JPS5851988B2 - 石炭または重質油の流動層ガス化装置 - Google Patents

石炭または重質油の流動層ガス化装置

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JPS5851988B2
JPS5851988B2 JP2276977A JP2276977A JPS5851988B2 JP S5851988 B2 JPS5851988 B2 JP S5851988B2 JP 2276977 A JP2276977 A JP 2276977A JP 2276977 A JP2276977 A JP 2276977A JP S5851988 B2 JPS5851988 B2 JP S5851988B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、石炭または石油系重質油等をガス化する装置
に係り、特にタールやコーキングによるトシブルを防止
しつつ、ガス化率を向上せしめ、かつ熱を有効に回収す
ることができる流動層ガス化装置に関するものである。
石油は最も低床なエネルギーであるが、亜硫酸ガスによ
る大気汚染の防止の立場から低イオウの燃料に変換する
必要がある。
ナフサや灯油、軽油等の軽質石油留分では、例えばコバ
ルト−モリブデン系触媒下で数10気圧以上の水素と接
触させることによって含有するイオウを硫化水素に変換
して容易に除去することができる。
しかし、蒸留残渣外、特に減正蒸留残渣油のような重質
油はアスファルテン分やニッケル、バナジウム等の重金
属分を含有するため、水素化脱硫触媒を被毒し、また複
雑な分子中のイオウを除去しなげればならないため、多
量の水素を消費し、脱硫コストが非常に高くなるという
欠点がある。
このため、これら重質油をガス化して、生成ガスを脱硫
し、低イオウの燃料ガスを製造する方法が種々提案され
ている。
一方、石炭は石油と同様、炭化水素を主成分とするが、
固体で灰分、イオウ、窒素を含有するため、取扱いが不
便で大気汚染公害を起こしやすい。
しかし、石炭は、石油に比べてはるかに広大な地域に、
しかも大量に存在するため将来の化石エネルギーとして
再び注目されつつあり、取扱いが容易で、かつクリーン
なエネルギーに変換する方法として、石炭をガス化ある
いは液化する方法が植種提案されている。
石炭のガス化方法としては、従来から固定層による乾留
または部分酸化法等が知られているが、処理効率が悪く
、連続処理に適さないという欠点がある。
これに対し、流動層方式は固体の連続処理に極めて有利
であり、しかも微粉炭を扱うため、ガス化速度が大きく
単位容積当りの処理量を大きくすることができるので優
れた方法といえる。
これら重質油や石炭をガス化してクリーン燃料ガスを得
るには、発熱量の大きなメタン等の炭化水素成分に富ん
だガスを発生させることが望ましい。
ガス化反応としては部分酸化、水添ガス化、熱分解ガス
化等の方法がある。
部分酸化反応を主反応とするガス化方法は1段階で原料
を完全ガス化し得るが、発生ガスが水素、一酸化炭素に
冨むため、メタンリッチガスを得るには、COシフト反
応を行なってH2/COモル比を約3.0に調節し、例
えばニッケル系触媒でメタネーションさせる必要がある
しかし、メタナーショ7反応は非常な発熱を伴なうため
、熱除去に特別な工夫をしないと触媒の劣化が著しく、
実用的でない欠点があり、また、単位原料当りの酸素消
費量が多く、熱効率が低いという欠点がある。
さらに、ガス化温度も1000℃以上、好ましくは12
00℃以上にしないと、一酸化炭素が減少し炭酸ガスが
増大するため、ガス化炉の材質が問題であり、かつ石炭
を原料とする場合には灰分が溶融するため特別な対策を
必要とする。
一方、水添分解は、加圧下の水素で700〜900℃で
ガス化して主としてメタンを取得するものであるが、高
圧を必要とすること、未反応水素が生成ガス中にかなり
残存すること、および水素製造プラントを別途必要とす
ること等の問題がある。
これに対し、酸素の存在下で原料を750〜900℃で
流動層下に熱分解する熱分解ガス化方法は特別な手段を
要することなく、容易にメタンを主成分とするガスを得
ることができるので優れた方法である。
しかしながら重質油や石炭の熱分解においては、ガス状
物が30〜60φしか得られず、30〜50優のカーボ
ン状物、チャーを副生ずる。
そのため、このカーボン状物あるいはチャーをさらに燃
焼させることによって、熱分解に要する熱をまかなうこ
とが全体のガス化効率を高める上で有効である。
また余剰のカーボンは水性ガス化反応を併発させること
によって水素や一酸化炭素に変換し、燃料ガスとして回
収することができる。
上記の熱分解を主体としたガス化方法は、最も単純で有
効な方法であり、古くから応用されているが、これを重
質油や石炭に適用すると、炭素数5以上、特に20以上
の重質タールが副生じ、これが生成ガス中に同伴される
ため、ガス化炉出口以降のトランスファーライン、ある
いは流動層から飛散する微粒子を分離回収するためのサ
イクロン、特に高温の生成ガスのもつ顕熱を回収するた
めの熱交換器等で前記タールが凝縮、炭化し、配管や容
愛の閉塞、伝熱の阻害などのいわゆるコーキングトラブ
ルを引き起こし、プラントの長期連続運転を阻害すると
いう問題がある。
例えば、第1図は、石炭あるいは重質油等の従来の一般
的なガス化方法のフローシートであるが、ガス化炉1で
ライン2から供給される原料をライン3からのスチーム
と酸素でガス化し、生成ガスをライン5から抜き出し、
以後のガス冷却部6、精製部9に導ひくが、ライン5ま
たはガス冷却部6において上記したコーキングトラブル
が起こりやすい。
このようなトラブルは、熱分解反応のみならず、高温下
の水添分解反応、部分酸化分解反応においても同様に起
こり得る。
このようなコーキングトラブルを抑制する方法としては
、生成ガスに直接、油や水を吹きつげて急冷し、管壁や
器壁へのタール凝集を防止することが行なわれているが
、生成ガスの保有する顕熱を有効に回収することができ
ないという欠点がある。
ところで近時、塔上部に石炭または重質油の供給口、塔
上部に生成ガス出口を有し、ガス化剤供給口より上部に
石炭または重質油の熱分解ゾーンを形成する流動層ガス
化装置において、石炭または重質油の前記熱分解ゾーン
の上部に冷却ゾーンを設け、生成ガス出口以降の配管等
のコーキングを防止すると共に、その冷却ゾーンにおけ
る熱交換により顕熱の有効利用を図ることが考えられた
ところが、生成ガス出口以降の配管等のコーキングを防
止するために設けた冷却ゾーンの冷却作用が粒子の混合
により、この冷却ゾーンの下方部位に隣接する熱分解ゾ
ーンへ波及して、ガス化作用上のヒートロスを生じさせ
る虞れがある。
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、上
記したような石炭または重質油のガス化反応におけるカ
ーボントラブルを抑制し、かつ高温の生成ガス顕熱を効
率的に回収し、しかも全体のガス化効率を向上させるこ
とができる流動層ガス化装置を提供することを目的とす
る。
上記目的を達成するため、本発明に係る流動層ガス化装
置では、塔下部にガス化剤供給口、その上部に石炭また
は重質油の供給口、塔上部に生成ガス出口を有し、ガス
化剤供給口より上部に石炭または重質油の熱分解ゾーン
を形成する流動層ガス化装置において、石炭または重質
油の前記熱分解ゾーンの上部に冷却ゾーンを設け、この
冷却ゾーンと熱分解ゾーンとの間にこれら両ゾーン間の
伝熱を抑制するためのバッフルを設けている。
なお、熱分解ゾーンの上部に冷却ゾーンを形成するには
、塔内の該当位置に間接冷却用コイルを挿入し、該コイ
ルに水、油等の熱媒体(好ましくは水)を通過させれば
よいが、他の方法として例えば、塔壁に冷却ジャケット
を設けて周囲から冷却するようにしてもよい。
間接冷却によって、例えば、熱媒体として水を用いる場
合は、高温スチームとして熱回収することができる。
一般に流動層は熱伝達性が良いので上記回収方法は極め
て有効である。
また、冷却ゾーンとその下部の熱分解ゾーンの間に設け
る伝熱抑制用のバッフルは、例えば、第2図Aに示すよ
うに間隔をおいて板を垂直に数段束ねたものが用いられ
る。
その他に第2図Bに示すような多重円筒型、第2図Cに
示すような多孔板型を使用することもできる。
要するに流動粒子の移動は妨げないが、粒子の混合を抑
制するために抵抗を増大させうるものであれば如何なる
形状のものであってもよい。
このバッフルを設けることにより流動粒子の混合と伝熱
を抑制するとともに流動層中の気泡を小さくシ、冷却ゾ
ーンにおける気体−個体間の接触効率を増大させること
ができる。
さらに本発明においては、熱分解ゾーンの下部のガス化
剤供給口と石炭または重質油の供給口との間に空間を設
けて部分酸化ゾーンを設けることができる。
塔内の流動層は、塔下部から圧入されるガス化剤の上方
への流れにより形成される。
流動層の形成粒子は、原料である石炭粒子であるが、原
料が液状(残渣油)の場合には、アルミナ粒子、ニッケ
ル、鉄等を含む鉱石粒子のような流動媒体を用いてもよ
い。
上記熱分解ゾーンおよび部分酸化ゾーンには必要に応じ
て加熱ヒーター等を設けることができる。
本発明におけるガス化原料としては、石炭または石油の
蒸留残渣分(特に減圧蒸留残渣分)のような重質油が適
当である。
石炭と重質油の混合物は、前述のように石炭粒子を流動
層の形成粒子とすることができるので好適に用いられる
ガス化剤としては、酸素(または空気)、酸素(または
空気)と水蒸気、水素等が用いられるが、部分酸化反応
を併用する場合には酸素と水蒸気の混合ガスが好ましい
本発明装置においては、また冷却ゾーンの流動粒子を熱
分解ゾーンに循環させるための流路を形成することが好
ましい。
この流路は、ガス化塔の外部に枝管を設け、該枝管に例
えば生成ガスまたは窒素ガスのような強制循環用ガスを
吹込んで冷却ゾーンの流動粒子を熱分解ゾーンに戻すこ
とによって形成される。
熱損失を避けるために上記枝管は塔内に設けてもよく、
また塔を環状に仕切ってその内部または外部を通って流
動粒子を循環するように構成してもよい。
冷却ゾーンの流動粒子を熱分解ゾーンに循環させること
により、該粒子上に凝縮した重質タール分を再度熱分解
してガス化することができ、装置全体のガス化効率を向
上させることができる。
以下、本発明の典型的な装置例を第3図に示す。
第3図は、ガス化炉1の下部の部分酸化ゾーン14で主
として分解熱の供給を目的とした部分酸化反応を、中央
部の熱分解ゾーン13で原料からメタンリッチガスを取
得するための熱分解反応を、さらにその上部の冷却ゾー
ン12で分解時の副生タール中の重質分を除去し、かつ
生成ガスの保有する顕熱を高温スチームとして回収する
ための冷却を行なわせ、冷却ゾーン12と熱分解ゾーン
13の間には粒子の混合を若干抑制するためのバッフル
16をおいて、流動層各部の温度をそれぞれの最適温度
に保持しやすクシ、また冷却ゾーンの粒子を熱分解ゾー
ンに循環する粒子循環管17を設けて、冷却時に流動粒
子表面に捕集された重質分を再度熱分解してメタン収率
を高めるようにしたものである。
第3図において、ガス化炉1中の、流動層の上部には間
接冷却管15が挿入されて冷却ゾーン12が形成され、
またこの冷却ゾーン12と原料の熱分解ゾーン13の間
には第2図Aに示すようなバッフル16が設けられ、冷
却ゾーンと熱分解ゾーン間の粒子の混合と伝熱が抑制さ
れる。
原料の石炭あるいは重質油はノズル2からフィーダある
いはポンプで供給されるが、必要に応じて気流輸送ある
いは噴霧化のための媒体ガスを使用してもよい。
供給された原料2はゾーン13で熱分解を受けてガス化
されるが、この際、石炭ではチャーが副生じ、流動粒子
となり、一方、重質油を原料とした場合には流動粒子上
にコークが生成、付着する。
これらチャーやコークは部分酸化ゾーン14でライン3
、分散板20から供給されるガス化剤(スチームと酸素
)により流動化されつつ、燃暁あるいは水性ガス化を含
む部分酸化反応によりガス化される。
この際の発生熱量は熱分解ゾーン13の分解熱として利
用される。
熱分解反応と部分酸化反応は同一領域で併発させること
もできるが、熱分解で生成したメタン等の有用ガスの方
がカーボン分よりも酸素と反応しやすいために、折角生
成しても失なわれる欠点がある。
そのため、部分酸化ゾーンに吹き込まれる酸素がカーボ
ン分と反応して消失する点より上部の位置に原料供給ラ
インを設けて熱分解させることがのぞましい。
本ガス化炉では、熱分解ゾーン13における熱分解ガス
中に含まれ、コーキングトラブルの原因となる重質ター
ル分が冷却ゾーン12で約450〜550℃に冷却され
、流動粒子表面に凝縮して除去され、同時に冷却媒体で
あるスチームを冷却管15から供給して高温スチームと
し熱回収がはかられる。
バッフル16は、冷却ゾーンと熱分解ゾーン間の粒子混
合および熱伝達を抑制し、熱分解ゾーン13の温度低下
を防止する。
さらに冷却ゾーン12の粒子を例えば生成ガスのような
エアレーションガス18、強制循環用ガス19を循環用
配管11を通すことによって熱分解ゾーン13に循環さ
せることにより、粒子上に凝縮した重質タール分は再度
熱分解され、ガス化される。
上記冷却ゾーン12の温度は450〜550℃に保持す
ることが好ましく、450℃より以下では凝縮物が湿っ
た状態になるため、流動粒子の凝集が起こりやすく、流
動層の安定操業はかなり困難になり、また粒子循環管1
7が閉塞しやすくなる。
また、550℃より以上では冷却ゾーン12における凝
縮が充分でなくなり、ライン5以降のコーキングトラブ
ルの防止、ガス化率の向上が充分でなくなる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に
説明する。
実施例1、比較例1〜2 0.42〜0.71mmに′分級した太平洋炭を第3図
に示した流動層ガス化炉に連続的に供給し、5ky/c
IIL2Gの下でガス化する。
すなわら、石炭の供給口は流動層の中央付近とし、その
下部では分散板により供給されるスチームと酸素によっ
て温度を950℃に維持しつつ、チャーのガス化を行な
うとともに、常温で供給される石炭の昇温および石炭の
熱分解(乾留)に必要な熱を発生させる。
これによって石炭供給口2の付近、すなわち石炭熱分解
ゾーン13の温度を約800℃にした。
このときのスチームと酸素の供給量は石炭供給量10当
り、それぞれ1.7ky、0.43Icgであった。
冷却ゾーン12の冷却管には冷却媒体を送らずにガス化
させた場合(比較例1)では、第1表に示したように、
冷却ゾーンの温度は熱分解ゾーンの温度とほとんど変わ
らなかった。
しかし、200℃のスチームを冷却管に1.4kg(原
料石炭の供給量1/ig当り)供給した場合(実施例1
)には、第1表に示すように冷却ゾーン12の温度は4
90℃に低下したが、バッフルによる熱の伝達抑制のた
めに、熱分解ゾーンの温度は5℃しか低下しなかった。
各場合の生成ガス収容量(原料石炭IIcg当りの生成
物のkg)を第1表に示したが、流動層上部を冷却させ
た場合(実施例1)の方がメタン収量が1.1優はど多
くなっている。
また生成ガス出口ラインのカーボン析出量も実施例1の
方が173程度に低下した。
また実施例1の場合、冷却管により回収される熱量は4
42 K c a t/kg−原料で、原料の発熱量の
約7.0 %に相当し、冷却媒体を直接吹き込む冷却方
式に比べて熱効率を大巾(:こ向上させることができる
なお、バッフルを使用せずに他は実施例1と同様にした
場合(比較例3)は、スチームや酸素、および石炭や冷
却用スチームの供給を実施例1と同一にしているにもか
かわらず、熱分解ゾーンの温度が720℃付近に低下し
、そのため水素やメタンの収量がかなり低減することが
明らかである。
実施例2〜3、比較例3、参考例1〜2 0.105〜0.42mrtbに粉砕、篩分けした太平
洋炭を30重量多、ガツチサラン減圧残渣油(B、P。
560℃以上、アスファルテン10.4重量咎、イオウ
3.5重量%)を70重量φの割合で混合し、180℃
で加熱、攪拌してスラリー状態したものを原料として、
第3図に示した装置を用いてガス化を行なった。
原料は、圧力5kg/CIfL2Gで石炭チャーの流動
層中にスチームにより噴霧供給された。
流動化あるいは部分酸化用のスチームおよび酸素はそれ
ぞれ前記スラリー1kg当り2kgおよび0.65kg
とし、熱分解ゾーン、部分酸化ゾーンをそれぞれ750
℃、1050℃に保った。
冷却ゾーンの温度は483℃である。
生成ガス収率を第1表の実施例2の欄に示したが、冷却
ゾーンの冷却コイルにスチームを通さない場合(比較例
3)に比べてメタン収率が1.8%向上し、冷却ゾーン
の熱回収量も610KcatA9−原料で原料発熱量の
6.8%を回収することができた。
上記実施例2では重質油を用いているため、前記の石炭
単独のガス化に比ベタール生成量が多く、このため生成
ガス出口ライン以降のコーキングトラブルも顕著になる
が、流動層上部の冷却により、コーク生成量をかなり抑
制できることが確認された。
実施例2と同一条件でガス化し、冷却温度を400℃(
参考例1)、550℃(実施例4)600℃(参考例2
)と変化させた。
結果を第1表に示す。
400℃では流動層中に粗粒が発生し、粒子表面が凝縮
タールによってやや湿った状態になり、これが凝集して
塊状になる。
また、生成ガスのトランスファーラインはコークという
より、粘稠なタールが付着し、これに飛散した粒子がト
ラップされ、非常に閉塞しやすい状態となった。
この場合にはトランスファーラインの配管を外部加熱す
る必要がある。
一方、600℃ではメタン収率の向上程度も少なく、ま
た冷却管による加熱回収量も335Kca7Ag−原料
(原料発熱量の3.7%)に低下した。
実施例 4〜5 0.42〜0.71mmに分級した太平洋炭を第3図に
示した流動層ガス化炉に連続的に供給し、25kfj/
CrfL2Gの下で、700℃で水素によりガス化する
石炭は流動層の中央部に供給し、ここで熱分解を主体と
した反応によってガス化せしめ、副生チャーを流動層下
部で、分散板を通して供給された水素によって水添ガス
化させる。
水素供給量は0、143 kg/kg−原料とし、冷却
ゾーンの温度を680℃(冷却しない場合)、500℃
とした場合の生成ガス収率を第2表に示した。
上表から明らかなように、500℃に冷却した場合には
、実施例1および2の場合と同様にメタン収率が向上し
、ガス化炉出口ラインのコーク量も減少し、回収熱量も
129KcalA?−原料であった。
このように、スチームと酸素をガス化剤とした場合と同
様に、水素添加によるガス化においても、本発明は極め
て有効であることは明らかである。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、石炭
または重質ガス化装置の熱分解ゾーンの上部に冷却ゾー
ンを設けたのでガス化装置以降の配管等におけるコーキ
ングトラブルを防止することができるのは勿論であるが
、さらに冷却ゾーンと熱分解ゾーン間にバッフルを設け
たので、冷却ゾーンと熱分解ゾーンとの間の伝熱をバッ
フルによって阻止し、熱分解ゾーンにおいて冷却ゾーン
の影響による温度低下が防止でき、ヒートロスの減少に
よりガス化効率を向上することができる。
即ち、生成ガス出口以降の配管等のコーキングを防止す
るために設けた冷却ゾーンの冷却作用が粒子の混合によ
り、この冷却ゾーンの下方部位に隣接する熱分解ゾーン
へ波及して、ガス化作用上のヒートロスを生じさせると
いう虞れを除去し、流動粒子の移動は妨げずに混合を抑
制して抵抗を増大させ、冷却ゾーンの熱分解ゾーンへの
熱的影響を防止することができる。
なお、バッフルはこれを通過する流動層との接触により
、流動層中の気泡を小径化する機能も有するので、冷却
ゾーンにおいて気体と固体との接触効率を増大させるこ
とができるという作用効果も併せて奏される。
なお、冷却ゾーンの流動粒子を熱分解ゾーンに再循環す
るようにすれば、熱分解ガス中の重質タールを除去し、
それを再度熱分解させることができるので、石炭や重質
油のガス化率の向上、熱の有効回収、コーキングトラブ
ルの抑制を同時に達成することができる。
さらに、本発明では流動層を1段しか使用しないため、
例えば冷却ゾーン、熱分解ゾーン、部分酸化ゾーンを独
立させたタイプに比べ、抑制が容易で、しかも全体のヒ
ートロスも少なく、ガス化効率を向上させることが可能
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来の一般的な石炭または重質油のガス化方
法を示すフローシート、第2図A、BおよびCは、本発
明装置に用いるバッフルの諸例を示した斜視図、第3図
は、本発明装置の1実施例を示す概略断面図である。 符号の説明、1・・・・・・ガス化炉、2・・・・・・
原料供給ライン、3・・・・・・ガス化剤供給ライン、
4・・・・・・未燃分抜出ライン、5・・・・・・生成
ガス出口ライン、12・・・・・・冷却ゾーン、13・
・・・・・熱分解ゾーン、14・・・・・・部分酸化ゾ
ーン、15・・・・・・冷却管、16・・・・・・バッ
フル、17・・・・・・粒子循環管、18・・・・−エ
アレーションガスライン、19・・・・・・循環ガスラ
イン。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 塔下部にガス化剤供給口、その上部に石炭または重
    質油の供給口、塔上部に生成ガス出口を有し、ガス化剤
    供給口より上部に石炭または重質油の熱分解ゾーンを形
    成する流動層ガス化装置において、石炭または重質油の
    前記熱分解ゾーンの上部に冷却ゾーンを設け、この冷却
    ゾーンと熱分解ゾーンとの間にこれら両ゾーン間の伝熱
    を抑制するためのバッフルを設けたことを特徴とする石
    炭または重質油の流動層ガス化装置。 2、特許請求の範囲第1項において、冷却ゾーンの流動
    粒子を熱分解ゾーンに再循環させるための流路が設けら
    れていることを特徴とする石突または重質油の流動層ガ
    ス化装置。
JP2276977A 1977-03-04 1977-03-04 石炭または重質油の流動層ガス化装置 Expired JPS5851988B2 (ja)

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