JP4995907B2 - プラズマを閉じ込めるための装置、プラズマ処理装置及び半導体基板の処理方法 - Google Patents

プラズマを閉じ込めるための装置、プラズマ処理装置及び半導体基板の処理方法 Download PDF

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Description

本発明はプラズマを閉じ込める技術に関する。
集積回路は、その低価、信頼性、及びスピードのため、現在のほぼ全ての電子システムにおいて主要な部品のひとつになっている。集積回路の製造は基板から始まり、その上に様々な回路構造を形成する工程を経る。一般的に、基板の表面上に材料を堆積、除去、及びパターンエッチングを行う処理工程にプラズマ(又はイオン化された気体)を用いる。
一般的に、プラズマは、低気圧の処理気体にエネルギ(電圧)を加えることによって基板表面の上で形成される。結果として生じるプラズマは、イオン、フリー・ラジカル、及び高い運動エネルギをもつ中性分子を含み得る。プラズマエッチングにおいて、プラズマに存在する荷電粒子は、マスクされていない基板の表面に衝突し、基板から原子又は分子を除去する。
米国特許第5998932号明細書 米国特許第6824627号明細書 米国特許第6508913号明細書 米国特許第5998932号明細書
V.Godyak,V.Lee,C.Chung,"Characterization of Inductively Coupled Plasma Driven with Ferrite Cores at 400kHz",2005 IEEE International Conference on Plasma Science, June 20−23, Monterey, CA(ゴードヤック等筆、「400kHzでのフェライトコアによって稼働された誘導的結合プラズマ」2005年、IEEEプラズマ科学国際学会、6月20〜23日、モンテレイ、カリフォーニア州)
不均等なプラズマ特性は、基板の表面における不均等な反応速度の原因となり得、製造量を低下させ得る。基板の直径は益々拡大され、基板上のトランジスタのサイズは小型化されていく傾向であるため、プラズマの不均等はプラズマ処理システムにおいて最も困難な問題のひとつとなっている。したがって、基板全体の表面にわたって均等なプラズマを促進するプラズマ処理システムが求められている。
現代のプラズマエッチングツールは複数のつまみを用いて、プラズマ密度と均等、プラズマの科学的成分、イオン・エネルギ及び基板表面近くにおけるイオン・エネルギの分布などの、処理に関するパラメータを調整する。新世代プラズマ処理システムは、小型化及び新たなスタック材料などの技術的な挑戦に必要な条件を満たすために、これらのパラメータを更に厳しく管理する必要がある。したがって、これらのパラメータ管理がより改善されたプラズマ処理装置が求められている。
ある実施形態によると、プラズマ処理装置で形成された容量結合ラジオ周波数プラズマ(以下CCPに省略)を閉じ込める装置は、CCPを生成するための上部電極を囲む誘電性支持リングと、該誘電支持リングに位置されたコイル部と、を持つ誘導結合ラジオ周波数(以下RFに省略)プラズマ源を含む。該コイル部はRF源に接続され、該CCPの周りに、該CCPを閉じ込める磁界と電界を発生する。該誘電結合RFプラズマ源もプラズマの発火と維持に寄与する。
ある実施形態においては、該上部電極は円形の末端表面を持ち、稼動中に該円形末端表面と基板の間にプラズマを形成するように、基板を支持する電力が供給される電極と協力する。装置は該上部電極を同心円状に囲むように構成された誘電性支持リングと、該誘電性支持リングの半径方向に置かれた強磁性コア及び該強磁性コアに巻き付かれ第1RF電源に結合された第1コイルを夫々含む該誘電性支持リングに取り付けられた複数のコイル部と、を含み得る。第1RF電源よりRF電力が供給されると、該コイル部は電界及び磁界を発生し得る。該電界と磁界は円形端末表面の外周に沿ってプラズマを囲み得、流出される荷電粒子の数を減らし、該プラズマを閉じ込む。
異なる実施形態においては、プラズマ処理装置は、第1RF源と、前記底部電極上に取り付けられ、その上に載せられる基板をクランプする力を加えるように構成されたチャックと、上記チャックの上に置かれ該基板に向けられた表面を含み、第1RF源によるRF電力を上部電極又は下部電極のいずれかに供給することで上部電極と該基板の間にプラズマを形成するように構成された上部電極と、該上部電極を囲む誘電性支持リングと、該誘電性支持リングの半径方向に置かれた強磁性コアを夫々含み、前記誘電性支持リングに取り付けられた複数のコイル部と、を含み得る。該第1コイルは該強磁性コアに巻き付かれ第2RF電源に結合され得る。第2RF電源よりRF電力が供給されると、該コイル部は電界及び磁界を発生し、流出される荷電粒子の数を減らし、該プラズマを閉じ込む。
従来の平行板CCP生成装置の部分断面図である。 図1に示された従来の方法で処理された基板の部分断面図である。 実施形態による例示的なプラズマ処理装置の断面図である。 図3に示された装置の、処理気体にエネルギを加え、プラズマに変える回路を示す図である。 図3に示された装置の強磁性コアの異なる実施形態を示す図である。 基板表面より法線方向に沿った電極のギャップ内の時間平均電位分布を示す図である。 図3に示された装置の誘導性RF源の平面図である。 図7の誘導性RF源とそれによって発生する電界及び磁界を示す部分切断面図である。 図7に示された誘導性RF源の異なる実施例を示す平面図である。 図7に示された誘導性RF源の更に異なる実施例を示す平面図である。 図10の誘導性RF源とそれによって発生する電界及び磁界を示す部分切断面図である。
ハイブリッドCCP処理装置は、CCP源を囲む誘導結合RF源を含む。ある実施形態では、とりわけ、プラズマの外周における半径方向及び方位角のプラズマ密度分布の追加的な調整を可能にし、それによって基板の端におけるプラズマの均等を調整するメカニズムを提供する。誘導結合プラズマ源はプラズマの閉じ込めを促進する複数の強磁性コイルを含み得る。更に、誘導結合プラズマ源は、プラズマ処理チェンバの清掃機能を促進し、チェンバの消耗部品の寿命を向上させ得る。
CCPシステムにおいて、プラズマは短い間隔で離れた1対の電極板によって生成される。平行板プラズマ反応機において平面的な電極を用いると、基板の表面に渡って、特に基板の端近部に置いて不均等なプラズマ密度に繋がり得る。このような不均等は方位角的に対称であり、又は放射状(半径方向)である(例えば、中央のエッチング速度は端近部のエッチングレートと異なり得る)。端におけるプラズマ均等を改善するためには、基板の端周りに端リングを装着させることができる。
図1は、ある実施形態による、基板108を囲む端リング110を持つ平行板プラズマ装置及びCCP装置100の部分断面図である。装置100は、基板108を所定の位置に固定する静電チャック106と電極104とを備える基板支持部102と、上シャワーヘッド電極116と、を含み得る。端リング100は、基板の処理中に加熱されるためホットエッジ・リング(HER)とも呼ばれ、そのため消耗部品であり得る。端リング110は、SiC及びシリコンのような導電性電極素材、又は石英のような誘電性素材で作られている。プラズマ118は上部電極116と基板108の間に形成され得る。プラズマ鞘(plasma sheath)114a及び114bは、夫々基板108の表面及び上部電極116の表面に形成され得る。プラズマエッチングの際、プラズマ118のイオンは、基板108の表面に衝突する前にプラズマ鞘114aを渡りながらエネルギを得る。
端リング110はプラズマの不均等を減少させ得るが、プラズマ鞘114aの厚さと輪郭は、図1に示されるように基板108の端近部において変形し得る。図3においても詳細に示されているように、装置100は、端リング110を超えてプラズマを半径方向に伸ばし、誘導結合RFプラズマ源と共に稼働し得、その結果基板108の端近部においてのプラズマ鞘114a及び114bの変形を減少させる。図1に示されたプラズマ118は、誘導結合RF源(図3に図示)が使用されないモードで装置100が稼働する際に生成され得る。
プラズマ鞘114a及び114bは、基板108の端近部において変形し得る。その結果、プラズマ108のイオンは、基板108の表面に法線方向とは異なる様々な角度で衝突し得る。図1の矢印112は、プラズマ鞘114a内のイオンの移動方向を表す。
図2は、図1に示された従来の方法で処理された基板108端近部を誇張して表した部分断面図である。図2に示されるように、端から離れた位置にあるエッチングされた部分116aは基板108の表面に法線方向で形成され得るが、端から近い位置にあるエッチングされた部分116bは法線方向より傾た角度で形成され得る。したがって、基板108の不良な端部分は処分され、製造損失に繋がり得る。
図3は、ある実施形態による基板310を処理するための例示的なプラズマ処理装置300の断面図である。基板310は、半導体、誘電体及び金属など、様々な材料から作られたウェハーであり得る。図示されているように、装置300は、低気圧を提供するための実質的に円筒型のチェンバ302を含み得る。装置300はシャワーヘッド電極332を介してチェンバ302に処理気体を注入し、点火によって処理気体を容量結合ラジオ周波数プラズマに変えることができる。チェンバ内の気圧は通常0.1〜1000mtorrであり得、真空ポンプによって気体をチェンバ302の底面から引き抜き得る。
装置300は、下部電極306と、下部電極306を支持するベース304と、基板310及びチャック312を囲む端リング314と、RF電力を下部電極306に供給するRF電源部308(詳細な説明は図4に提供される)と、端リング314の下におかれプラズマ電流を伝える誘電性リング316と、該電導性リング316に接続され該誘電性リング316より伝わったプラズマ電流を放電するように接地されたアルミニュームリングのような導電リング318と、を含み得る。装置300は、大まかに円盤型の上部電極332と、誘導結合RFプラズマ源(誘導RF源に省略)330と、温度調整される天板334と、稼動中にプラズマを囲んで、閉じこむことによって処理のコントロールを改善させる複数の閉じ込めリング324を含む閉じ込めリング構造320と、閉じ込めリング324の間隔を調整するための調整機構322と、を更に含み得る。誘導RF源330に関する詳細な説明は図4を参照して提供される。
装置300は更に、上部電極332と結合されるスイッチ338を含み得る。ある稼働モードにおいては、該スイッチ338は上部電極332を接地させ得る。このモードにおいて、下部電極306の方に電力が供給され、上部電極332と基板310との間にCCPを形成し得る。異なる稼働モードにおいては、スイッチ338は上部電極332を異なるRF電力供給部336に結合させ得る。該RF電力供給部336に関する詳細な説明は図4を参照して提供される。
プラズマ閉じ込めリング324は、上部電極332と基板310の間に形成されるプラズマを囲み、基板310の中央軸340と同じ軸を持つように構成されている。閉じ込めリング324は、プラズマから流出する荷電分子の数を減らし、非荷電粒子を閉じ込め領域より大まかに水平方向に流れるように設計された、リング型のルーバ(louver)のような構造を含み得る。中性気体分子は、閉じ込め領域の外周近辺における閉じ込めリング同士の間に1つ以上の隙間より流出され得る。これらの隙間より、非荷電気体は閉じ込め領域とチェンバ壁の間にあるチェンバ302の領域から、真空ポンプ333に繋がっているチェンバ出口に流れ得る。好ましくは閉じ込めリング324は、3つの接地されたルーバ(不図示)を含み、2x103ohm−centimeter程度の高い導電率を持ち、かつ、プラズマの厳しい環境に耐えられるように、ドーピングされた炭化ケイ素から作られる。閉じ込めリング324は、例えばアルミニウムやグラファイトなどの高い導電性を持つ材料で作られ得る。
プラズマ領域と他のチェンバ302内の領域との間における様々な気圧及び気体流条件に必要なプラズマの閉じ込めを可能にするために、閉じ込めリング324同士の間隔は調整構造322を用いて変え得る。調整構造322は、ルーバ構造とモータとの間に結合された周知の機械的な構造であり得る。可変の間隔は、プラズマの気圧や、プラズマ領域から真空ポンプ333までの気体流の流速を決定することを補助し得、その結果プラズマ圧、プラズマ閉じ込めの度合い、及び気体流速の調整を補助し得る。調整構造322はコントローラ(不図示)からの調整信号によって稼働され得る。プラズマリングの構成に関する更なる詳細な説明は同一出願人による米国特許第5998932号に記載されており、それら全体で参照としてここに組み込まれる。
図3において、上部電極332は実質的に円形に示されている。上部電極332は異なる形に形成され得る。例えば、上部電極332はその外周に形成された突起ステップを持ち得る。異なる構造では、上部電極332は一体のシリコン結晶で作られた内部電極部材、及び化学気相堆積(CVD)炭化ケイ素、1つのシリコン結晶、及び他の適切な材料などの一体の材料で作られた外部電極部材を含み得る。外部電極は、連続的な部材、又は断片化された部材(例えば、リング構成に配置された2〜6つの断片)であり得る。ステップ化された電極の更なる詳細は同一出願人による米国特許第6824627号に記載されており、それら全体で参照としてここに組み込まれる。
装置300には、様々な種類の気体注入システムが使われ得る。例えば、譲受人である、カリフォーニア州フレモントのラム・リサーチ会社の商品である、シャワーヘッド構造Exelan2300(登録商品)を、チェンバ302の内部に設置し得る。異なる例示的な気体流注入システムは、同一出願人による米国特許第6508913号に記載されており、それら全体で参照としてここに組み込まれる。他の適切な種類の気体注入システムを装置300に使用し得ることは、当業者には明らかであろう。
端リング又はフォーカスリング314は、基板の処理中加熱されるためホットエッジ・リング(HER)とも呼ばれ、そのため消耗部品であり得る。端リング314は、例えばSiC又はシリコンのような導電性の電極材料、又は石英などの誘電性の材料で作られ得る。端リング314に関する更なる詳細な説明は同一出願人による米国特許第5998932号に記載されており、それら全体で参照としてここに組み込まれる。
チャック312は静電チャックであり得る。代わりに、下部電極306は、直流チャック電圧源(不図示)に繋がった静電チャックとして構成され得、その場合は基板310がチェンバ302において処理される際に基板310を冷却する構造(不図示)を含み得る。そのような場合は、下部電極306及びチャック312は1つの部品として形成され得る。望ましければ、静電チャック以外のチャックも使われ得る。
上記のように、上部電極332及び下部電極306は、チェンバ302の中に注入された処理気体に電圧を加えることによって、上部電極332と基板310の間にCCPを生成し得る。イオンや電子などの非荷電粒子の一部は、閉じ込めリング324を通ることができ、それから真空ポンプ333によってチェンバより排気され得る。閉じ込めリング324は、好ましくは荷電粒子がプラズマより流出すること(即ち、閉じ込めリング324の間にある隙間より逃れる)を防ぐ。プラズマ領域に荷電粒子を閉じ込め、その流出を防ぐために、誘電性RF源300は図4〜11に詳細に説明されたようにプラズマの周りに設置され得る。
図4は、気体に電圧を加えプラズマ状に変換させ、該プラズマを閉じ込めるための装置400の回路を示す回路図である。図示されているように、下部電極306はRF電源供給部308に結合され得る。RF電源供給部308は多重周波RF電源を含み得、任意的に蓄電器402及びマッチング・ネットワーク404の少なくとも何れかを含み得る。代わりに、各RF源406ごとに1つのマッチング・ネットワークを使用し得る。処理気体は、電極306及び332によって1つ以上の周波数において励起領域に形成される電界に応じて、プラズマ408に変換され得る。RF源は、1つのRFにおいて機能する単一の周波RF源、又は例えば2、27及び60MHzにおいて機能する3つのRF源であり得る。一般的に、高周波で下部電極306に供給される電力の量は、主にプラズマ408の密度を調整し得、低周波で下部電極306に供給される電力の量は、プラズマ408のイオン・エネルギを調整し得る。プラズマの密度、イオン・エネルギ、及び他のパラメータを調整するために、RF源406は他の周波数を使い得ることが理解されるべきである。
スイッチ338は上部電極332を異なるRF電源部336に接続し得る。RF電源部336はRF源424を含み得、任意的に蓄電器420及びマッチング・ネットワーク422の少なくとも何れかを含み得る。RF電源部308と同様に、RF源424は1つ以上の周波数において1つ以上の源を夫々持ち得る。そのような場合は、上部電極332と各RF源との間にマッチング・ネットワークが設置され得る。
図4に図示されているように、誘電性RF源330は電界442及び磁界440をプラズマ408の外周に形成し得る。電界442と磁界440は、望ましくは閉じ込めリング324の間にある隙間を介してプラズマ408より流出される荷電粒子の数を減らし、該プラズマ408を更に閉じ込める。プラズマ408の荷電粒子は電界442によって閉じ込められ得、それによってプラズマ408は誘電性RF源を越える領域まで伸ばされ、その結果、基板端に置けるプラズマ408の不均等を減少させ得る。誘電性RF源330は、RF源410に結合され、かつ、強磁性コア412に巻き付いたコイル414を複数のコイル部416と、コイル部416を支持する誘電性支持リング432と、を含み得る。誘電性支持リング432は電極332及び天板334の少なくとも何れかに、適切な如何なる形で装備され得る。任意的に、好ましくは金属で作られる導電リング430が誘電リング432の上に形成され得、スイッチ338によって上部電極332が接地されるとプラズマ電流を放電するために接地され得る。導電リング430の更なる詳細は図6に示されている。コイル414のためのRF源410の好ましい周波数の範囲は、10KHzより1MHzまでである。電力が供給されると、コイル部416はプラズマ408の点火、維持、及び閉じ込めに寄与する。
電界442によって閉じ込められた荷電粒子は、プラズマ点火の際に低気圧のチェンバ302においてプラズマの衝突(plasma strike)を促進させる。又、プラズマの閉じ込めは、ポリマー副産物のような素材の閉じ込めリング324への堆積を減らし、その結果閉じ込めリング324の寿命や清掃の時間間隔を長くする。誘電性RF源330は、閉じ込めリング324、端リング314、チャック312のようなチェンバ内の様々な部品を清掃する道具として使われ得る。チェンバ302内に清掃気体を注入し、プラズマを閉じ込めリング324の近部までに伸ばすことで、上記の部品らに形成された堆積物を効果的に徐供することが可能である。誘電性RF源330はプラズマに存在する荷電粒子及び他の化学物質の密度を保つことに寄与し得、その結果プラズマの維持に寄与する。誘電性RF源330もプラズマにおいて、荷電粒子及び他の化学物質を生成することに寄与し得る。
強磁性コア412は、フェライトのような強磁性素材で形成され得、又様々な形に形成され得る。図5は、誘電性RF減330に使用され得る半円型強磁性コア502と該強磁性コア502に巻き付かれたコイルの異なる実施形態を示している。適切な異なる形をした強磁性コアが使用され得ることは当業者にとって明らかであろう。
図4にて既に説明されているように、コイル部416と誘電性支持リング432の間には任意的な導電リング430が形成され得る。スイッチ338によって上部電極332が接地されると、導電リング430も、上部電極又は接地電極332の有効面積を拡大させるために、共に接地され得る。上部電極332と、下部電極又は電力が供給された電極306の面積比率であるAg/Apは、プラズマ鞘領域における電位分布に影響を及ぼす。図6は、基板310の表面より法線方向に沿った電位分布を示すグラフである。図6において、Y軸は基板よりの距離を表し、X軸は接地電極322と基板表面の間に形成されたプラズマの電位を表す。2つのプラズマ鞘D1とD2は夫々上部電極332と基板310の表面に形成され得る。基板表面に衝突するイオンの粒子は、主にプラズマ鞘D2の領域において加速され得るため、プラズマ鞘D2の電位分布はプラズマエッチングの有効性に影響を及ぼし得る。描線604及び606は、Ag=Ap及びAg>Apの2つの異なる場合の電位分布を表している。図6に示されているように、電力が供給された電極面積Apより上部電極面積のAgの方が大きい場合、プラズマ鞘D2の全域における電位差はより大きい。通常、より大きいAg/Ap比率はエッチング速度を増加させる。導電リング430は、接地された場合、上部電極の面積であるAgを拡大させる効果をもたらし得、装置300の効率を向上させ得る。導電リング430は磁界が貫通できるアルミニウムのような非磁性金属を用いて形成され得る。
図7は、図3の誘電性RF源330を示す平面図である。この図に示されているように、各コイル部416は誘電性支持リング432の上に設置され得、又は導電リング430(不図示)に、誘電性支持リング432の半径方向に任意的に設置され得る。コイル414は強磁性コア412に巻き付き得、RF電源410に直列に接続され得る。図7には、8個のコイル部を持つ誘導性RF源330が示されている。しかし、異なる数のコイル部を誘導性RF源に使用し得ることは当業者にとっては明らかであろう。
図8は、図7に示された誘導性RF源330の稼動によって上部電極332の周辺に形成される電界と磁界を現す部分切断面図である。この図に示されているように、電界442及び磁界440は、上部電極332の周辺及び誘電性支持リング432の下にある輪状領域802に形成され得る。電界442は、輪状領域802の周方向に方向付けられうる。荷電粒子は電界442に沿って移動し得るため、輪状領域より誘電性支持リング432の半径方向に流出せず、輪状領域802にあるイオンや電子は該輪状領域に閉じ込められ得る。したがって、プラズマを誘導性RF源330によって生成される磁界及び電界によって閉じ込めることが可能である。
図9は、図7に示された誘導性プラズマ源の異なる実施形態900を示す平面図である。誘導性プラズマ源900は上部電極の周りに設置され得、1つのRF電源916と、2つのコイル910a及び910bが巻き付いた強磁性コア908を夫々持つ複数のコイル部906と、コイル部908を支持する誘電性支持リング904と、を含み得る。誘導性プラズマ源は、誘電性支持リング904の上に設置された導電リング(図9には不図示)を更に含み得る。RF源916の好ましい周波数の範囲は10KHzから1MHzまでであり得る。コイル901a〜901bの各コイルは、隣のコイル部の同じ方向(外部コイル910a)、又は反対方向(内部コイル910b)に巻き付かれたコイルと直列で接続され得、かつ、内部コイル910b又は外部コイル910aにRF電源を供給するRF電源916にスイッチ構造920を介して結合され得る。図7と同様に、誘導性RF源900は異なる数のコイル部906を含み得る。
図10は、図3に示された誘導性RF源300の異なる実施形態1000を示す平面図である。図示されているように、誘導性RF源1000は、RF源1016と、強磁性コア1008及び該コアに巻き付かれRF源1016に接続されたコイル1010を夫々持つ複数のコイル部1006と、上部電極1002に設置されコイル部1006を支持する誘電性支持リング1004と、を含み得る。誘導性RF源1000は誘電性支持リング1004の上に設置される導電リング(図10には不図示)を任意的に含み得る。RF源1016の好ましい周波数は10KHzより1MHzまでであり得る。誘導性プラズマ源1000は、誘導性プラズマ源330と類似し得るが、隣接した強磁性コア1108のコイルは、図11に示されているような交互方向の電界と磁界を持つように、反対方向に巻き付かれているという相違点がある。誘導性RF源1000は異なる適切な数のコイル部1000を含み得る。
図11は、図10に示された誘導性RF源1000の稼動中に、該誘導性RF源1000によって形成された電界と磁界を表す部分切断面図である。図示されているように、磁界1104は、上部電極1002を囲む輪状領域1102に形成され得、誘電性支持リング1004の下に位置付けられる。誘導性RF源1000は内電界1106a及び外電界1106bを生成し得る。図11に示されるように、隣接した2つの磁界1104は反対方向に方向付けられ得る。同様に、隣接した2つの内部(又は外部)電界1106a(1106b)も反対方向に方向付けられ得る。内電界1106aの構成は領域1102から外側に流出する荷電粒子の数を減らし得、外部電極1106bは領域1102から流出する電子の数を増加させ得、この構成は処理の調整のための追加的なつまみ(knob)を提供する。外電界1106bの構想は、基板の中央より端におけるプラズマの密度が高く、基板の端において高いエッチング速度を持つようなプラズマ処理工程に適応され得る。
図7、9及び10に示されているように、強磁性コアに巻き付かれるコイルは、隣接したコイルと直列で接続され得る。802のような輪状領域のある場所においてプラズマの電子数密度が乱されると、その場所にある電界の強度も変化され得る。その次に、その場所の磁界の強度も乱され得、結果的にその乱された磁界に対応するコイルに流れる電流を変化させ得る。電子数密度の乱れを補うために、電流の変化は、コイルに流れるある方向の電流を変え得る、電子数密度のばらつきを安定化するための瞬時フィードバック構造を成す。非特許文献1を参照。
本発明は、具体的な実施形態を用いて詳細に説明されているが、添付される請求項の範囲を逸脱せずに様々な変更、改造及び同等物の使用が可能であることは当業者にとって明らかであろう。

Claims (27)

  1. 下部電極と対面する上部電極を含むプラズマ処理装置で形成されたプラズマを閉じ込めるための装置であって、
    前記下部電極はその上に基板を支持するように構成され、
    プラズマは稼動中に前記基板と前記上部電極との間に生成され、
    前記装置は、
    前記上部電極を同心円状に囲むように構成された誘電性支持リングと、
    前記誘電性支持リングの上に搭載された複数のコイル部と、
    を備え、
    前記複数のコイル部は、夫々前記誘電性支持リングの半径方向に置かれた強磁性コアと前記強磁性コアに巻き付けられ第1高周波電源に結合された第1コイルとを備え、
    前記コイル部は、前記第1高周波電源より高周波電力を受けると、前記プラズマを閉じ込める電界及び磁界を生成することを特徴とする装置。
  2. 前記誘電性支持リングに配置され、前記上部電極が接地されるときに前記上部電極の有効接地面積を増加させるように構成された導電体リングを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記導電体リングは非磁性の金属でできているか、
    前記強磁性コアは半円形又はU形のロッドであり夫々の中央部の周りに前記第1コイルが巻き付けられているか、又は、
    前記導電体リングは非磁性の金属でできており、かつ、前記強磁性コアは半円形又はU形のロッドであり夫々の中央部の周りに第1コイルが巻き付けられていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記第1高周波電源の周波数は10KHz〜1MHzであるか、
    少なくとも8つのコイル部が、その間に均一な間隔をおいて誘電性支持リングに搭載されているか、又は、
    前記第1高周波電源の周波数は10KHz〜1MHzであり、かつ、少なくとも8つのコイル部が、その間に均一な間隔をおいて誘電性支持リングに搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 前記第1コイルは同じ方向に巻き付けられ、前記電界は前記誘電性支持リングの円周方向に形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 前記コイル部は夫々、前記強磁性コアに巻き付けられ前記第1高周波電源に結合された第2コイルを更に含み、前記第1コイルは前記強磁性コアの一端に位置し、前記第2コイルは前記強磁性コアの反対端に位置し、前記第1コイルと前記第2コイルの間には間隔があけられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  7. 複数の前記第1コイルは直列に接続され、複数の前記第2コイル直列に接続され、スイッチ構造により1つの第1高周波電源から前記複数の第1コイル又は前記複数の第2コイルに高周波電力が供給されることを特徴とする請求項6に記載の装置。
  8. 隣接したコイル部は、反対方向に巻き付けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  9. プラズマ処理装置であって、
    第1高周波電源に結合された下部電極と、
    前記下部電極の上に配置され、その上に載せられる基板をクランプする力を発生するように構成されたチャックと、
    前記第1高周波電源に結合され、上記チャックの上に配置される上部電極と、
    前記上部電極を囲む誘電性支持リングと、
    前記誘電性支持リング上に搭載された複数のコイル部と、
    を備え、
    前記複数のコイル部は夫々、前記誘電性支持リングの半径方向に置かれた強磁性コアと前記強磁性コアに巻き付けられ第2高周波電源に結合された第1コイルとを含み、
    前記下部電極と前記上部電極は、前記第1高周波電源によって前記下部電極及び前記上部電極の何れかへ高周波電力が供給されると、前記下部電極と上部電極の間にプラズマを形成するように構成され、
    前記コイル部は、前記第2高周波電源より高周波電力を受けると、前記プラズマを閉じ込める電界と磁界を発生することを特徴とするプラズマ処理装置。
  10. 前記誘電性支持リングに配置され、前記上部電極が接地されるときに前記上部電極の有効接地面積を増加させるように構成された導電体リングを更に備えることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記第2高周波電源の周波数は10KHz〜1MHzであるか、
    少なくとも8つのコイル部が、その間に均一な間隔をおいて誘電性支持リングに搭載されているか、又は、
    前記第2高周波電源の周波数は10KHz〜1MHzであり、かつ、少なくとも8つのコイル部が、その間に均一な間隔をおいて誘電性支持リングに搭載されていることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記第1コイルは同じ方向に巻き付けられており、前記電界は前記誘電性支持リングの円周方向に形成されることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記コイル部は夫々、前記強磁性コアに巻き付けられ前記第2高周波電源に結合された第2コイルを更に含み、前記第1コイルは前記強磁性コアの一端に位置し、前記第2コイルは前記強磁性コアの反対端に位置し、前記第1コイルと前記第2コイルの間には間隔があけられており、スイッチ構造を介して前記第1コイル又は前記第2コイルに高周波電力が供給されることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記第1コイルは直列に接続され前記強磁性コアに同じ方向に巻き付けられており、前記第2コイルは直列に接続され前記第1コイルとは反対方向に巻き付けられていることを特徴とする請求項13に記載のプラズマ処理装置。
  15. 隣接したコイル部は、反対方向に巻き付けられていることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記第1高周波電源は、単一の周波数を用いる単一の高周波電源又は異なる周波数を用いる多重高周波電源であることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  17. 前記第1高周波電源と、前記上部電極又は前記下部電極との間に入る1つ以上のマッチング回路を更に備えることを特徴とする請求項16に記載のプラズマ処理装置。
  18. 前記第1高周波電源と、前記上部電極又は前記下部電極との間に入る蓄電器を更に備えることを特徴とする請求項16に記載のプラズマ処理装置。
  19. 前記下部電極は前記第1高周波電源に結合され、前記上部電極は単一の高周波電源及び多重高周波電源より選択された第3高周波電源と結合されていることを特徴とする請求項13に記載のプラズマ処理装置。
  20. 前記第3高周波電源と前記上部電極との間に入る1つ以上のマッチング回路を更に備えることを特徴とする請求項19に記載のプラズマ処理装置。
  21. 前記第3高周波電源と前記上部電極との間に蓄電器を更に備えることを特徴とする請求項19に記載のプラズマ処理装置。
  22. 前記上部電極を前記第3高周波電源に接続、又は前記上部電極を接地させるためのスイッチを更に備えることを特徴とする請求項19に記載のプラズマ処理装置。
  23. 前記チャックは静電チャックであることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  24. 前記プラズマ処理装置に処理気体流を注入する気体注入システムを更に含むことを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  25. 前記電界及び磁界を囲む複数の閉じ込めリングを更に備えることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  26. 請求項9に記載のプラズマ処理装置内で半導体基板を支持する工程と、
    前記上部電極と前記下部電極との間の空間にプラズマを形成する工程と、
    前記半導体基板を前記プラズマで処理する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体基板の処理方法。
  27. 前記半導体基板はウェハーであり、
    前記処理工程は前記ウェハー上の材料の層をプラズマエッチングすることを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
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