JP4999316B2 - 燃料電池セル - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の構成部品としての燃料電池セルに関し、具体的にはセリア(酸化セリウム)を用いた固体電解質層を有する燃料電池セルに関する。
近年、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に関心が高まりつつある。特に、エネルギーの有効利用という観点から、固体酸化物形燃料電池はカルノー効率の制約を受けないため、本質的に高いエネルギー変換効率を有し、さらに良好な環境保全が期待されるなどの優れた特徴を持っている。
固体酸化物形燃料電池の構成部品としての燃料電池セルにおいては、酸素イオン伝導体を用いた固体電解質層の一方の面に接して燃料極層が配置されるとともに固体電解質層の他方の面に接して空気極層が配置されており、燃料極層に接する空間に水素が導入され、空気極層に接する空間に空気(酸素)が導入されることによって、燃料極側でH+O2−→HO+2e、空気極側でO+2e→O2−の反応が行われ、反応に関与した電子が外部回路に取り出されることにより発電するようになっている。
この燃料電池セルにおける固体電解質層には、内部をイオンが流れるときに生じる直流抵抗損を低く抑える必要性から、高いイオン伝導度が求められる。このような固体電解質層として従来最も有望視されてきた酸素イオン伝導体としては、Y安定化ZrO(YSZ)が挙げられる。しかし、このYSZにおいて十分なイオン伝導度を得るには1000℃の高温動作が必要であり、このような高温では電極界面との反応による部品寿命の劣化が激しいという問題がある。このような観点から動作温度を下げることが望まれるとともに、YSZより高いイオン伝導材料の出現が望まれている。
そこで、700℃以下という低い温度でも比較的イオン伝導度の高い材料として知られている希土類元素の固溶した酸化セリウムを固体電解質層として用いることが提案されている。これによれば、700℃以下の温度でも高出力の発電が可能である。
しかし、セリウムは還元性ガスによってCe4+がCe3+に還元される還元反応が起こってしまう。この還元に伴う膨張によって電解質の破損や劣化が起こり、またイオン伝導以外に電子伝導が起こるため、固体電解質層内部で短絡が生じ、著しく起電力が低下するという問題があった。
そこで、酸化セリウム系固体電解質層の燃料極側表面にMCe1−x3−α(Mはアルカリ土類金属元素、Rは希土類元素、xは0.05≦x≦0.20、αは組成式中のM、Ce及びRとOの化学量論比を整合させる数)で表されるセレート系酸化物からなる薄膜を形成することが行なわれている(特許文献1参照)。この方法によって、セリウムの還元を抑制することができている。
しかしながら、酸化セリウム系固体電解質層の燃料極側表面へのセレート系酸化物からなる層の形成により、イオン伝導性や電子伝導性が低下し、内部抵抗の増加、化学的安定性などの問題が生じている。すなわち、セレート系酸化物は、希土類元素の固溶した酸化セリウムに比して電子伝導度が低い為、起電力が向上するが、酸素イオン伝導度も低い為、電池の内部抵抗が増加してしまうという問題がある。特に、電極に接触している電解質の物性が電極の性能に影響することから、燃料極層に接触する固体電解質層の表面(表層)にセレート系酸化物層が形成されることにより、有効反応面積が減少し、内部抵抗(分極抵抗)が増加することで電極性能が低下してしまう(非特許文献1参照)。また、セレート系酸化物、特にAサイトにバリウムの固溶した化合物は水蒸気やCOにより分解することが知られており、セレート系酸化物からなる層が固体電解質層の表層に存在すると、水素ガス中に含まれる水分や燃料電池の反応により生成した水によりおかされてしまい、長期安定性に乏しい。
特開2005−243473号公報 D.Hirabayashi,A.Tomita,T.Hibino,M.Nagao,M.Sano,Electro Chemical Solid-State Letters,7,10,A318(2004).
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、希土類元素が固溶してなる酸化セリウムの電子伝導性による起電力の低下を抑制するとともに内部抵抗(分極抵抗)の増加を抑制し、長期に亘って安定した性能の燃料電池セルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、固体電解質層として、MCe1−x3−αで表されるセレート系酸化物からなる層を表層に設けるのではなく、希土類元素の固溶した酸化セリウムからなる層で挟持するようにした構造を採用することにより、希土類元素が固溶してなる酸化セリウムの電子伝導性による起電力の低下を抑制するとともに内部抵抗の増加を抑制することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、固体電解質層と、該固体電解質層を挟持し該固体電解質層を介して対向するように設けられた燃料極層と空気極層とを含む燃料電池セルであって、前記固体電解質層は、前記燃料極層に接する側に配置され酸化セリウムに希土類元素が固溶してなる第一層と、MCe1−x3−α(Mはアルカリ土類金属元素、Rは希土類元素、xは0.05≦x≦0.20、αは組成式中のM、Ce及びRとOの化学量論比を整合
させる数)で表されるセレート系酸化物からなる中間層としての第二層と、前記空気極層に接する側に配置され酸化セリウムに希土類元素が固溶してなる第三層で構成されるとともに、前記Mで示されるアルカリ土類金属元素がBaであることを特徴とする燃料電池セルである。
ここで、前記MCe1−x3−αで表されるセレート系酸化物において、前記Rで示される希土類元素がYであるのが好ましい。これにより、特にイオン伝導度が高く内部抵抗を低減する効果が高くなる。
また、前記酸化セリウムに固溶している前記希土類元素がGdまたはSmであり、前記希土類元素の前記酸化セリウムへの固溶量が5〜30mol%であるのが好ましい。GdまたはSmが固溶した酸化セリウムは、他の希土類元素が固溶した場合に比べ、イオン伝導度が高く、内部抵抗を低減する効果があるからであり、また希土類元素の固溶した酸化セリウムのイオン伝導度は、特に固溶量5〜30mol%の範囲で大きく、15mol%で最大となるからである。
さらに、前記固体電解質層の厚みが5〜30μm、前記第一層の厚みが0.5〜10μm、前記第二層の厚みが0.5〜5μmであるのが好ましい。固体電解質層の厚みがこの範囲であれば、ガスの透過による起電力の低下が起こるおそれはなく、内部抵抗もそれほど大きな値とはならないからである。また、第一層の厚みがこの範囲であれば、セリアの還元による体積膨張の影響が少なく、長期安定性が向上するとともに、ガスの透過が起こらないようにセレート系酸化物からなる第二層を保護する機能を十分に発揮できるからである。さらに、第二層の厚みがこの範囲であれば、内部抵抗(IR抵抗)を抑制できるからである。
本発明によれば、希土類元素が固溶してなる酸化セリウムの電子伝導性による起電力の低下を抑制するとともに内部抵抗(分極抵抗)の増加を抑制し、長期に亘って安定した性能の燃料電池セルを得ることができる。そして、固体電解質層を薄層化することで、低温における燃料電池セルの高出力化を達成することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は平板型の固体酸化物形燃料電池(SOFC)の模式図であって、本発明の燃料電池セル1と、燃料電池セル1を上下から挟持する一対のインターコネクタ2とから構成されている。各インターコネクタ2には、燃料電池セル1との対向面に、一方向に延びる複数個の凸条部21が所定の間隔で形成されており、これにより隣り合う凸条部21の間には水素または空気の通路となる溝部22が形成されたような構造になっている。
そして、図1に示す燃料電池セル1は、固体電解質層11と、固体電解質層11を挟持し固体電解質層11を介して対向するように設けられた燃料極層12と空気極層13とを含むものであって、換言すれば、燃料極層12、固体電解質層11、空気極層13がこの順で積層された構造になっている。
燃料極層12としては、従来この種の燃料電池に用いられてきた材料を特に制限なく用いることができ、例えば、ニッケル又は酸化ニッケルと、希土類元素の固溶した酸化セリウム(セリア)との混合体が挙げられる。この材料においては、酸化セリウムによるイオン伝導と電子伝導との混合伝導、及びニッケル(又は酸化ニッケルが還元されたもの)の電子伝導によって電極反応が促進されると考えられる。なお、燃料極層12の厚みは、5〜300μm、特には10〜100μmであることが好ましい。
また空気極層13としても、従来この種の燃料電池に用いられてきた材料を特に制限なく用いることができ、例えばLaSrMnO、LaSrCoO、SmSrMnOなどを挙げることができる。なお、空気極層13の厚みも5〜300μm、特には10〜100μmであることが好ましい。
そして、固体電解質層11は、図2に示すように、燃料極層12に接する側に配置され酸化セリウムに希土類元素が固溶してなる第一層111と、MCe1−x3−α(Mはアルカリ土類金属元素、Rは希土類元素、xは0.05≦x≦0.20、αは組成式中のM、Ce及びRとOの化学量論比を整合させる数)で表されるセレート系酸化物からなる中間層としての第二層112と、空気極層13に接する側に配置され酸化セリウムに希土類元素が固溶してなる第三層113で構成され、ちょうど第一層111と第三層113とで第二層112を挟持するような構成になっている。
このように、第一層111、第二層112、第三層113の三層構造をとることによって、第二層112を設けることによる起電力低下の抑制という効果を有するとともに、第二層112の表面を第一層111で覆うことによる内部抵抗(分極抵抗)増加の抑制および長期安定性という効果を有することができる。
ここで、固体電解質層11を形成する第一層111および第三層113には、酸素イオンの伝導性を高くするために、酸化セリウムに希土類元素が固溶されていることが必要である。酸化セリウムとしては、CeO、Ceなどが挙げられる。また、酸化セリウムに固溶する希土類元素としては、Sm、Gd、Y等が挙げられ、特には希土類元素の中でもイオン伝導度が高いSmとGdが好ましい。そして、希土類元素の量は、酸素イオン伝導度とセリウムの還元の観点から、5〜30モル%、特に10〜15モル%であることが好ましい。希土類元素の量がこの範囲内であれば、セリウムの還元による体積膨張による影響が少なく、長期耐久性を確保できるからであり、またイオン伝導度の低下を抑制し、燃料電池セルの発電損失も低減できるからである。なお、第一層111と第三層113の材質は、同じでも異なっていてもよい。
第二層112の形成材料としてのMCe1−x3−α(Mはアルカリ土類金属元素、Rは希土類元素、xは0.05≦x≦0.20、αは組成式中のM、Ce及びRとOの化学量論比を整合させる数)で表されるセレート系酸化物において、組成式中、Mで示されるアルカリ土類金属元素はBである。また、Rで示される希土類元素としては、Sc、Y、Sm、Gd、Yb等の少なくとも一種が挙げられ、特にイオン伝導度の観点からYが好ましく採用できる。またxとしては、特に0.1≦x≦0.2であることが好ましい。セレート系酸化物からなる第二層112の形成材料として具体的には、BaCe0.8Sm0.21.9やBaCe0.9Gd0.11.95が挙げられる。
固体電解質層11の厚みは、内部抵抗(IR抵抗)を小さくして燃料電池セルの発電損失を低減させるとともにガスシール性の悪化による起電力の低下を防止する観点から、5〜30μm、特に5〜20μmであるのが好ましい。
そして、固体電解質層11を構成するそれぞれの層(第一層111、第二層112、第三層113)の厚みとしては、全体(固体電解質層11)の厚みが5〜30μmとなる範囲で、第三層113を極力厚くしてガスの透過による起電力の低下を防ぎつつ、第一層111および第二層112を薄層化していくのが好ましい。ただし、第二層112は固体電解質層11の中を流れる短絡電流に対するバリア層として機能するが、第二層112を全体(固体電解質層11)の厚みに対して極端に小さくしてしまった場合、固体電解質層11の中を流れる短絡電流に対するバリア層としての機能を十分に発現する事ができない。したがって、第二層112は固体電解質層11の厚みに対してある一定の比率の厚みを有することが求められ、また十分な酸素イオンの伝導性を確保しつつ、電子伝導による起電力低下を抑制し内部抵抗(IR抵抗)を抑制する観点から、5〜30%程度の厚みとするのが好ましい。また第二層112の厚みとして具体的には、0.5〜5μm、特に1〜3μmであることが好ましい。
また、第二層112の保護および電池性能低下の抑制の観点から、第一層111の厚みが0.5〜10μm、特には1〜5μmであることが好ましい。第一層111の厚みがこの範囲内であると、セリウムの還元による体積膨張による影響が少なく、長期耐久性を確保できるからであり、また第二層112を十分に保護し、電池性能の低下を抑制するからである。
このような固体電解質層11は、ドクターブレード法、スクリーン印刷、気相蒸着法、EPD法など様々な方法で作製することができる。特にはドクターブレード法を用いて作製するのが好ましい。具体的には、原料粉末にバインダー、分散剤、可塑剤、溶剤を加え、ボールミルを行なうことによりスラリーを作製し、ドクターブレード法により所望の厚みを有するシート状の成形体を作製する。燃料極層、第一層、第二層、第三層のシート成形体を順次積層したのち、1300℃以上で焼成することにより、共焼結体が作製される。そして、空気極層は、この共焼結体にペーストを塗布して焼き付けることで作製される。
ここで、第二層中に存在するアルカリ土類金属はCOと反応して、炭酸塩が析出し易いという問題があるが、1300℃以上という高温で焼結することにより、固体電解質を十分に緻密化させると同時に結晶性を高めることができ、炭酸塩の析出を防止することができる。また、セレート系酸化物からなる第二層の形成方法を、従来の拡散反応ではなく、湿式成形プロセスを用いて成形し、第一層、第二層、第三層と積層することにより、固体電解質層の薄層化を達成することができる。
なお、特許文献1に示される固体電解質層では、希土類元素の固溶した酸化セリウムからなる層の燃料極側表面にアルカリ土類金属酸化物をコーティングした後、熱処理を行いアルカリ土類金属酸化物と酸化セリウムとを拡散反応させることにより、セリア系母剤の表面にMCe1−x3−α(Mはアルカリ土類金属元素、Rは希土類元素、xは0.05≦x≦0.20、αは組成式中のM、Ce及びRとOの化学量論比を整合させる数)で表されるセレート系酸化物からなる層を形成しているが、このような方法では固体電解質層を支持体とする必要があり、固体電解質層の厚みが0.5mmと大きくなってしまう。したがって、内部抵抗(IR抵抗)が高くなってしまい、SOFCの作動温度を低温化することはできない。また、このような拡散反応による固体電解質層の形成方法では、セレート系酸化物からなる層の厚みと組成の制御が困難であり、固体電解質層を薄層化するのは容易ではない。
これに対し、上記製造方法により薄層化すれば、内部抵抗(IR抵抗)の低減およびSOFCの作動温度を低温化することができる。
[実施例]
(1)燃料極成形体の製造
NiO粉末70wt%とSm0.2Ce0.8(以降SDCと略)の微粉末30wt%とを混合し、これにバインダー、分散剤、可塑剤を加え、ボールミル混合を行なった。そして、ドクターブレード法により厚み0.5mmのシート状に成形した。
(2)希土類元素が固溶した酸化セリウムならびにセレート系酸化物(バリウムセレート)成形体の製造
燃料極成形体の製造と同様に、Gd0.1Ce0.9(以降GDCと略)の微粉末、あるいはBaCe0.80.23―α(以降BCYと略)の微粉末にバインダー、分散剤、可塑剤を加え、ボールミル混合を行なった。そして、ドクターブレード法によりGDCは厚み10μm、BCYは厚み5μmのシート状に成形した。
(3)共焼結体(NiO−SDC/GDC/BCY/GDC)の製造
上記(1)と(2)で作製したNiO−SDCとBCY、GDCの成形体を積層し、1350℃で焼成した。作製した試料の破断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、GDC層(第一層)が7μm、BCY層(第二層)が2μm、GDC層(第三層)が7μmであることが確認できた。
(4)空気極の焼付け
上記(3)で作製した共焼結体にSm0.5Sr0.5CoO3−αのペーストを塗布し、900℃で5時間焼付けを行なった。ペーストは、Sm0.5Sr0.5CoO3−αの粉末とポリエチレングリコール、エタノールを混合しボールミルを行ない、80℃で乾燥することにより作製した。
(5)燃料電池セルの発電特性評価
作製した燃料電池セルの電極表面に集電部材としての白金メッシュとリード線を付け、燃料極側に水素ガス(加湿水素3%HO)を流し、酸素極側に空気を流通させ、600℃まで加熱し、NiOの還元処理を行った。そして、NiOの還元終了後、600℃におけるI−V特性評価を行った。この結果を図3に示す。
[比較例1]
燃料電池セル(Ni−SDC/GDC/SSC)の製造
実施例で製造した燃料極、GDCを積層し、1350℃で焼成して、共焼結体(NiO−SDC/GDC)を作製した。この共焼結体にSm0.5Sr0.5CoO3−αのペーストを塗布し、900℃で焼き付けを行なった。作製した燃料電池セルの電極表面に集電部材としての白金メッシュとリード線を付け、燃料極側に水素ガスを流し、酸素極側に空気を流通させ、600℃まで加熱し、NiOの還元処理を行った。NiOの還元終了後、600℃におけるI−V特性評価を行った。この結果を図3に示す。
[比較例2]
燃料電池セル(Ni−SDC/BCY/GDC/SSC)の製造
実施例で製造した燃料極、GDCを積層し、1350℃で焼成して、共焼結体(NiO−SDC/GDC)を作製した。この共焼結体にSm0.5Sr0.5CoO3−αのペーストを塗布し、900℃で焼き付けを行なった。作製した燃料電池セルの電極表面に集電部材としての白金メッシュとリード線を付け、燃料極側に水素ガスを流し、酸素極側に空気を流通させ、600℃まで加熱し、NiOの還元処理を行った。NiOの還元終了後、600℃におけるI−V特性評価を行った。この結果を図3に示す。
図3に示す結果より、実施例、比較例1、比較例2の最高出力密度は、それぞれ701mW/cm、643mW/cm、478mW/cmであり、起電力は967mV、881mV、964mVであった。比較例1では、内部抵抗(I−V直線の傾き)が小さく、電圧降下が小さくなっている。しかし、セリウムの還元による起電力の低下が大きく、低い内部抵抗に見合った出力が得られていない。比較例2では、開回路電圧は967mVと高いが、内部抵抗が大きく、電池としての特性が低くなる。これらに対して実施例では、バリウムセレートからなる第二層を燃料極側の表層に設けるのではなく固体電解質層の内部に設け、三層構造(GDC/BCY/GDC)としたことから、起電力の低下を抑制させることができると同時に、内部抵抗の増加を抑制させることが出来ている。
以上の結果から、実施例の燃料電池セル(単セル)によれば、セリウムの還元反応を抑制することができ、希土類元素が固溶してなる酸化セリウムからなる固体電解質が本来有する良好な電池特性を低下させることなく、低温においても高い出力が維持され、耐久性が向上することがわかる。
平板型の固体酸化物形燃料電池(SOFC)の模式図である。 本発明の燃料電池セルの説明図である。 実施例および比較例の燃料電池セルの600℃における放電特性(I−V)を示すグラフである。
符号の説明
1・・・・燃料電池セル
11・・・固体電解質層
12・・・燃料極層
13・・・空気極層
111・・第一層
112・・第二層
113・・第三層

Claims (4)

  1. 固体電解質層と、該固体電解質層を挟持し該固体電解質層を介して対向するように設けられた燃料極層と空気極層とを含む燃料電池セルであって、
    前記固体電解質層は、前記燃料極層に接する側に配置され酸化セリウムに希土類元素が固溶してなる第一層と、MCe1−x3−α(Mはアルカリ土類金属元素、Rは希土類元素、xは0.05≦x≦0.20、αは組成式中のM、Ce及びRとOの化学量論比を整合させる数)で表されるセレート系酸化物からなる中間層としての第二層と、前記空気極層に接する側に配置され酸化セリウムに希土類元素が固溶してなる第三層で構成されるとともに、前記Mで示されるアルカリ土類金属元素がBaであることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 前記MCe1−x3−αで表されるセレート系酸化物において、前記Rで示される希土類元素がYであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
  3. 前記酸化セリウムに固溶している前記希土類元素がGdまたはSmであり、前記希土類元素の前記酸化セリウムへの固溶量が5〜30mol%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池セル。
  4. 前記固体電解質層の厚みが5〜30μm、前記第一層の厚みが0.5〜10μm、前記第二層の厚みが0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
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