JP4968402B1 - 有機物質の低分子化方法及び冶金炉発生排ガスの利用方法 - Google Patents

有機物質の低分子化方法及び冶金炉発生排ガスの利用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機物質を低分子化して気体燃料や液体燃料などに転換する際に、安定的に供給可能なガスを用いて有機物質を効率的に改質して低分子化し、重質分や炭素質が少なく、軽質分を多量に含有する改質物を得ることができ、且つ比較的簡易な設備で実施することができる有機物質の低分子化方法を提供する。
【解決手段】冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化する。この有機物質の改質では水素化、水素化分解、水蒸気改質、炭酸ガス改質の4反応が同時に進行するので、比較的低い反応温度でも効率的に有機物質の低分子化を促進できる。
【選択図】図1

Description

本願の第一の発明は、廃プラスチックなどの有機物質を気体燃料や液体燃料などに転換するために有機物質を改質して低分子化する方法に関する。また、本願の第二の発明は、その有機物質の低分子化方法を用いた冶金炉発生排ガスの利用方法であり、冶金炉から発生する排ガスの燃焼放散量を減少させるために、その排ガスを、廃プラスチックなどの有機物質を改質して低分子化し、気体燃料や液体燃料などに転換するためのプロセスに有効利用する方法に関する。
廃プラスチック、含油スラッジ、廃油などの多くは焼却処理されているのが現状である。しかし、焼却処理ではCO発生などの環境負荷が高く、また、焼却炉の熱的損傷の問題もあり、ケミカルリサイクル技術の確立が求められている。
ケミカルリサイクル技術のなかでも、有機物質を気体燃料や液体燃料に転換するための技術は、廃プラスチックを中心に従来から種々検討がなされ、例えば、以下のような提案がなされている。
特許文献1には、水素濃度60vol%以上、好ましくは80vol%以上、温度600℃以上のコークス炉ガス(COG)を廃プラスチックなどの有機物質と反応させることにより、有機物質を高効率で水素化分解・ガス化し、COGを増熱化する方法が開示されている。
また、特許文献2には、石油の流動接触触媒(FCC)を熱媒体兼触媒として用い、温度350〜500℃で廃プラスチックを分解して液体燃料に変換する方法が開示されている。
また、特許文献3には、RDFや木材などを熱分解するにあたり、熱分解で生成したガスを水蒸気改質し、この水蒸気改質により水素濃度を高くしたガスを熱分解部に循環し、水素濃度を高くしたガス雰囲気で熱分解を行う方法が開示されている。
特開2007−224206号公報 特開2010−013657号公報 特開2001−131560号公報 特開2000−283658号公報
しかしながら、上記従来技術には、以下のような問題がある。
まず、特許文献1に関しては、COG中の水素濃度が60vol%以上となるのは石炭乾留工程のうちでも乾留末期に限られるので、特許文献1の方法では、乾留末期のタイミングでガス流路を切替え、多量のダストを含む600℃以上のCOGを廃プラスチック水素化分解反応器に供給する必要がある。しかし、このような過酷な条件で、流路切替弁を長期間安定して作動させ続けることは困難であり、この意味で実現性に乏しい技術であると言える。さらに、廃プラスチックの効率的なガス化のためには、60vol%以上の水素を含有するCOGを連続的に水素化分解反応器に供給することが必要であるが、このためには炭化室毎に水素濃度計と流路切替弁を設置する必要があり、設備コストが増大する。
また、特許文献2の方法は、FCC触媒添加によって接触分解と芳香族化が進むものの、不活性ガスフローで反応を行っているため、重油分とコークが合計で13質量%生成しており(実施例1)、軽質燃料の製造技術として満足できる水準とは言えない。
また、特許文献3の方法で生成するガスは、H、CO、COが主体で、燃焼熱が冶金炉発生排ガスのそれよりやや低い1800kcal/Nm程度のものであり、気体燃料としての価値は限定的なものとなる。
廃プラスチックなどの有機物質を気体燃料や液体燃料に転換するための従来技術には、以上のような問題があり、安定的に供給可能なガスを用いて有機物質を効率的に改質して低分子化し、重質分や炭素質が少なく、軽質分を多量に含有する改質物を得ることができ、しかも比較的簡易な設備で実施することができる有機物質の低分子化方法の提案が望まれていた。
一方、冶金炉発生排ガスの有効利用について、従来、以下のような問題があった。すなわち、転炉などのバッチ生産を行う各種冶金炉では、生産に同期して多量の排ガスが間欠的に発生する。例えば、転炉では、CO濃度が50〜70vol%程度の排ガスが瞬時流量で10〜30万Nm/hr程度発生する。しかし、吹錬時間は10〜30分程度であるため、例えば、瞬時流量10万Nm/hrの場合、吹錬をしていない時間も含めた時間平均流量は1.7〜5万Nm/hr程度となる。転炉ガスは、低位燃焼熱が2000kcal/Nm程度であるため、製鉄所内の燃料などとして有効利用されている。しかし、間欠発生であるため、排ガスは前期の時間平均流量以下の流量で利用しなければならず、本質的に瞬時流量と不釣合いな状態となる。そのため、ガスホルダーに収容しきれなくなるタイミングが存在し、フレアスタックから燃焼放散しなければならないという問題がある。
このような問題に対して、特許文献4には、転炉ガスの燃焼放散を抑えるための転炉ガスの利用方法として、COとメタノールを反応させて酢酸を合成する装置に転炉ガスを供給し、転炉ガス中のCOを酢酸の原料として利用する方法が示されている。
しかしながら、酢酸は製鉄所で必要な副原料ではなく、外販することが必要なため、酢酸の需要が乏しいときは製造量を減らす必要が生じ、転炉ガスの放散抑止ができなくなるという問題がある。
したがって本発明の目的は、廃プラスチックなどの有機物質を低分子化して気体燃料や液体燃料などに転換する際に、安定的に供給可能なガスを用いて有機物質を効率的に改質して低分子化し、重質分や炭素質が少なく、軽質分を多量に含有する改質物を得ることができ、しかも比較的簡易な設備で実施することができる有機物質の低分子化方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、冶金炉から発生する排ガスを安定的な使用量で有効利用し、燃焼放散量を安定的に減少させることができる冶金炉発生排ガスの利用方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、以下のような知見を得た。まず、第一の課題を解決するには、冶金炉で発生する一酸化炭素を含有する排ガスに過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、このシフト反応後のガス、すなわちシフト反応で生成した水素および炭酸ガスと残存した水蒸気とを含む混合ガスにより、高分子量の有機物質を改質して低分子化することが有効であることを見出した。また、この有機物質改質用の混合ガス(シフト反応生成ガス)の組成には好適範囲があることが判った。
また、第二の課題についても、一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガスを、上記のような有機物質を低分子化する特定のプロセスの原料ガスとして有効利用することにより、解決できることが判った。すなわち、一酸化炭素を含有する冶金炉発生ガスを上記のような特定の有機物低分子化プロセスの原料ガスとして用いることにより得られる気体燃料や液体燃料は、製鉄所などの金属製錬設備では不可欠であり、常時消費されるものであるため、需要に応じて製造量を減じる必要がなく、このため冶金炉発生ガスを原料ガスとして安定的に使用(消費)することができるので、冶金炉発生ガスの燃焼放散量を安定的に減少させることができる。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化することを特徴とする有機物質の低分子化方法。
[2]上記[1]の有機物質の低分子化方法において、排ガス(g)が、冶金炉で発生した一酸化炭素と窒素を含有する排ガスから窒素の少なくとも一部を分離することで一酸化炭素濃度を高めた排ガスであることを特徴とする有機物質の低分子化方法。
[3]上記[1]または[2]の有機物質の低分子化方法において、混合ガス(g)の水蒸気濃度が5〜70vol%であることを特徴とする有機物質の低分子化方法。
[4]上記[3]の有機物質の低分子化方法において、混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%であることを特徴とする有機物質の低分子化方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの有機物質の低分子化方法において、改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする有機物質の低分子化方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの有機物質の低分子化方法により得られた有機物質の改質物を、気体燃料および/または液体燃料として回収することを特徴とする燃料の製造方法。
[7]冶金炉から間欠的に発生する一酸化炭素を含有する排ガス(g)を一時貯留するガスホルダーと、該ガスホルダーに貯留された排ガス(g)をガス利用設備に送る送ガス配管と、ガスホルダーに貯留できない排ガス(g)を燃焼放散するフレアスタックを有する排ガス設備において、前記送ガス配管から分岐した送ガス配管を通じて排ガス(g)の一部を払出し、該排ガス(g)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化することを特徴とする冶金炉発生排ガスの利用方法。
[8]上記[7]の方法において、過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせる排ガス(g)が、冶金炉で発生した一酸化炭素と窒素を含有する排ガスから窒素の少なくとも一部を分離することで一酸化炭素濃度を高めた排ガスであることを特徴とする冶金炉発生排ガスの利用方法。
[9]上記[7]または[8]の方法において、混合ガス(g)の水蒸気濃度が5〜70vol%であることを特徴とする冶金炉発生排ガスの利用方法。
[10]上記[9]の方法において、混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%であることを特徴とする冶金炉発生排ガスの利用方法。
[11]上記[7]〜[10]のいずれかの方法において、改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする冶金炉発生排ガスの利用方法。
[12]上記[7]〜[11]のいずれかの方法により得られた有機物質の改質物を、気体燃料および/または液体燃料として回収することを特徴とする燃料の製造方法。
本願の第一の発明によれば、廃プラスチックなどの高分子量の有機物質を低分子化して気体燃料や液体燃料などに転換する際に、安定的に供給可能なガスを用いて有機物質を効率的に改質して低分子化し、重質分や炭素質が少なく、軽質分を多量に含有する高カロリーの改質物を得ることができる。また、実施設備に関しても、特別な計測器や流路切替弁などが必要なく、しかも比較的低い反応温度でも有機物質の改質を行うことができるので、比較的簡易な設備で実施することができる。また、シフト反応によって生成するCOは、有機物質の改質中に炭酸ガス改質反応でCOに変化するため、有機物質のケミカルリサイクルをCO発生量を増加させることなく実施することが可能となる。
また、本願の第二の発明によれば、比較的低カロリーの排ガスである一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガスを、廃プラスチックなどの有機物質を低分子化して気体燃料や液体燃料などに転換する特定のプロセスの原料ガスとして有効利用することができる。気体燃料や液体燃料は、製鉄所などの金属製錬設備では不可欠なものであり、安定的に消費されるものであるため、需要に応じて製造量を減じる必要がなく、このため冶金炉発生排ガスを原料ガスとして安定的に使用(消費)することができ、これにより冶金炉発生排ガスの燃焼放散量も安定的に減少させることができる。特に、製鉄所などの金属製錬設備では、冶金炉発生排ガスの発生量と設備内での燃料消費量・生産量は比例関係にあるので、冶金炉発生排ガスの発生量と燃料製造のための冶金炉発生排ガスの使用量も比例関係になり、この面からも、冶金炉発生排ガスの燃焼放散量を安定的に減少させることができる。
また、廃プラスチックなどの有機物質の処理という面からは、廃プラスチックなどの高分子量の有機物質を低分子化して気体燃料や液体燃料などに転換する際に、安定的に供給可能な冶金炉発生排ガスを用いて有機物質を効率的に改質して低分子化し、重質分や炭素質が少なく、軽質分を多量に含有する高カロリーの改質物を得ることができる。また、実施設備に関しても、特別な計測器や流路切替弁などが必要なく、しかも比較的低い反応温度でも有機物質の改質を行うことができるので、比較的簡易な設備で実施することができる。また、シフト反応によって生成するCOは、有機物質の改質中に炭酸ガス改質反応でCOに変化するため、有機物質のケミカルリサイクルをCO発生量を増加させることなく実施することが可能となる。
転炉ガスに水蒸気を添加して行うシフト反応において、水蒸気の添加量とシフト反応後のガスの組成(温度430℃における平衡組成計算値)との関係を示すグラフ 従来の一般的な製鉄所における転炉の排ガス設備を示す構成図 本発明を実施するための設備の一実施形態を示す構成図 実施例1において、シフト反応生成ガスの水蒸気濃度と、ポリエチレンの改質(低分子化)におけるガス化率および液化率との関係を示すグラフ 実施例1において、シフト反応生成ガスの水蒸気濃度と、ポリエチレンの改質(低分子化)で得られた気体燃料および液体燃料のLHVとの関係を示すグラフ 実施例1において、シフト反応生成ガスの水蒸気濃度と、ポリエチレンの改質(低分子化)におけるポリエチレン分解率との関係を示すグラフ 実施例1において、シフト反応生成ガスの炭酸ガス濃度と、ポリエチレンの改質(低分子化)で得られた気体燃料の水素濃度との関係を示すグラフ 実施例1において、シフト反応生成ガスの水素濃度と、ポリエチレンの改質(低分子化)で得られた気体燃料の炭酸ガス濃度との関係を示すグラフ 実施例1(発明例11)で用いた設備を模式的に示す説明図 従来例でのガスホルダーレベルと燃焼放散量の推移を示すグラフ 実施例2における発明例でのガスホルダーレベルと燃焼放散量の推移を示すグラフ 図10と図11から求めた従来例と本発明例の積算燃焼放散量を示すグラフ
まず、本願の第一の発明に係る有機物質の低分子化方法について説明する。
本発明法では、冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g)(以下、「冶金炉発生排ガス」という場合がある)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)(以下「シフト反応生成ガス」という場合がある。)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化する。なお、排ガス(g)に過剰の水蒸気を添加するとは、シフト反応で消費されない余剰の水蒸気が混合ガス(g)中に残存するように水蒸気を添加するという意味である。
このような本発明法では、比較的低い反応温度でも効率的に有機物質の低分子化が促進され、水素消費量も少なく、且つ重質分や炭素質の生成もほとんど認められない。
一般に廃プラスチックなどの高分子量有機物質は、300〜400℃以上で加熱すると熱分解が始まることが知られているが、この時、軽質化とともに重質化も進行してしまう。熱分解時に水素を共存させると、炭化水素種への水素付加反応と水素化分解反応が進行するため、重質化抑制と低分子化に有効である。しかしながら、水素化分解に高温が必要であり、且つ水素消費量が多くなることが問題である。
一方、水蒸気改質や炭酸ガス改質は、HOやCO分子中の酸素による炭化水素の酸化と看做すことができ、少ない水素添加量で低分子化と炭素質生成抑制が達成できる。さらに、水蒸気改質や炭酸ガス改質は、改質される有機分子の炭素鎖が長くなるにつれて反応温度が低下するという特徴を有する。本発明法において、比較的低い反応温度でも効率的に有機物質の低分子化が促進され、水素消費量も少なく、且つ重質分や炭素質の生成もほとんど認められないのは、上記混合ガス(g)を用いて有機物質の改質(低分子化)を行うことにより、水素化、水素化分解、水蒸気改質、炭酸ガス改質の4反応が同時に進行するためであると考えられる。
例えば、転炉などの冶金炉から発生する排ガスには、通常、COが25〜80vol%程度含有されている。したがって、これに水蒸気を添加すると、下記のシフト反応(1)によってHとCOが生成する。
CO+HO→H+CO …(1)
本発明法では、排ガス(g)に過剰の水蒸気が添加されるので、シフト反応後の混合ガス(g)には、シフト反応により生成したH、COと過剰添加分のHOが含まれることになる。そして、このシフト反応生成ガス(g)による有機物質の改質(低分子化)では、各ガス成分による水素化、水素化分解、水蒸気改質、炭酸ガス改質の4反応が同時進行するものと考えられる。
本発明では、排ガス(g)に対して過剰に添加する水蒸気の過剰割合やシフト反応の反応率を適宜制御することによって、ガス中の水蒸気、水素、炭酸ガスの各濃度を制御し、有機物質改質用の混合ガス(g)とすることができる。ただし、ガスホルダー(例えば、製鉄所内で使用されている一般的なガスホルダー)に貯蔵される冶金炉発生排ガスの一般的組成は、CO:50〜70vol%、CO:10〜20vol%、N:10〜20vol%、H:0〜5vol%(他に飽和水蒸気を含む)程度であるため、一般には、シフト反応の反応率制御まで行う必要はなく、水蒸気の過剰割合を調整するだけで、混合ガス(g)の水蒸気、水素、炭酸ガスの各濃度を所望のレベルに制御することができる。
なお、シフト反応の反応率は、シフト反応器内での滞留時間を調整することで制御することができる。例えば、滞留時間を短くするには、シフト反応器長さを小さくしたり、或いは触媒充填量を少なくする方法が一般的であり、その場合、シフト反応器長さや触媒充填量は、ほぼ平衡まで反応を進行させる場合の1/2〜1/4程度とすればよい。
一例として、CO:65vol%、CO:15vol%、N:18vol%、H:1vol%、HO:1vol%からなる組成の転炉ガス100kmol/h(=2240Nm/h)に、水蒸気の添加量を60kmol/h(=1340Nm/h)から540kmol/h(=12100Nm/h)まで変化させてシフト反応を行う場合について、水蒸気添加量とシフト反応後のガスの組成(温度430℃における平衡組成計算値)を図1に示す。これによれば、水蒸気添加量を調整するだけで、混合ガス(g)の水蒸気、水素、炭酸ガスの各濃度を制御でき、後述するような好ましいガス組成にできることが判る。なお、シフト反応は、通常、ほぼ平衡まで反応が進行することはよく知られている。
以下、本発明法の詳細と好ましい条件について説明する。
本発明において、シフト反応させる排ガス(g)として冶金炉発生排ガスを用いる理由は、冶金炉発生排ガスは比較的高濃度に一酸化炭素を含有し、且つ不要な窒素の濃度が低いためである。一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガス(g)としては、任意のものが使用できる。最も代表的なものは、鉄鋼製造プロセスの脱炭工程が行われる転炉から発生する転炉ガスであるが、それ以外にも、例えば、溶銑予備処理炉、溶融還元炉、シャフト炉などから発生する排ガスを例示することができ、これらの1種または2種以上の混合ガスを用いることができる。
冶金プロセスで生成する一酸化炭素が、さらに酸化されて二酸化炭素が生成する割合である二次燃焼率(CO/(CO+CO)×100)は、一般に10〜50%程度に過ぎない。また、排ガス(g)中には水素と窒素も含まれるが、H濃度は冶金プロセスに応じて変化し、0〜20vol%程度である。窒素は、炉内撹拌や煙道保安などのために供給されており、通常、排ガス(g)中の濃度は10〜30vol%程度である。
以上の点から、一般的な冶金炉発生排ガス(g)の組成は、概ね以下のような範囲となる。
CO:80〜25vol%(二次燃焼率10〜50%に相当)
CO:10〜25vol%(二次燃焼率10〜50%に相当)
:10〜30vol%
:0〜20vol%
シフト反応には一酸化炭素が必要であるが、ガスの組成が上記の範囲であれば、排ガス(g)の組成に特段の問題はない。ここで、窒素は本発明で生じる化学反応(シフト反応、水素化、水素化分解、水蒸気改質、炭酸ガス改質)には何ら寄与せず、一方において、製造される気体燃料を希釈し、低位燃焼熱(以下、「LHV」という)を低下させる。特に、窒素濃度が50vol%を超えると、気体燃料のLHVの低下が顕著になるとともに、シフト反応速度も低下する傾向になる。このため窒素濃度は上記組成範囲内であることが好ましい。
さきに述べたように、ガスホルダー(例えば、製鉄所内で使用されている一般的なガスホルダー)に貯蔵される冶金炉発生排ガスの一般的組成は、CO:50〜70vol%、CO:10〜20vol%、N:10〜20vol%、H:0〜5vol%(他に飽和水蒸気を含む)程度であり、この組成は、上記の一般的な冶金炉発生排ガスの組成の中で高CO濃度組成に相当する。ガスホルダーに貯蔵されたガスは、製鉄所内の各工場で燃料ガスとして利用するため、利用先での燃焼効率の低下を防止する必要がある。そのため、ガス中CO濃度の下限値をガスホルダーへの貯蔵条件として設定しておくことが、高CO濃度組成になっている理由である。
本発明では、製鉄所内で使用されている一般的なガスホルダーに貯蔵されているような比較的CO濃度が高い排ガスであっても、上記のような一般的な冶金炉発生排ガスの組成であっても、排ガス(g)として利用することができる。
ところで、冶金炉発生排ガス(g)のなかには、高炉ガスなどのように一酸化炭素濃度が比較的低く、且つ窒素濃度が高いものがあり、このような冶金炉発生排ガス(g)については、含有する窒素の少なくとも一部を分離(除去)して一酸化炭素濃度を高めた上で、過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせるようにしてもよい。なお、有機物質の低分子化で生成する気体燃料の燃焼熱の要求仕様によるため一律に定めることができないが、排ガス中の窒素濃度が30vol%超であれば、窒素分離工程を設けて排ガス(g)から窒素の少なくとも一部を分離(除去)することが好ましい。
窒素分離をするのが好ましい代表的な排ガスとしては、高炉ガスを挙げることができるが、この他にも電炉や窒素濃度が高くなる条件で操業しているシャフト炉の発生排ガスなどを挙げることができる。なお、転炉ガスなどのように、比較的高濃度の一酸化炭素を含有する排ガスについて窒素の分離を行い、一酸化炭素濃度をさらに高めた上で、シフト反応を行うこともできる。
排ガスから窒素を分離する方法に特別な制限はなく、吸着分離法、蒸留分離法など任意の方法を適用することができるが、窒素と一酸化炭素の沸点差が小さいことから、吸着分離法が特に好ましい。例えば、CO吸着剤として知られているCuを担持した活性炭はCOも吸着するため、Cu担持活性炭を吸着剤とするPSA法によって、高炉ガス(概略組成:N:50vol%、CO:25vol%、CO:25vol%)から脱着ガスとして概略組成がN:15vol%、CO:45vol%、CO:40vol%のガスを得ることができ、これは高炉ガス中の窒素を分離して一酸化炭素を濃縮したことになる。
本発明法でのシフト反応は公知の手法で行えばよく、特別な制限はない。一般的には、冶金炉発生排ガス(g)に事前に水蒸気を添加しておき、これを触媒が充填された固定床反応器に導入してシフト反応を行う。また、事前に添加する水蒸気を一部とし、反応器内に触媒を多段で充填し、触媒層と触媒層との間から残りの水蒸気を添加するようにしてもよい。
なお、本発明のようなシフト反応を行うことなく、冶金炉発生排ガス(g)に水蒸気、水素、炭酸ガスをそれぞれ添加すれば、本発明のシフト反応で得られる有機物質改質用の混合ガス(g)と同等の組成のガスを得ることはできるが、このような方法では、水蒸気に加えて、高価な水素ガスと炭酸ガスを添加しなければならず、コスト高となる。
本発明において、シフト反応で得られる有機物質改質用の混合ガス(g)は、水蒸気、水素および炭酸ガスを含むものであり、それらの濃度に特別な制限はないが、以下のような理由から、水蒸気濃度は5〜70vol%であることが好ましい。すなわち、水蒸気濃度が低いと廃プラスチックなどの有機物質の分解率が低くなるが、水蒸気濃度を5vol%以上とすることにより、一定水準の有機物質の分解率を確保でき、気体燃料の生成率(ガス化率)・液体燃料の生成率(液化率)を一定の水準にできるとともに、重質分の生成量を少なくできる。一方、水蒸気濃度が高いと有機物質の改質反応生成ガス(有機物資の改質による低分子化で生成したガス。以下同様)中にCOが残留しやすくなるとともに、気体燃料・液体燃料のLHVが低下しやすくなるが、水蒸気濃度が70vol%以下であれば、改質反応生成ガス中でのCOの残留を抑えることができ、また、気体燃料・液体燃料のLHVの低下も抑えることができる。
また、有機物質の分解率を確保する観点から、混合ガス(g)の水素濃度および炭酸ガス濃度はともに5vol%以上が好ましい。
また、以下のような理由から、有機物質改質用の混合ガス(g)のより好ましい組成は、水蒸気濃度:20〜70vol%、水素濃度:10〜40vol%、炭酸ガス濃度:10〜40vol%である。なお、この混合ガス(g)に、他のガス成分(例えば、窒素など)が含まれることは妨げない。水蒸気濃度を20vol%以上とすることにより、有機物質の分解率を十分に高めることができるとともに、気体燃料のLHVを高くすることができる。水蒸気濃度を70vol%以下とする理由は、さきに述べたとおりである。水素濃度を10vol%以上(より好ましくは12vol%以上)とすることにより、特に、比較的低温で有機物質の改質反応を行った場合でも、気体燃料中にCOが残留することを抑えることができる。炭酸ガス濃度を10vol%以上(より好ましくは13vol%以上)とすることにより、気体燃料中に炭化水素やCOに比べて低カロリーのガス成分であるHが残留しにくくなる。また、水素濃度や炭酸ガス濃度を40vol%以下とすることにより、廃プラスチックなどの有機物質の分解率を好ましいレベルにすることができる。また、以上のような観点から、混合ガス(g)のより好ましいガス組成は、水蒸気濃度:25〜65vol%、水素濃度:15〜35vol%、炭酸ガス濃度:15〜35vol%である。なお、この混合ガス(g)に、他のガス成分(例えば、窒素など)が含まれることは妨げない。
また、本発明の特徴の一つとして、有機物質改質用の混合ガス(g)の水蒸気濃度によって、有機物質の改質における気体燃料生成量と液体燃料生成量との比を制御できることが挙げられる。すなわち、混合ガス(g)の水蒸気濃度を50vol%以上にすると気体燃料が主に生成し(すなわち、気体燃料生成量>液体燃料生成量)、水蒸気濃度を40vol%以下にすると液体燃料が主に生成する(すなわち、気体燃料生成量<液体燃料生成量)。なお、水素濃度、炭酸ガス濃度の影響は水蒸気濃度の影響ほど顕著ではないので、本発明の好適範囲内であればよい。
次に、シフト反応で得られた混合ガス(g)による有機物質の改質(低分子化)条件について説明する。
本発明において、改質による低分子化の対象となる有機物質に特別な制限はないが、高分子量の有機物質が好適であり、例えば、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油などが挙げられ、これらの1種以上を対象とすることができる。
ここで、含油スラッジとは、含油廃液処理工程で発生する汚泥状の混合物のことであり、一般に30〜70質量%程度の水分を含んでいる。スラッジ中の油分としては、例えば、各種鉱物油、天然および/または合成油脂類、各種脂肪酸エステル類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、改質反応器(有機物質を改質して低分子化するための反応器。以下同様)に含油スラッジを供給する際などのハンドリング性を向上させるために、遠心分離などの手法により、スラッジ中の水分を30〜50質量%程度まで低減させてもよい。
また、廃油としては、例えば、使用済みの各種鉱物油、天然および/または合成油脂類、各種脂肪酸エステル類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これら2種以上の廃油の混合物であってもよい。また、製鉄所の圧延工程で発生する廃油の場合、一般に多量(通常、80質量%超程度)の水分を含有しているが、この水分についても、比重分離などの手法によって事前に低減させておくことが、ハンドリング性の面で有利である。
有機物質が水を含んでいる場合には、改質反応器内で水蒸気が発生するので、その分を考慮してシフト反応で添加する水蒸気の過剰割合を決定する。
また、廃プラスチックがポリ塩化ビニルなどの塩素含有樹脂を含んでいると、改質反応器内で塩素が発生し、この塩素が気体燃料や液体燃料中に含有されてしまう恐れがある。したがって、廃プラスチックが塩素含有樹脂を含む恐れがある場合には、改質反応器内にCaOなどのような塩素吸収剤を投入し、塩素分が生成する気体燃料や液体燃料中に含有されないようにすることが好ましい。
有機物質改質時の反応温度は、有機物質の種類に応じて、以下のようにすることが好ましい。廃プラスチックの場合には、反応温度は400〜900℃程度が適当である。反応温度が400℃未満では廃プラスチックの分解率が低く、一方、900℃を超えると炭素質の生成が多くなる。また、含油スラッジや廃油の場合には、反応温度は300〜800℃程度が適当である。反応温度が300℃未満では含油スラッジや廃油の分解率が低くなる。一方、反応温度が800℃を超えても含油スラッジや廃油の改質(低分子化)特性に影響はないが、必要以上の高温であるため、経済的でない。また、廃プラスチックと含油スラッジおよび/または廃油の混合物を対象とする場合には、上述した点から、反応温度は400〜800℃程度が適当である。なお、気体燃料生成量と液体燃料生成量との比に対する反応温度の影響はほとんど見られない。また、圧力の影響もほとんど認められないので、常圧または数kg/cm程度の微加圧で改質反応器を運転することが経済的である。
改質反応器の種類は特に限定されないが、反応器内で廃プラスチックなどの有機物質が円滑に移動し、且つ有機物質改質用の混合ガス(g)と効率的に接触できるという点から、ロータリーキルンのような横型の移動床方式反応器が好ましい。
また、本発明では有機物質の改質に特に触媒を必要としないが、触媒を充填して反応を行ってもよい。触媒としては、水蒸気改質活性、炭酸ガス改質活性、水素化活性、水素化分解活性をそれぞれ有する1種または2種以上の触媒を用いることができる。具体例としては、Ni系改質触媒、Ni系水素化触媒、Pt/ゼオライト系石油精製触媒などを挙げることができる。また、微細なFe粒子からなることが知られている転炉発生ダストも、改質触媒や水素化分解触媒として用いることができる。
触媒を充填する場合には、廃プラスチックなどの有機物質と触媒との接触が良好となることから、ロータリーキルンなどのような横型の移動床式改質反応器ではなく、縦型の改質反応器を採用してもよい。この場合、シフト反応で得られた混合ガス(g)は、改質反応器の上部よりも、下部および/または側部から供給する方が、混合ガス(g)と有機物質や触媒との接触が良好となり好ましい。
縦型の改質反応器としては、化学工業で用いられる一般的な固定床反応器を用いることができるが、特に、混合ガス(g)を改質反応器下部から供給する方式を採用する場合には、製鉄設備である高炉やシャフト炉、或いは転炉を改質反応器として利用することもできる。高炉やシャフト炉を改質反応器として利用する場合は、炉上部から有機物質と触媒を、炉下部から混合ガス(g)を、それぞれ連続的に供給して向流接触させ、炉上部から気体生成物を、炉下部から液体生成物と触媒を連続的に抜き出す移動床式とすると、反応効率が高くなり好ましい。また、転炉を改質反応器として利用する場合は、有機物質と触媒を炉に投入した後、炉下部から混合ガス(g)を連続的に供給し、気体生成物は炉上部から連続的に抜き出し、液体生成物と触媒は一定時間の反応後に炉を傾けて抜き出すという、吹錬と同様の回分式反応形式とすることができる。
本発明法で得られる有機物質の改質物は、通常、気体と液体であり、これらは気体燃料、液体燃料として好適である。
気体燃料中の可燃成分は一酸化炭素とC1〜C4の炭化水素から成り、そのLHVは約6〜10Mcal/Nmである。このように、天然ガス並みのLHVであるにも拘わらず、一酸化炭素濃度が高いので、天然ガスよりも燃焼性が高いことが特徴である。一酸化炭素濃度が高く且つ燃焼性が高いことから、家庭用都市ガスとして供給するよりも、製鉄所などのような冶金炉を有する工場の都市ガス代替燃料として利用する方が安全性の点から好ましい。
液体燃料はC5〜C24の炭化水素から成っていることから、ナフサ(C5〜C8)、灯油(C9〜C12)、軽油(C13〜C24)の混合物であり、重油相当(C25以上)をほとんど含まない良質の軽質油である。この液体燃料は、蒸留分離によって、ナフサ、灯油、軽油として別々に利用してもよいが、混合物のまま、製鉄所などのような冶金炉を有する工場の燃料や溶鉱炉の重油代替還元剤として利用してもよい。
なお、ナフサ(C5〜C8)の含有率が多いことから、軽質液体燃料としての利用の他に、ナフサ分を蒸留分離した後、化学工業原料としても利用できる。これには、蒸留分離したナフサ分を接触改質してベンゼン、トルエン、キシレンなどに転換するなどの利用方法を例示することができる。
本発明法で得られる有機物質の改質物は、改質反応生成ガスを冷却した後、気液分離することによって、それぞれ気体燃料と液体燃料に分離することができる。また、必要に応じて蒸留分離することによって、液体燃料からナフサ、灯油、軽油を分離することができる。改質反応生成ガスの冷却方法、気液分離方法、並びに蒸留分離方法は公知の方法で行うことができ、特別な制限はない。
なお、以上述べた点からして、本発明で得られる混合ガス(g)と同等の組成の混合ガスを用いれば、有機物質を効率的に分解し、低分子化することができる。特に、水蒸気濃度:20〜70vol%、水素濃度:10〜40vol%、炭酸ガス濃度:10〜40vol%、より好ましくは水蒸気濃度:25〜65vol%、水素濃度:15〜35vol%、炭酸ガス濃度:15〜35vol%である混合ガスを用いることにより、有機物質の分解率を十分に高めることができるとともに、気体燃料のLHVを高くすることができる。なお、この混合ガスに、他のガス成分(例えば、窒素など)が含まれることは妨げない。
このようなガス組成の限定理由は、さきに述べた本発明法における限定理由と同様である。本発明法以外でこのような組成の混合ガスを得るには、例えば、ベースとなるガスに水蒸気、水素、炭酸ガスの1種以上を添加する。
この混合ガスによる有機物質の改質(低分子化)条件は、さきに述べた本発明法における改質(低分子化)条件と同様である。
したがって、その方法の要旨は下記[i]〜[iv]の通りであり、後述する本発明の「実施例1」は、下記[i]〜[iv]の方法の実施例でもある。
[i]水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%である混合ガスを有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化することを特徴とする有機物質の低分子化方法。
[ii]上記[i]の方法において、混合ガスは、水蒸気濃度が25〜65vol%、水素濃度が15〜35vol%、炭酸ガス濃度が15〜35vol%であることを特徴とする有機物質の低分子化方法。
[iii]上記[i]または[ii]の方法において、改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする記載の有機物質の低分子化方法。
[iv]上記[i]〜[iii]のいずれかの方法により得られた有機物質の改質物を、気体燃料および/または液体燃料として回収することを特徴とする燃料の製造方法。
次に、本願の第二の発明に係る冶金炉発生排ガスの利用方法について説明する。
転炉などのバッチ生産を行う各種冶金炉では、生産に同期して多量の排ガスが間欠的に発生する。例えば転炉では、CO濃度が30〜70vol%程度の排ガスが瞬時流量で10〜30万Nm/hr程度発生する。しかし、吹錬時間は10〜30分程度なので、吹錬をしていない時間も含めた時間平均流量としては1.7〜5万Nm/hrに過ぎず(瞬時流量10万Nm/hrの場合)、瞬時流量と大きな差がある。転炉ガスの低位燃焼熱は1800〜2000kcal/Nm程度なので、製鉄所内の燃料などとして有効利用されている。しかし、間欠発生であるため、排ガスは前期の時間平均流量以下の流量で利用しなければならず、本質的に瞬時流量と不釣合いな状態となる。そのため、ガスホルダーに収容しきれなくなるタイミングが存在し、フレアスタックから燃焼放散しなければならないという問題があった。
図2に、一般的な製鉄所における転炉の排ガス設備を示す。転炉1から排出されたガスはガス回収設備2で回収され、ガスホルダー5(例えば、ウィギンス式のような内部に可動式ピストンを備え容量可変としたガスホルダー)をバッファーとして、送ガス配管6により製鉄所内の各ガス利用設備7に送ガスされる。この時、上述した時間平均流量と瞬時流量との大きな差のため、ガスホルダー5に収容しきれなくなる時が発生するので、三方弁3をフレアスタック4側に切替えて、排ガスを燃焼放散することになる。特に、図には示していないもう一つの転炉の吹錬がラップした場合には、非常に大きな瞬時流量となるため、燃焼放散が避けられない事態となる。
燃焼放散量を少なくするには、上述したように、製鉄所内での排ガス利用量を増やすことが効果的であるが、特に国内製鉄所では高度に排ガスを利用しており、単純に利用量を増加させることは困難である。
しかし、天然ガスや重油のような高カロリー燃料は、高炉への吹き込みや製鉄排ガスを燃料とする自家発電所用燃料ガスへの増熱などのために、補助燃料や補助炭材として使用されている。したがって、排ガスを高カロリー燃料に変換できれば、排ガス利用量の純増が可能で、その結果として燃焼放散量を減少させることができる。
そこで本発明では、上記のように冶金炉から間欠的に発生する一酸化炭素を含有する排ガス(g)(以下、「冶金炉発生排ガス」という場合がある)を一時貯留するガスホルダーと、このガスホルダーに貯留された排ガス(g)をガス利用設備に送る送ガス配管と、ガスホルダーに貯留できない排ガス(g)を燃焼放散するフレアスタックを有するガス回収設備において、前記送ガス配管から分岐した送ガス配管を通じて排ガス(g)の一部を払出し、廃プラスチックなどの有機物質を低分子化して気体燃料や液体燃料などに転換する上述した特定のプロセス(さきに述べた本願の第一の発明に係る有機物質の低分子化方法)の原料ガスとして用いる。すなわち、排ガス(g)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化する。
このように本発明では、冶金炉発生排ガスを、廃プラスチックなどの有機物質を低分子化して気体燃料や液体燃料などに転換する特定のプロセスの原料ガスとして利用する。気体燃料や液体燃料は、製鉄所などの金属製錬設備では不可欠なものであり、安定的に消費されるものであるため、需要に応じて製造量を減じる必要がなく、このため冶金炉発生排ガスを原料ガスとして安定的に使用(消費)することができ、これにより冶金炉発生排ガスの燃焼放散量も安定的に減少させることができる。
なお、本発明で行う有機物質の低分子化処理の特徴や利点は、さきに本願の第一の発明に係る有機物質の低分子化方法に関して述べたとおりである。
図3は、本発明を実施するための設備の一実施形態の構成図であり、冶金炉発生排ガスが転炉ガスである場合を示している。図において、Aは排ガス(g)を原料ガスとし、有機物質を低分子化して気体燃料および液体燃料に転換する処理がなされる処理設備、8はこの処理設備Aを構成するシフト反応器、9は同じく改質反応器である。
図2と同様に、転炉1から排出された排ガス(g)はガス回収設備2で回収され、ガスホルダー5をバッファーとして、送ガス配管6により製鉄所内の各ガス利用設備7に送ガスされるが、送ガス配管6の途中から分岐した送ガス配管60を通じて必要量の排ガス(g)が払い出され、有機物質を低分子化して気体燃料・液体燃料に転換するための原料ガスとして処理設備Aに送られる。
処理設備Aでは、排ガス(g)にスチームを混合した後(後述するように、このスチームの混合は、一部をシフト反応器8内で行ってもよい)、シフト反応器8に導入してシフト反応を行い、次いで、このシフト反応後の混合ガス(g)(シフト反応生成ガス)を改質反応器9に導入し、有機物質の改質(低分子化)を行う。
なお、本発明法における有機物質の低分子化処理の詳細と好ましい条件は、さきに本願の第一の発明に係る有機物質の低分子化方法に関して述べたとおりである。したがって、冶金炉発生排ガス(g)によっては、含有する窒素の少なくとも一部を分離(除去)することで一酸化炭素濃度を高めた上で、過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせるようにしてもよい。
高炉ガスのように、冶金炉から間欠的ではなく連続的に発生する一酸化炭素を含有する排ガスであっても、本願第一発明において詳細に説明した通り、廃プラスチックなどの有機物質を効率的に気体燃料や液体燃料に変換できる。連続的に発生する冶金炉発生排ガスであっても、その排ガス系にフレアスタックを有している場合は本願第二発明と同等の効果によって、燃焼放散量を減少させることが可能である。
一方、排ガス系にフレアスタックを有していない連続的に発生する冶金炉発生排ガスの場合、直接的には燃焼放散量の減少という効果を有しない。しかしながら、本発明の方法によって製造した気体燃料や液体燃料は、製鉄所などの金属製錬設備で安定的に消費できるものであり、且つ、高炉ガスなどに比べて燃焼熱が高いことが特徴である。その結果、金属製錬設備全体でのエネルギー効率が向上し、その結果として天然ガスや重油などの外部燃料購入量が減少し、燃焼放散量を減少させたと同等の効果を有することになる。
[実施例1]
・発明例1
転炉ガスを一時貯留するガスホルダーのガス払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにした。この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、予熱器(転炉ガスとスチームの混合ガス用)、シフト反応器(円筒竪型)、改質反応器(外熱式ロータリーキルン)、液体燃料捕集器を備えた改質反応生成ガス冷却用のガス冷却器を、この順に配置した。前記改質反応器の入側には、スクリューコンベア方式の廃プラスチック定量投入装置を設置した。また、シフト反応器の出側配管とガス冷却器の冷却後ガスの出側配管には、サンプリングポートと流量計を設置した。
ガスホルダー中の転炉ガスの平均組成は、H:12vol%、CO:54vol%、CO:17vol%、HO:1vol%、N:16vol%であった。スチーム混合器に対して転炉ガスを74Nm/h、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを100Nm/h供給し、予熱器で320℃まで昇温した後、シフト反応器(Fe−Cr系高温シフト触媒充填)に導入した。シフト反応器でのシフト反応によって、ガス組成がH:26vol%、CO:2vol%、CO:28vol%、HO:37vol%、N:7vol%のガス(シフト反応生成ガス)が得られた。このシフト反応生成ガスは、流量が172Nm/h(質量流量では170kg/h)、反応器出口ガス温度が430℃であった。
改質反応器である外熱式ロータリーキルンは予め500℃に予熱されており、この改質反応器に、シフト反応生成ガスを導入するとともに、廃プラスチックのモデル物質として粒状に破砕処理したポリエチレンを880kg/hで供給し、計画反応温度である800℃まで昇温させた。800℃に到達後、液体燃料捕集器に捕集されていた液体生成物を払い出し、その後1時間、廃プラスチックの改質反応を継続した。
気体燃料分はガス冷却器による冷却後のガス分析結果から、また、液体燃料分は液体燃料捕集器に捕集された液体生成物の分析結果から、それぞれ生成量と組成を求め、また、気体燃料についてはLHVを求めた。それらの結果を表1に示す。
原料として供給したシフト反応生成ガスとポリエチレンの合計量は1050kg/hであるので、供給原料総量に対する生成率は、気体燃料が36%、液体燃料が62%であった。未反応ポリエチレン量を直接計量することは困難なので、供給したシフト反応生成ガスとポリエチレンの合計量(1050kg/h)に対する、気体燃料(380kg/h)と液体燃料(650kg/h)の合計収率をポリエチレン分解率と定義すると、この発明例1では、ポリエチレン分解率が98%と十分に高い値であること、C25以上の炭化水素の生成がほとんど認められないことから、ポリエチレンは効率的に低分子化されたことは明らかである。有機物質の改質反応によりHO、CO、Hは完全に消費されており、水蒸気改質、炭酸ガス改質、水素化、水素化分解の4反応が同時に進行したものと考えられる。生成した気体燃料のLHVは8.9Mcal/Nmと、転炉ガス(1.9Mcal/Nm)の4.7倍に増熱していた。
Figure 0004968402
・発明例2〜10
発明例1と同様の設備において、シフト反応器に供給するスチーム流量を種々変化させたこと、並びに改質反応温度を800℃と500℃の2水準とした以外は発明例1と同様にして、転炉ガスのシフト反応とシフト反応生成ガスによるポリエチレンの改質反応実験を行った。その結果を表2と図4〜図8に示す。
図4は、シフト反応生成ガスの水蒸気濃度と、ポリエチレンの改質(反応温度:800℃)におけるガス化率および液化率との関係を示したものである。ここで、ガス化率とは、供給したシフト反応生成ガスとポリエチレンの合計量(kg/h)に対する気体燃料の生成量(kg/h)の割合であり、気体燃料の定義は表1に示すようにHからC4までとした。同様に、液化率とは、供給したシフト反応生成ガスとポリエチレンの合計量(kg/h)に対する液体燃料の生成量(kg/h)の割合であり、液体燃料の定義は表1に示すようにC5からC24までとした。図5は、シフト反応生成ガスの水蒸気濃度と、ポリエチレンの改質(反応温度:800℃)で得られた気体燃料および液体燃料のLHVとの関係を示したものである。ここで、液体燃料のLHVは、液体燃料の気体換算の標準状態における体積当たりのLHVで表した。図6は、シフト反応生成ガスの水蒸気濃度と、ポリエチレンの改質によるポリエチレン分解率との関係を示したもので、特に、反応温度500℃と800℃においてポリエチレン分解率が同等であることを示したものである。図7は、シフト反応生成ガスの炭酸ガス濃度と、ポリエチレンの改質(反応温度:800℃)で得られた気体燃料の水素濃度との関係を示したものである。図8は、シフト反応生成ガスの水素濃度と、ポリエチレンの改質(反応温度:500℃)で得られた気体燃料の炭酸ガス濃度との関係を示したものである。
Figure 0004968402
・発明例11
この実施例で使用した設備の概略を図9に示す。この設備は、底部にガス分散板90を有する縦型の改質反応器9(内容積:約3m)を備えており、この改質反応器9内には、最下層に粒状に破砕処理したポリエチレンaを880kg充填し、その上部に金属製の網b(10メッシュ)を乗せ、さらにその上部にNi触媒c(Ni担持率:10質量%、担体:α−Al)を800kg充填した。シフト反応器8で生成したシフト反応生成ガスは改質反応器9の底部に導入され、ガス分散板90を通じて反応器内に供給され、反応器内を上昇する。改質生成物は改質反応器9の上部から排出され、液体燃料捕集器10にて気体燃料と液体燃料に分離される。分離された気体燃料はガス冷却器11で冷却される。なお、転炉ガスを一時貯留するガスホルダーからシフト反応器8に至るまでの設備構成は、発明例1と同様とした。
以上のような設備を用い、改質反応器9での計画反応温度を750℃とした以外は、発明例1と同様の条件(転炉ガス組成、シフト反応生成ガスを得るまでの条件、シフト反応生成ガス組成・温度・流量など)にしてポリエチレンの改質反応実験を行った。
気体燃料分と液体生成物の生成量と組成などを、発明例1と同様の方法で求めた。その結果を表3に示す。発明例1とほぼ同等の反応結果であり、改質反応器9での反応温度を750℃と、発明例1よりも50℃低くできたのは触媒添加の効果であると考えられる。
Figure 0004968402
・発明例12
一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガスとして高炉ガスを用いた。高炉ガスの脱硫・乾燥処理後の組成は、H:3vol%、CO:23vol%、CO:21vol%、N:53vol%であったので、以下に述べるPSA法によって窒素分離を行い、一酸化炭素の濃度を高めた。
PSA法による窒素分離では、吸着剤としてCu担持活性炭を400kg充填した吸着塔に、上記高炉ガスを常圧で136Nm/h供給した。脱着は7kPa(絶対圧)で行い、脱着ガス(=一酸化炭素を濃縮した高炉ガス)の組成はH:<1vol%、CO:47vol%、CO:37vol%、N:16vol%、流量は58Nm/hであった。この一酸化炭素を濃縮した高炉ガス58Nm/hと水蒸気として圧力10kg/cmGのスチーム73Nm/hをスチーム混合器に供給し、発明例1と同様にしてシフト反応を行った。その結果、ガス組成がH:19vol%、CO:2vol%、CO:35vol%、HO:37vol%、N:7vol%のガス(シフト反応生成ガス)が得られた。
このシフト反応生成ガスは、流量が130Nm/h(質量流量では146kg/h)、反応器出口ガス温度が430℃であった。このシフト反応生成ガスを用いたことと、改質反応温度を600℃とした以外は発明例1と同様にしてポリエチレンの改質反応を行った。反応結果は気体燃料生成量280kg/h、液体燃料生成量590kg/h、ポリエチレン分解率85%、気体燃料のLHV7.3Mcal/Nmとなり、一酸化炭素を濃縮した高炉ガスからも高効率で反応が進行することを確認できた。また、高炉ガスのLHVは770kcal/Nmなので、9倍以上の燃焼熱のガスを得ることができた。
・比較例1
水蒸気と水素濃度がともに低いガスによるポリエチレンの改質反応効率を調べるために、H:1vol%、CO:61vol%、CO:19vol%、HO:1vol%、N:18vol%なる組成の標準ガスを作り、このガスによりポリエチレンの改質反応実験を行った。その結果、温度800℃においてもポリエチレン分解率は16%、ガス化率10%、液化率5%に過ぎず、低分子化はほとんど進行しなかった。
[実施例2]
・発明例13
容量20万mのガスホルダー1基と燃焼放散を行うフレアスタック1基に対して、種類の異なる吹錬を行う2基の転炉1a,1bが接続されている製鋼工場において、本発明法の工場試験を行った。
転炉1aは、排ガス発生量が10万Nm/hrであり、排ガス発生は90分続き、吹錬間隔は90分であるので、時間平均の排ガス発生量は5万Nm/hrである。もう一つの転炉1bは、排ガス発生量が12万Nm/hrであり、排ガス発生は20分続き、吹錬間隔は70分であるので、時間平均の排ガス発生量は2.7万Nm/hrである。したがって、転炉1aと転炉1bの合計時間平均排ガス量は7.7万Nm/hrである。ガスホルダーの下流には、この製鉄所内の各工場で排ガスを利用する配管が設けられており、合計の排ガス利用量は5.5万Nm/hrであった。
ガスホルダーのレベルが95%を超えると三方弁がフレアスタック側になって燃焼放散が始まり、その後、ホルダーレベルが92%以下になると燃焼放散が終了するようになっている。図10に、ある時間から6時間経過後までのガスホルダーレベル変化と燃焼放散量(瞬時流量)を示す。図10より、この間の積算燃焼放散量は4.7万Nm/hrであるので、時間平均燃焼放散量は7700Nm/hr、時間平均排ガス量との比である燃焼放散率は10%に達していた。
転炉ガスを一時貯留するガスホルダーのガス払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにした。この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、予熱器(転炉ガスとスチームの混合ガス用)、シフト反応器(円筒竪型)、改質反応器(外熱式ロータリーキルン)、液体燃料捕集器を備えた改質反応生成ガス冷却用のガス冷却器を、この順に配置した。前記改質反応器の入側には、スクリューコンベア方式の廃プラスチック定量投入装置を設置した。また、シフト反応器の出側配管とガス冷却器の冷却後ガスの出側配管には、サンプリングポートと流量計を設置した。
ガスホルダー中の転炉ガスの平均組成は、H:12vol%、CO:54vol%、CO:17vol%、HO:1vol%、N:16vol%であった。スチーム混合器に対して転炉ガスを1770Nm/hr、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを2370Nm/hr供給し、予熱器で320℃まで昇温した後、シフト反応器(Fe−Cr系高温シフト触媒充填)に導入した。シフト反応器でのシフト反応によって、ガス組成がH:26vol%、CO:2vol%、CO:28vol%、HO:37vol%、N:7vol%のガス(シフト反応生成ガス)が得られた。このシフト反応生成ガスは、流量が4130Nm/h(質量流量では4.1t/hr)、反応器出口ガス温度が430℃であった。
改質反応器である外熱式ロータリーキルンは予め500℃に予熱されており、この改質反応器に、シフト反応生成ガスを導入するとともに、廃プラスチックのモデル物質として粒状に破砕処理したポリエチレンを21t/hrで供給し、計画反応温度である800℃まで昇温させた。800℃に到達後、液体燃料捕集器に捕集されていた液体生成物を払い出し、その後1時間、廃プラスチックの改質反応を継続した。
気体燃料分はガス冷却器による冷却後のガス分析結果から、また、液体燃料分は液体燃料捕集器に捕集された液体生成物の分析結果から、それぞれ生成量と組成を求め、また、気体燃料についてはLHVを求めた。それらの結果を表4に示す。
原料として供給したシフト反応生成ガスとポリエチレンの合計量は25.1t/hrであるので、供給原料総量に対する生成率は、気体燃料が36%、液体燃料が62%であった。未反応ポリエチレン量を直接計量することは困難なので、供給したシフト反応生成ガスとポリエチレンの合計量(25.1t/hr)に対する、気体燃料(9.05t/hr)と液体燃料(15.65t/hr)の合計収率をポリエチレン分解率と定義すると、この発明例1では、ポリエチレン分解率が98%と十分に高い値であること、C25以上の炭化水素の生成がほとんど認められないことから、ポリエチレンは効率的に低分子化されたことは明らかである。有機物質の改質反応によりHO、CO、Hは完全に消費されており、水蒸気改質、炭酸ガス改質、水素化、水素化分解の4反応が同時に進行したものと考えられる。生成した気体燃料のLHVは8.9Mcal/Nmと、転炉ガス(1.9Mcal/Nm)の4.7倍に増熱していた。
Figure 0004968402
この工場試験時のガスホルダーレベル変化と燃焼放散量を図11に、図10(従来例)と図11(本発明例)から求めた積算燃焼放散量の変化を図12に、それぞれ示す。図11および図12から、本発明法を適用することにより、積算燃焼放散量は3.5万Nm/hrに低下していることが判る。これより、時間平均燃焼放散量は5800Nm/hr、燃焼放散率は7.6%に減少し、本発明の効果は明らかである。図10に示した従来の時間平均燃焼放散量は7700Nm/hrであったので、燃焼放散量は時間平均で1900Nm/hr減少(16百万Nm/年に相当)したことになる。シフト反応器への転炉ガスの払出しは1770Nm/hrであったので、燃焼放散量の実績値の方がやや多くなったが、比較的短時間の変化から燃焼放散量の時間平均を求めたことによる誤差と考えられる。
1 転炉
2 ガス回収設備
3 三方弁
4 フレアスタック
5 ガスホルダー
6 送ガス配管
7 ガス利用設備
8 シフト反応器
9 改質反応器
10 液体燃料捕集器
11 ガス冷却器
60 送ガス配管
90 ガス分散板
A 処理設備
a ポリエチレン
b 網
c Ni触媒

Claims (12)

  1. 冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化することを特徴とする有機物質の低分子化方法。
  2. 排ガス(g)が、冶金炉で発生した一酸化炭素と窒素を含有する排ガスから窒素の少なくとも一部を分離することで一酸化炭素濃度を高めた排ガスであることを特徴とする請求項1に記載の有機物質の低分子化方法。
  3. 混合ガス(g)の水蒸気濃度が5〜70vol%であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機物質の低分子化方法。
  4. 混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%であることを特徴とする請求項3に記載の有機物質の低分子化方法。
  5. 改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機物質の低分子化方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の有機物質の低分子化方法により得られた有機物質の改質物を、気体燃料および/または液体燃料として回収することを特徴とする燃料の製造方法。
  7. 冶金炉から間欠的に発生する一酸化炭素を含有する排ガス(g)を一時貯留するガスホルダーと、該ガスホルダーに貯留された排ガス(g)をガス利用設備に送る送ガス配管と、ガスホルダーに貯留できない排ガス(g)を燃焼放散するフレアスタックを有する排ガス設備において、前記送ガス配管から分岐した送ガス配管を通じて排ガス(g)の一部を払出し、該排ガス(g)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化することを特徴とする冶金炉発生排ガスの利用方法。
  8. 過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせる排ガス(g)が、冶金炉で発生した一酸化炭素と窒素を含有する排ガスから窒素の少なくとも一部を分離することで一酸化炭素濃度を高めた排ガスであることを特徴とする請求項7に記載の冶金炉発生排ガスの利用方法。
  9. 混合ガス(g)の水蒸気濃度が5〜70vol%であることを特徴とする請求項7または8に記載の冶金炉発生排ガスの利用方法。
  10. 混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%であることを特徴とする請求項9に記載の冶金炉発生排ガスの利用方法。
  11. 改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の冶金炉発生排ガスの利用方法。
  12. 請求項7〜11のいずれかに記載の方法により得られた有機物質の改質物を、気体燃料および/または液体燃料として回収することを特徴とする燃料の製造方法。
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