JP4606637B2 - マグネトロン型平行平板表面処理装置 - Google Patents

マグネトロン型平行平板表面処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体等の製造装置に係わり、特に、マグネトロン型平行平板表面処理装置の磁場構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から半導体製造プロセス等においてはエッチング、プラズマCVD(chemical vapor deposition)、アッシング等の表面処理に際して、真空容器内にプラズマを発生させ、被処理基板あるいはウェハの表面に所定の処理を行うように構成された表面処理装置が用いられてきた。
【0003】
今日ではデバイスの集積度がますます高くなり、またスループットの向上も極めて重要であるため、これらの表面処理装置においては歩留まりの向上はもちろんのこと、微細な処理を高速に実施することがとりわけ重要視されている。更に、アスペクト比の高いコンタクトホールをエッチングする場合、プラズマ密度を上げると後で示す様にシース幅が短くなりシースで中性ガスと衝突して散乱されるイオンの量が減る。そのため、イオンがコンタクトホールの側壁に斜め方向に衝突してコンタクトホールが中膨れのボーイング形状になったり、垂直なホール形状が得られないといった問題が解消出来、垂直な形状のコンタクトホールをエッチング出来る。また、プラズマ密度が高いと高速エッチングが可能になる。
【0004】
この為、プラズマ密度を上げて基板の高速処理を可能とするとともに、圧力を下けてイオンが加速されるシース中での散乱を防ぐのがエッチングプロセスにおける近年の技術趨勢である。また、アッシングする場合でも圧力が低いと蒸気圧の低い物質が残渣として残ることはなく、プラズマ密度が高いと高速処理か可能になる。プラズマCVDを行う場合には、圧力が低いと気相反応が抑えられダストが発生しない。
【0005】
以上の説明の根拠の一つとなる前述の、プラズマ密度とシース幅について説明する(出典:Principles of plasma discharges and materials processing, M.A.Liebermaan, A.J.Lichtenberg)。
【0006】
プラズマのデバイ長は次式で与えられる。
λDe=743(T/n0.5
ここに、λDeはcm表記のデバイ長で、Tはvoltで表した電子温度、nはcm当たりの電子密度である。このデバイ長を使うとプラズマのシース長Sはチャイルドの式より次の様になる。
【0007】
S=[(21/2)/3]λDe(2V/T3/4
ここで、Vはシースにかかる電圧である。例えば、T=3eV、n=1011個/cm、V=600Vの場合について計算するとシース幅は0.17cm=1.7mmとなる。ガス圧2PaでAr:300sccm、C:10sccmの標準プロセスでは、Arの平均自由行程は15mmであるのでシース中でのArの散乱は少ない。しかし、CのAr中の平均自由行程はArの1/3.5倍程度しかないため,イオン化されたCの平均自由行程は4mm程度となり、シース中での衝突散乱は無視出来ない。実際、距離xを無衝突で走る粒子の割合はExp(‐x/λ)で与えられ(ここで、λは平均自由行程、xは飛行距離)、これを計算するとExp(‐x/λ)=0.65が得られる。従って、シースへ入射するイオン全体の35%が衝突散乱する事になる。Cのイオン化率はArよりはるかに大きいためこの散乱率は無視出来ない値となる。これが側壁のエッチングを引き起こし中ぶくれのボーイング形状となる原因となる。プラズマ密度を2倍に上げれば、シース長さは0.7倍程度になりボーイング形状を抑える事が出来る。
【0008】
プラズマ密度を上げるには周波数を上げ高周波電力を増やせばよいが、現在主に用いられているVHF帯例えば60MHz以上に周波数を上げると、高周波は伝送条件が厳しくなり、プラズマ負荷とうまく結合しなくなる等の問題もあり、平行平板型の表面処理装置に用いるには非常な努力が必要である。また高周波電力を増やすと異常放電を起こしやすいと言った問題もある。
【0009】
この問題を解決して、プラズマ密度を上げ、圧力を下げるために、磁場を使うマグネトロン型平行平板表面処理装置が有望視されている。
【0010】
例えば、特開平11−283926号には、図16に示すプラズマ処理装置が開示されている。図16に示したプラズマ処理装置は、図17に示す様なポイントカスプ磁場を発生させるため、小さな矩形状磁石aを対向電極2の裏側に極性を交互に変えて多数配置した装置である。この場合の磁場構造と作用について説明する。図16において図示しないプロセスガス導入手段により処理室1の内部にプロセスガスを導入し、対向電極2と基板載置電極3の間隙に高周波を導入するとプラズマが発生する。磁石の極性が逆であるため、隣り合う磁石aの間に磁束が発生し、プラズマ中の電子がトラップされ中性粒子を効率よくイオン化し、プラズマ密度が上がる。こうして低いガス圧でプラズマ密度を増加させ、精度良いエッチングが可能になるとしている。
【0011】
さらにこの様に極性が逆のマグネットを交互に並べると対向電極付近では強い磁場が得られるが、少し距離のある基板載置電極付近では磁力が打ち消しあい、磁束はほとんど存在せず、基板付近のプラズマ密度が均一になるとしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題が認められる。すなわち、隣り合う磁石aの極性は交互に逆転させているが、磁石aから出た磁束が該磁石の周辺に均一に分布せず、極性が逆の隣の磁石の方に強く集まり、電子がうまく磁束にトラップされずプラズマ密度が十分に上がらないといった問題がある。
【0013】
この電子トラップがうまく行かない理由は、次に説明するExBドリフトによる。このExBドリフト現象は、磁場と電場の両方に垂直な方向に電子やイオンがドリフトしていく事を言う。このため、磁石aの周辺の極性を異にする4個の磁石の方向にのみ磁場が強く、他の方向では磁場が弱い従来のポイントカスプでは、ExBドリフトで電子が磁場の弱い部分に逃げ、そこから磁場が更に弱い部分に拡散していく。このため、電子の中性粒子電離効率か下がり、プラズマ密度は大きくは上昇しない。
【0014】
このポイントカスプによるプラズマ閉じ込めメカニズムを図16、図17を用いて説明する。aは矩形状磁石で、電子は磁石aの間の中間線に沿つた方向、図17で示すExBドリフト方向に流れていく。すると、電子はゼロ磁場ポイント付近で磁場が弱くなるため、磁場トラップから逃れて磁場のさらに弱い方向へ拡散していく。このExBドリフト線はいわゆるガイディングセンターで、このガイディングセンター以外に位置する電子は、ガイディングセンターに向って磁力線に巻き付きながらドリフトしていく。このドリフトの理由は、磁石aの付近で磁場が強く、そこから離れるにつれて磁場が弱くなり、磁場の弱い方向に電子が拡散していく力が働くためである。
【0015】
特に、高周波放電では瞬時的なシース電界は平均シース電界より大きな値を示し、この瞬時電界に追随出来る電子は大きなExBドリフト速度を得る。例えば、60MHzの容量性放電では、面積600cmの対向電極に電力1800Wを導入すると、2PaのArとCのガス雰囲気では電圧300Vを示すシース部分にピークツーピーク電圧5kVの約半分の電界が存在する。このため200Gaussの水平磁場強度で、電子は数百eVと言う高速でExBドリフトをおこし、60MHzの一周期の間に磁場による有効トラップ距離以上を走り、ゼロ磁場で発散し、プラズマ密度を上げるのにあまり有効ではない。
【0016】
この電子運動について図17のA1−A2断面を示す図18を用いてより詳しく説明する。
【0017】
図18において、B1は対向電極の手前から出て対向電極の向こうに入る磁束の方向を示し、B2は対向電極の向こう側から出て対向電極のこちら側に入る磁束の方向を示す。対向電極から出た電子は実線の軌道を取りながら、シース中をサイクロイド運動100aする。磁場がこのまま続くと破線の様に運動し続ける。しかし、実際にはゼロ磁場ポイントに達し、そこで極性が反対方向の磁場に進入する。するとこの部分では、磁束の方向は今までの方向とは逆のため、電子は逆方向のサイクロイド運動1OObを描き、よりバルクプラズマの方向に近づく事になる。なお点線は、B2磁場と電場Eが続いている場合のサイクロイド運動(仮想)を示す。このため、電子はゼロ磁場付近を中心に往復運動し最終的にはゼロ磁場付近でシースを抜けて磁場の無いバルクプラズマの方へ逃げる。磁場の強い所でバルクプラズマに入れば磁場閉じ込めにより効率よくイオン化が起るが、磁場の弱い所でバルクプラズマに入るため電離効率はあまり大きくならない。磁場に閉じ込められたバルクプラズマ中の波乗り電子も同様にExBドリフト及びシース反射ドリフトにより磁場から逃げる。
【0018】
この様子を図19に示す。バルクプラズマ中での電界は小さく、ExBドリフト速度は比較的小さい。しかし、波乗り効果でシースとバルクプラズマ境界で出来た電離能力の比較的高い高速電子は、シースで図のように反射されて、急速にゼロ磁場ポイントに近づき拡散していく。
【0019】
本発明はこのような問題点を改善するためになされたものであり、柱状中心マグネットの周辺に極性が逆の筒状周辺マグネットを配置して柱状中心マグネットから出た磁束を筒状周辺マグネットに均一に分布させ、電子のトラップ効果を高め、高いプラズマ密度と低い放電開始圧力を実現出来るマグネトロン型平行平板処理装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1の発明によれば、基板載置電極、基板載置電極と対向する対向電極を備え、対向電極内に、柱状中心マグネットと、該柱状中心マグネットに対して同軸に該柱状中心マグネットの周辺に配置され、該柱状中心マグネットとは極性を逆にする筒状周辺マグネットとから構成される同軸状磁石組を、複数配置し、前記基板載置電極及び前記対向電極の少なくとも一方に高周波を供給することを特徴とするマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0021】
本願請求項2の発明によれば、基板載置電極、基板載置電極と対向する対向電極を備え、基板載置電極及び基板載置電極間にプラズマを発生させるマグネトロン型平行平板表面処理装置において、対向電極内に、プラズマ側の極性がN極及びS極の一方である柱状中心マグネットと、該柱状中心マグネットに対して同軸に該柱状中心マグネットの周辺に配置され、プラズマ側の極性がN極及びS極の他方である筒状周辺マグネットとから構成される同軸状磁石組と、該同軸状磁石組とプラズマに対する極性を逆にする同軸状磁石組とを、交互に、複数の同軸状磁石組として配置し、前記基板載置電極及び前記対向電極の少なくとも一方に高周波を供給することを特徴とするマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0022】
本願請求項3の発明によれば、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記筒状周辺マグネットの磁化量が実質的に同じである事を特徴とする請求項1または2に記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0023】
本願請求項4の発明によれば、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記筒状周辺マグネットの磁化量が実質的に異なる事を特徴とする請求項1または2に記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0024】
本願請求項5の発明によれば、前記複数の同軸状磁石組において、前記柱状中心マグネットの磁化量が相互に同等であり、前記筒状周辺マグネットの磁化量が相互に同等である事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0025】
本願請求項6の発明によれば、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネット及び前記筒状周辺マグネットの一方を軟磁性体で置換する事を特徴とする請求項1又は2に記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0026】
本願請求項7の発明によれば、前記複数の同軸状磁石組の全てまたは一部が電磁石である事を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0027】
本願請求項8の発明によれば、前記柱状中心マグネットと、該柱状中心マグネットとは極性を逆にする前記筒状周辺マグネットとから構成された同軸状磁石組を、該柱状中心マグネットの極性が同方向になるよう複数配置し、複数の同軸状磁石組の筒状周辺マグネットを一体化することを特徴とする請求項1に記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0028】
本願請求項9の発明によれば、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記筒状周辺マグネットの相互の軸方向位置が調整可能で、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記筒状周辺マグネットの一方が他方より突出する事が出来る構造をしている事を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0029】
本願請求項10の発明によれば、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットの断面形状が正方形、長方形、六角形、菱形等の多角形や、円形、楕円形、扇形等からなり、前記同軸状磁石組の各々の前記筒状周辺マグネットが正方形、長方形、六角形、菱形等の多角形や円形、楕円形、扇形等をくりぬいた形状をしている事を持徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0030】
本願請求項11の発明によれば、前記基板載置電極に載置された基板へ流れ込む磁束を吸収し、前記基板に垂直に磁束を入射させる強磁性体または軟磁性体でできた基板マグネットを、前記基板載置電極の裏に配置する事を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0031】
本願請求項12の発明によれば、前記対向電極の外周付近で前記同軸状磁石組の配置を密にしたり、前記同軸状磁石組の磁化量を増やしたり、あるいは前記対向電極の周縁に補強磁石を配置する事を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0032】
本願請求項13の発明によれば、前記対向電極内に配置する前記同軸状磁石組の磁束が前記基板載置電極に載置された基板へ入り込まないよう、前記磁束を反発する基板マグネットを前記基板載置電極の裏に配置する事を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0033】
本願請求項14の発明によれば、前記対向電極内に設けられる前記同軸状磁石組の一部または全部が、前記対向電極のプラズマに接するガス板に開けられた孔や溝に組み込まれる事を特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0034】
本願請求項15の発明によれば、前記同軸状磁石組の前記筒状周辺マグネットの一部が周方向に切りかかれている事を特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置が得られる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を表面処理装置の一例であるエッチング装置に適用した場合について以下に説明する。エッチング装置だけでなく、アッシング、P(プラズマ)−CVD、スパッタリング等の表面処理装置でも同様である。
【0036】
図1を参照すると、本発明の第1の実施例による表面処理装置(エッチング装置)が示されている。図1において、1は処理室、2は対向電極、3は基板載置電極、5は基板4を静電吸着する静電チャック、6は水冷電極、6aは水冷電極冷却水入口,6bは水冷電極冷却水路、6cは水冷電極冷却水出口、12は対向電極用電源である。13は基板載置電極用電源、15は静電チャック電極用電源、10は絶縁体、11は同軸状磁石組、21はガス供給系、22は排気系である。なお、高周波フィルターやブロッキングコンデンサーが電源保護のために設けられている。
【0037】
このエッチング装置を動作させるには、先ず、バックポンプ(図示せず)とメーンポンプ(図示せず)で処理室1内部を真空排気した後、図示しないゲートバルブ(図示せず)を開き、基板搬送機構により搬送室(図示せず)から運ばれた基板4を、突き上げピン駆動機構(図示せず)で突き上げピン31を駆動して受け取り静電チャック5上に載置する。次に、静電チャック電源15より静電チャック(図示せず)の電極に電圧を印加して基板4を吸着固定して、ガス供給系21から対向電極2に処理ガスを送り処理室1の内部を一定圧力とする。
【0038】
その後、対向電極用電源12からVHF帯(例えば60MHz)の高周波電力を対向電極2に供給し基板載置電極3に基板載置電極用電源13からHF帯(例えば1.6MHz)の高周波電力を供袷する。そうするとVHF帯の高周波電力によって比較的高密度のプラズマ及ひエッチャントが生成され、HF帯の高周波電力によってイオン衝撃エネルギがプラズマ密度とは独立に制御される。ここで、同軸状磁石組11により生じる均一な磁束11aにより、プラズマ中の電子の拡散は抑えられ、電子が中性粒子と何度も衝突して中性粒子をイオン化し、高密度で均一なプラズマを生む。この様にして、目的とする低い圧力で、高密度プラズマが得られ、均一なエッチング処理が実行される。
【0039】
高密度プラズマは、磁場に閉じ込められているが、高密度プラズマ中の電子の拡散により基板4周辺のプラズマ密度も高くなる。また、プロセスガスの解離やイオン化も進むためエッチングレートが向上する。これは、以下の実施例でも同様である。
【0040】
次に、図2を参照して、本願発明の主要部分である同軸状磁石組11の構造と作用について説明する。同軸状磁石組11は、軸対称な円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cから構成され、該円柱状中心マグネット11bと該円筒状周辺マグネット11cは同軸状に配置されている。
【0041】
円柱状中心マグネット11bからでた磁束11aは、円筒状周辺マグネット11cで終端する。図2の場合には、円柱状中心マグネット11bの磁化量が円筒状周辺マグネット11cの磁化量より大きいため、円柱状中心マグネット11bから出た一部の磁束は円筒状周辺マグネット11cで終端せず、磁束11dとして基板4にまで届く。この様な構造にすると、磁束11aに捕捉された濃いプラズマの一部が拡散して基板にまで届き、基板周辺でのプラズマ密度が増大し、基板4の高速エッチングが可能になる。さらに、先に説明したメカニズムにより、シース長が低下し、シース中でのイオン散乱が減りボーイングの無いコンタクトホールエッチングが実現される。磁束11dは基板にまで届くが、基板4にほぼ垂直にほぼ均一に届くため、基板上のンース電界と磁束11dはほぼ同方向であり、ExBドリフト現象はほとんど起らずプラズマは均一になる。しかしExBドリフトやプラズマ不均一が問題になる場含には、以下に述べる第2の実施例や第10の実施例等が有効になる。磁束が均一に届く理由は、同軸状磁石組11が多数ガス板7の裏面に並べられているためである。
【0042】
この実施例では、円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cを離している。以後の実施例でもこの実施例のように円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cを離してもよい。
【0043】
図3を参照すると、本発明の第2の実施例が示されている。第1の実施例(図2)では、円柱状中心マグネノト11bと円筒状周辺マグネット11cの磁化量が異なつていたため、一部の磁束は磁束11dとして円筒状周辺マグネット11cに終端せず基板4にまで届いていた。この様な磁束11dを無くすため、第2の実施例(図3)では、円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cの磁化量を等しくすると基板4へ届く磁束を大幅に減らす事が出来る。
【0044】
図4を参照すると、本発明の第3の実施例が示されている。この第3の実施例は、さらに、プラズマ発散による基板4での不均一プラズマを減らすものである。プラズマの閉じ込めをより完全にするには、円柱状中心マグネット11bの磁化を円筒状周辺マグネット11cの磁化より小さくすればよい。こうすると円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cの磁化が均一の時、円筒状周辺マグネット11cの外周から逃げていたプラズマの量が減り、プラズマはより完全に閉し込められる。
【0045】
この中心磁石11bと周辺磁石11cの磁化量の関係を詳しく説明する。磁束密度は、対向電極2のプラズマ側表面から1mmにおける値を用いる。また、垂直磁場成分とは、対向電極2のプラズマ側表面に垂直な磁場成分の最大値を言う。円柱状中心マグネット11bの垂直成分と円筒状周辺マグネット11cの垂直成分が等しい時、磁場に捕らえられた濃いプラズマが同軸状磁石組11の外周側から逃げるのをかなり抑える事が出来る。第3の実施例(図4)の閉じ込めを完全にする磁化の値とは、この様な値を言う。円柱状中心マグネット11bの磁化量をこの値より小さくなるようにすればプラズマの閉じ込めはより完全になる。
【0046】
なお、いずれの図でも円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cの大きさは正確に描かれているわけではない。
【0047】
図5を参照すると、本発明の第4の実施例が示されている。第2の実施例(図3)では、円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cの磁化を同じとして、大きな弧を描いて分布する大弧磁束(第1の実施例(図2)の11d)が基板にまで届くことを防ぐようにしたが、この第2の実施例(図3)の場合でも前記大弧磁束(図2の11d)が基板にまで届くことを完全に防ぐことができなかった。これを防ぐため、第4の実施例(図5)では、同軸状磁石組11とそれに隣接する隣接同軸状磁石組11fの極性を図5に示す様に逆にすると大弧磁束11eは隣接同軸状磁石組11fで終端し、基板4にまで届く量を減少させる事が出来る。
【0048】
この隣接する同軸状磁石組11の極性を逆にする方式は、円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cの磁化量が等しく無い場合に、より効果がある。
【0049】
図6を参照すると、本発明の第5の実施例が示されている。図6において、同軸状磁石組11の円柱状中心マグネット11bは磁性体であるが、円筒状周辺マグネット11cは軟磁性体に置換されている。軟磁性体自身は磁場を発生させないが、磁力線を吸収する能力があるため、軟磁性体が円柱状中心マグネット11bから出た磁束を終端する。
【0050】
別の同軸状磁石組11の片方をなす軟磁性体を全てつなげ、一体物とすれば、装置は簡便になる。もちろん他の実施例の外周マグネット11cを全てつなげて一体物にしてもよい。
【0051】
以上は円筒状周辺マグネット11c全てを軟磁性体に置換したが、一部を置換する事も可能である。この置換の理由は次による。軟磁性体は、永久磁石(強磁性体)の様に熱履歴により減磁する事はない。ところてプラズマに曝されるガス板7(図1)は温度が上昇し、ガス板7裏側から表へと噴出すプロセスガスはガス板7とガス板7裏側で衝突し熱を吸収する。強磁性体がこの温度の上昇したガスに触れるとキュリー温度以上になったり、それ以下でも長時間繰り返し温度が上昇すると次第に減磁する。さらにガス板7(図1)と直接接触し温度上昇する可能性もある。これに対し、強磁性体で出来た円柱状中心マグネットや円筒状周辺マグネットの先端に軟磁性体を追加すると、高熱部分が軟磁性体に置き換わり、熱履歴による強磁性体の保持力が減少する事を防げ、磁場の径時変化を軽減する事が出来る。特に、強磁性体と軟磁性体を完全に接触させず小さなギャップを設けたり、ボンディングやロウ付けせず、ネジ止めや把持機構での単なる機械的接触にするとより効果がある。
【0052】
図7を参照すると、本発明の第6の実施例が示されている。図7において、同軸状磁石組11の円柱状中心マグネット11bは軟磁性体で置き換えられ、該軟磁性体周辺に電流を流すコイル11gが巻かれ、電磁石とされている。円筒状周辺マグネット11cは強磁性体である。こうすれば、コイル11gに流す電流により円柱状中心マグネット(軟磁性体)11bの磁化量と円筒状周辺マグネット11cの磁化量の比率や磁場の強さ自体を変える事が出来る。両方を軟磁性体にしたり、この軟磁性体にした外側マグネット11cにもコイルを巻いたり、磁石と軟磁性体を円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cで逆にしてもよい。また、磁石にコイルを巻く事も可能である。コイル11gを軟磁性体や強磁性体に巻かずに、コイル11gのみにしてもよい。
【0053】
図8を参照すると、本発明の第7の実施例が示されている。図8において、同軸状磁石組を構成する円柱状中心マグネット11bは上下に移動可能で、円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cの相対位置が調整可能な構造になっている。この移動と固定は、ネジ(図示せず)等で行っても、円柱状中心マグネット移動機構(図示せず)で行ってもよい。この様にすれば、磁場が基板におよぶ程度を調整出来る。図8では円柱状中心マグネット11bが円筒状周辺マグネット11cの面より引っ込んた状態を示している。この状態ては円柱状中心マグネット11bの磁力効果が弱くなり、プラズマの拡散が少なくなる。円柱状中心マグネット11bが円筒状周辺マグネット11cの表面より突き出る様に設置すると、円柱状中心マグネット11bの磁力効果が強まりプラズマが拡散する状態に設定出来る。
【0054】
円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cのプラズマとは反対側を、軟磁性体でつなげば磁力は大幅に増える。円柱状中心マグネット11bが移動する時には、円筒状周辺マグネット11cのプラズマとは反対側に軟磁性体をつけ、円柱状中心マグネット11bのプラズマと反対側に長めの軟磁性体をつける。そして円柱状中心マグネット11bが移動しても、軟磁性体同士がわずかなギャップを介して接触しているようにすれば、円柱状中心マグネット11bが移動しても、磁力が増大した状態を維持させる事が出来る。
【0055】
軟磁性体を使い磁力を増大させる方法は、他の実施例にも適用可能である。
【0056】
次に、図9を参照して、本発明の第8の実施例について説明する。円柱状中心マグネット11bの断面形状は、円形ではなくても良い。すなわち、図9(A)、(B)、及び(C)に示すように、柱状中心マグネット11bの断面形状は、六角形、正方形、及び扇形の断面形状であっても良い。この場合、筒状周辺マグネット11cは、図9(A)、(B)、及び(C)に示すように、六角形、正方形、及び扇形をくりぬいた形状であれば良い。この様にすれば、対向電極2の全面をマグネット組で覆いつくす事が出来る。対向電極2周辺で同軸状磁石組11の全体形状を対向電極周辺形状と同じ形状になるようにする事も出来る。また個々の同軸状磁石組11を互いに離してもよい。また、図9(D)に示すように、筒状周辺マグネット11cを一体化する事も出来る。一体化した場合も、柱状中心マグネットと筒状周辺マグネットの磁化量の比率を選んで、プラズマの拡散と閉じ込めを制御したり、基板中心と周辺での磁場の強度や磁力線の基板への入射角を制御する事が出来る。
【0057】
上記した第8の実施例の手段を他の実施例にも用いる事が出来る。もちろん、第8の実施例だけでなく全ての実施例を組み合わせる事が出来る。今まで、同軸状磁石組11の円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cは、軸を共有するとしてきたが、本実施例では必ずしもその必要はない。
【0058】
図10を参照すると、本発明の第9の実施例が示されている。この図10は、円柱状中心マグネット11bの磁化量が円筒状周辺マグネット11cの磁化量より多いため、磁束11dが基板4にまで伸びる状態を示している。円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cの磁化量が等しくないと、磁束11dは基板4の中心から外へと押し出されるようにして、基板4に斜めに入射する。磁束が基板4に斜め入射すると、基板付近でプラズマの不均一が起る。
【0059】
これを防ぐため、磁束11dが基板に垂直に入るよう、円柱状中心マグネット11bと逆の極性が面するように、基板マグネット11hが設置されている。この様にすると基板4の中心から外側に向っていた磁束11dは、基板マグネット11hに吸収され、基板4に垂直に入射する。基板マグネット11hは、軟磁性体でもよい。
【0060】
また、磁束11dに磁束密度の差がある場合でも、基板マグネット11hにより磁束密度の差は相対的に小さくなり、補正出来る。円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cの磁化量の差が同じである場合にも、この基板マグネット11hを設けると、同軸状磁石組11によるプラズマ密度の差を軽減する事が出来る。また、円筒状周辺マグネット11cの磁化量の方が大きい場合、基板マグネット11hの極性を円筒状周辺マグネット11cと同じにすると、磁束11dは基板4に垂直に入射する。
【0061】
非収束磁束11dの基板入射角が基板平面に対しちょうど90°となるよう、基板マグネットの磁化の方向を調整すると、より効果がある。
【0062】
図11を参照すると、本発明の第10の実施例が示されている。円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cの磁化量に差がある場合、磁束11dは、基板4から外の方へと流れ出す。これを防ぐ為、図11のように、同軸状磁石組11の集まりの外側に補強磁石111を設けると、磁束11dを基板4に垂直に入射させる事が出来る。対向電極2の外周部にある同軸状磁石組11の磁化量を大きくしても同様の効果がある。
【0063】
なお、第9の実施例(図10)及び第10の実施例(図11)では円柱状中心マグネット11bと円筒状周辺マグネット11cに磁化量の差があるとしたが、磁化量の差か無くても磁束は磁束密度の低い方へ流れる傾向があり、第9の実施例(図10)及び第10の実施例(図11)の方法は磁化量の差が無い場合にも有効である。
【0064】
また、プロセスガスや冷媒を、複数の同軸状磁石組11間の隙間や円柱状中心マグネット11b及び円筒状周辺マグネット11c間の隙間から流したり、磁性体自身に孔を開けて流す事が出来る。また、同軸状磁石組(同心円マグネット)11自体をガス板7(図1)と冷媒ジャケット8との間の熱伝達物質として使う事が出来る。
【0065】
図12を参照すると、本発明の第11の実施例が示されている。この図12の実施例は、第9の実施例(図10)の基板マクネット11hの極性を逆にしたものである。基板マグネット11hから出た反発磁束11kにより、磁束11aの一部で基板マグネット11hがなければ基板4に入射していた被反発磁束11jは基板4から追いやられる。この様にすると、磁束11aの濃いプラズマが被反発磁束11jに導かれて基板4に到達し、基板4の上でプラズマ密度が変化する事も無くなる。
【0066】
図13を参照すると、本発明の第12の実施例が示されている。ガス板7の同軸状磁石組11に対応する位置に孔がうがたれ、切り欠き7bが形成されて、同軸状磁石組11がプラズマに近づき、プラズマ中により強い磁場を形成する。この様にすると、ガス板7付近に強い磁場が出来、基板4付近の磁場は同じ程度の強さのままとどまる。
【0067】
次に、図14を参照して、本発明の第13の実施例について説明する。図14(A)において、11mは、筒状周辺マグネット11cの一部を欠落させた切り欠きである。この様にするとプラズマが異なる同軸状磁石組11間を行き来する。また、磁場が弱まるため、磁場の弱い基板4(図1)の側に拡散していく効果もある。図14(B)のように等周配で切り欠く事も出来る。この場合は、柱状中心マグネット11bの周りの筒状周辺マグネット11cを6個所切り欠いたが、切り欠き個数は任意で良い。
【0068】
図15を参照して、プラズマの閉込めについて、改めて説明する。上方のガス板7の表面から1mm下方での磁場を測つた結果を、同軸状磁石組に対応する位置に表示している。磁場強度単位は、任意単位にしてある。図において、bはガス板7の表面に対する垂直磁場成分で、円筒状周辺マグネット11cの垂直成分最大値がb1で、円柱状中心マグネット11bの垂直成分最大値がb2である。cは水平磁場成分で、c1は垂直磁場成分がゼロとなる点の水平磁場成分で、この場合は200Gauss程度である。円筒状周辺マグネット11cの垂直成分b1が小さいと、磁力線に巻き付いて動く電子が跳ね返されず、磁場から電子が拡散していく。この為、b1/b2の値、及びb1の絶対値がプラズマ閉じ込めに大きく影響する。スパッタリングを行う場合には、閉じ込め効率が高い方が良いが、エッチングを行う場合には、濃いプラズマが適度に基板に向って拡散される事が好ましい。200Gaussで2mm程度の回転半径が得られるため、100Gauss以上出来れば200Gauss以上の水平磁場強度である事が好ましい。
【0069】
なお、ガス板7付近で高密度プラズマが発生するため、ガス板7をSiやSiO等のスカベンジャー材で作る事が好ましい。また高周波の伝播という点からは、ガス板7を絶縁物、ドーピングされた半導体、金属にする事も可能である。
【0070】
以上の実施例ではエッチング装置を例にとって説明したが、同様の方法がプラズマCVD、アッシング、スパッタ(特にイオン化スパッタ)を行う表面処理装置にも適用できることは明らかである。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明を用いると、プラズマ密度が高く圧力が低い状態を実現可能である。従つて、イオンが加速されるシース中でのイオン散乱が減り、例えば基板をエッチングする場合にイオンの斜め入射量が減り、アスペクト比が高いコノタクトホールにおいてもボーイングの無い望ましいエッチング形状が得られるという効果がある。
【0072】
また、密度が高いプラズマであるにもかかわらず、低圧であるため、気相中での分子の相互衝突が少なく、それに従い不必要な重合反応が減り、ダストの発生も減る。プラズマCVDでは膜質の改善、エッチングやアッシングでは残渣の減少が期待できる。この様に、本発明を使用すると、低圧で高密度な、使いよく信頼性の高い表面処理装置を提供することができる。
【0073】
しかも基板上の磁場強度を大幅に下げられるため、基板上のプラズマ密度が不均―になる事も無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による表面処理装置の断面図である。
【図2】図1の表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図6】本発明の第5の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図7】本発明の第6の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図8】本発明の第7の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図9】本発明の第8の実施例による表面処理装置の種々の同軸状磁石組(A)〜(D)の正面図である。
【図10】本発明の第9の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図11】本発明の第10の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図12】本発明の第11の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図13】本発明の第12の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図14】本発明の第13の実施例による表面処理装置の種々の同軸状磁石組(A)及び(B)の正面図である。
【図15】本発明の第14の実施例による表面処理装置の主要部分の断面図である。
【図16】従来のプラズマ処理装置の斜視図である。
【図17】図16のプラズマ処理装置の動作を説明するための正面断面図である。
【図18】図16のプラズマ処理装置の動作を説明するための断面図である。
【図19】図16のプラズマ処理装置の動作を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 処理室
2 対向電極
3 基板載置電極
4 基板
5 静電チャック
6 水冷電極
6a 水冷電極冷却水入口
6b 水冷電極冷却水路
6c 水冷電極冷却水出口
7 ガス板
11 同軸状磁石組
11b 円柱状中心マグネット(或いは、柱状中心マグネット)
11c 円筒状周辺マグネット(或いは、筒状周辺マグネット)
11h 基板マグネット

Claims (13)

  1. 基板載置電極、基板載置電極と対向する対向電極を備え、対向電極内に、柱状中心マグネットと、該柱状中心マグネットに対して同軸に該柱状中心マグネットの周辺に配置され、該柱状中心マグネットとは極性を逆にする筒状周辺マグネットとから構成される同軸状磁石組を、複数配置し、前記基板載置電極及び前記対向電極の少なくとも一方に高周波を供給するマグネトロン型平行平板表面処理装置であって、
    前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットの断面形状が多角形からなり、前記同軸状磁石組の各々の前記筒状周辺マグネットが、前記柱状中心マグネットの多角形と相似形で該多角形よりも大きい多角形をくりぬいた形状をしており、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記同軸状磁石組の各々の前記筒状周辺マグネットとが互いにスペースを置いて配置され、
    前記複数の同軸状磁石組のうち一つの同軸状磁石組及びそれに隣接する別の一つの同軸状磁石組の筒状周辺マグネットに、前記一つの同軸状磁石組の前記スペースと前記別の一つの同軸状磁石組の前記スペースとを連通させるように切り欠きを設けたことを特徴とするマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  2. 基板載置電極、基板載置電極と対向する対向電極を備え、基板載置電極及び基板載置電極間にプラズマを発生させるマグネトロン型平行平板表面処理装置において、対向電極内に、プラズマ側の極性がN極及びS極の一方である柱状中心マグネットと、該柱状中心マグネットに対して同軸に該柱状中心マグネットの周辺に配置され、プラズマ側の極性がN極及びS極の他方である筒状周辺マグネットとから構成される同軸状磁石組と、該同軸状磁石組とプラズマに対する極性を逆にする同軸状磁石組とを、交互に、複数の同軸状磁石組として配置し、前記基板載置電極及び前記対向電極の少なくとも一方に高周波を供給するマグネトロン型平行平板表面処理装置であって、
    前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットの断面形状が多角形からなり、前記同軸状磁石組の各々の前記筒状周辺マグネットが、前記柱状中心マグネットの多角形と相似形で該多角形よりも大きい多角形をくりぬいた形状をしており、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記同軸状磁石組の各々の前記筒状周辺マグネットとが互いにスペースを置いて配置され、
    前記複数の同軸状磁石組のうち一つの同軸状磁石組及びそれに隣接する別の一つの同軸状磁石組の筒状周辺マグネットに、前記一つの同軸状磁石組の前記スペースと前記別の一つの同軸状磁石組の前記スペースとを連通させるように切り欠きを設けたことを特徴とするマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  3. 前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記筒状周辺マグネットの磁化量が実質的に同じである事を特徴とする請求項1または2に記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  4. 前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記筒状周辺マグネットの磁化量が実質的に異なる事を特徴とする請求項1または2に記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  5. 前記複数の同軸状磁石組において、前記柱状中心マグネットの磁化量が相互に同等であり、前記筒状周辺マグネットの磁化量が相互に同等である事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  6. 前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネット及び前記筒状周辺マグネットの一方を軟磁性体で置換し、前記軟磁性体の周辺に電流を流すコイルが巻かれている事を特徴とする請求項1又は2に記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  7. 前記柱状中心マグネットと、該柱状中心マグネットとは極性を逆にする前記筒状周辺マグネットとから構成された同軸状磁石組を、該柱状中心マグネットの極性が同方向になるよう複数配置し、複数の同軸状磁石組の筒状周辺マグネットを一体化することを特徴とする請求項1に記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  8. 前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記筒状周辺マグネットの相互の軸方向位置が調整可能で、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記筒状周辺マグネットの一方が他方より突出する事が出来る構造をしている事を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  9. 前記基板載置電極に載置された基板へ流れ込む磁束を吸収し、前記基板に垂直に磁束を入射させる強磁性体または軟磁性体ででき、前記柱状中心マグネットと逆の極性が面する基板マグネットを、前記基板載置電極の裏に配置する事を特徴とする請求項1,3〜8のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  10. 前記対向電極の外周付近で前記同軸状磁石組の配置を密にしたり、前記同軸状磁石組の磁化量を増やしたり、あるいは前記対向電極の周縁に補強磁石を配置する事を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  11. 前記対向電極内に配置する前記同軸状磁石組の磁束が前記基板載置電極に載置された基板へ入り込まないよう、前記磁束を反発する前記柱状中心マグネットと同じ極性が面する基板マグネットを前記基板載置電極の裏に配置する事を特徴とする請求項1,3〜8のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  12. 前記対向電極内に設けられる前記同軸状磁石組の一部または全部が、前記対向電極のプラズマに接するガス板に開けられた孔や溝に組み込まれる事を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のマグネトロン型平行平板表面処理装置。
  13. 基板載置電極、基板載置電極と対向する対向電極を備え、対向電極内に、柱状中心マグネットと、該柱状中心マグネットに対して同軸に該柱状中心マグネットの周辺に配置され、該柱状中心マグネットとは極性を逆にする筒状周辺マグネットとから構成される同軸状磁石組を、複数配置し、前記基板載置電極及び前記対向電極の少なくとも一方に高周波を供給するマグネトロン型平行平板表面処理装置であって、
    前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットの断面形状が多角形からなり、前記同軸状磁石組の各々の前記筒状周辺マグネットが、前記柱状中心マグネットの多角形と相似形で該多角形よりも大きい多角形をくりぬいた形状をしており、前記同軸状磁石組の各々の前記柱状中心マグネットと前記同軸状磁石組の各々の前記筒状周辺マグネットとが互いにスペースを置いて配置され、
    前記柱状中心マグネットと、該柱状中心マグネットとは極性を逆にする前記筒状周辺マグネットとから構成された同軸状磁石組を、該柱状中心マグネットの極性が同方向になるよう複数配置し、複数の同軸状磁石組の筒状周辺マグネットを一体化し、
    一体化された筒状周辺マグネットには、一つの同軸状磁石組とその周囲にありそれに隣接する複数の隣接同軸状磁石組との間の位置に、前記一つの同軸状磁石組の前記スペースと前記複数の隣接同軸状磁石の前記スペースとを連通させる複数の切り欠きを設けたことを特徴とするマグネトロン型平行平板表面処理装置。
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