JP4243110B2 - 表面処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体等の製造装置に係わり、特に、マグネトロン型平行平板表面処理装置の磁場構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から半導体製造プロセス等においてはエッチング、プラズマCVD(chemical vapor deposition)、アッシング等の表面処理に際して、真空容器内にプラズマを発生させ、被処理基板あるいはウェハの表面に所定の処理を行うように構成された表面処理装置が用いられてきた。
【0003】
今日ではデバイスの集積度がますます高くなり、またスループットの向上も極めて重要であるため、これらの表面処理装置においては歩留まりの向上はもちろんのこと、微細な処理を高速に実施することがとりわけ重要視されている。更に、アスペクト比の高いコンタクトホールをエッチングする場合、プラズマ密度を上げると後で示す様にシース幅が短くなりシースで中性ガスと衝突して散乱されるイオンの量が減る。そのため、イオンがコンタクトホールの側壁に斜め方向に衝突してコンタクトホールが中膨れのボーイング形状になったり、垂直なホール形状が得られないといった問題が解消出来、垂直な形状のコンタクトホールをエッチング出来る。また、プラズマ密度が高いと高速エッチングが可能になる。
【0004】
この為、プラズマ密度を上げて基板の高速処理を可能とするとともに、圧力を下けてイオンが加速されるシース中での散乱を防ぐのがエッチングプロセスにおける近年の技術趨勢である。また、アッシングする場合でも圧力が低いと蒸気圧の低い物質が残渣として残ることはなく、プラズマ密度が高いと高速処理か可能になる。プラズマCVDを行う場合には、圧力が低いと気相反応が抑えられダストが発生しない。
【0005】
以上の説明の根拠の一つとなる前述の、プラズマ密度とシース幅について説明する(出典:Principles of plasma discharges and materials processing, M.A.Liebermaan, A.J.Lichtenberg)。
【0006】
プラズマのデバイ長は次式で与えられる。
【0007】
λDe=743(T/n0.5
ここに、λDeはcm表記のデバイ長で、Tはvoltで表した電子温度、nはcm当たりの電子密度である。このデバイ長を使うとプラズマのシース長Sはチャイルドの式より次の様になる。
【0008】
S=[(21/2)/3]λDe(2V/T3/4
ここで、Vはシースにかかる電圧である。例えば、T=3eV、n=1011個/cm、V=600Vの場合について計算するとシース幅は0.17cm=1.7mmとなる。ガス圧2PaでAr:300sccm、C:10sccmの標準プロセスでは、Arの平均自由行程は15mmであるのでシース中でのArの散乱は少ない。しかし、CのAr中の平均自由行程はArの1/3.5倍程度しかないため,イオン化されたCの平均自由行程は4mm程度となり、シース中での衝突散乱は無視出来ない。実際、距離xを無衝突で走る粒子の割合はExp(‐x/λ)で与えられ(ここで、λは平均自由行程、xは飛行距離)、これを計算するとExp(‐x/λ)=0.65が得られる。従って、シースへ入射するイオン全体の35%が衝突散乱する事になる。Cのイオン化率はArよりはるかに大きいためこの散乱率は無視出来ない値となる。これが側壁のエッチングを引き起こし中ぶくれのボーイング形状となる原因となる。プラズマ密度を2倍に上げれば、シース長さは0.7倍程度になりボーイング形状を抑える事が出来る。
【0009】
プラズマ密度を上げるには周波数を上げ高周波電力を増やせばよいが、現在主に用いられているVHF帯例えば60MHz以上に周波数を上げると、高周波は伝送条件が厳しくなり、プラズマ負荷とうまく結合しなくなる等の問題もあり、平行平板型の表面処理装置に用いるには非常な努力が必要である。また高周波電力を増やすと異常放電を起こしやすいと言った問題もある。
【0010】
この問題を解決して、プラズマ密度を上げ、圧力を下げるために、磁場を使うマグネトロン型平行平板表面処理装置が有望視されている。
【0011】
例えば、特許文献1では、中心磁石の周りに周辺磁石を配置した一組の磁石組を多数並べプラズマ密度を高くする方式が提示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−313784号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1には、磁石のバランスを均等にする事は述べられているが、中心磁石と周辺磁石の大きさの比や、特に電極周辺における最外周の磁石の強さについての説明がない。これらは容易に計算できるが、磁場にトラップされた電子の逃げる率を変える為中心磁石と周辺磁石の比を変えると電極全体での磁石のN/S極のバランスが崩れ、基板に磁力線がとどいて基板のプラズマ密度が変化し、電子密度の差からデバイスに強い電圧がかかりデバイスが破壊される点が問題になるが、この点が明確ではない。また、外周部でバランスが崩れるとこの磁場の影響が基板にまで及びプラズマ密度が変化してエッチングの面内均一性が大きく崩れる。
【0014】
本発明はこのような問題点を改善するためになされたものであり、プラズマを電極全面で均一に発生させる事の出来る表面処理装置を提供することを目的としている。
【0015】
本発明のもう一つの目的は、中心磁石と周辺磁石の磁力の比を具体的に示し、プラズマを電極全面で均一に発生させる事の出来る表面処理装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1の発明によれば、表面処理すべき基板に対向させたプラズマ発生電極を備え、前記基板と前記プラズマ発生電極との間にプラズマを発生させ、前記基板の表面に所定の処理を行う表面処理装置において、
前記プラズマ発生電極内に、
柱状中心磁石と、該柱状中心磁石の周辺に、互いに間隔を置いて配置され、該柱状中心磁石とは極性を逆にする6個の柱状周辺磁石と、から構成される磁石組を複数有し、
前記柱状中心磁石及び前記柱状周辺磁石は、底面を前記基板の表面に向けて配されると共に、
隣接する2つの磁石組同士が、1つの前記柱状周辺磁石を共用するように配置され、
前記柱状周辺磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさは、前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさより小さく設定されていることを特徴とする表面処理装置が得られる。
【0017】
本願請求項2の発明によれば、表面処理すべき基板に対向させたプラズマ発生電極を備え、前記基板と前記プラズマ発生電極との間にプラズマを発生させ、前記基板の表面に所定の処理を行う表面処理装置において、
前記プラズマ発生電極内に、
柱状中心磁石と、該柱状中心磁石の周辺に、互いに間隔を置いて配置され、該柱状中心磁石とは極性を逆にする6個の柱状周辺磁石と、から構成される磁石組を複数有し、
前記柱状中心磁石及び前記柱状周辺磁石は、底面を前記基板の表面に向けて配されると共に、
隣接する2つの磁石組同士が、2つの前記柱状周辺磁石を共用するように配置され、
前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさが、前記柱状周辺磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさよりも大きく設定されていると共に、
前記柱状周辺磁石として、前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさの1/2の磁力の強さまたは体積の大きさをもつ柱状周辺磁石と、前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさの1/3の磁力の強さまたは体積の大きさをもつ柱状周辺磁石と、前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさの1/6の磁力の強さまたは体積の大きさをもつ柱状周辺磁石とを含むことを特徴とする表面処理装置が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を表面処理装置の一例であるエッチング装置に適用した場合について以下に説明する。エッチング装置だけでなく、アッシング、P(プラズマ)−CVD、スパッタリング等の表面処理装置でも同様である。
【0023】
図1を参照すると、本発明の実施例による表面処理装置(エッチング装置)が示されている。図1において、1は処理室、2は対向電極(プラズマ発生電極)、3は基板載置電極、5は基板4を静電吸着する静電チャック、6は水冷電極、6aは水冷電極冷却水入口,6bは水冷電極冷却水路、6cは水冷電極冷却水出口、12は対向電極用電源である。13は基板載置電極用電源、15は静電チャック電極用電源、10は絶縁体、11は同軸状磁石組、21はガス供給系、22は排気系である。なお、高周波フィルターやブロッキングコンデンサーが電源保護のために設けられている。
【0024】
このエッチング装置を動作させるには、先ず、バックポンプ(図示せず)とメーンポンプ(図示せず)で処理室1内部を真空排気した後、図示しないゲートバルブ(図示せず)を開き、基板搬送機構により搬送室(図示せず)から運ばれた基板4を、突き上げピン駆動機構(図示せず)で突き上げピン31を駆動して受け取り静電チャック5上に載置する。次に、静電チャック電源15より静電チャック(図示せず)の電極に電圧を印加して基板4を吸着固定して、ガス供給系21から対向電極2に処理ガスを送り処理室1の内部を一定圧力とする。
【0025】
その後、対向電極用電源12からVHF帯(例えば60MHz)の高周波電力を対向電極2に供給し基板載置電極3に基板載置電極用電源13からHF帯(例えば1.6MHz)の高周波電力を供袷する。そうするとVHF帯の高周波電力によって比較的高密度のプラズマ及びエッチャントが生成され、HF帯の高周波電力によってイオン衝撃エネルギがプラズマ密度とは独立に制御される。ここで、同軸状磁石組11により生じる均一な磁束11aにより、プラズマ中の電子の壁への損失は抑えられ、電子が中性粒子と何度も衝突して中性粒子をイオン化し、高密度で均一なプラズマを生む。この様にして、目的とする低い圧力で、高密度プラズマが得られ、均一なエッチング処理が実行される。
【0026】
高密度プラズマは、磁場に閉じ込められているが、高密度プラズマ中の電子の拡散により基板4周辺のプラズマ密度も高くなる。また、プロセスガスの解離やイオン化も進むためエッチングレートが向上する。これは、以下の実施例でも同様である。
【0027】
次に、図2(図2のA−A断面図が図1である。)を参照して、本願発明の主要部分である同軸状磁石組11の構造と作用について説明する。同軸状磁石組11は、軸対称な円柱状中心磁石11bと6個の柱状周辺磁石11cから構成され、該柱状中心磁石11bに対し該6個の柱状周辺磁石11cは同軸状に配置されている。
【0028】
次に、本願発明の主要部分である同軸状磁石組11の構造と作用について図2を用いて説明する。同軸状磁石組11は、軸対称な柱状中心磁石11bと6個の柱状周辺磁石11cから構成され、該柱状中心磁石11bに対し該6個の柱状周辺磁石11cは同軸状に配置されている。
【0029】
磁束の分布の様子は図3に示されている。図3は図2のB−B断面図で柱状中心磁石11bからでた磁束11aは、柱状周辺磁石11cで終端する。図2の実施例の場合には、柱状中心磁石11bの磁化量が6個の柱状周辺磁石11cにおける柱状周辺磁石1個の磁化量の2倍になっている。従って柱状中心磁石の磁化量は柱状周辺磁石6個を合わせた磁化量トータルに対して1/3にしかならないが、各々の柱状周辺磁石は3つの磁石組に属して共用されているため、柱状中心磁石に対し柱状周辺磁石の磁化は1/3として計算され、全体では柱状中心磁石と柱状周辺磁石の磁化は釣り合っている。図2では柱状中心磁石は6角柱としているが、円柱や四角柱などの多角柱でも良い。
【0030】
以上の実施例では、柱状周辺磁石11cは3個の柱状中心磁石11bに属していると見なせる。これに対して図4のようにすると柱状周辺磁石11cが2個の柱状中心磁石11bに属するようになり、柱状周辺磁石の磁化は柱状中心磁石の磁化の1/3とする事ができる。
【0031】
図9は本発明の別の実施例で、6個の柱状周辺磁石11cを1個の筒状周辺磁石11c’に置き換えている。この実施例の場合、筒状周辺磁石11c’を構成する6個の各辺は2個の柱状中心磁石11bに共用されているため各辺の磁化量は柱状中心磁石11bの磁化量の1/3になれば全体としての磁化量は釣り合う。
【0032】
以上の実施例を纏めると次の様に言える。図2では柱状中心磁石と柱状周辺磁石の磁化量の比は2対1であり、柱状中心磁石と柱状周辺磁石の磁化の強度比によりプラズマが磁場トラップから逃げる効果、即ちアンバランストマグネトロン効果によるプラズマの逃げは小さい。しかし、図4のように個々の柱状周辺磁石間の中間位置では磁化量の比は3対1になり、アンバランストマグネット効果が大きくなる。これに対して、図9の筒状周辺磁石の場合、柱状中心磁石に対する筒状周辺磁石の磁化量の比は1/3になり、アンバランスト効果は大きいが全体としては磁場が均一になっている。この様な図2及び図4の実施例と図9の実施例との中間形態として、6角のコーナー部と辺の部分の磁化量が異なる様に図2及び図4の実施例を組合せたり、図9を変更して実施する事も出来る。
【0033】
図5及び図6は本発明の別の実施例であり、電極の周辺での磁石の大きさを説明するための図である。図5の実施例では、最外周の磁石組の柱状周辺磁石11cは電極中心部での柱状周辺磁石11cと同じ大きさになっている。この様にすればプラズマは電極周辺部で閉じ込め効果が落ちる事はない。一方、図6の実施例では、次の様な方式で最外周にある柱状周辺磁石の磁化が決まっている。11C2のように、対応する柱状中心磁石が1個しかない柱状周辺磁石の場合には、磁化が柱状中心磁石の1/6になり、11C1のように、対応する柱状中心磁石が2個の柱状周辺磁石の場合磁化が柱状中心磁石の1/3になり、11Cのように、対応する柱状中心磁石が3個の柱状周辺磁石の場合には磁化が柱状中心磁石の1/2になるようにする。この様にすると、柱状中心磁石と柱状周辺磁石の極性が逆の磁化が全ての個所、すなわち電極中心でも周辺でも同一になるため、基板にまで届く磁束は少なくなり基板表面でプラズマ密度が均一になる効果が期待できる。
【0034】
図10は筒状周辺磁石の実施例で磁化のバランスを重視した実施例であり、図11は筒状周辺磁石でプラズマの逃げを抑制したものである。
【0035】
以上では、柱状中心磁石の周辺磁石が柱状6個の場合を例にして、電極最外周の磁石の強さについて説明したが、格子状またはハニカム状のポイントカスプの場合にも同様に磁力を決定できる。すなわち、電極外周において対応する極性が逆の磁石の数が減ればそれに応じて磁石の強さを弱くすれば良い。
【0036】
以上で実施例の説明は終わるが、この様な6個の柱状周辺磁石は、正方格子状やハニカム型の六方格子形状のポイントカスプよりも磁束が多い事を最後に簡単に説明する。図7の(a)は格子状ポイントカスプで、(b)はハニカム型ポイントカスプである。
【0037】
ハニカム型のポイントカスプでは、六角形の外周に置かれた磁石は六角形3個に共用されるので、六角形の単位胞の中にある磁石の実質的な個数は2個となる。これに対して、本発明では3個になる。さらに同様の考察で、ハニカム型では単位胞の中の磁束は3本(任意単位)に対し、本発明の図4の実施例では倍の6本(任意単位)となる。
【0038】
正方格子型のポイントカスプでは、計算を簡単にする為、磁石間隔を1cm、磁石4個のなす正方格子の面積を1cmとすると、磁石の個数は1個/cm、磁束は2本(任意単位)/cmになる。これに対し、磁石間隔はやはり1cmの本発明の図2の実施例の場合、六角形の面積は1.5√3cm、磁石の個数は3個なので、2/√3個/cm、磁束の数は4/√3本(任意単位)/cmとなる。以上の様に本発明の実施例の円形磁場のほうがいずれのタイプのポイントカスプ磁場より磁石の数、磁束の数とも多くなっている。
【0039】
しかし、六角形の形状をする本発明では柱状中心磁石は柱状周辺磁石の2倍の磁力になり、ポイントカスプの様に全てのマグネットの大きさが同じになる場合と異なる。この為、本発明の図4の実施例でも正方格子型のポイントカスプと同じ磁力が得られるか調べる必要がある。
【0040】
磁石の幅は面積の√になるので、中心柱状磁石の幅は2√2/(√2+1)、周辺柱状磁石の幅は2/(√2+1)になる。磁力はこの2乗になるので柱状中心磁石の磁力はポイントカスプの1.37倍、柱状周辺磁石の磁力は0.69倍になり、柱状中心磁石と柱状周辺磁石各1個から形成される磁力はトータルではポイントカスプの磁力と同じになる。従って、磁束の数に関しては本発明の図4の実施例の方が正方格子型のポイントカスプより優れている。ハニカム型のポイントカスプに対しても同様の考察が出来る。
【0041】
図8を参考に実際の磁力の計算を隣接磁場について行う。太い線で示される磁場120をここで計算する。この様な磁石を選んだ理由は次の通り。磁場120を強める効果を示す磁石を、薄く塗った六角形で示し、図に「強化」と記入している。一方「打ち消し」と記入している、×印を記した六角形にて示される磁石は、磁場100を弱める働きをする。白抜き六角形にて示される六角形は、磁場120に対して強める働きと弱める働きを持つペアになる磁石があるため磁場120を強めも弱めもしない。太い楕円121の外側は磁場120を強め、そのさらに外側は弱める働きをしている。以上に加え、楕円外の磁石は距離が遠くなる為、計算しない楕円外の磁石配置により磁場120の強度が以下の計算と大きく違ってくる事は無い。従って、楕円部分を計算すれば磁石配置の型による磁場強度の違いが解る。
【0042】
図8(a)は本発明の実施例の磁場で、磁石101,102,103,104,105,106で決まる磁場120の中間地点100の磁場強度を計算する。100と101の距離を1とすると、100と103の距離は√7になり、角度θはsinθ=2/√7になる。(この図で、下線の付いた数字は、距離(任意単位)を表す。)101と102に対して103と104や105,106は磁場を打ち消す様に働く。中心磁石の磁力1.37と周辺磁石の磁力0.67を考慮すると、磁場の強さは次の様になる。
【0043】
1×(1.37+0.67)−(1/√7)×2/√7×(1.37+0.67)×2
=0.784×(1.37+0.67)=1.568
この値は、図8(c)で示すハニカム型カスプでもほぼ同じになる。図8(b)の格子状磁場では磁石111,112,113,114を考慮すると、磁場の強さは
(1−(1/3))×2=8/9×2=0.889×2=1.779
一方、115,116,117,118を考えると、磁場の強さは
(1−(1/√5)×1/√5×2)×2=0.821×2=1.642
これら全ての磁石111,112,113,114,115,116では、磁場の強さは
(1−(1/3)−(1/√5)×1/√5×2)×2=0.710×2=1.420この様に、図8(a)の本発明の磁石配置や、(b)のハニカム型カスプの磁石配置では磁場の強さは1.568となり、図8(b)の格子状ポイントカスプ型磁石配置では磁場強度は1.420となる。計算した磁石以外の外側の磁石については格子状カスプの方が図8(a)より磁場を強める傾向が強いため、磁場の強さはいずれの磁石配置でもそれほど差は無い。
【0044】
磁石面上での磁場を考えたが、磁石より上の方でも同様の計算ができる。一例として磁石面の上方、100と101間の距離と同じ距離だけプラズマ側の点において、すなわち磁石間の距離の半分だけ磁石面より上方での磁場強度を計算する。
【0045】
本発明の実施例の場合
(1/2×1/√2−1/(√7+1)×√7/8×2/√7×2)×(1.37+0.67)=(1/2√2−1/32)×(1.37+0.67)=0.291×(1.37+0.67)=0.593
この値は、ハニカム型カスプでもほぼ同じになる。
【0046】
(b)の格子状磁場では、磁石111,112,113,114を考慮すると、磁場強度は次の様になる。
【0047】
(1/2×1/√2−(1/100.5)×9/10)×2=0.264×2=0.528
一方、115,116,117,118を考えると、磁場強度は次の様になる。
【0048】
(1/2×1/√2−(1/√6)×√5/6×1/√5×2)×2=0.298×2=0.596
これら全ての磁石111,112,113,114,115,116,117,118では、磁場強度は次の様になる。
【0049】
(1/2×1/√2−(1/100.5)×9/10−(1/√6)×√5/6×1/√5×2)×2=0.207×2=0.416
この計算の結果から見ると、本発明の実施例の方が格子型やハニカム型磁石より磁場が弱くはならない。
【0050】
以上の実施例ではエッチング装置を例にとって説明したが、同様の方法がプラズマCVD、アッシング、スパッタ(特にイオン化スパッタ)を行う表面処理装置にも適用できることは明らかである。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明を用いるとプラズマ密度が高く圧力が低い状態を実現可能である。従って、イオンが加速されるシース中でのイオン散乱が減り、例えば基板をエッチングする場合にイオンの斜め入射量が減り、アスペクト比が高いコンタクトホールにおいてもボーイングの無い望ましいエッチング形状が得られるという効果がある。
【0052】
また、密度が高いプラズマであるにもかかわらず、低圧であるため気相中での分子の相互衝突が少なく、それに従い不必要な重合反応が減り、ダストの発生も減る。プラズマCVDでは膜質の改善、エッチングやアッシングでは残渣の減少が期待できる。この様に、本発明を使用すると低圧で高密度な、使いよく信頼性の高い表面処理装置を提供することができる。
【0053】
しかも、基板上、特に基板周辺での磁場強度を大幅に下げられるため、基板上のプラズマ密度が不均一になる事も無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図である。
【図2】図1の実施例の同軸状磁石組の正面図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】本発明のもう一つの実施例の同軸状磁石組の正面図である。
【図5】本発明の更にもう一つの実施例の同軸状磁石組の正面図である。
【図6】本発明の別の実施例の同軸状磁石組の正面図である。
【図7】本発明の作用の説明に使用する図である。
【図8】本発明の作用の説明に使用する別の図である。
【図9】本発明の更に別の実施例の同軸状磁石組の断面図である。
【図10】本発明の他の実施例の同軸状磁石組の断面図である。
【図11】本発明の更に他の実施例の同軸状磁石組の断面図である。
【符号の説明】
1 処理室
2 対向電極(プラズマ発生電極)
3 基板載置電極
4 基板
5 静電チャック
6 水冷電極
6a 水冷電極冷却水入口
6b 水冷電極冷却水路
6c 水冷電極冷却水出口
7 ガス板
11 同軸状磁石組
11b 柱状中心磁石
11c 柱状周辺磁石
11c’ 筒状周辺磁石(一体型周辺磁石)

Claims (2)

  1. 表面処理すべき基板に対向させたプラズマ発生電極を備え、前記基板と前記プラズマ発生電極との間にプラズマを発生させ、前記基板の表面に所定の処理を行う表面処理装置において、
    前記プラズマ発生電極内に、
    柱状中心磁石と、該柱状中心磁石の周辺に、互いに間隔を置いて配置され、該柱状中心磁石とは極性を逆にする6個の柱状周辺磁石と、から構成される磁石組を複数有し、
    前記柱状中心磁石及び前記柱状周辺磁石は、底面を前記基板の表面に向けて配されると共に
    隣接する2つの磁石組同士が、1つの前記柱状周辺磁石を共用するように配置され、
    前記柱状周辺磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさは、前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさより小さく設定されていることを特徴とする表面処理装置。
  2. 表面処理すべき基板に対向させたプラズマ発生電極を備え、前記基板と前記プラズマ発生電極との間にプラズマを発生させ、前記基板の表面に所定の処理を行う表面処理装置において、
    前記プラズマ発生電極内に、
    柱状中心磁石と、該柱状中心磁石の周辺に、互いに間隔を置いて配置され、該柱状中心磁石とは極性を逆にする6個の柱状周辺磁石と、から構成される磁石組を複数有し、
    前記柱状中心磁石及び前記柱状周辺磁石は、底面を前記基板の表面に向けて配されると共に、
    隣接する2つの磁石組同士が、2つの前記柱状周辺磁石を共用するように配置され、
    前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさが、前記柱状周辺磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさよりも大きく設定されていると共に、
    前記柱状周辺磁石として、前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさの1/2の磁力の強さまたは体積の大きさをもつ柱状周辺磁石と、前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさの1/3の磁力の強さまたは体積の大きさをもつ柱状周辺磁石と、前記柱状中心磁石の各々の磁力の強さまたは体積の大きさの1/6の磁力の強さまたは体積の大きさをもつ柱状周辺磁石とを含むことを特徴とする表面処理装置。
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