JPH11323769A - 無機繊維シート及びその製造方法 - Google Patents

無機繊維シート及びその製造方法

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JPH11323769A
JPH11323769A JP13678598A JP13678598A JPH11323769A JP H11323769 A JPH11323769 A JP H11323769A JP 13678598 A JP13678598 A JP 13678598A JP 13678598 A JP13678598 A JP 13678598A JP H11323769 A JPH11323769 A JP H11323769A
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inorganic
inorganic fiber
sheet
fiber sheet
fibers
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JP13678598A
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Mitsuo Yoshida
光男 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、無機繊維シートの坪量を小さくする
と共に、加圧されても空隙を維持し通気性の良好な無機
繊維シートを提供する。また無機繊維シートの製造方法
を提供する。 【解決手段】酸化チタン、無機繊維及び無機繊維の副産
物であり投影形で長径/短径が1〜20であるショット
を含有する無機繊維シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱材、保温材、
各種鋼板等の製造の際に使用する焼鈍分離材に関するも
のであり、特に焼鈍分離材として通気性が良く、再生可
能な無機繊維シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】工業的に鋼板を製造する際の焼鈍はコイ
ルに鋼板を巻くバッチ焼鈍が主流であり、焼鈍分離材と
してはAl23、SiO2、TiO2、W23等の無機物
粉体を使用しているが、無機物粉体を鋼板の間に充填す
る事は困難であるためにアルコール等の溶剤を使用して
いるのが現状である。しかし、アルコール等の溶剤は炉
内雰囲気に悪影響を及ぼすことが問題となっている。
【0003】そのため、無機物粉体の代わりに無機繊維
シートを焼鈍分離材として使用する方法が開示されてい
る。この方法により、鋼板をコイルに堅く巻くことが可
能となり、脱炭によって生じたCOガスのコイル外への
排出が促進されるとともに、鋼板表面から昇華したMn
が無機繊維シートに吸着され、Mnの昇華が促進される
(特開平5−320768号公報)。
【0004】しかし、無機繊維で形成したシートは繊維
間の接着強度が全くないために引張強度が弱いため、焼
鈍分離材として使用するためには坪量を大きくして対応
する必要があり、一定のサイズの炉内に入る鋼板の量を
減らす必要がある。また、加圧した場合に繊維シートが
圧縮されて空隙が減少し、COガスの排出が抑制されて
しまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無機繊維シ
ートの坪量を小さくすると共に、加圧されても空隙を維
持し通気性の良好な無機繊維シートを提供する。また、
無機繊維シートの製造方法を提供するものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、以下の無機繊維
シート及び無機繊維シートの製造方法及び焼鈍分離材に
よって達成することができた。
【0007】すなわち本発明は、無機繊維及び無機繊維
の副産物であり投影形で長径/短径が1〜20であるシ
ョットを含有することを特徴とする無機繊維シートであ
る。更に無機の粉体を含有することを特徴とする無機繊
維シートである。好ましくは、無機の粉体が酸化チタン
である無機繊維シートである。
【0008】無機繊維、無機繊維の副産物であり投影形
で長径/短径が1〜20であるショット及び有機繊維を
水中に分散させ、該分散液にカチオン系の凝集剤を添加
して無機繊維、投影形で長径/短径が1〜20のショッ
ト及び有機繊維の凝集体を形成させ、次いで該凝集体の
固形分濃度を0.01〜2%に希釈し、希釈した液を用
いて湿式抄紙法で抄紙することを特徴とする無機繊維シ
ートの製造方法である。さらに、無機の粉体を含有する
ことを特徴とする無機繊維シートの製造方法である。ま
た、無機の粉体が酸化チタンであることを特徴とする無
機繊維シートの製造方法である。
【0009】再生した酸化チタン、無機繊維及び無機繊
維の副産物であり投影形で長径/短径が1〜20のショ
ットの少なくとも一種以上を含有する無機繊維シートで
ある。
【0010】再生した酸化チタン、無機繊維、投影形で
長径/短径が1〜20であるショットの少なくとも一種
以上及び有機繊維を水中に分散させ、該分散液にカチオ
ン系の凝集剤を添加して無機繊維、無機繊維の副産物で
あり投影形で長径/短径が1〜20のショット及び有機
繊維の凝集体を形成させ、次いで該凝集体の固形分濃度
を0.01〜2%に希釈し、希釈した液を用いて湿式抄
紙法で抄紙することを特徴とする無機繊維シートの製造
方法である。
【0011】無機繊維、無機繊維の副産物であり投影形
で長径/短径が1〜20であるショットを含有すること
を特徴とする焼鈍分離材である。
【0012】
【発明の実施の形態】無機繊維はシート化するための骨
格となり、且つショットをホールドする必要があるた
め、繊維の平均長さは1mm以上であることが望まし
い。また、無機繊維としては、1200℃までの耐熱温
度を有する事が望ましく、ガラス繊維、マイクロガラス
繊維、チタン酸カリウム繊維、セラミックス繊維、ロッ
クウール繊維、アルミナ繊維、酸化ベリウム繊維、窒化
ケイ素繊維、窒化ホウ素繊維などが挙げられる。
【0013】無機繊維のショットは、無機繊維を製造す
る際の副産物であり、形状は球形に近いもの、なすび
型、彗星型等様々な形状のものが産出される。本発明に
用いられるショットは、投影形で長径/短径が1〜20
であり、無機繊維シートに含有させることにより、ショ
ットが無機繊維のネットにホールドされ脱落しにくくす
ると共に、鋼板に挟まれ加圧されてもショットの存在に
より無機繊維シートの圧縮を抑制することにより通気性
を確保する。投影形で長径/短径が1以上であればシー
ト内に有効な空隙を作るが、無機繊維のネットへのホー
ルドを良くするためには1.1〜20であることが好ま
しい。20を越えると繊維に近い形状となり、空隙を作
る作用が少ない。無機繊維シート中の無機繊維とショッ
トとの配合比率は、空隙率を左右する為、無機繊維とシ
ョットの比率は99:5〜30:70の範囲内である事
が好ましく、より好ましくは、90:10〜50:50
である。ショットの比率が5未満では十分な空隙が得ら
れない。一方、70を越えた場合、無機繊維シート中に
留まらずに脱落する比率が高まるばかりでなく、シート
の引張強度も弱くなる。
【0014】本発明に用いられる無機の粉体としては、
Al23、SiO2、W23、SiN、BN、TiO2
が挙げられる。中でも、本発明で好ましく用いられる酸
化チタンは、通常は製紙関係、各種塗料、インキ、プラ
スチック等に使用されている物であり、ルチル型、アナ
タース型どちらでも良く、形状は粒子状、板状、棒状等
が挙げられる。酸化チタンは、剛直な無機繊維やショッ
トにより鋼板に挟んだ際に鋼板に傷が付かないように滑
りを良くする滑材としての働きをする。そのため、酸化
チタンの粒子径は小さい方が好ましく、0.01〜20
μm、より好ましくは0.015〜0.5μmである。
粒子径が大きすぎると滑材の作用が少なく、逆に鋼板に
傷を付けてしまう。無機繊維シートに配合される酸化チ
タンの配合比率は5〜70%である。5%未満では、無
機繊維やショットの表面を覆うことができずに滑材とし
ての効果が小さい。一方、70%を超えると無機繊維シ
ートに酸化チタンが留まらずに脱落する比率が高まるば
かりでなく、シートの引張強度も弱くなる。
【0015】本発明の無機繊維シートは、無機繊維及び
無機繊維の副産物であり投影形で長径/短径が1〜20
であるショット及び有機繊維を水中に分散させ、該分散
液にカチオン系の凝集剤を添加して無機繊維、投影形で
長径/短径が1〜20のショット及び有機繊維の凝集体
を形成させ、次いで該凝集体の固形分濃度を0.01〜
2%に希釈し、希釈した液を用いて湿式抄紙法により製
造される。通常、湿式抄紙法でシートを作製する場合、
坪量は10〜300g/m2まで自在にコントロールする事
ができる。本発明の無機繊維シートの坪量は30〜20
0g/m2であることが好ましく、より好ましくは、50〜
150g/m2である。30g/m2未満では無機繊維シートの
引張り強度が弱いために巻き取りにする際に断紙してし
まう。又、200g/m2を越えた場合、引張り強度の問題
は無いものの、鋼板の焼鈍分離材として使用した場合、
厚みが厚い為に体積が増し、炉に入る鋼板の量が少なく
なってしまう。また、厚みは2000μm以下が好まし
く、より好ましくは1000μm以下である。
【0016】本発明に用いられる有機繊維は、接着力を
持たない酸化チタン、無機繊維、ショットとの交点を接
着するものであり、湿式抄紙機のドライヤーで軟化、溶
融する繊維である。具体的にはポリエステル繊維、ポリ
エチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、ポ
リビニルアルコール繊維、これらの芯鞘構造繊維等が挙
げられる。また、ドライヤーで軟化、溶融しない木材パ
ルプ、リンター、リント、マーセル化パルプ、麻パル
プ、レーヨン繊維、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミ
ド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維等をシート
の骨格を補助する目的で使用でき、またこれらの繊維を
フィブリル化して配合する事により、酸化チタン、ショ
ットをシートに留める効果を増大する。有機繊維の配合
比率は2〜20%が好ましく、より好ましくは3〜10
%である。2%未満では無機繊維シートの引張強度が弱
く、シート化が困難であるばかりでなく、シート化でき
たとしても鋼板に挟む工程で切れやすい。無機繊維シー
トの引張強度(シートのタテ方向)は、少なくともテン
シロン測定機で測定した値で400gf/25mm以上必要で
ある。一方、20%を越えるとシートの強度は強いもの
の、鋼板の焼鈍工程でガスの発生量が多くなり鋼板の表
面改質に悪影響を及ぼす。また、引張強度を高めるため
に湿式抄紙の際に一般に使用している紙力増強剤をガス
の発生に悪影響を及ぼさない範囲内で使用することが出
来る。紙力増強剤としては、たとえばコーンスターチ、
ポテトスターチ、タピオカスターチ等の澱粉、水溶性ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアミド
等の水溶性合成高分子、アクリル系、酢酸ビニル系、ポ
リスチレン系、スチレン・ブタジエン系等のラテックス
が挙げられる。
【0017】カチオン系の凝集剤は、水中に分散した無
機繊維、ショット及び有機繊維のランダムな凝集体を形
成させるために添加する。凝集体を形成することによ
り、微細なショットを繊維間に保持できるばかりでな
く、シート化した際に、不均一な地合の無機繊維シート
となり通気性が良くなるというメリットがある。使用で
きるカチオン系の凝集剤としては、ポリアミド系、ポリ
アクリルアミド系、アクリルアミド系、ポリアミン系、
ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸エステル系、ポリ
メタクリ酸エステル系、ポリエチレンイミン系、カチオ
ン系アクリルエマルジョン(ラテックス)等の有機系の
他に、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、アルミン酸
ソーダ、水酸化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウ
ム、塩化第二鉄等が挙げられる。
【0018】凝集体の固形分濃度を0.01〜2%にし
て湿式抄紙する事が好ましく、より好ましくは、0.0
5〜1%である。固形分濃度が0.01%未満では、抄
造中の水引が十分に行われず、結果としてシートになら
ないか、もしくは非常に坪量の少ないシートしか得られ
ない。一方、2%を越えた場合、凝集体の流動性が悪い
為に抄紙網上で大きな塊になったり、抄紙網上で全く凝
集体が無い部分(穴)が出来てしまい、シートがつなが
らない。必要に応じて、抄紙の段階でアニオン系高分
子、エマルジョン等を添加することにより更に凝集が強
固になり、ショットを効率よく留めることが可能とな
る。
【0019】無機繊維シートを湿式抄紙法で製造する場
合、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜ワイヤー抄紙機、ロ
ートホーマー抄紙機等、一般的に紙を製造する抄紙機で
製造できる。また、抄紙した後の乾燥方法は、エアドラ
イヤー、シリンダードライヤー、赤外線ドライヤー等を
使用する方法が挙げられる。
【0020】また、再生した酸化チタン、無機繊維及び
無機繊維の副産物であり投影形で長径/短径が1〜20
のショットの少なくとも一種以上を含有する無機繊維シ
ートである。再生した酸化チタン、無機繊維及び無機繊
維の副産物であり投影形で長径/短径が1〜20のショ
ットとは、各種鋼板等の製造の際に使用する焼鈍分離材
として使用した後の本発明の無機繊維シートに含まれる
原料であり、焼鈍工程で有機分はすでにガス化して残存
していない物である。この原料は、焼鈍工程で1000
℃に近いの高温にさらされているために未使用の酸化チ
タン、無機繊維、ショットより無機成分の純度が非常に
高く、この原料を使用することにより、不純物の少ない
無機繊維シートが得られる。
【0021】また、本発明の無機繊維シートは、再生し
た酸化チタン、無機繊維、投影形で長径/短径が1〜2
0であるショットの少なくとも一種以上及び有機繊維を
水中に分散させ、該分散液にカチオン系の凝集剤を添加
して酸化チタン、無機繊維、及び無機繊維の副産物であ
り投影形で長径/短径が1〜20のショット、及び有機
繊維の凝集体を形成させ、次いで該凝集体の固形分濃度
を0.01〜2%に希釈し、希釈した液を用いて湿式抄
紙法で製造される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらに何等限定されるものではない。なお、
実施例及び比較例におけるは、以下に示す評価方法によ
り測定した。
【0023】[ショットの投影形での長径/短径の測
定]ショットの投影形での長径/短径の測定は、ショッ
トの電子顕微鏡写真を撮影し、その電子顕微鏡写真から
ショットを20個ランダムに選定し、その長径の長さA
(mm)と短径の長さB(mm)を測定し、長径/短径
Cを数式1に従って算出した。
【0024】
【数1】C=A/B
【0025】[加圧時の空隙率]東洋精機株式会社製厚
み測定器を用いて、無機繊維シートに1kg/cm2
圧力を加えた状態で厚みを測定した。加圧面積は約1.
6cm2で、測定は25cm角の無機繊維シート上で2
0点をランダムに加圧した状態で測定した。測定した厚
みの最大値D(μm)と最小値E(μm)から数式2に
従って加圧時の空隙率F(%)を求めた。加圧時の空隙
率が大きいほど鋼板の焼鈍工程で脱炭により生じたCO
ガスのコイル外への排出が促進される。COガスの排出
をスムーズに進めるためには空隙率が5〜70%必要で
あり、好ましくは10〜60%である。
【0026】
【数2】F={(D−E)/D}×100
【0027】[引張強度]無機繊維シートのタテが長く
なるように25mm×160mmに5枚裁断し、株式会
社オリエンテック製のテンシロンHTM−100を用い
て、ヘッドスピード100mm/分で引張強度を測定し
た。測定は5回行い、その平均値をgf/25mmの単
位で示す。
【0028】実施例1 (Al2348%、SiO252%)の無機繊維、(A
2348%、SiO252%)の無機繊維とほぼ同成
分で投影形で長径/短径が1.5であるショット、針葉
樹漂白クラフトパルプ(NBKP)をPFIミル(JI
S P8210)を用いて叩解してカナダ標準型ろすい
度を300mlとしたパルプスラリーを各々重量比で4
5:45:10の比率で水に分散し、撹拌して水性スラ
リーを作製し、カチオン性ポリアクリルアミドを添加し
水性スラリーを凝集させた後、乾燥重量80g/m2に相当
する水性スラリーを分取して、固形分濃度が0.1%に
なるように希釈して角型手抄き装置(金網80メッシ
ュ、金網寸法25×25cm)でシートを抄紙した後、
濡れた状態のシートをリンターパルプシートの間に挟
み、シートプレス装置を用いて10kg/cmの圧力で
5分間プレスし、シート中の水分を減少させた後、リン
ターパルプを除いて1m/分で回転する表面温度120
℃のシリンダードライヤーとフェルトの間にシートを挟
んで乾燥させ、乾燥重量80g/m2の無機繊維シートを得
た。得られた無機繊維シートの加圧時の空隙率、引張強
度を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0029】実施例2 石原産業株式会社製の球状の酸化チタン商品名タイペー
クA−220、(Al2348%)の無機繊維、(Al
2348%、SiO252%)の無機繊維とほぼ同成分
で投影形で長径/短径が5であるショット、針葉樹漂白
クラフトパルプ(NBKP)をPFIミル(JIS P
8210)を用いて叩解してカナダ標準型ろすい度を3
00mlとしたパルプスラリーを各々重量比で20:3
5:35:10の比率で水に分散し、撹拌して水性スラ
リーを作製し、カチオン性ポリアクリルアミドを添加し
水性スラリーを凝集させた後、乾燥重量80g/m2に相当
する水性スラリーを分取して、固形分濃度が0.1%に
なるように希釈して角型手抄き装置(金網80メッシ
ュ、金網寸法25×25cm)でシートを抄紙した後、
濡れた状態のシートをリンターパルプシートの間に挟
み、シートプレス装置を用いて10kg/cmの圧力で
5分間プレスし、シート中の水分を減少させた後、リン
ターパルプを除いて1m/分で回転する表面温度120
℃のシリンダードライヤーとフェルトの間にシートを挟
んで乾燥させ、乾燥重量80g/m2の無機繊維シートを得
た。得られた無機繊維シートの加圧時の空隙率を測定
し、その結果を下記表1に示した。
【0030】実施例3 石原産業株式会社製の球状の酸化チタン商品名タイペー
クW−10、電気化学工業株式会社製の無機繊維商品名
デンカアルセンB80N、(Al2352%、SiO2
48%)の成分で投影形で長径/短径が5であるショッ
ト、クラレ製PVA繊維(VPB105−1)を各々重
量比で25:35:35:5の比率で水に分散し、撹拌
して水性スラリーを作製し、カチオン性ポリアクリルア
ミドを添加し水性スラリーを凝集させた後、乾燥重量8
0g/m2に相当する水性スラリーを分取して、固形分濃度
が0.1%になるように希釈して角型手抄き装置(金網
80メッシュ、金網寸法25×25cm)でシートを抄
紙した後、濡れた状態のシートをリンターパルプシート
の間に挟み、シートプレス装置を用いて10kg/cm
の圧力で5分間プレスし、シート中の水分を減少させた
後、リンターパルプを除いて1m/分で回転する表面温
度120℃のシリンダードライヤーとフェルトの間にシ
ートを挟んで乾燥させ、乾燥重量80g/m2の無機繊維シ
ートを得た。得られた無機繊維シートの加圧時の空隙率
を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0031】比較例1 石原産業株式会社製の球状の酸化チタン商品名タイペー
クW−10、電気化学工業株式会社製の無機繊維商品名
デンカアルセンB80N、クラレ製PVA繊維(VPB
107−1)を各々重量比で25:70:5の比率で水
に分散し、撹拌して水性スラリーを作製し、カチオン性
ポリアクリルアミドを添加し水性スラリーを凝集させた
後、乾燥重量80g/m2に相当する水性スラリーを分取し
て、固形分濃度が0.1%になるように希釈して角型手
抄き装置(金網80メッシュ、金網寸法25×25c
m)でシートを抄紙した後、濡れた状態のシートをリン
ターパルプシートの間に挟み、シートプレス装置を用い
て10kg/cmの圧力で5分間プレスし、シート中の
水分を減少させた後、リンターパルプを除いて1m/分
で回転する表面温度120℃のシリンダードライヤーと
フェルトの間にシートを挟んで乾燥させ、乾燥重量80
g/m2の無機繊維シートを得た。得られた無機繊維シート
の加圧時の空隙率を測定し、その結果を下記表1に示し
た。
【0032】実施例4 実施例2で作製した無機繊維シートを1000度の電気
炉で4時間加熱した。加熱した無機繊維シートには有機
分は残存していないので柔軟性、引張強度を失っている
のが、酸化チタン、無機繊維、ショットは原形のまま残
存していた。これを再度原料とし、針葉樹漂白クラフト
パルプ(NBKP)をPFIミル(JIS P821
0)を用いて叩解してカナダ標準型ろすい度を10ml
としたパルプスラリー、クラレ製PVA繊維(VPB1
07−1)を各々重量比で93:2:5の比率で水に分
散し、撹拌して水性スラリーを作製し、カチオン性ポリ
アクリルアミドを添加し水性スラリーを凝集させた後、
乾燥重量80g/m2に相当する水性スラリーを分取して、
固形分濃度が0.1%になるように希釈して角型手抄き
装置(金網80メッシュ、金網寸法25×25cm)で
シートを抄紙した後、濡れた状態のシートをリンターパ
ルプシートの間に挟み、シートプレス装置を用いて10
kg/cmの圧力で5分間プレスし、シート中の水分を
減少させた後、リンターパルプを除いて1m/分で回転
する表面温度120℃のシリンダードライヤーとフェル
トの間にシートを挟んで乾燥させ、乾燥重量80g/m2
無機繊維シートを得た。得られた無機繊維シートの加圧
時の空隙率を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【結果】上記表1の結果より、実施例1の無機繊維シー
トは、加圧時の空隙率が高く、鋼板の焼鈍工程でスペー
サーとして使用した際に、十分なCOガスの通気性を確
保していた。しかし、焼鈍工程後の鋼板の表面に問題に
ならないレベルだが若干の擦れ傷が見られた。酸化チタ
ンを配合した実施例2の無機繊維シートは、加圧時の空
隙率が高く、鋼板の焼鈍工程でスペーサーとして使用し
た際に、十分なCOガスの通気性を確保していた。更
に、焼鈍工程後の鋼板の表面にはほとんど傷が見られな
かった。有機繊維のPVA繊維を配合した実施例3の無
機繊維シートは、シートを製造する工程でPVA繊維が
溶融してシート中の繊維を接着するために引張強度が強
い。また、加圧時の空隙率が高く、鋼板の焼鈍工程でス
ペーサーとして使用した際に、十分なCOガスの通気性
を確保していた。更に、焼鈍工程後の鋼板の表面にはほ
とんど傷が見られなかった。実施例4は、再生した酸化
チタン、無機繊維、ショットを使用した無機繊維シート
である。再生した原料は不純な有機分を含んでいないば
かりでなく、通常繊維の塊となっている無機繊維とは異
なり一度水に分散された繊維であることから、シート作
製の際に水に分散する工程で良好な分散状態が得られ
た。出来た無機繊維シートは、実施例3と同様に引張強
度が強いばかりでなく、加圧時の空隙率が高く、鋼板の
焼鈍工程でスペーサーとして使用した際に、十分なCO
ガスの通気性を確保していた。更に、焼鈍工程後の鋼板
の表面にはほとんど傷が見られなかった。比較例1は、
実施例3の配合からショットを抜いて作製した無機繊維
シートである。引張強度は強いものの、空隙率が低いた
めにCOガスの抜けが悪く、鋼板が均一に焼鈍されなか
った。
【0035】
【発明の効果】本発明の無機繊維シートは、酸化チタ
ン、無機繊維、長径/短径が1〜20のショットを混合
する事により、耐熱性に優れ、加圧状態下でも空隙を確
保することにより、鋼板の焼鈍工程でスペーサーとして
十分なCOガスの通気性を確保する事ができる。また、
使用後の無機繊維シートを、再度水に分散して抄造する
事により、より純度の高い無機繊維シートを得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機繊維シートの表面の電子顕微鏡写真であ
る。
【図2】ショットの投影図である。
【符号の説明】
1 ショットの投影形 A ショットの長径 B ショットの短径
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 5/18 D

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機繊維及び無機繊維の副産物であり投
    影形で長径/短径が1〜20であるショットを含有する
    ことを特徴とする無機繊維シート。
  2. 【請求項2】 無機の粉体を含有することを特徴とする
    請求項1記載の無機繊維シート。
  3. 【請求項3】 無機の粉体が酸化チタンであることを特
    徴とする請求項1又は2記載の無機繊維シート。
  4. 【請求項4】 無機繊維、無機繊維の副産物であり投影
    形で長径/短径が1〜20であるショット及び有機繊維
    を水中に分散させ、該分散液にカチオン系の凝集剤を添
    加して無機繊維、投影形で長径/短径が1〜20のショ
    ット及び有機繊維の凝集体を形成させ、次いで該凝集体
    の固形分濃度を0.01〜2%に希釈し、希釈した液を
    用いて湿式抄紙法で抄紙することを特徴とする無機繊維
    シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 無機の粉体を含有することを特徴とする
    請求項4記載の無機繊維シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 無機の粉体が酸化チタンであることを特
    徴とする請求項4又は5記載の無機繊維シートに製造方
    法。
  7. 【請求項7】 再生した酸化チタン、無機繊維及び無機
    繊維の副産物であり投影形で長径/短径が1〜20のシ
    ョットの少なくとも一種以上を含有する無機繊維シー
    ト。
  8. 【請求項8】 再生した酸化チタン、無機繊維、投影形
    で長径/短径が1〜20であるショットの少なくとも一
    種以上及び有機繊維を水中に分散させ、該分散液にカチ
    オン系の凝集剤を添加して無機繊維及び無機繊維の副産
    物であり投影形で長径/短径が1〜20のショット及び
    有機繊維の凝集体を形成させ、次いで該凝集体の固形分
    濃度を0.01〜2%に希釈し、希釈した液を用いて湿
    式抄紙法で抄紙することを特徴とする無機繊維シートの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 無機繊維、無機繊維の副産物であり投影
    形で長径/短径が1〜20であるショットを含有するこ
    とを特徴とする焼鈍分離材。
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