(a)中のトレイキャッチレバー61の底部拡大図である。更に、図48(a)は、トレイTがUDベース5上のストッパ5dによって記録/再生位置にて停止されている状態を示す平面図であり、図48(b)は図48(a)中のトレイキャッチレバー61の拡大平面図である。更に、図49(a)は、UDベース5上のストッパ5dによって記録/再生位置に停止されているときのトレイTの底面図であり、図49(b)は図49(a)中のトレイキャッチレバーの拡大底面図である。又更に、図50(a)は、トレイTが記録/再生位置Zにて停止された後にもトレイキャッチレバー61が更に移動を続ける状態を示し、図50(b)は、図50(a)中のトレイキャッチレバー61の拡大平面図である。更に、図51(a)は、トレイTが記録/再生位置Zにて停止された後トレイキャッチレバー61が更に移動を続ける状態におけるトレイTの底面図であり、図51(b)は、図51(a)中のトレイキャッチレバー61の拡大底面図である。
図48(a)〜図49(b)に示すように、記録/再生位置ZにてトレイTがストッパ5dに当たると、トレイTは、その中心がターンテーブル9の中心と整列する位置において停止する。
図47(a)〜図48(b)に示すように、トレイTは長い滑りリブ5pと平行する方向へ移動する。図48(a)〜図51(b)に示すように、トレイ駆動ラック64は、トレイTが記録/再生位置Zにて停止した後にも更に移動を続け(ここではこれを「オーバストローク」配置と呼ぶ)、トレイキャッチレバー61を移動させようとする。トレイTが記録/再生位置Zにて停止すると、トレイキャッチレバー61がリブ5rに沿った方向へ回転する。この状態で、トレイTは常に正確な位置にて停止し、トレイキャッチレバー61とトレイ駆動ラック64は、オーバストロークによって応力をかけられたり、屈曲されたりすることがない。
上で説明したように、トレイキャッチレバー61は、トレイ駆動ラック64によってディスク待機位置Yへ駆動される際、又、トレイ駆動ラック64がトレイキャッチレバー61をディスク記録/再生位置Zの方向へ後方に移動させる際に、回転してトレイのフック形状部Tgから離れ、トレイキャッチレバー61は回転しながらトレイのフック形状部Tg内へ入り、トレイTを駆動する。
この実施形態によれば、トレイキャッチレバー61のUDベース5のカム形状部61cとトレイキャッチレバー61のカム形状部61cを使用することで、トレイTがディスク待機位置Yに達すると、トレイキャッチレバー61が回転してトレイTから離れることができる。この配置により、ディスク待機位置Yにて、トレイキャッチレバー61がトレイのフックTgと係合しないという状態が作られる。トレイTはディスク記録/再生位置Zへ駆動できるだけでなく、トレイキャッチレバー61が選択されたトレイTと整列している時にはいつでも待機位置Yからディスク交換位置Xへ駆動することが可能である。
又、この実施形態によれば、トレイTが記録/再生位置Zに達した場合、トレイキャッチレバー61をオーバストロークは位置に置くことができる。トレイTが記録/再生位置Zに関連したストッパ5dに当たっても、トレイ駆動ラック64は更に移動を続けることができる。これにより、トレイTは常に、トレイ駆動ラック64が停止する前に確実に停止するようになる。
記録/再生位置ZでトレイTが停止する正確な場所が重要である。この場所は、安定的で精密なディスククランプ動作を行えるよう、ターンテーブル9の中心でなければならない。この理由から、トレイTのディスク待機位置Yから記録/再生位置Zまでの移動は、オーバストローク設計から恩恵を得る。これにより、トレイTはストッパ5dに当たり、記録/再生位置Z内の上手く画定された位置にて停止することができる。トレイ駆動ラック64とトレイキャッチレバー61を分離させることで、トレイ駆動ラック64はトレイTがストッパ5dに当たった後にも移動を続けることができる。この時点で、トレイキャッチレバー61は数度の角度で回転して、トレイ駆動ラック64のシャフト形状部64bに応力がかかることを回避することができる。
この実施形態では、単純なトリガー構造を使用して、トレイ駆動ラック64と横スライド板65の間の歯車係合を達成している。トレイ駆動ラック64がディスク記録/再生位置Znに達すると、第2再生レバー63が回転して第1再生レバー62を押下する。次に、第1再生レバー62のボス形状部62bが横スライド板65へと押され、第2遊び歯車111と係合する。第2再生レバー63はメカニカルシャーシ3に固定されており、第1再生レバー62はUDベース5に固定されている。
この実施形態では、第1再生レバー62はUDベース5に固定されており、記録/再生部70と共に移動し、横スライド板65と安定的な接続を得られるようになっている。トレイ駆動ラック64と第1再生レバー62の間で安定した接続が確実に得られるようにするために、ロングシャフト63bを具備した第2再生レバー63がメカニカルシャーシ3に固定されている。記録/再生部70がトレイを選択するべく動作すると、第1再生レバー62の開口部62aが第2再生レバー63のシャフト上を滑動する。これらの配置では、トレイ駆動ラック64と横スライド板65の間での移送動作を、載置または取り除き動作のとしての最小の力損失で行える。
上述したように、トレイ駆動ラックユニット60は円筒形のトレイキャッチレバー61とトレイ駆動ラック64を設けており、トレイ駆動ラック64は、トレイキャッチレバー61内に挿入される垂直なロングシャフト64bを具備している。トレイキャッチレバー61はUD(上下)ベース5によって支持されており、上下(垂直)方向に移動できるようになっている。トレイ駆動ラック64の動作により、トレイキャッチレバー61は、選択されたトレイTを保持し、ディスク待機位置Yとディスク記録/再生位置Zの間で移動させることができる。換言すれば、トレイキャッチレバー61の動作を許容する機構は、垂直に整列している複数のトレイTに対処できるよう、相互に対して垂直方向に滑動できる2つの別個の部品(トレイキャッチレバー61の円筒形部分とシャフト形状部64b)で構成されている。トレイ駆動ラック64は垂直方向に移動する必要はなく、水平方向にのみ移動できればよい。これによりディスクチェンジャ1の構造が単純化し、その高さも縮小される。
トレイキャッチレバー61がトレイ駆動ラック64の動作によって選択されたトレイTへ移動すると、トレイキャッチレバー61がディスク待機位置Yに関連した位置にて回転し、これにより、選択されたトレイTと係合し、選択されたトレイTと係合しながら移動する。更に、トレイキャッチレバー61は、トレイ駆動ラック64の、ディスク待機位置Yに関連した位置に戻る際の動作によって回転される。これにより、キャッチレバー61と選択されたトレイTの間の係合が解除され、この段階でトレイキャッチレバー61がトレイTのストッパとして機能する。
トレイキャッチレバー61は、トレイ駆動ラック64のロングシャフト64dを具備した円筒形の本体を設けており、また、表面が滑らかな円形リング突起61cが円筒形本体の内面に形成されている。つまり、キャッチレバー61の円筒形本体の内面は円形リング突起61cと接触している。この配置により、キャッチレバー61の円筒形本体の内面と円形リング突起61cの間の接触範囲を最小にすることができ、これにより、キャッチレバー61の円筒形本体がトレイ駆動ラックのロングシャフト64dに対して特定の角度で傾斜した場合にも、2つの部品の滑らかな相対動作を得ることができる。
図52、図53は、それぞれ非クランプ状態およびクランプ状態にあるクランパユニット10を示す側面図である。ディスク記録/再生ユニット部70内の横ユニット6はUDベース5と横スライド板65によって支持されている。横ユニット6の裏側にある側部ボス部分6aのうち2つはフック形状部に取り付けられている。横ユニット6の表側にあるボス部分6b(図39を参照)は、横スライド板65のカム形状部65c内に取り付けられている(図39を参照)。横スライド側65が左側から右側へ移動する際には、横ユニット6の裏側が旋回することで横ユニット6が回転してクランプ位置へ移動する一方、横スライド側65が右側から左側へ移動する際には非クランプ位置へ移動する。
クランプ時には、クランパユニット10をターンテーブル9に配置するために、クランパ支持板11がターンテーブルに向かって下方に押される。非クランプ時にクランパ支持板11によりクランパユニット10を上昇させると、トレイTが記録/再生位置Zへ移動する際にトレイTの間隙が大きくなる。クランパ支持板11の動作は、横ユニット6のボス部分6bの動作によって制御される。
非クランプ状態において、横ユニット6のリブ6cがクランパ支持板11のリブ11aに触れる。クランパ支持板11はターンテーブル9から上昇され、クランパユニット10は上方位置に配置される。クランプ状態において、横ユニット6のリブ6cの別の側部がクランパ支持板11のリブ11aの別の側部に触れる。これにより、クランパ支持板11と、更にクランパユニット10が下降する。この状態で、クランパユニット10はターンテーブル9上に据設されており、ターンテーブルと共に自由に回転することができる。
図54は、ディスク待機位置YにあるトレイTの拘束システムを示す。この拘束システムは、トリガー歯車51、トリガー側部板52、トレイロックレバー53で構成されたトリガーシステム50を使用する。
図55(a)、図55(b)は、トレイロックレバー53の平面図と等角図をそれぞれ示す。各トレイロックレバー53は第1突起53a、ストッパリブ53b、第2突起53c、プラスチックバネ53dを含む。第1突起53aは、トレイTに「インターロック」効果を提供する。ストッパリブ53bは、トレイTに安定したロック状態を確実に提供するためのものである。第2突起53cは、トレイTとレイロックレバー53から拘束解除するために使用される形状部である。プラスチックバネ53dは、ストッパ53bがトリガー側部板52のロック形状部に触れていない際に安定した拘束効果を得られるようにするために、トレイロックレバー53にバネ効果を提供して、第1突起53aの位置が正確であることを確認するためのものである。
拘束/拘束解除動作は、トレイトリガーおよび開放動作において同時に実施される。これは、トレイTをディスク交換位置Xへ駆動する動作の一部と参照できる。
図56(以降でより詳細に述べる)は、カムギヤ114位置とトレイTの拘束タイプとの間の関係を示すブロック図である。図57(a)〜図57(c)は、トレイTを待機位置Yに拘束する際のトレイロックレバー53を示す拡大平面図である。図48は、トレイTが待機位置Yにて拘束された状態にあるディスクチェンジャを表側から見た斜視図である。待機位置YにあるトレイTは、トレイTがディスク交換位置X(トレイ引き出し動作)へ駆動される場合を除いた如何なる時にも、正面位置(ディスク交換位置X)へ移動するトレイロックレバー53によって拘束される。これは、トレイTが永久的な方法でディスク待機位置Yに拘束される出荷拘束位置であり、ディスクチェンジャ1は、トレイTをこの出荷拘束位置に拘束する動作を、任意の動作(例えば、トレイTをディスク待機位置Yとディスク記録/再生位置Zの間で駆動する動作や、トレイTを選択するために記録/再生ユニット70を上下へ駆動する動作)の後に常に実施する。
これ以外の状態では、トレイTは、トレイTの「インターロック」形状部とトレイロックレバー53によって拘束状態に維持される。図46は、カムギヤ114が「ホーム」位置からディスク交換位置Xへ回転する時間と、トレイロックレバー53とトリガースライド板52の拘束状態のタイプとを表した時間チャートである。図57(a)に示すタイプAの場合、トレイロックレバー53の第1突起53aが、トリガースライド板52の第1突起52eによってトレイTの表面Tk、Tmの方へ押し動かされる。これにより、トレイTがいかなる位置へも移動できない強力で安定した拘束状態が得られる。図57(b)に示すタイプBの場合、トリガースライド板52が前部側へ移動し、トリガースライド板52の第1突起52eがトレイロックレバー53の第1突起53aから離れることにより、拘束がトレイTとトレイロックレバー53の間の「インターロック」によってのみ生じるようになる。
プラスチックバネ53dはメカニカルシャーシ3の壁に触れており、トレイロックレバー53は拘束解除方向へ回転することができない。この時点で、トレイT前部側(ディスク交換位置X)へ移動することができないが、トレイキャッチレバー61と整列しているトレイT(記録/再生部70へ駆動されるように選択されたトレイT)は、トレイ駆動ラックユニット60によって引っ張られている場合には、後部側(ディスク記録/再生位置Z)へ移動することができる。その他のトレイTに関しては、図58に示すように、トレイ後部ストッパ95またはUDベース壁の壁によって遮断される。拘束解除期間は、トレイTトリガーの前の、トレイロックレバー拘束解除形状部53cが、トリガースライド板52によって押されてトレイ駆動歯車ユニット20と係合することができるように、トリガー側壁52の第2突起52dによって押され、トレイが短時間だけ拘束解除される際にのみ発生する。
図59は、トレイTが待機位置Yに拘束された状態にあるディスクチェンジャ1を後部側から見た斜視図である。記録/再生部70とトレイキャッチレバー61はトレイT3と整列しており、この状態で、トレイT1、T2はトレイロックレバー53およびトレイ後部ストッパ95によって待機位置Yに拘束される。トレイT4、T5は、トレイロックレバー53、UDベース壁、リブ5dによって待機位置Yに拘束される。選択されたトレイT3の後部側はトレイキャッチレバー61の凹部61bによって停止される。トレイキャッチレバー61が回転され、凹部61bがトレイフック部分Tg内に入ると、トレイT3をディスク記録/再生位置Zへ駆動できるようになる。
図60は、記録/再生部70にある拘束システムを示した平面図である。拘束システムの或る部分は横ユニット6とトレイ駆動ラックユニット60のための部分であり、別の部分は記録/再生部70のための部分である。拘束システムは、ディスクチェンジャ1が、移送中または誤った取り扱いの最中に、故障の原因となる外部振動および衝撃を確実に抑制できるようにするためのものである。この拘束システムを用いることで、各部品が拘束装置によってしっかりと保持されるため、部品の位置変化および転位が生じなくなる。この機能を達成するために使用される拘束装置は、横ユニット6およびトレイ駆動ラックユニット60を配置する第1ロックレバー93と、記録/再生部70全体を拘束する第2ロックレバー94である。
ロックレバー93、94の両方はカムギヤ114のカム溝114c、114dによって制御され、ピッチ板ボス部分上で旋回する。ロックレバー93、94両方の一端にはカム溝114c、114d内に挿入されるボス部分が設けられ、他端には、第2遊び歯車111および第2UD歯車109上の輪郭形状と係合した場合に最小の拘束効果を生じる特別な拘束突起が設けられている。
図61(a)、61(b)は、拘束状態にある第1ロックレバー93と第2遊び歯車111を示す斜視図である。第1ロックレバー93のフック部分93aは、トレイ再生/格納歯車列を拘束するために、第2遊び歯車111の歯車歯111aと係合する。第1ロックレバー93のフック部分93a上の先細り形状部93cと、第2遊び歯車111の歯車歯111a上の先細り形状部111cとによってインターロック効果が生じる。これらの配置から、トレイ再生/格納システム歯車列の強力な拘束状態が得られる。
図62(a)、図62(b)は、ディスクチェンジャ1の拘束装置である第1ロックレバー93の2つの状態をそれぞれ示した平面図および斜視図である。これらの図面は、第1ロックレバー93のフック部分93aが第2遊び歯車111の歯車歯111aと係合して、第2遊び歯車111を拘束する状態にある第1ロックレバー93を示す。この時点で、歯車歯111aはトレイ駆動ラック64のラック歯車64aと係合する。この状態は、トレイ駆動ラック64が待機位置Yにあり、ディスク記録/再生位置ZにはトレイTが全くない場合に生じる。
図63(a)、図63(b)は、第1ロックレバー93をそれぞれ示す平面図および斜視図である。これらの図面は、更に、第1ロックレバー93のフック部分93aが第2遊び歯車111の歯車歯111aと係合し、第2遊び歯車111を拘束している状態にある第1ロックレバー93を示している。この時点で、歯車歯111aが横スライド板65のラック歯車65aと係合する。この状態は、トレイ駆動ラック64がトレイTをディスク記録/再生位置Zへ駆動し、また、ディスク記録/再生を実施するべくディスクをクランプするために横スライド板65が移動する際に生じる。
図64(a)は、第1ロックレバー93の拘束状態を示す平面図である。この状態では、第1ロックレバー93のボス部分93bが、カムギヤ溝114cの、第1ロックレバー93を拘束方向に回転するよう案内する第1範囲114c−1の内部に嵌合している。図64(b)は、第1ロックレバー93の拘束解除状態を示す平面図である。この状態では、ボス部分93bは、カムギヤ溝114cの、第1ロックレバー93を拘束解除方向へ回転移動するよう案内する第2位置114c−2に配置されている。カムギヤ溝114c上には、同じ位置を用いて機能レバー125の状態を変更する部分114c−2が1つだけ設けられている。
図65は、カムギヤ114が第1ロックレバー93を拘束解除する位置へ回転移動する、拘束システムの状態を示す斜視図である。この状態では、トレイ再生/格納システム(トレイ駆動ラックユニット)の歯車列を駆動するために、機能レバー125の位置が変更される。
図66は、ディスクチェンジャ1内の拘束装置である第2ロックレバー94を示す平面図である。図56に示す状態では、第2ロックレバー94の突出部分94aが第2UD歯車のロック形状部109bと係合して、第2UD歯車109を拘束する。この時点で、歯車歯109aがUDラック32のラック歯車32bと係合する。この状態は、記録/再生部70が記録/再生位置Zへ駆動するトレイTを選択するための上下動作を完了した後に生じる。
図67は、拘束解除状態にある第2ロックレバー94と第2UD歯車109を示す斜視図である。上昇歯車列を拘束するために、第2ロックレバー94の突起部94aが第2UD歯車109のロック形状部109b内にいる。第2UD歯車109は、第2ロックレバー94の突起部94aと高い信頼性にて係合し、第2UD歯車109と整列するための先細り部分109cを設けている。
図68(a)は、第2ロックレバー94の拘束状態を示す平面図である。この状態では、第2ロックレバー94のボス部分94bが、カムギヤ溝114dの、第2ロックレバー94を拘束方向へ回転させるよう案内する第1範囲114d−1内に嵌合している。図58(b)は、第2ロックレバー94の拘束解除状態を示す平面図である。この状態では、ボス部分94bは、カムギヤ溝114dの、第2ロックレバー94を拘束解除方向へ回転させるよう案内する第2範囲114d−2内に嵌合している。カムギヤ溝114上には1つの位置114d−2しか設けられておらず、この位置のみを使用して機能レバー125の状態の変更が行われる。
図69は、カムギヤ114が時計回り方向および反時計回り方向に回転する動作を説明したカムギヤ114の平面図である。カムギヤ114の回転動作はホーム位置から開始し、次に時計回り方向へ回転して、位置A内でトレイ駆動歯車ユニット20をリセットする。この動作中、トレイTは移動しない。カムギヤ114は、機能レバー126のレベルを第1UD歯車108と係合するレベルから第1再生歯車110と係合するレベルへ変更するために、ホーム位置から時計回り方向に回転して再生駆動位置へ移動する。この再生駆動位置からホーム位置までの動作を反転させる。位置Bの範囲内において、トリガースライド板52が、トレイ駆動歯車ユニット20と係合するためにトレイTをトリガーする。また、位置Cの範囲内において、トレイTはディスク交換位置Xへ駆動される。カムギヤ114が反時計回り方向に回転すると、トレイT1がまず位置Cの範囲内のディスク待機位置Yへ駆動され、この後にトレイT2〜T5が順番に続く。
図70は、カムギヤ114が、第2ロックレバー94を拘束解除する位置へと回転される状態を示す斜視図である。この状態では、機能レバー126の位置を変更することで、昇降システム(上昇ユニット)の歯車列を駆動する。
図71は、トレイTのうち1枚が記録/再生位置Zにある場合に記録/再生部70が動くことを防止する別の拘束システムを示す斜視図である。この拘束システムは、記録/再生動作中に不正な電力停止が発生した場合に、ディスクチェンジャ1を外部衝撃および振動から保護することができる。横スライド板65の右側には、UDラック32の穴32e−1〜32e−5の何れにも挿入できるピン65dが設けられている。穴32e−1〜32e−5は、トレイT1〜T5と整列する記録/再生位置のそれぞれに関連している。この配置では、記録/再生が現在の記録/再生トレイT位置に拘束される。
図72は、記録/再生部70の拘束システムの要約テーブルである。常時、何れかの拘束システムが記録/再生部70を拘束するべく始動されている。
本発明のこの好ましい実施形態の配置によれば、トリガーユニット50は、トリガー動作および拘束/拘束解除動作の両方を実行できる。つまり、トレイトリガーユニット50は、複数のトレイTを拘束するために共用することができる。更に、トレイトリガーユニット50によって拘束され待機位置YにあるトレイTが拘束解除され、また、トレイトリガーユニット50を動作することで全トレイTが押し動かされてトレイ駆動歯車ユニット20と係合し、全トレイTがメカニカルシャーシ3から所定のトレイストロークだけ外方に突出し、その後、トレイTがトレイ駆動歯車20によって駆動されて、上から下へ1枚ずつ待機位置Yへ戻され、最後のトレイが待機位置Yに達した時点で、トレイトリガーユニット50が全トレイTを待機位置Yに拘束する。そのため、ユーザはボタン操作1つで、全トレイTをディスク交換位置Xへ所定のトレイストロークだけ自動輩出させることができるため、ディスクチェンジャ1の操作性が格段に向上する。
更に、本発明のこの実施形態では、トリガーユニット50はトリガー動作と拘束/拘束解除動作の両方を実行できる。つまり、トレイトリガーユニット50は、全トレイTを拘束するために共用することが可能である。トレイトリガーユニット50によって拘束され待機位置YにあるトレイTが拘束解除され、記録/再生動作中のディスクDが載置されているトレイT以外の全トレイTがトレイトリガーユニット50の操作によって押し動かされ、トレイ駆動歯車ユニット20と係合し、記録/再生動作中のディスクDが載置されているトレイT以外の全トレイTが、メカニカルシャーシ3から所定のトレイストロークだけ外方へ延長し、その後、トレイTがトレイ駆動歯車20によって駆動されて、上から下へ1枚ずつ待機位置Yへ戻され、、最後のトレイTが待機位置Yに達した時点でトレイトリガーユニット50が、目下記録/再生動作実行中であるディスクDが載置されたトレイT以外の全トレイTを待機位置Yに拘束する。そのため、ユーザは、目下記録/再生動作を実行中のディスクDが載置されたトレイT以外の全トレイTを、ボタン操作1つで自動的に、待機位置Yからディスク交換位置Xへ所定のトレイストロークだけ排出させることができるため、ディスクチェンジャ1の操作性が格段に向上する。したがって、この場合には、ディスクDの記録/再生動作実行中に、トレイTの排出および/または格納を実行することが可能である。
更に、この実施形態では、トレイTは交換位置Xへフルストロークで排出される。これにより、ユーザは、ディスクチェンジャ1内に収容されたディスクDを目視にて直接チェックすることができ、また、ディスクDを単純な操作にて交換することができる。
また、トレイTを半ストロークだけ引き出すことも可能である。これにより、ユーザはディスクチェンジャ1内に収容されたディスクDを、単純な操作で、目視にて直接チェックできる。
また更に本発明の実施形態では、トレイトリガーユニット50はカムギヤ114によって駆動され、最後のトレイTがディスク交換位置Xから待機位置Yへ移動した後に、全トレイTを待機位置Yに拘束するが、この場合、トレイトリガーユニット50には拘束解除位置へ移動するトリガースライド板52が設けられており、トリガースライド板52上の複数のトリガー形状部が同時に移動してトレイを押し動かし、駆動歯車と係合させる。そのため、ユーザは、ボタン操作1つで自動的に、全トレイTを待機位置Yからディスク交換位置Xへ所定のトレイストロークだけ排出させることができるため、ディスクチェンジャ1の操作性が格段に向上する。
さらに、トリガースライド板52上のカム形状部によって、柔軟なリブが出荷位置にてトレイTをしっかりと、精密に制御された自由な遊びを持って保持することができるため、複数のトレイTの強力な拘束作用を達成できる。この配置では、更に、複数のトレイTを拘束するための部品を追加する必要がなくなるため、コストを削減できる。トレイT上のトリガー形状部とトレイロックレバー53は、大きな傾斜状または面取り状に形成することができ、このことは次のような別の利点をもたらす。つまり、待機位置Yでロック形状部がトレイロック形状部の方へ押し動かされると、大きな傾斜状のロック形状部がトレイTを均等に案内して配列し、トレイTがディスク交換位置Xから待機位置Yへ戻る際に停止位置に変動があっても、トレイTを待機位置Yにて一様に配列することができる。
また更に、この実施形態では、トリガー動作と拘束/拘束解除動作の両方を1つの駆動源を使用して実行できるため、ディスクチェンジャ1の構造を単純化できる。
また、トレイロック解除期間を短縮して、トレイTが待機位置Yに移動された直後に拘束を実行することができる。トレイTのインターロック効果により、最も有効な拘束結果を達成できる。トレイTが前方方向へ移動すると、トレイロックレバー53が拘束方向に回転してより大きな拘束力が生じる。出荷時の拘束状態では、トリガースライド板52の拘束形状部がトレイロックレバー53の自由な遊び間隙最小化する際に、トレイロックレバー53は移動不能となる。これにより、トレイTはディスク記録/再生位置内へ後方に向かってしか移動できず、トリガースライド板52の作用によって押圧される手段を用いた場合以外、トレイTの前方への動作が阻止される。
この実施形態では、トレイトリガーユニット50には、トレイTが前方に移動する際に拘束方向へ回転する傾向にあるトレイロックレバー53が設けられており、トレイロックレバー53はトレイTにインターロック効果をもたらす。そのため、トレイTを堅固に拘束することができる。
更に、トレイロックレバー53がプラスチック連結部によって連結することで、他のレバーを干渉することなく自己回転が可能な接合部が作られ、その一方で、それぞれのトレイがレバーを超えて待機位置に達する。プラスチック連結部を設けたトレイロックレバー53によって別々のレバーを1つの部品に接合するため、コスト削減となり、取り付け工程が単純化される。したがって、トレイロックレバー53は、各レバーが他のレバーに影響を及ぼさない場合には別々の部品として回転することができる。ここから再びチェックが開始される。
更に、好ましい実施形態によれば、この実施形態のディスクチェンジャ1内のトリガースライド板52はカムギヤ114のカムスロットによって制御および作動される。カムギヤ114はトレイTの駆動にも使用される。トリガースライド板52はトレイロックレバー53に対して押圧されて、待機位置Yにある全トレイTに非常に安定した拘束を提供する。カムギヤ114がトレイ引き出し方向に回転すると、トリガースライド板52が移動して、板上のロック/ロック解除形状部がロック解除方向に向かいトレイロックレバー53に対して押圧され、これと同時に、板上のトリガー形状屈曲部がメカニカルシャーシ3上のスロットを追随することでトレイを前方に押し動かす。そのため、トリガースライド板52をトレイTの引き出しおよび拘束に(即ち共通的に)使用することができる。トリガースライド板52が、トレイTをトレイ駆動歯車ユニット20へ押し動かす直前にトレイTをロック解除するため、トレイTがロック解除される時間は短い。これにより、トレイTの駆動前におけるトレイTロック解除期間が短縮される。
トリガースライド板52は、トリガースライド板52の柔軟なリブ上のトリガー形状部に向かって前方に移動されている最中に、トレイトリガーリブThと接触し、トレイTをディスク交換位置Xへ押し動かす。これにより、トレイTが待機位置Yにて分離されて、収容およびロック形状部以外の部品とは連結されないという利点が生じる。これによって、出荷位置にてトレイTの位置が若干移動してしまう問題を全て回避できる。トレイTは、トリガーおよび押し動かされている最中に、トレイ駆動歯車ユニット20と係合してディスク交換位置Xへと更に移送される。あるいは、ストロークによってトレイTが待機位置Yからディスク交換位置Xへ移動できる場合には、トリガースライド板52自体によって純粋に押し動かされる。これにより、トレイ駆動システムの様々なオプションを作り出す柔軟性が得られるといった別の利点が生じる。
更に、実施形態によれば、トリガースライド板のトリガー形状屈曲部はメカニカルシャーシ3上のカム形状部を追随する。この形状部は、チェンジャー1の後部から前部へ移動する際に変化する。更に、この形状部がトレイトリガーゾーンにてトレイT上のトリガーリブと接触すると、トレイTが前方へ押し動かされてトレイ駆動歯車ユニット20と係合する。コストを削減するために、トリガー形状部はトリガースライド板52の上に単体部品として構造されており、また、トリガー形状部はより柔軟であるため屈曲やトレイトリガー力に耐えることができる。トレイトリガーリブとトリガースライド板トリガーレバー形状部の間のピッチを精密に制御することが可能である。
この実施形態では、メカニカルシャーシ3上のガイドスロットを様々な高さおよび傾斜を設けるように配置することができる。トリガースライド板52が待機位置Yまたは出荷位置から前部のディスク交換位置Xの前へ移動される最中に、トリガースライド板52上のカム形状部がトレイロックレバーの柔軟なリブから離れた前部へと移動される。トレイロックレバーのロック形状部53aはトレイTとのインターロック効果をもたらす。トリガースライド板52拘束/拘束解除がロックレバー形状部53bに対して押圧されることで、出荷状態にてより優れたロック効果が得られる。ロックレバー53上のプラスチックリブ53dがメカニカルシャーシ3の壁に対して押圧されることで、トレイTがディスク交換位置Xから待機位置Yに入る際に、トレイTの一時的な拘束効果が生じる。
更に、トレイTロック解除期間が最短化され、各トレイTが待機位置Yへ移動された直後に拘束が実行される。そのため、トレイTのインターロックが最も効果的な拘束結果を達成できるようになる。各トレイTが前方へ移動される際に、トレイロックレバー53が拘束方向に回転し、より大きな拘束力を生じる。出荷拘束状態では、トリガースライド板ロック形状部52eがトレイロックレバー53の自由遊び間隙を最小にするため、トレイロックレバー53が動作不能となっている。そのため、トレイTはディスク記録/再生位置Zに向かって後方にしか移動できず、トリガースライド板52の作用によって押し動かされない限り、前方への動作が阻止された状態となる。
無論、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、様々に改良または修正することが可能である。