JP6507774B2 - 連続焼鈍炉用炉床及び連続焼鈍炉 - Google Patents

連続焼鈍炉用炉床及び連続焼鈍炉 Download PDF

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Description

本発明は、連続焼鈍炉用炉床に係り、特に耐火材として無機繊維ブランケットを用いた炉床に関するものである。また、本発明は、この炉床を有する連続焼鈍炉に関する。
鉄鋼用の連続焼鈍炉において、天井及び側壁の耐火材は無機繊維ブロックが広く使用されているが、炉床は、耐荷重の制約から、耐火断熱レンガ又はボード等の耐火材成形品が多く使用されている。従来の炉床では、最下層にシリカボードを置き、その上に断熱モルタルを塗り、耐火断熱レンガを載せ、さらに断熱モルタルと耐火断熱レンガを交互に積層させ、最表面をステンレス板で覆った構造としている。
炉床の耐火材料を耐火断熱レンガから無機繊維ブロックに置き換えようとする試みがある。例えば、特許文献1には、炉床にも使用可能な、変形荷重が120kg以上である高密度無機繊維ブロックが提案されている。
上記の通り、従来の連続焼鈍炉の炉床は、耐火断熱レンガ、ボード等の耐火材成形品を断熱モルタル等の水分を含有する接着剤を用いて構築している。この炉床では、焼鈍炉の立ち上げ時に、接着剤中の水分が徐々に蒸発し、焼鈍炉内の炉殻の隅などの低温部に凝縮する。この炉殻の隅などの低温部は、連続焼鈍炉の運転を開始しても昇温が遅いため、凝縮水が長期にわたって残留し、連続焼鈍炉の運転後、焼鈍炉内の露点がなかなか下がらない等の問題が生じていた。
即ち、従来の連続焼鈍炉の加熱帯や均熱帯の炉床では、鉄皮の温度を低くするために、最下層に、熱伝導率の低いシリカボードを設置し、その上に断熱レンガを積むことが多い。このため、最下層のシリカボード部は、当然のことながら、低温になる。焼鈍炉の運転開始時に、断熱モルタル中の水分が蒸発し、低温のシリカボード内に水分が凝縮し、付着する。このため、焼鈍炉の運転開始後、該シリカボードから徐々に水分が蒸発し、連続焼鈍炉内の露点がいつまでたっても下がらない。
特許文献1では、ブランケットの切断面又は折り曲げられた部分の端面が炉の内側に来るように設置された(スタックライニングという場合もある)工業炉の炉床に使用可能な高圧縮かつ高密度(0.2〜0.3g/cm)の無機繊維ブロックが提案されている。しかし、スタックライニングで無機繊維ブランケットを高圧縮かつ高密度(0.2〜0.3g/cm)にして無機繊維ブロックを施工する場合、炉内側から取り付ける際に、必要な金具取り付け用の紙管を挿入することができないため、無機繊維ブロックの固定に問題が生じる虞がある。また、炉殻側から取り付ける外付け金具を取り付けることも容易ではない。
上記高密度無機繊維ブロックを炉床に使用した場合、耐火断熱レンガを用いた際に生じる水分発生源防止対策には有効に働くものの、大気開放時に雰囲気中の水分又は無機繊維ブロック自身に含まれる水分が低温部となる鉄皮と無機繊維ブロックの境界に残存する。この結果、施工後長期間たっても連続焼鈍炉内の露点が下がらないという問題が生じる虞がある。
また、連続焼鈍炉内は、鋼板傷に影響するような45μm以上の異物がないことが好ましい。従来の断熱レンガ等を用いた連続焼鈍炉の炉床は、その表面をステンレス板で被覆しているものの、ステンレス板の歪み又は撓みにより、ステンレス板の重なり部分から、断熱レンガ等の残骸由来である45μm以上の粒子状異物が飛散する問題があった。
また、特許文献1の高密度無機繊維ブロックでは、無機繊維ブランケットの端面が炉床面にむき出しとなっているため、無機繊維ブロックに荷重がかかることで相対的に荷重強度の弱い無機繊維ブランケットの端面が破損し、炉内中に45μm以上の粒子状異物が飛散する虞がある。
特開平9−249445号公報
本発明は、上記従来の課題を解決し、水分の蒸発がないと共に、耐荷重機能を備え、45μm以上の粒子状異物の発生が防止される炉床と、この炉床を有した連続焼鈍炉を提供することを目的とする。
本発明の連続焼鈍炉用炉床は、鉄皮上に無機繊維ブランケットが配置され、その上に金属板が設置された炉床であって、該無機繊維ブランケットは炉床面に平行に配置積層され、無機繊維ブランケットの嵩密度が0.18〜0.23g/cmであり、該無機繊維ブランケットの水分含有率が1%以下であり、前記鉄皮から立設された棒状体に前記金属板が固定されていることを特徴とするものである。
本発明の連続焼鈍炉は、かかる炉床を備えたものである。
本発明の一態様では、前記無機繊維ブランケットの最上層は、45μm以上のショット含有率が2%以下のアルミナ繊維ブランケットであり、その下層は、複数のセラミック繊維ブランケットである。
本発明の一態様では、該無機繊維ブランケットの水分含有率が0.5%以下である。
本発明の一態様では、前記棒状体は、下端が前記鉄皮に溶接され、上端側に雄ネジを有したスタッドボルト又はスタッドピンであり、該スタッドボルト又はスタッドピンは前記金属板を貫通しており、該スタッドボルト又はスタッドピンに螺着された1対のナットによって該金属板が上下から挟持されており、該ナットと該金属板との間にワッシャが介在されている。
本発明の炉床は、モルタル等の含水接着剤を用いることなく構築されるため、炉の運転開始後、炉内の露点が速やかに低下する。特に、本発明では、無機繊維ブランケットの上面を被覆する金属材を、鉄皮から起立する棒状体で支承しており、炉内の熱が該棒状体を介して鉄皮側に伝わるので、鉄皮側の無機繊維棒状体からも付着水分が速やかに蒸発する。
また、本発明では、該金属材を棒状体を介して鉄皮に支承させているので、人がその上を歩くことや資機材を置くこともできる耐荷重を備える。また、鋼板傷の影響する45μm以上の粒子状異物が飛散することが防止される。
実施の形態に係る炉床の縦断面図である。 図1のII付近における炉床の斜視図である。 実施の形態における評価方法を示す斜視図である。 比較例における評価方法を示す斜視図である。
以下、図1,2を参照して実施の形態に係る炉床1について説明する。
この炉床1は、炉床最底面部の炉殻を構成する鉄皮2と、該鉄皮2上にペーパーライニング法により敷設された、複数枚の水分含有率が1%以下、好ましくは0.5%以下のセラミック繊維ブランケット3と、最上層の該セラミック繊維ブランケット3上に敷設された、水分含有率が1%以下、好ましくは0.5%以下のアルミナ繊維ブランケット4と、該アルミナ繊維ブランケット4の上面を被覆する金属板5等を有する。アルミナ繊維ブランケット4は、45μm以上のショット含有率が2%以下のものである。なお、前記炉床1では金属板5の直下にアルミナ繊維ブランケット4を有するが、アルミナ繊維ブランケット4を有しない形態も本発明に含まれる。
該金属板5を支承するために、鉄皮2から棒状体が立設されている。この実施の形態では、棒状体はスタッドボルト6またはスタッドピンであり、スタッドボルト6の頭部6aが鉄皮2に対しTIG溶接などの溶接により固着されている。スタッドボルト6は鉛直に立設されている。スタッドボルト6の上端側に雄ネジが設けられている。スタッドボルト6は、金属板5を貫通している。金属板5を挟み付けるように金属板5の上下にワッシャ7,8を介してナット9,10が締め込まれている。
この炉床1を構築するには、鉄皮2上にボルト6を溶接により立設、固定する。次いで、セラミック繊維ブランケット3を1枚又は複数枚ずつ鉄皮2上に敷設する。この際、セラミック繊維ブランケット3がスタッドボルト6と当たる箇所付近では、セラミック繊維ブランケット3を下方に押し、スタッドボルト6をセラミック繊維ブランケット3に刺し通す。
所要枚数のセラミック繊維ブランケット3を敷設した後、その上に1枚又は複数枚のアルミナ繊維ブランケット4を同様にして敷設する。スタッドボルト6をこのアルミナ繊維ブランケット4にも刺し通す。次いで、スタッドボルト6にナット10を螺着し、ナット10上にワッシャ8を配置する。この際、ナット10は、ワッシャ8の上面が規定の金属板5の設置高さとなるように螺着位置が調整される。位置調整後、スタッドボルト6とナット10とを溶接してナット10を固定するのが好ましい。なお、ナット10は、予めスタッドボルト6の規定位置に螺着及び溶接しておき、このナット10付きのスタッドボルト6を鉄皮2に立設してもよい。
その後、アルミナ繊維ブランケット4上に金属板5を配置する。金属板5には、予めスタッドボルト6と対応する位置に小孔が設けられており、スタッドボルト6はこの孔に挿通される。金属板5は、アルミナ繊維ブランケット4上に重なり、かつワッシャ8を介してナット10に載荷される。
金属板5は、1辺が60〜100cm程度の正方形又は長方形である。アルミナ繊維ブランケット4上面の全面を被覆するように必要枚数の金属板5がアルミナ繊維ブランケット4上に配設される。金属板5上に重りを載せたりすることにより金属板5を下方に押圧し、アルミナ繊維ブランケット4及びセラミック繊維ブランケット3を厚み方向に圧縮し、金属板5をワッシャ8に当接させる。次いでワッシャ7を介して上側のナット9を締め込み、金属板5をナット9,10間で挟み付ける。
金属板5の周縁部は図1の通り、隣接する金属板5の周縁部に重ね合わされる。この金属板5,5の重なり合う部分には小孔が設けられており、スタッドボルト6が貫通され、ワッシャ7,8を介してナット9,10で上下から挟み付けることにより、金属板5,5の周縁部同士を密着させる。
その後、ナット9から上方に突出するスタッドボルト6の上端部分を切断し、スタッドボルト6の上端面をナット9の上面と面一状とする。次いで、スタッドボルト6とナット9とを溶接する。
この炉床1では、セラミック繊維ブランケット3の上側に45μm以上のショット含有率が2%以下のアルミナ繊維ブランケット4を配置しているので、金属板5上に物体が落下し、その衝撃が加えられても、アルミナ繊維ブランケット4からは45μm以上のショットが全く又は殆ど発生せず、炉内に45μm以上のショットが飛散することが防止される。
なお、アルミナ繊維ブランケット4よりも下側に配置したセラミック繊維ブランケット3から、この衝撃により45μm以上のショットが発生しても、このショットはアルミナ繊維ブランケット4によって捕捉され、炉内に入り込むことはない。
このセラミック繊維ブランケット3は、アルミナ繊維ブランケット4よりも安価であるため、炉床1の構築材料コストが安価となる。
このようにして構築された炉床1にあっては、モルタル等の含水接着剤は全く用いられておらず、ブランケット3,4に付着していた僅かな水分も炉の運転開始後、速やかに蒸発するので、炉内の露点が速やかに低下する。特に、この炉床1では、金属板5を支承するワッシャ7,8、ナット9,10及びスタッドボルト6を介して炉内の熱が鉄皮2に伝播するので、下層側のセラミック繊維ブランケット3も炉の運転開始後、速やかに昇温し、付着水分が蒸発する。また、金属板5がスタッドボルト6によって鉄皮2に支承されており、金属板5の支承強度も高い。
本発明で用いる金属板5としてはステンレス板が好適である。ステンレス板の材質は、特に限定するものではないが、予熱帯、加熱帯、均熱帯、冷却帯等、それぞれの炉温に応じて、耐熱性及び耐食性を考慮し、SUS304,SUS309S又はSUS310S等から選定すれば良い。
金属板5の厚みは、ブランケット3,4を圧縮する必要があるため、好ましくは、0.3〜5mm、さらに好ましく、0.5〜3mmである。
スタッドボルト6またはスタッドピンとしては、特に限定するものではないが、φ6〜φ10のスタッドボルトが、さらに好ましくは、φ8のスタッドボルトが好適に使用される。ナット9,10は、特に限定するものではないが、M6〜M10が好適である。ワッシャ7,8は、特に限定するものではないが直径が30〜70mm、厚みは、1〜2mm程度のものが好適である。
本発明で用いるアルミナ繊維ブランケット4は、実質的に繊維径3μm以下の繊維を含まず、かつニードリング処理が施されたものが好ましい。なお、このニードルブランケットを用いることにより、耐荷重の点からも、好ましい。ここで、繊維径3μm以下の繊維を実質的に含まないとは、繊維径3μm以下の繊維が、全繊維重量の0.1wt%以下であることを表わす。
アルミナ繊維の平均繊維径は、5〜7μmであることが好ましい。アルミナ繊維の平均繊維径が大きすぎると、ブランケットの反発力、靱性が失われ、小さすぎると、空気中に浮遊する発塵量が多くなり、繊維径3μm以下の繊維が含有される確率が高くなる。
本発明で用いるアルミナ繊維ブランケットは、アルミナ/シリカの組成比(wt%)が、70〜74/30〜26のムライト組成の範囲にあることが、好ましい。また、80wt%以上、好ましくは、90wt%以上、特に好ましくは、全量が、ムライト組成の多結晶アルミナ繊維であることが好ましい。
本発明で用いるアルミナ繊維ブランケット4の厚みとしては、好ましくは、6〜25mm、さらに好ましくは、7〜13mmである。アルミナ繊維ブランケット4は1層のみ配置すれば足りるが、2〜3層設けられてもよい。
連続焼鈍炉内で、鋼板傷に影響する45μm以上の粒子状異物がないことが好ましいので、最上層に用いるアルミナ繊維ブランケット4は、45μm以上のショット含有率が2%以下のものが好ましい。アルミナ繊維ブランケットに含まれる45μm以上のショット含有率の測定は、JIS R3311のセラミックファイバーブランケットに含まれるショット含有率の測定(ふるい JIS Z 8801の呼び寸法 212μm)に準拠して、325メッシュの45μmのふるいを用いて、測定する。
本発明で用いるセラミック繊維ブランケット3は、アルミナ、シリカまたは、アルミナ、シリカ、ジルコニアを主成分とする非晶質繊維からなるブランケットである。また、セラミック繊維ブランケットとして、主成分のアルミナ、シリカにマグネシアまたはカルシアを添加した生体溶解性繊維(バイオソルブル繊維)ブランケットも使用できる。
本発明で用いるセラミックス繊維ブランケット3の厚みは、好ましくは、10〜60mm、さらに好ましくは、20〜50mmである。
アルミナ繊維ブランケット及びセラミック繊維ブランケットの水分含有率は好ましくは1.0%以下特に好ましくは0.5%以下である。なお、ブランケットの水分含有率は、150℃、24時間で乾燥し、乾燥前の重量と比較し、水分含有率を求めた。
炉床1におけるセラミック繊維ブランケット3及びアルミナ繊維ブランケット4の合計の積層の厚みは、特に限定するものではないが、150〜400mmで、予熱帯、加熱帯、均熱帯、冷却帯等、それぞれの炉温に応じて、設定すれば良い。
十分な耐荷重を得るため、嵩密度が0.08〜0.15g/cmのアルミナ繊維ブランケットを、嵩密度が0.18〜0.23g/cmとなるまで圧縮して、固定することが好ましい。嵩密度が0.25g/cm以上になるまで圧縮すると、繊維が粉化し、積層構造体として、十分な強度が得られない。
セラミック繊維ブランケットについても、十分な耐荷重を得るため、嵩密度が0.08〜0.15g/cmのセラミック繊維ブランケットを、嵩密度が、0.18〜0.23g/cmとなるまで、圧縮して、固定することが好ましい。嵩密度が0.25g/cm以上になるまで、圧縮すると、繊維が粉化し、積層構造体として十分な強度が得られない。
前述の通り、炉床1では炉殻炉底部の鉄皮2にスタッドボルト6を溶接しているので、炉内の熱が鉄皮2に伝播する。鉄皮2への伝熱量を過大としないようにするために、スタッドボルト6の周囲を硬質断熱ボードで被覆し、外側から円柱状金属カバーを設け、この円柱状金属カバーを、鉄皮と溶接することにより、スタッドボルト6を鉄皮2に直接固定しない構造としてもよい。
上記実施の形態では、アルミナ繊維ブランケットを用いているが、本発明では、アルミナ繊維ブランケットは省略され、セラミック繊維ブランケットのみが用いられてもよい。アルミナ繊維ブランケットを用いる場合、前述の通り、複数枚用いてもよい。
[実施例1]
炉床1の構築材料として、以下の材料を用意した。
炉床の鉄皮として、厚み6mmのSS400の鋼板、金属板5として、SUS304製の厚さ1mmのステンレス板、スタッドボルト6として、長さ400mmのSUS304製のφ8のスタッドボルト、ワッシャとして、厚み2mmのSUS304製のM8のφ60のワッシャ、アルミナ繊維ブランケットとして、45μm以上のショット含有率が0.5wt%である三菱樹脂製MAFTEC MLS 6p(嵩密度0.1g/cm)12.5mm厚、セラミック繊維ブランケットとして、イソライト工業製#1260 6p(嵩密度0.1g/cm) 50mm厚を使用した。
これらの材料を用いて、図3に示す模擬炉床耐火構造体を作製した。アルミナ繊維ブランケット4とセラミック繊維ブランケット3は、水分含有率が0.5%以下のものを使用した。
即ち、図3のような、900mm×900mm×300mmの箱状の金属枠20の中に、スタッドボルト6を300mm間隔で立設した。スタッドボルト6と鉄皮2の溶接は、TIG溶接とした。
セラミック繊維ブランケット3を11枚、アルミナ繊維ブランケット4を1枚、スタッドボルト6に刺し、金属板5を載せ、金属板5の上に、作業者が乗り、さらに荷重を加え、アルミナ繊維ブランケット4とセラミック繊維ブランケット3の嵩密度が0.22g/cmとなるように、圧縮度合を調整し、ワッシャ7,8とナット9,10で固定し、スタッドボルト6の余分な長さ分を切断し、スタッドボルト6とナット9をTIG溶接した。アルミナ繊維ブランケット4とセラミック繊維3との合計の厚みは256mmとなった。
この炉床耐火構造体の上を作業者が歩いても、まったく変形しないことが確認された。この炉床耐火構造体は、基本的に水分を含まないため、露点の心配をすることなく、連続焼鈍炉の運転をすることができる。
炉床に、落下物による衝撃が加わった場合を想定し、45μm以上の粒子状異物の飛散の有無を次のような方法で試験した。
図3のような、900mm×900mm×300mmの箱状の金属枠20の中に、上記炉床と同一構造の耐火構造体を形成し、荷重2tの衝撃落下試験によるステンレス板の変形・歪み時の異物の飛散実験を行った。重なり部の歪んだステンレス板間から、異物は、飛散しなかった。
[比較例1]
セラミック繊維ブランケットとして、イソライト工業製#1260 8p(嵩密度0.13g/cm)の25mmブランケットを、250mm×300mmにカットし、嵩密度が0.25g/cmまで圧縮して、2mmの木綿糸で縫いあわせて、高圧縮繊維ブロック(250mm×300mm×300mm)を作製した。
図4の通り、この高圧縮繊維ブロック30を、ブランケット積層部の端面が上になるように、高さが250mmになる向きに、ブロック30を並べ、実施例1と同様な箱状の金属枠20の中に設置した。これらのブロック30の上面に、厚さ1mmのSUS304のステンレス板よりなる金属板5を載せ、実施例1と同様に、300mmピッチのスタッドボルト6で、固定した。
このようにして製作した耐火構造体を用い、荷重2tの衝撃落下試験によるステンレス板の変形・歪み時の異物の飛散実験を行ったところ、重なり部の歪んだ金属板5間の隙間より、セラミック繊維が飛散した。飛散したセラミック繊維をサンプリングし、走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、45μm以上の粒子が多数確認された。
[比較例2]
実施例1と同様な箱状の金属枠20の中に、耐火断熱レンガとして、B5耐火断熱レンガ、B2耐火断熱レンガを用い、底から、65mm厚みのB2耐火断熱レンガを、モルタルを使い、2mmの目地で、3層積み上げ、その上層の1層を65mm厚みのB5耐火断熱レンガとして、高さ260mmまで積み上げ、最上層に、厚さ1mmのSUS304製のステンレス板を敷き、実施例1と同様に、スタッドボルト6とナット9,10で、固定して、炉床耐火構造体を作製した。
実施例1と同様にして荷重2tの衝撃落下試験によるステンレス板の変形・歪み時の異物の飛散実験を行ったところ、重なり部の歪んだステンレス板間の隙間より、レンガ屑が飛散した。飛散したレンガ屑をサンプリングし、走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、45μm以上の粒子が多数確認された。
1 炉床
2 鉄皮
3 セラミック繊維ブランケット
4 アルミナ繊維ブランケット
6 スタッドボルト
7,8 ワッシャ
9,10 ナット

Claims (5)

  1. 鉄皮上に無機繊維ブランケットが配置され、その上に金属板が設置された炉床であって、
    該無機繊維ブランケットは炉床面に平行に配置積層され、無機繊維ブランケットの嵩密度が0.18〜0.23g/cmであり、該無機繊維ブランケットの水分含有率が1%以下であり、
    前記鉄皮から立設された棒状体に前記金属板が固定されており、
    前記鉄皮から立ち上り、前記無機繊維ブランケットを囲む金属枠を有しており、
    該金属枠の上端が前記金属板よりも上側にある
    ことを特徴とする連続焼鈍炉用炉床。
  2. 前記無機繊維ブランケットの最上層は、45μm以上のショット含有率が2%以下のアルミナ繊維ブランケットであり、その下層は、複数のセラミック繊維ブランケットであることを特徴とする請求項1の炉床。
  3. 該無機繊維ブランケットの水分含有率が0.5%以下であることを特徴とする請求項1又は2の炉床。
  4. 前記棒状体は、下端が前記鉄皮に溶接され、上端側に雄ネジを有したスタッドボルト又はスタッドピンであり、
    該スタッドボルト又はスタッドピンは前記金属板を貫通しており、
    該スタッドボルト又はスタッドピンに螺着された1対のナットによって該金属板が上下から挟持されており、
    該ナットと該金属板との間にワッシャが介在されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項の炉床。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の炉床を有する連続焼鈍炉。
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