JP4975933B2 - 9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAから9−デオキソ−8a−アザ−(8a−アルキル)−8a−ホモエリスロマイシンA誘導体を製造する方法 - Google Patents
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Description
【発明の分野】
本発明は、9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAから9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンAおよびその8a−アルキル化誘導体を製造する方法に関するものである。
【0002】
本発明は特に、エリスロマイシン(erythromycine)型のマクロライド抗生物質、特に欧州特許第508,699号の対象である下記一般式で表されるそのアザマクロライド(aza-Macrolide)誘導体に関するものである:
【0003】
【化6】
(ここで、Rは水素原子またはC1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基またはC6−C12アリールスルホニル基であり、これらは必要に応じて置換されていてもよい)
【0004】
【従来の技術】
この化合物はエリスロマイシンAから得られ、その合成法は下記の2つの主要段階から成る:
(1)エリスロマイシンAの9(E)−オキシムから9(Z)−オキシムに異性化し、それを立体特異的ベックマン転位して8a−アザライドマクロサイクルを作り、
(2)4''位のクラディノーズ(cladinose)基を改質して4''(S)−OHを4''(R)−NH2へ変換する。
【0005】
本発明は特にこの合成の第1段階に関するもので、下記の一般式IIの9−(Z)オキシムエリスロマイシンAから9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンA(必要に応じて8aアルキル化されていてもよい)を直接製造する新規な方法に関するものである。
従来の合成法は下記の図で表すことができる:
【0006】
【化7】
【0007】
しかし、この従来法の反応条件は工業的規模で用いることはできない。
すなわち、第1に、従来法の反応条件ではイミド化中間体IIIおよびIVを単離する必要があるが、ピリジンが抑制剤となるため、イミド化中間体を含む反応媒体を水素化ホウ素ナトリウムで直接還元することができない。さらに、この中間体は不安定で、単離時にデハイドレートし易いため、収率が大幅に低下する。
【0008】
また、一般式IVのイミド化物は10位でエピマー化し易いため、生産性はさらに低下する。さらに、従来の還元条件、すなわちエチレングリコールまたはメタノールで調製した水素化ホウ素ナトリウムは一般式IIIのイミド化物に対して効果が十分ではない。
【0009】
従って、従来の実験条件下では上記の2つの段階すなわちベックマン転位の段階と2種のイミド化物を中間単離して水素化ホウ素ナトリウムで還元する段階とで全収率を30%以上にするのは難しい。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記の合成法に代わる効率的な方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決する手段】
本発明の対象は、ピリジンを主溶媒として用いた反応媒体中で、下記一般式II:
【0011】
【化8】
【0012】
の化合物を立体特異的ベックマン転位よって下記一般式IIIおよびIV:
【0013】
【化9】
【0014】
の2つの中間イミド化物を作り、次いで、これらの化合物IIIおよびIVを還元して下記一般式V:
【0015】
【化10】
【0016】
の化合物を製造する方法において、
還元段階において、ベックマン転位反応の媒体中に生成した上記化合物IIIおよびIVを反応媒体から単離せずに、ピリジンとは混和性があるが塩の形の上記イミド化物IIIおよびIVは不溶である炭化水素を用いてピリジンを抽出した後に、十分な量のホウ化水素を直接作用させることを特徴とする方法にある。
【0017】
本発明方法の別の特徴は、還元反応後に生じる一般式Vの化合物を反応媒体から単離せずに、この混合物に十分量のアルキル化剤を添加して混合物中で直接N−アルキル化させて、一般式VIの9−デオキソ−8a−アザ−8a−アルキル−8a−ホモエリスロマイシンAを製造することにある。
【0018】
本発明者達は、中間イミド化合物IIIおよびIVをベックマン転位混合物から予め単離せずに、ピリジンとは混和性があるが3'−ジメチルアミノ基をプロトン化したイミド化物IIIおよびIVは不溶である炭化水素を用いて反応媒体からピリジンを抽出することによって極めて満足のいく収率で上記化合物を還元できるということを偶然に見出した。
【0019】
本発明方法は、反応媒体からイミド化物を抽出する従来法とは逆の方法で、イミド化物を含む転位で得られた残留物をジクロロメタンによって水/ジクロロメタン混合物中で分配抽出する。
驚くべきことに、炭化水素を用いることによってイミド化物IVをほとんど分解せずに混合物からピリジンを抽出除去でき、従って、収率および工業規模での実施に不利なイミド化中間体の単離段階を効果的に省略でき、さらに、水および/または有機溶媒中でアルカリ金属ホウ化水素でイミド化中間体を効率的に還元することができる。本発明方法は、全収率値が30%である従来法に比べて、全収率が著しく向上するという利点がある。
【0020】
本発明者達はさらに、アルデヒドを添加することで、得られた還元化合物を反応媒体中で直接N−アルキル化でき、この還元化合物を単離する必要がないということを見出した。
特にN−メチル化の場合には、上記の欧州特許第508,699号で用いられるエシュヴァイラー−クラーク法のクロロホルムおよび蟻酸を使用しないで済み、さらに、温度および時間の点で単純化された条件下で反応が行われるという利点もある。
以下、本発明の方法を下記の反応式を参照してさらに詳細に説明する:
【0021】
【実施の形態】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
反応方法1では、最初に一般式IIの9−(Z)−オキシムをピリジンベースの媒体中でベックマン転位してイミド化中間体IIIおよびIVを生成する。これらは単離しない。
この転位は塩化スルホニル、好ましくは塩化トシル、塩化ベンゼンスルホニルおよび塩化メシルの中から選択される塩化スルホニルを用いて行う。
【0024】
本発明の好ましい実施例では、一般式IIの9−(Z)−オキシムを無水ピリジン中で固体またはトルエン等の有機溶媒中の溶液の形をした塩化トシルで処理する。塩化トシルの量は一般に9−(Z)−オキシムに対して1〜10当量、好ましくは1.5〜4当量である。上記の有機溶媒は一般に塩化トシルを溶解するのに十分な量で存在する。反応は好ましくは0〜5℃の温度で行う。
【0025】
反応後、反応媒体中に存在するピリジンおよびその他の有機溶媒とは混和性があるが3'位のジメチルアミノ基がプロトン化されたイミド化中間体は不溶である炭化水素を反応媒体中に添加する。この炭化水素は5〜15個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環状の炭化水素の中から選択するのが好ましい。その代表例としてはペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびヘプタンが挙げられる。ヘプタンがより好ましい。
【0026】
次に、反応媒体を静置分離し、ピリジンを含む有機溶媒を含む上側相を除去する。その後、還元反応用の溶媒を残留物に添加する。この還元反応用の溶媒は水および/またはC1−C10アルコール、好ましくはメタノールまたはイソプロパノールから選択される有機溶媒、またはアミド型の溶媒、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド、または環状ウレア型の溶媒、好ましくは1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン(DMPU)または1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン(DMEU)にすることができる。
【0027】
次に、ホウ化水素、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリを添加し、反応温度を好ましくは0〜5℃に維持する。ホウ化水素化物の量は還元される化合物に対して一般に3〜15当量、好ましくは4〜5当量である。
【0028】
反応後、一般式Vのアミンを反応方法1に従って単離するか、反応方法2に従って8a位を直接N−アルキル化する。
アミンVは一般に抽出、洗浄、乾燥操作を含む従来の手順に従って反応媒体から単離できる。
本発明の別の実施例では、一般式Vのアミンを十分量のアルデヒドR'CHO(ここで、R'は水素原子またはC1−C9アルキルまたはC2−C9アルケニル基)を添加して還元用反応媒体中で直接変換させて下記一般式VIIの化合物を製造することができる:
【0029】
【化13】
(ここで、R'は上記定義のもの)
【0030】
アルデヒドとしてはC1−C4アルデヒド、さらに好ましくはホルムアルデヒド、エタナールまたはプロパナールを用いるのが好ましい。
本発明方法のこの実施例では、還元用反応媒体中に含まれるアミンVを単離せずに、この媒体中にホルムアルデヒドを直接添加する。反応温度は−10℃から+30℃である。反応時間は一般に2時間である。
こうして生成した下記一般式VIの8a−N−メチル化アミンは一般に抽出、洗浄、乾燥操作を含む従来の手順に従って反応媒体から単離できる:
【0031】
【化14】
【0032】
従って、本発明方法は、ピリジンベースの媒体中で行われる9−(Z)−オキシムエリスロマイシンAのベックマン転位反応と、その結果生成したイミド化中間体を単離せずにホウ化水素で還元する反応とを連続的に行うことができるという利点がある。
【0033】
本発明方法の別の実施例では、還元用反応媒体中で還元された化合物のアルキル化反応、例えばメチル化を単純化された条件下で直接行うことができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。実験は全て不活性雰囲気下で行う。
【0034】
【実施例】
実施例1
反応方法1による固体塩化トシルの添加と水中での還元による9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンA(V)の製造
アルゴンで不活性化した乾燥した丸底フラスコ中に2gの(9Z)−9−デオキソ−9−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA(2.67mmol)を入れ、次いで、16mlのピリジンを加える。得られた溶液を0℃に冷却した後、1.32gの塩化トシル(6.9mmol、2.6当量)を少しずつ入れる。得られた反応媒体を0℃で1時間半攪拌した後、この温度で20mlのヘプタンを添加する。攪拌を止め、反応媒体を静置分離する。上側相を吸引除去し、再び20mlのヘプタンを攪拌せずに添加し、次いで、上側相を吸引で除去する。
0℃を維持したまま攪拌しながら10mlの蒸留水を添加した後、0.4gの水素化ホウ素ナトリウム(10.5mmol、4当量)を少しずつ添加する。得られた反応媒体を室温に戻し、この温度で1時間攪拌する。次いで、10mlのメタノールを添加し、30分後、反応媒体を2N−塩酸水溶液を用いてpH=3に酸性化する。得られた水相を10mlのジクロロメタンで2回抽出し、有機相を除去した後、水相を2N−水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=11に塩基性化する。20mlのジクロロメタンで2回抽出した後、有機相を合わせて硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧濃縮する。
1.73gの白色固体が得られる。この固体のHPLCで定量した純度は9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンAに対して69%、すなわち定量収率は60%である。
【0035】
実施例2
反応方法1に従ったトルエン中の塩化トシル溶液の加と水/イソプロパノール混合物中での還元による9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンA(V)の製造
アルゴンで不活性化した乾燥した丸底フラスコ中に10gの(9Z)−9−デオキソ−9−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA(13.35mmol)を入れ、次いで、70mlのピリジンを加える。得られた溶液を0℃に冷却した後、6.6gの塩化トシル(34.5mmol、2.6当量)を40mlのトルエン溶液で調製したものを入れる。得られた反応媒体を0℃で1時間半攪拌した後、この温度で80mlのヘプタンを添加する。攪拌を止め、反応媒体を静置分離する。上側相を吸引除去する。
0℃を維持したまま攪拌しながら70mlの蒸留水と30mlのイソプロパノールとを添加した後、2gの水素化ホウ素ナトリウム(53mmol、4当量)を少しずつ添加する。得られた反応媒体を室温に戻し、この温度で1時間攪拌する。次いで、10mlのメタノールを添加し、30分後、反応媒体を2N−塩酸水溶液を用いてpH=3に酸性化する。得られた水相を40mlのジクロロメタンで2回抽出し、有機相を除去した後、水相を2N−水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=11に塩基性化する。40mlのジクロロメタンで2回抽出した後、有機相を合わせて硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧濃縮する。
8.6gの白色固体が得られる。この固体のHPLCで定量した純度は9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンAに対して75.5%すなわち定量収率は65%である。
【0036】
実施例3
反応方法1に従ったトルエン中の塩化トシル溶液の添加とN,N−ジメチルホルムアミド中での還元による9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンA(V)の製造
アルゴンで不活性化した乾燥した丸底フラスコ中に20gの(9Z)−9−デオキソ−9−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA(26.7mmol)を入れ、次いで、160mlのピリジンを加える。得られた溶液を0℃に冷却した後、10.5gの塩化トシル(53.4mmol、2当量)を60mlのトルエン溶液で調製したものを入れる。得られた反応媒体を0℃で1時間半攪拌した後、この温度で260mlのヘプタンを添加する。攪拌を止め、反応媒体を静置分離する。上側相を吸引除去する。
0℃を維持したまま攪拌しながら200mlのDMFを添加した後、4gの水素化ホウ素ナトリウム(106mmol、4当量)を少しずつ添加する。得られた反応媒体を室温に戻し、この温度で1時間攪拌する。次いで、20mlのメタノールを添加し、30分後、反応媒体を2N−塩酸水溶液を用いてpH=3に酸性化する。得られた水相を50mlのジクロロメタンで2回抽出し、有機相を除去した後、水相を2N−水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=11に塩基性化する。100mlのジクロロメタンで2回抽出した後、有機相を合わせて硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧濃縮する。
18.25gの白色固体が得られる。この固体のHPLCで定量した純度は9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンAに対して64.6%、すなわち定量収率は59%である。
【0037】
実施例4
反応方法2に従ったトルエン中の塩化トシル溶液の添加と水/イソプロパノール混合物中での還元による9−デオキソ−8a−アザ−8a−メチル−8a−ホモエリスロマイシンA(VI)の製造
アルゴンで不活性化した乾燥した丸底フラスコ中に20gの(9Z)−9−デオキソ−9−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA(26.7mmol)を入れ、次いで、160mlのピリジンを加える。得られた溶液を0℃に冷却した後、10.5gの塩化トシル(53.4mmol、2当量)を60mlのトルエン溶液で調製したものを入れる。得られた反応媒体を0℃で1時間半攪拌し、次いで、この温度で240mlのヘプタンを添加する。攪拌を止め、反応媒体を静置分離する。上側相を吸引除去する。
0℃に維持したまま攪拌しながら140mlの水と60mlのイソプロパノールとを添加した後、5gの水素化ホウ素ナトリウム(132.5mmol、5当量)を少しずつ添加する。得られた反応媒体を室温に戻し、この温度で1時間攪拌する。
続いて、22.8gの35%水性ホルムアルデヒド(267mmol、10当量)を添加し、この反応媒体を室温で1時間半放置する。次いで、20mlのメタノールを添加し、30分後、反応媒体を2N−塩酸水溶液を用いてpH=3に酸性化する。得られた水相を50mlのジクロロメタンで2回抽出し、有機相を除去し、次いで、水相を2N−水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=11に塩基性化する。100mlの酢酸エチルで2回抽出した後、有機相を合わせて硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧濃縮する。
18.4gの白色固体が得られる。この固体のHPLCで定量した純度は9−デオキソ−8a−アザ−8a−メチル−8a−ホモエリスロマイシンAに対して69%すなわち定量収率は68%である。
【0038】
実施例5
反応方法2に従ったトルエン中の塩化トシル溶液の添加と水/1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン(DMEU)混合物中での還元による9−デオキソ−8a−アザ−8a−メチル−8a−ホモエリスロマイシンA(VI)の製造
アルゴンで不活性化した乾燥した丸底フラスコ中に(9Z)−9−デオキソ−9−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA(150g、0.19mol、純度94%w/w)を入れ、次いで、ピリジン(1089g)を加える。得られた溶液を−10℃に冷却した後、塩化トシル(76.7g、0.4mol、2.1当量)をトルエン溶液(281g)で調製したものを30分かけて入れる。得られた反応媒体を−8〜−4℃で1時間半攪拌し、次いで、この温度でヘプタン(1011g)を添加する。攪拌を止め、反応媒体を静置分離する。上側相を吸引除去する。下側の粘性相を攪拌せずに再度ヘプタン(393g)で希釈する。続いて上側相を吸引除去する。反応媒体をDMEU(140.4g)で希釈した後、この溶液を水(1227g)で調製した水素化ホウ素ナトリウム(49.1g、1.28mol、6.85当量)溶液に添加する。反応媒体を室温に戻し、この温度で2時間攪拌する。続いて、この混合物をメタノール(351.1g)で処理した後、37%水性ホルムアルデヒド(140g、1.73mol、9.2当量)で処理する。この反応媒体を室温で2時間維持する。次いで、反応媒体を36%塩酸水溶液を用いてpH=4に酸性化する。得られた水相をトルエン(355g)で抽出する。次いで水相を30%w/w水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=10に塩基性化する。50℃のトルエンで2回(2×355g)抽出した後、有機相を合わせて50℃の水(322g)で洗浄し、減圧濃縮する。こうして得られた有機相をヘプタンに数回取り、ヘプタン/ピリジン共沸混合物を減圧蒸留して除去する。
151gの白色固体が得られる。この固体のHPLCで定量した純度は9−デオキソ−8a−アザ−8a−メチル−8a−ホモエリスロマイシンAに対して65%すなわち定量収率は60%である。
Claims (16)
- 塩化スルホニルの存在下でピリジンを主溶媒として用いた反応媒体中で立体特異的ベックマン転位によって下記一般式II:
還元段階で、ベックマン転位反応で媒体中に生成した上記化合物IIIおよびIVを反応媒体から単離せずに、ピリジンとは混和性があるが塩の形のイミド化物IIIおよびIVは不溶である5〜15個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環状の炭化水素を用いてピリジンを抽出した後に、十分な量のアルカリ金属ホウ化水素を用いて直接作用させることを特徴とする方法。 - 塩化スルホニルが塩化トシル、塩化ベンゼンスルホニルおよび塩化メシルの中から選択される請求項1に記載の方法。
- 炭化水素がペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびヘプタンから選択される請求項1または2に記載の方法。
- 炭化水素がペンタンである請求項3に記載の方法。
- ベックマン転位用媒体中に存在するピリジンを含む有機溶媒を静置分離で除去する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- ベックマン転位用媒体からピリジン等の有機溶媒を除去した後、その残留物に還元反応用溶媒として水を添加する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- ベックマン転位用媒体からピリジンを含む有機溶媒を除去した後、その残留物に還元反応用溶媒としてC1−C10アルコールまたはC 1 −C 10 アルコーと水との混合物を添加する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- C 1 −C 10 アルコールがメタノールまたはイソプロパノールである請求項7に記載の方法。
- ベックマン転位用媒体からピリジンを含む有機溶媒を除去した後、その残留物に還元反応用溶媒としてアミド溶媒またはアミド溶媒と水との混合物を添加する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- アミド溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドである請求項9に記載の方法。
- ベックマン転位用媒体からピリジンを含む有機溶媒を除去した後、その残留物に還元反応用溶媒として環状ウレア溶媒または環状ウレア溶媒と水との混合物を添加する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 環状ウレア溶媒が1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン(DMPU)または1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン(DMEU)である請求項11に記載の方法。
- 還元反応を水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリを用いて行う請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- アルデヒドとしてC1−C4アルデヒドを用いる請求項14に記載の方法。
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