JP4982762B2 - 熱処理炉 - Google Patents

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本発明は、鋼材の浸炭処理や窒化処理などに用いられる熱処理炉に関する。
従来、鋼材の熱処理に使用される熱処理炉の炉体は、耐火性を有するレンガ層を備え、レンガ層の外側に断熱材が設けられた構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−79761号公報
しかしながら、従来の熱処理炉にあっては、炉体にレンガを用いているため炉壁が厚くなり、炉内の容積を広くできない問題があった。また、シーズニング時にはレンガに吸着されていた酸素が高温により炉内に放出されるため、炉内雰囲気を安定させるまでに時間がかかり、シーズニング時間を短縮することが難しい問題があった。
また、セラミックレールを支える耐火レンガは炉殻で支えられており、この炉殻からは多くの熱が放散される。この炉殻は従来より断熱効果が優れた断熱構造とされているので、断熱性の劣る耐火レンガ部分との熱放散の差が顕著となり、炉内の熱の分布(バランス)が非常に悪くなることがわかった。
本発明の目的は上記の欠点を除くようにしたものである。
前記課題を解決するため、本発明の熱処理炉は、被処理体を加熱して処理する炉体を有する熱処理炉であって、前記炉体の天井部、床部及び側壁が、夫々金属製の炉殻層と、この炉殻層の内側に設けた断熱層と、この断熱層の内側に設けたセラミックファイバー層とによって構成され、前記断熱層がセラミックブロックであって、前記炉体内に、炉体内の雰囲気を攪拌するファンと、被処理体を載せる複数本のセラミックレールと、ガスバーナを用いた加熱器が設けられており、前記セラミックレールは長手方向に複数分割されており、その夫々が耐火レンガを介して前記床部によって支持されており、前記加熱器は前記セラミックレールの下側に延びているラジアントチューブを有し、このラジアントチューブの一端部にガスバーナが設けられ、他端部に蓄熱体が備えられており、ガスバーナから、ラジアントチューブ内に燃焼ガスを供給することにより、炉体内が加熱され、さらに、前記熱処理炉に、前記ラジアントチューブ内部に冷風を供給する手段が備えられており、前記床部を構成する断熱層とセラミックファイバー層の厚さが、前記天井部及び側壁を構成する断熱層とセラミックファイバー層の厚さより10%〜50%大きいことを特徴とする。
また、前記炉殻層は、金属製であることを特徴とする。
本発明によれば、炉体を金属製の炉殻層と、断熱層と、セラミックファイバー層とによって構成したことにより、レンガを用いた場合と比較して、炉体の厚さを薄くすることができ、従って、炉体の容積を広くすることができる。炉体を大型化することなく、ガスバーナを用いた加熱器を備えることができる。さらに、シーズニングの際、炉体にレンガを用いた場合よりも雰囲気を安定させ易くなり、シーズニングに要する時間を短縮することができる。また、レールをセラミック製としたのでレールのたるみを少なくすることができる。また、ガスバーナを用いたことにより、電気ヒータより昇温や降温の効率を向上させることができる。
また、炉体内に搬入可能な被処理体の容積を増加でき、処理能力を向上させることができる。また、ガスバーナを用いた加熱器を使用することにより電気ヒータを用いた場合に比較して加熱効率を向上し、加熱に要するコストを削減できる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照にして説明する。
図1に示すように、鋼材である被処理体Wの浸炭処理を行う浸炭処理装置1は、本発明の熱処理炉2と、油槽室3とを備えている。
熱処理炉2の炉体5の前側壁5aには、被処理体Wを搬入させるための搬入口10と、搬入口10を開閉するシャッター11が設けられている。搬入口10の前方には、被処理体Wを載置するテーブル12が設けられている。炉体5の後側壁5bには、被処理体Wを搬出させるための搬出口15と、搬出口15を開閉するシャッター16が設けられている。炉体5と油槽室3は、搬出口15を介して連通するようになっている。炉体5内には、被処理体Wを載せるための3列のSiCなどのセラミックレール20A、20B、20Cと、炉体5内の雰囲気を攪拌するファン21と、炉体5内の雰囲気を加熱する加熱器22A、22B、22C、22Dとが設けられている。また、図示はしないが、炉体5内に浸炭ガスや窒素ガスなどを供給する供給炉と、炉体5内から排気を行う排気路が設けられている。
図2及び図3に示すように、炉体5は、例えば鋼板などの金属製の炉殻層31と、炉殻層31の内側に積層された断熱層32と、断熱層32の内側に積層された耐火性を有するセラミックファイバー層33とによって構成された3層構造になっている。断熱層32としては、シリカ系の材質、例えばマイクロサーム(日本マイクロサーム株式会社製)などを用いると良い。セラミックファイバー層33としては、例えばAl23又はSi23などのセラミック材をフェルト状にしたものを用いると良い。このように、断熱層32の内側に耐火層としてセラミックファイバー層33を備えた構造にすると、断熱層32の内側に耐火層としてレンガを備えた構造と比較して、炉体5の厚さを薄くすることができる。従って、炉体5内の容積を広くすることができる。また、断熱層32の内側にセラミックファイバー層33を設けることにより、断熱層32が劣化することを防止できる。さらに、シーズニングの際、炉体5にレンガを用いた場合よりも炉体5内の雰囲気を安定させ易くなり、シーズニングに要する時間を短縮することができる。また、炉体5にレンガを用いた場合、レンガに微量の鉄分が含有されていることにより、浸炭処理等に炉体5内に供給されたCOが作用して、レンガ中にカーボンが蓄積されたり、スーティング現象が生じたりする問題があるが、セラミックファイバーには鉄分が殆ど含まれていないので、カーボンの蓄積やスーティングを抑制させることができる。
シャッター11も、炉体5と同様に、炉殻層31と、炉殻層31の内側に積層された断熱層32と、断熱層32の内側に積層されたセラミックファイバー層33とによって構成された3層構造になっている。シャッター11において搬入口10に面する側の周縁部、即ち、セラミックファイバー層33の周縁部には、例えば鋼板などの金属製のシール41が設けられている。一方、前側壁5aにおいて、搬入口10の外側の周縁部、即ち炉殻層31の外面には、例えば鋼板などの金属製のシール42が設けられている。また、シール42に沿って、グラファイトパッキン43が設けられている。これらシール41,42がグラファイトパッキン43を挟んで互いに密着することにより、搬入口10が確実に閉塞されるようになっている。また、シール41によってシャッター11のセラミックファイバー層33の周縁部が保護され、セラミックファイバー層33が損傷することを防止している。
シャッター16も、炉体5と同様に、炉殻層31と、炉殻層31の内側に積層された断熱層32と、断熱層32の内側に積層されたセラミックファイバー層33とによって構成された3層構造になっている。シャッター16において搬出口15に面する側の周縁部、即ち、セラミックファイバー層33の周縁部には、例えば鋼板などの金属製のシール45が設けられている。一方、後側壁5bにおいて、搬出口15の外側の周縁部、即ち炉殻層31の外面には、例えば鋼板などの金属製のシール46が設けられている。これらシール45,46が互いに密着することにより、搬出口15が確実に閉塞されるようになっている。また、シール45によってシャッター16のセラミックファイバー層33の周縁部が保護され、セラミックファイバー層33が損傷することを防止している。
図2に示すように、各セラミックレール20A〜20Cは、それぞれ長手方向に分割された複数のセラミック体23よりなり炉体5内の下部において前後方向に連設されており、また、図3に示すように左右方向に並べて設けられている。
なお、47は左右両側に位置するセラミックレール20A,20Cの外側部に夫々長手方向に突設して設けた、被処理体Wの横振れ防止用ガイドであり、被処理体Wはセラミックレール20A,20B,20Cの上面で支持される。
また、各セラミックレール20A,20B,20Cは、そのそれぞれを構成するセラミック体23の長手方向の両端部及び、その中間部において床部に突設した耐火レンガ48によって支持され、各セラミックレール20A,20B,20Cの底面に長手方向に設けた凸部49を、各耐火レンガ48の上面に長手方向に設けた凹部50に嵌合せしめることにより固定される。
図1〜図3に示すように、加熱器22A,22Bは、セラミックレール20Aの一方の側に、前後に並べて設けられている。加熱器22C,22Dは、セラミックレール20Cの他方の側に、前後に並べて設けられている。各加熱器22A〜22Dは、略U字形状のラジアントチューブ57と、ラジアントチューブ57の端部に設けられたガスバーナ58とによって構成されている。即ちガスバーナ58から燃焼ガスを噴射させ、ラジアントチューブ57内に燃焼ガスが供給されることにより、炉体5内が加熱されるようになっている。さらに、ラジアントチューブ57の他端部には蓄熱体が備えられており、ラジアントチューブ57の一端側から燃焼ガスを噴射させる際、他端側では蓄熱が行われる。この燃焼ガスの噴射と蓄熱を、ラジアントチューブ57の一端側と他端側とで交互に切り換えて行い、蓄熱を利用して熱効率を向上させることができるようになっている。また、ラジアントチューブ57内に冷風を供給することにより、ラジアントチューブ57を迅速に冷却させ、炉体5内を降温させることができる。これにより、電気ヒータよりも降温を迅速に行うことができる。
図1に示すように、油槽室3には、被処理体Wを載置させる載置台61と、油槽62とが備えられている。また、被処理体Wを油槽室3内から搬出するための搬出口63が形成されており、搬出口63を開閉するシャッター64が設けられている。搬出口63の後方には、被処理体Wを載置するテーブル65が設けられている。
次に、以上のように構成された浸炭処理装置1を用いた被処理体Wの処理について説明する。先ず、浸炭処理装置1の操業開始時には、熱処理炉2において、加熱器22A〜22Dの加熱により、炉体5内の昇温とシーズニングを行う。炉体5は断熱層32によって高い断熱性を有するので、昇温を効率的に行うことができる。また、セラミックファイバー層33から炉体5内に放出される酸素や水蒸気の量が少ないので、炉体5内の雰囲気を迅速に安定させることができる。従って、昇温とシーズニングに要する時間を短縮することができる。さらに、ガスバーナ58を用いた加熱器22A〜22Dを使用することにより、電気ヒータを用いて加熱する場合と比較して効率的に加熱することができるので、昇温とシーズニングに要する時間を大幅に短縮することができ、また、加熱に要するコストを削減できる。炉体5内の温度は約850℃程度にする。
炉体5内の昇温とシーズニングを行ったら、被処理体Wを熱処理炉2に搬入させる。先ず、被処理体Wをテーブル12に載置して、搬入口10を開口させ、被処理体Wを図示しないプッシャーによって前方から後方に押して、搬入口10を通過させて炉体5内のセラミックレール20A〜20C上に被処理体Wを移動させる。そして、プッシャーを炉体5から退出させ、シャッター11によって搬入口10を閉じる。
被処理体Wを熱処理炉2に搬入させたら、炉体5内を約950℃程度に昇温させる。そして、被処理体Wが十分に予備加熱されたら、炉体5内に浸炭ガスを供給して、浸炭処理を行う。続いて拡散処理を行った後、炉体5内を降温させながら降温処理を行う。そして、炉体5内を約850℃程度にして、均熱処理を行う。このように浸炭、拡散、降温、均熱などの熱処理を行う間も、炉体5全体が断熱層32とセラミックファイバー層33とを備えた構造になっているため、炉体5内の雰囲気の温度分布を良好に維持することができる。従って、処理むらを防止できる。また、ガスバーナ58を用いた加熱器22A〜22Dにより、電気ヒータを用いて加熱する場合よりも温度を良好に調節することができる。従って、熱処理炉2における熱処理の時間を短縮することができる。
熱処理炉2において均熱処理が終了したら、搬入口10、搬出口15を開いて、搬入口10から炉体5内に図示しないプッシャーを進入させ、被処理体Wをプッシャーによって前方から後方に押して、搬出口15を通過させて炉体5内から油槽室3に被処理体Wを移動させる。そして、被処理体Wを載せた載置台61を下降させ、被処理体Wを油槽62に浸漬させて、油焼入れを行う。その後、被処理体Wを油槽62から引き上げ、搬出口63を開いて被処理体Wを油槽室3から搬出してテーブル65に移動させる。こうして、浸炭処理装置1における一連の処理が終了する。
浸炭処理装置1の操業終了時には、熱処理炉2において、加熱器22A〜22Dの加熱を停止させ、炉体5内の温度を降温させる。炉体5は、レンガより蓄熱量が少ないセラミックファイバー層33を用いた構造になっており、また、ガスバーナ58を用いた加熱器22A〜22Dによって迅速に冷却することができるので、炉体5内を迅速に降温させることができる。
かかる浸炭処理装置1によれば、炉体5にレンガを用いず、炉体5を金属製の炉殻層31と、炉殻層31の内側に設けた断熱層32と、断熱層32の内側に設けたセラミックファイバー層33とによって構成したことにより、レンガを用いた場合と比較して、炉体5の前側壁5a、後側壁5b、左側壁5c、右側壁5d、天井部5e及び床部5fの厚さを薄くすることができる。従って、炉体5内の容積を広くすることができる。そのため、炉体5を大型化することなく、ガスバーナ58を用いた加熱器22A〜22Dを配設することができる。また、炉体5内に搬入可能な被処理体Wの容積を増加させることができ、処理能力を向上させることができる。
また、セラミックレール20A,20B,20Cの両端部以外の中間部において耐火レンガ48により支持することにより、セラミックレール20A,20B,20Cの中間における割れを無くすことができる。また、レール20A,20B,20Cをセラミックとしたのでその劣化も防止できる。
さらに、ガスバーナ58を用いた加熱器22A〜22Dを使用することにより、電気ヒータを用いて加熱する場合と比較して、昇温や降温を迅速に行うことができる。従って、熱処理炉2における熱処理の時間を大幅に短縮することができる。また、電気ヒータを用いて加熱する場合と比較して、効率的に加熱することができ、加熱に要するコストを削減できる。
本発明の熱処理炉においては、例えば断熱層32の断熱材としては、例えばシリカ系の材質のセラミックブロック(例えばマイクロサーム(日本マイクロサーム株式会社製)が好ましく、厚さを75〜150mm、好ましくは80〜120mm、熱伝導率を0.01〜0.03kcal/m・h・℃、好ましくは0.02kcal/m・h・℃程度とする。
また、セラミックファイバー層33としては、厚さを50〜100mm、好ましくは100mm、熱伝導率を0.04〜0.08kcal/m・h・℃、好ましくは0.06kcal/m・h・℃である。前記セラミックブロックの厚さが100mm、前記セラミックファイバーの厚さが100mmのものを組み合わせたとき、蓄熱量は26.4MJ/m2、放散熱量は理論上384W/m2であった。前記セラミックブロック(断熱材)の厚さ、及び前記セラミックファイバーの厚さは、断熱性を上げるためには厚い程良いというものではない。断熱材を厚くすると炉殻の表面積が大きくなり、放散熱の絶対量が増加し、かえってエネルギー効率が悪くなることがわかり、本発明によると、前述の厚さの範囲が好ましいことがわかった。
本発明の炉内の断面積(炉内空間部)は0.16〜2.25m2であることが好ましい。さらに好ましくは0.64〜1.44m2である。この断面積に前記仕様の断熱材とセラミックファイバー層を適用するのが好ましく、前記エネルギー効率も最適となる。また本発明の炉内の長さは1.5〜15mが好ましく、さらに好ましくは2〜10mである。
前記熱伝導率及び蓄熱量を有する断熱材と、前記の熱伝導率及び蓄熱量を有するセラミックファイバー層(耐火材)とを組合せることにより、優れた断熱性と耐久性を有する炉を得ることができる。
前記の特性を有する断熱材はシリカ系のセラミックブロックなどが挙げられるが、耐熱温度は概ね1000℃であり、例えば浸炭処理温度での耐熱性も本断熱材の単独使用でも問題ないように考えられる。しかしながら、断熱材の長期使用時の耐久性を考慮すると、表面により耐熱温度の高いセラミックファイバー層の耐火材を覆うことが必要であることがわかり、上記組合せを見出した。
また、前記の厚さの断熱材とセラミックファイバー層の組合せが好ましい。炉の断熱性を向上させるために断熱材及びセラミックファイバー層を前記の範囲よりも厚くすると、炉内温度の降温制御が難しくなり、また、炉体の表面の面積が大きくなり放散熱量が増加する。
エネルギー効率と炉の大きさ(設置スペース効率)を考慮すると、断熱材およびセラミックファイバーを本発明の範囲の厚さよりも厚くすることは不利であることがわかった。また、逆に断熱材及びセラミックファイバー層を前記範囲よりも薄くすると、断熱効果が十分に得られない。
また、セラミックレール20A〜20Cの好ましい材質はSiCとし、このセラミックレールを支持する耐火レンガは熱伝導率が例えば0.1kcal/m・h・℃程度である。
このような熱処理炉の一例では入熱が約100,000kcal/hに対して処理品加熱は約46.8%、炉表面からの放散熱は約35.7%、その他の部分からの放散熱は約17.5%、炉表面壁温度は83℃/m2、放散熱量は708kcal/h・m2となった。これに対し、例えば従来の断熱構造の炉殻側から耐火レンガ115mm、シリカ系断熱材65mm、セラミックファイバー50mmの組み合わせでは、処理品加熱は32.5%、炉表面からの放散熱は59.1%、その他の部分からの放散熱は約10%となった。即ち本発明に比べ、処理品に用いられるエネルギーが小さく、本発明のエネルギー効率の高さがわかる。
本発明の炉の構成では、下部の耐火レンガからの放熱が大きく均熱がとりにくい。よって、本発明の熱処理炉では、断熱層とセラミックファイバー層を、側壁と天井に比べ床部を10%〜50%厚くすることが好ましい。また、ファンによる強制撹拌を行ない、ヒーターをセラミックレールより下にも配置する。更に、SiCのレールの長さを400〜800mm以下のものとし、耐火レンガの使用を減らす。また、耐火レンガの高さ200〜300mm×幅60〜120mm×長さ90〜210mmのサイズのものを使用し、特に高さを上記範囲にすることにより、断熱材等とセラミックレールとの隙間を十分に取り、炉内雰囲気をファンで十分に撹拌できるようにしておくのが好ましい。上記構造とすることにより、炉体5内の雰囲気の温度分布を良好に維持することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態の一例を示したが、本発明はここで説明した形態に限定されない。例えば、本実施の形態では、熱処理炉2は浸炭処理を行うものとして説明したが、本発明は、窒化処理を行う熱処理炉に適用することもできる。
本発明は、鋼材の浸炭処理、窒化処理などを行う熱処理炉に利用できる。
浸炭処理装置の概略断面図である。 本発明の熱処理炉の縦断正面図である。 図2のA−A線断面図である。
符号の説明
1 浸炭処理装置
2 熱処理炉
3 油槽室
5 炉体
5a 前側壁
5b 後側壁
5c 左側壁
5d 右側壁
5e 天井部
5f 床部
10 搬入口
11 シャッター
12 テーブル
15 搬出口
16 シャッター
20A セラミックレール
20B セラミックレール
20C セラミックレール
21 ファン
22A 加熱器
22B 加熱器
22C 加熱器
22D 加熱器
23 セラミック体
31 炉殻層
32 断熱層
33 セラミックファイバー層
41 シール
42 シール
43 グラファイトパッキン
45 シール
46 シール
47 ガイド
48 レンガ
49 凸部
50 凹部
57 ラジアントチューブ
58 ガスバーナ
61 載置台
62 油槽
63 搬出口
64 シャッター
65 テーブル
W 被処理体

Claims (1)

  1. 被処理体を加熱して処理する炉体を有する熱処理炉であって、
    前記炉体の天井部、床部及び側壁が、夫々金属製の炉殻層と、この炉殻層の内側に設けた断熱層と、この断熱層の内側に設けたセラミックファイバー層とによって構成され、
    前記断熱層がセラミックブロックであって、
    前記炉体内に、炉体内の雰囲気を攪拌するファンと、被処理体を載せる複数本のセラミックレールと、ガスバーナを用いた加熱器が設けられており、
    前記セラミックレールは長手方向に複数分割されており、その夫々が耐火レンガを介して前記床部によって支持されており、
    前記加熱器は前記セラミックレールの下側に延びているラジアントチューブを有し、このラジアントチューブの一端部にガスバーナが設けられ、他端部に蓄熱体が備えられており、ガスバーナから、ラジアントチューブ内に燃焼ガスを供給することにより、炉体内が加熱され、さらに、前記熱処理炉に、前記ラジアントチューブ内部に冷風を供給する手段が備えられており、
    前記床部を構成する断熱層とセラミックファイバー層の厚さが、前記天井部及び側壁を構成する断熱層とセラミックファイバー層の厚さより10%〜50%大きいことを特徴とする熱処理炉。
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