JP4273099B2 - 製鋼用電気炉内張り補修用吹付材およびこれを使用した製鋼用電気炉内張りの吹付け補修方法 - Google Patents

製鋼用電気炉内張り補修用吹付材およびこれを使用した製鋼用電気炉内張りの吹付け補修方法 Download PDF

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Description

本発明は、製鋼用電気炉の内張り補修に使用する吹付材と、これを使用した製鋼用電気炉内張りの吹付け補修方法に関するものである。
アークによってスクラップ等を溶解する製鋼用電気炉において、その一般的な内張り構造は、内張りれんがの表面を耐火スタンプ材で覆った構造である。内張りの頂部はスラグラインに相当し、先行損耗される。
このスラグラインには通常、耐スラグに優れたMgO−C質れんがが設けられている。しかし、それでもスラグラインの耐用は十分なものではなく依然として先行損耗される。そこで、スラグラインに対し、その損耗を見計らって随時、吹付け補修が行われている。
図1の要部断面図は、製鋼用電気炉内張りの吹付け補修状況を示したものである。先行損耗箇所であるスラグライン1を主体に吹付材2が吹付けられる。同図は側壁上部の縦断面であり、ここではスラグライン1に位置するMgO−C質れんが3の上方は水冷ジャケット4が設けられているが、耐火物の場合もある。また、内張りれんが5の材質は焼成マグネシア質れんが、耐火スタンプ材6は例えばマグネシア質スタンプ材が一般的である。
ここで使用される吹付材の材質として、マグネシア質が知られている。マグネシア質は高耐食性材質である。しかし、スラグ浸潤しやすいことから、スラグ浸潤部とその背面部との境界に亀裂が生じる構造的スポーリングによって、剥離損傷しやすい。この剥離損傷は溶損と違って損耗が一挙に進行し、補修効果が大きく低下する。
その対策として、このマグネシア質にドロマイト(マグネシア−ライム)を組み合わせたマグネシア−ドロマイト質の使用が考えられる。ドロマイトは耐スラグ浸潤性に優れている。これにより、マグネシアの高耐食性とドロマイトの耐スラグ浸潤性とを兼ね備えた効果が予想できるが、実使用においては、マグネシア−ドロマイト質はドロマイトの水和反応による消化が著しく、付着性、耐食性の低下と共に保管性に劣る。
そこで本発明者らは、耐消化性に優れた塩基性質耐火原料であるかんらん岩をマグネシアと組み合わせたマグネシア−オリビン質の使用を考えた。かんらん岩はMgOおよびSiOを主成分とした天然原料である。耐火物使用中において、SiO成分の溶出によってスラグの粘性を上げ、スラグ浸透を抑制する効果もある。このマグネシア−オリビン質吹付材は、例えば特許文献1の実施例の欄に記載されている。
吹付材はその施工形態から、被補修面に対する付着性と接着性が重要である。いかに耐食性に優れていても付着性あるいは接着性に劣るとその耐食性の効果は発揮されない。
ここで、付着性は吹付け時の付着率の良さである。接着性は吹付材の付着後の、被補修面に対する吹付施工体の接着力である。
製鋼用電気炉の内張りは、炉操業に伴う加熱−冷却、スクラップ投入時の衝撃等を受ける。吹付材は接着性に劣ると、溶損による消失を待たずに被補修面から剥離する。スラグラインは垂直壁面に位置することで、水平面あるいは傾斜面と違って吹付材が剥離しやすい箇所である。
吹付材の付着性は、結合剤の調整等による材料設計によって十分な改善を図ることができる。マグネシア−オリビン質吹付材の付着性は、マグネシア質吹付材に比べても何らそん色がない。しかし、製鋼用電気炉の内張りに対する吹付けにおいて、接着性において十分なものではなく、マグネシア−オリビン質がもつ耐食性、耐スラグ浸透性の効果を活かすことができない。
そこで本発明の課題は、マグネシア−オリビン質吹付材の接着性を改善し、マグネシア−オリビン質がもつ耐食性、耐スラグ浸透性の効果を活かして、製鋼用電気炉の操業条件下において優れた補修効果を発揮できるようにすることにある。
本発明製鋼用電気炉内張り補修用吹付材は、天然原料であるかんらん岩を1000℃以上で焼成した焼成オリビン25〜80質量%を占め、残部焼成マグネシアおよび/または電融マグネシアを主体とした耐火原料であって、粒度1mm以上の粗粒と粒度1mm未満の微粒とよりなり、前記粗粒が前記焼成オリビンのみで構成されているか、あるいは前記粗粒においては前記焼成オリビンが前記焼成マグネシアおよび/または電融マグネシアより多く存在する前記耐火原料と、結合剤とを有する
この本発明の吹付材によれば、製鋼用電気炉の操業条件下において優れた補修効果を発揮する。その理由は以下のとおりと考えられる。
マグネシア−オリビン質吹付材において使用されるかんらん岩は、天然原料である。通常、事前に乾燥処理されているが、それには結晶水を含んでいる。そして、このかんらん岩を配合したマグネシア−オリビン質吹付材は、炉操業における高温を受けて一定温度域に達すると結晶水から水蒸気が発生し、その水蒸気圧が作用して被補修面に対する吹付材の接着性低下の原因となる。
本発明は後述のとおり、吹付材の熱膨張による接着性低下の抑制を図るために、焼成オリビンを主として粗粒として使用する。吹付材は施工によって高温加熱を受けるが、粒度の違いから粗粒は微粒に比べて温度変化が小さい。また、比表面積も小さい。このため、かんらん岩を粗粒として使用すると、吹付材が被施工面に付着後、被補修面の残熱あるいは炉内高温雰囲気を受けて吹付け施工体が十分に昇温した後、結晶水が水蒸気となる。
これに対し、本発明では粗粒に、予め焼成処理して結晶水を除去した焼成オリビンを使用する。これによって、かんらん岩に含まれる結晶水からの水蒸気が原因した接着性低下の問題が解消される。
吹付け直後は例えかんらん岩からの水蒸気の発生があっても、結合剤等の作用で付着性が確保される。かんらん岩の結晶水が原因した接着性低下は、かんらん岩の粗粒としての使用によって顕在化する。焼成オリビン使用による接着性向上の効果は、焼成オリビンを主として粗粒として使用する本発明特有の効果である。
マグネシアは耐火原料の中でも特に熱膨張が大きな原料である。この熱膨張の大きさが原因し、吹付材の被補修面との膨張差も接着性低下の一因である。一方、耐食性確保の面から、マグネシア−オリビン質吹付材において、このマグネシアの使用量を一定量以下に減らすことはできない。
吹付材の膨張は、耐火原料のうち粗粒の膨張が大きく影響する。これに対し、微粒部は粒子間同士の間隙に膨張が吸収され、吹付材の膨張への影響が少ない。本発明ではこの知見から、膨張の影響が大きい粒度1mm以上の粗粒を熱膨張がマグネシアより小さい焼成オリビンを主体に配合した。これにより、吹付材の熱膨張を低減させると共に、焼成オリビン使用による前記した結晶水の問題解消の効果とが相まって、接着性の向上を図ることができた。
本発明は、焼成オリビンと組み合わせるマグネシアの一部または全部を、化学成分値でMgOを少なくとも60質量%含むマグネシア質および/またはマグネシア−スピネル質の耐火れんが廃材としてもよい。この耐火れんが廃材は、MgOを少なくとも60質量%含むことでマグネシアと同様、耐食性付与の効果がある。また、耐火れんが廃材の使用は、資源の有効利用の面からも好ましい。
製鋼用電気炉内張りにおいて、スラグラインの位置は必ずしも明確でないこともあり、確実な補修の行うために、スラグラインの補修といえども実際には図1の模式図のとおり、その上下に対しても吹付け施工される。
スラグラインの上方は、溶鋼・スラグと直接接触しないことで、このスラグラインの上方に施工された吹付材施工体は中間温度域の状態で保たれる。その結果、施工水分の逸散が遅れ、水蒸気雰囲気下に長時間さらされることから、吹付材組成の中のマグネシアが消化する。
この消化は、ドロマイトと違って吹付施工体全体の強度を低下させるような顕著なものではないが、被補修面との界面の強度劣化を招き、接着性が低下する。吹付材施工体は、スラグラインとその上方とが一体組織であるため、スラグラインの上方の剥離が生じると、これに追随してスラグライン以下の箇所の吹付材施工体も剥離しやすくなる。
本発明においては、焼成オリビンと組み合わせるマグネシアとして、SiOを1〜10質量%含むマグネシアを使用した場合、スラグラインの上方における吹付施工体の接着性がより一層向上する。これは、前記SiOがマグネシアのMgO成分を水蒸気から遮断するガラス被膜となり、マグネシアの消化を防止し、被補修面との界面の強度劣化を防止することによる。
また、スラグラインの上方は溶鋼・スラグと直接接触しないために、スラグライン以下に比べて焼結が遅れる。この化学成分でSiOを1〜10質量%含むマグネシアを使用した場合は、焼成オリビンのFe成分が比較的低温域で溶融し、低融物を生成してマグネシアのMgO成分と反応することで焼結が促進され、スラグラインの上方における強度付与の効果がある。
この効果は、マグネシアに代えて化学成分でSiOを1〜10質量%含むマグネシア質あるいはマグネシア−スピネル質の耐火れんが廃材を使用した場合も同様である。すなわち、SiOがマグネシア質あるいはマグネシア−スピネル質の耐火れんが廃材のMgO成分を水蒸気から遮断するガラス被膜となり、消化を防止する。また、焼成オリビンのFe成分が比較的低温域で溶融し、低融物を生成して前記のMgO成分と反応して焼結が促進される。
そして、化学成分でSiOを1〜10質量%以上含むこのマグネシアあるいは前記耐火れんが廃材の使用は、スラグラインより上方の吹付材施工体の接着性および強度を向上させ、ひいてはスラグラインも含めた吹付材施工体全体の接着性を向上させることができる。
本発明では耐火原料として、さらに耐火粘土を組み合わせることが好ましい。耐火粘土は化学成分でSiOとAlが主成分である。しかも超微粒子である。本発明では成分中、Alが炉操業中の高温下において、マグネシアのMgO成分と反応してAl−MgO系スピネルを生成し、吹付施工体組織を緻密化し、その強度および耐食性を向上させる。
本発明の製鋼用電気炉内張り補修用吹付材は、接着性において優れた効果を発揮し、マグネシア−オリビン質吹付材が有する耐食性、耐スラグ浸透性を活かすことができる。これによって、製鋼用電気炉の操業条件下において優れた補修効果を発揮できる。
本発明の吹付材で使用する焼成オリビンは、天然原料であるかんらん岩を焼成したものである。天然原料のかんらん岩は、化学成分的にはMgOとSiOとを主成分とする。フォルステライト(2MgO・SiO)、エンスタタイト(MgO・SiO)、ファイアライト(2FeO・SiO)、サーべンタイン(3Mg0・2SiO・2HO)を主な鉱物相とし、その他ガラス質を含む。本発明ではこの天然原料のかんらん岩を焼成して使用する。その焼成温度は1000℃以上、好ましくは1200〜1500℃である。
吹付材の耐火原料に占める焼成オリビンの割合は、25質量%未満では接着性および耐スラグ浸透性において本発明の効果が得られない。80質量%を超えると耐食性が低下する。さらに好ましくは、30〜70質量%である。
マグネシアは焼成マグネシアあるいは電融マグネシアとする。これらの両者の組み合わせでもよい。その割合は、耐火原料組成おいて、前記焼成オリビンの残部の主体とする。耐食性の面から、耐火原料に占める割合で15〜70質量%が好ましい。
スラグライン上方に対する施工において、接着性向上のために、ここで使用するマグネシアは化学成分値でSiOを1〜10質量%、MgOを80質量%以上含む材質が好ましい。ここでSiOの割合が1質量%未満ではスラグライン上方に対する吹付材の施工において接着性向上の効果が不十分である。SiOの割合が10質量%を超えるとスラグラインにおいて耐食性の低下を招く。さらに好ましくは1〜6質量%である。また、耐食性の面からMgO成分は80質量%以上、好ましくは83〜98質量%とする。
化学成分値でSiOを1〜10質量%、MgOを80質量%以上含むこのマグシアの製造は、合成マグネシアの場合、焼成マグネシアであっては例えば海水から抽出した水酸化マグネシウムにシリカ粉を添加し、焼成する。溶融マグネシアの場合は前記焼成マグネシアを電気炉溶融して得ることができる。天然マグネシアの場合は、焼成あるいは電気炉溶融後において、化学成分値でSiOが1〜10質量%、MgOが80質量%以上となる天然マグネシアを選択使用する。
前記のマグネシアに代えて使用することができる、マグネシア質あるいはマグネシア−スピネル質の耐火れんが廃材は、化学成分値でMgOを少なくとも60質量%含むものを使用する。MgO成分が60質量%未満では耐食性において本発明の効果が得られない。
ここで、マグネシア質耐火れんが廃材は、耐火原料に焼成マグネシアを主材とした焼成れんがである。一方、マグネシア−スピネル質れんがは、耐火原料に焼成マグネシアとAl−MgO系焼成スピネルとを主材とした焼成れんがである。この耐火れんが廃材は例えば使用後品から入手し、粉砕によって任意粒度に調整して使用する。
マグネシア質あるいはマグネシア−スピネル質の耐火れんが廃材は、例えば結合剤にシリカ超微粉、粘土等を使用した場合、SiO量が多くなる。スラグラインの上方に対する吹付けにおいて十分な接着性を得るためには、マグネシア質あるいはマグネシア−スピネル質の耐火れんが廃材の中からSiOを1〜10質量%含む材質を選択し、使用する。
焼成オリビン、マグネシア、耐火れんが廃材の粒度は、施工体の密充填化を図るために粗粒、微粒に調整される。最大粒径は従来技術と同様に2〜5mmが好ましい。粒度1mm以上の粗粒の割合についても従来の吹付材と特に変わり無く、好ましくは50〜75質量%である。
本発明において、耐火原料として焼成オリビンとマグネシアの組み合わせにおいては、この耐火原料中の粒度1mm以上の粗粒を焼成オリビンのみとするか、あるいはマグネシアより焼成オリビンの割合を多くする。また、耐火原料として焼成オリビンとマグネシアの組み合わせにおいて、マグネシアの一部又は全部を前記した耐火れんが廃材とした場合、この耐火原料中の粒度1mm以上の粗粒を焼成オリビンのみとするか、あるいはマグネシアまたはマグネシアと前記耐火れんが廃材との合計量より焼成オリビンの割合を多くする。
粒度1mm以上の粗粒において、焼成オリビンの割合が少ないと接着強度において、本発明の効果が得られない。さらに好ましくは、粒度1mm以上の粗粒において焼成オリビンの割合がマグネシアまたはマグネシアと前記耐火れんが廃材との合計量より1.2倍以上多くする。
耐火原料の粒度調整は篩によって調整することができる。本発明において粒度1mm以上とは目開き1mmの篩の篩上に相当する。逆に粒度1mm未満とは、目開き1mmの篩の篩下である。
耐火粘土は、具体例はカオリン、ボールクレー、ベントナイト、水ひ粘土が挙げられる。その使用量は、吹付材の耐火原料に占める割合で10質量%以下とする。10質量%を超えると耐火粘土のSiO成分がSiO系の低融物を生成し、吹付材の耐食性が低下する。耐火粘土により吹付施工体の緻密化の効果を十分なものにするには、少なくとも0.5質量%であることが好ましい。
以上の焼成オリビン、マグネシア、耐火粘土以外にも、本発明を損なわない範囲であれば他の耐火原料を配合してもよい。例えば揮発シリカ、超微粉アルミナ等の微量の添加である。炭素あるいは炭化珪素等の炭素系原料は他の耐火原料との焼結の悪さから、接着性を低下させる。炭素系原料を使用する場合は、耐火原料に占める割合で5質量%未満に留めることが好ましい。
結合剤は特に限定されるものではない。リン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、リン酸カリ、リン酸カルシウムなどのリン酸塩、珪酸ソーダ、メタ珪酸ソーダ、珪酸カリなどの珪酸塩、あるいはアルミナセメント、ポルトランドセメント等である。その添加量は耐火原料に対する割合で、外掛けで1〜15質量%が好ましい。更に好ましくは3〜10質量%である。また、結合剤の種類によっては、さらに硬化促進剤を添加する。硬化促進剤の具体例としては、消石灰、生石灰、炭酸カルシウム等のカルシウム塩である。
また、必要によっては、ファイバー類、金属粉、分散剤、乳酸アルミニウム類、CMC等を加してもよい。
ファイバー類の具体例は、ポリプロピレン、ナイロン、PVA、ビニロン、ポリエチレン、アクリル、ポリエステル、パルプ、紙繊維、セピオライト等である。耐火原料に対する割合で、外掛0.05〜1質量%の添加が好ましい。
以上の配合物よりなる吹付材は、例えば任意の吹付装置を使用し、乾式法にて施工する。すなわち、吹付材を吹付装置にてノズルへ搬送し、ノズルあるいはノズル近傍にて施工水を添加し、吹付ける。この際、発塵防止のために施工水の一部を予め吹付材に添加しておいてもよい。
表1は、各例の吹付材に使用した耐火原料の化学成分値を示す。乾燥オリビンは、かんらん岩を110℃で加熱乾燥処理したものである。焼成オリビンは、かんらん岩をロータリーキルンにて1400℃で焼成処理したものである。また、マグネシア−スピネル質耐火れんが廃材は、セメントロータリーキルンの内張り使用後品から得たものである。表2、表3は、各例の吹付材の配合組成と、その試験結果である。
表2、表3において、耐火原料の粒度はJISふるい目開きによる目開き4mm、2mm、1mm、0.5mm、0.075mmの各篩を使用して調整した。粒度4〜1mmについては、4mmの篩下のものについて、さらに1mmの篩で1mm未満を取り除いて調整した。焼成オリビンと乾燥オリビンのグループと、焼成マグネシア、電融マグネシア、耐火れんが廃材とのグループに区分けし、それぞれの耐火原料全体に占める粒度1mm以上の合計量を示しているが、例えば2mm未満については、この2mmの篩下に含まれる1mm以上の粒度についても、耐火原料全体に占める粒度1mm以上の合計量に含ませた。
吹付装置としてロテクターガンを使用し、各例の吹付材を乾式法にて施工し、試験した。施工水は吹付材全体に対して外掛け24〜28質量%とした。被施工面はアルミナ質焼成れんがのれんが積みとした。この被施工面を表面温度約800℃に加熱し、熱間吹付補修を想定して吹付けた。
接着性は、吹付材が被施工面に接着した状態で切り出し、1000℃の加熱試験電気炉に入れ、30分間加熱後、加熱試験電気炉から引き出して空冷し、この加熱−冷却を3回繰り返した後、被施工面のアルミナ質焼成れんが対する吹付材の接着せん断応力を測定した。耐食性は、製鋼用電気炉スラグを侵食剤とし、1650℃での回転侵食試験を行い、損耗寸法を測定した。耐スラグ浸透性は、この回転侵食試験後、スラグ浸透寸法を測定した。
実機試験では、前記した吹付装置を用いて、実施例、比較例の中からその一部の吹付材を100t製鋼用電気炉の内張りに対し、先行損傷部位であるスラグラインを主体に吹付けた。その際、炉壁表面温度は残熱によって800〜1000℃であった。スラグライン上方に対する接着性の試験は、吹付け施工後の吹付材について、吹付材が寿命になるまでの間の接着持続力を観察し、評価した(○…接着性良、△…接着性やや劣る、△…接着性劣る)。耐用性の試験は、吹付材が寿命となるまでの、製鋼用電気炉の使用回数で求めた。
Figure 0004273099
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本発明実施例は、接着性、耐スラグ浸透性、耐食性のいずれにおいても優れた効果を発揮した。中でも化学成分値でSiOの含有量が1質量%を超えるマグネシアあるいは耐火れんが廃材を使用した例では、実機試験においてスラグライン上方に対しての接着性に優れる結果、その耐用性が一層向上している。
これに対し、比較例1は110℃にて乾燥処理した乾燥オリビンを使用した例であり、接着性に劣る。焼成オリビンの量が本発明で限定した範囲より少ない比較例2と、焼成オリビンも乾燥オリビンも使用していない比較例6は、接着性および耐スラグ浸透性に劣る。
比較例3、7は、焼成オリビンの量が本発明で限定した範囲より多く、耐食性に劣る。 比較例4、8は、焼成オリビン量は満たすが1mm以上の粗粒において焼成オリビンを使用しておらず、接着性および耐食性に劣る。比較例5、9は、焼成オリビン量は満たすが1mm以上の粗粒においてマグネシアの量が多い例で接着性および耐食性に劣る。
製鋼用電気炉内張りの吹付け補修状況を示す要部断面図である。
符号の説明
1 スラグライン
2 吹付材
3 MgO−C質れんが
4 水冷ジャケット
5 内張りれんが
6 耐火スタンプ材

Claims (6)

  1. 天然原料であるかんらん岩を1000℃以上で焼成した焼成オリビン25〜80質量%を占め、残部焼成マグネシアおよび/または電融マグネシアを主体とした耐火原料であって、粒度1mm以上の粗粒と粒度1mm未満の微粒とよりなり、前記粗粒が前記焼成オリビンのみで構成されているか、あるいは前記粗粒においては前記焼成オリビンが前記焼成マグネシアおよび/または電融マグネシアより多く存在する前記耐火原料と、結合剤とを有する製鋼用電気炉内張り補修用吹付材。
  2. 焼成マグネシアおよび/または電融マグネシアが、化学成分でSiOを1〜10質量%含む請求項1記載の製鋼用電気炉内張り補修用吹付材。
  3. 焼成マグネシアおよび/または電融マグネシアの一部または全部が、化学成分値でMgOを少なくとも60質量%含むマグネシア質および/またはマグネシア−スピネル質の耐火れんが廃材である請求項1記載の製鋼用電気炉内張り補修用吹付材。
  4. 耐火れんが廃材が、化学成分でSiOを1〜10質量%含む請求項3記載の製鋼用電気炉内張り補修用吹付材。
  5. 耐火原料が、耐火粘土をさらに10質量%以下含む請求項1〜4のいずれか1項記載の製鋼用電気炉内張り補修用吹付材。
  6. 乾式吹付け施工方法により、請求項1〜5のいずれか1項記載の製鋼用電気炉内張り補修用吹付材をもってスラグライン部を補修する製鋼用電気炉内張りの吹付け補修方法。
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