JP2006063290A - 高分子炭化水素の利用システムおよび方法 - Google Patents

高分子炭化水素の利用システムおよび方法 Download PDF

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隆夫 小林
Yuki Iwadate
由貴 岩楯
Fumiaki Morozumi
文明 両角
Seiichiro Toyoda
誠一郎 豊田
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Abstract

【課題】高分子炭化水素原料中の炭素を含む残渣やその他の可燃物などを燃焼し、その燃焼熱を利用し、生成ガスと燃焼ガスを分別回収することで、より効率のよい高分子炭化水素の利用システムを提供する。
【解決手段】本発明に係るシステムは、高分子炭化水素等を利用することができる。このシステムは、高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスまたは有価油分を生成する流動層熱分解ガス化炉12と、熱分解ガス化炉12で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼する流動層燃焼炉10とを備えている。燃焼炉10の燃焼熱を熱分解ガス化炉12に供給し、熱分解ガス化炉12で生成される有価ガスまたは有価油分と、燃焼炉10で発生する燃焼ガスとを分別回収する。流動媒体を熱分解ガス化炉12から燃焼炉10に上記残渣とともに移動させ、流動媒体を燃焼炉10から熱分解ガス化炉12に移動させて顕熱を移動させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高分子炭化水素等を利用するためのシステムおよび方法に係り、特に高分子炭化水素原料を熱分解ガス化装置でガス化し、発生した生成ガスを改質して合成ガスを生成するか、または高分子炭化水素原料を軽質化して軽質留分を生成する高分子炭化水素の利用システムおよび方法に関するものである。また、本発明は、高分子炭化水素を利用するための炉の内部に液体高分子炭化水素原料を供給する原料供給ノズルおよび原料供給方法に関するものである。
低品位な高分子炭化水素を有価なものに転換して有効に利用する方法として、高分子炭化水素原料を熱分解・ガス化して有価な合成ガスを製造する方法と、高分子炭化水素原料を軽質化して有価な油分を回収する方法などが知られている。また、ピッチ等の重質炭化水素をガス化して合成ガスを製造し、この合成ガスを動力回収に利用するシステムも知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、原料重質炭化水素を改質する触媒を利用して重質炭化水素を水蒸気ガス化しようという試みもなされている。一方、重質炭化水素から油分を回収する方法としては、外熱方式により原料重質炭化水素を熱分解・ガス化する方法が知られている。
高分子炭化水素原料を熱分解・ガス化して合成ガスを製造する方法としては、高分子炭化水素原料を部分燃焼させて、合成ガスを製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この部分酸化によって高分子炭化水素をガス化する方法では、高分子炭化水素の一部を燃焼してガス化に必要な熱を作り出している。このような部分燃焼を用いたシステムでは、ガス化によって生じる生成ガスと、ガス化のための熱を作り出すための燃焼によって生じる燃焼ガスとが混合し、水素や一酸化炭素などの有価ガスが二酸化炭素などのあまり価値のないガスで希釈されたガスとなる。また、酸化剤として空気のように酸素以外の不活性ガスを含むガスを用いると、この不活性ガスによっても水素や一酸化炭素が希釈されてしまう。したがって、有価ガスの濃度を高くするために純酸素が用いられる。しかしながら、純酸素の製造コストは高いため、純酸素を使用するとランニングコストが相対的に高くなってしまう。
また、上述したように、重質炭化水素をガス化して合成ガスを製造するために、重質炭化水素の改質に有用な触媒を利用して重質炭化水素を水蒸気ガス化しようという試みもなされている。図1は、触媒を利用した重質炭化水素の水蒸気改質システムの一例を示す模式図である。従来の水蒸気改質システムは、触媒改質装置(水蒸気改質装置)600と、重質な炭化水素を加熱昇温し、特に高分子の重質な油分を熱分解させるなどしてから触媒改質装置600に供給するための熱分解炉610とを備えている。熱分解炉610は、1000℃〜1200℃の外熱式の炉であり、原料炭化水素と水蒸気が流れる熱交換チューブ612を内部に備えている。しかしながら、この熱交換チューブ612内で原料炭化水素がコーキングを起こしやすいことから現在のところ実用化に至っていない。
上述したように、高分子炭化水素を有効に利用する方法として、合成ガスを製造するのでなく、高分子炭化水素原料を軽質化する方法(ビスブレイカーなど)も知られている。従来の高分子炭化水素の軽質化システムは、熱分解ガス化を行うための比較的単純な構成の炉によって高分子炭化水素の軽質化を行い、油分を回収するものである。しかしながら、従来のシステムでは、高分子炭化水素原料中に炭素分が多く含有されていると、高い油分回収効率が得られないという問題があった。
特開平4−353225号公報 特開昭58−036902号公報 国際公開第99/31202号パンフレット 国際公開第2003/029390号パンフレット 国際公開第2004/016716号パンフレット
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、低品位な高分子炭化水素を有価なガスや有価な油等に転換するために熱分解、ガス化、軽質化を行うシステムにおいて、高分子炭化水素原料中の炭素を含む残渣やその他の可燃物などを燃焼し、その燃焼熱を利用し、生成ガスと燃焼ガスを分別回収することで、より効率のよい高分子炭化水素の利用システムおよび方法を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、そのようなシステムに用いられる炉の内部に液体高分子炭化水素原料を効率よく供給することができる原料供給ノズルおよび原料供給方法を提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様によれば、高分子炭化水素等を有効利用するためのシステムが提供される。このシステムは、高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を生成する熱分解ガス化炉と、該熱分解ガス化炉で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼する燃焼炉とを備えている。上記燃焼炉の燃焼熱を少なくとも上記熱分解ガス化炉に供給し、上記熱分解ガス化炉で生成される上記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と、上記燃焼炉で発生する燃焼ガスとを分別回収する。
本発明の第2の態様によれば、高分子炭化水素等を有効利用するためのシステムが提供される。このシステムは、高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を生成する流動層熱分解ガス化炉と、該流動層熱分解ガス化炉で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼する流動層燃焼炉とを備えている。上記流動層燃焼炉の燃焼熱を少なくとも上記流動層熱分解ガス化炉に供給し、上記流動層熱分解ガス化炉で生成される上記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と、上記流動層燃焼炉で発生する燃焼ガスとを分別回収する。流動媒体を上記流動層熱分解ガス化炉から上記流動層燃焼炉に上記残渣とともに移動させ、上記流動媒体を上記流動層燃焼炉から上記流動層熱分解ガス化炉に移動させて上記流動層燃焼炉から上記流動層熱分解ガス化炉に顕熱を移動させる。
本発明の第3の態様によれば、高分子炭化水素を有効利用するための炉の内部に液体高分子炭化水素原料を供給する原料供給ノズルが提供される。この原料供給ノズルは、液体高分子炭化水素原料を流通させる第1の流路と、上記液体高分子炭化水素原料を分散させるための分散用ガスを流通させる第2の流路とを備えている。また、原料供給ノズルは、上記第1の流路と上記第2の流路とを合流させて上記液体高分子炭化水素原料と上記分散用ガスとを混合して上記炉の内部に噴射する噴射部を有している。
本発明の第4の態様によれば、高分子炭化水素を有効利用するための炉の内部に液体高分子炭化水素原料を供給する原料供給ノズルが提供される。この原料供給ノズルは、上記液体高分子炭化水素原料を流通させる第1の流路を内部に有する内管と、上記液体高分子炭化水素原料を分散させるための分散用ガスを流通させる第2の流路を内周面と上記内管の外周面との間に有する外管とを備えている。また、原料供給ノズルは、上記第1の流路と上記第2の流路とを合流させて上記液体高分子炭化水素原料と上記分散用ガスとを混合して上記炉の内部に噴射する噴射部を有している。
本発明の第5の態様によれば、高分子炭化水素等を有効利用するための方法が提供される。この方法によれば、熱分解ガス化炉において、高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を生成し、燃焼炉において、上記熱分解ガス化炉で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼する。上記燃焼炉の燃焼熱を少なくとも上記熱分解ガス化炉に供給し、上記熱分解ガス化炉で生成される上記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と、上記燃焼炉で発生する燃焼ガスとを分別回収する。
本発明の第6の態様によれば、高分子炭化水素等を有効利用するための方法が提供される。この方法によれば、流動層熱分解ガス化炉において、高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を生成し、流動層燃焼炉において、該流動層熱分解ガス化炉で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼する。上記流動層燃焼炉の燃焼熱を少なくとも上記流動層熱分解ガス化炉に供給し、上記流動層熱分解ガス化炉で生成される上記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と、上記流動層燃焼炉で発生する燃焼ガスとを分別回収する。流動媒体を上記流動層熱分解ガス化炉から上記流動層燃焼炉に上記残渣とともに移動させ、上記流動媒体を上記流動層燃焼炉から上記流動層熱分解ガス化炉に移動させて上記流動層燃焼炉から上記流動層熱分解ガス化炉に顕熱を移動させる。
本発明の第7の態様によれば、高分子炭化水素を有効利用するための炉の内部に液体高分子炭化水素原料を供給する原料供給方法が提供される。この方法によれば、上記液体高分子炭化水素原料を第1の流路に流通させ、上記液体高分子炭化水素原料を分散させるための分散用ガスを第2の流路に流通させる。上記第1の流路と上記第2の流路とを合流させて上記液体高分子炭化水素原料と上記分散用ガスとを混合して上記炉の内部に噴射する。
本発明の第8の態様によれば、高分子炭化水素を有効利用するための炉の内部に液体高分子炭化水素原料を供給する原料供給方法が提供される。この方法によれば、内管の内部に形成された第1の流路に上記液体高分子炭化水素原料を流通させ、外管の内周面と上記内管の外周面との間に形成された第2の流路に上記液体高分子炭化水素原料を分散させるための分散用ガスを流通させる。上記第1の流路と上記第2の流路とを合流させて上記液体高分子炭化水素原料と上記分散用ガスとを混合して上記炉の内部に噴射する。
ここで、本明細書および特許請求の範囲における用語を以下のように定義する。「熱分解」とは、室温で、固体または液体の物質が、温度が高くなって、原子間の結合が切れる現象、または高分子の物質が低分子の複数の物質に分かれる現象をいう。例えば、有機系固体物質が水、灰、炭素含有固体物質、有機系液体物質、および気体物質となる反応、有機系液体物質が有機系液体物質、炭素含有固体物質、および気体物質となる反応などが含まれる。例えば、バイオマスの熱分解温度は、ヘミセルロース180℃、セルロース240℃、リグニン280℃であり、プラスチックの熱分解温度は、HDPE390℃、LDPE370℃、PP340℃、PS310℃、PVC210℃である。
「ガス化」とは、固体または液体が他の物質と反応して、ガスになる現象、または固体または液体が熱分解によりガスになる現象をいう。例えば、水性ガス反応(C+HO→CO+H)、ブドワール反応(C+CO→2CO)、燃焼反応(C+O→CO)、部分燃焼反応(C+1/2O→CO)、有機系固体物質が水、灰、炭素含有固体物質、有機系液体物質、および気体物質となる反応、有機系液体物質が有機系液体物質、炭素含有固体物質、および気体物質となる反応などが含まれる。
「クラッキング」または「軽質化」とは、液体の温度が高くなって、原子間の結合が切れる現象、または高分子の物質が低分子の複数の物質に分かれる現象をいう。例えば、有機系液体物質が有機系液体物質、炭素含有固体物質、および気体物質となる反応などが含まれる。また、「改質」とは、物質が何かと反応または熱分解するなどして変質することをいい、熱分解、ガス化、クラッキング、軽質化の概念を含むものである。例えば、有機系液体物質が有機系液体物質、炭素含有固体物質、気体物質となる反応、水性ガスシフト反応(CO+HO→H+CO、H+CO→CO+HO、CO+HO⇔H+CO)、メタネーション反応(2CO+2H→CH+CO)、メタン水蒸気改質反応(CH+HO→CO+3H)、エチレン水蒸気改質反応(C+2HO→2CO+4H)、C10水蒸気改質反応(C10+10HO→10CO+14H)、メタン化反応(CO+3H⇔CH+2HO、CO+3HO⇔CH+HO)などが含まれる。
「熱分解・ガス化」または「熱分解ガス化」とは、熱分解とガス化の両方が起こる現象をいう。「高分子炭化水素」または「重質炭化水素」「重質炭化水素」とは、炭素と水素が高分子結合している物質をいい、石炭、油、石油、石油残渣、タール、ピッチ、化石燃料、プラスチック、廃プラスチック、バイオマス、廃棄物などが含まれる。
「ガス化炉」とは、ガス化が行われる炉をいう。「ガス化室」は「ガス化炉」と同義であるが、複数のガス化炉を統合する1つの炉がある場合、統合される複数のガス化炉をガス化室と称することがある。「熱分解ガス化炉」とは、熱分解とガス化が行われる炉または熱分解によるガス化が行われる炉をいい、燃焼が行われることもある。「熱分解ガス化室」は「熱分解ガス化炉」と同義であるが、複数の熱分解ガス化炉を統合する1つの炉がある場合、統合される複数の熱分解ガス化炉を熱分解ガス化室と称することがある。「燃焼炉」とは、燃焼が行われる炉をいう。「燃焼室」は「燃焼炉」と同義であるが、複数の燃焼炉を統合する1つの炉がある場合、統合される複数の燃焼炉を燃焼室と称することがある。
本発明によれば、ガス分離型のガス化炉を使用することで生成ガスを燃焼ガスで希釈することなく高分子炭化水素を熱分解ガス化し、得られた生成ガスを触媒を用いて改質することで水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスとすることができる。従来技術に比べて低温での熱分解ガス化とタール分を含む生成ガスを触媒を利用して改質することで、熱分解工程での炭素析出による閉塞などのトラブルを回避しつつ、合成ガスの製造が可能となる。また、高分子炭化水素を熱分解ガス化炉で軽質化し、軽質留分を回収することもできる。さらに、高分子炭化水素をバイオマスや廃棄物などの他の原料と同時に処理することも可能である。特に流動層熱分解ガス化炉を用いることで、固体原料であっても液状化や粉砕などの特別な前処理を施すことなく供給できるという利点がある。このように、重質炭化水素と産業廃棄物さらには一般廃棄物を含めた廃棄物や各種燃料を合わせて処理することで、コンビナート内で発生する物質を有効に利用して資源化できる。したがって、コンビナートにおけるゼロエミッションの実現の一助となるばかりでなく、省資源、二酸化炭素排出量の削減など環境負荷低減にも寄与できる。
以下、本発明に係る高分子炭化水素の利用システムの実施形態について図2から図16を参照して詳細に説明する。なお、図2から図16において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図2は、本発明の第1の実施形態における重質炭化水素の利用システムの構成例を示す概略図である。図2に示すように、高分子炭化水素の利用システムは、供給された原料を熱分解・ガス化する熱分解ガス化装置1と、熱分解ガス化装置1で生成された生成ガスGの集塵を行う集塵装置2と、集塵装置2からの生成ガスGを改質する水蒸気改質装置3と、水蒸気改質装置3からの改質ガスGを冷却する第1の冷却装置4と、冷却されたガスGを誘引または圧縮して合成ガスGを製品ガスとして需要先に供給する送ガス装置5とを備えている。また、高分子炭化水素の利用システムは、熱分解ガス化装置1で発生した熱分解ガス化残渣を燃焼した燃焼ガスGを冷却する第2の冷却装置7と、冷却されたガスG中の有害物およびダストを除去し排出できるようにする排ガス処理装置8とを備えている。
熱分解ガス化装置1は、原料の炭素分を選択的に燃焼する燃焼炉としての燃焼室10と、燃焼室10での燃焼熱を熱源として原料の熱分解・ガス化を行う熱分解ガス化炉としてのガス化室12とを備えている。ガス化室12では、供給された高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方が生成される。また、燃焼炉10では、ガス化室12で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼する。このように、ガス化室12と燃焼室10を分離して有することで、ガス化室12での熱分解ガス化によって生じる生成ガスと、熱分解ガス化によって生じる残渣の燃焼室10での燃焼によって生じる燃焼ガスとを混合することなく分離して取り出すことができる。すなわち、原料の熱分解ガス化によって生じる生成ガスが残渣の燃焼ガスによって希釈されることがないことから、高濃度の生成ガスを得ることができる。
熱分解ガス化装置1においては、流動媒体を有する流動層を用いるのが好ましい。これは、流動層を用いることで、均一な温度下で短時間に原料が加熱され、熱分解されるので、コーキングを起こしにくくなる利点があるからである。また、流動媒体とともに熱分解ガス化残渣を移動させることで、単独では輸送しにくい炭素分を容易に燃焼室10に移動させることが可能となる。すなわち、図1に示す従来技術の課題であった熱分解工程(熱分解炉610)でのコーキングを防止することができる。また、生成する炭素分を速やかにガス化室12から移動させ、燃焼室10で燃焼し、その燃焼熱で高温となった流動媒体がガス化室12に再循環することで熱分解ガス化反応に必要な熱を供給することができる。したがって、外部から加熱のための燃料を供給する必要がなくなり省資源化を図ることができる。
さらに好ましくは、熱分解ガス化装置1を内部循環流動床ガス化炉により構成するのがよい。内部循環流動床ガス化炉は、ガス化室と燃焼室の間の流動媒体および流動媒体とともに移動する物質の移動が容易な装置であるため、上述した流動層を利用することによる利点がより顕著となり、高効率で熱分解ガス化することが可能となる。
ここで、熱分解ガス化装置1に投入される高分子炭化水素原料は、石油精製プロセスや石油化学プロセスで発生する残渣油などの液体状原料20と、廃棄物などを含む固体状原料22とを含んでいる。例えば、石油精製プロセスで発生する残渣油として、常圧蒸留の残渣油や減圧蒸留の残渣油、水素化分解プロセスから排出される残油などが挙げられ、石油化学プロセスで発生する残渣油として、エチレン製造プロセスで発生する分解重油などが挙げられる。また、固体状原料22としては、一般廃棄物(都市ごみ)や廃プラスチック、汚泥、石油精製プロセスや石油化学プロセスから発生するタンクスラッジなどの各種産業廃棄物が挙げられる。また、オリノコタールやビチューメン褐炭などの低品位化石原料、石炭および石油コークスなども原料として用いることができる。
これらの液体状原料20および固体状原料22は、熱分解ガス化装置1のガス化室12に供給され、ガス化室12内で300℃〜900℃の温度で熱分解・ガス化される。この熱分解・ガス化において、原料は加熱され、水素、一酸化炭素、メタン等の炭素数1〜3の炭化水素などを含むガス分と、ガソリン留分、ナフサ留分、灯油留分、軽油留分等の軽質油分や芳香族系の油分など比重が0.7〜1.1の炭素数4以上の炭化水素からなる油分と、原料中の固定炭素分と灰分からなる固形分(熱分解残渣)とに分解される。ガスと軽質油分との比率は原料の種類や温度、ガス化剤の種類などの反応条件によって変化する。
本実施形態では、上述したように固体状原料を用いてもよく、熱分解ガス化装置1としては、このような固体状原料を熱分解・ガス化できる内部循環流動床ガス化炉を用いることが好ましい。また、内部循環流動床ガス化炉は、固体・液体にかかわらず、原料中のガス化しにくい重質分を分離し、燃焼室で燃焼させることができる点でも効果的である。
図3は、熱分解ガス化装置1を示す模式図である。図3に示すように、熱分解ガス化装置1は、原料の熱分解・ガス化を行うガス化室12と、チャー燃焼を行う燃焼室10と、熱回収を行う熱回収室14とを備えている。これらのガス化室12、燃焼室10、熱回収室14は、例えば、全体が円筒形または矩形を成した炉体内に収納されている。
ガス化室12、燃焼室10、熱回収室14は仕切壁16,18,20,22,24で分割されており、それぞれの底部に流動媒体を含む濃厚層である流動床が形成されている。各室12,10,14の流動床の流動媒体を流動させるために、各室12,10,14の炉底には、流動媒体中に流動化ガスFを吹き込む散気装置が設けられている。各散気装置から吹き込まれた流動化ガスの流動化速度は、流動化開始速度以上の流動化速度を有するようにされる。
この散気装置は、例えば炉底に配列したノズルを含んで構成されるが、炉底部に敷かれた例えば多孔板や、流動層内に浸漬させた散気管方式のノズルを含んで構成されていてもよい。散気装置は、炉下の風箱を複数に分割するか、各ノズルごとに流量を可変とすることにより、各室内の各領域の空塔速度を独立して制御できるようにする。空塔速度が室の各領域で異なるので、各室内の流動媒体も室の各部で流動状態が異なり、そのため各室内に流動媒体の旋回流が形成される。
また、仕切壁16,18,20,22,24を隔てて隣り合う各室の流動化ガスFの流速を変化させることにより、隣り合う室の炉床間の圧力に差を生じさせている。この圧力差の存在により、仕切壁の開口部26,28,29を通じて、各室の間を流動媒体が循環する内部循環流が形成される。図3において、散気装置に示す白抜き矢印の大きさは、吹き出される流動化ガスFの流速の大きさを示している。例えば、10bで示す箇所の太い矢印は、この箇所の流速が10aで示す箇所の流速よりも大きいことを示している。
ここで、流動床は、その鉛直方向下方部にある、流動化ガスにより流動状態に置かれている流動媒体(例えば珪砂)を濃厚に含む濃厚層と、その濃厚層の鉛直方向上方部にある流動媒体と多量のガスが共存し、流動媒体が勢いよくはねあがっているスプラッシュゾーンとからなる。流動床の上方すなわちスプラッシュゾーンの上方には流動媒体をほとんど含まずガスを主体とするフリーボード部がある。
ガス化室12に投入された原料は、流動媒体から熱を受け、熱分解・ガス化される。典型的には、原料はガス化室12では燃焼せず、熱分解(いわゆる乾留)され、ガス分と油分と固体分とに分かれる。さらに、熱分解によって生成したガスや油分の一部が水蒸気や二酸化炭素によってガス化される場合もある。これを熱分解・ガス化と表している。ガス化室12で生成した炭素分を含む固形分(熱分解残渣)のほとんどは、流動媒体とともに仕切壁11の下部にある開口部26から燃焼室10に流入する。このようにしてガス化室12から導入された熱分解残渣は燃焼室10で燃焼され、その燃焼熱で流動媒体は加熱される。
燃焼室10で熱分解残渣の燃焼熱によって加熱された流動媒体の一部は仕切壁18の上端を越えて熱回収室14に流入し、熱回収室14内の層内伝熱管27で収熱され、冷却された後、再び仕切壁18の下部開口28を通って燃焼室10に流入する。そして、燃焼室10で加熱された流動媒体は、仕切壁22の上端を越えた後、仕切壁24の下部にある開口部29からガス化室12に流入し、流動媒体とともに燃焼室10からガス化室12に顕熱が移動する。
ここで、仕切壁22の存在により、燃焼室10内に仕切壁24の下部にある開口部29に向かって流動媒体が下降して流れる領域(流動媒体沈降領域)が形成されるが、この仕切壁22は必ずしも必要ではない。すなわち、仕切壁22がなくても、開口部29近傍で圧力が高くなっていれば、開口部29へ向かう流動媒体の下降流が形成されて、開口部29を介して流動媒体を燃焼室10からガス化室12へ移動させることが可能であるため、仕切壁22を設けなくてもよい。
ただし、仕切壁22を設け、流動媒体沈降領域を積極的に形成することにより、燃焼室10からガス化室12へ移動する流動媒体の量に関する制御性をより高めることが可能である。これは、図3に示すような内部循環流動床ガス化炉における流動媒体の各室間の移動は、各仕切壁の両側近傍の流動化ガスFの供給量の相対的な差によって生じるためである。すなわち、仕切壁の両側近傍に設置された散気装置から供給される流動化ガスFの量を変化させると、仕切壁の開口部を介して両室間を移動する流動媒体の量が変わる。この特性を利用して両室を移動する流動媒体の量、すなわち流動媒体の循環量を制御することができる。この場合、開口部のある仕切壁の流動媒体の流れの上流側近傍に別の仕切壁(図3では、仕切壁24に対して仕切壁22)を設け、流動媒体をその別の仕切壁(仕切壁22)を飛び越えて2つの仕切壁間(仕切壁22と仕切壁24の間)に一度堆積させ、この仕切られた領域、すなわち流動媒体沈降領域の流動化を緩慢にすることで、積極的な流動媒体の下降流を流動媒体沈降領域に形成させる。そして、流動媒体沈降領域に供給される流動化ガスFの量を仕切壁(仕切壁24)の下流側に供給される流動化ガスFの量よりも相対的に小さくすることで、流動媒体は燃焼室10からガス化室12に移動する。このとき、流動化ガスFの供給量を相対的に変化させることで、流動媒体の移動量を制御することが可能となる。
また、炉底近傍に開口部が形成された仕切壁で隔てられた2室の間で、流動媒体を移動させるために、仕切壁の開口部周辺の炉底、もしくは、炉底近傍において、流動媒体を移動させたい方向に向けて、流動化ガスFなどを強く吹くガス供給ノズルを設置してもよい。
熱分解ガス化装置1のガス化室12で生じた生成ガスGは、集塵装置2で集塵される。集塵装置2としては、サイクロン、セラミックフィルタ、移動床式集塵器、オイルスクラバなどを用いることができる。また、複数の集塵装置を多段に設けてもよく、例えば、集塵装置2として複数のサイクロンを設けることによって、細かい粒子を捕捉することができる。また、サイクロンとセラミックフィルタ、サイクロンとオイルスクラバといった複数の種類の集塵装置を組み合わせて設けてもよい。
ここで、オイルスクラバの運転温度は200℃〜500℃程度であり、比較的低温である。したがって、ガス化室12の温度が高温(例えば、500℃以上)であり、生成ガスGの温度が高い場合に、集塵装置2としてオイルスクラバを用いて気液接触を行うと、生成ガスGの顕熱の多くが失われてしまう。しかしながら、ガス化室12の温度が低温(例えば、300℃〜500℃程度)であり、生成ガスGの温度が低い場合には、生成ガスG中の顕熱ロスはほとんどない。
また、集塵装置2をサイクロン、セラミックフィルタ、または移動床式集塵器により構成した場合には、生成ガスGの温度が500℃以上と高温である場合でもそのまま使用することができるので、生成ガスG中の顕熱ロスを抑えたい場合には、サイクロン、セラミックフィルタ、または移動床式集塵器が有効である。
ここで、生成ガスGに同伴する炭素分は細かい微粒子状であることが多いため、サイクロンのような慣性集塵器では除去しきれないことが多い。集塵装置2としてオイルスクラバを用いる場合、炭素分が疎水性であることから、炭素分をオイルスクラバの循環洗浄油に容易に捕捉することができる。
ガス化室12で発生する油分は、後段の水蒸気改質装置3において分解およびガス化すれば、最終製品である合成ガスGの収率を上げることができる。炭化水素の改質触媒として知られているものには、タールのような油分の分解が可能な触媒と不可能な触媒とがある。オイルスクラバを用いると、熱分解・ガス化工程で発生して生成ガスGに同伴する油分の多くが捕捉され除去されてしまうため、水蒸気改質装置3において油分の分解・ガス化が可能な触媒を用いる場合には、オイルスクラバを集塵装置2に用いることは好ましくない。これに対して、油分、特に芳香族系など重質な油分を分解・ガス化できない触媒を水蒸気改質装置3で用いる場合には、集塵装置2としてオイルスクラバを用いて炭素分と灰分のみならず、油分の多く、特に重質な油分を除去した生成ガスGを水蒸気改質装置3に供給することが好ましい。
また、集塵装置2としてオイルスクラバを用いた場合には、供給された原料20,22の熱を熱分解ガス化装置1で無駄なく利用するために、オイルスクラバの洗浄油中に捕捉された炭素分を分離・回収して、熱分解ガス化装置1の熱源として用いてもよい。すなわち、生成ガスGの洗浄により、生成ガスGに同伴する炭素分、灰分、およびタール分はオイルスクラバの洗浄油に捕捉されるため、洗浄後の洗浄油の一部を抜き出し、固形分S(炭素分および灰分)を分離して熱分解ガス化装置1、好ましくは熱分解ガス化装置1の燃焼室10に供給し、システム内で循環させることができる。あるいは、洗浄油の余剰分を抜き出し、固形分Sを分離して熱分解ガス化装置1(好ましくは燃焼室10)に供給してもよい。なお、洗浄後の洗浄油から固形分Sを分離する装置としては、液体サイクロンやフィルタープレス、あるいは固定床濾過方式を採用した回収装置などを用いることができる。
図4は、集塵装置2としてのオイルスクラバの洗浄油から固形分Sを分離するための回収装置100の一例を示す模式図である。この回収装置100は、固定床濾過方式を採用した回収装置であり、並列に設けられた2つの濾過塔110,110を備えている。濾過塔110には、回収媒体、例えば砂が充填されており、オイルスクラバからの洗浄油の一部が濾過塔110の上部から回収媒体層112に供給される。これにより、洗浄油中に含まれる固形分Sが回収媒体(砂)に捕捉され、濾過塔110の下部からは清浄な洗浄油が排出され、オイルスクラバの洗浄油循環ラインに戻される。
回収媒体層112に捕捉された固形分Sを回収するために、回収媒体層112中の固形分Sの濃度が高くなったときに、砂を抜き出し、回収媒体とともに捕捉、回収した固形分Sを回収装置100から排出する。ここで、回収媒体層112の前後の圧力差を圧力検出器114で測定して、回収媒体層112中の固形分Sの濃度の上昇を監視することが好ましい。
回収媒体を抜き出した後の回収装置100には、新たな回収媒体を回収媒体層112に充填して使用する。図4に示す例では、2つの濾過塔110,110が設けられており、これらを交互に切り替えて使用することで連続的に固形分Sの回収が可能となっている。抜き出された砂は熱分解ガス化装置1に供給される。回収媒体には、砂、活性炭などの粒子を用いるのがよい。特に、回収媒体(砂)を熱分解ガス化装置1における流動媒体と同一の媒体とし、熱分解ガス化装置1に付設される流動媒体の循環系に回収装置100を組み込むこともできる。
上述した集塵装置2により炭素分および灰分の一部が除去された生成ガスGは、次に水蒸気改質装置3に送られ、この水蒸気改質装置3で改質される。図5は、水蒸気改質装置3を示す模式図である。図5に示す水蒸気改質装置3は、固定触媒床からなるものである。図5に示すように、水蒸気改質装置3には、生成ガスGと、生成ガスGの一部を燃焼するための酸素または酸素含有ガスと、改質反応に必要な水蒸気とが供給される。
この水蒸気改質装置3では、以下の(1)〜(3)に示す反応、すなわち油分等の炭化水素の熱分解(クラッキング)反応(1)と、炭化水素の熱分解で生じる炭素分の水蒸気ガス化反応(2)と、水性ガスシフト反応(3)と、反応(4)とが起こる。
→xH+yCH+・・・(炭化水素)・・・+zC ・・・(1)
C+HO→CO+H ・・・(2)
CO+HO→H+CO ・・・(3)
αβ+γHO→pCO+qH ・・・(4)
ここで、触媒層30の温度は、触媒層30での上記(1)〜(4)に示す反応を促進させ、かつ、生成ガスGに同伴する灰分の溶融が起こらない温度範囲にすることが好ましく、具体的には900℃〜1200℃程度が好ましい。
水蒸気改質装置3に供給される酸素の量は、固定層30の温度を維持するために必要な生成ガスGの燃焼量によって決まるが、固定層30中の温度および/または水蒸気改質装置3の反応器の出口近傍の改質ガスGの温度を温度検出器32および/または温度検出器34で測定し、これが所定の温度(例えば950℃以上、1150℃以下)になるように酸素の供給量および酸素濃度を調整する制御装置36を設けることが好ましい。
上述したように、熱分解ガス化装置1として用いられる内部循環流動床ガス化炉は、固体をはじめとして、様々な種類の原料をガス化することができ、また、投入された原料の重質分を除去する機能を有する。したがって、原料が変動することにより、水蒸気改質装置3に供給される生成ガスG中に含まれる炭素分が変動することが考えられる。このため、生成ガスG中に含まれる炭素分の変動に応じて、水蒸気改質装置3に供給する水蒸気の量を制御することが好ましい。
例えば、上記(3)の反応式で表される水性ガスシフト反応において、水蒸気の供給量が大量にある場合には、水素が多く発生し、水蒸気の量が少なければ水素はあまり発生しない。したがって、改質ガスGに求められるHとCOの比に応じて、供給する水蒸気の量を調整することで、ガス成分を調整することが可能である。また、水蒸気改質装置3の出口近傍の改質ガスGの組成を連続的に測定する成分分析器38を設けてもよい。すなわち、(1)〜(4)式の反応は温度と成分濃度に依存するため、操作条件としての触媒層30の温度および改質ガスGの温度を温度検出器32および温度検出器34で、また改質ガスGの組成を成分分析器38でそれぞれ測定し、求められる改質ガスGの組成となるように、供給する水蒸気の量を制御装置36により調整してもよい。あるいは、原料の処理量を可変にすることができれば、原料の供給量を変化させて、改質ガスの組成を調整してもよい。例えば、CHの濃度の上昇は、改質反応が十分に進んでいないことを示すため、上述した温度検出器32,34を用いた制御のみではCHの濃度が十分に低下しない場合には、ガス化室12に供給される流動化ガスまたは水蒸気改質装置3に供給されるガス化剤としての水蒸気の量を増やして、CHの濃度が低下するように制御することができる。このように、原料(原料中の炭素量)が変動したとしても、それに付随して投入するガス化剤の量が調整されるため、無駄に水蒸気を投入する必要がない。また、供給する水蒸気の量を随時変化させているので、水蒸気改質装置3でのコーキングなどを防止することができる。
水蒸気改質装置3における触媒としては、クラッキング用の触媒として流動床接触分解触媒(FCC触媒)に代表されるようなゼオライト(含水アルミノケイ酸塩)や水蒸気ガス化触媒としてNiやCoを担持したアルミナなどを用いることができる。なお、これらの触媒の中には、特に芳香族系などの重質炭化水素の分解・ガス化には適していないものがある。また、上述した触媒においては、生成ガス中の硫黄化合物が触媒機能を失活させる触媒毒となることから、生成ガス中の硫黄化合物の濃度をあらかじめ1ppm以下、好ましくは0.2ppm以下にまで下げておく必要がある。これらの問題を克服した触媒としては、炭化水素のクラッキング(熱分解)に有用なアルミナ−カルシア触媒(例えば、特公昭55−42924号公報参照)や、水蒸気ガス化に有用なアルミナ−カルシア−ニッケル触媒(例えば、特公昭56−24576号公報参照)がある。これらの触媒は、芳香族系などの重質炭化水素の分解・ガス化を可能にするとともに、硫黄化合物が完全に除去できていないガスであっても触媒が被毒されることなく、熱分解およびガス化の機能を果たす。ここで、炭化水素のクラッキング(熱分解)に有用な触媒と水蒸気ガス化に有用な触媒を組み合わせて使用することもできる。
ところで、図1に示すような従来の水蒸気改質装置600を使用する場合、水蒸気改質装置600の前段に熱分解炉610を設け、熱分解炉610で原料を1次熱分解した後、水蒸気改質装置600に供給していた。このような水蒸気改質装置600においては、原料の重質分が縮合して固体状の炭素が析出する傾向が強いため、この析出を抑制するために、水蒸気改質装置600に供給される水蒸気(ガス化剤)と供給される炭素のモル比(S/C)を高くする必要がある。したがって、水蒸気の使用量が多くなり、水蒸気改質装置600の温度を上げるために必然的に多くの酸素が必要となる。これに対して、本実施形態では、上述したように、水蒸気改質装置3の前段に熱分解ガス化装置1としての内部循環流動床ガス化炉を設けているので、内部循環流動床ガス化炉で原料の重質分を除去することができる。このため、水蒸気改質装置3の負荷を低減することが可能となる。
水蒸気改質装置3で改質された改質ガスGは、後段の送ガス装置5に送られる前にその温度を下げて改質ガスG中の水分を除去するために、第1の冷却装置4に送られ、ここで冷却される。第1の冷却装置4としては、ボイラ、エコノマイザ、原料予熱熱交換器、ガス化剤予熱熱交換器、酸化剤予熱熱交換器、水スクラバ、オイルスクラバなどを用いることができる。また、改質ガスG中の水分を除去するため、900℃〜1200℃の改質ガスGを、100℃以下、好ましくは50℃以下まで冷却することが好ましい。
また、第1の冷却装置4としては、ボイラ、原料予熱熱交換器、水スクラバなどを組み合わせて用いることもできる。例えば、900℃〜1200℃の改質ガスGをボイラおよび原料予熱熱交換器で400℃〜700℃程度まで冷却した後、水スクラバで100℃以下、好ましくは70℃以下、さらに好ましくは50℃以下まで冷却して、凝縮した水分が洗浄水として回収されるようにしてもよい。
ここで、冷却装置4として水スクラバを用いる場合には、改質ガスG中に含まれる炭素分が洗浄水に捕捉されるので、集塵装置2のオイルスクラバにおける洗浄油と同様に、この洗浄水W中の炭素分Sを回収装置6(図2参照)で分離・回収して、熱分解ガス化装置1(好ましくは燃焼室10)に戻してもよい。なお、洗浄水W中に分散している炭素分Sを分離・回収する回収装置6としては、液体サイクロンやフィルタープレスなどを用いることができるが、これらの装置は炭素分の濃度が低い場合には効率がよくない。そこで、図6に示すような固定床回収装置6aを用いて炭素分を熱分解ガス化装置1に戻す効率を高めることもできる。
図6に示すように、この回収装置6aは、並列に設けられた2つの濾過塔60,60を備えている。濾過塔60には、回収媒体、例えば砂が充填されており、水スクラバ(冷却装置4)からの洗浄水Wの一部が濾過塔60の上部から回収媒体層62に供給される。これにより、洗浄水W中に含まれる固形分Sが回収媒体(砂)に捕捉され、砂濾過塔60の下部からは清浄な洗浄水Wが排出され、水スクラバの循環ラインに戻される。
回収媒体層62に捕捉された固形分Sを回収するために、回収媒体層62中の固形分Sの濃度が高くなったときに、砂を抜き出し、回収媒体とともに捕捉、回収した固形分Sを回収装置6aから排出する。ここで、回収媒体層62の前後の圧力差を圧力検出器64で測定して、回収媒体層62中の固形分Sの濃度の上昇を監視することが好ましい。
回収媒体を抜き出した後の回収装置6aには、新たな回収媒体を回収媒体層62に充填して使用する。図6に示す例では、2つの濾過塔60,60が設けられており、これらを交互に切り替えて使用することで連続的に固形分Sの回収が可能となっている。抜き出された砂は熱分解ガス化装置1に供給される。ここで、回収媒体(砂)を熱分解ガス化装置1における流動媒体と同一の媒体とし、熱分解ガス化装置1に付設される流動媒体の循環系に回収装置6aを組み込むこともできる。
第1の冷却装置4で冷却された生成ガスGは、例えばコンプレッサからなる送ガス装置5により用途に合わせた圧力まで加圧され、製品ガスGとして需要先に供給される。あるいは、需要先で製品ガスGの圧力を使用条件に適合する圧力に調整することを前提として、予備加圧(例えば10kPa程度)したものを需要先に供給してもよい。このようにして圧縮されたガスGは、アンモニア、メタノール、オキソアルコールなどの化学品合成の原料として、メタノール、ジメチルエーテルなどの液体燃料合成の原料として、石油精製プロセスで使用される水素化分解用水素または脱硫用水素の水素源として、あるいは燃料電池発電用水素の水素源として需要先に送られる。
一方、図2に示すように、熱分解ガス化装置1の燃焼室10から排出された燃焼ガスGは、第2の冷却装置7に導入され、ここで冷却される。第2の冷却装置7としては、ボイラや原料予熱器を用いるのがよい。特に、液体状原料20は予熱することでその粘性を下げて輸送が容易になるので原料予熱器を用いることが好ましい。
冷却された燃焼ガスGは、排ガス処理装置8に導入され、ここで処理された後、排ガスGとして外部に排出される。排ガス処理装置8は、排ガス中のダストおよび有害物質を除去することを目的としており、バグフィルタなどの集塵装置と塩素化合物や硫黄化合物の除去のための消石灰および/または活性炭噴霧塔、窒素化合物の除去のための脱硝触媒塔などを備えることが好ましい。熱分解ガス化装置1の燃焼室10は400℃〜1000℃で運転され、燃焼室10から排出される燃焼ガスGも400℃〜1000℃である。燃焼ガスGは、冷却装置7において200℃〜500℃程度まで降温される。
このように、本実施形態においては、燃焼ガスGが、熱分解ガス化装置1のガス化室12からの製品ガスGと混合されることなく排出されており、ガス化室12からの製品ガスGと、燃焼室10からの燃焼ガスGとが分別回収されるようになっている。
例えば、排ガス処理装置8は、バグフィルタの手前で消石灰および/または活性炭をガス中に噴霧し、ガス中の塩化水素や硫黄酸化物、あるいはダイオキシン類などの有害物質を吸収させて除去する。また、燃焼ガスを煙突から排出するために誘引送風機を設け、誘引送風機のサクション側に設けたダンパによって燃焼室10の圧力を一定に保つように燃焼ガスGを誘引する。煙突から燃焼ガスGを排出する前に脱硝触媒塔を通すことで、排ガス中の窒素酸化物を分解除去するとともにダイオキシン類の排出をさらに低減することができる。これらの排ガス処理装置8の構成は一例であり、原料を構成する元素と熱分解ガス化および改質工程において生成する化合物の種類によって、その構成を任意に選択することが好ましい。
ここで、本実施形態では、原料として液体状原料を用いているため、原料の供給方法によりガス化室12での反応が大きく変わることが予想される。このため、ガス化室12の炉床12aに、図7および図8に示すようなノズル9を設けることが好ましい。すなわち、内管9aと外管9bとからなる二重管構造としたノズル9を設け、内管9aの内部に液体状原料を流通させる第1の流路を形成し、内管9aの外周面と外管9bの内周面との間に流動化ガスを流通させる第2の流路を形成する。流動化ガスは液体状原料を分散させる分散用ガスとして作用する。
内管9aに液体状原料を流通させるのは、流動化ガスを内管9aの外側に流通させることで、液体状原料が炉内の高温領域に管を隔てて直接接触することを防止するためである。すなわち、このような構成により、液体状原料の温度が低く保たれ、ノズル9の内部で液体状原料が反応して固形物が生成することを防止することができる。
内管9aの上端および外管9bの上端には、円周上に1個〜10個程度、あるいはそれ以上の数の孔(流路出口)9c,9dが形成されている。液体状原料は内管9aの孔9cから外管9bの内部に噴出され、液体状原料と流動化ガスとが混合される。液体状原料と流動化ガスの混合物は外管9bの孔9dからガス化室12内に噴出される。このように、内管9aの孔9cにより内管9a内の第1の流路と内管9aの外部の第2の流路とが合流され、液体状原料と流動化ガスを混合してガス化室12内に噴出する噴出部がノズル9の上部に形成される。
図7および図8は、内管9aと外管9bにそれぞれ2個の孔9c,9dが形成された例を示している。複数の孔を配置する場合、円周上に等角度で孔を配列してよいし、ノズル9の片側だけに等角度で配列されていてもよい。内管9aの孔9cと外管9bの孔9dとは近接しており、内管9aの孔9cは、外管9bの孔9dと同じ高さ、あるいはそれより低い位置に設けられる。内管9aの孔9cおよび外管9bの孔9dは、およそ0.5〜10mmの孔径を有しており、孔が延びる方向は、水平方向もしくは噴出方向に向かって斜め下向きでもよい。
このノズル9から、液体状原料と流動化ガスとを同時にガス化室12の流動床に供給する。この場合において、ノズル9の孔9c,9dの最適な径を最適に設計することで、ノズル9の外管9bの孔9dから噴出される流体(原料、流動化ガスなど)の流速を50m/s以上、より好ましくは100m/s以上とし、外管9bの孔9dでの圧力損失を高くして原料を安定的に供給することができる。また、流動化ガスは外管9bの孔9dから炉床に向かって噴出されるが、この孔9dにおいて比較的高い流速が保たれるように孔径を設計しておくことにより、内管9aの孔9cから噴出した液体状原料を、外管9bの孔9dにおける流速の高い激しい乱流のガス流の中で微粒子化することができる。
このようなノズル9により原料と流動化ガスとを同時に供給することにより、液体状原料が流動化ガスで微粒子化され、流動媒体中に供給される。このように、原料を流動化ガスで微粒子化することにより、熱分解・ガス化しやすいものを確実に熱分解・ガス化することができる。すなわち、原料が大粒径のままガス化室12内に供給されると、原料が完全に蒸発する前に、原料粒子の外表面が重縮合反応によりコーキングするため、粒子の内部の原料が蒸発することができず、原料中の熱分解・ガス化に適した比較的軽質な成分が熱分解・ガス化できずに燃焼室10に移送されてしまう。本実施形態のように、原料を微粒子化すれば、原料の分圧を下げた状態で供給することになるため、熱分解・ガス化できる揮発性の高いものは、ガス化室12で熱分解・ガス化し、熱分解・ガス化しにくい重質分のみを燃焼室10に移行することができる。これにより、同じ重量の原料から得られる製品ガスGの重量を最大とすることができる。
また、このようなノズル9により炉床12aから原料が供給されるため、流動媒体と原料との接触効率が向上する。ノズル9から供給された原料は、流動媒体と接触もしくは近接することにより急速に昇温され、これにより反応が進行する。炉床12aから原料を供給することにより、供給された原料と流動媒体の接触頻度は最大となる。このように、流動媒体と原料との接触効率の向上が図られるため、未反応のままガス化室12を通過する原料の量を少なくすることができる。結果として、原料中の熱分解・ガス化に適した比較的軽質な成分は熱分解・ガス化し、原料中の熱分解・ガス化に適さない比較的重質な成分は流動媒体の表面で重縮合して燃焼室10へ移行する。これによって熱分解ガス化装置1の機能を効果的に発揮させることが可能になる。また、これらの効果は、流動媒体に触媒機能を持った粒子を用いるときに特に顕著となる。触媒効果を持った粒子と供給した原料の接触効率が向上することにより、触媒効果を効果的に発揮させることが可能になる。
図7および図8では、ノズル9がガス化室12の炉床12aから垂直方向に延びる例を示したが、これに限られるものではない。例えば、ノズル9を炉床12aに平行な二重管で形成してもよい。この場合において、ガス化室12の1つの側壁から反対側の側壁まで炉床12aを横断するように二重管を設けてもよい。また、例えば、ノズル9の先端を図9に示すような形状としてもよい。また、流動化ガスおよび原料は、鉛直方向に噴出してもよいし、斜め下向きに噴出してもよい。あるいは、図10に示すように、外管9bの孔9dを囲むようにキャップ9eを設け、外管9bの孔9からの流動化ガスおよび原料を鉛直下向きに噴出するようにしてもよい。
また、図11に示すように、内管209aの流路の上端部をT字状に形成してもよい。この場合において、原料が噴出する内管209aの孔209cは、流動化ガスが噴出する外管209bの孔209dと同じ高さにするのが好ましい。このような構成により、流動化ガスの流速が早くなる孔209dの近傍で液体状原料を噴出させることが可能になる。粘性の高い原料の場合には、内管209aから流出した液体状原料が表面張力により内管209aの外側で球状に滞留するなどして、原料の供給を不安定にさせる可能性があるが、上記構成によりこれを防止し、安定した原料の供給を実現することができる。また、図12に示すように、外管209bの流路の上端部をT字状に形成してもよい。すなわち、外管209bの先端部に、ノズル9の軸方向とは垂直な方向に延びる分岐流路209cを設け、この分岐流路209cを通って流体が噴出されるようにしてもよい。図12に示すように、外管209bの先端部は閉止されており、この閉止部209eにより液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとの混合物の流れが垂直に反転されて分岐流路209cに導かれるようになっている。このような構成により、炉内の流動媒体が外管209bの内部に落ち込むことを防止することができる。
また、図13に示すように、内管309aを上方に開口させ、内管309aの開口309cを外管309bの孔309dから下方に離間させてもよい。このような構成によれば、液体状原料は、内管309aの開口309cの上方に形成される混合部309eで流動化ガスと予混合および同伴されて、外管309bの内側上方に供給され、流動化ガスが水平方向に反転して孔309dを通過する流れの中で微粒子化される。この場合において、図14に示すように、内管309aの開口309cの近傍で外管309bの内径を絞ってもよい。すなわち、上述した混合部309eに連通する流動化ガスの流路(第2の流路)を絞る絞り部309fを外管309bの内周面に形成してもよい。このような構成によれば、外管309bの絞り部309fで流動化ガスの流速が速くなり、この部分に内管309aの開口309cから原料を供給することにより、流速が速く激しい乱流のガス流によって原料を微粒子化することができる。
上述した実施形態においては、集塵装置2と水蒸気改質装置3とを別個に構成した例を説明したが、図15に示すように、集塵装置の機能を水蒸気改質装置に組み込むこともできる。すなわち、この水蒸気改質装置400は、図15に示すように、生成ガスGから灰JおよびチャーCを分離する砂やセラミックス粒子を充填剤Oとして充填した充填層402と、再生された触媒Cが充填される触媒充填層404とを備えている。
充填層402内の充填剤Oは、流下等によって充填層402の内部を移動するようになっている。灰JおよびチャーCを含む生成ガスGをガス導入口406から導入し、充填層402に浸透させると、充填層402の充填剤Oの粒子により灰JおよびチャーCが接触捕集され、生成ガスGから分離される。充填層402で分離された灰JおよびチャーCは、排出口408から外部に排出される。また、触媒充填層404内の触媒Cは、充填層402の充填剤Oと同様に、流下等によって触媒充填層404の内部を移動するようになっている。生成ガスGを触媒充填層404に浸透させると、触媒Cによりタールが分解され、劣化した触媒C’は触媒出口410から排出される。
図15に示す水蒸気改質装置400において、触媒Cは充填剤Oと同様に粒子状にして充填剤Oと混合して使用してもよい。あるいは、充填剤O自体をすべて触媒Cに置き換えてもよい。この場合、充填層402で分離された灰JおよびチャーCは、比重差選別機で充填剤O(触媒C)と灰JとチャーCの比重差により分別する。また、触媒Cを充填剤Oと同様に粒子状にして充填剤Oと混合して使用する場合、または、充填剤Oを触媒Cに置き換える場合には、水蒸気改質装置400の温度が900℃〜1000℃の高温であれば、塩類は揮散して灰Jに残留しないため、充填層402で分離された灰JおよびチャーCを充填剤Oおよび触媒Cとともにそのまま熱分解ガス化室1の燃焼室10に供給することもできる。
このような集塵装置の機能を有する水蒸気改質装置を用いることで、集塵工程および触媒改質工程を1つの装置で行うことができ、装置の点数を減らすことができる。したがって、設備のイニシャルコストを低減することができる。
図16は、本発明の第2の実施形態における高分子炭化水素の利用システムの構成例を示す概略図である。図16に示すように、高分子炭化水素の利用システムは、供給された原料を熱分解・ガス化する熱分解ガス化装置1と、供給された原料を軽質化する熱分解ガス化装置1と、熱分解ガス化装置1で生成された生成ガスG11を冷却する第1の冷却装置501と、第1の冷却装置501で冷却された生成ガスG12を軽質油分(製品油分)Lとガス分G13とに分ける分留装置502と、分留装置502で分けられたガス分G13を冷却する第2の冷却装置503と、第2の冷却装置503で冷却されたガス分G14を誘引または圧縮して副生ガスGとして需要先に供給するための送ガス装置5とを備えている。また、高分子炭化水素の利用システムは、熱分解ガス化装置1で発生した熱分解残渣を燃焼した燃焼ガスGを冷却する第2の冷却装置7と、冷却されたガスG中の有害物およびダストを除去し排出できるようにする排ガス処理装置8とを備えている。
原料の軽質化のための熱分解ガス化装置1は、上述した第1の実施形態における熱分解ガス化装置と同様のものである。第1の実施形態においては、熱分解ガス化装置1に内部循環流動床ガス化炉を用いる場合、ガス化室の流動化ガスとして水蒸気の他に炭化水素を含むガス、特に熱分解ガス化装置で発生した生成ガスもしくは該システムからの製品ガス(合成ガス)の一部を用いるのがよいとしたが、本実施形態においても、水蒸気または本システムからの副生ガスGをガス化室12の流動化ガスとして用いることが好ましい。水蒸気を用いることで、水分子を構成する酸素原子が炭化水素分子の結合の分解に寄与することから、軽質化反応が促進され、また水分子の酸素原子は、熱分解によって生成する炭素分Cと反応して一酸化炭素を発生させる。しかしながら、高分子炭化水素から軽質油を回収する場合には、製品中に酸素原子を含む分子が含まれないことが望ましい場合もあり、そのような場合には、水蒸気を流動化ガスとして使用するのは好ましくなく、炭化水素ガスを流動化ガスとして用いるのが好ましい。例えば、本システムからの副生ガスGを利用するのが好ましい。
熱分解ガス化装置1のガス化室12で生じた生成ガスG11は、第1の冷却装置501で冷却され、その熱エネルギーが回収される。熱分解ガス化装置1のガス化室12は300℃〜900℃の温度とするのが好ましく、生成ガスG11の温度も300℃〜900℃である。第1の冷却装置501では400℃以下、好ましくは350℃以下にするのがよい。第1の冷却装置501としては、ボイラ等を用いるのがよい。
第1の冷却装置501で冷却された生成ガスG12は分留装置502にて製品油分Lとガス分G13とに分けられる。分留装置502としては、例えば蒸留塔を用い、ガスが塔内を上昇する過程で冷却され、製品油分として回収したい温度域となる位置に設けられたトレーに凝縮して滞留する油分Lを抜き出すようにするのがよい。ガス分G13に含まれる熱分解残渣は、蒸留塔内で凝縮した油に捕捉、回収され、蒸留塔の下部に滞留する油中に濃縮される。
濃縮された熱分解残渣を含む油分は、蒸留塔から抜き出し、液体サイクロン、フィルタープレス、あるいは図4に示す回収装置100にて熱分解残渣を分離して熱分解ガス化装置1に戻すようにしてもよい。あるいは、蒸留塔から抜き出した濃縮された熱分解残渣を含む油分をそのまま熱分解ガス化装置1へ供給してもよい。分留装置502では110℃〜350℃の範囲で生成ガスG12が蒸留塔内を上昇するに伴い冷却される。蒸留塔の塔頂からは蒸留塔内で凝縮しない軽質なガス分G13が排出される。
分留装置502から排出されたガス分G13は、第2の冷却装置503にて冷却される。この第2の冷却装置503としては、オイルスクラバおよび/または水スクラバを用いるのが好ましい。オイルスクラバを用いることで、ガス分を110℃〜200℃まで冷却し、ガス分G13中の軽質油分を凝縮回収することが可能となる。また、分留装置502で回収されなかった熱分解残渣(製品ガスGには不要な物質)を循環油W10中に回収除去することができる。
ここで、循環油W10中に回収された固形分Sは、液体サイクロン、フィルタープレス、あるいは図6に示す回収装置6aにて熱分解残渣を分離して熱分解ガス化装置1に戻すようにしてもよい。あるいは、オイルスクラバから抜き出した濃縮された熱分解残渣を含む油分をそのまま熱分解ガス化装置1へ供給してもよい。オイルスクラバで冷却されたガスを水スクラバでさらに冷却し、洗浄してもよい。水スクラバでは、100℃以下、好ましくは70℃以下、さらに好ましくは50℃以下まで冷却し、ガス中に含まれる水分を凝縮させ、除去してもよい。
水スクラバでもオイルスクラバでも除去されずガスに同伴した熱分解残渣は洗浄水中に捕捉、回収される。ここでも同様に、熱分解残渣を回収して熱分解ガス化装置1に戻すのが好ましい。水スクラバで冷却・洗浄されたガスG14は、例えばコンプレッサからなる送ガス装置5により用途に合わせた圧力まで加圧され、副生ガスGとして需要先に供給される。あるいは、需要先で副生ガスGの圧力を使用条件に適合する圧力に調整することを前提として、予備加圧(例えば10kPa程度)したものを需要先に供給してもよい。このようにして圧縮されたガスGは、上述のように熱分解ガス化装置1のガス化室12の流動化ガスとしてその一部を用いてもよく、他にアンモニア、メタノール、オキソアルコールなどの化学品合成の原料として、メタノール、ジメチルエーテルなどの液体燃料合成の原料として、エチレン、プロピレン等の石油化学原料の供給源として、石油精製プロセスで使用される水素化分解用水素または脱硫用水素の水素源として、あるいは燃料電池発電用水素の水素源として需要先に送られる。
一方、熱分解ガス化装置1の燃焼室10から排出された燃焼ガスGは、第3の冷却装置7に導入され、ここで冷却される。冷却された燃焼ガスGは、排ガス処理装置8に導入され、ここで有害物質およびダストが除去された後、排ガスGとして外部に排出される。第3の冷却装置7および排ガス処理装置8は、上述した第1の実施形態で説明したものと同様の構成とすることができる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
従来の水蒸気改質装置の構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態における高分子炭化水素の利用システムの構成を示す模式図である。 図2のシステムにおける熱分解ガス化装置の一例を示す模式図である。 図2のシステムにおける回収装置の一例を示す模式図である。 図2のシステムにおける水蒸気改質装置の一例を示す模式図である。 図2のシステムにおける回収装置の一例を示す模式図である。 図3の熱分解ガス化装置における炉床部を示す縦断面図である。 図7の横断面図である。 図7のノズルの変形例を示す縦断面図である。 図9のノズルの変形例を示す縦断面図である。 図9のノズルの変形例を示す縦断面図である。 図11のノズルの変形例を示す縦断面図である。 図9のノズルの変形例を示す縦断面図である。 図13のノズルの変形例を示す縦断面図である。 集塵機能を有する水蒸気改質装置の一例を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態における高分子炭化水素の利用システムの構成を示す模式図である。
符号の説明
1 熱分解ガス化装置
2 集塵装置
3,200 水蒸気改質装置
4,7,501,503 冷却装置
5 圧縮装置
6,6a,100 回収装置
8 排ガス処理装置
9 ノズル
9a,209a,309a 内管
9b,209b,309b 外管
10 燃焼室
12 ガス化室
20 液体状原料
22 固体状原料
30 触媒層
32,34 温度検出器
36 制御装置
38 成分分析器
60,110 濾過塔
62,112 回収媒体層
64 圧力検出器
209e 閉止部
309e 混合部
309f 絞り部
402,404 充填層

Claims (36)

  1. 高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を生成する熱分解ガス化炉と、
    該熱分解ガス化炉で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼する燃焼炉とを備え、
    前記燃焼炉の燃焼熱を少なくとも前記熱分解ガス化炉に供給し、
    前記熱分解ガス化炉で生成される前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と、前記燃焼炉で発生する燃焼ガスとを分別回収することを特徴とする高分子炭化水素の利用システム。
  2. 高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を生成する流動層熱分解ガス化炉と、
    該流動層熱分解ガス化炉で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼する流動層燃焼炉とを備え、
    前記流動層燃焼炉の燃焼熱を少なくとも前記流動層熱分解ガス化炉に供給し、
    前記流動層熱分解ガス化炉で生成される前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と、前記流動層燃焼炉で発生する燃焼ガスとを分別回収し、
    流動媒体を前記流動層熱分解ガス化炉から前記流動層燃焼炉に前記残渣とともに移動させ、
    前記流動媒体を前記流動層燃焼炉から前記流動層熱分解ガス化炉に移動させて前記流動層燃焼炉から前記流動層熱分解ガス化炉に顕熱を移動させることを特徴とする高分子炭化水素の利用システム。
  3. 前記流動層熱分解ガス化炉には、前記高分子炭化水素として液体高分子炭化水素原料および固体高分子炭化水素原料の少なくとも一方を供給し、
    前記流動層熱分解ガス化炉には、ガス化剤を供給し、
    前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を製品ガスとして利用し、
    前記流動層燃焼炉には、酸化剤を供給し、
    前記流動層燃焼炉において、前記残渣を燃焼して前記流動媒体を高温化し、
    前記燃焼ガスを前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と混合することなく前記流動層燃焼炉から排出し、
    前記高温化された流動媒体を前記流動層燃焼炉から前記流動層熱分解ガス化炉に移動させて前記流動層燃焼炉から前記流動層熱分解ガス化炉に顕熱を移動させることを特徴とする請求項2に記載の高分子炭化水素の利用システム。
  4. 前記流動層熱分解ガス化炉で生成される前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方の熱エネルギーを回収して温度を下げる第1の冷却装置をさらに備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の高分子炭化水素の利用システム。
  5. 前記第1の冷却装置から排出される前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を有価ガスと有価油分とに分離する分留装置をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の高分子炭化水素の利用システム。
  6. 前記分留装置から排出される前記有価ガスを冷却して製品ガスには不要な物質を除去する第2の冷却装置をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の高分子炭化水素の利用システム。
  7. 前記第2の冷却装置から排出される前記有価ガスを昇圧する送ガス装置をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の高分子炭化水素の利用システム。
  8. 前記第2の冷却装置で除去された前記不要な物質から炭素分を含む固形分を回収する炭素回収装置をさらに備え、
    前記炭素回収装置で回収された炭素分を含む固形分を前記流動層燃焼炉に供給して燃焼させることを特徴とする請求項6または7に記載の高分子炭化水素の利用システム。
  9. 前記流動層熱分解ガス化炉で発生した燃焼ガスを冷却する第3の冷却装置と、
    前記第3の冷却装置により冷却された燃焼ガスから有害物質およびダストの少なくとも一方を除去する排ガス処理装置とを備えたことを特徴とする請求項2から8のいずれか一項に記載の高分子炭化水素の利用システム。
  10. 高分子炭化水素を利用するための炉の内部に液体高分子炭化水素原料を供給する原料供給ノズルであって、
    前記液体高分子炭化水素原料を流通させる第1の流路と、
    前記液体高分子炭化水素原料を分散させるための分散用ガスを流通させる第2の流路と、
    前記第1の流路と前記第2の流路とを合流させて前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとを混合して前記炉の内部に噴射する噴射部と、
    を備えたことを特徴とする原料供給ノズル。
  11. 高分子炭化水素を利用するための炉の内部に液体高分子炭化水素原料を供給する原料供給ノズルであって、
    前記液体高分子炭化水素原料を流通させる第1の流路を内部に有する内管と、
    前記液体高分子炭化水素原料を分散させるための分散用ガスを流通させる第2の流路を内周面と前記内管の外周面との間に有する外管と、
    前記第1の流路と前記第2の流路とを合流させて前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとを混合して前記炉の内部に噴射する噴射部とを備えたことを特徴とする原料供給ノズル。
  12. 前記内管は、前記液体高分子炭化水素原料を前記外管の内部に噴出する流路出口を先端部に有することを特徴とする請求項11に記載の原料供給ノズル。
  13. 前記外管は、前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとの混合物を前記炉の内部に噴射する流路出口を先端部に有することを特徴とする請求項12に記載の原料供給ノズル。
  14. 前記外管の流路出口は、軸方向と垂直な方向に延びる分岐流路により構成されることを特徴とする請求項13に記載の原料供給ノズル。
  15. 前記外管は、前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとの混合物の流れを垂直に反転させ、該混合物を前記分岐流路に導く閉止部を先端部に有することを特徴とする請求項14に記載の原料供給ノズル。
  16. 前記内管の流路出口と前記外管の流路出口とを近接させたことを特徴とする請求項13に記載の原料供給ノズル。
  17. 前記内管の流路出口と前記外管の流路出口とを離間させ、前記外管の内部に前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとを混合する混合部を形成したことを特徴とする請求項13に記載の原料供給ノズル。
  18. 前記外管は、前記混合部に連通する第2の流路を絞る絞り部を内周面に有することを特徴とする請求項17に記載の原料供給ノズル。
  19. 熱分解ガス化炉において、高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を生成し、
    燃焼炉において、前記熱分解ガス化炉で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼し、
    前記燃焼炉の燃焼熱を少なくとも前記熱分解ガス化炉に供給し、
    前記熱分解ガス化炉で生成される前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と、前記燃焼炉で発生する燃焼ガスとを分別回収することを特徴とする高分子炭化水素の利用方法。
  20. 流動層熱分解ガス化炉において、高分子炭化水素の熱分解、ガス化、および改質を行い、有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を生成し、
    流動層燃焼炉において、該流動層熱分解ガス化炉で発生する炭素を含む残渣を含んだ可燃物を燃焼し、
    前記流動層燃焼炉の燃焼熱を少なくとも前記流動層熱分解ガス化炉に供給し、
    前記流動層熱分解ガス化炉で生成される前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と、前記流動層燃焼炉で発生する燃焼ガスとを分別回収し、
    流動媒体を前記流動層熱分解ガス化炉から前記流動層燃焼炉に前記残渣とともに移動させ、
    前記流動媒体を前記流動層燃焼炉から前記流動層熱分解ガス化炉に移動させて前記流動層燃焼炉から前記流動層熱分解ガス化炉に顕熱を移動させることを特徴とする高分子炭化水素の利用方法。
  21. 前記流動層熱分解ガス化炉には、前記高分子炭化水素として液体高分子炭化水素原料および固体高分子炭化水素原料の少なくとも一方を供給し、
    前記流動層熱分解ガス化炉には、ガス化剤を供給し、
    前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を製品ガスとして利用し、
    前記流動層燃焼炉には、酸化剤を供給し、
    前記流動層燃焼炉において、前記残渣を燃焼して前記流動媒体を高温化し、
    前記燃焼ガスを前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方と混合することなく前記流動層燃焼炉から排出し、
    前記高温化された流動媒体を前記流動層燃焼炉から前記流動層熱分解ガス化炉に移動させて前記流動層燃焼炉から前記流動層熱分解ガス化炉に顕熱を移動させることを特徴とする請求項20に記載の高分子炭化水素の利用方法。
  22. 前記流動層熱分解ガス化炉で生成される前記有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方の熱エネルギーを回収して温度を下げ、
    前記温度が下げられた有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を製品ガスとして利用することを特徴とする請求項20または21に記載の高分子炭化水素の利用方法。
  23. 前記温度が下げられた有価ガスおよび有価油分の少なくとも一方を有価ガスと有価油分とに分離し、
    前記分離された有価ガスを製品ガスとして利用し、
    前記分離された有価油分を製品油分として利用することを特徴とする請求項22に記載の高分子炭化水素の利用方法。
  24. 前記分離された前記有価ガスを冷却して製品ガスには不要な物質を除去し、
    前記不要な物質が除去された有価ガスを製品ガスとして利用することを特徴とする請求項23に記載の高分子炭化水素の利用方法。
  25. 前記不要な物質が除去された有価ガスを昇圧し、
    前記昇圧された有価ガスを製品ガスとして利用することを特徴とする請求項24に記載の高分子炭化水素の利用方法。
  26. 前記除去された不要な物質から炭素分を含む固形分を回収し、
    前記回収された炭素分を含む固形分を前記流動層燃焼炉に供給して燃焼させることを特徴とする請求項24または25に記載の高分子炭化水素の利用方法。
  27. 前記流動層熱分解ガス化炉で発生した燃焼ガスを冷却し、
    前記冷却された燃焼ガスから有害物質およびダストの少なくとも一方を除去することを特徴とする請求項20から26のいずれか一項に記載の高分子炭化水素の利用方法。
  28. 高分子炭化水素を利用するための炉の内部に液体高分子炭化水素原料を供給する原料供給方法であって、
    前記液体高分子炭化水素原料を第1の流路に流通させ、
    前記液体高分子炭化水素原料を分散させるための分散用ガスを第2の流路に流通させ、
    前記第1の流路と前記第2の流路とを合流させて前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとを混合して前記炉の内部に噴射することを特徴とする原料供給方法。
  29. 高分子炭化水素を利用するための炉の内部に液体高分子炭化水素原料を供給する原料供給方法であって、
    内管の内部に形成された第1の流路に前記液体高分子炭化水素原料を流通させ、
    外管の内周面と前記内管の外周面との間に形成された第2の流路に前記液体高分子炭化水素原料を分散させるための分散用ガスを流通させ、
    前記第1の流路と前記第2の流路とを合流させて前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとを混合して前記炉の内部に噴射することを特徴とする原料供給方法。
  30. 前記内管の先端部に設けられた流路出口から前記液体高分子炭化水素原料を前記外管の内部に噴出することを特徴とする請求項29に記載の原料供給方法。
  31. 前記外管の先端部に設けられた流路出口から前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとの混合物を前記炉の内部に噴射することを特徴とする請求項30に記載の原料供給方法。
  32. 前記外管の流路出口は、軸方向と垂直な方向に延びる分岐流路により構成されることを特徴とする請求項31に記載の原料供給方法。
  33. 前記外管の先端部に形成された閉止部により前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとの混合物の流れを垂直に反転させ、該混合物を前記分岐流路に導くことを特徴とする請求項32に記載の原料供給方法。
  34. 前記内管の流路出口と前記外管の流路出口とを近接させたことを特徴とする請求項31に記載の原料供給方法。
  35. 前記内管の流路出口と前記外管の流路出口とを離間させ、前記外管の内部に前記液体高分子炭化水素原料と前記分散用ガスとを混合する混合部を形成したことを特徴とする請求項31に記載の原料供給方法。
  36. 前記外管の内周面に設けられた絞り部により前記混合部に連通する第2の流路を絞ることを特徴とする請求項35に記載の原料供給方法。
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