JP3748230B2 - プラズマエッチング装置及びシャワープレート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマエッチング方法に係り、特に、プラズマ生成用の電極部または試料に対向する電極部に設けたシャワープレートから処理ガスを供給し、該処理ガスをプラズマ化して試料をエッチングするのに好適なプラズマエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
〔従来技術1〕
従来のプラズマエッチング装置としては、例えば、EP210605B1公報(特公平7−40567号公報)に記載のような装置が知られている。該公報には、枚葉式平行平板型エッチング装置が開示されており、次のように構成されている。
【0003】
ウエハは保持器に保持される。ウエハは2cm以下の間隔をもって電極と対向する。電極は多数の穴を有する単結晶シリコンで作成されることが望ましい。処理ガスは電極にあけられた穴(直径0.5mm)を通って処理室容器内に供給される。対抗電極は電源の他の端子に別に接続される。保持器と電極との間にrf電圧が印加されると、これらの間の低圧ガス内にプラズマが発生し、エッチングが始まる。電極はウエハとほぼ同程度にイオン衝撃を受ける。この電極は、標準的なシリコン・ウエハよりは、ずっと厚い。電極の厚さは少なくとも1.8mm であることが望ましい。
【0004】
この装置は、酸化物のプラズマエッチングに用いられる。ウエハと電極とに対し230Wのrf電圧が印加される。酸化物をエッチングする場合には、CHF3と少量のO2 との混合物のようなフッ素を含んだ混合ガスが用いられる。処理ガスの全体の圧力が700mTorrにされる。
【0005】
そして、処理ガスを流すための多数の小さな穴があけられた単結晶シリコンの電極を用いることにより、発生微粒子が極めて少なく、また耐久性が優れて寿命が長く、そして大きなエッチング速度が得られると共に、極めて良い均一性が得られることが記載されている。
【0006】
〔従来技術2〕
また、他のプラズマエッチング装置としては、例えば、特許第3066007号公報に記載のような装置が知られている。該公報には、同軸ケーブルにより平面板に導入される電磁波と電磁石による磁場の相互作用で真空容器内に導入されたガスをプラズマ化し、被加工試料を処理する装置が開示されており、次のように構成されている。
【0007】
被加工試料と対向して平面板を設ける。平面板と被加工試料との間隔を30mmから被加工試料径の1/2以下に設定する。平面板にはプラズマ形成用の300MHz以上500MHz以下(この場合、450MHz)の電源と、フィルタを介し、500kHz以上30MHz以下(この場合、13.56MHz)の電源の2つの周波数が印加されている。平面板の表面はシリコンで形成されており、シリコンの表面に形成した複数の穴から原料ガスが真空容器内に導入される。
13.56MHz 電源の電磁波は平面板に配置されたシリコンの表面とプラズマの間で形成される電位を調節する機能を持つ。被加工試料には800kHz電源の電磁波が供給され、プラズマから被加工試料に入射するイオンエネルギーを制御する。
【0008】
この装置により、シリコン酸化膜をエッチングする場合には、原料ガスにアルゴンとC4F8の混合ガスを用いる。原料ガスの圧力は2Paである。平面板には450MHz電源から800Wの電力を供給し、プラズマを形成する。また、平面板に13.56MHz 電源から300Wの電力を450MHzに重畳して印加する。
【0009】
このような装置では、プラズマ生成とは独立にプラズマ内の活性種が制御可能となる。特に被加工試料と平面板の間隔,平面板上の材質及び平面板に重畳して印加する電磁波を制御することで、活性種制御効果を飛躍的に増大でき、高精度なプラズマ処理が実現できることが記載されている。
【0010】
〔従来技術3〕
また、他のプラズマ処理装置としては、例えば、特開平11−3799号公報に記載のような装置が知られている。該公報には、ベースチャンバ部の上にプラズマ生成部を設けた処理チャンバと、高周波電源が接続されたアンテナと、処理チャンバ内に設置された基板載置用ステージと、基板載置用ステージに接続したバイアス用電源と、処理チャンバ内に供給される処理ガスの流れを制御する傾斜型シャワープレートとによって構成された装置が開示されている。なお、プラズマの生成は、誘導結合型プラズマ源,容量結合型プラズマ源,μ波プラズマ源等いずれのプラズマ源にも適応可能であることが記載されている。
【0011】
傾斜型シャワープレートは、金属もしくは誘電体の板に、多数の小径の穴(φ0.5 〜3mm程度)をプレートの中心軸と同心円上に円周方向に沿って斜めに開けてある。これにより、プラズマ領域を通過する原料ガスの流速が円周方向成分を持ち、被処理基板上に輸送される活性種の円周方向の均一性が改善されることが開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、シャワープレート内での放電発生について充分に配慮されていなかった。すなわち、上記従来技術1(EP210605B1公報(特公平7−40567号公報))及び従来技術2(特許第3066007号公報)に記載のように、ウエハが載置される試料台と試料台に対向する電極との間に高周波電力を印加する装置においては、電極に取り付けられたシャワープレートにプラズマから高エネルギーの荷電粒子が垂直方向に入射する。一方、シャワープレートと電極との間にはガス室が形成され、シャワープレートにはガス室と処理室とを連通させるガス供給用の小径の穴が垂直に多数設けられている。シャワープレートに入射する荷電粒子の中にはガス供給用の穴を通過してガス室に入射する荷電粒子もある。ガス供給用の穴径が小さいときにはシャワープレートを通過する荷電粒子の数は少ないが、プラズマエッチング装置の稼働時間が長くなるに従い、荷電粒子によってスパッタされたシャワープレートの穴部が次第に大きくなりシャワープレートを通過する荷電粒子の数が増えてくる。
【0013】
また、シャワープレート裏面のガス室は、ガス供給用穴のコンダクタンスによって処理室内のガス圧力よりも高いガス圧力になっている。このため、シャワープレートのガス供給用穴を通過した荷電粒子が多くなると、この荷電粒子が起因となりガス室内のガスがプラズマ化される。ガス室内にプラズマが生じると、シャワープレート裏面や電極表面をスパッタし、異物を発生してしまう。異物は処理ガスとともに処理室内に入り、ウエハ表面に堆積して配線不良を引き起こすという問題がある。
【0014】
なお、上記問題を解決するために、シャワープレートの穴径を更に小さくしておくことも考えられるが、プロセスに必要なガス流量を得るために、穴の数を更に多くする必要があり、シャワープレートの製作コストが増大し望ましくない。
【0015】
上記従来技術3(特開平11−3799号公報)は、アッシングのような、比較的高圧力(0.1〜10Torr),大流量(500sccm〜)の拡散だけでなく原料ガスの流れの影響を受ける圧力領域のプロセスに用いられる装置であり、低圧力(10Pa(0.075Torr)以下)領域、すなわち、原料ガスの流れの影響が少なくなる圧力領域でウエハへの高イオンエネルギー入射を必要とするプロセスについては何ら考慮されていない。
【0016】
すなわち、従来技術3に開示された装置は、多数の小径の穴をプレートの中心軸と同心円上に円周方向に沿って斜めに開けてある。これにより、プラズマ領域を通過する原料ガスの流れが円周方向成分を持ち、被処理基板上に輸送される活性種の円周方向の均一性を改善することが開示されている。しかしながら、低圧力領域で用いた場合には、原料ガスの流れの影響が少なくなり拡散され易くなるが、それでも原料ガスの流れの影響を皆無にすることはできない。この場合、多数の穴がプレートの中心軸と同心円上に円周方向に沿って斜めに開けてあるので、ウエハ中央部のガスの流れが悪くなり、処理室内ではウエハ中央部でプラズマ反応生成物の滞留が生じて、ウエハ処理の均一性が悪くなるという問題がある。
【0017】
本発明の目的は、シャワープレートでの異物の発生を抑制するとともに、ウエハ面内の処理の均一性を向上させることのできるプラズマエッチング方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、処理室内に設けられた試料台に試料を配置する工程と、前記試料台に対向して配置された電極側からシャワープレートを介して前記試料の中央に向けて処理ガスを供給する工程と、前記処理室内にプラズマを生成する工程と、前記試料台と前記電極との間に高周波電力を印加し前記プラズマ中の荷電粒子に前記試料への入射エネルギーを与える工程と、前記試料への荷電粒子の入射とは別に前記高周波電力の印加によって生じた前記プラズマから前記電極への入射であって前記シャワープレートの処理ガス供給穴に入射した荷電粒子を中性化する工程と、前記プラズマを用いて前記試料をエッチングする工程とを有することにより、達成される。
【0019】
さらに、前記試料の中央に向けた処理ガスの供給は、前記シャワープレートの面内を複数の面に分け、該分けられた面内における前記処理ガスの供給方向を同一方向にして行われる。
【0020】
さらに、前記処理室内を10Pa以下の処理圧力に維持して行われる。
【0021】
また、上記目的は、処理室内にプラズマを生成し、該プラズマを用いて試料をエッチング処理するプラズマエッチング方法において、前記試料に対向する電極側に設けたシャワープレートから処理ガスを供給すること、前記処理室内の処理圧力を10Pa以下にすること、前記試料と前記電極との間にプラズマを生成すること、前記プラズマから前記電極と前記シャワープレートとの間に設けられたガス室に入射される荷電粒子を中性化すること、前記プラズマから前記試料に入射する荷電粒子を用いて前記試料をエッチングすることにより、達成される。
【0022】
また、上記目的は、10Pa以下の処理圧力で試料をプラズマエッチングするプラズマエッチング方法において、前記試料からの距離を30mm以上で該試料径の1/2以下とし、前記試料の中心方向に向けて前記試料の面に対する傾斜角(θ)をθ<tan-1(t/d)(ここで、シャワープレートの厚さ(t),処理ガス供給孔の径(d))にして処理ガスを供給することにより、達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図5により説明する。
図1は本発明を適用したプラズマエッチング装置を示す。ここでは、電磁波をアンテナより放射し、磁場との相互作用によってプラズマを生成するECR方式のプラズマエッチング装置を示す。プラズマ処理室、この場合、エッチング処理室1の上部には誘電体2を介してAl製のアンテナ3が配置されている。アンテナ3には、同軸線路4およびマッチングボックス5を介して、この場合、周波数450MHzのUHF電磁波を発生させる高周波電源6が接続されている。エッチング処理室1とアンテナ3との間に設けた誘電体2は高周波電源6からの電磁波を透過可能である。エッチング処理室1の外周部には、エッチング処理室1内に磁場を形成するための磁場コイル7が巻装されている。エッチング処理室1内のアンテナ3の下方には試料であるウエハ9を配置するための試料台としての下部電極10が設けられている。アンテナ(後述するシャワープレートを含む)と下部電極10とはおよそ30mm〜100mmの間隔に調整される。アンテナと下部電極10とのこの空間が処理空間となり、この処理空間にプラズマ13が生成される。下部電極10には、プラズマ中のイオンにウエハ9への入射エネルギーを与えるための、この場合、周波数800kHzの高周波バイアス電源11と、ウエハ9を下部電極10に静電吸着させるための直流電源12とが接続されている。エッチング処理室1の下部には排気口が設けられ、図示を省略した排気装置が接続されている。8はエッチング処理室1内に処理ガスを供給するガス供給装置である。
【0024】
アンテナ3の下面(下部電極10側)には導電性、例えば、シリコンや炭素でなるシャワープレート31が設けてある。図2に示すように、アンテナ3とシャワープレート31との間にはガス室33が設けてある。ガス室33にはガス供給装置8が接続される。シャワープレート31には図3に示すようにウエハ9の中心方向に向けて傾斜した多数のガス供給孔32が設けられている。ガス供給孔32は、この場合、直径の異なる複数の同心円状に並び、図5に示す同一角度(θ)で中心方向に向けて傾斜させて設けてある。傾斜角(θ)は、シャワープレート31の平面からの角度である。シャワープレート31の板厚をtとし、ガス供給孔32の開口径(実質的にはガス供給孔の孔径)をdとすれば、角度(θ)<tan-1(t/d)の関係を満たす角度とする。
【0025】
なお、シャワープレート31の製作上の工数低減を考慮し、図4に示すようにシャワープレート31の面内を複数に分け、分けられた範囲内のガス供給孔32の方向を同一にして孔加工を容易にするようにしても良い。この場合は、面内を4つに分け、図示の下側の1/4の範囲に上向き(図示において)の同一のガス供給孔を設け、図示の右側の1/4の範囲に左向き(図示において)の同一のガス供給孔を設け、図示の左側の1/4の範囲に右向き(図示において)の同一のガス供給孔を設け、図示の上側の1/4の範囲に下向き(図示において)の同一のガス供給孔を設ける。これにより、孔加工時の方向変えを少なくでき加工工数を低減できる。面内の分け数は、この場合、4つであるが、これに限られるものではない。面内の分け数を増やせば、処理室内でのガスの面内分布をより均等化できる。
【0026】
ちなみに、8インチ,12インチのウエハを処理する処理装置においては、処理室内の圧力が概ね10Pa(75mTorr)以上では処理ガスの流れは粘性流の領域になり、ガスの流れはガス供給孔の方向に大きく影響される。圧力が概ね0.1Pa(0.75mTorr)以下では処理ガスの流れは分子流領域になり、ガス供給孔の方向による影響はほぼなくなる。処理室内の圧力が、概ね0.1Pa〜10Paの間は処理ガスの流れは中間流になり、圧力の低下とともにガス供給孔の方向による影響は次第に少なくなる。
【0027】
上述のように構成した装置では、高周波電源6から出力されたUHF電磁波は、マッチングボックス5,同軸線路4および誘電体2を介して、アンテナ3部からエッチング処理室1内の処理空間に供給される。一方、磁場コイル7による磁界がエッチング処理室1内の処理空間に形成される。電磁波の電界と磁場コイルの磁界との相互作用によって、シャワープレート31を介してエッチング処理室1内の処理空間に導入されたエッチングガスが効率良くプラズマ化される。このプラズマ13により、下部電極10上のウエハ9に所定のエッチング処理が施される。エッチング処理に当たっては、ウエハ9に入射するプラズマ中のイオンの入射エネルギーを高周波バイアス電源11によって制御し、所望のエッチング形状が得られるよう設定される。シリコン酸化膜等の絶縁膜のエッチング処理のように高いバイアス電圧を必要とするプロセスでは、高周波バイアス電源11からのRF出力は1kW以上の出力が必要とされる。
【0028】
下部電極10への高周波バイアス電圧の印加によって、処理空間に形成されたプラズマ13のプラズマ電位は高周波バイアス電圧の周期に同期し周期的に高くなる。プラズマ電位が高くなったときに、プラズマ13中のイオンが下部電極に対してアース電極となっているアンテナ3に向かって高いエネルギーを持って入射される。本装置では、アンテナ3と同電位になっているシャワープレート31に向かって入射する。また、アンテナ3に高周波バイアス電圧を印加するときにも、プラズマ13からシャワープレート31に向けてイオンや電子の荷電粒子14が入射する。これにより、シャワープレート31は荷電粒子14にアタックされて消耗する。
【0029】
従来のシャワープレートでは、ガス供給孔がシャワープレートの面に対して、すなわち、ウエハに対して垂直に設けてあるので、ガス供給孔が荷電粒子のアタックを受けて次第に大きくなると、ガス供給孔を通ってシャワープレート裏面のガス室に入射されやすくなる。一方、シャワープレート裏面のガス室内のガス圧力は、ガス供給孔のコンダクタンスにより処理空間の圧力よりも高くなり、放電し易くなっている。このため、ガス室に荷電粒子が入射されると、ガス室内に異常放電が生じ、Al製のアンテナがプラズマに晒され、その結果発生する異物が飛散することになる。
【0030】
本実施例は、ガス供給孔32が角度(θ)で全て傾斜しているので、荷電粒子14が直接にガス供給孔32を通過することがない。角度(θ)は前述の関係式によって決められている。これは、ウエハに対し垂直な方向から見たときに、ガス供給孔32の一方の開口部から他方の開口部が見えないようになっている。これにより、荷電粒子14がガス供給孔32に入射した場合、荷電粒子14はシャワープレート31のガス供給孔32の傾斜面に少なくとも1回は衝突する。導電体であるシャワープレート31へのこの衝突により、荷電粒子14は中性化される。中性化された荷電粒子がガス室33に入ってもガス室33内の処理ガスをプラズマ化することはない。
【0031】
また、長時間の装置の稼動に伴って、ガス供給孔32が削られ、孔が大きくなっても荷電粒子が直接に貫通しえる開口面積は小さく、異常放電を生じさせるだけの荷電粒子の量に達するまでに十分な寿命を有することができる。
【0032】
ガス供給孔32は、また、ウエハ9の中心方向に向けて傾斜させてあるので、処理空間内のガス分布を良好にできる。すなわち、本実施例の装置は、処理圧力が10Pa以下、好ましくは、5Pa〜1Paで制御される。この処理圧力における処理ガスのガス流は、中間流の領域にあり、ガス供給孔32の向きによって処理空間内に多少のガスの流れを形成することができる。これにより、ウエハ周囲から排気される装置において、通常、ウエハ中央部に滞りやすい反応生成物を僅かなガス流れに乗せてウエハ周囲へ運び、排気し易くしている。これにより、ウエハ面内の反応生成物の分布が改善され、エッチング処理のための他の制御、例えば、ウエハ面内のエッチング形状制御がし易くなる。
【0033】
以上、本一実施例によれば、電極として働くアンテナに設けたシャワープレートのガス供給孔を、ウエハの中心に向けて所定の角度で設けてあるので、ウエハに対向したアンテナ部のシャワープレートからウエハに向けて最適なガス流を形成できるとともに、プラズマからの荷電粒子によるアンテナとシャワープレートとの間での異常放電を防止することができる。これにより、シャワープレートでの異物の発生を抑制できるとともに、ウエハ面内の処理の均一性を向上させることができる。
【0034】
なお、本実施例では、UHF電磁波によるECR装置を用いて処理する場合について述べたが、処理圧力が10Pa以下で下部電極に対向した電極部から処理ガスを供給する装置であれば、特に本実施例に限定されるものではない。例えば、容量結合型のプラズマ処理装置、または下部電極にバイアス電圧を印加し、下部電極の対向面がアース電極となっているような誘導結合型のプラズマ処理装置等を用いて処理する場合にも適用できる。
【0035】
また、本実施例では、シャワープレートのガス供給孔に傾斜角を設けたものについて述べたが、電極とシャワープレートとの間の異常放電を防止する場合には、図6ないし図8に示すようなガス供給孔にしても同様の効果を得ることができる。
【0036】
図6に示すガス供給孔32aは、一方の開口孔と他方の開口孔との中心間距離(p)をガス供給孔径(d)以上に離して設けたものである。この場合、ガス供給孔32aは、それぞれの開口孔を連通するように予め通路を形成したプレートを、それぞれの開口孔を形成したプレートによって挟むことにより、形成することができる。この場合、荷電粒子14は必ず開口孔連通用の通路に衝突し、中性化される。
【0037】
また、図7に示すガス供給孔32bは、一方の開口孔と他方の開口孔との中心間距離(p)をガス供給孔径(d)の1/2以上にし、かつ、それぞれの開口孔に重なり部を設けて孔を連通させたものである。この場合は、荷電粒子14が直接に通り向ける部分があるが、通過しえる荷電粒子の数は極めて少なくなるので、異常放電は抑制される。
【0038】
さらに、図8に示すガス供給孔32cは、シャワープレート31の面に対し垂直な孔であるが、シャワープレート31の面に平行磁界15を形成することによって、荷電粒子14は磁界15に拘束され、その方向を変えてガス供給孔32cの側面に衝突し中性化される。
【0039】
本実施例によれば、さらに次の特徴を有する。
(1)試料が配置された処理室内にプラズマを生成する工程と、前記試料に対向し接地電位となるアース電極側からシャワープレートを介して前記試料の中心方向に向けて処理ガスを供給する工程と、前記試料に周波数2MHz以下の高周波バイアスを印加する工程と、前記プラズマを用いて前記試料に形成された絶縁膜をエッチングする工程とを有するプラズマエッチング方法。
(2)さらに、前記処理ガスは前記シャワープレートの円周上から前記試料の中心方向に向けて傾斜させて供給するプラズマエッチング方法。
(3)さらに、前記プラズマは周波数300MHz〜500MHzの電磁波を用いてプラズマ化されるプラズマエッチング方法。
(4)さらに、前記プラズマは前記電磁波と磁場との作用によってプラズマ化されるプラズマエッチング方法。
(5)さらに、前記絶縁膜のエッチングは10Pa以下の処理圧力で行われるプラズマエッチング方法。
(6)さらに、前記絶縁膜は有機絶縁膜であるプラズマエッチング方法。
(7)また、試料が配置された処理室内にプラズマを生成する工程と、前記試料に対向して設けた電極側からシャワープレートを介して前記試料の中心方向に向けて処理ガスを供給する工程と、前記試料に周波数2MHz以下の高周波バイアスを印加する工程と、前記プラズマを用いて前記試料に形成された絶縁膜をエッチングする工程とを有するプラズマエッチング方法。
(8)さらに、前記電極に13.56MHz以上の高周波電圧を印加するプラズマエッチング方法。
(9)さらに、前記電極に異なる周波数の高周波電力を印加するプラズマエッチング方法。
(10)処理室内にプラズマを生成し、該プラズマを用いて試料をエッチング処理するプラズマエッチング装置において、前記処理室内に設けられ前記試料を配置する試料台と、前記処理室内に設けられ前記試料台に対向して配置された電極と、前記試料台と前記電極との間に高周波電力を供給する高周波電源と、前記電極の前記試料に対向する側に設けられ前記試料の内側に向けて処理ガスを供給するシャワープレートと、前記シャワープレートに設けられる処理ガス供給孔の傾斜角(θ)を前記シャワープレートの面に対しθ<tan-1(t/d)(ここで、該シャワープレートの厚さ(t),処理ガス供給孔の径(d))としたことを特徴とするプラズマエッチング装置。
(11)さらに、前記試料の中央に向けた処理ガスの供給孔は、前記シャワープレートの面内を複数の面に分け、該分けられた面内における前記処理ガス供給孔の傾斜方向を同一にしたプラズマエッチング装置。
(12)さらに、前記処理室内を10Pa以下の圧力に維持する排気装置を有するプラズマエッチング装置。
(13)さらに、前記高周波電源がプラズマ生成用の電源であるプラズマエッチング装置。
(14)さらに、前記高周波電源がバイアス電圧印加用の電源であるプラズマエッチング装置。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、シャワープレートでの異物の発生を抑制できるとともに、ウエハ面内の処理の均一性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるプラズマエッチング方法を実施するためのプラズマエッチング装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1の装置のプラズマ生成部の詳細を示す縦断面図である。
【図3】図2をA−Aから見たシャワープレートの平面図である。
【図4】図2をA−Aから見たシャワープレートの他の例を示す平面図である。
【図5】シャワープレートの部分断面図である。
【図6】シャワープレートの他に実施例を示す部分断面図である。
【図7】シャワープレートの他に実施例を示す部分断面図である。
【図8】シャワープレートの他に実施例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…エッチング処理室(プラズマ処理室)、2…誘電体、3…アンテナ、4…同軸線路、5…マッチングボックス、6…高周波電源、7…磁場コイル、8…ガス供給装置、9…ウエハ、10…下部電極、11…高周波バイアス電源、12…直流電源、13…プラズマ、14…荷電粒子、15…磁界、31…シャワープレート、32,32a,32b,32c…ガス供給孔、33…ガス室。
Claims (5)
- 処理室内に設けられ試料を配置する試料台と、該試料台に対向して配置された電極と、前記電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記電極の前記試料台に対向する側に設けられ前記試料に向けて処理ガスを供給するシャワープレートとを備え、前記処理室内にプラズマを生成し、該プラズマを用いて前記試料をエッチング処理するプラズマエッチング装置において、
前記シャワープレートに設けられた複数の処理ガス供給孔の各々において前記試料に対向するシャワープレートの平面に対して傾斜した開口方向が前記試料の中心方向に向くように形成され、且つ、
前記処理ガス供給孔の各々は、前記試料に対し垂直な方向から見たときに、一方の開口部から他方の開口部が見えないように、前記傾斜した処理ガス供給孔の傾斜角(θ)を前記シャワープレートの平面に対し、θ<tan −1 (t/d)(ここで、該シャワープレートの厚さ(t)、処理ガス供給孔の径(d))としたことを特徴とするプラズマエッチング装置。 - 処理室内に設けられ試料を配置する試料台と、該試料台に対向して配置された電極と、前記電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記電極の前記試料台に対向する側に設けられ前記試料に向けて処理ガスを供給するシャワープレートとを備え、前記処理室内にプラズマを生成し、該プラズマを用いて前記試料をエッチング処理するプラズマエッチング装置において、
前記シャワープレートの面内を複数の領域に分け、各領域内に設けられた複数の処理ガス供給孔の各々において前記試料に対向するシャワープレートの平面に対して傾斜した開口方向を同一方向に揃え、且つ領域毎に処理ガス供給孔の開口方向を異ならせて形成し、且つ、
前記処理ガス供給孔の各々は、前記試料に対し垂直な方向から見たときに、一方の開口部から他方の開口部が見えないように、前記傾斜した処理ガス供給孔の傾斜角(θ)を前記シャワープレートの平面に対し、θ<tan −1 (t/d)(ここで、該シャワープレートの厚さ(t)、処理ガス供給孔の径(d))としたことを特徴とするプラズマエッチング装置。 - 請求項1又は2において、
前記処理室内の処理圧力を10Pa以下に維持するように構成したことを特徴とするプラズマエッチング装置。 - 処理室内に処理ガスを導入してプラズマを生成し、該プラズマを用いて試料をエッチング処理するプラズマエッチング装置に用いられ、前記試料に対向する位置に設けられる前記処理ガスを供給するためのシャワープレートにおいて、
設けられた複数の処理ガス供給孔の各々において前記試料に対向するシャワープレートの平面に対して傾斜した開口方向が前記試料の中心方向に向くように形成され、且つ、
前記処理ガス供給孔の各々は、前記試料に対し垂直な方向から見たときに、一方の開口部から他方の開口部が見えないように、前記傾斜した処理ガス供給孔の傾斜角(θ)を前記シャワープレートの平面に対し、θ<tan −1 (t/d)(ここで、該シャワープレートの厚さ(t)、処理ガス供給孔の径(d))としたことを特徴とするシャワープレート。 - 処理室内に処理ガスを導入してプラズマを生成し、該プラズマを用いて試料をエッチング処理するプラズマエッチング装置に用いられ、前記試料に対向する位置に設けられる前記処理ガスを供給するためのシャワープレートにおいて、
前記シャワープレートの面内を複数の領域に分け、各領域内に設けられた複数の処理ガ ス供給孔の各々において前記試料に対向するシャワープレートの平面に対して傾斜した開口方向を同一方向に揃え、且つ領域毎に処理ガス供給孔の開口方向を異ならせて形成し、且つ、
前記処理ガス供給孔の各々は、前記試料に対し垂直な方向から見たときに、一方の開口部から他方の開口部が見えないように、前記傾斜した処理ガス供給孔の傾斜角(θ)を前記シャワープレートの平面に対し、θ<tan −1 (t/d)(ここで、該シャワープレートの厚さ(t)、処理ガス供給孔の径(d))としたことを特徴とするシャワープレート。
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