JP2016020767A - 工業炉のライニング構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細多孔性断熱材が耐火モルタルに接触しないようにして、パーマれんがあるいは耐火断熱れんがとの一体化を防止し、又は耐火モルタル中のアルカリ成分の浸潤による焼結反応の進行を防止することで、微細多孔性断熱材の小片化を抑制し、微細多孔性断熱材の前面(稼働面側)に配置されたパーマれんがあるいは耐火断熱れんがを交換しても、微細多孔性断熱材の繰り返し使用を可能にする工業炉のライニング構造を提供すること。【解決手段】工業炉の稼動面7と鉄皮1との間に、内張り材6,4と、内張り材6,4を固着する耐火モルタル5と、粒径5nm以上30nm以下の超微粉を主原料とし、100nm以下の微細なマイクロポアー構造を有する微細多孔性断熱材2とを備え、耐火モルタル5と微細多孔性断熱材2との間に隔離材3を配置した工業炉のライニング構造。【選択図】図1

Description

本発明は、炉内温度が700℃以上である工業炉、例えば製鉄プロセスに使用される取鍋、タンディッシュ(TD)、混銑車、樋などの溶融金属容器、あるいはアルミ溶解・保持炉等の非鉄金属の溶融金属容器、又は加熱炉、鍛造炉、焼鈍炉、溶解炉などの燃焼炉、電気炉、アーク炉、誘導炉などの抵抗炉に使用される工業炉のライニング構造に関する。
炉内温度が700℃以上である工業炉として、例えば、取鍋、TD、混銑車、樋などの溶融金属容器は、一般に鉄皮と呼ばれる鉄製の外殻に複数種類の耐火物層を内張りしている。この内張り耐火物層は、通常、稼働面側のウエア耐火物と鉄皮側のパーマ耐火物(以下、「パーマれんが」と呼ぶこともある。)とで構成されている。ウエア耐火物は溶融金属等と接触し、損耗することを前提に設計されており、補修又は交換作業を実施することによって、溶融金属容器全体の寿命延長を図っている。一方、パーマれんがは溶融金属等と接触しないため、基本的に損耗することはないが、ウエア耐火物の補修又は交換作業時に同時に損傷した場合、交換されることがある。
近年、CO削減対策の一つとして、鉄皮を介して放射される熱を抑制することが求められており、主要な対策の一つとして、鉄皮とパーマれんがの間、あるいはパーマれんがとウエア耐火物の間に断熱材を配置する方法がある。この断熱材としては、熱伝導率の低い(断熱性の高い)材質が求められており、例えば、粒径5〜30nmの超微粉を主原料とし、100nm以下の微細なマイクロポアー構造を有する微細多孔性断熱材が知られている(例えば特許文献1参照)。
微細多孔性断熱材は、0.02〜0.05W/(m・K)という低い熱伝導率を示すことが利点であるが、水(液体)と接触すると超微粉が凝集して断熱効果が大きく損なわれる難点を有している。例えば、ウエア耐火物が損耗し、損耗したウエア耐火物の表面に不定形耐火物を継ぎ足し施工して補修した際、不定形耐火物に含まれる水分が温度の低い鉄皮内面で結露し、結露した水滴が微細多孔性断熱材と接触すると、断熱効果の低減を招くおそれがある。
そこで、微細多孔性断熱材の吸水防止対策として本発明者らは、特許文献2において、鉄皮内面に発生した結露が微細多孔性断熱材に接触しないようにして、微細多孔性断熱材の断熱効果の低減を防止することを可能にするため、耐熱性及び吸水性を有する第1の断熱材からなる第1断熱層と、粒径0.3μm以下の超微粉を20質量%以上含有する第2の断熱材からなる第2断熱層とを有し、第1断熱層が第2断熱層よりも溶融金属容器の鉄皮側に配置されていることを特徴とする溶融金属容器のライニング構造を開示した。
特開2000−104110号公報 特開2013−44510号公報
しかし、この特許文献2のライニング構造により稼働中の断熱効果は確認できたものの、使用後の解体時に微細多孔性断熱材を回収しようと試みたところ、製品形状で回収できるものは少なく、また回収できたほとんどの回収製品は小片化していた。また、回収製品は、耐火モルタルとの接触界面に著しい変質層(著しい反応層)、あるいは厚い変質層(厚い反応層)が認められたり、これら著しい反応層や厚い反応層が剥離し微細多孔性断熱材が薄肉化している場合もあった。また、耐火モルタルと固着し、耐火モルタルを介しパーマれんがと一体化している場合が多いという新たな問題があることも分かった。
使用後にウエア耐火物を点検・補修し、必要に応じ地金を除去し、最終的に解体するが、これらの作業は重機で行うことが多いので、パーマれんががその作業で損傷し交換されることがある。このとき、微細多孔性断熱材が小片化したり、パーマれんがと一体化している場合は、同時に剥落するので、微細多孔性断熱材も再施工が必要となり、断熱材の補修費の増加や補修時間が延長するという問題に繋がっていた。
回収した使用済み品の調査結果から、熱負荷は仕様範囲であり、水の接触による亀裂発生は認められなかったことから、これらの現象は耐火モルタルの影響と分かった。パーマれんが用耐火モルタルはアルミナシリカ質でバインダーが珪酸アルカリであるため、主成分がシリカ質である微細多孔性断熱材と反応しやすいと考えられた。
更に、この現象は耐火モルタルと微細多孔性断熱材との反応であるため、耐火モルタルと耐火断熱れんがで構成されるなど類似の内張り構造を持つ他の非鉄金属容器、あるいは電気炉、加熱炉等、炉内温度が700℃以上となる他の工業炉でも同様のことが起きていることが分かった。
この解決策として、耐火モルタルを使用せず空目地施工にする方策が考えられるが、使用後の排滓時の傾転時、あるいは点検・補修時に常温に戻った際、パーマれんが間が緩み脱落する懸念があり、適用し難いことは従来の知見のとおりである。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、微細多孔性断熱材が耐火モルタルに接触しないようにして、パーマれんがあるいは耐火断熱れんがとの一体化を防止し、又は耐火モルタル中のアルカリ成分の浸潤による焼結反応の進行を防止することで、微細多孔性断熱材の小片化を抑制し、微細多孔性断熱材の前面(稼働面側)に配置されたパーマれんがあるいは耐火断熱れんがを交換しても、微細多孔性断熱材の繰り返し使用を可能にする工業炉のライニング構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る工業炉のライニング構造は、耐火モルタルと微細多孔性断熱材の間に、隔離材が配置されていることを特徴としている。ここで、隔離材とは、概念的には、耐熱性を有し、かつ耐火モルタル中の成分が微細多孔性断熱材へ浸透し反応することを防止又は抑制する機能を有するものをいう。
微細多孔性断熱材の主構成材は、典型的にはフュームドシリカ等のシリカ質微粉である。一方、パーマれんがあるいは耐火断熱れんが用の耐火モルタルは一般的にアルミナシリカ質で、バインダーは水ガラス(珪酸ナトリウム)が一般に使用されている。よって、バインダー中のアルカリ成分である酸化ナトリウムが稼働中、微細多孔性断熱材中のシリカ質微粉と反応し低融点化する。また、塩基性耐火モルタルの場合では主構成材である酸化マグネシウム微粉が断熱材中のシリカ質微粉と反応し低融点化する。このようにして微細多孔性断熱材は耐火モルタルを介してパーマれんがあるいは耐火断熱れんがと一体化するので、点検・解体時にパーマれんがあるいは耐火断熱れんがと一緒に外殻から剥離する。あるいは、形成された低融点化した焼結反応層は収縮が大になるので、亀裂が発生しやすく、補修・解体時の重機作業の影響で小片化して剥落し、外殻側に残ることは少ないと推察された。
そこで本発明は、耐火モルタルと微細多孔性断熱材との間に隔離材を配置することにより、耐火モルタルが直接、微細多孔性断熱材に接触することを防止し、耐火モルタル中の成分が微細多孔性断熱材へ浸透し反応するのを防止又は抑制し、ひいては焼結収縮を抑制し、耐久性を長期間維持しようとするものである。
よって、隔離材の材質はその目的を達成すれば特に限定されるものではないが、好ましくは、耐熱性を600℃以上とする、セラミックファイバー、アルミナ繊維、シリカ繊維、生体溶解性無機繊維、Tガラス繊維、ガラス繊維、炭素繊維などを挙げることができる。ここでいう耐熱性とはセラミックファイバー、アルミナ繊維、シリカ繊維、生体溶解性無機繊維については最高使用温度を表し、Tガラス繊維又はガラス繊維については軟化点温度を表し、炭素繊維については酸化温度を表す。なお、Tガラス繊維は、ガラス繊維に含まれるアルカリ成分を排除することで耐熱性を高めた繊維である。
また、本発明に係る工業炉のライニング構造において隔離材の厚みは、炭素繊維以外からなる場合は0.1mm以上、炭素繊維からなる場合は0.01mm以上であることが好ましい。
また、耐火モルタルと微細多孔性断熱材との焼結反応は温度が高い方が進みやすいので、微細多孔性断熱材と隔離材は鉄皮内面に設置することが好ましい。
また、微細多孔性断熱材と隔離材は被覆材で一体化させる方が耐火モルタルの微細多孔性物質と隔離材の間への侵入防止、ライニングのガタ付き防止の点から好ましい。また結露防止として、前記特許文献2で開示した耐熱性吸水断熱材(第1断熱層)を鉄皮内面に加えた3層とし、更にこれらを被覆材で一体化させても良い。
本発明に係る工業炉のライニング構造によれば、耐火モルタルと微細多孔性断熱材の間に隔離材を配置するので、耐火モルタルが直接、微細多孔性断熱材に接触することがなく、耐火モルタル中の成分が微細多孔性断熱材へ浸透し反応することを防止又は抑制することができる。したがって、微細多孔性断熱材の耐久性を長期間に亘り維持することができ、微細多孔性断熱材の前面に配置されているパーマれんがあるいは耐火断熱れんがの交換後も微細多孔性断熱材は繰り返し使用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る工業炉のライニング構造の模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る工業炉のライニング構造の模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係る工業炉のライニング構造の模式図である。 本発明の第4の実施の形態に係る工業炉のライニング構造の模式図である。 本発明の第5の実施の形態に係る工業炉のライニング構造の模式図である。 試験装置の概略断面図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
[第1の実施の形態に係る工業炉のライニング構造]
図1に本発明の第1の実施の形態に係る工業炉のライニング構造を示す。
本実施の形態では、工業炉(溶融金属容器)の鉄皮1の内面から稼働面7(溶融金属と接する面)に向けて、微細多孔性断熱材2、隔離材3、耐火モルタル5、パーマ耐火物(パーマれんが)4、耐火モルタル5、ウエア耐火物(ウエアれんが)6からなる層の順に配置されている。
微細多孔性断熱材2は、粒径5nm以上30nm以下の超微粉を主原料、例えば20質量%以上含有する断熱材であって、100nm以下の微細な空間(マイクロポアー)を含むマイクロポアー構造を有し、このマイクロポアー構造により伝熱を規制する。超微粉としては、例えば、フュームドシリカなど、固有の熱伝導率が低い原料を用いることが好ましい。また、マイクロポアーの量を最適化する点から、超微粉の含有量は50質量%以上であることが好ましい。なお、微細多孔性断熱材としては、Porextherm Dammstoffe GmbH社製のPorextherm WDS(登録商標)や日本マイクロサーム(株)製のマイクロサームなどを使用することができる。
隔離材3は、耐熱性を有し、かつ耐火モルタルや耐火モルタル中の成分が微細多孔性断熱材2へ浸透し反応することを防止又は抑制する機能を有するものである。
隔離材3はその材質に特に制限はないが、セラミックファイバー、アルミナ繊維、シリカ繊維、生体溶解性無機繊維、Tガラス繊維、ガラス繊維、炭素繊維などを使用温度に応じ適宜選択することができる。例えば、新日本サーマルセラミックス(株)製のSCペーパーや、スーパーウールペーパーがある。
隔離材3の厚みは炭素繊維以外では0.1mm以上、炭素繊維では0.01mm以上が良い。隔離材3の最大厚みとしては5mm程度を想定している。
パーマ耐火物4は定形耐火物(パーマれんが)、不定形耐火物のいずれでも良い。また、パーマ耐火物4の材質も問わない。例えば、ロー石、ジルコン、粘土、シャモット、ハイアルミナ、アルミナ、スピネル、SiC、あるいはこれらのうちの2種以上の組み合わせからなる材質の耐火物が使用可能である。
耐火モルタル5は周知のとおり耐火物同士を固着するために使用され、塩基性ウエア耐火物に対しては同質の微粉からなる熱硬化性耐火モルタルが、パーマれんがに対しては珪酸アルカリをバインダーとした気硬性耐火モルタルが一般に使用されている。
ウエア耐火物6は定形耐火物である。定形耐火物の材質に制限はなく、主要な定形耐火物であるハイアルミナ質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−SiC質、アルミナ−SiC−カーボン質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、ドロマイト質、ジルコニア質、スピネル質及びこれらの組み合わせからなる材質の耐火物が使用可能である。
[第2の実施の形態に係る溶融金属容器のライニング構造]
図2に本発明の第2の実施の形態に係る工業炉のライニング構造を示す。
本実施の形態では、微細多孔性断熱材2と隔離材3を被覆材8で包装して一体となしたものである。被覆材8の材質に制限はなく、通常使用されているアルミラミネートフィルム、ポリエチレンフィルム、ガラスクロス、シリカクロス、アルミ箔、SUS箔などが使用可能である。被覆材の本来の使用目的である耐水性、補強性を考慮し、2種類以上を複層使用することも可能である。
[第3の実施の形態に係る溶融金属容器のライニング構造]
図3に本発明の第3の実施の形態に係る工業炉のライニング構造を示す。
本実施の形態は、パーマれんがが2層(4a,4b)の場合であり、これらのパーマれんが4a,4b間に微細多孔性断熱材2を設置する場合の耐火モルタル5との反応を防止又は抑制する具体的実施例である。
工業炉の鉄皮1の内面から稼働面7に向けて、耐火モルタル5、本パーマれんが4a、耐火モルタル5、隔離材3、微細多孔性断熱材2、隔離材3、耐火モルタル5、準パーマれんが4b、耐火モルタル5、ウエア耐火物6を配置している。
[第4の実施の形態に係る溶融金属容器のライニング構造]
図4に本発明の第4の実施の形態に係る工業炉のライニング構造を示す。
本実施の形態では、工業炉の鉄皮1の内面から稼働面7に向けて、耐熱性吸水断熱材9、微細多孔性断熱材2、隔離材3、パーマ耐火物4、耐火モルタル5、ウエア耐火物10からなる層の順に配置されている。
ウエア耐火物10は不定形耐火物である。不定形耐火物の材質に制限はなく、主要な不定形耐火物である中性のアルミナ質、ハイアルミナ質、アルミナ−シリカ質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−SiC質、アルミナ−SiC−カーボン質及びこれらの組み合わせからなる材質の耐火物が使用可能である。
ウエア耐火物10が不定形耐火物である場合、前記特許文献2で開示したように、鉄皮内面に微細多孔性断熱材2を設置した場合、結露による損傷が発生しやすいので、微細多孔性断熱材2を鉄皮側は耐熱性吸水断熱材9で、稼働面側は隔離材3で挟むことで、耐火モルタル5との反応を防止又は抑制できるとともに、結露を防止することができる。この3層を、図2で図示したように被覆材8で包装することも可能である。
耐熱性吸水断熱材9は、前記特許文献2で開示した「第1の断熱材」に相当し、600℃以上の耐熱性及び吸水性を有する吸水性断熱材であり、耐熱性を有するとともに鉄皮1の内面で結露した水分を吸収する機能を有している。この耐熱性吸水断熱材9としては、セラミックファイバー、断熱モルタル、ロックウールなどを好適に用いることができる。耐熱性吸水断熱材9の厚みは、吸水性を確保する点から0.2mm以上とすることが好ましい。なお、耐熱性吸水断熱材9の最大厚みとしては50mm程度を想定している。
[第5の実施の形態に係る溶融金属容器のライニング構造]
図5に本発明の第5の実施の形態に係る工業炉のライニング構造を示す。
本実施の形態は、内張り材が耐火断熱れんがの場合である。耐火断熱れんがは、電気炉などの抵抗炉で一般的に使用されている。
耐火断熱れんが15の材質に制限はなく、使用温度に応じ適宜使用できる。また、耐火断熱れんがには、JIS R2611で規定されている、かさ比重、圧縮強度が最も小さいA種、強度が強く低価格のため最も一般的に使用されるB種、圧縮強度が最も強いC種がある。
また、この他の内張材として、セラミックファーバー、断熱キャスタブル、珪酸カルシウム板などを用途に応じ適時選択することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
本発明の効果を検証するために実施したライニング材の加熱試験について説明する。なお、本試験では、繰返し操業によりウエア耐火物が損耗し、熱負荷が最大となる末期の状態を想定している。即ち、耐火モルタルと微細多孔性断熱材との関係においては、最も焼結反応が進む条件であることを意味している。
図6は、溶鋼用取鍋の末期状態を想定した試験装置の概略断面図である。試験装置は、試験体11を加熱するための電気炉13と、電気炉13に設けられた開口部13aに付設される試験体11とから概略構成されている。
試験体11は、鉄皮を想定した背面金属材12と、ライニング材とから構成されている。背面金属材12には脱気孔12aが形成されている。また、ライニング材の側壁から熱が逃げないように、側壁全体が断熱材14で覆われている。
図6は、実施例1〜19のライニング構成を示している。即ち、実施例1〜19では、背面金属材12側から加熱面(稼働面に相当)側に向かって、微細多孔性断熱材2からなる層、隔離材3からなる層、耐火モルタル5からなる層、本パーマれんが4aからなる層、耐火モルタル5からなる層、準パーマれんが4bからなる層、耐火モルタル5からなる層、ウエアれんが6からなる層の順に構成されている。また、実施例20は、上記構成において微細多孔性断熱材2と隔離材3からなる層が耐火モルタル5からなる層を介し本パーマれんが4aからなる層と準パーマれんが4bからなる層の間に配置されている。また、比較例1は、上記実施例1〜19の構成においてパーマれんが4aを固着する耐火モルタル5からなる層と微細多孔性断熱材2からなる層の間に隔離材3からなる層がない場合である。
隔離材3の材質及び厚みは表1に示すとおりである。なお、微細多孔性断熱材はPorextherm Dammstoffe GmbH社製のPorextherm WDSを使用し、厚みは3mmとした。
本パーマれんが4aの材質はロー石質耐火れんがで、厚みは65mm、準パーマれんが4bの材質は高アルミナ質耐火れんがで、厚みは65mmである。耐火モルタル5の材質はバインダーとして水ガラス3号を使用した気孔性耐火モルタルで、厚みは2mmである。ウエア耐火物6の材質はアルミナ−マグネシア−カーボン質(C含有量:12質量%)で、厚みは50mmである。加熱試験の前に耐火モルタルを乾燥させるため、常温で約1日間養生した後、100℃/時間で昇温し、500℃で5時間保持した後、自然放冷した。
Figure 2016020767
電気炉13による加熱条件は、昇温速度が300℃/時間、最高温度での保持条件が1650℃で48時間である。加熱後徐冷し、常温に戻ってからライニング材を解体した。評価方法は微細多孔性断熱材の変化の状態を目視確認し、変化なしを“○”、繰り返し使用できる可能性はあるが、耐火モルタルとの反応層がやや認められる場合を“△”、耐火モルタルとの著しい反応層や厚い反応層、耐火モルタルを介してパーマれんがとの固着、あるいは解体時に小片化が認められる場合を“×”とした。
表1より以下のことがわかる。
(1)実施例1〜7と比較例1を対比することにより、隔離材3を耐火モルタル5と微細多孔性断熱材2の間に設けることで、微細多孔性断熱材が耐火モルタルと反応するのを防止又は抑制する効果や、小片化したり、耐火モルタルを介してパーマれんがと固着することを防ぐ効果があることが分かる。なお、炭素繊維の酸化開始温度は500〜600℃程度ではあるが、効果が認められた。耐火モルタルで覆われているので酸素濃度は高くはなく、また建材でいう不燃材化的作用として耐酸化性が向上し、効果を発揮したと推察される。
(2)実施例8〜11を対比することにより、炭素繊維以外からなる隔離材3の厚みを0.1mm以上とした場合、その厚みを0.07mmとした場合に比べ耐火モルタル5との反応抑制効果に優れることが分かる。
(3)実施例12〜14を対比することにより、炭素繊維からなる隔離材3の厚みを0.01mm以上とした場合、その厚みを0.007mmとした場合に比べ耐火モルタル5との反応抑制効果に優れることが分かる。
(4)実施例15〜18を対比することにより、隔離材として、アルミナ繊維、シリカ繊維、生体溶解性無機繊維、Tガラス繊維のいずれもが使用可能であることが分かる。
(5)実施例1及び20を対比することにより、パーマれんが4a,4bの間に微細多孔性断熱材2を配置しても隔離材3が微細多孔性断熱材2と耐火モルタル5の間に配置されている効果として上記(1)でいう耐火モルタルと反応するのを防止又は抑制することや、小片化、固着を防止できたことが分かる。
表2において、実施例21は、図6におけるウエアれんが6を、材質がアルミナ−マグネシア質である不定形耐火物10とした実施例である。なお、背面金属内面には不定形吹付補修材(図示せず)の乾燥時における結露防止として、材質が最高使用温度1260℃のセラミックファイバーで、厚みが1mmである耐熱性吸水断熱材9を設置した。
表2より、実施例1と同様に、隔離材3の設置によって耐火モルタルとの反応防止又は抑制効果があることがわかった。
なお、本加熱試験とは別に実施した、肉厚復元を目的として不定形耐火物10の前面に不定形吹付補修材を施工・養生し、その後実施した乾燥試験において、耐熱性吸水断熱材を使用した実施例21は微細多孔性断熱材に結露は全く認められず健全であった。
Figure 2016020767
1:鉄皮、2:微細多孔性断熱材、3:隔離材、4:パーマ耐火物(内張り材)、4a:本パーマれんが(内張り材)、4b:準パーマれんが(内張り材)、5:耐火モルタル、6:ウエア耐火物(内張り材)、7:稼働面、8:被覆材、9:耐熱性吸水断熱材、10:不定形耐火物(内張り材)、11:試験体、12:背面金属材、13:電気炉、13a:電気炉開口部、14:断熱材、15:耐火断熱れんが(内張り材)

Claims (9)

  1. 工業炉の稼動面と鉄皮との間に、内張り材と、当該内張り材を固着する耐火モルタルと、粒径5nm以上30nm以下の超微粉を主原料とし、100nm以下の微細なマイクロポアー構造を有する微細多孔性断熱材とを備え、
    前記耐火モルタルと前記微細多孔性断熱材との間に隔離材を配置したことを特徴とする工業炉のライニング構造。
  2. 前記隔離材は、セラミックファイバー、アルミナ繊維、シリカ繊維、生体溶解性無機繊維、Tガラス繊維、ガラス繊維の一種又は二種以上からなることを特徴とする請求項1に記載の工業炉のライニング構造。
  3. 前記隔離材は、厚みが0.1mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の工業炉のライニング構造。
  4. 前記隔離材は、炭素繊維からなることを特徴とする請求項1に記載の工業炉のライニング構造。
  5. 前記隔離材は、厚みが0.01mm以上であることを特徴とする請求項4に記載の工業炉のライニング構造。
  6. 前記内張り材が、稼働面側に設けられたウエア耐火物と、当該ウエア耐火物よりも鉄皮側に設けられたパーマ耐火物とを含み、前記微細多孔性断熱材と前記隔離材とが鉄皮とパーマ耐火物との間に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の工業炉のライニング構造。
  7. 前記微細多孔性断熱材と前記隔離材とがパーマ耐火物とパーマ耐火物との間に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の工業炉のライニング構造。
  8. 前記隔離材と前記微細多孔性断熱材を被覆材で一体化したことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の工業炉のライニング構造。
  9. 前記鉄皮の内面側に、耐熱性を有し鉄皮内面側に発生する結露を吸水できる耐熱性吸水断熱材を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の工業炉のライニング構造。
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