JP5485138B2 - エチニルチミジン化合物の精製方法 - Google Patents

エチニルチミジン化合物の精製方法 Download PDF

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Description

本発明は、医薬品として有用なエチニルチミジン化合物の精製方法に関し、さらに詳しくは2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の精製方法に関する。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジン(2’,3’−Didehydro−3’−Deoxy−4’−Ethynylthymidine)は、下記式[I]:
Figure 0005485138
で示される化合物(以下、化合物[I]ともいう。)であり、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(Nucleoside Analogue Reverse Transcriptase Inhibitor;NRTI)のひとつである。前記化合物[I]は、エイズ発症の予防薬として期待されている医薬化合物であり、現在市販されている類似医薬品stavudine(2’,3’−Didehydro−3’−Deoxythymidine;d4Tともいう)より優れた活性を示すことが知られている。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンを化学合成法で製造する場合、不純物が含まれているので、純度を高める為には精製が必要であり、その精製方法としてシリカゲルカラムを用いたものが知られている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1記載の方法では、ジアステレオマーが残留する、精製分離に大量のシリカゲルを必要とし、コスト面から工業化が困難である等の問題が生じていた。
米国特許第2004/0167096号公報
本発明は、化学合成された2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩を効率的にかつ工業的有利に精製する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、(1)2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の結晶を晶析させる、または(2)2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒の存在下に、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の結晶を晶析させることにより、極めて簡便に精製された2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の結晶が製造されることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 下記式[I]:
Figure 0005485138
で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の結晶を晶析させることを特徴とする2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の精製方法、
[2] 2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒の存在下に、下記式[I]:
Figure 0005485138
で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の結晶を晶析させることを特徴とする2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の精製方法、
[3] 下記式[III]:
Figure 0005485138
(式中、TBDPSはtert−ブチルジフェニルシリル基を意味する。)
で示される5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのTBDPS基を脱保護し、得られる溶液と吸着剤と接触させたのち、必要に応じて塩析して、再結晶を行うことによって、下記式[I]:
Figure 0005485138
で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を得、次いで、前記2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基とを接触させて、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液を得て、さらに前記2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の結晶を晶析させることを特徴とする2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の精製方法、
[4] 下記式[III]:
Figure 0005485138
(式中、TBDPSはtert−ブチルジフェニルシリル基を意味する。)
で示される5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのTBDPS基を脱保護し、得られる溶液と吸着剤と接触させたのち、必要に応じて塩析して、再結晶を行うことによって、下記式[I]:
Figure 0005485138
で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を得、次いで、前記2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒に溶解させて、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液を得て、さらに、前記2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の結晶を晶析させることを特徴とする2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の精製方法、
[5] 塩基塩が、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の精製方法、
[6] アルカリ金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩またはセシウム塩である前記[5]に記載の精製方法、
[7] アルカリ土類金属塩が、カルシウム塩またはマグネシウム塩である前記[5]に記載の精製方法、
[8] 塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化セシウムである前記[2]〜[4]のいずれかに記載の精製方法、
[9] 2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒が、メタノールを除くアルコール溶媒、ケトン溶媒、エーテル溶媒またはニトリル化合物である前記[1]〜[8]のいずれかに記載の精製方法、
[10] 2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒が、エタノールまたはアセトニトリルである前記[1]〜[8]のいずれかに記載の精製方法、
[11] 下記式[I]:
Figure 0005485138
で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、および
[12] 下記式[I]:
Figure 0005485138
で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのナトリウム塩、
に関する。
本発明の方法によれば、化学合成された2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩を効率的にかつ工業的有利に精製することができる。特に、Rf(Rate of flow value)値が近いジアステレオマー等の不純物も効率的に除去することができるという特長を有する。
以下、本発明を説明する。
本発明の精製方法の第一の態様としては、下記式[I]:
Figure 0005485138
で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の結晶を晶析させる方法が挙げられる。なお、本明細書における塩基塩としては、薬理学的に許容しうる塩基塩であるのが好ましい。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液は、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基とを接触させることにより得ることができる。また、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液は、前記ジアステレオマー塩基塩以外の不純物を含んでいてもよい。本発明に用いる2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。前記アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩等が挙げられ、ナトリウム塩、カリウム塩またはセシウム塩が好ましい。前記アルカリ土類金属塩としては、カルシウム塩、マグネシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等が挙げられ、カルシウム塩またはマグネシウム塩が好ましい。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物の製造方法を説明する。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物の製造では、まず、前記特許文献1に記載に基づいて、下記式[II]:
Figure 0005485138
(式中、Msはメシル基(メタンスルホニル基)を意味し、TBDPSはtert−ブチルジフェニルシリル基を意味する。)
で示される5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−3’−O−メシル−4’−エチニルチミジン(以下、化合物[II]という。)を製造する。次いで、得られた化合物[II]を溶媒に溶解させて溶液とし、該溶液に塩基を添加して化合物[II]を脱メシル化反応させることにより、下記式[III]:
Figure 0005485138
(式中、TBDPSは上記と同一意味を有する。)
で示される5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジン(以下、化合物[III]という。)を得たのち、得られた化合物[III]のTBDPS基を脱保護する。TBDPS基の脱保護は、得られた化合物[III]と塩基とを反応させることにより行うことができる。化合物[III]と塩基との反応によって得られた溶液と吸着剤と接触させ、次いで、必要に応じて塩析したのち、再結晶を行うことによって2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を製造できる。
化合物[II]との反応に用いる塩基としては、アルカリ金属アルコキシド(例えば、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド(=tert−ブトキシナトリウム)等)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、アルキル金属リチウム(例えばn−ブチルリチウム)等が挙げられ、好ましくは、ナトリウムtert−ブトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドである。化合物[III]との接触に用いる塩基としては、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)、アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等)、アルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド(tert−ブトキシナトリウム)等)等が挙げられ、好ましくは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。前記塩基は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。化合物[II]と塩基との反応に用いる塩基の使用量は、化合物[II]1モルに対して、通常1〜10モル程度、好ましくは2〜5モル程度である。化合物[III]と塩基との反応に用いる塩基の使用量は、化合物[III]1モルに対して、通常1〜50モル程度、好ましくは5〜15モル程度である。
化合物[II]と塩基との反応に用いる溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)単独、もしくはDMSOおよびその他の溶媒との混合溶媒である。混合溶媒としてDMSOの使用量を減らすことにより、後処理における分液操作の回数を減らすことができる。その他の溶媒としては、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、ケトン溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等)、エーテル溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)、ニトリル化合物(例えば、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)等が挙げられる。化合物[II]と塩基との反応に用いる前記溶媒の使用量は、化合物[II]に対して、通常1〜100重量倍程度、好ましくは3〜10重量倍程度、さらに好ましくは5〜6重量倍程度である。化合物[II]と塩基との反応時間は、通常0.5〜24時間程度、好ましくは2〜12時間程度である。化合物[II]と塩基との反応時の温度は、通常0〜45℃程度、好ましくは5〜25℃程度である。
化合物[II]と塩基とを反応させる方法としては、特に限定されないが、例えば化合物[II]の溶液に塩基を添加または滴下する方法が挙げられる。
化合物[III]と塩基との反応に用いる溶媒としては、水、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、ケトン溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等)、エーテル溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)、ニトリル化合物(例えば、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられ、好ましくは水またはメタノールである。前記溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。化合物[III]と塩基との反応に用いる前記溶媒の使用量は、化合物[III]に対して、通常2〜100重量倍程度、好ましくは5〜30重量倍程度、さらに好ましくは10〜15重量倍程度である。化合物[III]と塩基との反応時間は、通常0.5〜24時間程度、好ましくは5〜14時間程度である。化合物[III]と塩基との反応時の温度は、通常0〜40℃程度、好ましくは20〜30℃程度である。化合物[III]と塩基との反応時のpHは、通常7〜14程度、好ましくは11〜13程度である。
化合物[III]と塩基とを反応させる方法としては、特に限定されないが、例えば化合物[III]の溶液に上記した塩基を添加または滴下する方法が挙げられる。
前記吸着剤としては、特に限定されず、公知の吸着剤を使用できるが、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジン溶液の溶媒として有機溶媒ではなく水を使用することができるものが好ましい。このような吸着剤としては、例えば、多孔性ポリスチレンおよびその誘導体、多孔性ポリエステルおよびその誘導体、多孔性ポリビニルアルコールおよびその誘導体などの高分子系吸着剤等が挙げられるが、特に好ましくは多孔性ポリスチレンおよびその誘導体の高分子系吸着剤である。多孔性ポリスチレンおよびその誘導体の高分子系吸着剤としては、セパビーズSP207(三菱化学(株))、ダイヤイオンHP20SS(三菱化学(株))等の市販品が挙げられる。前記の吸着剤を採用することにより、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの溶媒として有機溶媒ではなく水を使用することができ、これにより操作の途中で溶媒中の化合物が結晶化するおそれがない。吸着剤の使用量は、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンに対して、通常2〜200重量倍程度、好ましくは20〜50重量倍程度である。
化合物[III]と塩基との反応により得られた溶液と吸着剤とを接触させる方法(以下、吸着処理という)としては、特に限定されないが、例えば化合物[III]と塩基との接触により得られた溶液中に吸着剤を添加する方法、または、前記溶液を、吸着剤を充填したカラム中あるいは吸着剤を担持させた塔の中を通過させる方法等の吸着処理が採用される。化合物[III]と塩基との接触により得られた溶液は、化合物[III]と塩基の反応生成物を水で抽出することによって得てもよく、また、化合物[III]と塩基との反応を水中で行うことによって得られた溶液であってもよい。吸着処理により、非極性不純物を除くことができる。前記吸着処理後、溶媒を用いて溶出し、続いて必要に応じて塩析を行ったのち、再結晶を行う。溶媒としては、水、アルカリ水溶液、極性有機溶媒等が挙げられ、好ましくは水と極性有機溶媒の混合溶媒である。前記アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等の水溶液等を挙げることができる。前記極性有機溶媒としては、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、ケトン溶媒(例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン等)、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等)、ニトリル化合物(例えば、アセトニトリル等)、アミド類化合物(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等)、エーテル溶媒(テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル等)、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
吸着処理時間は、通常1〜24時間程度、好ましくは5〜15時間程度である。吸着処理時の温度は、通常0〜45℃程度、好ましくは5〜25℃程度である。吸着処理時のpHは、通常1〜14程度、好ましくは3〜9程度である。
前記塩析を行う場合、塩析は、吸着剤から溶出して得た溶液に、無機塩を加えることにより、実施できる。無機塩としては、水溶性の塩であれば特に限定されず、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられ、アルカリ金属塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属塩としては、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、硫酸マグネシウム、リン酸カルシウム等が挙げられ、アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等が挙げられ、これらを1種または2種以上用いる。塩析により極性不純物を除くことができる。塩析は任意に行うことができ、塩析を行う場合、添加する無機塩の使用量は、反応溶液に対して、通常0.01〜1重量倍程度、好ましくは0.25〜0.35重量倍程度である。塩析時のpHは、通常1〜9程度、好ましくは2〜4程度である。塩析時の温度は、通常−10〜50℃程度、好ましくは0〜35℃程度である。
再結晶は公知の方法を用いて行うことができ、特に限定はされないが、再結晶に用いる溶媒としては、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、ケトン溶媒(例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン等)、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等)、ニトリル化合物(例えば、アセトニトリル等)、アミド類化合物(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル等)、炭化水素系溶媒(例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
上記のようにして、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を得る。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基との接触に用いる塩基としては、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)、アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等)、アルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド(tert−ブトキシナトリウム)等)等が挙げられ、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化セシウムである。前記塩基は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基との接触に用いる塩基の使用量は、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物1モルに対して、通常0.3〜1.5モル程度、好ましくは0.8〜1.1モル程度である。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基との接触に用いる溶媒は、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が易溶性である溶媒(以下、易溶性の溶媒と略称する。)であり、例えば、水、メタノール等が挙げられる。前記溶媒は、単独で用いてもよいし、後述する2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒を含む2種以上を混合して用いてもよい。2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基との接触に用いる前記溶媒の使用量は、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物に対して、通常0.3〜30重量倍程度、好ましくは0.5〜10重量倍程度、さらに好ましくは1〜2重量倍程度である。2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基との接触時間は、通常10秒〜10分間程度、好ましくは1〜2分間程度である。2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基との接触時の温度は、通常10〜60℃程度(溶解しずらい場合は、少し加熱する)、好ましくは20〜30℃程度である。2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基との接触時のpHは、7〜13程度、好ましくは10〜12程度である。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基とを接触させる方法としては、特に限定されないが、例えば塩基の溶液に2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を添加する方法が挙げられる。
上記のようにして、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液を得る。
本発明に用いる2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒(以下、難溶性の溶媒と略称する。)としては、例えばメタノールを除くアルコール溶媒(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等)ケトン溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等)、エーテル溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)、ニトリル化合物(例えば、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)等が挙げられ、好ましくはエタノールまたはアセトニトリルである。これらを1種または2種以上用いる。精製の効果は難溶性の溶媒と易溶性の溶媒の比率に大きく左右される。すなわち難溶性溶媒の比率が大きくなると、収率は向上するが純度は低下する。逆に難溶性溶媒の比率が小さくなると、収率は低下するが純度は向上する。また同比率の場合、溶媒量が少なくなると結晶を熟成させるときに攪拌が困難となり、収率が若干向上するものの純度が低下するため、前記難溶性の溶媒の使用量は、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンに対して、通常5〜200重量倍程度、好ましくは20〜100重量倍程度、さらに好ましくは40〜80重量倍程度である。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と前記難溶性の溶媒とを接触させる方法としては、特に限定されないが、例えば前記難溶性の溶媒に2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液を滴下し、懸濁する方法が挙げられる。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液に用いる水の使用量は、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩と水との重量比が、通常1:1〜1:5程度、好ましくは1:2〜1:4程度である。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と前記難溶性の溶媒との接触時間は、通常1分〜90分間程度、好ましくは10分〜40分間程度である。接触処理は、2段階に分けることが好ましく、例えば前記難溶性の溶媒に2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液を滴下する場合、最初に、接触に用いる前記難溶性の溶媒の全量の約1/3量に、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液を滴下、懸濁して、得られた懸濁液を通常0.5〜1.5時間程度攪拌するのが好ましい。次に、残りの約2/3量の前記難溶性の溶媒を前記懸濁液に滴下して、さらに1〜24時間程度攪拌するのが好ましい。懸濁液の攪拌状態が良くなり、純度もさらに向上するため、接触処理は2段階に分けて行うのが好ましい。2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と前記難溶性の溶媒の接触時の温度は、通常−20〜100℃程度、好ましくは0〜30℃程度である。2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と前記難溶性の溶媒の接触時のpHは、7〜14程度、好ましくは10〜12程度である。
上記の接触処理により2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の結晶化は起こるが、該塩基塩結晶を熟成させるために、上記の接触処理により得られた懸濁液を冷却してもよい。また、必要に応じて、上記の接触処理に続いて、前記塩基塩を公知の方法(例えば、濾過等)により回収したのち、得られた該塩基塩と酸とを接触させてフリー体(塩を形成していない化合物)として結晶化させてもよく、カラム精製、再結晶等を行ってもよい。前記した酸としては、特に限定されず、例えば塩酸等を用いることができる。
結晶の熟成時間は特に限定されず、1〜24時間程度が好ましい。懸濁液の冷却温度は−10〜40℃程度、好ましくは0〜30℃程度まで冷却したほうがよい。上記冷却時または冷却後には、溶液を撹拌してもよい。冷却後に溶液を撹拌する場合には、撹拌時間は特に限定されず、例えば、1〜100時間程度である。
結晶の取出し方法については、それ自体公知の方法(例えば、濾過、洗浄、乾燥等)を行なうことで得ることができる。これら一連の操作は、常圧、減圧、加圧あるいは空気中、不活性ガス中いずれの場合においても実施可能である。
本発明の精製方法の第二の態様としては、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒の存在下に、下記式[I]:
Figure 0005485138
で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩の結晶を晶析させる方法が挙げられる。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液は、前記の2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒(以下、難溶性の溶媒と略称する。)または前記易溶性溶媒(例えば、水、エタノール等)に2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を加えることにより得ることができる。前記難溶性あるいは易溶性溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液は、前記ジアステレオマー以外の不純物を含んでいてもよい。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と接触させる塩基としては、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)、アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等)、アルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド等)等が挙げられ、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化セシウムである。前記塩基は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。塩基の使用量は、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジン1モルに対して、通常0.5〜2モル程度、好ましくは0.8〜1.2モル程度である。
前記難溶性の溶媒の存在下に、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基とを接触させる方法としては、特に限定されないが、例えば前記難溶性の溶媒の存在下に、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液中に、塩基を添加または滴下する方法が挙げられる。具体的には、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液中に、塩基をそのままもしくは塩基が溶解する溶媒(例えば水、易溶性または前記難溶性の溶媒等)に溶解して、添加もしくは滴下する方法が挙げられる。
水および前記難溶性あるいは易溶性溶媒に、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を溶解して2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液を得た場合、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液に用いる2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と水との重量比は、通常1:1〜1:5程度、好ましくは1:2〜1:4程度である。
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基の接触時間は、通常1〜120分間程度、好ましくは5〜30分間程度である。2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基の接触時の温度は、通常−10〜100℃程度、好ましくは0〜30℃程度である。2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基の接触時のpHは、通常7〜14程度、好ましくは10〜12程度である。
上記の接触処理により、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の結晶化は起こるが、該塩基塩結晶を熟成させるために、上記の接触処理により得られた懸濁液を冷却してもよい。また、必要に応じて、上記の接触処理に続いて、前記塩基塩を公知の方法(例えば、濾過等)により回収したのち、得られた該塩基塩と酸とを接触させてフリー体として結晶化させてもよく、カラム精製、再結晶等を行ってもよい。前記した酸としては、特に限定されず、例えば塩酸等を用いることができる。
結晶の熟成時間は特に限定されず、1〜24時間程度が好ましい。懸濁液の冷却温度は−10〜40℃程度、好ましくは0〜30℃程度まで冷却したほうがよい。上記冷却時または冷却後には、溶液を撹拌してもよい。冷却後に溶液を撹拌する場合には、撹拌時間は特に限定されず、例えば、1〜100時間程度である。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、%は特に指定しない限り、重量%を意味する。
[製造例]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの製造
特許文献1の記載に基づいて、下記式[II]:
Figure 0005485138
(式中、Msはメシル基(メタンスルホニル基)を意味し、TBDPSはtert−ブチルジフェニルシリル基を意味する。)
で示される5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−3’−O−メシル−4’−エチニルチミジン(以下、化合物[II]という。)を製造した。得られた該化合物[II](17.3kg,41.2mol)をアセトニトリル(CHCN)87Lおよびジメチルスルホキシド(DMSO)8.7Lに溶解させたのち、室温にて、tert−ブトキシナトリウム7.9kg(82.2mol,2.00eq)を添加した。次いで、攪拌し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて反応の進行を確認しながらtert−ブトキシナトリウム2.0kg(20.8mol、0.500eq)を6回追加した。tert−ブトキシナトリウムの6回目の追加から30分間攪拌した後、得られた溶液にメタノール54Lおよび水酸化ナトリウム(粒状)14.0kgを蒸留水35Lに溶解した溶液を添加し、反応1時間後から適宜サンプリングし、13時間後に反応の終了をHPLCにて確認したのち、6N塩酸を適量加え、pH7とした。次いで、減圧濃縮し、水酸化ナトリウム(粒状)1.03kgを蒸留水26Lに溶解した1mol/L水酸化ナトリウム水溶液およびトルエン76Lを添加し、攪拌後同温にて分液した。目的物は水層(水層Aとする)に存在するため有機層は廃棄した。
<カラム精製>
セパビーズSP207(製品名;三菱化学(株)製;以下、SP207という。)103.8kgを蒸留水104Lに懸濁させてカラムに充填した。続いてメタノール657LをSV(Space Velocity:空間速度)=1〜2で通液し、蒸留水657Lでカラム中のメタノールを洗い流した。室温にて前記水層Aにカラムより取り出したSP207 17.3kgを添加した。攪拌しながら白塩酸11.2kgを蒸留水10Lに溶解した6mol/L塩酸水溶液を適量加えてpH7とした。得られた溶液およびSP207をカラムに供し、SV=1〜2で通液した。蒸留水363LをSV=1〜2で通液後、蒸留水595Lとアセトニトリル149Lを混合した20%アセトニトリル水溶液744LをSV=1〜2で通液し、1フラクション42Lずつ計18フラクション採取した。フラクション10〜14を合わせ、フラクションの混合液を約150Lまで減圧濃縮し、濃縮液を得た。
<塩析>
前記濃縮液に室温にて1N塩酸を適量加え、pH2.5〜3.5とした。食塩43.6kg(0.33w/v vs液量)を加え、同温にて2時間攪拌した。析出した湿晶をろ過し、食塩7.9kgを蒸留水24Lに溶解した食塩水で洗浄し湿晶を得た。
<再結晶>
得られた湿晶を酢酸エチル100Lに懸濁させ、さらに蒸留水100Lを添加し撹拌して結晶を溶解した。室温にて、食塩33.3kgを添加し撹拌して溶解した。得られた溶液を分液し、水層をさらに酢酸エチル100Lで2回抽出した。有機層を合わせて硫酸マグネシウム(無水)5.8kgを添加し、同温で1時間以上攪拌した。硫酸マグネシウムをろ過し、酢酸エチル50Lで洗浄した後、100L以下まで減圧濃縮し、エタノール100Lを加えた。さらに、100L以下まで減圧濃縮し、エタノール100Lを加えた(2回繰り返した)。減圧濃縮し、液量を50Lとした。室温まで冷却し、1時間攪拌した。窒素雰囲気下でヘプタン500Lを30分かけて滴下した。65℃程度まで加温し、1時間攪拌した。室温まで冷却し、90分撹拌した。結晶を遠心分離し、n−ヘプタン25Lで洗浄した。湿晶を取り出し、外温50℃で20時間減圧乾燥して2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物3.16kgを得た(収率42.9% vs 化合物[II]重量)。
[実施例1]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのナトリウム塩の精製
製造例で得た2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物(以下、精製前TKDとも略称する。)2.50gを1.5N NaOH6.7mlに溶解し(pH=11.68)、アセトニトリル(CHCN)50ml中に10分間かけて滴下した。得られた懸濁液を30分間攪拌後、前記懸濁液にアセトニトリル75mlを10分間かけて滴下した。続いて、得られた懸濁液を4時間攪拌後、アセトニトリル25mlを10分間かけて滴下した。さらに18時間攪拌後、懸濁液を10℃以下まで冷却し、4時間攪拌したのち、ろ過して(2.3℃)、アセトニトリル20mlで洗浄した。2日間自然乾燥して淡褐色粉末結晶2.69gを得た(母洗液の定量値は0.116g)。融点200−207℃(decomp.)。得られた表題化合物の純度は99.12%であった。結果を表1に示す。
表1中、RRT(Ratio of retention time)はHPLC上での相対保持時間(単位:分)を意味し、ukは、構造未知の不純物を意味する。
(物性データ)
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのナトリウム塩:
H−NMR(DMSO−d)δ1.64(d,3H),3.55(s,1H),3.56 and 3.64(ABq, 2H),5.48(br,1H),5.95(dd,1H),6.23(dd,1H),7.02(dd,1H),7.20(d,1H)
IR(KBr)cm−1 3276, 2919, 1701, 1663, 1607, 1533, 1469, 1378, 1354, 1306, 1240, 1115, 1068, 978, 888, 835, 786, 730, 668, 599, 551, 520, 492, 484, 455, 449, 418.
Figure 0005485138
[実施例2]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの精製
製造例で得た精製前TKD5.00gを1.5N NaOH 13.4mlに溶解し(pH=11.73)、アセトニトリル(CHCN)100ml中に10分間かけて滴下した。3時間攪拌後、アセトニトリル200mlを20分間かけて滴下した。16時間攪拌後、結晶をろ過してアセトニトリル15mlで洗浄した。湿晶5.65gを得たのち、該湿晶に蒸留水を加えて全量50mlとした。この溶液をHPLCで定量したところ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジン4.39gであった(母洗液の定量値は0.279g)。
<カラム精製>
得られた2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンナトリウム水溶液25mlに適当量の6N HClを加えてpH6.5とした(結晶が析出した)。得られた溶液の上澄みを、ダイヤイオンHP20SS(製品名;三菱化学(株)製;以下、HP20SSという。)50g(蒸留水に懸濁させ、カラムに詰めてメタノール300ml、蒸留水300mlの順に流した)を詰めたカラムに供した。上澄みを使用して残った結晶に蒸留水50mlを加えて加熱溶解し、カラムに供した。蒸留水150mlをカラムに通液し、次に10%アセトニトリル650mlをカラムに通液し、1フラクション50mlずつ採取した。フラクション3〜13を混合し、355mlまで濃縮し、濃縮液を得た。
<再結晶>
前記濃縮液に食塩117gを加えて溶解した。得られた懸濁液に酢酸エチル150mlを添加して抽出を行い、有機層を分取した(4回繰り返した)。得られた有機層を合わせて、硫酸マグネシウム10gを添加し、攪拌した。硫酸マグネシウムをろ過し、酢酸エチル20mlで洗浄した。50ml以下まで濃縮し、エタノール50mlを添加した(3回繰り返した)。濃縮して25mlにし、1時間攪拌した。ヘプタン250mlを20分間かけて滴下し、65℃程度まで加熱した。1時間攪拌後、室温まで冷却し、1時間攪拌した。結晶をろ過してヘプタン12.5mlで洗浄し、4時間真空乾燥して表題化合物の白色粉末結晶2.045g(回収率81.8% vs 精製前TKD重量)を得た。再結晶後の表題化合物の純度は99.85%であった。結果を表2に示す。
Figure 0005485138
表中、RRTおよびukは前記と同一意味を有する。
上記の結果から、ジアステレオマーが高効率に除去されていることが確認された。
[実施例3]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのナトリウム塩の精製
製造例で得た精製前TKD1.00gを3.0N NaOH1.34mlおよびアセトニトリル1mlの混合液に溶解した。得られた溶液を1分間かけてアセトニトリル9ml中に滴下した。室温で10分間攪拌後、蒸留水0.3mlを添加した。35分間攪拌後、4分間かけてアセトニトリル20mlを添加した。17時間攪拌後、結晶をろ過して、アセトニトリル5mlで洗浄した。得られた湿晶に蒸留水を加えて全量50mlとした(不溶物が少しあり)。この水溶液の2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジン含量を定量したところ744mgであった(母洗液の定量値は111mg)。得られた表題化合物の純度は99.18%であった。結果を表3に示す。
Figure 0005485138
表中、RRTおよびukは前記と同一意味を有する。
[実施例4]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのナトリウム塩の精製
製造例で得た精製前TKD 1.00gを3.0N NaOH1.34mlおよびアセトニトリル1mlの混合液に溶解した。得られた溶液を6分間かけて、60℃程度に加熱したアセトニトリル9ml中に滴下した。得られた懸濁液を同温にて1時間攪拌した後、前記溶液に60℃程度にて30分間かけてアセトニトリル20mlを添加した。さらに、同温にて前記溶液を70分間攪拌後、30℃以下まで冷却して16時間攪拌した。結晶をろ過して、アセトニトリル5mlで洗浄した。得られた湿晶に蒸留水を加えて全量50mlとした(不溶物が少しあり)。この水溶液の2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジン含量を定量したところ835mgであった(母洗液の定量値は84.5mg)。得られた表題化合物の純度は98.89%であった。結果を表4に示す。
Figure 0005485138
表中、RRTおよびukは前記と同一意味を有する。
[実施例5]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのナトリウム塩の精製
前記実施例の手法に従って得られる母洗液にはジアステレオマーが多く含まれるため、該母洗液を回収し、晶析を繰り返してジアステレオマー比の高い精製前TKDを得た。得られたジアステレオマー比の高い精製前TKD1.80gを3.0N NaOH2.4mlおよび蒸留水2.4mlの溶液に溶解した。得られた溶液をアセトニトリル36ml中に滴下し、加熱して溶解し、さらにアセトニトリル36mlを加えて結晶を析出させた後、75℃付近にて20分間加熱し、放冷した。得られた懸濁液を室温で1時間攪拌後、結晶をろ過してアセトニトリル10mlで洗浄した。4日間自然乾燥して白色粉末結晶1.74gを得た。上記精製操作をさらにもういちど繰り返した。この2回の精製を行った後に得られた表題化合物の純度は99.74%であった。結果を表5に示す。
Figure 0005485138
表中、RRTおよびukは前記と同一意味を有し、N.D.は検出不可を意味する。
[実施例6]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのナトリウム塩の精製
製造例で得た精製前TKD1.05gを3.0N NaOH1.4mlおよび蒸留水1.4mlの溶液に溶解した。得られた溶液を室温にてアセトニトリル21ml中に滴下し、1.5時間攪拌後、さらにアセトニトリル21mlを加えた。結晶の析出した懸濁液を5時間攪拌後、ろ過してアセトニトリル10mlで洗浄した。4日間自然乾燥して白色粉末結晶969mgを得た。得られた表題化合物の純度は99.88%であった。結果を表6に示す。
Figure 0005485138
表中、RRT、ukおよびN.D.は前記と同一意味を有する。
[実施例7]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのカリウム塩の精製
エタノール50mlに製造例で得た精製前TKD2.48gを添加し、約70℃まで加熱して溶解した。得られた溶液に50.8℃にて1M 水酸化カリウム/エタノール10mlを添加し、室温まで冷却した(45℃くらいで結晶が析出)。結晶の析出した懸濁液を30℃以下まで冷却してから約1時間攪拌した。ろ過して適量のエタノールで洗浄し、自然乾燥して白色粉末結晶1.49gを得た。融点 192−198℃(decomp.)。得られた表題化合物の純度は98.09%であった。結果を表7に示す。
(物性データ)
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのカリウム塩:
H−NMR(DMSO−d)δ1.63(d,3H),3.55(s,1H),3.56 and 3.65(ABq, 2H),5.94(dd,1H),6.24(dd,1H),6.98(dd,1H),7.22(d,1H)
IR(KBr)cm−1 3278, 2919, 2854, 1663, 1608, 1509, 1468, 1378, 1352, 1301, 1237, 1112, 1069, 1015, 976, 888, 835, 787, 759, 729, 668, 596, 501, 462, 457, 416.
Figure 0005485138
表中、RRTおよびukは前記と同一意味を有する。
[実施例8]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのカリウム塩の精製
アセトニトリル25mlに製造例で得た精製前TKD1.24gを添加し、約70℃まで加熱して溶解した。得られた溶液に約45℃にて1M 水酸化カリウム/エタノール5mlを添加し(滴下してすぐに結晶が析出)、室温まで冷却した。この懸濁液を室温まで冷却してから約30分間攪拌し、ろ過して適量のアセトニトリルで洗浄し、自然乾燥して白色粉末結晶1.35gを得た。得られた表題化合物の純度は98.56%であった。結果を表8に示す。
Figure 0005485138
表中、RRTおよびukは前記と同一意味を有する。
[実施例9]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのカリウム塩の精製
製造例で得た精製前TKD2.50gをアセトニトリル250mlに添加し、約70℃まで加熱して溶解させたのち、水酸化カリウム535mg/メタノール15mlを6分間かけて滴下した。結晶の析出した懸濁液を約65℃で約1時間攪拌したのち、25℃程度まで冷却し、約1時間攪拌した。前記懸濁液をろ過して、アセトニトリル20mlで洗浄し、15時間自然乾燥して淡褐色粉末結晶2.44gを得た。結果を表9に示す。
Figure 0005485138
表中、RRTおよびukは前記と同一意味を有する。
[実施例10]
2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのセシウム塩の精製
製造例で得た精製前TKD1.00gをアセトニトリル30mlに溶解し、得られた溶液にCsOH604mg/メタノール3mlを滴下した。1時間攪拌後、結晶をろ過し、適量のアセトニトリルで洗浄し、自然乾燥して淡褐色粉末結晶915mgを得た。得られた表題化合物の純度は99.67%であった。結果を表10に示す。
Figure 0005485138
表中、RRT、ukおよびN.D.は前記と同一意味を有する。
[参考例1]
製造例で得た精製前TKD1.00gに蒸留水25mlを加えて加熱溶解し、食塩8.25gを加えた(すぐに結晶が析出)。室温まで放冷し、3時間攪拌した。結晶をろ過して食塩1.65g/蒸留水5mlで洗浄した。18時間自然乾燥して淡褐色粉末結晶920mgを得た。結果を表11に示す。
Figure 0005485138
表中、RRTおよびukは前記と同一意味を有する。
上記の結果から、本発明の精製方法を用いずに、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンを塩を形成させることなく通常の再結晶法で精製した場合にはジアステレオマーの除去効果はほとんどないことがわかった。
[参考例2]
製造例で得た精製前TKD1.00gに酢酸エチル30mlを加えて56.2℃まで加熱し(完全に溶解せず、ごく少量の溶け残りがある)、33分間かけてトルエン120mlを滴下した。滴下終了後、30℃以下まで冷却し、結晶をろ過した。ヘプタン10mlで洗浄し、50℃で10時間真空乾燥して淡褐色粉末結晶794mgを得た。結果を表12に示す。
Figure 0005485138
[参考例3]
製造例で得た精製前TKD2.00gにエタノール20mlを加え、67℃まで加熱して結晶を溶解し、成り行き室温で冷却した(約40℃で結晶が析出)。22℃で45分間かけてヘプタン200mlを滴下し、60〜70℃まで加熱して1時間攪拌した。30℃以下まで冷却し、90分間攪拌し、結晶をろ過した。ヘプタン10mlで洗浄し、45℃で14時間真空乾燥して淡褐色粉末結晶1.848gを得た。結果を表13に示す。
Figure 0005485138
上記結果より、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンは塩基塩とせず、通常の再結晶法で結晶化させた場合にはジアステレオマーの除去効果はほとんどないことが確認された。
以上の結果から、本発明の精製方法によれば、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩を効率的に精製できることが確認された。
本発明によれば、医薬として有用な2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンまたはその塩基塩を効率的にかつ工業的有利に精製する方法を提供することができる。

Claims (9)

  1. 下記式[I]:
    Figure 0005485138
    で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の結晶を晶析させ、ジアステレオマーを除去することを特徴する精製された2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の製造方法であって、
    2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である製造方法
  2. 2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒の存在下に、下記式[I]:
    Figure 0005485138
    で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の結晶を晶析させ、ジアステレオマーを除去することを特徴とする精製された2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の製造方法であって、
    2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である製造方法
  3. 下記式[III]:
    Figure 0005485138
    (式中、TBDPSはtert−ブチルジフェニルシリル基を意味する。)
    で示される5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのTBDPS基を脱保護し、得られる溶液と吸着剤と接触させたのち、必要に応じて塩析して、再結晶を行うことによって、下記式[I]:
    Figure 0005485138
    で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を得、次いで、前記2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物と塩基とを接触させて、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液を得て、さらに前記2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩およびそのジアステレオマー塩基塩を含有する溶液と2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の結晶を晶析させ、ジアステレオマーを除去することを特徴とする精製された2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の製造方法であって、
    2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である製造方法
  4. 下記式[III]:
    Figure 0005485138
    (式中、TBDPSはtert−ブチルジフェニルシリル基を意味する。)
    で示される5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンのTBDPS基を脱保護し、得られる溶液と吸着剤と接触させたのち、必要に応じて塩析して、再結晶を行うことによって、下記式[I]:
    Figure 0005485138
    で示される2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を得、次いで、前記2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの粗生成物を2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒に溶解させて、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液を得て、さらに、前記2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンおよびそのジアステレオマーを含有する溶液と塩基とを接触させ、2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の結晶を晶析させ、ジアステレオマーを除去することを特徴とする精製された2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩の製造方法であって、
    2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である製造方法
  5. アルカリ金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩またはセシウム塩である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
  6. アルカリ土類金属塩が、カルシウム塩またはマグネシウム塩である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
  7. 塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化セシウムである請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法
  8. 2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒が、メタノールを除くアルコール溶媒、ケトン溶媒、エーテル溶媒またはニトリル化合物である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法
  9. 2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシ−4’−エチニルチミジンの塩基塩が難溶性である溶媒が、エタノールまたはアセトニトリルである請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法
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