JP4554117B2 - 表面処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体等の製造装置に係わり、特にプラズマ利用平行平板表面処理装置に設けられるポイントカスプ磁場とガス孔の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から半導体製造プロセス等においては、エッチング、プラズマCVD(chemical vapor deposition)、アッシング等の表面処理に際して、真空容器内にプラズマを発生させ、被処理基板あるいはウェハの表面に所定の処理を行うように構成された表面処理装置が用いられてきた。
【0003】
今日ではデバイスの集積度がますます高くなり、またスループットの向上も極めて重要であるため、これらの表面処理装置においては歩留まりの向上はもちろんのこと、微細な処理を高速に実施することがとりわけ重要視されている。更に、アスペクト比の高いコンタクトホールをエッチングする場合、プラズマ密度を上げると後で示す様にシース幅が短くなりシースで中性ガスと衝突して散乱されるイオンの量が減る。そのため、イオンがコンタクトホールの側壁に斜め方向に衝突してコンタクトホールが中膨れのボーイング形状になったり、垂直なホール形状が得られないといった問題が解消出来、垂直な形状のコンタクトホールをエッチング出来る。また、プラズマ密度が高いと高速エッチングが可能になる。
【0004】
この為、プラズマ密度を上げて基板の高速処理を可能とするとともに、圧力を下げてイオンが加速されるシース中での散乱を防ぐのがエッチングプロセスにおける近年の技術趨勢である。また、アッシングする場合でも圧力が低いと蒸気圧の低い物質が残渣として残ることはなく、プラズマ密度が高いと高速処理が可能になる。プラズマCVDを行う場合には、圧力が低いと気相反応が抑えられ、ダストが発生しない。
【0005】
以上の説明の根拠の一つとなる前述の、プラズマ密度とシース幅について説明する。
【0006】
プラズマのデバイ長は次式で与えられる。
【0007】
λDe=743(Te /ne )0.5
ここにλDeはcm表記のデバイ長で、Te はvoltで表した電子温度、ne はcm3 当たりの電子密度である。このデバイス長を使うとプラズマのシース長Sは、チャイルドの式より次の様になる。
【0008】
S=[(21/2)/3]λDe(2Vo /Te )3/4
ここで、Vo はシースにかかる電圧である。例えば、Te =3eV、ne =1011個/cm3 、Vo =600Vの場合について計算するとシース幅は0.17cm=1.7mmとなる。ガス圧4PaでAr:300sccm、C4 F8 :10sccmの標準プロセスでは、Arの平均自由行程は3.5mmであるのでシース中でのArの散乱は40%程度である。さらに、C4 F8 のAr中の平均自由行程はArの1/3.5倍程度しかないため、イオン化されたC4 F8 の平均自由行程は1mm程度となりシース中での衝突散乱は無視出来ない。実際、距離xを無衝突で走る粒子の割合はExp(−x/λ)で与えられ(ここで、λは平均自由行程、xは飛行距離)、これを計算するとExp(−x/λ)=0.18が得られる。従って、シースへ入射するイオン全体の82%が衝突散乱する事になる。C4 F8 のイオン化率はArよりはるかに大きいためこの散乱率は無視出来ない値となる。これが側壁のエッチングを引き起こし中ぶくれのボーイング形状となる原因となる。プラズマ密度を2倍に上げれば、シース長さは0.7倍程度になりボーイング形状を抑える事が出来る。
【0009】
プラズマ密度を上げるには周波数を上げ高周波電力を増やせばよいが、現在主に用いられているVHF帯例えば60MHz以上に周波数を上げると、高周波は伝送条件が厳しくなり、プラズマ負荷とうまく結合しなくなる等の問題もあり、平行平板型の表面処理装置に用いるには非常な努力が必要である。また、高周波電力を増やすと異常放電を起こしやすいと言った問題もある。
【0010】
この問題を解決して、プラズマ密度を上げ、圧力を下げるために磁場を使うマグネトロン型平行平板表面処理装置が有望視されている。
【0011】
例えば、特開平11−283926号には、図5に示すプラズマ処理装置が開示されている。図5に示したプラズマ処理装置は、ポイントカスプ磁場を発生させるため、小さな柱状磁石Maを、基板載置電極3に対向する対向電極2の裏側に極性を交互に変えて多数配置した装置である。この場合の磁場構造と作用について説明する。磁石Maの極性が逆であるため、隣り合う磁石Maの間に磁束が発生し、高周波により発生したプラズマ中の電子がトラップされ中性粒子を効率よくイオン化し、プラズマ密度が上がる。こうして低いガス圧でプラズマ密度を増加させ、精度良いエッチングが可能になるとしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題が認められる。
【0013】
すなわち、プラズマ密度が高くなるぶん対向電極2のガス板に開けられたガス孔の中にプラズマが入り込み異常放電し、ガス孔の内部がエッチングされてガス孔の径が広がりますます放電しやすくなり、ガス孔内部のプラズマ密度が濃くなりガス孔の外部に拡散していくと共にその部分のガスの分解が他の部分に比べて進み、エッチング装置ではガス板に対向する基板4の当該部分のエッチング速度が速くなるといった問題がある。またプラズマCVD装置では当該部分のデポジットの量が多くなり過ぎたり、気相反応によりパーティクルが発生すると言った問題がある。アッシングでも均一な処理が難しいと言った問題がある。
【0014】
本発明はこのような問題点を改善するものであり、ポイントカスプ磁場を発生させるN極とS極が交代する様に配置されたN極2個とS極2個からなる4個のマグネットの中間位置に生まれるゼロ磁場部分にガス板のガス孔を設ける事でプラズマ密度の薄い部分にガス孔を配置し、ガス孔が濃いプラズマに曝されない表面処理装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明によれば、基板が載置される基板載置面を有する基板載置電極と、前記基板載置面に対向する対向面を有する対向電極と、前記基板載置電極と前記対向電極との間にプラズマが生成されるべく、前記基板載置電極及び前記対向電極の少なくとも一方に電力を供給する電力供給部とを有し、前記プラズマを利用して前記基板の表面に所定の処理を行う表面処理装置であって、前記対向電極の前記対向面側に、該対向面との間に一定の距離を置いて配置されたガス板と、前記対向電極の前記対向面と前記ガス板との間に配置され、前記ガス板の前記基板載置面に対向するガス板面側にポイントカスプ磁場を生成するポイントカスプ磁場生成部とを更に有し、前記ガス板は、前記対向電極の前記対向面に実質的に垂直な方向に穿孔された複数のガス孔を有し、これら複数のガス孔は、前記ガス板における、前記ポイントカスプ磁場の複数のゼロ磁場位置に設けられていることを特徴とする表面処理装置が得られる。
【0016】
更に本発明によれば、前記ポイントカスプ磁場生成部は、前記対向電極の前記対向面と前記ガス板との間に配置された複数の磁石を有し、前記複数の磁石は、前記ガス板にN極及びS極のうちの一方の極が対面した2個の第1の磁石と、前記ガス板にN極及びS極のうちの他方が対面した2個の第2の磁石とを有し、前記2個の第1の磁石のN極及びS極のうちの前記一方と、前記2個の第2の磁石のN極及びS極のうちの前記他方とは、方形の4角をなし、かつ、前記2個の第1の磁石のN極及びS極のうちの前記一方は前記方形の一つの対角をなし、前記2個の第2の磁石のN極及びS極のうちの前記他方は前記方形のもう一つの対角をなしており、前記方形の中心がゼロ磁場位置であることを特徴とする表面処理装置が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明を表面処理装置の一例であるエッチング装置に適用した場合について以下に説明する。エッチング装置だけでなく、アッシング、P(プラズマ)−CVD等の表面処理装置でも同様である。
【0018】
図1を参照すると、本発明の第1の実施例による表面処理装置(エッチング装置)が示されている。図1において、1は処理室、2は対向電極、3は基板載置電極、5は基板4を静電吸着する静電チャック、6は水冷電極、6aは水冷電極冷却水入口、6bは水冷電極冷却水路、6cは水冷電極冷却水出口、12は対向電極用電源である。13は基板載置電極用電源、13aはブロッキングキャパシター、15は静電チャック電極用電源、15aは高周波フィルター、10は絶縁体、21はガス供給系、22は排気バルブ、31は基板着脱に用いる突上げピンである。対向電極2にはガス孔11aが多数開けられたガス板11とガス板11を水冷する水冷ホルダー8が設置され、水冷ホルダー8に開けられた空隙に磁石aと逆極性磁石bが交互に格子状に並べられている。これらの磁石a及びbは磁石a及びbに接着されたヨークに開けられたネジ穴により磁石支持板cにネジで固定されている。磁石支持板cの裏にはガス分散孔9aが開けられたガス分散板9があり、ガスを均一化する役目をになう。水冷ホルダー8には水冷管8bがあり、水冷管入口8aから冷却水が供給され、水冷管出口8cから出て行く。なお磁石支持板cにも、ガス孔が多数開けられガス分散の役目を一部になっている。
【0019】
このエッチング装置を動作させるには、先ず、排気系に繋がるバルブ22を通して処理室1内部を排気した後、静電チャック電源15より電極に電圧を印加して基板4を吸着固定して、ガス供給系21から対向電極2に処理ガスを送り処理室1の内部を一定圧力とする。
【0020】
その後、対向電極用電源12からVHF帯(例えば60MHz)の高周波電力を対向電極2に供給し、基板載置電極3に基板載置電極用電源13からHF帯(例えば1.6MHz)の高周波電力を供給する。そうすると、VHF帯の高周波電力によって比較的高密度のプラズマ及びエッチャントが生成され、HF帯の高周波電力によってイオン衝撃エネルギがプラズマ密度とは独立に制御される。ここで、格子状に極性が逆に置かれた磁石a,bにより生じる磁束111により、プラズマ中の電子はトラップされ、電子が中性粒子と何度も衝突して中性粒子をイオン化し、高密度プラズマを生む。
【0021】
この様にして、目的とする低い圧力で、高密度プラズマが得られ、均一なエッチング処理が実行される。なおガス圧などの条件は従来技術で示したものと同じである。酸化膜エッチの場合、さらに酸素を5sccm程度加えるのが普通である。この場合、基板温度は60℃、対向電極温度は90℃に保たれている。
【0022】
高密度プラズマは、磁場に閉じ込められているが、ExBドリフトにより電子がサイクロイド運動しポイントカスプの磁場の弱い所に達し磁場から逃れて磁場の無いバルクプラズマに拡散していく。イオンは本実施例のような数百ガウスの磁場にトラップされる事はない。この様にして高密度プラズマ中の電子の拡散によりイオンも電子に引きずられて拡散し、基板4周辺のプラズマ密度も高くなり、かつ拡散中にプラズマ密度は均一化する。また、プロセスガスの解離やイオン化も進むためエッチングレートが向上する。これがポイントカスプ磁場を用いたエッチングの特徴となる。
【0023】
次に、本願発明の主要部分である磁石a及びbとガス孔11aの位置関係を、図2を用いて説明する。図2において、aは磁石、bは逆極性磁石でガス板11(図1)の裏にほぼ1cm間隔で交互に全面に設置されている。100は磁石aと逆極性磁石bによりつくられた磁束を表し、ポイントカスプ磁場を形成する。この様な、磁石a及びbの配置では、互いに隣接する2個の磁石aと2個の逆極性磁石bとでつくられる正方形の中心では磁場が打ち消されてゼロになる。本実施例では、このゼロ磁場の点にガス孔11aをガス板11に設けて、ゼロ磁場の点にてガス孔11aがガス板11を貫通するようにする。この様にすると、ガス孔11a付近の磁場強度がほとんどゼロであるため他の箇所に比べてガス板11のエッチングが進まず、またガス孔11aの内部もエッチングされない。この為、ガス孔11aの長さが短くなる事も、ガス孔11aの内径が大きくなる量も減るためガス孔11のコンダクタンスはあまり変化せず、基板処理を長い間続けても処理条件が変化する事はない。
【0024】
図1及び図2において、上述した本発明の第1の実施例による表面処理装置をまとめると、第1の実施例は、基板4が載置される基板載置面を有する基板載置電極3と、基板載置面に対向する対向面を有する対向電極2と、基板載置電極3と対向電極2との間にプラズマが生成されるべく、基板載置電極3及び対向電極2の少なくとも一方に電力を供給する電力供給部12或いは13とを有し、前記プラズマを利用して基板4の表面に所定の処理を行う表面処理装置であって、対向電極2の前記対向面側に、該対向面との間に一定の距離を置いて配置されたガス板11と、対向電極2の前記対向面とガス板11との間に配置され、ガス板11の前記基板載置面に対向するガス板面側にポイントカスプ磁場(図1の111或いは図2の100)を生成するポイントカスプ磁場生成部(a、b、c)とを更に有し、ガス板11は、対向電極2の前記対向面に実質的に垂直な方向に穿孔された複数のガス孔11aを有し、これら複数のガス孔11aは、ガス板11における、前記ポイントカスプ磁場の複数のゼロ磁場位置に設けられていることを特徴とする。
【0025】
典型的には、前記ポイントカスプ磁場生成部は、図2に示すように、対向電極2の前記対向面とガス板11との間に配置された複数の磁石(a、b)を有し、複数の磁石は、ガス板11にN極及びS極のうちの一方の極が対面した2個の第1の磁石(a)と、前記ガス板にN極及びS極のうちの他方が対面した2個の第2の磁石(b)とを有し、前記2個の第1の磁石(a)のN極及びS極のうちの前記一方と、前記2個の第2の磁石(b)のN極及びS極のうちの前記他方とは、方形の4角をなし、かつ、前記2個の第1の磁石(a)のN極及びS極のうちの前記一方は前記方形の一つの対角をなし、前記2個の第2の磁石(b)のN極及びS極のうちの前記他方は前記方形のもう一つの対角をなしてなしており、前記方形の中心がゼロ磁場位置であることを特徴とする。
【0026】
この第1の実施例以外の有力な案としては次の様なものが考えられる。磁石の位置とガス孔を同じ箇所にすると磁石の直上では発散磁場効果で電子密度ひいてはプラズマ密度が低下する。このため磁場ゼロにガス孔を貫通させるのと同様の効果が見込める。しかし、この様なガス孔と磁石の位置を同じにすると次の様な問題が生じる。
【0027】
磁石はプラズマに近い方がプラズマを効率よく生成出来る。特にポイントカスプの特徴は、ガス板付近で強い磁場を作り、ガス板から離れると急速に磁場が弱くなり、基板付近ではほとんどゼロになる。この様に基板付近で磁場がゼロに近づくポイントカスプを使う理由は次の通りである。基板付近で磁場が存在するとプラズマ密度に差が出来、基板に流入する電流値が一様でなくなり、基板に一様でないチャージが溜り、絶縁の破壊などを引き起こしてデバイスに決定的なダメージを与える。これをポイントカスプは防ぐ事が出来る。
【0028】
この様な問題を回避する為にはポイントカスプのように磁石から離れるに従って磁場が急速に減少し基板付近では磁場がほとんどゼロになる事が好ましい。しかし、ポイントカスプにおいて磁石とガス孔の位置を同じにするとガス孔にガスを流す為ガス板と磁石の距離を離しかつその距離を一定にする必要がある。この距離が一定でないとコンダクタンスがガス孔ごとに変化して個々のガス孔に流れ込むガス流量に差が出来ガス孔付近のエッチング特性が不均一になってしまう。この距離を決めるために磁石とガス板をネジ止めしたり、接着剤で止めたりするが正確な値を出す事は難しい。さらに、磁石とガス孔がオフセットした位置にある場合に比べ、磁石とガス位置が同じ場合には、ガス流を確保する必要上磁石からガス板のプラズマ側の表面までの距離が遠くなる。磁力の強さは磁石からの距離の2乗(双極子と見れば距離の3乗)で変化するため、ガス板付近の磁力が小さくなるが、基板付近の磁場の強さはほとんど変わらず、ポイントカスプの有利な特徴が減殺される。この為、磁石とガス孔の位置は相互にずれていると磁石をガス板に近づける事が出来、好ましい。
【0029】
さらに、この実施例以外の有力な案のように、ガス孔と磁石が同じ位置にあると、ガス孔にプラズマが入り込みプラズマ密度が増大する事がある。これを図3を用いて説明する。ガス板11のガス孔11aが磁石aの直上にある場合、磁束は磁石aから垂直に出る為、磁束はガス孔11aの側壁に平行に流れる。そうするとプラズマ中の電子はこのガス孔11aの側壁に平行な磁束にトラップされ、ガス孔11aの側壁に衝突して消えるまでの時間が長くなり、ガス孔11aの中でのプラズマ生成の効率が上昇する。その結果、プラズマ密度が上がり、ガス孔11aの内径が大きくなり、ますますプラズマ密度が上昇し、ついにはホローカソード放電となってガス孔の径が急激に広がると共に、プラズマ密度の不均一により基板のエッチレートのバラツキが大きくなる。
【0030】
また、この様な異常放電が拡大しない場合でも磁石がプラズマに触れプラズマの加熱で磁石の温度が上昇し、キューリー点を越え磁力が無くなったり、そこまで行かなくても磁石が減磁して初期の磁場特性を維持出来なくなり、プラズマ状態が変化してエッチング特性が変化してしまう。この様な一部のわずかなエッチング特性の変化は見出す事が難しく、問題が見過ごされたまま長期にわたりデバイスを生産し続けて不良品の山を築く事になる。
【0031】
この様な二つの理由から、ガス孔の位置は磁石直下ではなく磁石からずれたゼロ磁場の位置に持ってくる事が好ましい。
【0032】
次に本発明の第2の実施例による表面処理装置について図4を用いて説明する。
【0033】
この第2の実施例は、磁石a(或いはb)をプラズマに近づけ、かつガス孔11aと磁石a(或いはb)との間のガスが存在するスペースをなくす事を目的としている。図4において、ガス板11のガス孔11aは、隣接する2個の磁石a及び2個の逆極性磁石b(図1)からなる正方形の中心にあるゼロ磁場ポイントに設けられている。磁石aはガス板11に穿たれた磁石孔11bに一部が入り込む形で設置され、反対側(裏側)は磁石支持板c(図1)で保持されている。磁石aの周囲は万一プラズマがガス板11の裏側に回り込んでも磁石aがプラズマに曝されないよう磁石保護筒11cが設けられている。この様に磁石aの位置とガス孔11aの位置をオフセットすると、設計の自由度が得られるというメリットもある。
【0034】
なお、ガス板11の裏にエッチング物質がデポジットする場合ガス流量を増やしガス孔11aの径を小さくすればデポジットを防げることは、特開平3−175627号公報に記載されているのでこの方法を用いることが出来る。
【0035】
なお、ガス板11付近で高密度プラズマが発生するため、ガス板11をSiやSiO2等のスカベンジャー材で作る事が好ましい。また高周波の伝播という点からは、ガス板11を絶縁物、ドーピングされた半導体、金属にする事も可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明を用いると、各々のガス孔の流量を一定に制御出来、磁場をガス板付近で高く基板付近で無視出来るほど小さく出来、高いプラズマ密度と基板付近での均一なプラズマ密度を両立させる事が出来る。そうすると、エッチングでは高速かつ均一性も良くエッチング形状も均一な基板処理を実現出来る。プラズマCVDでは高速でかつ膜質も膜厚も均一な基板処理を実現出来る。
【0037】
また磁石とガス孔が相互にずれた位置に置かれる為、ガス孔の中にプラズマが入り込んでも磁石にプラズマが触れず、磁石の温度が上昇して減磁し磁場特性が変化する事を防げる。この為プラズマ特性が変化しエッチングやプラズマCVD特性が変わると言った問題もない。
【0038】
また、アッシングではアッシングレートの均一性や残渣の均一性を実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による表面処理装置の断面図である。
【図2】図1の表面処理装置において、磁石と、ガス板に設けられるガス孔との位置関係を説明するための図である。
【図3】上記第1の実施例以外の有力な案を説明するためのガス板と磁石の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例による表面処理装置のガス板と磁石の断面図である。
【図5】従来のプラズマ処理装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 処理室
2 対向電極
3 基板載置電極
4 基板
8 水冷ホルダー
8b 水冷管
8a 水冷管入口
8c 水冷管出口
9 ガス分散板
9a ガス分散孔
11 ガス板
11a ガス孔
11b 磁石孔
11c 磁石保護筒
12 対向電極用電源
13 基板載置電極用電源
a 磁石
b 磁石(逆極性磁石)
c 磁石支持板
Claims (2)
- 基板が載置される基板載置面を有する基板載置電極と、前記基板載置面に対向する対向面を有する対向電極と、前記基板載置電極と前記対向電極との間にプラズマが生成されるべく、前記基板載置電極及び前記対向電極の少なくとも一方に電力を供給する電力供給部とを有し、前記プラズマを利用して前記基板の表面に所定の処理を行う表面処理装置であって、前記対向電極の前記対向面側に、該対向面との間に一定の距離を置いて配置されたガス板と、前記対向電極の前記対向面と前記ガス板との間に配置され、前記ガス板の前記基板載置面に対向するガス板面側にポイントカスプ磁場を生成するポイントカスプ磁場生成部とを更に有し、前記ガス板は、前記対向電極の前記対向面に実質的に垂直な方向に穿孔された複数のガス孔を有し、これら複数のガス孔は、前記ガス板における、前記ポイントカスプ磁場の複数のゼロ磁場位置に設けられていることを特徴とする表面処理装置。
- 請求項1に記載の表面処理装置において、
前記ポイントカスプ磁場生成部は、前記対向電極の前記対向面と前記ガス板との間に配置された複数の磁石を有し、前記複数の磁石は、前記ガス板にN極及びS極のうちの一方の極が対面した2個の第1の磁石と、前記ガス板にN極及びS極のうちの他方が対面した2個の第2の磁石とを有し、前記2個の第1の磁石のN極及びS極のうちの前記一方と、前記2個の第2の磁石のN極及びS極のうちの前記他方とは、方形の4角をなし、かつ、前記2個の第1の磁石のN極及びS極のうちの前記一方は前記方形の一つの対角をなし、前記2個の第2の磁石のN極及びS極のうちの前記他方は前記方形のもう一つの対角をなしており、前記方形の中心がゼロ磁場位置であることを特徴とする表面処理装置。
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