JP3319971B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP3319971B2 JP07603297A JP7603297A JP3319971B2 JP 3319971 B2 JP3319971 B2 JP 3319971B2 JP 07603297 A JP07603297 A JP 07603297A JP 7603297 A JP7603297 A JP 7603297A JP 3319971 B2 JP3319971 B2 JP 3319971B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラズマ処理装
置に関し、より特定的には、プラズマを利用して被処理
物の表面に薄膜を形成したり、被処理物の表面をエッチ
ングするプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、たとえば特開平2−9452号
公報に記載された従来のプラズマ処理装置を示す概略断
面構成図である。図において、真空容器101、被エッ
チング被処理物102が載置された第1の電極103、
およびこの第1の電極103に対向配置された第2の電
極104を備えている。
【0003】真空容器1内には、ガス導入口105から
エッチングガスが導入され、排気口106から排気され
る。第1の電極103にはマッチング回路108を介在
して高周波電源107が接続されている。また、第2の
電極104の大気側には永久磁石109が配置されてい
る。さらに、図6において、第1の電極103には、冷
却機構110が連結されている。なお、図6中におい
て、Eは電界を示し、Bは磁石109により誘起される
磁界の第1の電極103に平行な成分である。
【0004】次に、上記構成よりなるプラズマ処理装置
の動作について説明する。ガス導入口105から真空容
器101のプラズマ室内にエッチングガスが導入される
と、第1の電極103に印加された高周波電力により、
第1の電極103と第2の電極104との間にプラズマ
が生成される。
【0005】この図6に示す装置は、マグネトロン放電
により低圧力でも高い電子密度を得ることを狙ったもの
で、第1の電極103表面の磁束密度が200G程度に
なるように設定されている。
【0006】このとき、シース領域(プラズマが第1の
電極103に接するところ)では、荷電粒子(電子とイ
オン)はシース電場と磁場の影響でサイクロイド運動を
しながらE×Bの方向にドリフトしていく。
【0007】この結果、電子と中性粒子(原子、分子)
との衝突確率が増加し、電離が促進されるため低圧力で
も高密度のプラズマが生成され、高いエッチング速度が
得られる。また、この場合、永久磁石109による磁界
により、プラズマの損失が低減されるため、高密度プラ
ズマが維持され、被処理物102がエッチングされる。
【0008】一方、近年の8インチ、10インチサイズ
の大口径被処理物を処理するには、大面積に均一なプラ
ズマを生成する必要がある。しかし、上述したプラズマ
処理装置は、永久磁石単体の配置であるため、第2の電
極104表面での横(電極間に平行)方向の磁束密度
は、図7に示すように、中心が小さく外に向かって一様
に増大する不均一なものとなり、被処理物近傍に均一な
強度の磁界を形成することが難しい。
【0009】そのため、プラズマの拡散による均一化作
用があるものの、均一なプラズマを生成することが困難
である。なお、図7は、直径200mm、高さ50mm
で、表面磁束密度が3kGですべて一様な永久磁石を配
設した場合の、磁石から35mm離れた第2の電極10
4表面での横方向の磁場分布を示すグラフである。縦軸
は横方向の磁場強度:B⊥(G)、横軸は中心からの距
離:r(mm)を表わしている。
【0010】また、第1の電極103上に置かれた被処
理物表面の磁場分布も不均一となる。荷電粒子の運動は
磁場分布に大きく影響されるため、磁場分布の不均一を
反映して被処理物表面に入射する荷電粒子のフラックス
も不均一となる。この結果、被処理物表面の電荷密度の
分布が現れ、加工したデバイスに損傷を与えるという問
題点があった。
【0011】複数の永久磁石を使用しても隣り合う磁石
の極性が同じになるように配置した場合は、磁場分布は
上記のような単一の磁石を配設した場合と同様に不均一
になるため、プラズマの拡散による均一化作用を参酌し
ても、プラズマの均一性は不十分であった。
【0012】さらに、特開平2−9452号公報には、
図8の概略断面構成図に示すように、棒状の永久磁石を
複数個、隣り合う磁石の極性を逆にして配置することが
開示されている。磁性を交互に変化させた場合、第2の
電極104表面での横方向磁束密度B⊥の径方向分布は
図9に示すように波形になる。
【0013】図9からわかるように、B⊥は径方向に均
一ではないが、ピークの位置は磁石間隔等を変更するこ
とによって制御できる。この磁場配位でプラズマを生成
すると、磁場の弱い部分へも拡散によってプラズマが広
がるため均一化することができ、磁石のない場合に比べ
て損失が低減できるため、高密度で均一なプラズマがで
きる。
【0014】しかしながら、たとえば、図8に示すよう
に棒状の永久磁石を複数個平行配置した場合、B1 ,B
2 の磁界が形成される。そのため、被処理物近傍の
(A)の領域では、電界Eと磁界B1 によるE×Bドリ
フトにより紙面を貫く方向に、(B)の領域では電界E
と磁界B2 により逆の方向にプラズマがドリフトして偏
在することになる。
【0015】また、第2の電極104表面のシース部で
の荷電粒子の動きを考えると、図10の説明図に示すよ
うに、E×Bドリフトによって隣り合う磁石間ごとにド
リフト方向(図中矢印で示す)が異なり、ドリフト方向
にプラズマ密度の高い部分ができるために、傾斜部で表
わされる場所が高密度となる。このように、平行配置で
はプラズマ密度に不均一が生じやすく、したがってエッ
チング速度の均一性も悪くなる。このことは平行配置の
根本的な問題である。
【0016】一方、図11は、たとえば特開昭51−8
8182号公報に開示されたプラズマ発生室と処理室と
が別になった従来のプラズマ処理装置を示す概略構成図
である。図において、処理室121は、主バルブ131
を介在して拡散ポンプ132と補助の回転ポンプ133
により真空排気される。処理室121の上方にはプラズ
マ発生室122が設けられている。プラズマ発生室12
2には対向電極118、119が接地されており、処理
室121との間は複数個の孔20を有する対向電極11
9を隔壁として分離されている。ガス導入管115には
原料ガスボンベ134が接続されている。
【0017】次に、上記構造よりなるプラズマ処理装置
の動作について説明する。ガス導入管115からプラズ
マ発生室122にエッチングガスを導入すると、ガスは
プラズマ発生室122から処理室122を通って真空ポ
ンプにより排気される。このときプラズマ発生室122
と処理室121との間に設けられた孔20のコンダクタ
ンスにより、プラズマ発生室122と処理室121とに
圧力差が生じる。
【0018】従来例に示されている具体的数値によれ
ば、孔の直径0.1〜0.8mm、孔数7個、排気系の
実効排気速度1000L/sec、原料ガス流量50〜
100cc/minの条件で、プラズマ発生室122の
圧力が1〜5×10-1Torrで、処理室圧力が1×1
-3Torr以下に保たれる。
【0019】次に、対向電極118、119に高周波電
源117より高周波電力を供給すると、プラズマ発生室
122内にプラズマが発生する。プラズマは孔120を
通過して処理室121内に設置されたテーブル126に
載置される被処理物102をエッチングする。
【0020】このように構成されたプラズマ処理装置に
おいては、平行平板高周波放電によりプラズマ発生室1
22で生成されるプラズマ密度は精々5×108 (個/
cm 3 )から5×109 (個/cm3 )であった。一
方、被処理物102の処理速度は被処理物102に入射
するプラズマ密度にある程度比例する。そのため、生成
されるプラズマ密度に限りがあると、高密度プラズマを
処理室121に導くことができず、高速で被処理物を処
理することが不可能であった。また、平行平板型の高周
波放電が維持される、プラズマ発生室122の圧力は、
0.1Torr程度であるので、より高真空の雰囲気で
被処理物の処理ができないという問題点があった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従来のプラズマ処理装
置は、以上のように構成されており、たとえば図6のよ
うに単一の磁石を配設した場合は磁束密度は中心から外
方に一様に増加し、均一な磁場分布を形成することがで
きないため、プラズマ密度に不均一が生じてしまう。
【0022】また、図8のように、複数の磁石を極性を
交互に変化させ平行に配設した場合は、隣り合う磁石間
ごとにドリフト方向が異なり、ドリフト方向にプラズマ
密度の高い部分ができ、プラズマ密度に不均一が生じ
る。そのため、大面積の被処理物を均一にエッチングで
きないという問題があった。
【0023】さらに、図11に示すように構成されたプ
ラズマ発生室と処理室とが分離されたプラズマ処理装置
においては、プラズマ発生室で生成されるプラズマ密度
が低く、処理室に高密度プラズマを導くことができず、
高速で処理ができない。また、プラズマ密度を高めよう
とすると高真空の雰囲気で被処理物の処理ができないと
いう問題点がある。
【0024】したがって、この発明は、上記問題点を解
決するためになされたもので、大面積にわたって均一な
プラズマを形成でき、大口径の被処理物を均一に処理で
きるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。ま
た、さらに他の目的は、プラズマ発生室で生成されるプ
ラズマ密度を高め、高真空雰囲気で高速処理ができるプ
ラズマ処理装置を提供することを目的とする。さらに、
第3の目的は、大面積にわたって均一で高密度なプラズ
マを生成し、高真空雰囲気で大口径被処理物の均一高速
処理ができるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明に基づいたプラ
ズマ処理装置においては、真空容器内において、被処理
物が載置される第1の電極が配置される処理室と、上記
真空容器内において上記第1の電極に対向配置する第2
の電極を有するプラズマ発生室と、上記処理室と上記プ
ラズマ発生室との間に設けられ、上記プラズマ発生室か
ら処理室に連通する孔を有する隔壁板とを備え、さら
に、上記隔壁板に対向する上記真空容器の内壁におい
て、上記プラズマ発生室の容量を維持したまま、上記第
2の電極が取付けられる部分の上記真空容器の内壁が、
上記第2の電極が取付けられていない部分の上記真空容
器の内壁よりも上記隔壁板に近接するように設けられて
いる。また、好ましくは、上記第2の電極と上記隔壁板
との間隔が30〜50mmに設定される。
【0026】このように、第2の電極が取付けられる部
分の真空容器の内壁を隔壁板に近接するように設けるこ
とによって、第2の電極を隔壁板に近接した状態でプラ
ズマ発生室の容量を所定の値に確保することが可能とな
る。したがって、プラズマ発生室で発生したプラズマを
高密度の状態で処理室へ導くことができ、また、プラズ
マ発生室の容量も所定の値に確保されているため、エッ
チングガスの排気に影響を与えることがない。その結
果、微細パターンに対しても、信頼性の高い表面処理を
行なうことが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明のプラズマ処理装
置の実施の形態について、エッチング装置を例に図に基
づいて説明する。
【0028】[実施の形態1]図1は、この発明の実施
の形態1におけるプラズマドライエッチング装置の概略
構成を示す断面構成図である。真空容器1内に、処理室
21が設けられている。この処理室21内には、被処理
物2を載置した第1の電極を構成するステージ26が設
けられている。また、ステージ26には、高周波電源2
8により高周波電力が供給されている。さらに、真空容
器1内には、処理室21に対して隔壁板24を介在して
プラズマ発生室22が設けられている。隔壁板24に
は、複数の孔24aが設けられている。
【0029】エッチングガスは、ガス導入管15からプ
ラズマ発生室22に供給される。プラズマ発生室22に
供給されたエッチングガスは、隔壁板24に設けられた
孔24aを通過して処理室21に導かれる。その後、排
気口16から外部へ排出されることになる。このエッチ
ングガスの外部への排出には、図示しない真空ポンプに
より処理室21から真空排気される。処理室21はプラ
ズマ発生室22より高真空に保たれている。
【0030】プラズマ発生室22には、隔壁板24と対
向する位置に第2の電極25が取付けられており、この
第2の電極25には、高周波電源27により高周波電力
が供給されている。また、第2の電極25の大気側に
は、リング状の永久磁石11が配設されている。
【0031】次に、上記構成よりなるプラズマドライエ
ッチング装置において、プラズマ発生室22に導入され
たエッチングガスは、隔壁板24の孔24aから処理室
21を経て、排気口16より排気される。
【0032】このとき、プラズマ発生室22の第2の電
極25に高周波電力が印加されると、第2の電極25近
傍に配置した永久磁石11が作る磁界と電界によるE×
Bドリフトにより電離が促進され高密度プラズマが生成
される。プラズマ発生室22で生成されたプラズマは、
隔壁板24の孔24aから処理室21に輸送され、ステ
ージ26に載置された被処理物2をエッチングする。
【0033】以下、大口径の被処理物に対応したエッチ
ングを行なう場合について、その装置構成を具体的な数
値を用いて説明する。プラズマ発生室22の第2の電極
25の大気側には、リング状の永久磁石11が3個同心
円上に配置されている。これにより、第2の電極25近
傍では、電極25近傍に形成される電界と磁場によるE
×Bドリフトが生じるが、プラズマの偏在は生じない。
これは、永久磁石をリング状に配設しているためであ
る。第2の電極25近傍に形成される磁場のうち、第2
の電極25の円周方向の磁場成分が0のためである。し
たがって、大面積に均一なプラズマ生成が可能となる。
【0034】次に、リング状の永久磁石11の表面磁場
強度を3000ガウス、リング状の永久磁石11の各々
の間隔を50mm、リング状の永久磁石11から第2の
電極25までの距離40mm、電極25と隔壁板24と
の間の距離を80mmに設定する。
【0035】また、プラズマ発生室22の体積は10リ
ットル、処理室21の体積は50リットル、実効真空排
気速度は100リットル/秒、隔壁板24の孔24aの
総面積は約7.0cm2 に構成する。エッチングガスと
してCl2 ガスを用い、プラズマ発生室の圧力を5mT
orrに設定すると、処理室21の圧力は約1mTor
rの雰囲気になる。この状態で放電を行なうとプラズマ
発生室22のプラズマ密度は、5×109 (個/c
3 )から5×1010(個/cm3 )程度と磁場がない
ものと比べ1桁程度高密度のものが得られる。また、処
理室21は高真空に保たれており、微細パターンが形成
できる。
【0036】以上のように構成したプラズマドライエッ
チング装置を用いて、半導体製造におけるゲート回路の
ポリシリコン材料のエッチングを行なったところ、6イ
ンチの大きさの被処理物2をエッチング速度100nm
/min、均一性5%で処理することができた。
【0037】なお、図示していないが、リング状の永久
磁石11の同心円の中心に円柱状の永久磁石を配置する
ことにより、さらにエッチング速度の均一性を向上させ
ることができる。この場合、円柱状の永久磁石の表面磁
場強度は、リング状の永久磁石の表面磁場強度300ガ
ウスより高く、あるいは低く設定することにより磁場の
均一性を調整することができる。その結果、均一なプラ
ズマがプラズマ発生室で生成されるので均一なエッチン
グが行なわれる。
【0038】また、上記の装置サイズとリング状の永久
磁石11の表面磁場強度を用いると、プラズマ発生室2
2で100ガウス以上、処理室21のステージ26近傍
で20ガウス以下の磁場強度が形成される。その結果、
プラズマ発生室22の電極25付近では、高磁場により
プラズマの生成が促進され高密度プラズマが維持され
て、加えて被処理物2付近は低磁場になり、高速かつエ
ッチングダメージが少ない高品質の処理が可能となる。
【0039】[実施の形態2]次に、実施の形態2にお
けるプラズマ処理装置について説明する。この実施の形
態2においては、図1で説明したプラズマドライエッチ
ング装置において、プラズマ発生室22で発生したプラ
ズマを高密度の状態で処理室21へ導くため、第2電極
25がより隔壁板24に近接配置されるように、第2の
電極25が取付けられる位置の真空容器1aを第2の電
極25が取付けられない位置の真空容器1bよりも隔壁
板24に近接するように落とし込み30を形成したもの
である。
【0040】また、ガス導入管15から導入されるエッ
チングガスの排気に影響を与えないようにするために、
プラズマ発生室22の容量は実施の形態1で示すプラズ
マドライエッチング装置と同じ容量となるように形成し
ている。
【0041】ここで、図2〜図4を参照して、真空容器
1の第2の電極25を取付ける部分1aの落とし込み量
について説明する。まず、図2および図4を参照して、
真空容器1において、プラズマ発生室半径をr1 とし、
第2の電極25を取付けるための落とし込み部1aの半
径をr2 とし、落とし込み30の高さをh2 とし、プラ
ズマ発生室22の高さをh1 とする。ここで、落とし込
み半径r2 と落とし込み高さh2 を変化させた場合のプ
ラズマ発生室高さh1 の変化を表わしたものが図3に示
す図である。
【0042】本実施の形態においては、プラズマ発生室
22の体積は20000cm3 と一定であり、またプラ
ズマ発生室半径r1 も15cmと一定である。したがっ
て、図3の数値から明らかなように、落とし込み半径r
2 を大きくした場合また落とし込み高さh2 を大きくし
た場合は、プラズマ発生室高さh1 が高くなることがわ
かる。
【0043】また、落とし込み高さh2 を高くした場合
つまり隔壁板24から第2の電極25までの間隔が短く
なれば、被処理物2のエッチング速度が速くなること
が、図5に示すグラフから明らかであり、好ましい間隔
としては、30〜50mmが最適である。
【0044】このように、プラズマ発生室の容量を維持
したまま第2の電極を隔壁板に近接させる構造を用いる
ことにより、プラズマ発生室で発生したプラズマを高密
度の状態で処理室へ導くことが可能となる。また、エッ
チングガスの排気に影響を与えることがない。その結
果、微細パターンに対しても、信頼性の高いエッチング
を行なうことが可能となる。
【0045】なお、上述した実施の形態1および2にお
いて、プラズマを生成する形式として平行平板型プラズ
マ発生装置について述べたが、必ずしもこの形式に限ら
れることなく、たとえば誘導結合方式、IPC方式、E
CR方式、マグネトロン方式等のプラズマ発生装置を用
いても同様の作用効果を得ることができる。
【0046】したがって、今回開示した実施の形態はす
べての点で例示であって、制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【0047】
【発明の効果】この発明に基づいたプラズマ処理装置に
よれば、真空容器内において、被処理物が載置される第
1の電極が配置される処理室と、上記真空容器内におい
て上記第1の電極に対向配置する第2の電極を有するプ
ラズマ発生室と、上記処理室と上記プラズマ発生室との
間に設けられ、上記プラズマ発生室から処理室に連通す
る孔を有する隔壁板とを備え、さらに、上記隔壁板に対
向する上記真空容器の内壁において、上記第2の電極が
取付けられる部分の上記真空容器の内壁が、上記第2の
電極が取付けられていない部分の上記真空容器の内壁よ
りも上記隔壁板に近接するように設けられている。ま
た、好ましくは、第2の電極と上記隔壁板との間隔が3
0〜50mmに設定される。
【0048】このように、第2の電極が取付けられる部
分の真空容器の内壁を隔壁板に近接するように設けるこ
とによって、第2の電極を隔壁板に近接した状態でプラ
ズマ発生室の容量を所定の値に確保することが可能とな
る。したがって、プラズマ発生室で発生したプラズマを
高密度の状態で処理室へ導くことができ、また、プラズ
マ発生室の容量も所定の値に確保されているため、エッ
チングガスの排気に影響を与えることがない。その結
果、微細パターンに対しても、信頼性の高い表面処理を
行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のプラズマドライエ
ッチング装置の概略を示す断面構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2のプラズマドライエ
ッチング装置の概略を示す断面構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態2のプラズマドライエ
ッチング装置の落とし込み部の寸法関係を示す図であ
る。
【図4】 この発明の実施の形態2のプラズマドライエ
ッチング装置における落とし込み部の寸法位置を示す図
である。
【図5】 この発明の実施の形態2のプラズマドライエ
ッチング装置を用いた場合の効果を説明するための図で
ある。
【図6】 第1従来例のプラズマ処理装置を示す断面構
成図である。
【図7】 図6に示すプラズマ処理装置のプラズマ密度
を示す図である。
【図8】 従来例におけるプラズマのドリフト状態を示
す模式図である。
【図9】 従来の技術におけるプラズマ処理装置の第2
の電極表面での横方向磁束密度B⊥の径方向分布を示す
図である。
【図10】 他の従来例のプラズマ処理装置におけるプ
ラズマのドリフトを説明する説明図である。
【図11】 従来のプラズマ処理装置のドライエッチン
グ装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 真空容器、2 被処理物、11 永久磁石、15
ガス導入管、16 排気口、21 処理室、22 プラ
ズマ発生室、24 隔壁板、24a 孔、25第2の電
極、26 ステージ、27,28 高周波電源、30
落とし込み部。
フロントページの続き (72)発明者 新谷 賢治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−263353(JP,A) 特開 平8−288096(JP,A) 特開 平7−245271(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 16/509

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内において被処理物が載置され
    る第1の電極が配置される処理室と、 前記真空容器内において、前記第1の電極に対向配置さ
    れる第2の電極を有するプラズマ発生室と、 前記処理室と前記プラズマ発生室との間に設けられ、前
    記プラズマ発生室から処理室に連通する孔を有する隔壁
    板と、 を備え、 前記隔壁板に対向する前記真空容器の内壁において、
    記プラズマ発生室の容量を維持したまま、前記第2の電
    極が取付けられる部分の前記真空容器の内壁が、前記第
    2の電極が取付けられていない部分の前記真空容器の内
    壁よりも前記隔壁板に近接するように設けられることを
    特徴とする、プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の電極と前記隔壁板との間隔が
    30〜50mmに設定される、請求項1に記載のプラズ
    マ処理装置。
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