JP5173524B2 - 固体酸化物燃料電池及び水電解セル - Google Patents
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Description
0.15≦x≦0.4,
0.2≦y≦0.4
である。
0.2≦z≦0.4
である。
Sr1−3x/2LaxTi1+yO3−δ
を有する材料からなる。ここで、
0.15≦x≦0.4,
0.2≦y≦0.4
である。
第1の実施形態では、図1の構成を有する円筒型固体酸化物燃料電池のインターコネクタ5として好適な材料が提供される。より具体的には、第1の実施形態では、インターコネクタ5が、下記の組成式:
Sr1−3x/2LaxTi1+yO3−δ, ・・・(1a)
を有する材料で構成される。ただし、
0.15≦x≦0.4, ・・・(1b)
0.2≦y≦0.4, ・・・(1c)
である。組成式の「O3−δ」は、酸素の量を定量的に示すのではなく、単に、ストロンチウム、ランタン、チタンが充分に酸化されていることを示している。ストロンチウム、ランタン、チタンが充分に酸化されると、理論的には、3−δは、3よりも多少小さい値になる。
第1に、導電率を低下させるために、Sr2+の一部がLa3+に置換されている。より具体的には、Aサイトの組成がSr1―3x/2Laxとなるように、Sr2+がLa3+に置換されている。このような態様で置換されるのは、焼結阻害を防ぐためである。Sr2+をLa3+に置換する場合、電荷を調節するために、2個のLa3+が材料に取り込まれるたびに、1個のSr2+が余分になる。SrTiO3系の材料は、基本的に焼結性が良好な材料であるが、過剰のSrは、焼結を阻害してしまうため好ましくない。La部分置換率xを0.4以下にして焼結性を良好に保つことは、緻密性を向上させ、もって、燃料ガスを漏らさないための気密性を向上させるために好適である。
式(1a)〜(1c)で表される組成の材料からなる第1の実施形態のインターコネクタ5は、燃料ガスを漏らさないための気密性や、電解質層3に対する密着性においては優れている。しかしながら、導電性の面からは必ずしも最適であるとはいえない。第2の実施形態では、導電性を一層に向上するためのインターコネクタの構造が提供される。
Sr1−3x/2LaxTi1+yO3−δ, ・・・(1a)
を有する材料で構成される。ただし、
0.15≦x≦0.4, ・・・(1b)
0.2≦y≦0.4, ・・・(1c)
である。気密性重視部分15aでは、Tiが化学量論組成よりも過剰に含まれていることに留意されたい。一方、導電性重視部分15bは、下記の組成式:
Sr1−3z/2LazTiO3, ・・・(2a)
を有する材料から形成されている。ただし、
0.2≦z≦0.4, ・・・(2b)
である。
Sr1−3x/2LaxTi1+yO3−δ, ・・・(1a)
を有する材料で構成される。ただし、
0.15≦x≦0.4, ・・・(1b)
0.2≦y≦0.4, ・・・(1c)
である。一方、導電性重視部分24bは、下記の組成式:
Sr1−3z/2LazTiO3, ・・・(2a)
を有する材料から形成されている。ただし、
0.2≦z≦0.4, ・・・(2b)
である。このような構成でも燃料ガスを漏らさないための気密性の向上と、インターコネクタ24の導電性の向上が同時に実現できる。
実験1では、図6に示されている材料0〜材料9が、第1の実施形態のインターコネクタ5の材料として評価された。評価としては、導電率の測定と、密着性の評価とが行われた。評価は、下記の手順で行われた:
(1)出発原料としては、La2O3、SrCO3、TiO2が使用された。
(2)これらの原料が、所望量だけ秤量され、更に、ボールミルを用いた湿式混合法によって15時間混合された。
(3)混合された原料は、乾燥され、更に、大気中で1200℃で4時間だけ仮焼された。この仮焼により、原料中にペロブスカイト相が合成された。
(4)合成の後、再度、ボールミルによる湿式粉砕が50時間行われ、これにより、原料粉体を得た。
(5)導電率を計測するための試料片は、原料粉体を一軸プレスして、1400℃で4時間焼成することにより作製された。導電率は、4端子法によって、大気中で900℃で計測された。
(6)密着性を確認するための試料は、カルシア安定化ジルコニアで形成された基体管の上に、YSZ添加NiO膜と、8mol%のY2O3が添加されたZrO2膜と、原料粉体の膜をそれぞれ、スクリーンプリント法によって成膜して積層体を形成し、その積層体を大気中で1400℃で4時間焼成することにより作製された。この試料は、染色浸透法によって密着性の良否が判定された。
材料0は、Sr0.85La0.1TiO3の組成式を有しており、La量が比較的少なく、また、化学量論組成を有する材料である。この材料では、充分な導電率が得られず、また、密着性に乏しかった。
材料2:Sr0.775La0.15Ti1.2O3−δ
材料3:Sr0.4La0.4Ti1.2O3−δ
材料5:Sr0.7La0.2Ti1.3O3−δ
材料6:Sr0.775La0.15Ti1.4O3−δ
材料8:Sr0.4La0.4Ti1.4O3−δ
更に、実験2では、高い導電率と良好な密着性を有する本発明のインターコネクタ材料を適用した第1の実施形態の固体酸化物燃料電池の特性評価が行われた。特性評価は下記の手順で行われた。
(1)インターコネクタが材料0と材料5で形成されている円筒型固体酸化物燃料電池が作製された。当該円筒型固体酸化物燃料電池には、1本の基体管に22個の単電池が設けられた。円筒型固体酸化物燃料電池の全長は550mmであり、(電解質層の外表面で計測された)外径は22mmであった。
(2)より具体的には、カルシア安定化ジルコニア(CaO:ZrO2)で形成された基体管の上に、YSZが添加されたNiOで形成された燃料極と、Y2O3が8mol%だけ添加されたZrO2で形成された電解質層と、材料0又は材料5を原料粉体として用いたインターコネクタとが、スクリーンプリント法によって成膜され、更に、大気中で1400℃の温度で4時間焼成された。
(3)更に、La0.5Ca0.25Sr0.25MnO3で形成された空気極が形成され、これにより、円筒型固体酸化物燃料電池の作製が完了した。
(4)作製された円筒型固体酸化物燃料電池に燃料ガスと空気を供給して900℃で動作させ、円筒型固体酸化物燃料電池の電流密度に対する出力密度が計測された。
実験3では、2層構造を有するインターコネクタ15を有する第2の実施形態の固体酸化物燃料電池の特性評価が行われた。特性評価の手順は、インターコネクタ15の形成以外は、実験2と同様である。インターコネクタ15の気密性重視部分15aとしては、上記の材料5、即ち、Sr0.7La0.2Ti1.3O3−δ(組成式(1a)のx=0.2、y=0.3の場合)が使用され、導電性重視部分15bとしては、Sr0.7La0.2TiO3(組成式(2a)のz=0.2の場合)が使用された。以下では、このようなインターコネクタ15の構造を「Sr0.7La0.2Ti1.3O3−δ/Sr0.7La0.2TiO3構造」という)。Sr0.7La0.2Ti1.3O3−δ/Sr0.7La0.2TiO3構造のインターコネクタ15を有する円筒型固体酸化物燃料電池に燃料ガスと空気を供給して900℃で動作させ、円筒型固体酸化物燃料電池燃料の電流密度に対する出力が計測された。
2:燃料極
3:電解質層
4:空気極
5、15:インターコネクタ
15a:気密性重視部分
15b:導電性重視部分
21:多孔質空気極管
22:電解質層
23:燃料極
24:インターコネクタ
24a:気密性重視部分
24b:導電性重視部分
Claims (8)
- 複数の単電池と、
前記複数の単電池を電気的に接続するインターコネクタ
とを具備し、
前記インターコネクタは、
組成式:Sr1−3x/2LaxTi1+yO3−δを有する材料からなる第1部分と、
前記第1部分よりも導電率が高い第2部分
とを備えた
固体電解質燃料電池。
ただし、
0.15≦x≦0.4,
0.2≦y≦0.4
である。 - 請求項1に記載の固体電解質燃料電池であって、
前記第2部分は、組成式:Sr1−3z/2LazTiO3を有する材料からなる
固体電解質燃料電池。
ただし、
0.2≦z≦0.4
である。 - 請求項2に記載の固体電解質燃料電池であって、
前記複数の単電池のそれぞれは、安定化ジルコニアで形成された電解質層を含み、
前記第1部分は、前記複数の単電池の隣接する2つの単電池の前記電解質層の間を連結するように設けられている
固体電解質燃料電池。 - 請求項3に記載の固体電解質燃料電池であって、
前記第1部分が前記電解質層に接触している一方、前記第2部分が前記電解質層に接触しないように形成される
固体電解質燃料電池。 - 複数の単電池と、
前記複数の単電池を電気的に接続するインターコネクタ
とを具備し、
前記インターコネクタは、下記の組成式:
Sr1−3x/2LaxTi1+yO3−δ
を有する材料からなる
固体電解質燃料電池。
ただし、
0.15≦x≦0.4,
0.2≦y≦0.4
である。 - 請求項5に記載の固体電解質燃料電池であって、
前記複数の単電池のそれぞれは、安定化ジルコニアで形成された電解質層を含み、
前記インターコネクタは、前記電解質層に接触している
固体電解質燃料電池。 - 複数の単セルと、
前記複数の単セルを電気的に接続するインターコネクタ
とを具備し、
前記インターコネクタは、
組成式:Sr1−3x/2LaxTi1+yO3−δを有する材料からなる第1部分と、
前記第1部分よりも導電率が高い第2部分
とを備えた
水電解セル。
ただし、
0.15≦x≦0.4,
0.2≦y≦0.4
である。 - 複数の単セルと、
前記複数の単セルを電気的に接続するインターコネクタ
とを具備し、
前記インターコネクタは、下記の組成式:
Sr1−3x/2LaxTi1+yO3−δ
を有する材料からなる
水電解セル。
ただし、
0.15≦x≦0.4,
0.2≦y≦0.4
である。
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