JP2014105120A - メタン改質方法および、それに用いるメタン改質触媒 - Google Patents

メタン改質方法および、それに用いるメタン改質触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】 Ni系メタン改質触媒またはNi金属を用い、原料成分に由来する被毒成分を除去することなく、ガス化直後の高温を維持したまま900℃以上で、未反応のガス化剤の一部である水蒸気を用い、メタン改質を安定に長時間行うことが可能であり、しかも如何なるガス化炉にも簡便に適用できる方法を提供する。
【解決手段】 バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化して生成されるガスの中のメタンをメタン改質触媒の存在下に水蒸気と反応させて改質する方法であって、ガス化炉内又はガス化炉後段のメタン改質設備内に、気体透過性のシート状又は板状のNi系メタン改質触媒を配置し、900℃以上に加熱する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、バイオマスや石炭等の固体有機物のガス化に関し、特に、生成ガス中に含まれるメタンをガス化剤の一部である水蒸気と反応させてH2とCOへ改質するメタン改質方法、及びそれに用いるメタン改質触媒に関する。
バイオマスや石炭のガス化は、これらの固体有機物を、ガス化炉内で水蒸気や酸素等のガス化剤を用い、H2、CO、CO2、CH4を主成分とするガス生成する技術である。ガス化により生成したガスは、ガスエンジンの燃料に利用可能であり、また、触媒を利用すると、H2、CO、CO2から液体燃料などの化学製品を製造することができ、液体燃料は、自動車や飛行機等輸送機関の燃料に利用可能であるために、実用化を前提とした実証段階にあり、これからの発展が期待されている。
バイオマスや石炭等の固体有機物のガス化方式には、実用化段階または実証化段階のものとして、固定床型ガス化、ロータリーキルン、噴流床型ガス化、及び流動床型ガス化がある。
固定床ガス化やロータリーキルンは、構造と運転が簡単で、原則的に空気をガス化剤に用いるので、早い時期に開発された。しかし、空気由来の窒素が生成ガス中に含まれる、タール生成量が多い、生成ガス組成を制御できない等の欠点を有する。
流動床型ガス化や噴流床型ガス化は、比較的最近開発され、水蒸気や酸素等をガス化剤に用いることが多く、生成ガス組成を制御可能、窒素が生成ガス中に含まれない等の特徴を有する。
これらのガス化方式は、以下のとおり、用いる固体有機物や生成ガスの用途等によって異なる。
石炭の場合、固定床型石炭ガス化を採用している場合もあるが、世界的に多くの企業が噴流床型石炭ガス化を採用している。
また、バイオマスの場合、IEA(International Energy Agency、国際エネルギー機関)のBioenergy Agreementに基づくTask33(Thermal gasification)が報告している様に、用途により、ガス化方式は使い分けられている。
すなわち、生成ガスを燃焼して熱を得、ガスエンジンの燃料として発電を行う場合には、生成ガスが燃焼すれば良く、生成ガス組成を制御する必要が無い。そのため小規模なプラントでは固定床型バイオマスガス化またはロータリーキルンが主に用いられる。大規模プラントでは流動床型バイオマスガス化や噴流床型バイオマスガス化が用いられる。
一方、生成ガスから触媒により液体燃料を合成する場合や生成ガスを化学原料に利用する場合には、触媒性能に応じ生成ガス組成を制御する必要があるため、流動床型バイオマスガス化や噴流床型バイオマスガス化が用いられる。
さらに、下水汚泥の様な廃棄物系バイオマスは、無料もしくは安価で、安定に供給可能であるが、下水汚泥は含水率が高く、乾燥すると粉状になるため、固定床型ガス化やロータリーキルンの原料には使用できず、流動床型バイオマスガス化または噴流床型バイオマスガス化の原料に用いることができる。
バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤を用いてガス化すると、前記のH2、CO、CO2、CH4を主成分とする生成ガスの他に、常温で液状の炭化水素(タール)と固体の炭化水素や灰分(固体残渣)も副生される。タールと固体残渣が副生すると生成ガス量が減り、全体の効率が低下する。
前記の固定床型ガス化、ロータリーキルン及び流動床型ガス化では、副生するタールと生成ガスの比率は通常数g〜数十g/m3であるが、触媒を用い、タールを水蒸気と反応させて、H2、CO、CO2、CH4を主成分とするガスへ水蒸気改質することにより生成ガス量を増やすことが行われる。
例えば、特許文献1においては、流動床ガス化炉内の温度を1000℃以下の低温でガス化処理してもタール分を効率的に水蒸気改質できるガス化触媒を目的として、タングステン塩、コバルト塩、モリブデン塩の1種または2種以上と、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケルから選ばれた1種又は2種以上と、マグネシウム原料およびカルシウム原料との複合体を、担体表面に担持したガス化触媒が提案されており、タングステン、コバルト、モリブデン成分は、ニッケルに吸着し易い硫黄分を取り込み、触媒をガス化炉に投入した際、ガス中に離脱する作用をするので、ニッケルの触媒活性が高く維持され、触媒の硫黄被毒を確実かつ効果的に抑制するとしている。触媒層を流動床ガス化炉内に設置する場合の触媒温度は1000℃以下、流動床ガス化炉後段にタール分解設備を設置する場合の触媒温度は500〜900℃としている。
また、特許文献2では、固定床型ガス化炉内に設けられた支持体上に、ルテニウムをアルミナ担体に担持してなるRu/Al23触媒、ニッケル系触媒、酸化鉄系触媒等の水蒸気改質触媒からなる触媒層を配置することにより、固体燃料を熱分解してガス化した際に副生するタールを水蒸気改質触媒を用いて水蒸気改質することが提案されている。
一方、噴流床型ガス化では、生成するタール量は、前記の固定床型ガス化、ロータリーキルン及び流動床型ガス化で生成するタール量と比較して、約1/100と微量なので、タールの水蒸気改質は通常行われない。
生成されたガスを触媒による液体燃料合成や化学原料に用いる場合、前記のとおり、流動床型バイオマスガス化又は噴流床型バイオマスガス化が用いられるが、流動床型バイオマスガス化ではタール改質が行われ、噴流床型バイオマスガス化ではタール改質を行うことなく単独で用いられることとなる。
バイオマスや石炭等の固体燃料をガス化して得られる、H2、CO、CO2、CH4を主成分とする生成ガスから触媒を用いて液体燃料を合成するBTL(Biomass-to-Liquid)やCTL(Coal-to-Liquid)プロセスは、H2とCOやCO2を原料とするプロセスでC1化学と呼ばれる。
C1化学では、H2とCOやCO2をできるだけ多く含むこと、さらに、H2とCOやCO2のモル比([H2]/[CO]、[H2]/([CO]+[CO2])が1〜3.5と、水素比率の高いガスを得ることが望ましい。
生成ガス中のH2、CO、CO2濃度は、ガス化条件を変えることにより制御可能であるが、メタン(CH4)濃度はガス化条件によらず、ほぼ一定で、バイオマスからの生成ガス中には常に約10%含まれる。しかし、メタンはBTLやCTLプロセスの合成原料にならず、触媒合成後のオフガスにそのまま含まれる。システムによってはCH4の一部を熱源として用いる場合もあるが、通常はトータルプロセス効率が低下する。
そこで、生成ガス中に含まれるメタンを、メタン改質触媒を用い、650℃以上の高温で、未反応ガス化剤の一部である水蒸気と反応させてH2とCOへ改質し(CH4+H2O→3H2+CO)、触媒合成原料を増やせば、トータルプロセス効率を10%程度以上向上できる。
2はCH4に比べ、単位エネルギー当たりのエクセルギーが大きい。石炭ガス化複合発電(IGCCやIGFC)で用いられるタービン発電では、CH4をH2とCOへ水蒸気改質すると、発電効率が向上する。
さらにH2は燃料電池の燃料である。IGFCは燃料電池をカスケード利用するので、CH4をH2とCOへ水蒸気改質すると、効率は著しく向上する。
Niが、メタン改質効果を有することはよく知られており、Niを主成分とするNi系メタン改質触媒は既に商品化されている。
しかし、バイオマスや石炭等の固体燃料は硫黄(S)を含むため、生成ガスには、原料に由来する硫黄化合物(H2SやCOS等。通常、バイオマスからの生成ガス中のH2S濃度は100〜1000ppm、下水汚泥からの生成ガス中のH2S濃度は1%、石炭からの生成ガス中のH2S濃度は0.5%程度)やハロゲン(Cl等)や窒素化合物(NH3等)やリン化合物が含まれ、これらの成分S、P、Cl等は、Niと反応しやすく、これらと反応したNiはメタン改質効果を失う(メタン改質触媒が失活する)。特にH2S等の硫黄化合物とCl等のハロゲン化合物は、微量でも被毒作用が強いため、1ppm以下レベルの精製が必要である。
そのため、従来、触媒によるメタン改質前に、脱硫剤等を用いて生成ガスを精製し、その後メタン改質触媒によるメタン改質が行われている。
特開2007−283209号公報 特開2009−197073号公報
従来の脱硫方法は、生成ガスを室温に冷却後、アミン溶液等を用いる湿式脱硫、活性炭やZn系脱硫剤を用いた乾式脱硫がある。
バイオマスのガス化温度は900〜1000℃、石炭のガス化温度は1200〜1500℃である。ガス化炉から出て来た直後の生成ガスは800℃程度以上で、未反応ガス化剤の水蒸気を含む。これまで、高温かつ高水蒸気で機能する脱硫剤は報告されておらず、例えば水蒸気を含まない条件では、活性炭等を用いて400〜500℃程度迄(これ以上の温度では活性炭が燃焼する)、水蒸気を含む条件では、Zn系脱硫剤が実用化されているが、350℃程度迄しか使用できない。そこで、800〜1,200℃の高温で、かつ水蒸気を30〜50%含む生成ガスを、一旦室温〜100℃まで冷却し、水蒸気除去後、湿式あるいは乾式で脱硫し、650℃〜750℃に再加熱して水蒸気を加え、メタン改質を行うというプロセスが通常行われている。
このプロセスは、冷却&再加熱プロセス(高温→低温→高温)と水蒸気添加が必要で、装置と運転が複雑高価になり、ヒートロスも大きく、効率が低下する。可能であれば、ガス化直後の高温かつ高水蒸気状態をできるだけ維持したまま、脱硫→メタン改質、あるいは脱硫プロセス無しで直接メタン改質を行うことが望ましい。
従来の脱硫方法により、H2S濃度を1ppm程度以下に低減できるので、Ni系メタン改質触媒は硫黄(S)等と反応、NiSとなり、Niメタン改質触媒が失活する迄の時間(寿命)を100倍以上伸ばすことができるものの、寿命は有限である。Ni金属は高価で、Ni系メタン改質触媒も同様に高価である。可能であれば、半永久的にメタン改質できることが望ましい。
脱硫プロセス無しに半永久的にNi系メタン改質触媒を用い、生成ガスに含まれるCH4をH2とCOへ改質できれば、触媒による液体燃料合成及び化学原料及び石炭ガス化複合発電(IGCCやIGFC)の効率を向上できるとともにコストを大幅に削減できる。
しかるに、特許文献1及び特許文献2は、ガス化時に副生するタールを触媒により水蒸気と反応させ、H2、CO、CO2、CH4を主成分とするガスへの改質を目的とするものである。特許文献1における実施例でもメタンを含まないガスを用いており、メタン改質を目的としていないことは明らかである。
本発明は、こうした現状を鑑みてなされたものであって、Ni系メタン改質触媒またはNi金属を用い、原料成分に由来する被毒成分を除去することなく、ガス化直後の高温を維持したまま900℃以上で、未反応のガス化剤の一部である水蒸気を用い、メタン改質を安定に長時間行うことが可能であり、しかも如何なるガス化炉にも簡便に適用できる方法を提供することを目的とするものである。
これらの課題を解決するため、本発明においては、Ni系メタン改質触媒及びNi金属を使用する方法に工夫をこらすことにより、未反応のガス化剤の一部である水蒸気を用い、CH4等常温でガス状の炭化水素のメタン改質を安定に長時間行うことを可能としたものであって、以下の発明が提供される。
[1]バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化して生成されるガスの中のメタンをメタン改質触媒の存在下に水蒸気と反応させて改質する方法であって、
ガス化炉内又はガス化炉後段のメタン改質設備内に、気体透過性のシート状又は板状のNi系メタン改質触媒を配置し、900℃以上に加熱することを特徴とするメタン改質方法。
[2]前記メタン改質触媒が、1枚又は2枚以上を重ねた網状のNi金属である[1]に記載のメタン改質方法。
[3]前記網状のNi金属を、ロール状に加工して用いることを特徴とする[1]又は[2]に記載のメタン改質方法。
[4]バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化させるガス化炉内に配置して生成ガス中のメタンを水蒸気と反応させて改質するメタン改質触媒であって、気体透過性のシート状又は板状であることを特徴とするメタン改質触媒。
[5]バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化させるガス化炉後段のメタン改質設備内に配置して生成ガス中のメタンを水蒸気と反応させて改質するメタン改質触媒であって、気体透過性のシート状又は板状であることを特徴とするメタン改質触媒。
[6]網状のNi金属からなることを特徴とする[4]又は[5]に記載のメタン改質触媒。
[7]ロール状に加工されていることを特徴とする[4]〜[6]のいずれかに記載のメタン改質触媒。
[8]バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化するガス化炉であって、ガス化炉内に請求項4〜7のいずれかに記載されたNi系メタン改質触媒が設置されていることを特徴とするガス化炉。
[9]噴流床型ガス化炉であることを特徴とする[8]に記載のガス化炉。
本発明によれば、Ni系メタン改質触媒またはNi金属を、気体透過性のシート状又は板状の部材として、ガス化炉内に設置またはガス化炉後段に設置することにより、900℃以上で、長時間安定にメタンなどの炭化水素を水蒸気改質することが可能であり、ガス化炉内の生成ガスにH2Sが含まれていても、900℃以上ではNiSとNiが平衡状態になり、長時間安定にメタンなど常温でガス状の炭化水素を水蒸気改質する効果を有するものである。また、メタン改質触媒としてNi金属を用いることができ、特に、Ni金網を用いることにより、Niとガスが良く接触し、水蒸気改質効果が改善される。平面状のNi金網を重ねると、ガスがNiと接触する回数はNi金網の枚数と同じであるが、さらに、ロール状のNi金網をガス流に対し縦に置くと、ガスがNiと接触する回数はNi金網に使われているNi針金の本数と同じになり、格段に増加するためと考えられる。さらにまた、ロール状に加工する事により、ガス化時に副生する固体残渣がNi金網を閉塞することなく滑らかに流れ、長時間安定にガス化できる。
バイオマスのガス化温度は通常900〜1000℃であり、ガス化炉から出た直後のガス温度は800℃程度以上である。メタン改質触媒の温度を900℃以上に保ち、メタン改質を行うためには、Ni系メタン改質触媒をガス化炉内に設置することが望ましいが、加熱装置を有するNi系メタン改質設備をガス化炉後段に設置することにより、Ni系メタン改質触媒温度を900℃以上に保ち、H2Sが含まれていても、長時間安定にメタンを水蒸気改質することができる。
平面状のNi金網を8枚重ねた、ガス化炉に挿入する前の状態の写真 ロール状に加工したNi金網を示す写真 ロール状に加工したNi金網を複数本束ねた、ガス化炉内に挿入する前の状態の写真
本発明は、バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化して生成されるガスの中のメタンを、メタン改質触媒の存在下に水蒸気と反応させて改質する方法であって、ガス化炉内又はガス化炉後段のメタン改質設備内に、気体透過性のシート状又は板状のNi系メタン改質触媒を配置し、900℃以上に加熱することを特徴とするものである。
本発明においては、Ni系メタン改質触媒を、気体透過性のシート状又は板状の部材として、ガス化炉内またはガス化炉後段のメタン改質設備内に設置することにより、900℃以上で、長時間安定にメタンを水蒸気改質でき、ガス化炉内の生成ガスにH2Sが含まれていても、900℃以上ではNiSとNiが平衡状態になるために、Ni系メタン改質触媒が失活することなく、水蒸気改質する効果が持続するものである。
本発明において、900℃以上でNiSとNiが平衡状態になることを利用しているため、H2S濃度によらず、Ni系メタン改質触媒が本質的に失活することが無く、高価なNi系触媒を用いても、ランニングコストを低減可能である。また、取出や再生等、付属的な作業を必要とせず、運転も簡便になる。
本発明において、気体透過性のシート状又は板状の部材としては、特に限定されないが、本発明によれば、Ni系メタン改質触媒としてNi金属を用いることができ、その場合には、加工の点から、網状とすることが好ましい。
そして、とくに、網状のNi金網を用いることにより、Niとガスが良く接触し、メタン改質効果が改善される。
また、平面状のNi金網を重ねると、ガスがNiと接触する回数はNi金網の枚数と同じであるが、さらに、ロール状のNi金網をガス流に対し縦に置くと、ガスがNiと接触する回数はNi金網に使われているNi針金の本数と同じになり、格段に増加するためと考えられる。さらにまた、ロール状に加工する事により、ガス化時に副生する固体残渣がNi金網を閉塞することなく滑らかに流れ、長時間安定にガス化できることができる。
本発明においては、バイオマス、ごみ、下水汚泥、及び石炭等の固体有機物を、ガス化炉に供給するとともに、ガス化炉の下部よりガス化剤を導入し、ガス化炉内に供給された固体有機物を熱分解させる。ガス化剤としては、水蒸気、酸素あるいは空気などが用いられる。
ガス化炉内で生成したガス化ガスは、ガス化炉上部より取り出される。取り出されたガス化ガスは可燃ガスであり、燃料電池やガスエンジンによる発電、液体燃料の原料や化学品原料などに利用される。
本発明において用いるガス化炉は、固定床型ガス化炉、ロータリーキルン、流動床型ガス化炉、或いは噴流床型ガス炉のいずれでもよいが、炉内に、ガス化剤をガス化炉底部から上部へ流すことにより固体有機物を浮遊旋回させるための大きな空間を有している噴流床型ガス化炉を用いるのが好ましく、本発明の、気体透過性のシート状又は板状のNi系メタン改質触媒を、ガス化炉内に配置することができる。
また、他のガス化炉の場合は、炉内に大きな空間を有しないため、ガス化炉後段のメタン改質設備内に、本発明の気体透過性のシート状又は板状のNi系メタン改質触媒が配置される。しかし、他のガス化炉においても、隔壁等によりメタン改質触媒を設置する為の空間を設けることにより、本発明の、気体透過性のシート状又は板状のNi系メタン改質触媒を、ガス化炉内に配置することができる。
以下、本発明を実験例に基づいて説明するが、本発明はこの実験例に限定されるものではない。
1.市販のメタン改質触媒へのH2Sの影響
市販のメタン改質触媒(クラリアント触媒株式会社製FCR-4-02)を噴流床型ガス化炉内に設置し、CH4+H2+H2O+H2S混合ガス(H2S濃度170ppm)(dry、N2free)を流した場合のガス組成(約4時間経過後、定常状態の値)を表1に示す。
Figure 2014105120
メタンの水蒸気改質反応(下記の式(1))と、水蒸気シフト反応(下記の式(2))が生じた。
CH4+H2O→CO+3H2 (1)
CO+H2O→CO2+H2 (2)
CO濃度がCO2濃度より常に高かったので、メタンの水蒸気改質反応が主であった。ただし、H2Sを含まない場合、CH4濃度は0.1%以下になるので、H2Sによりメタン改質効果は低くなったと考えられる。
同触媒を通常の使用温度650〜700℃で、H2S(濃度170ppm)を含む混合ガスを流すと、約1時間で水蒸気改質効果を失う(失活する)。しかし、合計約12時間以上経過してもメタン改質効果を示した。
メタン水蒸気改質後のガス中に含まれるHS濃度は約120ppmであった。供給したガス中のH2S濃度は170ppmだが、CH4の水蒸気改質により全ガス量が増加するので(上記式(1)参照)、相対的に濃度が低下する。ガス量増加を考慮すると、ほぼ全量のH2Sが処理後のガスに含まれた。触媒をガス化炉内に設置し、900℃以上に加熱することで、NiとSの反応が平衡に達し(下記の式(3))、長時間安定にメタン改質効果を保つ事ができたと考えられる。
Figure 2014105120
2.平面状Ni金網のメタン改質効果
図1に示すとおり、平面状のNi金網を8枚重ね炉内に設置し、H2Sを含まない模擬ガス(CO+CO2+CH4+H2+H2O混合ガス)(dry、N2free)を流した場合には、900℃でメタン改質効果を僅かに示した(表2)。
ガス量を減らしガス流速を下げることが必要だったので、Ni金属によるメタンの水蒸気改質にはガスとNi金網が効果的に接触することが必要であることが判った。
Figure 2014105120
3.ロール状Ni金網のメタン改質効果
ガスとNiの接触を良くするため、Ni金網を、図2に示すとおり、ロール状に加工し、該ロール状Ni金網42本を、図3に示すように束ねた。
該束ねたロール状Ni金網をガス流に対し縦になるように設置し、H2Sを含まない模擬ガス(CO+CO2+CH4+H2+H2O混合ガス)(dry、N2free)を流した場合のガス組成を表3に示す。
900℃でメタンの水蒸気改質効果が顕著であった。ガス流速は6cm/sである。
Figure 2014105120
4.ロール状Ni金網へのH2Sの影響
ロール状Ni金網に、CH4+H2+H2O+H2S混合ガス(H2S濃度170ppm)を流した場合のガス組成(約3〜4時間経過後、定常状態の値)を表4に示す。
メタンの水蒸気改質反応(下記の式(1))と、水蒸気シフト反応(下記の式(2))が生じた。
CH4+H2O→CO+3H2 (1)
CO+H2O→CO2+H2 (2)
CO濃度がCO2濃度より常に高かったので、メタンの水蒸気改質反応が主であった。
温度が上昇するとメタンの水蒸気改質反応はより促進された。これは、温度が上昇すると、NiSがより分解されるためだと考えられる。
Figure 2014105120
5.バイオマス生成ガスをロール状Ni金網に流した場合
スギ木部を900℃でガス化して生成したガスをロール状Ni金網に通した場合と通さない場合の生成ガス組成を表5に示す。
メタンは水蒸気改質された。ロール状に加工することで、固体残渣による閉塞は生じず、安定に長時間ガス化できた。
Figure 2014105120

Claims (9)

  1. バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化して生成されるガスの中のメタンをメタン改質触媒の存在下に水蒸気と反応させて改質する方法であって、
    ガス化炉内又はガス化炉後段のメタン改質設備内に、気体透過性のシート状又は板状のNi系メタン改質触媒を配置し、900℃以上に加熱することを特徴とするメタン改質方法。
  2. 前記メタン改質触媒が、1枚又は2枚以上を重ねた網状のNi金属である請求項1に記載のメタン改質方法。
  3. 前記網状のNi金属を、ロール状に加工して用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタン改質方法。
  4. バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化させるガス化炉内に配置して生成ガス中のメタンを水蒸気と反応させて改質するメタン改質触媒であって、気体透過性のシート状又は板状であることを特徴とするメタン改質触媒。
  5. バイオマスや石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化させるガス化炉後段のメタン
    改質設備内に配置して生成ガス中のメタンを水蒸気と反応させて改質するメタン改質触媒であって、気体透過性のシート状又は板状であることを特徴とするメタン改質触媒。
  6. 網状のNi金属からなることを特徴とする請求項4又は5に記載のメタン改質触媒。
  7. ロール状に加工されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のメタン改質触媒。
  8. バイオマス又や石炭等の固体有機物をガス化剤によりガス化するガス化炉であって、ガス化炉内に請求項4〜7のいずれかに記載されたNi系メタン改質触媒が設置されていることを特徴とするガス化炉。
  9. 噴流床型ガス化炉であることを特徴とする請求項8に記載のガス化炉。
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