JP3233740U - 煙突 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱壁の内張りに使用した短尺鋼板が排ガスに煽られたり破損したりする可能性を無くすことにより、煙突設置に伴う高層ビルや超高層ビルでの有効床面積の削減量を最少限度に抑え、煙突構築に要するコストを削減する煙突を提供する。
【解決手段】断熱壁20の4つの内面の内張りに用いる薄肉鋼板30を、多段に配備された複数枚の短尺鋼板に分割する。相隣接段の2枚の短尺鋼板において、下段側の短尺鋼板32の上端部32aを上段側の短尺鋼板33の下端部33bに煙道の内側から重ね合わせる。下段側の短尺鋼板の上端部と上段側の短尺鋼板の下端部との重なり箇所に耐熱性パッキンを介在する。
【選択図】図2

Description

本考案は、建物内に設置される煙突、特に、非常用発電機を駆動するガスタービンエンジンやディーゼルエンジン、ボイラー、産業廃棄物焼却炉などの排ガスを建物外に導いて放出させるのに適する煙突に関する。
図6〜図8を参照してこの種の煙突の従来例を説明する。従来例に係るこの種の煙突は一定長さの煙突ユニットを多段に積み上げることによって構築される。図6は従来例に係る煙突を構築する際に採用される煙突ユニット100を説明的に示した横断平面図、図7は煙突ユニット100に採用されている内張り構造を説明的に示した部分縦断側面図、図8は図7におけるVIII部の拡大図である。
図6のように、煙突ユニット100では、内部空間が煙道101を形成している四角筒形断熱壁110の4つの内面のそれぞれに薄肉鋼板120…が内張りされていて、これらの薄肉鋼板120は、煙突ユニット100を積み上げて構成される煙突の4つの内面のそれぞれに内張りされた薄肉鋼板に相当している。同様に、上記四角筒形断熱壁110も、煙突ユニット100を積み上げて構成される煙突の四角筒形断熱壁に相当している。
四角筒形断熱壁110は、四角筒形の硬質断熱材112とこの硬質断熱材112の外側に重ね合わされた四角筒形の軟質断熱材113とによって形成されていて、硬質断熱材112にはケイ酸カルシウム板が採用され、軟質断熱材113にはロックウールのような耐熱性繊維材が採用されている。
一方、図7又は図8によって類推できるように、上記薄肉鋼板120は、縦方向多段に配備された複数枚(図例では縦方向2段に配備された2枚の鋼板だけが示されている。)の短尺鋼板121,122に縦方向で分割されていて、相隣接段に位置する2枚の短尺鋼板121.122において、上段側の短尺鋼板122の下端部122bが下段側の短尺鋼板121の上端部121aに煙道101の内側から重ね合わされている。薄肉鋼板120が縦方向2段に配備された2枚の短尺鋼板121,122に縦方向で分割されている理由は、煙突ユニット100の長さとの関係で、原鋼板から必要サイズの薄肉鋼板120を製作する際の材料ロスをできるだけ少なくしたいという要請によっている。また、四角筒形断熱壁110は、四角筒形の被覆鋼板140によって外側から囲まれている。
上記のように構成された煙突ユニット100を積み上げて構成される煙突によると、薄肉鋼板120が、煙道101を上昇する排ガスから四角筒形断熱壁110を遮断することに役立つので、排ガスが煙道101から四角筒形断熱壁110の内部に侵入することが防止され、ひいては、被覆鋼板140による漏煙防止作用とも相まって排ガスが煙道101の外部に漏煙するという事態が防止される。また、薄肉鋼板120や被覆鋼板140は、経時による自然発生的な漏煙は勿論のこと、地震や不本意な大きい振動などの強い外力の負荷や経年劣化などによって硬質断熱材112にクラックが発生したような場合の漏煙を防ぐことにも役立つ。
また、建物の屋上などで開口している煙突の頂部から煙道101に浸入した雨水や煙道101を取り囲んでいる薄肉鋼板120に付着した結露水などが下方へ伝い落ちたとしても、上段側の短尺鋼板122の下端部122bと下段側の短尺鋼板121の上端部121aとの重なり箇所R2では、雨水や結露水などの水分が、図8に矢印aで示したように上段側の短尺鋼板122の下端部122bの内面から下段側の短尺鋼板121の内面に向けて伝い落ちることになるために、重なり箇所R2の隙間を経て水分が硬質断熱材112の内部に浸入するという事態は起こりにくい。そのため、硬質断熱材112の内部に浸入した水分が高温の排ガスによって加熱された際に起こり得る硬質断熱材112の水蒸気爆裂現象の発生が未然に防止されるという利点がある。ここで、「硬質断熱材の水蒸気爆裂現象」とは、硬質断熱材の内部に浸入した水分が高温の排ガスにより加熱された際に、硬質断熱材の外部に蒸散することなく硬質断熱材の内部で沸騰して硬質断熱材が片々に裂けたり飛び散ったりする現象のことである。
先行例には、図6に示したものと同様の煙突ユニットについての記述があり、この煙突ユニットにおいても、四角筒形断熱壁の内面が鋼板によって内張りされている。
実登第3204301号公報
図7及び図8に示した内張り構造を備える従来例の煙突によると、原鋼板の材料ロスを少なくすることを意図して、内張りのための薄肉鋼板120を縦方向多段に配備された複数枚の短尺鋼板に分割したとしても、硬質断熱材112の内部に浸入した水分が高温の排ガスによって加熱された際に起こり得る硬質断熱材112の水蒸気爆裂現象の発生が未然に防止されるという上記した利点がある。
しかしながら、煙突に上記内張り構造が採用されていると、図8の矢印Fのように煙道101を上昇する排ガスの流速によっては、上段側の短尺鋼板122の下端部122bが排ガスにより下方から煽られて下段側の短尺鋼板121の上端部121aとの重なり箇所R2の隙間が拡がり、その隙間から排ガスが漏れ出して漏煙防止作用が損なわれるという事態を生じたり、場合によっては上段側の短尺鋼板122が破損したりするおそれがあった。特に、0.5〜2.0mm程度の厚さの薄肉ステンレス鋼板でなる短尺鋼板121,122が使用されていて、非常用発電機を駆動するガスタービンエンジンやディーゼルエンジンの排ガスのように高速で排気されるという環境下において、上記したような漏煙防止作用が損なわれたり、上段側の短尺鋼板122が破損したりする可能性の大きくなることが知見された。
そこで、漏煙防止作用が損なわれたり、上段側の短尺鋼板122が破損したりするような可能性を無くするための対策として、煙道101の口径を大きくして排ガスの流速を低く抑えることが有効であるとも考えられるけれども、そのようにすると、煙突自体が大形化し、このことにより、建物、特に高層ビルや超高層ビルでは有効床面積が大きく削減されるだけでなく、煙突構築に要するコストも増大するという問題があった。
本考案は以上の状況に鑑みてなされたものであり、四角筒形断熱壁の4つの内面のそれぞれに内張りされている薄肉鋼板を縦方向多段に配備された複数枚の短尺鋼板に分割するという対策を講じることによって、原鋼板の材料ロスをできるだけ少なくしたいという要請に応え得るものでありながら、従来例と同程度の厚さの短尺鋼板を使用した上で運用したとしても、上記したような漏煙防止作用が損なわれたり、上段側の短尺鋼板が破損したりする可能性を無くすることのできる煙突を提供すること、及び、硬質断熱材の水蒸気爆裂現象を未然に防ぐことのできる煙突を提供することを目的としている。
併せて、本考案は、非常用発電機を駆動するガスタービンエンジンやディーゼルエンジンの排ガスにおいて、例えば400〜650℃程度の高温排ガスを20〜40m/secという高速で排気するといったように、煙道の口径を小さく抑えて排ガスの流速を高速で排気する設計にしたとしても上記したような漏煙防止作用が損なわれたり短尺鋼板が破損したりするといった事態を生じにくくして、煙突設置に伴う高層ビルや超高層ビルでの有効床面積の削減量が最少限度に抑えられ、煙突構築に要するコストも削減される煙突を提供することを目的としている。
本考案に係る煙突は、内部空間が煙道を形成している四角筒形断熱壁の4つの内面のそれぞれに薄肉鋼板が内張りされている。そして、薄肉鋼板が縦方向多段に配備された複数枚の短尺鋼板に分割されていると共に、相隣接段に位置する2枚の短尺鋼板において、下段側の短尺鋼板の上端部が上段側の短尺鋼板の下端部に煙道の内側から重ね合わされている、というものである。
この考案によれば、下段側の短尺鋼板の上端部が上段側の短尺鋼板の下端部に煙道の内側から重ね合わされていることにより、煙道を高速で上昇する排ガスによって下段側の短尺鋼板の上端部が下方から煽られて上段側の短尺鋼板の下端部との重なり箇所の隙間が拡がるという事態が生じない。そのため、重なり箇所の隙間から排ガスが漏れ出して漏煙防止作用が損なわれるという事態や短尺鋼板が破損したりするという事態も生じない。
本考案では、下段側の短尺鋼板の上端部と上段側の短尺鋼板の下端部との重なり箇所に、水分の浸入を遮蔽する帯状の耐熱性パッキンが介在され、この耐熱性パッキンが下段側の短尺鋼板の上端部及び上段側の短尺鋼板の下端部のいずれか一方側部位に耐熱性接着剤を用いて接合され、かつ、耐熱性パッキンと他方側部位とが摺動変位可能になっていることが望ましい。これによれば、重なり箇所に介在された耐熱性パッキンの作用によって四角筒形断熱壁の内部に水分が浸入するという事態が防止されるために、水蒸気爆裂現象が発生しなくなる。また、短尺鋼板の熱伸縮も吸収される。
本考案では、下段側の短尺鋼板の幅方向両端部のそれぞれに縦方向に長い押さえ部材が重なり状に配備されていると共に、少なくともこの押さえ部材と短尺鋼板と上記四角筒形断熱壁とを貫通して設置されたボルトとこのボルトにねじ込まれたナットとでなる締結具による締付け作用を介して、上記押さえ部材が下段側の短尺鋼板の上端部を上段側の短尺鋼板の下端部に押し付けるように構成されている、という構成を採用することが可能である。これによれば、重なり箇所の隙間が塞がれやすくなるので、隙間を通して四角筒形断熱壁の内部に水分が浸入するという事態が抑制されて水蒸気爆裂現象が発生しにくくなる。
本考案では、四角筒形断熱壁が、上記薄肉鋼板によって内面が覆われている硬質断熱材とこの硬質断熱材の外側に重ね合わされた軟質断熱材とからなり、軟質断熱材が、硬質断熱材の厚さを薄くして含水に起因する水蒸気爆裂現象を防いだことに伴う硬質断熱材の断熱性能の低下を補足している、という構成を採用することが望ましい。これによれば、仮に硬質断熱材に水分が浸入したとしても、水分が硬質断熱材の内部から蒸散しやすくなって水蒸気爆裂現象が発生しにくくなる。それにもかかわらず、軟質断熱材が、硬質断熱材の厚さを薄くして含水に起因する水蒸気爆裂現象を防いだことに伴う硬質断熱材の断熱性能の低下を補足するために、四角筒形断熱壁の全体としての必要な断熱性は保たれる。
本考案では、硬質断熱材がケイ酸カルシウム板でなり、軟質断熱材がガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバーから選ばれた繊維材でなることが望ましい。特に、硬質断熱材については、耐熱性に顕著に優れるゾノトライト系ケイ酸カルシウム板でなることが望ましい。また、短尺鋼板は薄肉ステンレス鋼板を用いることが、耐久性や耐錆性を高める上で好ましい。
以上のように、本考案に係る煙突は、四角筒形断熱壁の4つの内面のそれぞれに内張りされている薄肉鋼板を縦方向多段に配備された複数枚の短尺鋼板に分割するという対策を講じたことによって、原鋼板の材料ロスをできるだけ少なくしたいという要請に応え得るものである。それにもかかわらず、非常用発電機を駆動するガスタービンエンジンやディーゼルエンジンの排ガスにおいて、例えば400〜650℃程度の高温排ガスを20〜40m/secという高速で排気される設計の環境下で運用したとしても、漏煙防止作用が損なわれたり短尺鋼板が破損したりする可能性が抑制され、また、硬質断熱材の水蒸気爆裂現象が発生するという事態も抑制されるようになる。特に、下段側の短尺鋼板の上端部と上段側の短尺鋼板の下端部との重なり箇所に耐熱性パッキンが介在され、この耐熱性パッキンが下段側の短尺鋼板の上端部及び上段側の短尺鋼板の下端部のいずれか一方側部位に耐熱性接着剤を用いて接合され、かつ、耐熱性パッキンと他方側部位とが摺動変位可能になっている、という構成を採用しておくと、四角筒形断熱壁の内部に水分が浸入するという事態が確実に防止されて水蒸気爆裂現象が発生しなくなり、併せて、短尺鋼板の熱伸縮も吸収されるという利点がある。したがって、煙道の口径を小さく抑えて排ガスの流速を速めたとしても、漏煙防止作用が損なわれたり短尺鋼板が破損したりするといった事態が生じにくくなり、煙突設置に伴う高層ビルや超高層ビルでの有効床面積の削減量を最少限度に抑えることが可能になり、煙突構築に要するコストも削減されるようになる。
本考案の実施形態に係る煙突に用いられる煙突ユニットの横断平面図である。 煙突ユニットに採用されている内張り構造などを説明的に示した図1のII−II線断面図である。 煙突ユニットの一部を破断して示した縦断側面図である。 図3のIV部拡大図であある。 重なり箇所を説明的に示した縦断側面図である。 従来例に係る煙突を説明的に示した横断平面図である。 図6の煙突に採用されている内張り構造を説明的に示した部分縦断側面図である。 図7におけるVII部の拡大図である。
図1は本考案の実施形態に係る煙突に用いられる煙突ユニット10の横断平面図であり、煙突はこの煙突ユニット10を多段に積み上げることによって構成される。図2は煙突ユニットに採用されている内張り構造などを説明的に示した図1のII−II線断面図、図3は煙突ユニット10の一部を破断して示した縦断側面図、図4は図2のIV部拡大図、図5は後述する重なり箇所を説明的に示した縦断側面図である。
図1のように、煙突ユニット10では、内部空間が煙道11を形成している四角筒形断熱壁20の4つの内面のそれぞれに薄肉鋼板30…が内張りされていて、これらの薄肉鋼板30は、煙突ユニット10を積み上げて構成される煙突の4つの内面のそれぞれに内張りされた薄肉鋼板に相当している。同様に、四角筒形断熱壁20も、煙突ユニット10を積み上げて構成される煙突の四角筒形断熱壁に相当している。
四角筒形断熱壁20は、四角筒形の硬質断熱材22とこの硬質断熱材22の外側に重ね合わされた四角筒形の軟質断熱材23とによって形成されていて、硬質断熱材22にはケイ酸カルシウム板、さらに具体的にはゾノトライト系ケイ酸カルシウム板が採用され、軟質断熱材23にはロックウール、セラミックファイバーから選ばれた耐熱性繊維材が採用されている。実施形態では、高耐熱性や高耐久性の点を勘案して耐熱性繊維材としてロックウールが選択されている。
硬質断熱材22は、その厚さによっては、内部に浸入した水分が高温の排ガスによって加熱されると、水分が硬質断熱材22の外部に蒸散することなく内部で沸騰することによって片々に裂けたり飛び散ったりするという所謂水蒸気爆裂現象を発生することがある。そこで、この実施形態では、硬質断熱材22が水蒸気爆裂することを回避するために、硬質断熱材22の厚さを水蒸気爆裂現象を発生しない程度に薄くする一方で、硬質断熱材22の厚さを薄くして含水に起因する水蒸気爆裂現象を防いだことに伴う硬質断熱材22の断熱性能の低下を、硬質断熱材22の外側に軟質断熱材23を配備することによって補足(補完)している。したがって、四角筒形断熱壁20に要求される全体としての断熱性能は充足されている。具体的には、硬質断熱材22の厚さを25〜50mm、軟質断熱材23の厚さを25〜100mm程度に定めている。この構成は、四角筒形断熱壁20の耐熱性能を低下させることなく、重量の重い硬質断熱材22の厚さを薄くして四角筒形断熱壁20を軽量化することにも役立っている。このような四角筒形断熱壁20は、四角筒形の被覆鋼板40によって外側から囲まれている。
一方、図2又は図3によって判るように、四角筒形断熱壁20の4つの内面のそれぞれに内張りされている薄肉鋼板30(図2参照)は、図3に示したように最下段、中間段、最上段の縦方向3段に亘って縦方向で分割されている短尺鋼板31,32,33によって形成されている(図2には短尺鋼板31は示されていない。)。なお、実施形態では煙突ユニット10の長さ寸法Lとして4〜7mを採用している。また、四角筒形断熱壁20の内面の幅寸法W1,W2には500〜3000mmを採用している。
図2及び図3に示した四角筒形断熱壁20の4つの内面のそれぞれに適用されている内張り構造では、縦方向で相隣接段に位置する中間段及び最上段の2枚の短尺鋼板32,33の相互間で、下段側の短尺鋼板32の上端部32aが上段側の短尺鋼板33の下端部33bに煙道11の内側から重ね合わされている。これと同様に、図3に示した縦方向で相隣接段に位置する最下段及び中間段の2枚の短尺鋼板31,32の相互間でも、下段側の短尺鋼板31の上端部31aが上段側の短尺鋼板33の下端部32bに煙道11の内側から重ね合わされている。図2〜図5では、重なり箇所を符号Rで示している。なお、図4に示した2枚の短尺鋼板同士の重なり箇所Rの重なり幅Aは30〜50mmを採用している。
図5に示したように、縦方向で相隣接段に位置する中間段及び最上段の2枚の短尺鋼板32,33の重なり箇所Rには、水分の浸入を遮蔽する帯状の耐熱性パッキン50が介在され、この耐熱性パッキン50が上段側の短尺鋼板33の下端部33bに耐熱性接着剤51を用いて接合されているのに対して、耐熱性パッキン50と下段側の短尺鋼板32の上端部32aとが摺動変位可能になっている。内張り構造としてこの構成を採用したことにより、雨水や薄肉鋼板30の表面に生じた結露水などが、上記重なり箇所Rの隙間を通って硬質断熱材22の内部に浸入するという事態が確実に防止され、硬質断熱材22の内部に浸入した水分が高温の排ガスによって加熱された際に起こり得る硬質断熱材22の水蒸気爆裂現象の発生が未然に防止される。また、短尺鋼板32,33の熱伸縮が、耐熱性パッキン50と下段側の短尺鋼板32の上端部32aとが摺動変位可能になっていることによって吸収される。縦方向で相隣接段に位置する最下段及び中間段の2枚の短尺鋼板31,32の重なり箇所R(図3参照)にも同様の内張り構造が採用されている。
ここでは、耐熱性パッキン50が短尺鋼板33の下端部33bに耐熱性接着剤51を用いて接合されている事例を説明したけれども、この点は、耐熱性パッキン50が下段側の短尺鋼板32の上端部32aに耐熱性接着剤を用いて接合されていてもよく、この場合には、耐熱性パッキン50と上段側の短尺鋼板33の下端部33bとが摺動変位可能とされる。内張り構造に採用されている他の重なり箇所Rも同様の構成になっている。
上記のように構成された煙突ユニット10を積み上げて構成される煙突によると、薄肉鋼板30が、煙道11を上昇する排ガスから四角筒形断熱壁20を遮断することに役立つので、排ガスが煙道11から四角筒形断熱壁20の内部に侵入することが防止され、ひいては、被覆鋼板40による漏煙防止作用とも相まって排ガスが煙道11の外部に漏煙するという事態が防止される。また、薄肉鋼板30や被覆鋼板40は、経時による自然発生的な漏煙は勿論のこと、地震や不本意な大きい振動などの強い外力の負荷や経年劣化などによって硬質断熱材22にクラックが発生したような場合の漏煙を防ぐことにも役立つ。
また、煙突に上記内張り構造を採用したことにより、図3〜図5の矢印Fのように煙道11を上昇する排ガスにより最上段の短尺鋼板33の下端部33bが下方から煽られるという事態や、中間段の短尺鋼板32の下端部32bが下方から煽られるという事態や、最下段の短尺鋼板31の下端部31bが下方から煽られるという事態起こり得ない。したがって、0.5〜2,0mm程度の厚さの薄肉ステンレス鋼板でなる短尺鋼板31,32,33が使用されていて、非常用発電機を駆動するガスタービンエンジンやディーゼルエンジンの排ガスにおいて、例えば400〜650℃程度の高温排ガスが20〜40m/secという高速で排気される煙突の設計の環境下においても、短尺鋼板31,32,33が煽られて重なり箇所Rの隙間が拡がり、その隙間から排ガスが漏れ出して漏煙防止作用が損なわれるという事態を生じたり、短尺鋼板32,33が破損したりするという事態は生じなくなる。他の重なり箇所Rにおいても同様である。
上述したところによって明らかなように、この実施形態においては、四角筒形断熱壁20の任意の1つの内面に内張りされている薄肉鋼板30が、最下段、中間段及び最上段の縦方向3段に亘る3枚の短尺鋼板31,32,33によって形成されている。そして、これらの短尺鋼板31,32,33が、図1又は図2に示した縦方向に長い押さえ部材60と所要数の締結具70とを用いて四角筒形断熱壁20に固定されている。
すなわち、押さえ部材60は、図1及び図2に示したように、最上段に位置した短尺鋼板33の外側端部に重なり状に配備されている。最上段の短尺鋼板33の外側端部では、押さえ部材60、短尺鋼板33の外側端部、四角筒形断熱壁20及び被覆鋼板40に設けられた挿通孔(不図示)に締結具70のボルト71が挿通状態で設置されていると共に、そのボルト71に締結具70のナット72がねじ込まれて締め付けられている。ここで、上記した押さえ部材60は、煙突ユニット10の全長に亘って延びているのであって、中間段や最下段に位置する短尺鋼板32,31も同様の構成によって四角筒形断熱壁20に固定されている。したがって、図2や図3などに示した重なり箇所Rにおいては、中間段の短尺鋼板32の上端部32aや最下段の短尺鋼板31の上端部31aにおける幅方向両端部にも縦方向に長い押さえ部材60…が重なり状に配備されていて、締結具70による締付け作用を介して、押さえ部材60…が中間段の短尺鋼板32の上端部32aや最下段の短尺鋼板31の上端部31aを、それらが重なり合っている短尺鋼板32,33の下端部32b,33bに押し付けていることになる。このため、図2や図3に示した重なり箇所Rにおいては、水分の浸入を遮蔽するという耐熱性パッキン50の作用が確実に発揮されるようになる。また、ここで説明した構成を採用して押さえ部材60…で重なり箇所R…を押し付けておくと、仮に上記した耐熱性パッキン50を省略したとしても、上記重なり箇所Rで隙間が形成されにくくなって水分の浸入が効果的に抑制されることになる。ここでは、四角筒形断熱壁20の任意の1つの内面に内張りされている薄肉鋼板30について説明したけれども、他の3つの内面に内張りされている薄肉鋼板30についても同様である。
この実施形態では、締結具70が、最下段、中間段及び最上段の短尺鋼板31,32,33を四角筒形断熱壁20に固定することに用いられていると共に、押さえ部材60を固定することにも用いられていて、締結具70のボルト71が、押さえ部材60、最上段の短尺鋼板33の内側又は外側の端部、四角筒形断熱壁20、及び、被覆鋼板40のそれぞれを貫通して設置されている。しかしながら、必ずしもボルト71が被覆鋼板40を貫通している必要性はない。すなわち、場合によっては、ナット72が、被覆鋼板40の内側で四角筒形断熱壁20を貫通したボルト71にねじ込まれることもあり得ると考えられるため、この場合には、ボルト71は、押さえ部材60と短尺鋼板33と四角筒形断熱壁20とだけを貫通して設置されることになる。したがって、押さえ部材60で下段側の短尺鋼板の上端部(たとえば短尺鋼板32の上端部32a)を上段側の短尺鋼板の下端部(たとえば短尺鋼板33の下端部33b)に押し付けるように構成するためには、少なくとも押さえ部材60と短尺鋼板33と四角筒形断熱壁20とを貫通して設置されたボルト71とこのボルト71にねじ込まれたナット72とでなる締結具70による締付け作用を介して、押さえ部材60が下段側の短尺鋼板の上端部(たとえば短尺鋼板32の上端部32a)を上段側の短尺鋼板の下端部(たとえば短尺鋼板33の下端部33b)に押し付けるように構成されていればよい、ということになる。
この実施形態では、四角筒形断熱壁20を内張りしている薄肉鋼板30が最下段、中間段、最上段の3枚の短尺鋼板31,32,33に分割されている事例を説明したけれども、薄肉鋼板30が、縦方向2段に配備された2枚の短尺鋼板に分割されていても、縦方向3段よりも多い段数に配備された複数枚の短尺鋼板に分割されていてもよいことは勿論である。
11 煙道
20 四角筒形断熱壁
22 硬質断熱材
23 軟質断熱材
30 薄肉鋼板
31,32,33 短尺鋼板
31a,32a 短尺鋼板の上端部
31b,32b,33b 短尺鋼板の下端部
50 耐熱性パッキン
51 耐熱性接着剤
60 押さえ部材
70 締結具
71 ボルト
72 ナット
R 下段側の短尺鋼板の上端部と上段側の短尺鋼板の下端部との重なり箇所

Claims (6)

  1. 内部空間が煙道を形成している四角筒形断熱壁の4つの内面のそれぞれに薄肉鋼板が内張りされている煙突であって、
    薄肉鋼板が縦方向多段に配備された複数枚の短尺鋼板に分割されていると共に、相隣接段に位置する2枚の短尺鋼板において、下段側の短尺鋼板の上端部が上段側の短尺鋼板の下端部に煙道の内側から重ね合わされていることを特徴とする煙突。
  2. 下段側の短尺鋼板の上端部と上段側の短尺鋼板の下端部との重なり箇所に、水分の浸入を遮蔽する帯状の耐熱性パッキンが介在され、この耐熱性パッキンが下段側の短尺鋼板の上端部及び上段側の短尺鋼板の下端部のいずれか一方側部位に耐熱性接着剤を用いて接合され、かつ、耐熱性パッキンと他方側部位とが摺動変位可能になっている請求項1に記載した煙突。
  3. 下段側の短尺鋼板の幅方向両端部のそれぞれに縦方向に長い押さえ部材が重なり状に配備されていると共に、少なくともこの押さえ部材と短尺鋼板と上記四角筒形断熱壁とを貫通して設置されたボルトとこのボルトにねじ込まれたナットとでなる締結具による締付け作用を介して、上記押さえ部材が下段側の短尺鋼板の上端部を上段側の短尺鋼板の下端部に押し付けるように構成されている請求項1又は請求項2に記載した煙突。
  4. 四角筒形断熱壁が、上記薄肉鋼板によって内面が覆われている硬質断熱材とこの硬質断熱材の外側に重ね合わされた軟質断熱材とからなり、軟質断熱材が、硬質断熱材の厚さを薄くして含水に起因する水蒸気爆裂現象を防いだことに伴う硬質断熱材の断熱性能の低下を補足している請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した煙突。
  5. 硬質断熱材がケイ酸カルシウム板でなり、軟質断熱材がガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバーから選ばれた繊維材でなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載した煙突。
  6. 上記短尺鋼板がステンレス鋼板でなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載した煙突。
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