JP3973283B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ処理装置および処理方法に係り、特に半導体製造工程における微細なパターンを形成するのに好適なプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体製造工程における微細加工プロセスではプラズマ処理装置が広く用いられているが、その中でもいわゆる平行平板型のプラズマ処理装置は、構造が比較的簡単である、均一性にすぐれる、といったメリットがあるために広く使用されている。
【0003】
一般的な平行平板型のプラズマ処理装置は、処理室内の上下に対向して平行に設けられた平板型の電極に高周波電力を印加して発生するプラズマによりウエハを処理するものであり、たとえばエッチング処理の場合には、処理室内にエッチングガスを導入して、プラズマによりエッチングガスを解離させてイオンとラジカル(励起活性種)を生成し、ウエハ表面に作用させてエッチングを行う、いわゆる反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法が用いられている。
【0004】
また、特開平7−297175号に記載されるように、上下の電極に異なる周波数の電力を与えることにより、すなわちプラズマを発生させる電極に印加する高周波電力の周波数を数十MHz以上とし、試料を設置した電極に印加する電力の周波数を数MHz以下とすることにより、プラズマ密度と試料の自己バイアスすなわちイオンのエネルギーを独立に制御する2周波励起法(IEM:Ion Energy Modulation)が用いられている。
【0005】
一方、上記のような平行平板型のプラズマ処理装置において、およそ30〜90ガウスの磁場を上下電極に平行に加えたプラズマ処理装置(MERIE:Magnetically Enhanced RIE)が用いられており、磁場の効果によりRIEよりも高いエッチレートが得られる。また、特開平2−312231号に記載されるように、100ガウス以上の磁場によりプラズマ密度を高めたマグネトロン方式のRIEによるプラズマ処理装置(M−RIE:Magnetron RIE)も用いられている。これは電極間に平行な磁場を形成することにより、上部・下部の電極間に発生する電界との相互作用によって電子が磁力線にまきつくようにサイクロイド運動をすることで電子とガスとの衝突頻度が高まるために高いプラズマ密度が得られるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体デバイスの高集積化にともない、プラズマ処理装置には、アスペクト比の大きな(すなわち細くて深い)コンタクトホールやヴィアホールを高速に再現性よく、しかも制御性よくエッチングすること、すなわち微細加工性と処理速度さらに選択比の向上が要求されている。さらにウエハ径の大口径化にともない、大口径のウエハ全面にわたってエッチングレートや選択比の均一性を確保する必要がある。
【0007】
この要求に応えるためには、処理ガス圧を低圧化してプラズマ中における分子衝突頻度を減少させてイオンやラジカルの方向性を増すとともに、プラズマを高密度化してイオンやラジカルの密度を増加させ、さらにエッチングガスの解離状態を制御してプロセス条件を最適化することが必要である。また、このときにプラズマ密度がリアクタ内部で局所的に高い領域があるとイオン・ラジカルの密度やエッチングガスの解離状態が分布をもってしまい均一性の確保が難しくなるので、プラズマの密度や解離状態を、プラズマ全体やウエハ全面にわたって一様に制御できるのが望ましい。さらにさまざまなエッチング条件に対応するために、またプロセス構築を短時間に行うために、最適なプロセス条件の範囲が広くとれること、すなわちプロセスマージンを広くとれ、しかも制御性がよいことも必要である。
【0008】
このような要求に対して、前記の従来技術では次のような課題があった。
【0009】
前記の平行平板型のプラズマ処理装置では、周波数を上げることにより、低圧力でもプラズマ密度を低下させることなくプラズマを安定に発生させることができる。しかし、単に圧力を低くしただけでは高エネルギーのイオンが増加するためにウエハにダメージを与えてしまう。
【0010】
前記の2周波励起法(IEM)は、プラズマ密度とイオンのエネルギーを独立に制御することでこの問題を解決するものである。しかしながらこのIEM法においては、プロセスを支配するエッチングガスの解離状態は直接に制御できるものではなく、解離状態は処理室内の圧力やエッチングガスの流量、高周波電力・バイアス電力などの条件を適宜組み合わせて間接的に制御せざるをえない。そしてこれらの条件は相互に複雑に関連しあっているためにプロセス構築が容易ではなかった。
【0011】
また、平行平板型のプラズマ処理装置では、プラズマの安定化のために、プラズマを発生させる電極に比べて処理室内部の設置面積の部分を広くとる必要があるが、このために処理室内部で電界の分布が一様にならず、ウエハ周辺部に電界強度の高い部分が生じるため、プラズマ密度に分布が生じる。特にウエハ径の大口径化にともなって電極径が大きくなるとこの傾向はいっそう顕著になり、均一性の確保はますます困難となる。
【0012】
また、前記のM−RIE法では、マグネトロンによりプラズマ密度を増加させるためには少なくとも100ガウス以上の強い磁場が必要であるが、このような強磁場では電界と磁界の相互作用により生じるドリフト(E×Bドリフト)によりプラズマ密度に大きな偏りが生じてしまう。また強磁場によってウエハ上の電位が偏ることによりウエハにダメージが発生する。
【0013】
この問題を解決するために、特開平7−288195号公報に記載されるように、磁場を発生させる磁石を回転することが行われているが、回転機構が大がかりとなる欠点がある。またE×Bによる電子のドリフト方向に磁界強度が弱くなるように磁石を配置して磁場に勾配を与えることにより、試料に平行な磁場の最大値として200ガウスを加えても、偏りの無い均一なプラズマが得られる。しかし、ウエハの大口径化にともない、ウエハ全面にわたる広い領域で均一なプラズマ密度を得る磁場の設計は困難さを増す。また磁場強度の分布を一度固定すると、プラズマが均一となる条件が特定の狭い条件範囲に限定されるため、プロセスマージンが狭く、さまざまな処理条件の変化に容易に対応できない欠点がある。また強磁場を用いる場合、磁場の外部への漏洩に対する対策も十分に行う必要がある。
【0014】
また前記のMERIE法では、磁場強度がおよそ30〜90ガウスであるため、ドリフトの影響はM−RIE法に比べれば小さいが、やはりおよそ50〜60ガウスを越える磁場強度ではドリフトの影響が現れはじめてくる。このため、磁場に勾配を与える必要があり、M−RIE法と本質的に同じ課題を抱えている。
【0015】
さらに、前記のRIE法やM−RIE法ではさまざまなプロセス条件に対応するために、プロセスガスに微量の酸素ガスを添加してエッチングガスの解離状態やエッチング特性を制御することが一般に行われている。しかし、たとえば酸化膜エッチングでは、酸素ガスを添加するとSiO2のエッチング終了にともなうたとえばCOといった酸素を含む分子を用いた終点検出が行えなくなる欠点があり、エッチング深さを時間で管理せざるをえず、エッチング精度の確保が難しい。また,自己整合コンタクト(SAC:Self Aligned Contact)では,窒化膜に対して酸化膜を高い選択比でエッチングする必要があるが,酸素ガスを添加すると選択比が高くとりにくいため,プロセスマージンが低下する。
【0016】
このように、上記の平行平板型のプラズマ処理装置では、IEM法やM−RIE法によっては、大口径のウエハ全面にわたって低圧力で高密度のプラズマを均一に保った上でプラズマやエッチングガスの解離を制御することは困難さを増している。また、圧力やガス流量、電力などの条件を最適化してプロセス構築がようやく行えたとしても、最適なプロセス条件の範囲が狭く、プロセス条件の変化への対応は困難である。また、酸素ガスの添加によるガスの解離制御は、終点検出が行えないという欠点をもつ。このためプラズマの状態やエッチングガスの解離を制御できるあらたな好適な手段が強く望まれるところである。
【0017】
本発明はかかる状況においてなされたものであり、本発明の目的は、プラズマ全体やウエハ全面にわたる広い範囲にわたってプラズマ状態やエッチングガスの解離状態の制御を可能とし、大口径のウエハに対してもエッチングレートや選択比の均一性を確保し易いプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、最適なプロセス条件の範囲が広くとれ、しかも制御性がよいプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、ウエハ上の電位の偏りに起因するダメージや、これをさけるための勾配磁場の設計にともなう困難さがないプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、酸化膜エッチングの場合にも、COなどの酸素を含む分子を用いた終点検出が可能で、精度の高い、しかも高選択なエッチングを実現できるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、真空処理室と、一対の電極を含むプラズマ生成手段と、前記電極の一方を兼ねるとともに該真空処理室内で処理される試料を載置する試料載置面を有する試料台と、前記一対の電極間に高周波電力を印加する高周波電源と、前記真空処理室を減圧する減圧手段とを有するプラズマ処理装置において、前記高周波電源は、前記一対の電極間に10MHzないし300MHzの高周波電力を印加するものであり、前記一対の電極の間隙が15mm以上100mm以下であり、該一対の電極の少なくとも一方に接する面において前記高周波電源により生じる電界と交差する方向に静磁場もしくは低周波磁場を形成する磁場形成手段を備え、前記磁場形成手段は、前記一対の電極間に形成されるプラズマのシース部において該シースに対して略平行な2ガウス以上100ガウス以下の強度の磁場を形成し、該磁場と前記電界との相互作用により、電子サイクロトロン共鳴(ECR−S)、または電子シース共鳴(ESR)を生成することにある。
【0022】
本発明の他の特徴は、真空処理室と、一対の電極を含むプラズマ生成手段と、前記電極の一方を兼ねるとともに該真空処理室内で処理される試料を載置する試料載置面を有する試料台と、前記真空処理室を減圧する減圧手段とを有するプラズマ処理装置において、前記一対の電極間に10MHzないし300MHzの高周波電力を印加する高周波電源と、前記一対の電極の少なくとも一方のプラズマに接する面において前記高周波電源により生じる電界と交差する方向に100ガウス以下の範囲で任意に制御可能な強度の静磁場もしくは低周波磁場を形成する磁場形成手段とを備え、また前記磁場形成手段は、電子共鳴磁場強度において、前記一対の電極の少なくとも一方のプラズマに接する側の面の近傍の略全面に対応する位置に前記磁場と前記電界との相互作用による電子共鳴領域を形成し、また前記の電子共鳴現象を前記磁場形成手段により制御することにより、プラズマ密度・プラズマの電子エネルギー分布・プロセスガスの解離状態を制御することにある。
【0023】
本発明の他の特徴は、前記磁場形成手段が、前記高周波電力の周波数fに対して、
Bc(ガウス)=0.357×f(MHz)
で定義される電子サイクロトロン共鳴(ECR−S)磁場強度Bc、及び、
Bs(ガウス)=Bc/2(ガウス)
で定義される電子シース共鳴(ESR)磁場強度Bsにおいて、前記一対の電極の少なくとも一方のプラズマに接する側の面の近傍の略全面に対応する位置に前記磁場と前記電界との相互作用による電子サイクロトロン共鳴領域または電子シース共鳴領域を形成し、また、前記磁場形成手段により発生する磁場強度を100ガウス以下の範囲で制御可能としたことにある。
【0024】
本発明の他の特徴は、前記電極が、上部、下部一対の平行平板電極からなり、平行磁場の発生位置を上部電極板の下面にあわせることにより、前記電子共鳴の生じる領域を、前記上部電極板の下面シース部のほぼ全面にわたる領域に形成することにある。
【0025】
本発明の他の特徴は、真空処理室と、一対の電極を含むプラズマ生成手段と、前記電極の一方を兼ねるとともに該真空処理室内で処理される試料を載置する試料載置面を有する試料台と、前記一対の電極間に高周波電力を印加する高周波電源と、前記真空処理室を減圧する減圧手段とを有するプラズマ処理装置による試料のプラズマ処理方法において、前記高周波電源は、前記一対の電極間に10MHzないし300MHzの高周波電力を印加するものであり、前記一対の電極の間隙が15mm以上100mm以下であり、該一対の電極の少なくとも一方に接する面において前記高周波電源により生じる電界と交差する方向に静磁場もしくは低周波磁場を形成する磁場形成手段を備え、前記一対の電極間に形成されるプラズマのシース部において、前記磁場形成手段により、該シースに対して略平行な2ガウス以上100ガウス以下の強度の磁場を形成し、該磁場強度を変化させてプラズマ密度・プラズマの電子エネルギー分布・プロセスガスの解離状態を制御して、電子サイクロトロン共鳴、または電子シース共鳴を生成させ、該両電子共鳴の程度を制御することにより、前記試料を処理するプラズマ密度・プラズマの電子エネルギー分布・プロセスガスの解離状態を制御することにある。
【0026】
本発明によれば、2種類の電子共鳴(ECR−S、ESR)の大きさを調整することにより、プラズマの分布を制御できる。すなわち、電子共鳴の領域が電極の略全面に対応する位置に形成されるために、プラズマ状態やエッチングガス解離状態の制御が、プラズマ中の局所的な領域ではなくプラズマ全体やウエハ全面にわたる広い範囲にわたって可能であるために、大口径のウエハに対してもエッチングレートや選択比の均一性を確保しやすい利点がある。
【0027】
また、本発明によれば、10MHzないし300MHz、望ましくは40MHzないし150MHzの周波数に対応する電子共鳴現象を用いているために、ドリフトを生じさせるような100ガウス以上の強い磁場を用いることなく、プラズマの状態やエッチングガスの解離状態の制御が可能である。従って、ウエハ上の電位の偏りに起因するダメージや、これをさけるための勾配磁場の設計にともなう困難さがない。
【0028】
また、本発明によれば、磁場によりプラズマ状態を制御できるので、プロセスマージンを広く採ることのできるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を実現できる。
【0029】
また、本発明によれば、プラズマ状態やエッチングガス解離状態の制御が、酸素ガスの添加によらずに可能であるため、酸化膜エッチングの場合にも、COなどの酸素を含む分子を用いた終点検出が可能であり、しかも高選択で精度の高いエッチングが実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。
【0031】
図1は、本発明をプラズマエッチング装置へ適用した実施例を示すもので、当該プラズマエッチング装置の断面模式図である。図1において、処理室10はたとえば10ー6Torr程度の真空度を達成可能な真空容器であり、その内部には一対の対向する電極、すなわち上部電極20と下部電極30を備えており、両者で平行平板電極を構成している。処理室10は接地線11により接地され、上部電極20、下部電極30は、たとえばセラミックなどの上部電極絶縁体21、下部電極絶縁体31により、それぞれ処理室10と絶縁されている。
【0032】
上部電極20は、その下側表面に上部電極板22を備えており、またその内部にガス分散板23を備えたガス導入室24が設けられている。試料のエッチング等の処理に必要なガスは、複数のガス供給源・バルブ・流量制御手段(いずれも図示していない)からなるガス供給手段25から、所定の流量と混合比をもってガス導入室24に供給され、ガス拡散板23の開口部と上部電極20および上部電極板22に設けられた孔によって所定の分布に制御された上で、処理室10に供給される。一方、処理室10は、バルブ・圧力制御手段・真空ポンプ(いずれも図示していない)からなる真空排気系12により真空排気されて、処理室10の内部が所定の処理圧力に調整される。なお、処理室10には、エッチング処理の終了を検出する終点検出装置14が、ビューポート15を通して処理室10内部の状態を検出できるように取り付けられている。
【0033】
一方、処理室10の下部には、上部電極20に対向して下部電極30が設けられている。下部電極30は双極式の静電吸着装置40により、その上面、すなわち試料載置面41に試料42を載置保持する。すなわち、下部電極30は、外側の第1下部電極30Aと、その内側上方に絶縁体32を介して配置された第2下部電極30Bによって構成され、さらに第1下部電極30Aと第2下部電極30Bの上面には静電吸着用誘電体層(以下、静電吸着膜と略称する)33が設けられている。下部電極30Aと第2下部電極30Bは、それぞれ高周波成分カット用のフィルタ35A、35Bを介して直流電源36が接続されており、第2下部電極35B側が正になるように数100V〜数kVの直流電圧を印加する。これにより、静電吸着膜33を介して試料42と下部電極30間に作用するクーロン力により、試料42が下部電極30上に吸着、保持される。静電吸着膜33としては、たとえば酸化アルミニウムや酸化アルミニウムにチタン酸化物を混合した誘電体を用いる。
【0034】
なお、本実施例では、双極式の静電吸着装置を例に用いて説明したが、例えば単極式や多極式などの他の方式の静電吸着装置でもよい。
【0035】
上下電極の間隔、すなわち上部電極20の上部電極板22の下面と下部電極30の静電吸着装置40の上面である試料載置面41の間の距離は、15mm以上100mm以下、望ましくは20mm以上50mm以下とする。
【0036】
処理室10は、たとえばアルミニウムなどの金属からなる真空容器であり、図示していない温度制御手段を用いてその内部表面の温度をたとえば20℃から150℃の範囲で変化させることにより、処理室10内部の表面における化学反応や反応生成物の堆積を制御する。
【0037】
また、上部電極20と下部電極30も図示していない温度制御手段により制御され、上部電極板22や試料42の温度を所定の温度に保って、その表面における化学反応を制御する。さらに下部電極30には、静電吸着装置40と試料42の間に不活性ガス、たとえばHeガスが、所定の流量と圧力に設定されて供給されており、静電吸着装置40と試料42との間の熱伝達性を高めている。
【0038】
処理室10の内部表面は処理室内面カバー13により被覆され、処理室10の内部表面の金属部がプラズマに対して露出しない構成となっている。また、上部電極20、上部電極絶縁体21、および下部電極30、下部電極絶縁体31の表面もそれぞれ上部電極カバー26、下部電極カバー34により被覆されて、プラズマに対して露出しない。これらの処理室内面カバー13、上部電極カバー26、下部電極カバー34は、プラズマに対して耐性の高い、たとえばSiC、AlN、Si、石英、あるいはたとえばアルマイト処理やアルミ溶射膜形成を施したアルミニウム、あるいはたとえばポリイミド系の樹脂コーティングを施したアルミニウム、により構成される。これらのカバーは容易に交換可能な構造とするとともに、前記の図示していない温度制御手段により反応生成物の堆積量、すなわち堆積膜の厚みまたは堆積速度を一定に制御して、プラズマへの露出にともなう表面損傷をさけるように維持することにより、交換の間隔を長期化して、装置メンテナンスに要する時間と費用を低減する。
【0039】
上部電極20には、マッチングボックス(自動インピーダンス整合装置)27を介して高周波電力を供給する高周波電源28が接続されている。また、上部電極20はフィルタ29を介して接地されており、このフィルタ29は上部電極20の高周波電源28の周波数に対しては高インピーダンス、下部電極30のバイアス電源38の周波数に対しては低インピーダンス、となるような周波数特性に設定されている。一方、下部電極30(30A、30B)にはマッチングボックス(自動インピーダンス整合装置)37を介してバイアス電力を供給するバイアス電源38が接続されている。また、下部電極30はフィルタ39を介して接地されており、このフィルタ39は、その周波数特性が、下部電極30のバイアス電源38の周波数に対しては高インピーダンス、上部電極20の高周波電源28の周波数に対しては低インピーダンスとなるように設定されている。
【0040】
さらに本実施例のプラズマエッチング装置では、上部電極20の外周部に磁場形成手段50を設けている。磁場形成手段50は電磁コイル51と外周ヨーク52、コイルヨーク53を備えており、また電磁コイル51にはコイル電源54が接続されている。磁場形成手段50は、上部電極板22の下面と下部電極30の静電吸着装置40の上面すなわち試料載置面41の少なくとも一方に、電極面に対して平行な磁場を形成するように構成されている。
【0041】
ここで、上部電極20、下部電極30の周波数および磁場形成手段により発生する磁場強度の関係は次のように設定する。まず、上部電極20に印加するプラズマ発生用の高周波の周波数は、10MHz〜300MHz、望ましくは40MHz〜150MHzの範囲とし、また工業用周波数13.56MHzの整数倍から選択するのが望ましい。下部電極のバイアス電源の周波数は、300kHz以上で、かつ上部電極の周波数の1/4以下とする。たとえば、上部電極の周波数68MHz、下部電極の周波数800kHzとする。また、磁場形成手段により発生する磁場は、100ガウス以下の範囲で、望ましくは2ガウスから60ガウスまでの範囲で、任意に磁場強度を制御できる静磁場(あるいは1kHz以下の低周波磁場)とする。
【0042】
上記の実施例に示したような装置構成において、磁場を用いてプラズマ中の電子共鳴現象を制御することにより、プラズマ状態とプロセスガスの解離状態を制御することが可能となる。図2は、図1のプラズマエッチング装置の磁場形成手段による磁場の形成状態と電子共鳴領域の関係を示した図である。すなわち、図2は、上下電極間およびその近傍における磁場形成手段50による磁場の形成状態、すなわち磁力線61の分布を示したものである。
【0043】
本発明はプラズマのシース部における電子共鳴現象を用いてプラズマ状態を制御するものであり、この電子共鳴現象はプラズマシース部においてシースに対して平行な磁場を形成することでもっとも強く生じる。そこで、上下電極間においてプラズマシースを形成する電極に対して平行な磁場を形成することが必要となる。ところが、実際の装置では、終点検出装置14や試料の搬入機構(図1には示していない)などとの配置と干渉させないために、磁場形成手段50は電極間よりも上方に、すなわち上部電極20の外周部付近に設置する必要がある。したがって、電極に対して平行な磁場が形成される領域は、電磁コイル51本体の中心よりも低い位置とする必要がある。このような磁場形成は、図1に示すように、コイルヨーク53を電磁コイル51に対して下方に吊下げられたように配置することにより可能となる。
【0044】
このように、コイルヨーク53を電磁コイル51の内側で下方に突き出して配置することにより、図2に示したように、電極に対して平行な磁場、すなわち磁力線61が、コイルヨークの高さで、すなわち電磁コイル51本体の中心よりも低い位置において形成される。そして、磁場形成手段50を最適に設計して、さらに磁場形成手段50の高さ方向の位置を調整して、図2に示すように平行磁場の発生位置をたとえば上部電極板22の下面にあわせることにより、電子共鳴の生じる領域は、上部電極板22の下面シース部のほぼ全面にわたる領域62、および下部電極20の試料載置面のほぼ全面にわたる領域63となるため、プラズマ状態を電極面および試料面の広い面積範囲で磁場により効率よく制御できる。
【0045】
以下、図3ないし図6の原理説明図と、この原理のシミュレーションによる検証結果である図7〜図10を用いて、本発明の原理を説明することとする。
【0046】
平行平板型のプラズマ処理装置では、上下の電極間に高周波を印加することにより、電極間には垂直方向に振動電界が発生する。ここで、プラズマ中のポテンシャルの変化から考えて、電極間に生じる電界はプラズマのバルク部分では小さくシース部分で大きい。すなわち、振動電界は、平行平板型の電極近傍のプラズマシース部で強く発生することになる。一方、振動電界と直交する方向に電子共鳴を引き起こす静磁界が印加されていると、電子は、磁界と電界との相互作用により共鳴的に加速されて電子共鳴現象が生じる。
【0047】
ところで磁場による電子共鳴現象として、一般にマイクロ波の電子サイクロトロン共鳴(ECR:Electron Cyclotron Resonance)が知られている。これは、プラズマを生成する2.45 GHzのマイクロ波の進行方向に対して875ガウスの磁場を加えることで、磁場の中を磁力線にそって運動する電子がマイクロ波を共鳴的に吸収して加速されるものであるが、この場合にはマイクロ波の「回転電界」が電子共鳴を生じさせる。
【0048】
一方、本実施例においては、「振動電界」により電子共鳴が生じるものであるが、この様子を図3(a)〜(c)に示す。本図はプラズマ(灰色部)とシースの境界部分でのシース電場による電子の挙動を示したもので、磁力線は紙面に対して垂直に奥行方向に向かっている。このとき、(a) 電子はシース電界によりシースから押し出される方向に加速されてバルクプラズマ中で磁力線のまわりを回転し、(b) シース電界がもっとも小さくなるときに電子が磁力線のまわりを半回転してバルクプラズマからシースに突入し、(c) 電子がさらに半回転したところで再び最大となったシース電界により加速される。
【0049】
このようにして、図4に示すように、電子はプラズマとシースの境界部で磁力線にそって螺旋運動を行いながら共鳴的に加速されていく。この現象は、磁場の中を軌道運動する電子がその軌道周波数に等しい周波数の電磁波を共鳴的に吸収する現象であり、いわゆる電子サイクロトロン共鳴(ECR)であるが、一般的に用いられているマイクロ波の回転電界によるECRと区別して、シースにおける振動電界によるECRであることを明示するために、以下ではECR−S(Sはシースの意味)と呼ぶことにする。また、ECRの共鳴磁場強度Bc(ガウス)は、一般に知られているように
Bc=0.357×f
f:プラズマ生成用高周波周波数(MHz)
であるが、これは回転電界に対応した値であり、振動電界によるECR−Sの場合には電子の軌道周波数がシフトするために、共鳴磁場強度は上記の値よりもやや高い値をとることが後に実験的に示される。しかし、ここでは共鳴磁場強度の値として便宜的に前式の定義を用いて説明を進めることとする。
【0050】
ところで電子が振動電界により加速される場合、電子の回転速度がECR−Sの1/2である場合にも共鳴的な現象が生じる。これを図5(a)〜(c)に示す。すなわち、(a) 電子はシース電界によりシースから押し出される方向に加速されてバルクプラズマ中で磁力線のまわりを回転するが(b) シース電界がもっとも小さくなるときには電子は磁力線のまわりを1/4回転してプラズマ中を運動しており、(c) 電子が磁力線のまわりを1/2回転してシースに再入射するときに最大となったシース電界によりシースに押し出されて反射するようにして共鳴的に加速されていく。
【0051】
この結果、図6に示すように、電子はプラズマとシースの境界部でサイクロイド状の運動を行いながら共鳴的に加速されていく。この現象については同軸円筒チャンバをもちいた基礎的な原理確認が報告されており(Okuno etal, Appl.Phys.Lett 64(13) p1623-1625)、その記述にしたがって以下、電子シース共鳴(ESR:Electron Sheath Resonance)と呼ぶこととする。また、ESRにおいては電子の回転速度(すなわち周波数)がECR−Sの1/2であるから、ESRの共鳴磁場強度Bs(ガウス)はECR磁場強度の1/2、すなわち
Bs=Bc/2=1/2×0.357×f
f:プラズマ生成用高周波周波数(MHz)
となる。
【0052】
したがって、平行平板型のプラズマ処理装置において、上下電極の電極面に水平方向に(すなわちプラズマシース部に生じる振動電界と直交する方向に)電子共鳴を生じさせる強度の磁場Bc、Bsを加えることにより、電子は、磁界とシース部の振動電界の相互作用により共鳴的に加速されてECR−S、ESRの二つの電子共鳴現象が生じることになる。そして磁場強度を変化させることにより、電子共鳴の程度を制御することができ、したがってプラズマ中の電子の状態、すなわち電子密度と電子のエネルギー分布を制御することが可能となる。また、プロセスガスの解離はプラズマ中の電子の状態により変化するので、磁場強度の変化により、プロセスガスの解離状態が制御される。このようにして、磁場を用いてプラズマ中の電子共鳴現象を制御することにより、プラズマ状態とプロセスガスの解離状態を制御することが可能となる。
【0053】
また平行平板型の容量結合プラズマでは、電子がシース部で加速されて統計的に加熱されることによりプラズマ中の電子にエネルギーが受け渡されていくが、上記のECR−S、ESRでは、電子がシース部で共鳴的に加速されるためにシース部分での電子の加速すなわち統計加熱が効率的に行われるので、プラズマ中の電子状態を効果的に制御することが可能となる。
【0054】
次に、本実施例の装置構成における上記の原理、すなわち水平磁場印加によるプラズマ特性とプロセスガスの解離状態の変化を、Arガスを用いたシミュレーションにより検証した結果を説明する。上部電極20の高周波電源28の周波数の望ましい範囲および磁場強度との関係については後に詳しく述べることとし、以下では高周波電源28の周波数68MHzを例にとって説明する。この場合、ECR−S磁場強度は24ガウス、ESR磁場強度はその半分の12ガウスである。
【0055】
図7はプラズマ密度の磁場強度による変化を示す。電極間隔は20mm、圧力は0.7Paである。この場合、磁場強度の増加とともにプラズマ密度は増加し15ガウスで最大となるが、その後30ガウス付近で肩部をもちながら低下し、さらに40ガウス以上でまた増加に転じる。この挙動は、図7において破線で示す2つのピーク、すなわちESR磁場強度である12ガウスおよびECR−S磁場強度である24ガウスを中心とする2つのピークの重ね合わせとして理解でき、ECR−S、ESRによる効果が相互に補完的に作用してプラズマ密度が変化していると考えることができる。したがって、磁場強度をESRおよびECR磁場強度を含む範囲で制御することによりプラズマ密度を制御することが可能となるわけである。
【0056】
また、プラズマ密度の変化は、ECR−S、ESR磁場強度で鋭いピークをもつのではなく、なだらかな分布をもっている。これは、ECR−S、ESRの電子共鳴が、共鳴磁場強度付近の狭い範囲でのみ生じるのでなく、ある程度の磁場強度の幅をもって生じることを示しており、このような特性は制御しやすい、すなわち制御性にすぐれた利点となる。また、電極面の全面にわたって広い範囲で完全に均一な磁場を形成しなくとも、ある程度までの磁場強度分布であれば、電子共鳴が局在化することなく広い領域で生じるため、プラズマ密度分布やプロセスガスの解離が局所的な分布をもつことがないので、均一性に悪影響を及ぼしにくい。
【0057】
ところで、磁場の効果は、単にプラズマ密度の制御にとどまるものではなく、磁場強度の制御によりプラズマ中の電子のエネルギー分布やプロセスガスの解離の状態をも制御することが可能となる。
【0058】
図8はプラズマの電子エネルギー分布の磁場による変化を計算した結果である。計算条件は図7と同じである。図中、実線は磁場を印加しないときの、破線はECR−S磁場強度に対応する24ガウスの磁場を印加したときの、それぞれの電子エネルギー分布を示す。この結果から、24ガウスの磁場印加により、5eV以下の低エネルギーの電子が減少し、5〜20eVの電子が斜線で示したように増加しており、プラズマの電子エネルギー分布すなわちプラズマの状態が変化することがわかる。ここでは示していないが、本発明者らは、上記の電子エネルギー分布の変化が磁場強度に応じて連続的に生じることをシミュレーションにより確認しており、したがって磁場強度を制御することにより、プラズマの電子エネルギー分布すなわちプラズマ状態を連続的に制御できることがわかる。また、上記のように磁場印加による電子エネルギー分布の変化は5〜20eVで顕著であるが、このエネルギー範囲の電子はプロセスガスを解離させるので、ECR−S強度の磁場によりプロセスガスの解離状態が効率よく制御できることになる。
【0059】
次に、磁場印加によるプラズマ状態の制御がプロセスガスの解離やエッチング特性の変化にどのように影響するかを検討する。ガスの解離やエッチングはイオンとラジカルの生成量に大きく支配される。そこで、イオンとラジカルの生成効率を評価するために、Arの電子エネルギー分布と衝突断面積とから、Arガスのイオン化衝突・励起衝突の頻度を計算した。ここで、イオン化衝突とは電子とArガスが衝突してArガスがイオン化される衝突過程、励起衝突とは電子とArガスが衝突してArガスが励起される衝突過程、をそれぞれ意味する。すなわち、
イオン化衝突:e-+Ar→e-+e-+Ar
励起衝突: e-+Ar→e-+e-+Ar*
である。したがって、イオン化衝突(または励起衝突)の頻度はイオン化(または励起)の効率を示す指標であると考えられる。
【0060】
図9は、磁場を変化させたときのArのイオン化衝突の頻度の電子エネルギーに対する依存性を示したものである。同様に、磁場を変化させたときのArの励起衝突の頻度の電子エネルギーに対する依存性を示したのが図10である。両図の中で、実線は無磁場、一点鎖線はESR磁場強度(12ガウス)、破線はECR−S磁場強度(24ガウス)での、それぞれのイオン化衝突(図9)または励起衝突(図10)の頻度を示している。図9に示されるように、磁場を加えることによりイオン化衝突の頻度のピークは低電子エネルギー側にシフトする。イオンの生成効率は各グラフの積分により比較できるが、無磁場に比べて特にESRでイオン化効率が増加していることがわかる。また、図10からわかるように、励起衝突の頻度が、ECR−S、ESRにより無磁場に比べて約2倍近くにまで増加している。これらの結果から、イオンおよびラジカルの生成量が磁場により制御できることがわかる。したがって、磁場強度を無磁場からESR磁場強度、またはさらにECR−S磁場強度を含む範囲で変化させることにより、イオン化効率と励起効率の比率、すなわちプラズマ中のイオンとラジカルの比を制御するようにプラズマ状態を制御することも可能である。
【0061】
このように本発明の特徴は、シース部における磁場と電界の相互作用による電子共鳴現象を用いることにより、ドリフトを生じさせないような、たかだか数10ガウスの磁場によってプラズマの状態を効率的に制御できることにある。さらに、電子共鳴現象は電極面のシース部の広い領域にわたって生じるので、プラズマの密度や解離状態を、局所的な分布を生じさせることなく、プラズマ全体やウエハ全面にわたる広い範囲で一様に制御できることも大きな利点である。
【0062】
ここで、上記の実施例によるプラズマエッチング装置とマグネトロン型のM−RIEとの違いを考察する。すでに述べたように、M−RIEでは電子が磁力線にそってまきつくようにサイクロトロン運動をすることで、電子の衝突確率が増大して低圧力でも高密度のプラズマが生成可能となる。しかし、 M−RIEは強磁場によって電子を拘束するものであり、電子の共鳴現象を用いるものではないため、電子の加速が効率的には行われない。そして電子を拘束するためには少なくとも100ガウス程度の強い磁場が必要であり、これに起因してプラズマ密度のドリフトやウエハ上の電位の偏りによるダメージが発生するので、たとえば磁場を回転させたり、あるいは磁場に勾配を設けたりすることが必要となる。また磁場の漏洩に対する対策も十分に行う必要がある。一方、上記の実施例によるプラズマエッチング装置では、ECR−SとESRの二つの電子共鳴現象を用いており、電子が効率的に加速される。このとき必要な磁場強度はドリフトの影響が現れ始めてくる60ガウス以下で良い。
【0063】
したがって、ドリフトによるプラズマ密度の不均一やウエハ上の電位の偏りは生じないので、磁場強度は均一とすればよい。また磁場強度が小さいので磁場を発生する電磁コイルも小型でよく、磁場の漏洩に対する対策も容易となる。
【0064】
ところで、ECR−SやESRの電子共鳴は、低圧力ほど電子と気相中の分子の衝突が生じにくく、共鳴現象の効果が大きく現れやすい。シミュレーションの結果でも、磁場によるプラズマ密度の増加の効果は2Pa以下で特に強く現れている。一方、半導体デバイスの高集積化にともなって微細加工性が要求されているが、数Pa以下の低圧力領域では、プラズマ中における分子衝突頻度が減少してイオンやラジカルの方向性が増すために、微細加工性が向上する。また、本発明者らの計算によれば、2Pa以下ではイオンエネルギーが単色化される効果もある。したがって、電子共鳴が効果的に生じる圧力領域は、今後必要とされる微細加工性のためにも望ましい方向である。
【0065】
これまでに説明したように、本発明はプラズマのシース部における電子共鳴現象を用いてプラズマ状態を制御するものであり、この電子共鳴現象はプラズマシース部においてシースに対して平行な磁場を形成することでもっとも強く生じる。
【0066】
本発明の他の実施例によれば、上下電極間においてプラズマシースを形成する電極に対して平行な磁場を形成するとともに、磁場形成手段50の高さ方向の位置を調整することにより、電子共鳴の生じる領域の大きさを変化させられるので、プラズマやガス解離の状態の面内分布を制御することができる。例えば、図11のように、磁場形成手段50を図1よりも上方に配置すれば、上部電極板22の下面にはやや下向きの湾曲磁場61’が形成されるので、上部電極板22のシース部における平行磁場の領域は中心付近に限定されて、斜線で示したように上部電極板下面の主に中心部分の領域62’、および下部電極20の試料載置面の中心付近の領域63’で電子共鳴が生じる。このように磁場形成手段50の高さ方向の位置を調整することで、電子共鳴の生じる領域の大きさを制御して、プラズマ状態の変化の程度を調整することができる。ところで、前に述べたように、一般に平行平板型のプラズマ処理装置では、電極の外縁部に電界強度の高い部分が生じるため、プラズマ密度は、電極外周で高く中心で低くなる傾向にある。ところが、上記のように、電子共鳴は電極の中心付近の領域62’、および下部電極20の試料載置面の中心付近の領域63’で生じ、しかも電子共鳴の生じる領域の大きさは磁場により制御することができる。したがって、磁場形成手段50の高さ方向の位置を調整し、かつ磁場強度を変化させることにより、プラズマ状態だけでなく、プラズマ密度の均一性をも制御することが可能となる。
【0067】
次に、磁場形成手段50の構成とこれにより発生する磁場の平面内での磁場パターンを図12〜図14を用いて説明する。
【0068】
図12は、電磁コイル51と外周ヨーク52、コイルヨーク53の配置がわかりやすいように、磁場形成手段50を上方から見たものである。電磁コイル51は、くら型に湾曲した6個の電磁コイル51A〜51Fが上部電極20(ここでは図示していない)に対して同心円状にかつ軸対称に配置され、それぞれコイル電源54A〜54Fに接続される。また、ヨークは、外周ヨーク52は6個の電磁コイル51A〜51Fの外周をとり囲むように設置され、一方、コイルヨーク53は6個のコイルそれぞれに対応する形で53A〜53Fが分割して配置される。そして電磁コイル51を、たとえば51A−51D、51B−51E、51C−51Fというように線対称に組合わせて、51Aから51D、51Bから51E、51Cから51Fに向かうような磁場を発生することで、全体として図12の上で左から右に向かう磁場が発生する。
【0069】
なお、図12ではくら型に湾曲した電磁コイルを用いており、この場合磁場形成手段50の外径を小さく内径を大きくとることができる。一方、湾曲した電磁コイルのかわりに角形の電磁コイルを用いてもよく、この場合、製作が容易であり、磁場形成手段50を低コストで製作することが可能となる。
【0070】
また、コイルの組合せを、51D−51E、51A−51F、51B−51C、さらに51E−51F、51D−51C、51A−51Bというように順々に連続的に変えていくことにより、磁場を回転させることも可能である。また、ここではわかりやすいように、6個の電磁コイルが6台のコイル電源に接続されるとして説明したが、もちろん、6個の電磁コイルを駆動回路を用いて1台のコイル電源により駆動してもよい。また、ここでは電磁コイル51の個数を6個として説明したが、電磁コイルは2個を一組として組み合わせるので、偶数個であればよい。
【0071】
さらに、6個のコイルに流す電流の比を変えることで、磁場のパターンを変化させることも可能である。図13〜図15は、電磁コイルの組合せを51A−51D、51B−51E、51C−51Fとした場合について、それぞれの電流値I1、I2、I3の比を変えた場合の磁力線分布、すなわち磁場パターンを示している。図中の破線は、試料42の領域の大きさを示している。図13は、I1:I2:I3=1:1:1、すなわち各組のコイルに同じ電流を流した場合であり、この場合発散型の磁場パターンが得られる。一方、図14は、I1:I2:I3=0:1:0、すなわち上下のコイル(51A−51D、51C−51F )には電流を流さない場合であり、この場合ミラー型の磁場パターンが得られる。また図15は、I1:I2:I3=1:2:1とした場合であり、図13と図14の中間的な、ほぼ平行な磁場パターンが得られる。後に示すように、このような磁場のパターンの違いにより、プラズマ状態の変化の様子が異なることを実験的に確認している。
【0072】
本実施例によるプラズマエッチング装置は以上のように構成されており、このプラズマエッチング装置を用いて、たとえばシリコン酸化膜のエッチングを行う場合の具体的なプロセスを、再び図1を用いて説明する。
【0073】
まず、処理の対象物であるウエハ41は、図示していない試料搬入機構から処理室10に搬入された後、下部電極30の上に載置され、静電吸着装置40により吸着される。そして、処理室10内は真空排気系12により真空排気されていく。一方、試料42のエッチング処理に必要なガス、たとえばC4F8とArが、ガス供給手段25から、所定の流量と混合比、たとえばAr流量200sccm、C4F8流量10sccmをもって、ガス導入室24に供給され、ガス分散板23と上部電極20および上部電極板22に設けられた孔を通過して所定の分布に制御されて処理室10に供給される。同時に、処理室10は、真空排気系12に備えられた真空ポンプと圧力制御手段(図示していない)により、処理室10の内部が所定の処理圧力、例えば0.4〜4.0Pa(パスカル)になるように圧力が調整される。他方、磁場制御手段50により、電極間に所定の強度の平行な磁場が形成される。次に、高周波電源28より68MHzの高周波電力を出力して、処理室10の処理ガスをプラズマ化して解離によりイオン・ラジカルを発生させるとともに、バイアス電源38により試料にバイアスをかけてエッチングをおこなう。このとき磁場制御手段50により発生する磁場強度および磁場分布は、圧力や流量などのプロセス条件に応じて所定の値に設定され、プラズマ中の電子共鳴の状態やプラズマ密度および分布、さらに処理ガスの解離状態を適切に制御する。また、エッチング中は、磁場形成手段50により、たとえば5rpm〜30rpmの速度で、磁場を回転させる。さらに、エッチングの進行に応じて、磁場強度を変化させてもよい。そして、処理室10に設けられた終点検出装置14にりよりエッチング終了を検出して、あるいはエッチング処理の一定時間後に、高周波電力・バイアス電力・処理ガスの供給を停止してエッチングを終了する。
【0074】
次に、本実施例で示したプラズマエッチング装置において、磁場によるプラズマ状態やエッチング特性の制御の効果を実験的に評価した結果を示す。
【0075】
まず、磁場強度によるプラズマ特性の変化をAr/C4F8のプロセスガスを用いてイオン電流密度およびプラズマ発光により評価した結果を図16、図17に示す。プロセスガスは、流量比Ar/C4F8 200/6sccmの混合ガスであり、電極間隔は30mm、処理圧力は1Paである。図16はイオン電流密度の変化を示しており、ESR磁場強度である12ガウスおよび30〜36ガウス付近にピークをもち、40ガウス以上では漸増していくが、この全体的な傾向は図6に示した磁場強度によるプラズマ密度の変化のシミュレーション結果に定性的に一致している。次に、磁場強度によるプラズマ特性の変化をAr原子、Arイオンの発光により評価した結果を図17に示す。図17で実線はAr原子の発光(波長452.2 nm)を、破線はArイオンの発光(波長461.0 nm)を示す。おのおのの発光の励起エネルギーは次のとおりである。
【0076】
Ar原子線 14.46eV
Arイオン線 21.14eV
したがって、Ar原子線は14.46eV以上の、Arイオン線は21.14eV以上のエネルギーをもつ電子の状態を定性的に示しており、これらの発光強度の変化はプラズマのおよそ15〜20eV以上のエネルギーの電子の状態の変化を定性的に反映していると考えられる。図17でわかるように、Ar原子の発光強度は磁場強度の増加とともに漸増していくが、一方Arイオンの発光強度はESRに相当する約12ガウスまで増加した後に低下に転じ、以後漸減する。この結果から、プラズマの状態は磁場強度の増加とともに一様に変化するのではなく、ESR、ECR−S磁場強度で共鳴的に変化することがわかる。なお、ECR磁場強度Bcは計算上は24ガウスであるが、先に述べたように、この値は回転電界に対応したものであり、振動電界によるECR−Sの場合にはやや高い値をとるために共鳴磁場強度が約30〜36ガウスになっているものと考える。
【0077】
次に、エッチング用のプロセスガスの解離状態、すなわちラジカルの生成状態の磁場による変化を計測した結果を図18に示す。プロセスガスは、流量比Ar/C4F8/O2 500/12/10sccmの混合ガスであり、このガスの解離状態をCF2、CFおよびFの発光強度により計測した。 電極間隔は30mm、処理圧力は1Paである。Fの発光強度は磁場強度の増加とともにESR磁場強度である約12ガウスで急激に立ち上がり、約40ガウスを越えるまで単調増加分に対して山をもったような形で推移する。このような挙動は、図中に示すように、ESRとECR−Sの二つの共鳴による効果が相互に補完的に作用した結果と考えられる。一方、CFやCFは磁場強度が増加しても発光強度がほとんど変化しない。したがって、磁場によりFラジカルとCFラジカルCFラジカルの成分比を変化させる、いわばラジカルの単色制御が可能なことがわかる。
【0078】
このような単色的な解離状態の変化は、たとえば電力や圧力・流量などのプロセスパラメータを変化させても得られない。たとえば図19は高周波電力を変化させたときのCF2、Fの発光強度の変化を示しているが、CF2、Fとも発光強度は同じような傾向をもって増加しており、磁場のようなラジカルの単色制御の効果は得られない。
【0079】
このようなラジカル成分比の変化によりエッチング特性も変化することが容易に予想されるが、これを実験により確認した結果を図20〜図23により示す。試料は、Siウエハ上に酸化膜(厚さ約2.4μm)・レジスト膜(厚さ約0.7μm)を形成し、0.28μm 〜0.40μm径のホールを加工したウエハであり、エッチング条件は図18と同一である。
【0080】
図20は、ホールのエッチング形状の磁場による改善の効果を示したものであり、0.3μmのホールの断面のSEM写真を模式的に示したものを(a)磁場を印加しない場合と(b)30ガウスの磁場を印加した場合(ECR−Sに相当)を比較しているが、これで明らかなように、磁場の印加によりホール内壁の垂直度と底部の開口性が向上して、ホールの抜け性・加工性が改善されている。これは磁場印加によりラジカル成分比F/CF2が大きくなった効果と考えられる。
【0081】
図21は同じく30ガウスの磁場を印加した場合(実線)と磁場を印加しない場合(破線)について、0.28μm 〜0.40μmの各ホールサイズ(ホール径)に対するホール底部の開口径をプロットした図であるが、磁場を印加することにより、底部開口径がホール径と一致する点線の方向に近づいており、ホール底部での形状が0.28μm 〜0.40μmのいずれについても改善されている。
【0082】
また、図22はマイクロローディング(小さい径のホールでエッチングレートが低下する現象)の磁場による改善効果を示したものである。ここではフラットサンプルでのエッチングレートを基準にした相対値を、プロットしており、点線(=1.0)に近いほど、マイクロローディングが小さいことを意味している。この図より、30ガウスのECR−S強度の磁場を印加した場合(実線)には磁場を印加しない場合(破線)に比べて、マイクロローディングが小さくなっており、マイクロローディングが磁場により抑制されていることがわかる。
【0083】
さらに図23は磁場によるエッチングレートの均一性の向上の効果を示しており、中心と外周におけるエッチングレートの比(外周/中心)を、磁場印加(30ガウス)(実線)と磁場印加なし(破線)について比較している。いずれのホール径でも、磁場を印加したほうが中心と外周でのエッチングレートの差が小さくなっており、磁場印加によりエッチングレートの均一性が向上していることがわかる。これは、無磁場では電極外縁部のエッジ効果により外周部でイオン電流密度が低下するために外周部での抜け性が中心部に比べて低下していたものが、磁場を加えることによりウエハ面全体にわたってイオン電流密度が増加し、抜け性が向上した結果と考えられる。
【0084】
ところで、上に示した結果は、図13に示すような発散型の磁場パターンについて得られた結果であった。一方、図15に示すようなミラー型の磁場については、F、CF2ラジカルの発光強度の磁場による変化は、CF2については発散型と同様にほぼ一定であるが、Fについては図18に示した破線のようにほぼリニアに増加していく。したがって、磁場パターンを変化させることにより、ラジカル成分比を制御することが可能となる。
【0085】
このように、本実施例で示したプラズマエッチング装置においては、シース部における磁場と電界の相互作用による電子共鳴現象を用いることにより、ドリフトを生じさせないような、100ガウス以下、望ましくは2ガウスから60ガウスまでの範囲で磁場強度や磁場パターンを制御することにより、プラズマの解離状態やラジカル成分比、あるいはプラズマ密度や分布を制御することができる。そして、磁場の効果により、ホールのエッチング形状、マイクロローディング、エッチングレートの均一性を改善することが可能となる。さらに、本発明では電子共鳴現象が電極面のシース部の広い領域にわたって生じるので、プラズマの密度や解離状態を、局所的な分布を生じさせることなく、プラズマ全体やウエハ全面にわたる広い範囲で一様に制御できる。
【0086】
また、従来技術の項で説明したように、RIE法やM−RIE法ではプロセスガスに微量の酸素ガスを添加してラジカル成分比を変化させることでエッチング特性を変化させること、たとえば抜け性を改善させたりすることが行われている。これは、たとえば圧力やガス流量といったプロセス条件を変化させると、プロセスウインドウからはずれてしまい、たとえば均一性が悪化したりしてしまうためである。しかし、酸素ガスを添加すると、たとえば酸化膜エッチングの場合には、SiO2のエッチング終了にともなうCO分子を用いた終点検出が行えない欠点がある。また,特にSACエッチングでは,酸素ガス添加により窒化膜がエッチングされるために酸化膜/窒化膜選択比が高くとりにくい。
【0087】
ところが、これまでに説明したように、磁場印加の制御は、プラズマの状態やエッチングガスの解離を制御できるあらたな手段として有効であり、プロセス条件を最適化することで、均一性を維持しつつラジカル成分比すなわちエッチング特性を変化させることが可能となる。したがって、酸素ガスを添加することなくエッチング特性を変化させることができ、COのような酸素を含む分子を用いた終点検出が可能となり、SACエッチングの場合にも高い選択比を実現してプロセスマージンを広げ、エッチングの高精度化をはかることができる。
【0088】
次に、上部電極20に印加する高周波の周波数と磁場形成手段50により形成される磁場強度の関係を考察する。上記の実施例で示したプラズマエッチング装置を平行平板型の容量結合プラズマとしてみた場合、上部電極20に印加する高周波の周波数は、工業用周波数である13.56MHzの整数倍が望ましいものの、RF帯域からVHF帯域の、たとえば10MHz〜300MHzの範囲から選べばよい。一方、先に述べたように、ECR−S、ESR磁場強度Bc、Bs(ガウス)は、次式で表わされる。
【0089】
Bc=0.357×f
Bs=Bc/2=1/2×0.357×f
f:プラズマ生成用高周波周波数(MHz)
ここで、いくつかの周波数fについてBs、Bcを表で示すと次のようである。
【0090】
Figure 0003973283
先に述べたように、磁場を無磁場からESR磁場強度、またはさらにECR−S磁場強度を含む範囲で変化させることによりプラズマ状態を制御できる。しかし、f=10MHz以下ではESR磁場強度、ECR―S磁場強度は1〜数ガウス以下となり、磁場が弱すぎるために外乱の影響を受けやすく電子状態の制御が難しい。また、ESR、ECR−Sの原理からわかるように電子は周波数fに同期して運動するわけであるが、ESR、ECR−Sの効果が現れるのはf=68MHzでおよそ1Pa程度であり、f=10MHz以下では電子の運動の周波数が低すぎるために、ESR、ECR−Sの効果が現れるのはおよそ0.1Pa以下の低い圧力範囲に限られてしまう。したがってプラズマ生成用高周波の周波数fは10MHz以上が必要である。また、周波数fを40MHz以上とすれば、磁場の制御範囲は数ガウス〜10ガウス以上となり、磁場の制御性がよくなる。またESR、ECR−Sの効果が現れる圧力もおよそ0.5Pa以上の範囲となる。したがってプラズマ生成用高周波の周波数fは40MHz以上とするのが望ましい。
【0091】
他方、たとえばf=300MHzの場合、ESR磁場強度は54ガウス、ECR−S磁場強度は108ガウスとなるが、先にM−RIE法およびMERIE法の課題で述べたように、磁場強度がおよそ50〜60ガウスを越えると、ドリフト(E×Bドリフト)が現れはじめ、100ガウス以上ではドリフトの影響が顕著となってプラズマ密度に偏りが生じたり、ウエハ上の電位が偏ってウエハにダメージが発生したりする。したがって、磁場形成手段により発生する磁場の強度は、100ガウス以下、より好ましくは60ガウス以下の範囲で任意に制御するのが望ましく、この場合プラズマ生成用高周波の周波数fを300MHz以下とすれば、60ガウス以下の範囲ではESRを、100ガウス以下の範囲ではESR、ECR−Sの両方を含めたかたちで、プラズマ状態の制御が可能となる。さらに、周波数fを150MHz以下とすれば、ドリフトの影響がさほど大きくない60ガウス以下の範囲でESR、ECR−Sの両方によりプラズマ状態の制御が可能となる。したがって、プラズマ生成用高周波の周波数fは150MHz以下とするのが望ましい。
【0092】
また,ESRの効果はESR磁場強度のおよそ1/3以下では小さくなる。ESRの大きさの程度によってプラズマ状態を制御するには,たとえば周波数40MHzの場合,ESR磁場強度7ガウスから考えて,磁場強度をおよそ2ガウス以上の範囲で制御すればよい。したがって磁場形成手段は2ガウス以上の磁場を発生させるものとする。もちろん,磁場形成手段のコイル電流を0Aとすれば磁場は発生しないので,無磁場まで含めて磁場範囲を制御してもよい。
【0093】
上記の磁場によるプラズマ状態の変化の周波数による違いを概念的にまとめたのが図24である。ここでは例として、図18に示したCF2およびFの発光強度によるガスの解離状態の変化をもとにして、磁場強度0〜100ガウスの範囲での発光強度の比F/CF2の変化を周波数68MHz、150MHz、300MHzについて示している。
【0094】
周波数68MHz(実線)では、ESR磁場強度は12ガウス、ECR−S磁場強度は24ガウスであり、F/CF2の値は図18に示したように磁場強度の増加とともに約12ガウスで急激に立ち上がり、約40ガウスを越えるまで単調増加分に対して山をもったような形で推移する。周波数150MHz(破線)では、ESR、ECR−S磁場強度に相当する27ガウスおよびおよそ54〜60ガウスに二つのピークを持ち、またピークの高さは68MHzよりも高い。周波数300MHz(一点鎖線)では、ECR−S磁場強度は100ガウスを越えるため、ERS磁場強度の54ガウス付近に150MHzよりもさらに高いピークがあらわれている。このように、周波数が高いほどESR、ECR−S磁場強度は大きくなるとともに、ESR、ECR−Sにより解離が進んでF/CF2比が大きな値をとるようになる。
【0095】
以上をまとめると、プラズマ生成用高周波の周波数fは10MHz以上300MHz以下とし、40MHz〜150MHzの範囲が望ましい。また、磁場強度は100ガウス以下、望ましくは60ガウス以下の範囲で、任意に制御する。周波数が高いほどESR、ECR−Sの効果、すなわちESR、ECR−Sによるプラズマ状態や解離状態あるいはイオン化効率・励起効率の変化は強く現れるが、これは当然プロセスによっても大きく変わる。また、周波数が高いほどESR、ECR−S磁場強度も大きくなる。さらにプラズマの分布状態は電極間隔や電極径により変わるが、周波数によっても分布状態は変化する。したがってプラズマ生成用高周波の周波数はこれらを総合的に考慮して、最適な値を選択すればよい。
【0096】
次に図25により、本発明の他の実施例になる、カソードカップリング型のプラズマエッチング装置を説明する。図25では、図1に示す実施例装置と対応する部分には同一符号を付けて説明を省略する。図25に示す実施例では、カソードカップリング型として、上部電極20が接地され、試料42を載置する下部電極でプラズマ生成とバイアス印加を同時に行うとともに、単極式の静電吸着装置40’を用いていることが図1に示す実施例装置と異なっている。下部電極30’には、高周波電源28、バイアス電源38がそれぞれマッチングボックス(自動インピーダンス整合装置)27、37、フィルタ29、39を介して接続されている。フィルタ29は高周波電源28の周波数に対しては低インピーダンス、バイアス電源38の周波数に対しては高インピーダンスとなるように、さらにフィルタ39はバイアス電源38の周波数に対しては低インピーダンス、高周波電源28の周波数に対しては高インピーダンスとなるように設定されている。このため、高周波電源28、バイアス電源38はお互いに干渉することなく動作して、高周波電力を供給してプラズマを生成するとともに、試料42にバイアスを印加する。また、下部電極30’には高周波電源28、バイアス電源38の周波数成分をカットするフィルタ35を介して直流電源36が接続されており、下部電極30’に数100V〜数kVの直流電圧を印加する。下部電極30’には、その上面に静電吸着用誘電体層(以下、静電吸着膜と略称する)33’が設けられており、静電吸着膜33’を介して試料42と下部電極30’間に作用するクーロン力により、試料42が下部電極30’上に吸着・保持される。
【0097】
本実施例においては、下部電極30’に印加する電源の周波数は図1の実施例と同様であり、プラズマ発生用の高周波の周波数は100MHz以上300MHz以下、望ましくは40MHz〜150MHzの範囲として、工業用周波数13.56MHzの整数倍から選択するのが望ましく、バイアス電源の周波数は、300kHz以上で、かつプラズマ発生用の高周波の周波数の1/4以下とする。たとえば、プラズマ発生用の高周波の周波数68MHz、バイアス電源の周波数800kHzとする。また、磁場形成手段により発生する磁場は、100ガウス以下、望ましくは2ガウスから60ガウスまでの範囲で、任意に磁場強度を制御できる静磁場(あるいは1kHz以下の低周波磁場)とする。
【0098】
本実施例の構成によれば、図1の実施例と同様に、シース部における磁場と電界の相互作用による電子共鳴現象を用いることができ、ドリフトを生じさせないような、たかだか数10ガウスの磁場によってプラズマの状態を制御できる。また、電子共鳴現象は電極面のシース部の広い領域にわたって生じるので、プラズマの密度や解離状態を、局所的な分布を生じさせることなく、プラズマ全体やウエハ全面にわたる広い範囲で一様に制御できる利点も失われない。さらに、上部電極からはプラズマ発生用の高周波電力を印加しないため、上部電極の構造が簡単にできるので、たとえば装置内部の堆積膜の清掃やメンテナンスが容易になる利点がある。
【0099】
次に図26により,本発明の他の実施例になるプラズマエッチング装置を説明する。図26では,図1に示す実施例装置と対応する部分には同一符号を付けて説明を省略する。図26に示す実施例は,図25と同様にカソードカップリング型の装置であるが、上部電極20の外側に第2上部電極20’を設けている点が図25の実施例と異なる。
【0100】
試料42を載置する下部電極30’は、電源38’、マッチングボックス(自動インピーダンス整合装置)37’,フィルタ39’によりプラズマ生成とバイアス印加を同時に行う。
【0101】
一方、上部電極20は設地され、その外側に設けられた第2上部電極20’には,高周波電源28’がマッチングボックス(自動インピーダンス整合装置)27’,フィルタ29’を介して接続されている。フィルタ29’、39’、35はお互いに干渉することなく動作するように設定されている。また,下部電極30’は単極式の静電吸着装置40’として動作する。
【0102】
第2上部電極20’に印加する電源の周波数は,10MHz〜300MHz、望ましくは40MHz〜150MHzの範囲とする。一方、下部電極30’に印加する電源の周波数は,300kHz以上で,かつ第2上部電極に印加する電源周波数の1/4以下とする。たとえば,第2上部電極20’の高周波の周波数を100MHz,下部電極30’の周波数を13.56MHzとする。また,磁場形成手段により発生する磁場は,100ガウス以下,望ましくは60ガウス以下として、任意に磁場強度を制御できる静磁場(あるいは1kHz以下の低周波磁場)とする。
【0103】
本実施例では、下部電極30’はプラズマ生成とバイアス印加を主に行い、第2上部電極はその下面シース部における磁場と電界の相互作用による電子共鳴現象を用いて、プラズマの状態を制御する。このように,下部電極30’と第2上部電極20’に異なる周波数の電源を印加することにより、プラズマ生成・バイアス印加とプラズマ状態制御を独立して行えるのが本実施例の特徴である。また電子共鳴現象は第2上部電極面のシース部の広い領域にわたって生じるのでプラズマの局所的な分布は生じない。ただし、電子共鳴の生じる領域がウエハ外周部にあたるため、ウエハの内周と外周でエッチング特性に差が生じないように上下の電極間隔は30mm以上とするのが望ましい。
【0104】
なお、前記の各実施例は、一対の上部電極と下部電極を有する平行平板型のプラズマ処理装置に関するものであるが、本発明は磁場と電極シース部における電界との相互作用を用いるものであるから,電極シース部において電界を発生させる他の方式のプラズマ処理装置,たとえば,マイクロ波やUHF帯の電磁波による電界放射を利用したプラズマ処理装置,あるいは誘導結合方式のプラズマ処理装置に前記磁場形成手段を付加することでも実現できる。
【0105】
また、前記の各実施例は、いずれも処理対象が半導体ウエハであり、これに対するエッチング処理の場合であったが、本発明はこれに限らず、例えば処理対象が液晶基板の場合にも適用でき、また処理自体もエッチングに限らず、たとえばスパッタリングややCVD処理に対しても適用可能である。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、電子共鳴磁場強度において、前記一対の電極の少なくとも一方のプラズマに接する側の面の近傍の略全面に対応する位置に前記磁場と前記電界との相互作用による電子共鳴領域を形成し、また前記の電子共鳴現象を前記磁場形成手段により制御することにより、プラズマ密度・プラズマの電子エネルギー分布・プロセスガスの解離状態を制御するようにしたため、プラズマ状態やエッチングガス解離状態の制御が、プラズマ中の局所的な領域ではなくプラズマ全体やウエハ全面にわたる広い範囲にわたって可能である。そのために、大口径のウエハに対してもエッチングレートや選択比の均一性を確保しやすい利点がある。しかも、ドリフトを生じさせるような強い磁場を用いることはないので、勾配磁場の設計にともなう困難さがない。また酸素ガスの添加によらないため、酸化膜エッチングの場合にも、COなどの酸素を含む分子を用いた終点検出が可能であり、精度の高いエッチングが実現できる。
【0107】
また、本発明によれば、シース部における磁場と電界の相互作用によるECR、ESRの電子共鳴現象を磁場により制御することにより、プラズマの状態やエッチングガスの解離状態の制御が効率的に可能であるため、制御性が高く、かつプロセスマージンの広いプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することができる。
【0108】
電子共鳴磁場強度は、プラズマを発生させる高周波電力の周波数がたとえば68MHzの場合はECR磁場強度24ガウス、ESR磁場強度12ガウスであるので、磁場の制御範囲はたかだか数10ガウスまでの範囲であり、ドリフトを生じさせるような強い磁場を用いる必要がないので、ウエハ上の電位の偏りに起因するダメージや、これをさけるための勾配磁場の設計に伴う困難さがない。また、電子共鳴現象は電極面のシース部の広い領域にわたって生じるので、プラズマの密度や解離状態を、局所的な分布を生じさせることなく、プラズマ全体やウエハ全面にわたる広い範囲で一様に制御でき、大口径のウエハに対してもエッチングレートや選択比の均一性を確保しやすい。さらに電子共鳴領域の大きさを調整することにより、プラズマの分布をもあわせて制御することが可能である。さらに、プラズマ状態やエッチングガス解離状態の制御が、酸素ガスの添加によらずに可能であるため、酸化膜エッチングの場合にも、COなどの酸素を含む分子を用いた終点検出が可能であり、SACエッチングの場合にも高選択比を実現して精度の高いエッチングを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる、プラズマエッチング装置の断面模式図である。
【図2】図1のプラズマエッチング装置の磁場形成手段による磁場の形成状態と電子共鳴領域の関係を示した図である。
【図3】シースにおける電子サイクロトロン共鳴(ECR−S:Electron Cyclotron Resonance)の原理説明図である。
【図4】シースにおける電子サイクロトロン共鳴の原理説明図である。
【図5】シースにおける電子シース共鳴(ESR:Electron Sheath Resonance)の原理説明図である。
【図6】シースにおける電子シース共鳴の原理説明図である。
【図7】磁場がプラズマ密度の変化におよぼす効果をシミュレーションにより計算した結果である
【図8】磁場がプラズマの電子エネルギー分布の変化におよぼす効果をシミュレーションにより計算した結果である
【図9】磁場がArのイオン化衝突の頻度におよぼす効果をシミュレーションにより計算した結果である
【図10】磁場がArの励起衝突の頻度におよぼす効果をシミュレーションにより計算した結果である
【図11】本発明の他の実施例になる、プラズマエッチング装置の断面模式図および、磁場の形成状態と電子共鳴領域の関係を示した図である。
【図12】本発明の実施例の磁場形成手段を上方から見た平面図である。
【図13】磁場形成手段による磁場パターンの一例として、発散型の磁場パターンを示す図である。
【図14】磁場形成手段による磁場パターンの他の例として、ミラー型の磁場パターンを示す図である。
【図15】磁場形成手段による磁場パターンの他の例として、ほぼ平行な磁場パターンを示す図である。
【図16】磁場によるプラズマ特性の変化を、イオン電流密度により実験的に評価した結果を示す図である。
【図17】磁場によるプラズマ特性の変化を、Arプラズマの発光により実験的に評価した結果を示す図である。
【図18】磁場によるプロセスガスの解離状態の変化を、CF、CFおよびFの発光強度により計測した結果を示す図である。
【図19】高周波電力を変化させたときのプロセスガスの解離状態の変化を、CF、Fの発光強度により計測した結果を示す図である。
【図20】磁場によるエッチング特性の変化を、ホールのエッチング形状の改善効果により示す、エッチング断面形状図である。
【図21】磁場によるエッチング特性の変化を、ホールのエッチング形状の改善効果により示した図である。
【図22】磁場によるエッチング特性の変化を、マイクロローディングの改善効果により示した図である。
【図23】磁場によるエッチング特性の変化を、エッチングレートの均一性の向上の効果により示した図である。
【図24】磁場によるプロセスガスの解離状態の変化を、ミラー型の磁場について、CF2およびFの発光強度により計測した結果を示す図である。
【図25】本発明の他の実施例になる、アノードカップリング型のプラズマエッチング装置の断面模式図である。
【図26】本発明の他の実施例になるプラズマエッチング装置の断面模式図である。
【符号の説明】
10…処理室、12…真空排気系、13…処理室内面カバー、14…終点検出装置、15…ビューポート、20…上部電極、21…上部電極絶縁体、22…上部電極板、23…ガス分散板、24…ガス導入室、25…ガス供給手段、26…上部電極カバー、27…マッチングボックス(自動インピーダンス整合装置)、28…高周波電源、30…下部電極、31…下部電極絶縁体、32…絶縁体、33…静電吸着用誘電体層、34…下部電極カバー、36…直流電源、37…マッチングボックス(自動インピーダンス整合装置)、38…バイアス電源、40…静電吸着装置、41…試料、50…磁場形成手段、51…電磁コイル、52…外周ヨーク、53…コイルヨーク、54…コイル電源、61…磁力線、、62…電子共鳴領域、63…電子共鳴領域

Claims (3)

  1. 真空処理室と、
    前記真空処理室内に設けられた間隔が15mmないし100mmの上部・下部一対の平行平板電極を含むプラズマ生成手段と、
    前記下部電極に設けられた試料載置面と、
    前記真空処理室を減圧する減圧手段と、
    前記上部電極に設けられたガス分散用の穴を介して前記真空処理室にエッチングガスを供給するガス導入手段と、
    前記下部電極に接続され前記一対の電極間に40MHzないし150MHzの高周波電力を印加する高周波電源と、
    前記下部電極に接続されたバイアス電源と、
    前記真空処理室の外側でかつ前記上部電極の半径方向外側に該電極に同心円状に配置され前記試料載置面付近および処理室内上面付近における平面内の磁場のパターンを変更可能な磁場形成手段とを備え、
    前記高周波電力により前記一対の電極間に生じる電界により前記エッチングガスのプラズマが形成され、
    前記磁場形成手段は、前記試料載置面内において前記一対の電極の電極面に対し磁力線が平行な磁場で、かつ、100ガウス以下無磁場の範囲で磁場強度を形成し、前記プラズマの少なくとも一部に前記一対の電極に対して略平行な電子共鳴域を形成するように制御し得る、ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1において、前記磁場形成手段は、前記プラズマのシース部において該シースに平行な磁場を形成することを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1において、前記磁場形成手段は、前記下部電極に対する高さ方向の位置を調整可能に構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
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