JPH09323960A - 3−アミノ−1,2−オキシランの製造方法 - Google Patents

3−アミノ−1,2−オキシランの製造方法

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JPH09323960A
JPH09323960A JP14273596A JP14273596A JPH09323960A JP H09323960 A JPH09323960 A JP H09323960A JP 14273596 A JP14273596 A JP 14273596A JP 14273596 A JP14273596 A JP 14273596A JP H09323960 A JPH09323960 A JP H09323960A
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JP
Japan
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carbon atoms
amino
group
substituent
branched
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JP14273596A
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English (en)
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Takayuki Suzuki
孝之 鈴木
Yutaka Honda
裕 本多
Kunisuke Izawa
邦輔 井澤
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3−アミノ−1,2−オキシランの工業的な
製造方法を提供する。 【構成】 N−保護された3−アミノ−1,2−ジオー
ルを酸触媒下、オルト酢酸エステル又はオルト蟻酸エス
テルと反応させてアルコキシエチリデン体に誘導後、ハ
ロゲン化剤を作用させて2−アルコキシ−3−アミノ−
1−ハロゲン化物に変換し、これを塩基処理して目的と
する3−アミノ−1,2−オキシランを合成する方法。 【効果】 本発明により、各種HIVプロテアーゼ阻害
剤の中間体である3−アミノ−1,2−オキシランを簡
便かつ安価に製造できる3−アミノ−1,2−ジオール
より高収率で得ることが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】HIVプロテアーゼ等の酵素
阻害剤の構成要素の中間体として重要な3−アミノ−
1,2−オキシランの製造方法に関する。さらに具体的
に3−アミノ−1,2−オキシランを例示するならばR
o−31−8959(J.Org.Chem.,199
4,59,3656.)、SC−52151(J.Me
d.Chem.,1993,36,288.)及びVX
−478(WO9405639)の中間体として(2
S,3S)−3−アミノ−4−フェニル−1−ブテンオ
キシド、CGP−53820(Bioorg.Med.
Chem.Lett.,1993,3,2837.)の
中間体として(2R,3S)−3−アミノ−4−フェニ
ル−1−ブテンオキシド、AG−1343(WO952
1164)の中間体として(2S,3S)−3−アミノ
−4−フェニルチオメチル−1−ブテンオキシド等をあ
げることができる。
【0002】
【従来の技術】3−アミノ−1,2−オキシランの一般
的な製造方法として、N−保護された3−アミノ−2−
オキソ−1−ハロゲン化物の2位を立体選択的に還元し
た後、塩基で処理して目的化合物に変換する方法が知ら
れている(J.Med.Chem.,1993,36,
288.,Chem.Pharm.Bull.,198
8,36,4794.,EP346867.,J.Me
d.Chem.,1991,34,3267.)。しか
しながら、この方法では、3−アミノ−2−オキソ−1
−ハロゲン化物の合成に爆発性があり毒性も強いジアゾ
メタンを用いなければならず工業化には不適な方法であ
る。また、N−保護された3−アミノ−1−プロペンを
不斉エポキシ化する方法(J.Org.Chem.,1
987,52,1487.等)やN−保護された2−ア
ミノ−1−プロパナールにメチレンを挿入する方法(W
O93/23388.等)があるが、前者は不安定なア
ルデヒドのWittig反応により基質の合成を行わな
ければならないこと、後者は同じく不安定なアルデヒド
に対して、低温で発生させたカルベンを作用させなけれ
ばならずいずれも工業的に適した製造法とは言えない。
一方、3−N置換−1,2−ジオールを3−N置換−
1,2−オキシランに変換する方法として、3−アジド
−1,2−ジオールの1級水酸基をスルホニル化した
後、塩基で処理することにより3−アジド−1,2−オ
キシランに誘導する方法が知られている(J.Org.
Chem.,1994,59,3656.)が、2,
4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニリクロリド
を用いた1級水酸基のスルホニル化の収率が極めて低い
という問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】簡便に製造できる3−
アミノ−1,2−ジオールを原料として、3−アミノ−
1,2−オキシランに変換する工業的な製造方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく検討を重ねた結果、3−アミノ−1,2−
ジオールを酸触媒存在下、オルト酢酸エステル又はオル
ト蟻酸エステルと反応させて対応するアルコキシアルキ
リデン体に誘導後、ハロゲン化剤を作用させ2−アセト
キシ−3−アミノ−1−ハロゲン化物に変換し、これを
塩基処理することにより3−アミノ−1,2−オキシラ
ンを合成する方法を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、下記一般式(I)で
示されるN−保護された3−アミノ−1,2−ジオール
を、
【0006】
【化6】
【0007】(式中のR1は、置換基を有していてもよ
い炭素数2〜18個の直鎖、分岐もしくは環状のアルカノ
イル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜18個の直
鎖、分岐もしくは環状のアルコキシカルボニル基、置換
基を有していてもよいベンジル基またはR2と一緒にな
って炭素数8〜18個の2塩基酸の残基を示し、R2は水
素、置換基を有していてもよいベンジル基またはR1
一緒になって炭素数8〜18個の2塩基酸の残基を示し、
3は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18個の直
鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数7〜18個ア
ラルキル基、または炭素数6〜18個のアリール基を示
す。)
【0008】酸触媒存在下でオルト酢酸エステルまたは
オルト蟻酸エステルと反応させることにより下記一般式
(II)で示されるアルコキシアルキリデン体とし、
【0009】
【化7】
【0010】(但し、R1,R2及びR3は上記と同じで
あり、R4は炭素数1〜4個のアルキル基を示し、R5
水素またはメチル基を示す。)
【0011】更にこれをハロゲン化剤と反応させること
により下記一般式(III)で示されるアルコキシハロ
ゲン化物に導き、
【0012】
【化8】
【0013】(但し、R1,R2、R3及びR5は上記と同
じであり、Xは塩素または臭素を示す。)
【0014】これを塩基で処理することにより下記一般
式(IV)で示されるエポキシド体に変換することを特
徴とする3−アミノ−1,2−オキシランの製造方法、
【0015】
【化9】
【0016】(但し、R1,R2及びR3は上記と同じで
ある。)
【0017】並びにその重要中間体である上記一般式
(III)で示されるアルコキシハロゲン化物である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に用いるN−保護された3
−アミノ−1,2−ジオール(I)は、相当するα−ア
ミノ酸より種々の方法により合成することができる。例
えば、1:相当するN−保護されたα−アミノ酸から出
発し、これをジアゾメタンと反応させてジアゾメチルケ
トンにした後、トリフルオロ酢酸で処理し、水素化ホウ
素ナトリウムで還元する方法(J.Chem.So
c.,Chem.Comm.,1979,85.)、
2:N−フタロイル保護されたα−アミノ酸塩化物をト
リストリメチルシリルオキシエテンと反応させてヒドロ
キシメチルケトンとし、これを水素化ホウ素ナトリウム
で還元する方法(J.Org.Chem.,59,36
56,(1994).)、3:α−アミノ酸より誘導さ
れるα−アミノアルデヒドに対し、ビニルマグネシウム
クロリドを反応させて2炭素増炭した後、酸化的に1炭
素減炭し、還元する方法(J.Org.Chem,5
0,5399(1985))、4:N−保護されたα−
アミノ酸エステルを出発原料として、これをメチルスル
ホキシド由来の炭素アニオンと反応させて、β−ケト−
スルホキシドに誘導した後、酸等によりα−ケト−ヘミ
メルカプタールに変換し、これを複合金属水素化物によ
り還元する方法(特願平7−330212)、α−アミ
ノ酸を出発原料として用いない方法として、5:アリル
アルコールを不斉エポキシ化した後、アジドで開裂する
方法(J.Med.Chem.36,2300(199
3).)、あるいは6:酒石酸またはアスコルビン酸等
を不斉源として誘導する方法(J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,1992,27
3.、Bull.Soc.Chim.Fr.129、5
85(1993).)等により合成することができる。
【0019】本発明のN−保護された3−アミノ−1,
2−ジオール(I)におけるR1及びR2は、アミノ基の
保護された状態を示すものである。例えばR1は、置換
基を有していてもよい炭素数2〜18個の直鎖、分岐もし
くは環状のアルカノイル基、置換基を有していてもよい
炭素数2〜18個の直鎖、分岐もしくは環状のアルコキ
シカルボニル基、置換基を有していてもよいベンジル基
またはR2と一緒になって炭素数8〜18個の2塩基酸の
残基を示し、R2は水素、置換基を有していてもよいベ
ンジル基またはR1と一緒になって炭素数8〜18個の2
塩基酸の残基を示すものである。すなわち、互いに独立
して水素またはアミノ保護基であるか、またはR1及び
2が一体となって二官能性のアミノ保護基を示す。ア
ミノ基の保護基としては、具体的には、ベンジルオキシ
カルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基のような
いわゆるウレタン型の保護基、アセチル基、ベンゾイル
基のようなアシル型保護基、あるいは、ベンジル基、ジ
ベンジル基のようなベンジル型保護基である。また、二
官能性のアミノ保護基としてはフタロイル基等をあげる
ことができる。
【0020】式中のR3は、置換基を有していてもよい
炭素数1〜18個の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル
基、炭素数7〜18個のアラルキル基、または炭素数6〜
18個のアリール基を示すが具体的にはベンジル、フェニ
ルチオメチル、シクロヘキシルメチル、イソプロピル、
イソブチルおよびsec−ブチル基であり、出発原料の
アミノ酸としては、フェニルアラニン、S−フェニルシ
ステイン、シクロヘキシルアラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシンをあげることができる。
【0021】3−アミノ−1,2−ジオール(I)は酸
触媒存在下、オルト酢酸エステル又はオルトギ酸エステ
ルと反応させてそれぞれ対応するアルコキシエチリデン
体又はアルコキシメチリデン体に(II)に変換され
る。反応溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム等
のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢
酸イソプロピル等のエステル系溶媒あるいはトルエン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセト
ニトリル等の有機溶媒を用いることができる。また、酸
触媒としては、トシル酸、メタンスルホン酸、トリフル
オロ酢酸、硫酸等の酸、あるいはトシル酸ピリジン塩の
ような酸性塩等を用いることができる。酸触媒は基質に
対して0.05当量〜1.5当量で、通常0.05当量
で十分であるが、反応基質に塩基性官能基が存在する場
合には1当量以上用いることもある。オルト酢酸エステ
ルとしては、例えばオルト酢酸メチル、オルト酢酸エチ
ル、またオルト蟻酸エステルとしては、例えばオルト蟻
酸メチルあるいはオルト蟻酸エチルをあげることができ
る。これらオルトエステルの当量は基質(3−アミノ−
1,2−ジオール)に対して1〜5当量であり、好まし
くは2〜4当量である。 反応濃度は、基質に対して
0.5〜30L/molで好ましくは1〜10L/mo
lである。反応温度は0〜60℃で好ましくは10〜3
0℃である。反応時間は1〜12時間程度である。特別
な後処理操作は必要でなく、濃縮するのみで次の反応に
供せられる。
【0022】3−アミノ−1,2−ジオール−アルコキ
シアルキリデン体(II)を2−アルコキシ−3−アミ
ノ−1−ハロゲン化物(III)に変換するには、3−
アミノ−1,2−ジオール−アルコキシアルキリデン体
(II)をジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン
系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエ
ーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロ
ピル等のエステル系溶媒あるいはトルエン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等
の有機溶媒に溶解させ、これにハロゲン化剤を作用させ
ればよい。ハロゲン化剤としては、クロロトリメチルシ
ラン、臭化アセチル、塩化アセチル等を用いることがで
きる。ハロゲン化剤の当量は1〜5当量で好ましくは
1.5〜3当量である。また、反応基質中に酸に弱い官
能基等がある場合には塩基を共存させることができる。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン等があげら
れる。反応濃度としては、基質に対して0.5〜30L
/molで好ましくは1〜10L/molである。反応
温度は0〜60℃で好ましくは10〜30℃である。反
応時間は基質により異なるが、1〜24時間である。後
処理は、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ水溶液を加え
て中和した後、通常の抽出操作を行う。
【0023】2−アルコキシ−3−アミノ−1−ハロゲ
ン化物(III)は塩基で処理することにより3−アミ
ノ−1,2−オキシラン(IV)に変換される。反応溶
媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール系
溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエー
テル等の塩基により影響を受けないものなら用いること
ができるが、好ましくはメタノール、エタノールであ
り、場合により、水との混合溶媒を用いる。使用する塩
基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水
酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、ナ
トリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属ア
ルコキシド、水素化ナトリウム等の金属水素化物等を用
いることができるが、好ましくは安価で汎用性に富む炭
酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムであ
る。塩基の当量は1〜5当量で好ましくは2〜3当量で
ある。反応濃度としては、基質に対して0.5〜30L
/molで好ましくは1〜10L/molである。反応
温度は0〜60℃で好ましくは10〜30℃である。反
応時間は基質により異なるが、1〜24時間である。後
処理は、通常の抽出操作を行うのみで高純度の目的物を
得ることができるが、必要であれば、晶析あるいはカラ
ムクロマトグラフィー等でさらに精製することもでき
る。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】(参考例1) N,N−ジベンジル−
(L)−フェニルアラニンベンジルエステルの製造 25.0g(151.3mmol)の(L)−フェニル
アラニンおよび66.67g(482.4mmol)の
炭酸カリウムを水100mlに溶解した後、塩化ベンジ
ル57.51g(454.3mmol)を加え、95℃
で19時間加熱攪拌した。室温まで冷却した後、n−ヘ
プタン67mlおよび水50mlを加え分層した。有機
層を50mlのメタノール/水=1/2の溶液で2回洗
浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これを濾
過、濃縮し、上記表題化合物を61.64g(90.5
wt%,121.8mmol)を得た(収率84.7
%)。 1H−NMR(300MHz、CDCl3) δ:3.0
0(dd,1H),3.14(dd,1H),3.53
(d,2H),3.71(t,1H),3.92(d,
2H),5.12(d,1H),5.23(d,1
H),6.99−7.40(m,20H). マススペクトル(FAB) 436(MH+
【0026】(参考例2) (3S)−3−N,N−ジ
ベンジルアミノ−1−メチルスルフィニル−2−オキソ
−4−フェニルブタンの製造 ナトリウムアミド3.76g(96.39mmol)を
ジメチルスルホキシド40mlに懸濁し、30分、74
〜75℃に加熱した。この溶液にテトラヒドロフラン4
0mlを加え、0℃に冷却した。これにN,N−ジベン
ジル−(L)−フェニルアラニンベンジルエステル1
5.47g(90.5wt%,32.14mmol)を
テトラヒドロフラン20mlに溶解した溶液を0℃に保
ちながら滴下した。0℃で30分反応させた後、10%
クエン酸水溶液120mlおよび酢酸エチル100ml
を加え、分層した。水層からさらに酢酸エチル50ml
で1回抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水60mlで
洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開系はヘキサン/酢酸エチル=2/1→1/3)
により精製した後、トルエン/ヘキサン系で晶析し、上
記表題化合物11.16g(収率85.6%)を得た。
得られた化合物は1H−NMRの積分比より、ジアステ
レオマー比率は約1:1であった。 1H−NMR(300MHz、CDCl3) δ:2.2
7(s,3/2H),2.35(s,3/2H),2.
97(dd,1H),3.14(dd,1/2H),
3.19(dd,1/2H),3.55−3.65
(m,7/2H),3.75(d,1/2H),3.8
5(d,2H),4.01(d,1/2H),4.07
(d,1/2H),7.10−7.40(m,15
H). マススペクトル(FAB) 406(MH+
【0027】(参考例3) (3S)−3−N,N−ジ
ベンジルアミノ−1−ヒドロキシ−1−メチルチオ−2
−オキソ−4−フェニルブタンの製造 (3S)−3−N,N−ジベンジルアミノ−1−メチル
スルフィニル−2−オキソ−4−フェニルブタン94.
3mg(0.233mmol)をジメチルスルホキシド
1.6mlに溶解し、2N塩酸0.4mlを加え、室温
で15時間攪拌した。氷浴で冷却下、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液1.5mlを加え中和し、酢酸エチル8m
lおよび水4mlを加え分層し、さらに水層から酢酸エ
チル3mlで2回抽出した。有機層を合わせ、水5ml
さらに飽和食塩水5mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。濾過、濃縮し上記表題化合物の粗製物
を得た。特に精製することなく次の反応に使用した。
【0028】(参考例4) (3S)−3−N,N−ジ
ベンジルアミノ−1,2−ジヒドロキシ−4−フェニル
−ブタンの製造 実施例3により得られた(3S)−3−N,N−ジベン
ジルアミノ−1−ヒドロキシ−1−メチルチオ−2−オ
キソ−4−フェニルブタンをエタノール2mlおよび水
0.2mlに溶解し0℃に冷却した後、水素化ホウ素ナ
トリウム18.4mgを加えた。0〜5℃で50分攪拌
した後、1N塩酸を加えてpHを4.8に調製した。減
圧濃縮してエタノールを留去した後、水5mlを加え酢
酸エチル20mlで抽出した。有機層を飽和食塩水5m
lで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過、濃
縮した後、分取薄層クロマトグラフィーで精製し、上記
表題化合物の(2S,3S)体7.0mgおよび(2
R,3S)体56.2mgを得た(収率75.1%)。 (2S,3S)体 1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ:2.9
3−3.06(m,2H),3.16(dd,1H),
3.54(d,2H),3.60−3.67(m,2
H),3.78(d,2H),3.84(m,1H),
7.21−7.34(m,15H). マススペクトル(ESI) 362(MH+) (2S,3R)体 1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ:2.7
9(m,1H),3.06−3.23(m,3H),
3.42(d,2H),3.52−3.60(m,2
H),3.99(d,2H),7.21−7.36
(m,15H). マススペクトル(ESI) 362(MH+
【0029】(参考例5) N−ベンジルオキシカルボ
ニル−(L)−フェニルアラニンメチルエステルの製造 (L)−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩20.
0g(92.73mmol)をトルエン93mlに懸濁
し、クロルギ酸ベンジル15.82g(92.73mm
ol)を加えた。これに1M炭酸ナトリウム水溶液13
0mlを7℃以下に保ちながら滴下し、3時間攪拌し
た。分層した後、有機層を0.1N塩酸60mlおよび
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液60mlで洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液を濾過、濃縮し、
上記目的化合物28.75g(96.8wt%,88.
81mmol)を得た(収率95.8%)。 1H−NMR(300MHz、CDCl3) δ:3.1
1(m,2H),3.72(s,3H),4.66
(m,1H),5.09(s,2H),5.21(b
r.d,1H、−NH),7.08−7.39(m,1
0H). マススペクトル(FAB) 314(MH+
【0030】(参考例6) (3S)−3−N−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−1−メチルスルフィニル−
2−オキソ−4−フェニルブタンの製造 ナトリウムアミド4.98g(127.7mmol)を
ジメチルスルホキシド40mlに懸濁し、50分、72
〜76℃に加熱した。この溶液にテトラヒドロフラン5
0mlを加え、0℃に冷却した。これにN−ベンジルオ
キシカルボニル−(L)−フェニルアラニンメチルエス
テル10.33g(96.8wt%,31.91mmo
l)をテトラヒドロフラン20mlに溶解した溶液を0
℃に保ちながら滴下した。0℃で1時間反応させた後、
10%クエン酸水溶液120mlおよびジクロロメタン
100mlを加え抽出した。水層からさらにジクロロメ
タン60mlで1回抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩
水80mlで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
濾過、濃縮し、得られた残渣をジクロロメタン/ヘキサ
ン系で晶析し、上記表題化合物8.14g(22.65
mmol)を得た(収率71.0%)。得られた化合物
は1H−NMRの積分比より、約3:1のジアステレオ
マー混合物であった。 1H−NMR(300MHz、CDCl3) δ:2.6
3(s,3/4H),2.66(s,9/4H),2.
94−3.01(m,1H),3.12−3.21
(m,1H),3.57(d,3/4H),3.69
(d,1/4H),3.89(d,1/4H),4.0
4(d,3/4H),4.45−4.59(m,1
H),5.07(m,2H),5.44(br.d,1
/4H),5.64(br.s,3/4H),7.14
−7.39(m,10H). マススペクトル(FAB) 360(MH+
【0031】(参考例7) (3S)−3−N−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−1−ヒドロキシ−1−メチ
ルチオ−2−オキソ−4−フェニルブタンの製造 (3S)−3−N−ベンジルオキシカルボニルアミノ−
1−メチルスルフィニル−2−オキソ−4−フェニルブ
タン708.6mg(1.971mmol)をジメチル
スルホキシド15mlおよびテトラヒドロフラン6ml
に溶解し、2N塩酸7.5mlを加え、室温で18時間
攪拌した。氷浴で冷却下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液15mlを加え中和し、酢酸エチル50mlおよび水
50mlを加え分層し、さらに水層から酢酸エチル25
mlで2回抽出した。有機層を合わせ、水50mlさら
に飽和食塩水30mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。この溶液を濾過、濃縮し得られた残渣を
ヘキサン/酢酸エチル系で晶析し上記表題化合物65
9.7mg(1.835mmol)を得た(収率93.
2%)。 1H−NMR(300MHz、CDCl3) δ:1.7
8(s,3H),2.97(dd,1H),3.24
(dd,1H),3.87(dd,1H),4.86
(m,1H),5.05(m,2H),5.55(d,
1H),7.18−7.39(m,10H). マススペクトル(FAB) 360(MH+
【0032】(参考例8) (3S)−3−N−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−1,2−ジヒドロキシ−4
−フェニルブタンの製造 (3S)−3−N−ベンジルオキシカルボニルアミノ−
1−ヒドロキシ−1−メチルチオ−2−オキソ−4−フ
ェニルブタン99.4mg(0.277mmol)を得
たエタノール3ml,テトラヒドロフラン0.5mlお
よび水0.3mlに溶解し、0℃に冷却し水素化ホウ素
ナトリウム21.7mgを加えた。0〜5℃で40分攪
拌した後、1N塩酸を加え、pHを4.6に調製し、さ
らに水6mlを加えジクロロメタン(10mlx1,5
mlx2)で抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。濾過、濃縮し、得られた残渣を
シリカゲル分取薄層クロマトグラフィーで精製し、上記
目的化合物74.9mgを得た(収率85.7%)。 1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ:2.4
5,2.62(br.,−OH),2.81−2.94
(m,2H),3.08−3.15(m,1H)、3.
38−3.70(m,3H),3.86−4.02
(m,1H),4.81−5.10(m,3H),7.
16−7.38(m,10H). マススペクトル(ESI) 316(MH+
【0033】(実施例1) (2R,3S)−2−アセ
トキシ−1−ブロモ−3−N,N−ジベンジルアミノ−
4−フェニルブタンの製造 (2R,3S)−3−N,N−ジベンジルアミノ−4−
フェニル−1,2−ブタンジオール569.4mg
(1.575mmol)をジクロロメタン16mlに溶
解し、オルト酢酸メチル0.5mlおよびトリフルオロ
酢酸0.13mlを加え、室温で4時間反応を行った。
減圧濃縮して溶媒を留去した後、ジクロロメタン14m
lに溶解し、臭化アセチル0.29mlのジクロロメタ
ン(2ml)溶液を4分間かけて滴下した。室温にて5
時間反応を行った後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1
6mlおよびジクロロメタン10mlを加えて分層し
た。有機層を飽和食塩水15mlで洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮し、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製することにより(2R,
3S)−2−アセトキシ−1−ブロモ−3−N,N−ジ
ベンジルアミノ−4−フェニルブタン588.4mg
(収率80.1%)を得た。 1H−NMR(300MHz、CDCl3) δ:2.1
6(s,3H),2.66(dd,1H),3.10
(dd,1H),3.17−3.25(m,2H),
3.49(d,2H),3.59(dd,1H),4.
04(d,2H),5.05(m,1H)、7.11−
7.14(m,2H),7.19−7.35(m,13
H). マススペクトル(ESI) 466(MH+
【0034】(実施例2) (2R,3S)−3−N,
N−ジベンジルアミノ−4−フェニル−1−ブテンオキ
シドの製造 (2R,3S)−2−アセトキシ−1−ブロモ−3−
N,N−ジベンジルアミノ−4−フェニルブタン75.
1mg(0.161mmol)をメタノール1.6ml
に溶解し、炭酸カリウム45mgを加え、室温で2時間
反応を行った。不溶物をろ別後、減圧濃縮して溶媒を留
去した後、水5mlを加え、酢酸エチル10mlで抽出
した。有機層を飽和食塩水5mlで洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮し、(2R,3
S)−3−N,N−ジベンジルアミノ−4−フェニル−
1−ブテンオキシド54.1mg(収率97.8%)を
得た。 1H−NMR(300MHz、CDCl3) δ:2.2
0(dd,1H),2.59(dd,1H),2.69
−2.80(m,1H),2.98(m,1H),3.
15(m,1H),3.82(d,2H),3.88
(d,2H),7.00−7.04(m,2H),7.
17−7.33(m,13H). マススペクトル(ESI) 344(MH+
【0035】(実施例3) (2R,3S)−2−アセ
トキシ−1−クロロ−3−N,N−ジベンジルアミノ−
4−フェニルブタンの製造 (2R,3S)−3−N,N−ジベンジルアミノ−4−
フェニル−1,2−ブタンジオール302.0mg
(0.835mmol)をジクロロメタン10mlに溶
解し、オルト酢酸メチル0.27mlおよびトリフルオ
ロ酢酸0.071mlを加え、室温で2時間反応を行っ
た。減圧濃縮して溶媒を留去した後、ジクロロメタン
8.5mlに溶解し、クロロトリメチルシラン0.27
mlを加え室温で21時間攪拌した。その後さらにクロ
ロトリメチルシラン0.11mlを加え室温にて6時間
反応を行った後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10m
lおよびジクロロメタン10mlを加えて分層した。有
機層を飽和食塩水10mlで洗浄した後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。ろ過、濃縮し、シリカゲル分取薄層
クロマトグラフィーで精製することにより(2R,3
S)−2−アセトキシ−1−クロロ−3−N,N−ジベ
ンジルアミノ−4−フェニルブタン248.3mg(収
率70.5%)を得た。 1H−NMR(300MHz、CDCl3) δ:2.1
6(s,3H),3.08−3.18(m,2H),
3.32(dd,1H),3.49(d,2H),3.
75(dd,1H),4.05(d,2H),5.02
(m,1H),7.11−7.14(m,2H),7.
18−7.35(m,13H). マススペクトル(ESI) 422(MH+
【0036】(実施例4) (2R,3S)−3−N,
N−ジベンジルアミノ−4−フェニル−1−ブテンオキ
シドの製造 (2R,3S)−2−アセトキシ−1−クロロ−3−
N,N−ジベンジルアミノ−4−フェニルブタン51.
0mg(0.121mmol)をメタノール1.2ml
に溶解し、炭酸カリウム33mgを加え、室温で24時
間反応を行った。水4mlを加え、酢酸エチル10ml
で抽出した。有機層を飽和食塩水5mlで洗浄した後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮し、(2
R,3S)−3−N,N−ジベンジルアミノ−4−フェ
ニル−1−ブテンオキシド33.3mg(収率80.1
%)を得た。
【0037】(実施例5) (3S)−3−N−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−4−フェニル−1−ブテン
オキシドの製造 参考例8で得られた(3S)−3−N−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−1,2−ジヒドロキシ−4−フェニ
ルブタン216.1mg(0.685mmol)をジク
ロロメタン7mlに溶解しオルト酢酸メチル0.223
mlおよびトリフルオロ酢酸0.025mlを加え室温
で1時間攪拌した。減圧濃縮して溶媒を留去した後、ジ
クロロメタン6mlに溶解し臭化アセチル0.101m
lのジクロロメタン1ml溶液を滴下した。室温で1.
5時間攪拌した後、炭酸水素ナトリウム水溶液10ml
およびジクロロメタン15mlを加え分層した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過濃縮した後、シリカゲ
ル分取薄層クロマトグラフィーで精製し277.4mg
を得た。得られた化合物のうち264.4mgをメタノ
ール3mlに溶解し、炭酸カリウム174mgを加え室
温で1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液7m
lおよびジクロロメタン10mlを加え分層した後、さ
らに水層よりジクロロメタン(5mlx2)で抽出し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過、濃縮し、
シリカゲル分取薄層クロマトグラフィーで精製し上記目
的化合物171.2mgを得た(収率88.2%)。得
られたエポキシド体は1H−NMRの積分値よりジアス
テレオマー比を調べた結果、(2S,3S):(2R,
3S)=2:1のジアステレオマー混合物であった。 (ジアステレオマー混合物) 1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ:2.5
2−2.58(m,1/3H,(2R,3S)),2.
71−2.80(m,4/3H,(2S,3S)),
2.83−2.95(m,1H),2.99(dd,1
H),3.69−3.72(m,1H,2/3H,(2
S,3S)),4.12−4.25(m,1H,1/3
H,(2R,3S)),4.67−4.80(m,1
H),5.03(s,4/3H,(2S,3S),5.
05(s,2/3H,(2R,3S)),7.18−
7.35(m,10H).
【0038】(実施例6) (2R,3S)−2−アセ
トキシ−1−ブロモ−3−N−t−ブチルオキシカルボ
ニルアミノ−4−フェニルブタンの製造 (2R,3S)−3−N−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ−1,2−ジヒドロキシ−4−フェニルブタン11
4.7mg(0.408mmol)をジクロロメタン4
mlに溶解しオルト酢酸メチル0.13mlおよびp−
トルエンスルホン酸ピリジン塩1.8mgを加え室温で
1.5時間攪拌した。減圧濃縮して溶媒を留去した後、
ジクロロメタン4mlに溶解しトリエチルアミン0.0
11mlを加え、臭化アセチル0.101mlのジクロ
ロメタン1ml溶液を滴下した。室温で1時間攪拌した
後、炭酸水素ナトリウム水溶液10mlおよびジクロロ
メタン10mlを加え分層した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。ろ過濃縮した後、シリカゲル分取薄層クロ
マトグラフィーで精製し上記表題化合物90.3mgを
得た(収率57.3%)。 1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ:1.3
8(s,9H),2.14(s,3H),2.68−
2.76(m,2H),3.41−3.43(m,2
H),4.27(m,1H),4.64(br.d,1
H),5.12(m,1H),7.17−7.33
(m,5H). マススペクトル(ESI) 410(M+Na+
【0039】(実施例7) (2R,3S)−3−N−
t−ブチルオキシカルボニルアミノ−4−フェニル−1
−ブテンオキシドの製造 (2R,3S)−2−アセトキシ−1−ブロモ−3−N
−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−4−フェニルブ
タン60.1mgをメタノール1.6mlに溶解し、炭
酸カリウム43mgを加え室温で4.5時間攪拌した。
不溶物をろ別し、減圧濃縮して溶媒を留去した後、水5
mlを加え、酢酸エチル10mlで抽出した。有機層を
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、ろ過、濃縮し、シリカゲル分取薄層クロマトグラフ
ィーで精製し上記目的化合物40.5mgを得た(収率
98.6%)。 1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ:1.3
9(s,9H),2.58(m,1H),2.64
(t,1H),2.84−3.03(m,3H),4.
12(m,1H),4.48(br.,1H),7.2
0−7.34(m,5H). マススペクトル(ESI) 286(M+Na+
【0040】(実施例8) (2R,3S)−2−アセ
トキシ−3−N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−
1−クロロ−4−フェニルブタンの製造 (2R,3S)−3−N−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ−1,2−ジヒドロキシ−4−フェニルブタン94.
9mg(0.337mmol)をジクロロメタン3.4
mlに溶解しオルト酢酸メチル0.11mlおよびp−
トルエンスルホン酸ピリジン塩2.2mgを加え室温で
1時間10分攪拌した。減圧濃縮して溶媒を留去した
後、ジクロロメタン3.4mlに溶解しトリエチルアミ
ン0.010mlおよびクロロトリメチルシラン0.0
64mlを加えた。室温で6時間40分攪拌した後クロ
ロトリメチルシラン0.021mlを追加し、さらに室
温で30分攪拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液5ml
およびジクロロメタン10mlを加え分層した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過濃縮した後、シリカゲ
ル分取薄層クロマトグラフィーで精製し上記表題化合物
87.5mgを得た(収率75.9%)。 1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ:1.3
9(s,9H),2.13(s,3H),2.74−
2.77(m,2H),3.56−3.58(m,2
H),4.23(m,1H),4.65(m,1H),
5.10(m,1H),7.17−7.33(m,5
H). マススペクトル(ESI) 364(m+Na+
【0041】(実施例9) (2R,3S)−3−N−
t−ブチルオキシカルボニルアミノ−4−フェニル−1
−ブテンオキシドの製造 (2R,3S)−2−アセトキシ−3−N−t−ブチル
オキシカルボニルアミノ−1−クロロ−4−フェニルブ
タン50.2mgをメタノール1.5mlに溶解し、炭
酸カリウム41mgを加え室温で5時間攪拌した。水5
mlを加え、酢酸エチル10mlで抽出した後、有機層
を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。ろ過、濃縮し、シリカゲル分取薄層クロマトグラフ
ィーで精製し上記目的化合物34.6mgを得た(収率
89.4%)。
【0042】(実施例10) (2S,3S)−2−ア
セトキシ−3−N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ
−1−クロロ−4−フェニルブタンの製造 (2S,3S)−3−N−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ−1,2−ジヒドロキシ−4−フェニルブタン54.
5mg(0.337mmol)をジクロロメタン2ml
に溶解しオルト酢酸メチル0.062mlおよびp−ト
ルエンスルホン酸ピリジン塩1.0mgを加え室温で1
時間攪拌した。減圧濃縮して溶媒を留去した後、ジクロ
ロメタン2mlに溶解しトリエチルアミン0.006m
lおよびクロロトリメチルシラン0.049mlを加え
た。。室温で16時間攪拌した後クロロトリメチルシラ
ン0.025mlを追加し、さらに室温で7時間30分
攪拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液6mlおよびジク
ロロメタン7mlを加え分層した後、有機層を飽和食塩
水6mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ
過濃縮した後、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィー
で精製し上記表題化合物37.3mgを得た(収率5
6.2%)。また、(2R,3S)−1−アセトキシ−
3−N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−2−クロ
ロ−4−フェニルブタン15.5mgを得た(収率2
3.4%)。 1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ:1.3
3(s,9H),2.14(s,3H),2.73
(m,1H),2.95(dd,1H),3.61−
3.73(m,2H),4.17(m,1H),4.4
6(m,1H),5.13(m,1H),7.17−
7.33(m,5H). マススペクトル(ESI) 364(M+Na+) (2R,3S)−1−アセトキシ−3−N−t−ブチル
オキシカルボニルアミノ−2−クロロ−4−フェニルブ
タン 1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ:1.4
1(s,9H),2.04(s,3H),2.86(d
d,1H),2.97(dd,1H),4.03(d
t,1H),4.21−4.32(m,3H),4.7
8(br.d,1H),7.21−7.34(m,5
H). マススペクトル(ESI) 364(M+Na+

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるN−保護さ
    れた3−アミノ−1,2−ジオールを、 【化1】 (式中のR1は、置換基を有していてもよい炭素数2〜1
    8個の直鎖、分岐もしくは環状のアルカノイル基、置換
    基を有していてもよい炭素数2〜18個の直鎖、分岐もし
    くは環状のアルコキシカルボニル基、置換基を有してい
    てもよいベンジル基、またはR2と一緒になって炭素数
    8〜18個の2塩基酸の残基を示し、R2は水素、置換基
    を有していてもよいベンジル基またはR1と一緒になっ
    て炭素数8〜18個の2塩基酸の残基を示し、R3は、置
    換基を有していてもよい炭素数1〜18個の直鎖、分岐も
    しくは環状のアルキル基、炭素数7〜18個アラルキル
    基、または炭素数6〜18個のアリール基を示す。)酸触
    媒存在下、オルト酢酸エステルまたはオルト蟻酸エステ
    ルと反応させることにより下記一般式(II)で示され
    るアルコキシアルキリデン体とし、 【化2】 (但し、R1,R2及びR3は上記と同じであり、R4は炭
    素数1〜4個のアルキル基を示し、R5は水素またはメ
    チル基を示す。)更にこれをハロゲン化剤と反応させる
    ことにより下記一般式(III)で示されるアルコキシ
    ハロゲン化物に導き、 【化3】 (但し、R1,R2、R3及びR5は上記と同じであり、X
    は塩素または臭素を示す。)これを塩基で処理すること
    により下記一般式(IV)で示されるエポキシド体に変
    換することを特徴とする3−アミノ−1,2−オキシラ
    ンの製造方法。 【化4】 (但し、R1,R2及びR3は上記と同じである。)
  2. 【請求項2】 一般式(III)で表される2−アセト
    キシ−3−アミノ−1−ハロゲン化物。 【化5】 (式中のR1は、置換基を有していてもよい炭素数2〜1
    8個の直鎖、分岐もしくは環状のアルカノイル基、置換
    基を有していてもよい炭素数2〜18個の直鎖、分岐もし
    くは環状のアルコキシカルボニル基、置換基を有してい
    てもよいベンジル基またはR2と一緒になって炭素数8
    〜18個の2塩基酸の残基を示し、R2は水素、置換基を
    有していてもよいベンジル基またはR1と一緒になって
    炭素数8〜18個の2塩基酸の残基を示し、R3は、置換
    基を有していてもよい炭素数1〜18個の直鎖、分岐もし
    くは環状のアルキル基、炭素数7〜18個アラルキル基、
    または炭素数6〜18個のアリール基を示し、Xは塩素ま
    たは臭素を示す。)
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WO2000044736A1 (fr) * 1999-01-29 2000-08-03 Kaneka Corporation PROCEDE DE PREPARATION DE DERIVES DE threo-1,2-EPOXY-3-AMINO-4-PHENYLBUTANE
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