JP2004509879A - 光学活性なエポキシドの製造プロセス - Google Patents

光学活性なエポキシドの製造プロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、医薬中間体として、特にHIVプロテアーゼ阻害剤の分野で有用な光学活性なエポキシドの生成プロセスに関する。光学活性なエポキシドは、光学活性なアルコールから、光延反応と、環化工程と、好ましくはさらに中間体の再結晶工程とにより、工業的に許容される収率で生成される。アルコールの立体化学は光延反応の間に反転し、目的とするエポキシドを生成する。

Description

【0001】
本発明は、光学活性なエポキシド、特に医薬中間体として有用である光学活性なエポキシドに関する。
【0002】
以下の光学活性基を含有する、将来性のある医薬製品が数多くある:
【0003】
【化4】
Figure 2004509879
このグループのエナンチオマー(2S,3R)も、医薬化合物として有用な場合がある。このグループは、立体化学が同等であるエポキシドから誘導され、(2R,3S)グループの場合には、(2R,3S)エポキシド:
【0004】
【化5】
Figure 2004509879
(Bocはブトキシカルボニルアミン保護基である。)
である。
【0005】
EP−A−08858789は、光学活性なシアノヒドリン、特に光学活性なN−(保護)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルの製造プロセスを記載し、そのプロセスはアミン及び有機溶媒の存在下、N−(保護)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルのジアステレオマー混合物を処理することを含む。この光学活性化合物は、一定の医薬化合物の生成における中間体であると述べられている。
【0006】
EP−A−0934923は、光学活性なエリトロ−3−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸エステルの製造手段を記載し、そのプロセスは、光学活性(3位)な3−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸エステルの2位の水酸基の酸化と、生じた生成物のアルミニウムアルコキシドを使用したエリトロ選択的な還元とを含む。
【0007】
WO−A−99/38855は、トレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ化合物の製造プロセスを記載し、そのプロセスは:有機溶媒中で塩基の存在下、光学活性なトレオ−3−アミノ−1,2−ジオールをアルキルスルホニル化またはアリールスルホニル化して、対応する光学活性なトレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−スルホニルオキシ化合物とし;生じた化合物を塩基の存在下エポキシ化して、対応する光学活性なトレオ−3−アミノ−1,2−エポキシ化合物とする;工程を含む。
【0008】
WO−A−00/10986は、(2R,3S)−3−アミノ−1,2−オキシランの製造プロセスを記載し、そのプロセスは:(2S,3S)−3−アミノ−1−ハロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン又は(2S,3S)−3−アミノ−4−フェニルブタン−1,2−エポキシドの何れかを、カルボン酸4級アンモニウム、又は、カルボン酸金属塩及びカルボン酸4級アンモニウムの両者で処理して(2S,3S)−1−アシロキシ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタンを製造し;この化合物を有機塩基の存在下、ハロゲン化スルホニルで処理して(2S,3S)−1−アシロキシ−3−アミノ−2−スルホニルオキシ−4−フェニルブタンを製造し;このようにして得られた化合物を無機塩基で処理する;工程を含む。このプロセスにより、L−フェニルアラニンを原料として使用しHIVプロテアーゼ阻害剤の中間体が生成できると述べられている。
【0009】
米国特許第5,936,104号は、(2S,3R)又は(2R,3R)−1,2−エポキシ−3−アミノ−4−フェニルブタン誘導体の製造プロセスを記載し、そのプロセスは:非プロトン性の極性有機溶媒又は非プロトン性の極性有機溶媒と水とを含む混合溶媒中で、1−ハロ−2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニルブタン誘導体を塩基で処理し;生じたエポキシドを、非プロトン性の極性有機溶媒と水とを含む混合溶媒から結晶化する;工程を含む。生じた化合物は、例えば特開平8−109131号明細書に記載されているように、様々なHIVプロテアーゼの生成における中間体として有用であると述べられている。
【0010】
WO−A−95/08530は3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロパノール誘導体の生成方法を記載し、これらの化合物は薬剤の生成における中間体として有用であると述べられている。
【0011】
特開平9−323960号明細書は、3−アミノ−1,2−ジオールを原料として使用して3−アミノ−1,2−オキシランを得る手法を記載する。このプロセスは、N−(保護)−3−アミノ−1,2−ジオールを酸触媒の存在下、オルソ酢酸エステル又はオルソギ酸エステルと反応させ、アルコキシアルキリデンを形成することを含む。そのアルコキシアルキリデンをハロゲン化剤と反応させてアルコキシハロゲン化物を形成し、そして塩基で処理してエポキシドに変換し、このように3−アミノ−1,2−オキシランを得る。
【0012】
WO−A−97/42180は、アスパルチルプロテアーゼ阻害剤の中間体として有用であると述べられているオキシランメタンアミン誘導体の製造プロセスを記載し、そのプロセスはアミノジオールの活性化、アミノジオールのアシル化、及びアシル化アミノジオールの塩基との反応によるエポキシ化合物の形成の工程を含む。
【0013】
これらの資料に記載されたプロセス及び手法には全て、以下の不都合な欠点を1以上有している:これらは、2R,3S−エポキシド又はそのエナンチオマーの合成手法を記載していない;これらの立体化学が不明確である;これらは高価な、又は入手困難な試薬を使用する;これらは多数の段階がある複雑な反応手順を記載している;これらは低い生成物の収率を記載している;記載された生成物は医薬中間体として使用するには純度が不充分である;これらはラボスケールのプロセスに関し、コマーシャルスケールでは証明されておらず、又はその価値が不確実である;あるいは、これらはその他の理由により工業上魅力的でない。
【0014】
学術文献は2R,3S−エポキシドの様々な合成手法を記載するが、これらもまた前記の不都合な欠点を有しており、あるいは、他の立体異性体を含むエポキシドの混合物を開示している。このような学術文献の例は、Ojima et al., Tetrahedron Letters 39 (1998) 923−926; Barrish et al., J. Med. Chem. 1994, 37, 1758−1768; Romeo及び Rich, Tetrahedron Letters, 35 (1994) 4939−4942; Luly et al., J. Org. Chem. 1987, 52, 1487−1492; Evans et al, J. Org. Chem. 1985, 50,4615−4625 and Parkes et al., J.Org.Chern. 1994,59,3656−3664;を含む。
【0015】
近年、Malikも2S,3S−及び2R,3S−エポキシドに至る工業的に許容される経路を見出す試みを行っており、この点についての彼の業績は、Scientific Updateにより2000年7月10−12日に組織された第三回国際学会“有機プロセスの研究開発(Organic Process and Research)”で詳述された。しかし、記載された個々の工程の収率が低く(約53%)、毒性を有し及び/又は高価な化学物質(例えば酢酸セシウム及び18−クラウンエーテル)が使用されている。
【0016】
当該技術分野で、光学活性なエポキシドの医薬中間体生成の改善されたプロセスが依然として必要とされている。
本発明によると、一般式(1)の光学活性な(2R,3S)−エポキシド又はそのエナンチオマーを生成するプロセスが提供される:
【0017】
【化6】
Figure 2004509879
(R及びRの各々は:水素;場合により置換されたアルキル、アリール、アルアルキル、又はアルカリール基;及びアミン保護基;からなる群より独立に選択され、Rは:水素;及び場合により適切に保護されたアルキル、シクロアルキル、アリール、アルアルキル、又はアルカリール基;より選択される。)
このプロセスは、一般式(2)の光学活性な(2S,3S)−アルコール又はそのエナンチオマーの光延反応と、生じた光延反応の生成物の環化とを含む:
【0018】
【化7】
Figure 2004509879
(Xは脱離基であり、R、R及びRは対応する式(1)のR、R及びRと同じである。)
光延プロセスは1967年から知られており(光延及び山田、M. Bull. Chem. Soc. Japan, 1967, 40, 2380−2382)、後に1991年に記載され、全般的な総説は光延によるSynthesis, 1981, 1−28である。この資料は、アゾジカルボン酸ジエチル及びトリフェニルホスフィンの処理による、アルコールと酸成分との間の分子間脱水反応を記載しており、この反応では、アルコール水酸基の立体配置が事実上完全に反転する。光延プロセスは、Hughes, Org.Reac. 1992, 42, 335により概説されている。光延反応の化学の機構的な研究は:Camp 及び Jenkins , J. Org. Chem. 1989, 54, 3045−3049; Varasi et al., J. Org. Chem. 1987, 52, 4235−4238; 及び Hughes et al. J. Am. Chem. Soc. 1988, 110, 6487−649;に記載されている。光延反応の化学の酸成分の影響は:Martin 及び Dodge, Tetrahedron Letters, 1991, Vol. 32 No. 26, p. 3017−3020; Dodge et al. J. Org. Chem. 1994, 59, 234−236; Hughes 及び Reamer J. Org. Chem. 1996, 61, 2967−2971;に記載されている。光延反応の化学を使用する工業プロセスの例は: Thomas et al., Organic Process Research and Development 1997, 1, 294−299; Marzoni et al., Synthetic Communications, 25 (16), 2475−2482 (1995);に記載されている。光延反応を置換ピペラジノンの合成に使用する参考例は、WO−A−00/01678に見出すことができる。
【0019】
本発明による好ましいプロセスは、環化反応の前に光延反応の生成物を再結晶することを含む。
は、好ましくは:水素;及び場合により置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール、アルアルキル、アルカリール基;から選択される基である。光延反応に使用される試薬と反応する場合がある遊離の酸素、窒素、又は硫黄を含有する場合、この基が保護されることが好ましい。
【0020】
脱離基Xは任意の適切な脱離基であり、好ましくは、ハロゲン、スルホン酸エステル、及びトリアルキルアンモニウム基から選択される。
本発明による反応スキームの一つは、以下のようにまとめることができる:
【0021】
【化8】
Figure 2004509879
エステル化工程
エステル化工程は、酸性条件下で式(2)の化合物をホスフィン及びアゾジカルボン酸エステルで処理して、式(3)の中間体エステルを形成することを含む:
【0022】
【化9】
Figure 2004509879
(X、R、R、及びRは、対応する式(2)のX、R、R、及びRと同じであり、Rは、場合により窒素化された(nitrogenated)アルキル、アリール、アルアルキル、アルカリール基である。)
適切なホスフィンは、トリアルキル及びトリアリールホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン及びメチルジフェニルホスフィン)である。J. Org. Chem., 1983, 48, 3958に開示されたポリマー固定化トリフェニルホスフィンも使用することができ、Tetrahedron Letters, 1998, 39, 7787に開示されたビス(ジフェニルホスフィン)エタンも使用することができる。
【0023】
適切なアゾジカルボン酸エステルは、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(DTBA)を含み、DIADが好ましい。
【0024】
適切な酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、及びパラ−ニトロ安息香酸(PNBA)といったカルボン酸を含む。PNBAが好ましい。
エステル化に適切な溶媒は、ベンゼン、トルエン、塩素化炭化水素、酢酸エチルを含む非プロトン性溶媒、及び、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサンを含む水に混和性の溶媒である。トルエン及びテトラヒドロフランが好ましい。エステル化生成物の結晶化のための適切な溶媒は、低沸点アルコール、場合により水との混合物を含む。エタノール/水混合物が好ましい。
【0025】
再結晶化工程
再結晶化工程は、好ましくはエタノール/水混合物から実施され、トリフェニルホスフィンオキサイド、DIAD−H2、及び2R,3S−エステルから生じた2S,3S−エステル(又は、鏡像異性が等価な反転プロセスにおいては、2S,3R−エステルから生じた2R,3R−エステル)の少量混合物を除去するために行われる。
【0026】
環化工程
環化工程は、好ましくは、再結晶化した中間体エステルを水性塩基で処理することを含む。適切な塩基は、アルカリ及びアルカリ土類金属の水酸化物、並びに4級アンモニウム又はホスホニウム化合物を含む。2R,3S−エステル中間体を、例えばエタノール及び水性塩基(例えば水酸化カリウム)中の後処理により、鹸化及び環化することができる。水性塩基、水混和性溶媒(例えばトルエン又は塩素化炭化水素)、及び適切な触媒(4級アンモニウム又はホスホニウム塩)を用いて、相間移動条件を使うこともできる。
【0027】
式(2)のアルコールは、既知の経路(例えばJ. Org. Chem. 1994, 59, 3656)によりアミノ酸及び合成アミノ酸から得ることができる。2R,3S−エポキシドを得るための好ましい出発原料の一つはL−フェニルアラニンである。2S,3Rエポキシドを得るための好ましい出発原料は、D−フェニルアラニンである。本発明のプロセスでは、アルコールは好ましくはハロアルコールであり、より好ましくはクロロアルコールである。
【0028】
アミン保護基は、好ましくはブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルである。
【0029】
【実施例】
次に、以下の実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。
実施例1
3−(保護)アミノ−4−フェニル−クロロブタン−2−オールを、以下の反応スキームに従いエステル化した。
【0030】
【化10】
Figure 2004509879
【0031】
【表1】
Figure 2004509879
手順
2Lのフランジ口付きフラスコに、上部(overhead)メカニカルスターラー(櫂(paddle)付き)、温度計、等圧滴下ロートを取り付け、窒素雰囲気とした。フラスコに30.0gの式(2)のクロロアルコールと1200mlのトルエンとを充たし、スラリーを形成した。30.6gのTPPと20.2gのPNBAとを加え、混合物を18−20℃で撹拌した。24.6gのDIADを5分間にわたりフラスコに滴下し、発熱を25℃までとした。DIADを全て加えると、撹拌を2時間継続して黄色の溶液を得た。この溶液をロータリーエバポレーターに移し、トルエンの大半を約100mbar及び60℃で蒸発させた。残りの黄色いオイルを450mlのエタノールに溶かし、その溶液を70℃に加熱した。180mlの水を分割して加え、温度を65℃より高く保った。生成物のオイル化(oiling)を防ぐため、水の添加の間、水を10分間徐々に加えることにより注意を払った。溶液を50℃に冷却し、結晶種を加えて結晶化を引き起こした。スラリーを10℃まで冷却したが、生成物の大半は45−50℃で結晶化した。生成物をワットマン54濾紙で濾過し、ケーキを100mlのエタノール/水混合物により0−5℃で洗浄し、50−60℃で18時間、200mbarで真空乾燥し、細い白色針状の生成物31.0g(つまり、収率71%)を得た。二回目の結晶採取物(1.2g、総収量が74%となる)を母液から分離した。生成物を薄層クロマトグラフィー(ワンスポットの純度)及びH NMRで分析し、その結果、本質的に混入物のない生成物であり、トリフェニルホスフィンオキサイド及びDIAD−H2の微量の不純物(両者とも0.5%未満と推定)を有することがわかった。
実施例2
実施例1の反応スキームに従ったが、トルエンの代わりにTHF溶媒を用いた。
【0032】
【表2】
Figure 2004509879
1Lのフランジ付き口フラスコに、上部メカニカルスターラー(櫂)、温度計、等圧滴下ロートを取り付け、窒素雰囲気とした。フラスコに2S,3S Boc−クロロアルコール(100g)を充たした。THF(500ml)を加え、スラリーを形成した(KF0.0805%)。TPP(103.8g)及びPNBA(66.1g)を順次スラリーに加え、18−25℃でスラリーを撹拌した。DIAD(83.4g)を20分にわたり(4.2g/分)滴下ロートから滴下し、発熱を18−20℃に保った。完全に加え終わると、撹拌を18−20℃で2時間継続し、スラリーが溶解してオリーブ色の溶液となった。溶液をエタノール(600ml)に、35分(40g/分)にわたり撹拌しながら18−20℃で加えて反応を終了させ、生成物の結晶化が起きた。そしてスラリーを60分間5−10℃で撹拌した。そのスラリーを濾過し(54μの濾紙、直径150mm、減圧700mbar、ケーキの深さ40mm、濾過時間14分30秒)、ケーキを1:1のエタノール:水で洗浄した(500mlで2回)。固体を濾紙上で一晩乾燥し、KF14.5%の固体119g、乾燥重量で102.3g相当が得られた。HPLCの面積で99%にあたり、モル収率が69%であった。
実施例3
実施例1又は実施例2のエステル化生成物を以下のように再結晶した。
【0033】
試薬
【0034】
【表3】
Figure 2004509879
手順
1Lのフランジ口付きフラスコに、上部メカニカルスターラー(櫂)、冷却器、温度計を取り付け、窒素雰囲気とした。フラスコに29.8gのエステルと300mlのエタノールとを充たし、エステルが完全に溶解するまで70−75℃に加熱した。水を分割して加え(濁りが生じる)、温度を70℃より高く保った。水を完全に加え終わると、溶液をさらに10分加熱して薄黄色の溶液を得た。その溶液を60℃に冷却し、結晶種を加えて結晶化を引き起こし、1時間かけて10℃にゆっくり冷却したが、生成物の大半は45−50℃で結晶化した。10℃で30分撹拌した後、スラリーをワットマン54濾紙で濾過し、ケーキを0.5℃で100mlのエタノール/水混合物により洗浄し、50−60℃において200mbarで18時間真空乾燥し、28.8g(収率97%)の細かい白色針状の生成物を得た。薄層クロマトグラフィー分析及びH NMRから、このエステルにはトリフェニルホスフィンオキサイド及びDIAD−H2の不純物が混入していないことがわかった。
実施例4
実施例3からの再結晶化したエステル化生成物を、以下の反応スキームに従い環化した:
【0035】
【化11】
Figure 2004509879
試薬
【0036】
【表4】
Figure 2004509879
手順
1Lのフランジ口付きフラスコに、上部メカニカルスターラー(櫂)、温度計、等圧滴下ロートを取り付け、窒素雰囲気とした。フラスコに30.0gのエステルと1020mlのエタノールとを充たし、スラリーを形成した。
【0037】
スラリーを0−5℃に冷却し、125mlのKOH溶液を5分にわたり加え、温度を5℃より低く保った。完全に加え終わると、反応をHPLCでモニターし、反応は3時間後に完了した。反応を水(1000ml)で停止させ、5分間撹拌し、MDCで二回(500mlのMDCで一回、次に200mlのMDCで一回)抽出した。有機抽出層を混合し、300mlの5%クエン酸、300mlの5%NaHCO、及び300mlの水で洗浄した。生成物溶液を無水硫酸ナトリウムの存在下乾燥し、濾過し、50℃において50−85mbarでロータリーエバポレータにより濃縮し、17.7g(つまり、95%より高い収率)の透明なオイルを得たが、冷却によりゆっくり固化し、融点は49℃であった。HPLCの面積によると単離した生成物の純度は99%より高く、2S,3Sジアステレオマーは観測されなかった。生成物のH NMRにより、構造を確認した。
実施例5−14
以下の表は、本発明によるさらなるエステル化反応の手順と結果の概要を示す。別に明記しなければ、この手順及び条件は実施例1で前述したものと同様である。
【0038】
【表5】
Figure 2004509879
実施例15−17
以下の表は、本発明による再結晶化工程のさらなる実施例の結果の概要を示す。別に明記しなければ、この手順及び条件は実施例3で前述したものと同様である。
【0039】
【表6】
Figure 2004509879
実施例18−23
以下の表は、本発明による環化工程のさらなる実施例の結果の概要を示す。別に明記しなければ、この手順及び条件は実施例4に関して前述したものと同様である。
【表7】
Figure 2004509879

Claims (13)

  1. 一般式(1)の光学活性な(2R,3S)−エポキシド又はそのエナンチオマー:
    Figure 2004509879
    (R及びRの各々は:水素;場合により置換されたアルキル、アリール、アルアルキル、又はアルカリール基;及びアミン保護基;からなる群より独立に選択され、Rは:水素;及び場合により適切に保護されたアルキル、シクロアルキル、アリール、アルアルキル、又はアルカリール基;から選択される。)
    を生成するプロセスであって、一般式(2)の光学活性な(2S,3S)−アルコール又はそのエナンチオマー:
    Figure 2004509879
    (Xは脱離基であり、R、R及びRは対応する式(1)のR、R及びRと同じである。)
    の光延反応と、生じた光延反応の生成物の環化とを含む、上記プロセス。
  2. 環化の前に光延反応の生成物の再結晶化を含む請求項1のプロセス。
  3. 光延反応が、酸性条件下で式(2)の化合物をホスフィン及びアゾジカルボン酸エステルで処理して、式(3):
    Figure 2004509879
    (X、R、R、及びRは、対応する式(2)のX、R、R、及びRと同じであり、Rは、場合により窒素化されたアルキル、アリール、アルアルキル、アルカリール基である。)
    の中間体エステルを形成することを含む、請求項1又は2のプロセス。
  4. ホスフィンがトリフェニルホスフィンを含む請求項3のプロセス。
  5. アゾジカルボン酸エステルがアゾジカルボン酸イソプロピルである請求項3又は4のプロセス。
  6. 酸性条件がカルボン酸により提供される請求項3乃至5の何れかのプロセス。
  7. カルボン酸がパラ−ニトロ安息香酸である請求項6のプロセス。
  8. エステル化工程の溶媒がトルエン又はテトラヒドロフランを含む請求項2乃至7の何れかのプロセス。
  9. 再結晶化溶媒としてエタノールと水との混合物を使用して再結晶化工程が行われる請求項2乃至8の何れかのプロセス。
  10. 環化工程が再結晶化工程の生成物の塩基処理を含む請求項1乃至9の何れかのプロセス。
  11. 塩基がKOH水溶液であり、環化工程がエタノール中で行われる、請求項10のプロセス。
  12. アミン保護基がブトキシカルボニルである請求項1乃至11の何れかのプロセス。
  13. アルコールがハロアルコールである請求項1乃至12の何れかのプロセス。
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