JP4250335B2 - 光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の製造法 - Google Patents
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Description
本発明における光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体は、医薬品中間体の合成原料として用いられている。例えば、HIVプロテアーゼ阻害剤(特開平4−257554号)、あるいはある種の酵素阻害剤の中間体として利用されている。本発明は、光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の工業的製造法として期待される。
背景技術
これまでに式(3)で示される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の製造法としては、下記のごとき方法が知られている。
▲1▼ 3−置換−3−アミノ−2−オキソ−1−ハロゲノプロパンの2位のケトン部位を還元しハロヒドリン体に誘導した後、塩基で処理し脱ハロゲン化水素させエポキシ体を製造する方法(US−5559256、EP−580402、J.Med.Chem.,37,1758(1994).等)。
▲2▼ 3−置換−3−アミノアルデヒド誘導体にジハロメタン或いはスルホニウムイリドを作用させエポキシ体を製造する方法(WO93/23388、J.Med.Chem.,35,2525(1992)、Tetrahedron Lett.,30,5425(1989)、J.Org.Chem.,50,4615(1985).等)。
▲3▼ 3−置換−3−アミノ−1−プロペン誘導体に過酸を作用させてエポキシ体を製造する方法(WO/9604277、EP−532466、CA−2075666、特開平4−257520、J.Org.Chem.,52,1487(1987).等)。
▲4▼ ピリジン中、3−アミノ−1,2−ジオール誘導体にp−トルエンスルホニルクロリドを作用させ、3−アミノ−2−ヒドロキシトルエンスルホネート誘導体を得、次いでこのスルホネート誘導体に炭酸カリウムあるいは水素化ナトリウムを作用させてエポキシ体を製造する方法(WO97/42180、US5516784)。
しかしながら、これらの方法により工業的に製造を行おうとする時、▲1▼に関しては、原料である3−置換−3−アミノ−2−オキソ−1−ハロゲノプロパンの2位のケトン部位を還元しアルコールに誘導する際、その還元選択性はエリスロ型の立体配置を有するハロヒドリン誘導体が優先的に生成してくるため、スレオ型の立体配置を有する光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体を製造するためには、還元反応で非優先的に生成するスレオ型の立体配置を有するハロヒドリン誘導体を利用しなければならない。
▲2▼に関しては、3−置換−3−アミノアルデヒド誘導体にジハロメタン或いはスルホニウムイリドを作用させる反応は、反応条件或いは3位置換基の種類により生成するエポキシ体のスレオ型およびエリスロ型の生成比が変化する。また、反応系内が強塩基性となるため、原料の3−置換−3−アミノアルデヒド誘導体のラセミ化が起き易い欠点がある。
▲3▼に関しては、3−置換−3−アミノ−1−プロペン誘導体を利用する反応は、このアミノプロペン誘導体またはこの等価体をいかに工業的に安価に製造できるかが重要である。すなわち、3−置換−3−アミノ−1−プロペン誘導体の製造は、アミノアルデヒド体へのWittig反応或いはPeterson脱離反応を利用して製造するが、Wittig反応はラセミ化等の問題があり、また、Peterson脱離反応は、その鍵中間体である2−ヒドロキシ−1−トリアルキルシリル体を製造するために約−65℃以下の反応温度条件を必要とする。またエポキシ化で過酸を使用するため、工業的取り扱いには十分な注意が必要とされる。
▲4▼に関しては、p−トルエンスルホニル化は比較的低温で長時間の反応であること、また、ピリジンを塩基兼溶媒として使用しているため、反応終了後の後処理において抽出、洗浄等の操作を多数回必要とすること、濃縮工程があること、等で大量製造時には時間的および操作的に不便である。
▲1▼〜▲4▼に関していずれの場合も、高純度の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体が単離できていない。
以上のようにスレオ型の立体配置を有する光学活性−3−アミノ−1,2−エポキシ体を、医薬品原料として使用するのに十分な純度で、工業的規模に製造するには必ずしも十分ではなくその改善が要望されている。
発明の開示
我々は、これらの問題について鋭意検討した結果、スルホニル化反応で得られるスルホニル化物を有機相から単離せずにそのまま塩基の存在下でエポキシ化すること、スルホニル化反応液よりスルホニル誘導体を選択的に結晶として析出させること、エポキシ化した後脂肪族炭化水素系溶媒若しくは/および水を使用しエポキシ体を精製することにより工業的に、高純度な光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体を製造することができることを見いだした。すなわち、本発明は次の1〜34に関する。
1.式(1)
(式中のR1は炭素数3〜12の炭化水素残基、R2はアミノ基又は保護されたアミノ基、*3の立体配置がS配置の時、*2の立体配置はR配置、*3の立体配置がR配置の時、*2の立体配置はS配置を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体を有機溶媒中、塩基の存在下でアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物を反応させ、スルホニル化することにより、式(2)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素残基を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体を位置選択的に得、これを有機相から単離することなく、さらに塩基の存在下でエポキシ化することを特徴とする式(3)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示す。)で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の製造法。
2.R1が炭素数3ないし8の炭化水素残基である上記第1項に記載の方法。
3.R1がシクロヘキシル基又はフェニル基である上記第1項に記載の方法。
4.R2がアミノ基又はウレタン形成保護基で保護されたアミノ基である上記第1〜3項に記載のいずれかの方法。
5.R2が置換又は非置換低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基で保護されたアミノ基である上記第4項に記載の方法。
6.R1がシクロヘキシル基又はフェニル基で、R2がtert−ブトキシカルボニルアミノ基又はベンジルオキシカルボニルアミノ基或いはフタルイミノ基である上記第1項に記載の方法。
7.R3が低級アルキル基又は置換フェニル基である上記第1〜6項に記載のいずれかの方法。
8.有機溶媒がエーテル系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒又はハロゲン系溶媒である上記第1〜7項に記載のいずれかの方法。
9.エーテル系溶媒がテトラヒドロフラン、エステル系溶媒が酢酸エチル、芳香族炭化水素系溶媒がトルエン、ハロゲン系溶媒が塩化メチレンである上記第8項に記載の方法。
10.有機溶媒がテトラヒドロフランである上記第8項に記載の方法。
11.式(1)の化合物のスルホニル化に用いる塩基が3級アミンである上記第1〜10項に記載のいずれかの方法。
12.塩基がトリエチルアミンである上記第11項に記載の方法。
13.式(2)の化合物のエポキシ化に用いる塩基がアルカリ金属アルコラートである上記第1〜12項に記載のいずれかの方法。
14.塩基がナトリウムメチラートである上記第13項に記載の方法。
15.式(1)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体を有機溶媒中、塩基の存在下でアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物と反応させ、1級水酸基が位置選択的にスルホニル化されたスルホネート誘導体を反応系内より析出させ、2級水酸基へのスルホニル化を抑制することを特徴とする式(2)
(式中のR1、R2、R3、*2、*3は前記と同じ意味を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体の製造法。
16.上記第15で得られる結晶懸濁液に、さらにエーテル系溶媒又は脂肪族炭化水素系溶媒を注加し結晶析出を増加させることを特徴とする光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体の製造法。
17.有機溶媒がエステル系溶媒とエーテル系溶媒との混合溶媒、エステル系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒、芳香族炭化水素系溶媒とエーテル系溶媒との混合溶媒又は芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒である上記第15又は16項に記載の方法。
18.エステル系溶媒とエーテル系溶媒との混合比、エステル系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合比、芳香族炭化水素系溶媒とエーテル系溶媒との混合比又は芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合比が、各々前者が1容量に対し後者が0.1〜6の割合の容量である上記第15〜17項に記載のいずれかの方法。
19.エステル系溶媒が酢酸エチル、エーテル系溶媒がイソプロピルエーテル、脂肪族炭化水素系溶媒がn−ヘプタン、芳香族炭化水素系溶媒がトルエンである上記第15〜18項に記載のいずれかの方法。
20.エステル系溶媒が酢酸エチル、エーテル系溶媒がイソプロピルエーテルであり、さらに必要により、結晶析出を増加させるために注加する脂肪族炭化水素系溶媒としてn−ヘプタンを使用する、上記第19項に記載の方法。
21.塩基が3級アミンである上記第15項に記載の方法。
22.塩基がトリエチルアミンである上記第21項に記載の方法。
23.上記第15〜22項のいずれかに記載の製造法で得られた光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体を、有機溶媒中塩基の存在下でエポキシ化する式(3)で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の製造法。
24.式(1)
(式中のR1は炭素数3〜12の炭化水素残基、R2はアミノ基又は保護されたアミノ基、*3の立体配置がS配置の時、*2の立体配置はR配置、*3の立体配置がR配置の時、*2の立体配置はS配置を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体を有機溶媒中、塩基の存在下でアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物と反応させ、スルホニル化することにより、式(2)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素残基を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体を位置選択的に得、さらに塩基の存在下でエポキシ化した後、脂肪族炭化水素系溶媒を用いることにより、溶媒に対するエポキシ体と存在する副生成物との溶解度差を利用し、結晶として副生成物の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジスルホネート誘導体を選択的に除くことを特徴とする式(3)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の精製法。
25.光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジスルホネート誘導体を除去した溶液に対し、更に水洗浄を行うことにより式(1)で表されるジオール体を除くことを特徴とする、上記第24項に記載の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の精製法。
26.水洗浄を行った溶液を−30〜35℃の温度に調整することにより、エポキシ体を結晶として取り出すことを特徴とする上記第24項又は第25項に記載の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の精製法。
27.脂肪族炭化水素系溶媒が炭素数5〜10である上記第24項に記載の方法。
28.脂肪族炭化水素系溶媒がn−ヘプタンである上記第24項に記載の方法。
29.式(2)の化合物のエポキシ化をアルカリ金属アルコラートの存在下で行う上記第24項に記載の方法。
30.式(1)
(式中のR1は炭素数3〜12の炭化水素残基、R2はアミノ基又は保護されたアミノ基、*3の立体配置がS配置の時、*2の立体配置はR配置、*3の立体配置がR配置の時、*2の立体配置はS配置を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体を有機溶媒中、塩基の存在下でアルキルスルホニルハロゲン化合物を反応させ、スルホニル化することにより、式(2)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素残基を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−アルキルスルホネート誘導体を位置選択的に得、次いでエポキシ化することを特徴とする式(3)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の製造法。
31.式(1)で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体が光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−カルボン酸アルキルエステルの還元により得られたものである上記第30項に記載の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の製造法。
32.上記第24〜29項のいずれかに記載の精製法で得られた、HPLC面比で純度97%以上で、副生成物の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジスルホネート誘導体をHPLC面比で0.5%以下の濃度で含有する高純度N−保護−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン又はその塩。
33.上記第24〜29項のいずれかに記載の精製法で得られた、HPLC面比で純度97%以上で、N保護−3−アミノ−1,2−ジヒドロキシ−4−フェニルブタンをHPLC面比で0.5%以下の濃度で含有する高純度N−保護−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン又はその塩。
発明を実施するための最良の形態
本発明における式(1)〜(3)のR1で示され名炭素数3〜12好ましくは3〜8の炭化水素残基としては、飽和、不飽和、直鎖状、環状及びそれらの組み合わせのいずれでもよく、具体的にはアルキル基、アリール基、アラルキル基などがあげられる。これらは反応に関与しない置換基を有していてもよい。アルキル基としては炭素数3〜8程度のものがよく、例えばn−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの基があげられ、シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがあげられる。また、アリール基としては、置換または非置換フェニル及び同ナフチル等のアリール骨格の炭素数が6〜10程度のもの、例えば、非置換フェニル、p−トリルなどの低級アルキル置換フェニル、4−メトキシフェニルなどの低級アルコキシ置換フェニル、4−クロロフェニルなどのハロゲン置換フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどの基があげられる。ここで低級アルキルや低級アルコキシの低級とは炭素数1〜8、好ましくは1〜4の基であることを示し、以下も同様の意味を示す。また、アラルキル基としては、前記低級アルキル基上の水素原子を前記アリール基で置換した基が挙げられ、好ましくはトリチル基、ベンジル基等が挙げられる。
また式(1)〜(3)のR2で示される保護されたアミノ基としては特に制限はされない。例えば、その保護基は(1)アシル基、具体的にはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、フタロイル基のような置換又は非置換の低級アルカノイル基、(2)ウレタン形成保護基、例えば第三級ブトキシカルボニル及び第三級アミロキシカルボニル基等のような置換又は非置換の低級アルコキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、のような置換又は非置換のアラルキルオキシカルボニル基、(3)トシル基、ベンゼンスルホニル基等のような置換又は非置換のアリールスルホニル基、(4)トリチル基、ベンジル基等のようなアラルキル基等があげられる。置換された低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基の置換基としてはトリフルオロメチル、ニトロ、ハロゲン、水酸基等が挙げられる。 置換されたアリールスルホニル基の置換基としては、例えばC1〜C4の低級アルキル、トリフルオロメチル、ニトロ、ハロゲン、水酸基等が挙げられる。
最も一般的な保護基は(1)アシル基又は(2)ウレタン形成保護基である。具体的には、好ましくは置換又は非置換の低級アルカノイル基、置換又は非置換の低級アルコキシカルボニル基又は置換又は非置換のアラルキルオキシカルボニル基があげられる。より好ましくはtert−ブトキシカルボニル基とベンジルオキシカルボニル基である。
また式(2)のR3で示される炭素数1〜12の炭化水素残基としては、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチルなどの炭素数1〜8、好ましくは1〜4の低級アルキル基又はアリール基があげられ、アリール基としては前記R1と同様のものがあげられるが、好ましくは低級アルキル置換フェニルがあげられる。
次に本発明の製造法につき詳細に説明する。
式(1)で表されるジオール誘導体の製造は特開平7−179405及び特開平7−215955に準じて行うことができる。すなわち、光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシエステル誘導体を、通常、溶媒に溶解し、適当な還元剤を作用させることにより行うことができる。溶媒は光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシエステル誘導体を溶解するものであれば特に制限はされないが、アルコール類、エーテル類などの極性溶媒が好ましい。還元剤としては、ほう素系還元剤又はアルミニウム系還元剤が用いられるが、例えば、水素化ほう素化合物、水素化アルミニウム化合物、ジボラン等があげられる。好ましくは水素化ほう素アルカリ金属又は水素化ほう素アルカリ土類金属化合物例えば水素化ほう素ナトリウム、水素化ほう素リチウム、水素化ほう素カルシウム、水素化ほう素亜鉛等があげられる。
還元剤の使用量としては、反応基質に対して1〜10当量、好ましくは2〜5当量が良い。添加方法としては、固体のまま加えてもよいし、溶液として加えてもよい。また、入手困難なものについては反応系内で生成させて反応させることもある。
水素化ほう素ナトリウムを用いる場合、反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、またはテトラヒドロフランもしくはそれらの混合溶媒が用いられ、−20℃〜溶媒の還流温度(例えば80℃程度)、好ましくは0〜50℃で反応を行う。
式(1)で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体を有機溶媒中、塩基の存在下でアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物と反応させスルホニル化し、得られる光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体の反応液を水洗浄した後、分液有機相に塩基を加えエポキシ化を行うことにより、式(3)で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体を製造する。
有機溶媒としては、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒が好ましい。具体的に好ましいエーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル等の低級アルキル(C1〜C5)エーテルがあげられ、特にテトラヒドロフランが好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等の低級アルキル(アシル基がC1〜C4、アルコキシ基C1〜C4)エステルがあげられ、特に酢酸エチルが好ましい。芳香族炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等のベンゼン系溶媒(非置換または、C1〜C6低級アルキルまたはハロゲン置換ベンゼンなど)があげられ、特にトルエンが好ましい。ハロゲン系溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム等があげられ、特に塩化メチレンが好ましい。有機溶媒として特に好ましいものとしてはテトラヒドロフランが挙げられる。
スルホニル化で用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリンなどの3級の有機アミン類又は水酸化アルカリ金属例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、などの無機塩基などがあげられる。好ましくはトリエチルアミンを用いる。使用量としては、式(1)で表されるジオール誘導体に対して通常0.9〜3倍当量、好ましくは、1〜1.5倍当量である。用いるアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物としては、例えば、メタンスルホニルクロリド等の低級アルキル(好ましくは炭素数1〜3)スルホニルハロゲン化合物、p−トルエンスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスルホニルクロリドなどの置換基として低級アルキル、ニトロ又は/およびハロゲン等を有するベンゼンスルホニルハロゲン化合物があげられる。アルキルスルホニルハロゲン化合物は安定性等の点から好ましい。本発明においてはメタンスルホニルクロリドが特に好ましい。使用量としては、式(1)で表されるジオール誘導体に対して通常0.9〜3倍当量、好ましくは、1〜1.5倍当量を加え、−20℃〜溶媒の還流温度(例えば80℃程度)、好ましくは0〜60℃で反応を行うのが良い。
反応時間は、原料がほぼ消失すれば終了であるが、通常0.5〜1時間程度である。
スルホニル化反応後の後処理としては反応液を例えば塩基性水溶液又は食塩水などの中性塩水溶液での洗浄が挙げられる。塩基性水溶液としては、例えば、水酸化アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属もしくは炭酸アルカリ金属などの塩基性アルカリ金属化合物の水溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液もしくは炭酸カリウム水溶液、又はアンモニア水溶液などの塩基性無機化合物水溶液があげられる。好ましくは炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで食塩水洗浄した後、分液した有機相をそのままエポキシ化工程へと進める。
エポキシ化で用いる塩基性物質としては、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物などが用いられ、好ましくは、カリウムt−ブチラート、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムエチラートなどのアルカリ金属アルコラート類、ナトリウムまたはカリウム水素化物などのアルカリ金属水素化物類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が用いられる。より好ましくは、有機溶媒に溶解しやすい、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムエチラートなどのアルカリ金属アルコラート類があげられる。それらを用いた場合、反応が短時間で進行する。
塩基性物質の使用量としては、反応基質(式(2)の化合物)に対して1〜10当量、好ましくは1〜3当量を加え、−20〜60℃、好ましくは、−10〜10℃で反応を行うのが良い。
反応後の後処理としては、反応液を希塩酸、希硫酸などの希鉱酸水又はクエン酸水、酢酸などのカルボン酸水溶液で中和し、水層を除去した後、抽出溶媒を留去することにより光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の粗生成物を得ることができる。
上記のようにスルホニル化物を単離することなくそのままエポキシ化工程で使用するのが好ましいが、場合により、有機相からスルホニル化物、すなわち、光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体を反応系内より析出させ、結晶を取り出した後、エポキシ化を行っても良い。この結晶析出方法による場合、スルホニル化の反応は、式(1)で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体を有機溶媒中、塩基の存在下でアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物と反応させることにより行われるが、その際1級水酸基が位置選択的にスルホニル化されたスルホネート誘導体を反応系内より析出させることにより、2級水酸基へのスルホニル化(ジスルホネート体の生成)を抑制しながら行うのが好ましい。更には、該反応液に目的化合物の不溶性溶媒例えば脂肪族炭化水素系溶媒を添加して析出を増加させることにより、式(2)で表される光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体を効率的に製造するのが好ましい。
有機溶媒としては、エステル系溶媒とエーテル系溶媒との混合溶媒、エステル系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒、芳香族炭化水素系溶媒とエーテル系溶媒との混合溶媒又は芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒が好ましい。具体的に好ましいエステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等の低級アルキル(アシル基がC1〜C4、アルコキシ基C1〜C4)エステルがあげられ、特に酢酸エチルが好ましい。エーテル系溶媒としては、イソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等の低級アルキル(C1〜C4)エーテルがあげられ、特にイソプロピルエーテルが好ましい。脂肪族炭化水素系溶媒としてはn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等のC5〜C10の脂肪族炭化水素系溶媒があげられ、特にn−ヘプタンが好ましい。芳香族炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等のベンゼン系溶媒(非置換または、C1〜C6低級アルキルまたはハロゲン置換ベンゼンなど)があげられ、特にトルエンが好ましい。混合溶媒として特に好ましいのは、酢酸エチルとイソプロピルエーテルの混合溶媒である。混合溶媒の混合比は通常容量割合で、エステル系溶媒又は芳香族炭化水素系溶媒が1容量に対して、エーテル系溶媒又は脂肪族炭化水素系溶媒が0.1〜6、好ましくは1〜2倍容量程度である。混合溶媒の使用量としては、ジオール誘導体のモル数に対して、1〜10倍容量程度が好ましい。
スルホニル化で用いる塩基としては前記と同様であり、好ましくはトリエチルアミンを用いる。使用量としては、式(1)で表されるジオール誘導体に対して通常0.9〜3倍当量、好ましくは、1〜1.5倍当量である。用いるアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物としては前記と同様であり、好ましくはメタンスルホニルクロリドを用いる。使用量としては、式(1)で表されるジオール誘導体に対して通常0.9〜3倍当量、好ましくは、1〜1.5倍当量を加え、−20℃〜溶媒の還流温度(例えば80℃程度)、好ましくは0〜60℃で反応を行うのが良い。
反応後の後処理としては、反応液の析出結晶をそのままろ過し、多量の光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体とアミン塩酸塩、及び少量の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジスルホネート誘導体の混合物結晶として得られる。また、この混合物結晶の含有他物質として未反応のジオール誘導体が一部含まれ、2位の水酸基が位置選択的にスルホニル化された光学活性スレオ−3−アミノ−1−ヒドロキシ−2−スルホネート誘導体が微量含まれる。
更に、反応液にエーテル系溶媒又は脂肪族炭化水素系溶媒を加え結晶の析出を増加させた後ろ過し、同様に混合物結晶を得ることができる。エーテル系溶媒としては、イソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等の低級アルキル(C1〜C4)エーテルがあげられ、特にイソプロピルエーテルが好ましい。脂肪族炭化水素系溶媒としてはn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等のC5〜C10の脂肪族炭化水素系溶媒があげられ、特にn−ヘプタンが好ましい。
また前記結晶析出方法の場合には、スルホニル化反応を単独溶媒、例えば、前記したエーテル系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒を用い、好ましくはエステル系溶媒又はエーテル系溶媒、具体的に好ましくは酢酸エチル又はテトラヒドロフラン等で行い、反応終了後、アミン塩酸塩を除くために水洗分液し、得られた有機相へ脂肪族炭化水素系溶媒を加え結晶を析出させることにより、アミン塩酸塩のない混合物結晶を得ることができる。脂肪族炭化水素系溶媒としては前記と同様であり、好ましくはn−ヘプタンを用いる。
結晶で取り出した光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体のエポキシ化は、例えば、有機溶媒に混合物結晶を加え、アミン塩酸塩を含む結晶の場合は水洗浄した後、塩基の存在下に反応させ、縮合閉環することにより行われる。有機溶媒としては、光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体を溶解する溶媒であり、例えば、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒があげられる。具体的に好ましいエステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等の低級アルキル(アシル基がC1〜C4、アルコキシ基C1〜C4)エステルがあげられ、特に酢酸エチルが好ましい。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル等の低級アルキル(C1〜C5)エーテルが挙げられ、特にテトラヒドロフランが好ましい。また芳香族炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等のベンゼン系溶媒(非置換または、C1〜C6低級アルキルまたはハロゲン置換ベンゼンなど)があげられ、特にトルエンが好ましい。ハロゲン系溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム等があげられ、特に塩化メチレンが好ましい。この有機溶媒に上記混合物結晶を加え、水洗浄し、次いで塩基性水溶液、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、アンモニア水溶液などの塩基性無機化合物水溶液があげられるが、好ましくは炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、得られた有機相に塩基性物質を加え、縮合閉環(エポキシ化)することにより行われる。
エポキシ化で用いる塩基性物質としては前記と同様であり、好ましくは、有機溶媒に溶解しやすい、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムエチラートなどのアルカリ金属アルコラート類があげられる。それらを用いた方が反応が短時間で進行する。その使用量としては、反応基質(式(2)の化合物)に対して1〜10当量、好ましくは1〜3当量を加え、−20〜60℃、好ましくは、−10〜10℃で反応を行うのが良い。反応後の後処理としては前記と同様であり、光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の粗生成物を得ることができる。
高純度の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体は、粗生成物に対し脂肪族炭化水素系溶媒を用い、不純物の晶析ろ去、更に必要により、水洗浄等を行うことにより得ることができる。
すなわち、式(1)の化合物をスルホニル化し、次いで式に(2)の化合物を塩基の存在下エポキシ化して得た光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の粗生成物中には副生成物としてスレオ−3−アミノ−1,2−ジスルホネート誘導体が含まれるので、溶解度差を利用して該副生成物を除去する。例えば、粗生成物に脂肪族炭化水素系溶媒を加えることにより、エポキシ体は溶解し、ジスルホネート誘導体は結晶として析出してくるので、ろ過することにより容易にジスルホネート誘導体を系外へ除くことができる。脂肪族炭化水素系溶媒としてはn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等のC5〜C10の脂肪族炭化水素系溶媒があげられ、特にn−ヘプタンが好ましい。その使用量としては、特に制限されないが、エポキシ体(式(3)の化合物)に対して3〜30倍容量、好ましくは5〜15倍容量を加え、0〜80℃、好ましくは15〜50℃で行う。
次に、スレオ−3−アミノ−1,2−ジスルホネート誘導体を除去した溶液に対し、水洗浄を行うことにより残存しているスレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体などを除去するのが好ましい。また、ここでの水洗浄により、ジオール体のみならず有機溶媒中に存在する水溶性副生成物も除去できる。この水洗浄は、場合により複数回行うのが好ましい。
光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体を単離するためには、抽出溶液を濃縮し、物質温度が約40℃以上であると油状物質として、高純度のエポキシ体が得られ、冷却することで結晶として得られるが、好ましくは、操作上取り扱いの容易な結晶として単離する。
結晶化は、抽出溶液のまま、或いは若干濃縮した溶液をゆっくり冷却して、好ましくは、−30〜−5℃まで冷却を行うのが良い。
このようにして単離された該エポキシ体は、従来法では得ることのできなかった純度97%以上(HPLC面比)、更には純度98%以上(HPLC面比)で、副生成物のスレオ−3−アミノ−1,2−ジスルホネート誘導体及びジオール体とも、その含量0.5%以下という高純度品であり、医薬品原料として好適なものである。
本発明における式(1)の化合物としては例えば下記のものがあげられる。
〔1〕N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール
〔2〕N−tert−ブトキシカルボニル−3(R)−アミノ−2(S)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール
〔3〕N−ベンジルオキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール
〔4〕N−ベンジルオキシカルボニル−3(R)−アミノ−2(S)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール
〔5〕N−ベンゾイル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール
〔6〕N−ベンゾイル−3(R)−アミノ−2(S)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール
本発明における式(2)の化合物としては例えば下記のものがあげられる。
〔1〕N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン
〔2〕N−tert−ブトキシカルボニル−3(R)−アミノ−2(S)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン
〔3〕N−ベンジルオキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン
〔4〕N−ベンジルオキシカルボニル−3(R)−アミノ−2(S)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン
〔5〕N−ベンゾイル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン
〔6〕N−ベンゾイル−3(R)−アミノ−2(S)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン
本発明における式(3)のエポキシ体としては例えば下記のものがあげられる。
〔1〕N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン
〔2〕N−tert−ブトキシカルボニル−3(R)−アミノ−1,2(S)−エポキシ−4−フェニルブタン
〔3〕N−ベンジルオキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン
〔4〕N−ベンジルオキシカルボニル−3(R)−アミノ−1,2(S)−エポキシ−4−フェニルブタン
〔5〕N−ベンゾイル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン
〔6〕N−ベンゾイル−3(R)−アミノ−1,2(S)−エポキシ−4−フェニルブタン
次に参考例及び実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。
参考例1
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル99gをエタノール130mlに溶解し、15〜25℃を保ち水素化ほう素ナトリウム15.7gを加え、15〜25℃で2.5時間攪拌した。反応液を水で希釈し、6規定塩酸水を加えpH2.5〜3.5とした後、液量が約半量となるまで溶媒を留去した。次に、酢酸エチルを加え、この液を水、10%食塩水で順次洗浄した。有機相の溶媒を留去し、濃縮液に酢酸エチルを加え冷却し、途中n−ヘプタンを加え、濁っている液に更にn−ヘプタンを加え約10℃で攪拌した。析出している結晶をろ過し、真空乾燥して、N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノールを得た(65.4g)。
〔α〕20D=−33.2°(C=1.0、メタノール)
200MHz 1H NMR (CDCl3)δ;1.40(s,9H),2.59(d,1H),2.91(d,2H),3.02(t,1H),3.40−3.73(m,3H),3.92(m,1H),4.85(d,1H),7.16−7.38(m,5H)
融点 95〜96℃
参考例2
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル154.7gをエタノール300mlに溶解し、5〜15℃を保ち水素化ほう素ナトリウム24.6gを加え、15〜45℃で3時間攪拌した。反応液を冷却し、反応液に3規定塩酸水を加えpH2.5〜3.5とした。この液に水を加えた後、5℃以下まで冷却し結晶を析出させた。析出結晶をろ取し、次いで酢酸エチルに溶解させ、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて洗浄分液し、有機相を10%食塩水で洗浄した。得られた有機相を減圧濃縮して、粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノールを得た。
参考例3
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル85.1kgをエタノール220kgに溶解し、10〜20℃を保ち水素化ほう素ナトリウム13.5kgを加え、15〜45℃で3時間攪拌した。反応液を冷却し、反応液に3規定塩酸水を加えpH2.5〜3.5とした。この液を減圧濃縮後、酢酸エチル及び水を加えて洗浄分液し、有機相を10%食塩水で洗浄した。得られた有機相を減圧濃縮して、粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノールを得た。
実施例1
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノール65.42g(Net.63.38g)を酢酸エチル320mlに溶解し、次いでイソプロピルエーテル320mlを加えた後、氷冷下でメタンスルホニルクロリド28.3gを加え、次にトリエチルアミン25.0gを加え1時間攪拌した。反応液にn−ヘプタンを加え更に1時間攪拌し、析出している結晶をろ過し、真空乾燥して、粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン89.3g(Net.53.7g)を得た。この粗結晶には、トリエチルアミン塩酸塩が含まれ、また、主な各物質の構成比は、ジオール誘導体:2−スルホネート誘導体:1−スルホート誘導体(目的物):1,2−ジスルホネート誘導体=1.3:0.1:95.4:3.2であった。分析サンプルは、粗結晶の一部を酢酸エチルと水で溶解洗浄した後、酢酸エチルとイソプロピルエーテルより再結晶し、精製した。
〔α〕20D=−33.9°(C=1.0、メタノール)
200MHz 1H NMR (CDCl3)δ;1.41(s,9H),2.54(b,1H),2.95(m,2H),3.02(s,3H),3.80(m,1H),3.89(m,1H),4.12−4.30(m,2H),4.90(d,1H),7.17−7.38(m,5H)
融点 102〜108℃
実施例2
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン
参考例3で得られた粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノールを酢酸エチル250kgに溶解し、次いでイソプロピルエーテル230kgを加えた後、20〜30℃でメタンスルホニルクロリド34.7kgを加え、次にトリエチルアミン30.6kgを加え、30〜40℃下で1時間攪拌した。反応液にn−ヘプタンを加え、ゆっくり5℃以下になるまで冷却した。析出している結晶を遠心ろ過し、湿結晶の粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン153.6kg(Net.60.6kg)を得た。
実施例3
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン
参考例3と同様操作によりN−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル340.4kgを水素化ほう素ナトリウムで還元し、得られた粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノールを酢酸エチル988kgに溶解し、15〜0℃でメタンスルホニルクロリド130.7kgを加え、次にトリエチルアミン115.4kgを加え、20〜30℃下で15分間攪拌した。反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄分液し、有機相を10%食塩水で洗浄した。得られた有機相に対しn−ヘプタンを加え、ゆっくり5℃以下になるまで冷却した。析出している結晶をヌッチェろ過し、湿結晶の粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン793kg(Net.368.9kg)を得た。
実施例4
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン(HPLC面比比率、:2−ヒドロキシ−1−スルホネート体:1ヒドロキシ−2−スルホート体:ジオール体:1,2−ジスルホネート体=97.1:0.1:0.4:2.3)50gを酢酸エチル510mlに溶解し、氷冷下で28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液58.2gを加え10分間攪拌した。反応液を水で希釈し、6規定塩酸水を加えpH7とした後、分液し、有機相の溶媒を留去した。濃縮残査にn−ヘプタンを加え、室温下1時間攪拌した後、析出結晶を除去し、ろ液に水を加え、洗浄分液した。有機相に活性炭2gを加え、室温下、1時間攪拌し活性炭を除去した後、ろ液を約−20℃まで冷却した。析出している結晶をろ過し、真空乾燥して、N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン(HPLC面比98.5%)28.8gを得た。ジオール体及び1,2−ジスルホネート体はいずれもHPLC面比0.5%以下であった。
〔α〕20D=−15.9°(C=1.0、メタノール)
200MHz 1H NMR (CDCl3)δ;1.40(s,9H),2.58(m,1H),2.69(t,1H),2.81−3.05(m,3H),4.12(m,1H),4.49(m,1H),7.17−7.38(m,5H)
融点 46〜47℃
実施例5
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン
参考例2で得られた粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノールをテトラヒドロフラン750mlに溶解し、15〜20℃でメタンスルホニルクロリド63.25gを加え、次にトリエチルアミン55.83gを加え、15〜25℃下で1時間攪拌した。反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄分液し、有機相を10%食塩水で洗浄した。得られた有機相に対し、−5〜5℃下で28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液96.5gを加え、0〜10℃下、30分間攪拌した。反応液を水で希釈し、6規定塩酸水を加えpH6.5〜7.5とした後、分液し、有機相の溶媒を留去した。濃縮残査にn−ヘプタンを加え、室温下1時間攪拌した後、析出結晶を除去し、ろ液に水を加え、洗浄分液した。有機相に活性炭1.1gを加え、室温下、30分間攪拌し活性炭を除去した後、ろ液を約−20℃まで冷却した。析出している結晶をろ過し、真空乾燥して、目的物であるN−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン(HPLC面比98.6%)99.46gを得た。目的物のろ液へのロスは、12.3gであった。
ジオール体及び1,2−ジスルホネート体はいずれもHPLC面比0.5%以下であった。
実施例6
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン
実施例2で得られた湿結晶の粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン153.6kgを酢酸エチル370kgに溶解し、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機相に5℃以下で28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液53.1kgを加え30分間攪拌した。反応液を水で希釈し、3規定塩酸水を加えpH6.5〜7.5とした後、分液し、有機相を減圧濃縮した。濃縮残査にn−ヘプタンを加え30〜40℃で1時間攪拌した後、析出結晶を除去し、ろ液に水を加え洗浄分液した。有機相に活性炭0.6kgを加え、室温下、30分間攪拌し活性炭を除去した。ろ液を減圧濃縮し液量約半量とした後、n−ヘプタンを加えその後ゆっくり約−20℃まで冷却した。析出している結晶をろ過し、真空乾燥して、目的物であるN−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン(HPLC面比99.8%)40.1kgを得た。目的物のろ液へのロスは、1.6kgであった。
実施例7
N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン
実施例3で得られた湿結晶の粗N−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−メタンスルホニルオキシブタン793kgを酢酸エチル1482kgに溶解し、5℃以下で28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液245kgを加え30分間攪拌した。反応液を水で希釈し、3規定塩酸水を加えpH6.5〜7.5とした後、分液し、有機相を減圧濃縮した。濃縮残査にn−ヘプタンを加え30〜40℃で1時間攪拌した後、析出結晶を除去し、ろ液に水を加え洗浄分液した。有機相に活性炭2.4kgを加え、室温下、30分間攪拌し活性炭を除去した。ろ液を減圧濃縮し液量約半量とした後、n−ヘプタンを加えその後ゆっくり約−20℃まで冷却した。析出している結晶をろ過し、真空乾燥して、目的物であるN−tert−ブトキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(R)−エポキシ−4−フェニルブタン(HPLC面比99.6%)200.7kgを得た。目的物のろ液へのロスは、10.2kgであった。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、医薬品原料として適する高純度な光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体を、工業的に生産することができる。
Claims (24)
- 式(1)
(式中のR1は炭素数3〜12の炭化水素残基、R2は置換又は非置換の低級アルカノイル基、置換又は非置換の低級アルコキシカルボニル基、若しくは置換又は非置換の低級アラルキルオキシカルボニル基で保護されたアミノ基、*3の立体配置がS配置の時、*2の立体配置はR配置、*3の立体配置がR配置の時、*2の立体配置はS配置を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体をエーテル系溶媒又はエステル系溶媒中、塩基の存在下でアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物を反応させ、スルホニル化することにより、式(2)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素残基を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体を位置選択的に得、これを有機層から単離することなく、さらに塩基の存在下でエポキシ化することを特徴とする式(3)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示す。)で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の製造法。 - R1が炭素数3ないし8の炭化水素残基である請求項1に記載の方法。
- R1がシクロヘキシル基又はフェニル基である請求項1に記載の方法。
- R2が置換又は非置換低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基で保護されたアミノ基である請求項1に記載の方法。
- R1がシクロヘキシル基又はフェニル基で、R2がtert−ブトキシカルボニルアミノ基又はベンジルオキシカルボニルアミノ基或いはフタルイミノ基である請求項1に記載の方法。
- R3が低級アルキル基又は置換フェニル基である請求項1〜5に記載のいずれかの方法。
- エーテル系溶媒がテトラヒドロフラン、エステル系溶媒が酢酸エチルである請求項1に記載の方法。
- スルホニル化をテトラヒドロフラン中で行う請求項1に記載の方法。
- 式(1)の化合物のスルホニル化に用いる塩基が3級アミンである請求項1〜8に記載のいずれかの方法。
- 3級アミンがトリエチルアミンである請求項9に記載の方法。
- 式(2)の化合物のエポキシ化に用いる塩基がアルカリ金属アルコラートである請求項1〜10に記載のいずれかの方法。
- アルカリ金属アルコラートがナトリウムメチラートである請求項11に記載の方法。
- 式(1)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体をエステル系溶媒又はエステル系溶媒とエーテル系溶媒との混合溶媒中、塩基の存在下でアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物と反応させ、1級水酸基が位置選択的にスルホニル化されたスルホネート誘導体とし、次いで、反応液に炭素数5〜10の脂肪族炭化水素溶媒を加え、反応系内より該スルホネート誘導体を析出させることを特徴とする式(2)
(式中のR1、R2、R3、*2、*3は前記と同じ意味を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体の製造法。 - エステル系溶媒とエーテル系溶媒との混合溶媒を用い、かつ、エステル系溶媒とエーテル系溶媒との混合比が前者1容量に対し、後者0.1〜6容量の割合である請求項13に記載の方法。
- エステル系溶媒が酢酸エチル、エーテル系溶媒がイソプロピルエーテルであり、さらに 結晶を析出させるために加える脂肪族炭化水素系溶媒としてn−ヘプタンを使用する、請求項13に記載の方法。
- 塩基が3級アミンである請求項13に記載の方法。
- 塩基がトリエチルアミンである請求項16に記載の方法。
- 請求項13〜17のいずれかに記載の製造法で得られた光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体を、有機溶媒中塩基の存在下でエポキシ化する式(3)で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の製造法。
- 式(1)
(式中のR1は炭素数3〜12の炭化水素残基、R2は置換又は非置換の低級アルカノイル基、置換又は非置換の低級アルコキシカルボニル基、若しくは置換又は非置換の低級アラルキルオキシカルボニル基で保護されたアミノ基、*3の立体配置がS配置の時、*2の立体配置はR配置、*3の立体配置がR配置の時、*2の立体配置はS配置を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジオール誘導体をエステル系溶媒又はエーテル系溶媒中、塩基の存在下でアルキルスルホニルハロゲン化合物又はアリールスルホニルハロゲン化合物と反応させ、スルホニル化することにより、式(2)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を表し、R3は炭素数1〜12の炭化水素残基を示す。)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシスルホネート誘導体を位置選択的に得、さらに塩基の存在下にエステル系又はエーテル系溶媒中でエポキシ化した後、炭素数5〜10の脂肪族炭化水素系溶媒を用いることにより、溶媒に対するエポキシ体と存在する副生成物との溶解度差を利用し、結晶として副生成物の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジスルホネート誘導体を選択的に除くことを特徴とする式(3)
(式中のR1、R2、*2、*3は前記と同じ意味を表す)
で表される光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の精製法。 - 光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−ジスルホネート誘導体を除去した溶液に対し、更に水洗浄を行うことにより式(1)で表されるジオール体を除くことを特徴とする、請求項19に記載の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の精製法。
- 水洗浄を行った溶液を−30〜35℃の温度に調整することにより、エポキシ体を結晶として取り出すことを特徴とする請求項19又は20に記載の光学活性スレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の精製法。
- 脂肪族炭化水素系溶媒がn−ヘプタンである請求項19に記載の方法。
- 式(2)の化合物のエポキシ化をアルカリ金属アルコラートの存在下で行う請求項19に記載の方法。
- エステル系溶媒が酢酸エチルで、エーテル系溶媒がテトラヒドロフランである請求項19に記載の精製法。
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