JP5835003B2 - 有機物質の利材化方法 - Google Patents
有機物質の利材化方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5835003B2 JP5835003B2 JP2012040233A JP2012040233A JP5835003B2 JP 5835003 B2 JP5835003 B2 JP 5835003B2 JP 2012040233 A JP2012040233 A JP 2012040233A JP 2012040233 A JP2012040233 A JP 2012040233A JP 5835003 B2 JP5835003 B2 JP 5835003B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- vol
- reaction
- organic substance
- molecular weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E50/00—Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
- Y02E50/30—Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
- Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Description
近年、製鉄所では、炭酸ガスの排出削減という社会的要請や原料炭の高騰などの理由から、LNGなどの石炭以外の炭素源が燃料や還元剤の一部として利用されるようになってきた。しかし、さらなる炭酸ガス排出削減のために、LNGなどの化石燃料への依存を低下させることが求められている。
ケミカルリサイクル技術のなかでも、有機物質を気体生成物や液体生成物に転換するための技術は、廃プラスチックを中心に従来から種々検討がなされ、例えば、以下のような提案がなされている。
また、特許文献2には、石油の流動接触触媒(FCC)を熱媒体兼触媒として用い、温度350〜500℃で廃プラスチックを分解して液体燃料に変換する方法が開示されている。
また、特許文献3には、RDFや木材などを熱分解するにあたり、熱分解で生成したガスを水蒸気改質し、この水蒸気改質により水素濃度を高くしたガスを熱分解部に循環し、水素濃度を高くしたガス雰囲気で熱分解を行う方法が開示されている。
まず、特許文献1に関しては、COG中の水素濃度が60vol%以上となるのは石炭乾留工程のうちでも乾留末期に限られるので、特許文献1の方法では、乾留末期のタイミングでガス流路を切替え、多量のダストを含む600℃以上のCOGを廃プラスチック水素化分解反応器に供給する必要がある。しかし、このような過酷な条件で、流路切替弁を長期間安定して作動させ続けることは困難であり、この意味で実現性に乏しい技術であると言える。さらに、廃プラスチックの効率的なガス化のためには、60vol%以上の水素を含有するCOGを連続的に水素化分解反応器に供給することが必要であるが、このためには炭化室毎に水素濃度計と流路切替弁を設置する必要があり、設備コストが増大する。
また、特許文献3の方法で生成するガスは、H2、CO、CO2が主体で、燃焼熱が冶金炉発生排ガスのそれよりやや低い1800kcal/Nm3程度のものであり、気体燃料としての価値は限定的なものとなる。
さらに、廃プラスチックなどの高分子量有機物質を分解して、気体生成物や液体生成物に転換するにあたり、固体状残渣の生成を完全に抑制することは困難である。しかしながら、固体状残渣を有効活用する方法は殆ど知られていないのが現状である。
[1]冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させることにより、有機物質を改質して低分子化する反応を生じさせ、該反応により生じた有機物質の低分子化改質物と固体状残渣を回収し、該固体状残渣を炭素材料として利材化することを特徴とする有機物質の利材化方法。
[3]上記[2]の方法において、鉄系触媒が転炉ダストであることを特徴とする有機物質の利材化方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの方法において、混合ガス(g)の水蒸気濃度が5〜70vol%であることを特徴とする有機物質の利材化方法。
[6]上記[5]の方法において、混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%であることを特徴とする有機物質の利材化方法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの方法において、改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする有機物質の利材化方法。
[9]上記[8]の方法において、製鉄所で行われる製造または処理プロセスが、焼結鉱製造プロセス、コークス製造プロセス、転炉脱炭プロセス、高炉プロセスのうちの1つ以上のプロセスであることを特徴とする有機物質の利材化方法。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかの方法において、回収された有機物質の低分子化改質物を、製鉄所内で燃料および/または還元剤として利用することを特徴とする有機物質の利材化方法。
[11]上記[10]の方法において、回収された有機物質の低分子化改質物を高炉に吹き込むことを特徴とする有機物質の利材化方法。
また、実施設備に関しても、特別な計測器や流路切替弁などが必要なく、しかも比較的低い反応温度でも有機物質の改質を行うことができるので、比較的簡易な設備で実施することができる。また、シフト反応によって生成するCO2は、有機物質の改質中に炭酸ガス改質反応でCOに変化するため、有機物質のケミカルリサイクルをCO2発生量を増加させることなく実施することが可能となる。
なお、排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加するとは、シフト反応で消費されない余剰の水蒸気が混合ガス(g)中に残存するように水蒸気を添加するという意味である。
一般に廃プラスチックなどの高分子量有機物質は、300〜400℃以上で加熱すると熱分解が始まることが知られているが、この時、軽質化とともに重質化も進行してしまう。熱分解時に水素を共存させると、炭化水素種への水素付加反応と水素化分解反応が進行するため、重質化抑制と低分子化に有効である。しかしながら、水素化分解に高温が必要であり、且つ水素消費量が多くなることが問題である。
なお、前記水素化反応としては、炭化水素種への水素付加反応だけではなく、メタンなどの軽質炭化水素を生成するCOやCO2への水素付加反応も進行していることが気体生成物の分析結果から示唆される。本発明の説明では簡単のため、COやCO2への水素付加反応を炭化水素種への水素化反応と区別することなく、単に水素化(または水素化反応)として記述した。
CO+H2O→H2+CO2 …(1)
本発明法では、排ガス(g0)に過剰の水蒸気が添加されるので、シフト反応後の混合ガス(g)には、シフト反応により生成したH2、CO2と過剰添加分のH2Oが含まれることになる。そして、このシフト反応生成ガス(g)による有機物質の改質(低分子化)では、各ガス成分による水素化、水素化分解、水蒸気改質、炭酸ガス改質の4反応が同時進行するものと考えられる。
なお、シフト反応の反応率は、シフト反応器内での滞留時間を調整することで制御することができる。例えば、滞留時間を短くするには、シフト反応器長さを小さくしたり、或いは触媒充填量を少なくする方法が一般的であり、その場合、シフト反応器長さや触媒充填量は、ほぼ平衡まで反応を進行させる場合の1/2〜1/4程度とすればよい。
本発明において、シフト反応させる排ガス(g0)として冶金炉発生排ガスを用いる理由は、冶金炉発生排ガスは比較的高濃度に一酸化炭素を含有し、且つ不要な窒素の濃度が低いためである。一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガス(g0)としては、任意のものが使用できる。最も代表的なものは、鉄鋼製造プロセスの脱炭工程が行われる転炉から発生する転炉ガスであるが、それ以外にも、例えば、溶銑予備処理炉、溶融還元炉、シャフト炉などから発生する排ガスを例示することができ、これらの1種または2種以上の混合ガスを用いることができる。
冶金プロセスで生成する一酸化炭素が、さらに酸化されて二酸化炭素が生成する割合である二次燃焼率(CO2/(CO+CO2)×100)は、一般に10〜50%程度に過ぎない。また、排ガス(g0)中には水素と窒素も含まれるが、H2濃度は冶金プロセスに応じて変化し、0〜20vol%程度である。窒素は、炉内撹拌や煙道保安などのために供給されており、通常、排ガス(g0)中の濃度は10〜30vol%程度である。
CO:80〜25vol%(二次燃焼率10〜50%に相当)
CO2:10〜25vol%(二次燃焼率10〜50%に相当)
N2:10〜30vol%
H2:0〜20vol%
シフト反応には一酸化炭素が必要であるが、ガスの組成が上記の範囲であれば、排ガス(g0)の組成に特段の問題はない。ここで、窒素は本発明で生じる化学反応(シフト反応、水素化、水素化分解、水蒸気改質、炭酸ガス改質)には何ら寄与せず、一方において、製造される気体生成物を希釈し、低位燃焼熱(以下、「LHV」という)を低下させる。特に、窒素濃度が50vol%を超えると、気体生成物のLHVの低下が顕著になるとともに、シフト反応速度も低下する傾向になる。このため窒素濃度は上記組成範囲内であることが好ましい。
本発明では、製鉄所内で使用されている一般的なガスホルダーに貯蔵されているような比較的CO濃度が高い排ガスであっても、上記のような一般的な冶金炉発生排ガスの組成であっても、排ガス(g0)として利用することができる。
窒素分離をするのが好ましい代表的な排ガスとしては、高炉ガスを挙げることができるが、この他にも電炉や窒素濃度が高くなる条件で操業しているシャフト炉の発生排ガスなどを挙げることができる。なお、転炉ガスなどのように、比較的高濃度の一酸化炭素を含有する排ガスについて窒素の分離を行い、一酸化炭素濃度をさらに高めた上で、シフト反応を行うこともできる。
なお、本発明のようなシフト反応を行うことなく、冶金炉発生排ガス(g0)に水蒸気、水素、炭酸ガスをそれぞれ添加すれば、本発明のシフト反応で得られる有機物質改質用の混合ガス(g)と同等の組成のガスを得ることはできるが、このような方法では、水蒸気に加えて、高価な水素ガスと炭酸ガスを添加しなければならず、コスト高となる。
また、有機物質の分解率を確保し、固体状残渣を少なくする観点から、混合ガス(g)の水素濃度および炭酸ガス濃度はともに5vol%以上が好ましい。
本発明において、改質による低分子化の対象となる有機物質に特別な制限はないが、高分子量の有機物質が好適であり、例えば、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスなどが挙げられ、これらの1種以上を対象とすることができる。
また、廃プラスチックがポリ塩化ビニルなどの塩素含有樹脂を含んでいると、改質反応器内で塩素が発生し、この塩素が気体生成物や液体生成物中に含有されてしまう恐れがある。したがって、廃プラスチックが塩素含有樹脂を含む恐れがある場合には、改質反応器内にCaOなどのような塩素吸収剤を投入し、塩素分が生成する気体生成物や液体生成物中に含有されないようにすることが好ましい。
有機物質が水を含んでいる場合には、改質反応器内で水蒸気が発生するので、その分を考慮してシフト反応で添加する水蒸気の過剰割合を決定する。
改質反応器の種類は特に限定されないが、反応器内で廃プラスチックなどの有機物質が円滑に移動し、且つ有機物質改質用の混合ガス(g)と効率的に接触でき、さらに、固体状残渣を連続的に排出できるという点から、ロータリーキルンのような横型の移動床方式反応器が好ましい。
縦型の改質反応器としては、化学工業で用いられる一般的な固定床反応器を用いることができるが、特に、混合ガス(g)を改質反応器下部から供給する方式を採用する場合には、製鉄設備である高炉やシャフト炉、或いは転炉を改質反応器として利用することもできる。高炉やシャフト炉を改質反応器として利用する場合は、炉上部から有機物質と触媒を、炉下部から混合ガス(g)を、それぞれ連続的に供給して向流接触させ、炉上部から気体生成物を、炉下部から液体生成物と固体状残渣および触媒を連続的に抜き出す移動床式とすると、反応効率が高くなり好ましい。また、転炉を改質反応器として利用する場合は、有機物質と触媒を炉に投入した後、炉下部から混合ガス(g)を連続的に供給し、気体生成物は炉上部から連続的に抜き出し、液体生成物と固体状残渣および触媒は一定時間の反応後に炉を傾けて抜き出すという、吹錬と同様の回分式反応形式とすることができる。いずれの場合も、固体状残渣と触媒は液体生成物と分離され、触媒が鉄系触媒である場合には、通常、製鉄所などで行われる製造または処理プロセスにおいて鉄源を含有する炭素材料として利用される。また、触媒が非鉄系触媒である場合には、固体状残渣と触媒は分離され、固体状残渣が製鉄所などで行われる製造または処理プロセスにおいて炭素材料として利用される。
気体生成物中の可燃成分は一酸化炭素とC1〜C4の炭化水素から成り、そのLHVは約6〜10Mcal/Nm3である。このように、天然ガス並みのLHVであるにも拘わらず、一酸化炭素濃度が高いので、天然ガスよりも燃焼性が高いことが特徴である。一酸化炭素濃度が高く且つ燃焼性が高いことから、一貫製鉄所の主要な燃料であるコークス炉ガスの代替燃料として用いることができる。また、COと軽質炭化水素からなる混合ガスであるので、天然ガス代替として高炉内に吹きこむこともできる。
なお、ナフサ(C5〜C8)の含有率が多いことから、ナフサ分は蒸留分離して化学工業原料として活用し、ナフサ分離後の蒸留残渣(灯油、軽油の混合物)だけを製鉄所で重油代替還元剤として利用してもよい。
また、コークス製造プロセス(コークス炉)では、原料炭の一部代替材料として上記固体状残渣を利用することができる。なお、コークス炉では原料炭の一部代替として廃プラスチックを投入しているので、この廃プラスチックの代替とすることもできる。
高炉プロセスでの上記固体状残渣の利用については、焼結鉱製造プロセスやコークス製造プロセスにおいて上記固体状残渣を利用して製造した塊鉱石やコークスを高炉原料とすること自体が、高炉での上記固体状残渣の利用に相当する。また、上記固体状残渣を成型したものをそのまま高炉原料(炭材)として利用することもでき、特に、鉄系触媒(なかでも転炉ダスト)用いて有機物質の改質反応を行った後の固体状残渣を成型したものは、鉄源(鉄系触媒由来の鉄源)+炭材からなる高炉原料として利用することができる。
このようなガス組成の限定理由は、さきに述べた本発明法における限定理由と同様である。本発明法以外でこのような組成の混合ガスを得るには、例えば、ベースとなるガスに水蒸気、水素、炭酸ガスの1種以上を添加する。
この混合ガスによる有機物質の改質(低分子化)条件は、さきに述べた本発明法における改質(低分子化)条件と同様である。
[i]水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%である混合ガスを有機物質に接触させることにより、有機物質を改質して低分子化する反応を生じさせ、該反応により生じた有機物質の低分子化改質物と固体状残渣を回収し、該固体状残渣を炭素材料として利材化することを特徴とする有機物質の利材化方法。
[ii]水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%である混合ガスを鉄系触媒の存在下、有機物質に接触させることにより、有機物質を改質して低分子化する反応を生じさせ、該反応により生じた有機物質の低分子化改質物と固体状残渣を回収し、該固体状残渣を鉄源を含有する炭素材料として利材化することを特徴とする有機物質の利材化方法。
[iii]上記[i]または[ii]の方法において、混合ガスは、水蒸気濃度が25〜65vol%、水素濃度が15〜35vol%、炭酸ガス濃度が15〜35vol%であることを特徴とする有機物質の利材化方法。
[v]上記[i]〜[iv]のいずれかの方法において、固体状残渣を、製鉄所で行われる製造または処理プロセスにおいて炭素材料として利用することを特徴とする有機物質の利材化方法。
[vi]上記[v]の方法において、製鉄所で行われる製造または処理プロセスが、焼結鉱製造プロセス、コークス製造プロセス、転炉脱炭プロセス、高炉プロセスのうちの1つ以上のプロセスであることを特徴とする有機物質の利材化方法。
[vii]上記[i]〜[vi]のいずれかの方法において、回収された有機物質の低分子化改質物を、製鉄所内で燃料および/または還元剤として利用することを特徴とする有機物質の利材化方法。
[viii]上記[vii]の方法において、回収された有機物質の低分子化改質物を高炉に吹き込むことを特徴とする有機物質の利材化方法。
転炉ガスを一時貯留するガスホルダーのガス払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにした。この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、予熱器(転炉ガスとスチームの混合ガス用)、シフト反応器(円筒竪型)、改質反応器(外熱式ロータリーキルン)、液体生成物捕集器を備えた改質反応生成ガス冷却用のガス冷却器を、この順に配置した。前記改質反応器の入側には、スクリューコンベア方式の廃プラスチック定量投入装置を設置した。また、シフト反応器の出側配管とガス冷却器の冷却後ガスの出側配管には、サンプリングポートと流量計を設置した。
気体生成物分はガス冷却器による冷却後のガス分析結果から、また、液体生成物分は液体生成物捕集器に捕集された液体生成物の分析結果から、それぞれ生成量と組成を求め、また、気体生成物についてはLHVを求めた。それらの結果を表1に示す。
発明例1と同様の設備において、シフト反応器に供給するスチーム流量を種々変化させたこと、並びに改質反応温度を800℃と500℃の2水準とした以外は発明例1と同様にして、転炉ガスのシフト反応とシフト反応生成ガスによるポリエチレンの改質反応実験を行った。その結果を表2と図2〜図6に示す。
この実施例で使用した設備の概略を図7に示す。この設備は、底部にガス分散板20を有する縦型の改質反応器2(内容積:約3m3)を備えており、この改質反応器2内には、最下層に粒状に破砕処理したポリエチレンaを880kg充填し、その上部に金属製の網b(10メッシュ)を乗せ、さらにその上部にNi触媒c(Ni担持率:10質量%、担体:α−Al2O3)を800kg充填した。シフト反応器1で生成したシフト反応生成ガスは改質反応器2の底部に導入され、ガス分散板20を通じて反応器内に供給され、反応器内を上昇する。改質生成物は改質反応器2の上部から排出され、液体生成物捕集器3にて気体生成物と液体生成物に分離される。分離された気体生成物はガス冷却器4で冷却される。なお、転炉ガスを一時貯留するガスホルダーからシフト反応器1に至るまでの設備構成は、発明例1と同様とした。
気体生成物と液体生成物の生成量と組成などを、発明例1と同様の方法で求めた。その結果を表3に示す。発明例1とほぼ同等の反応結果であり、改質反応器2での反応温度を750℃と、発明例1よりも50℃低くできたのは触媒添加の効果であると考えられる。
水蒸気と水素濃度がともに低いガスによるポリエチレンの改質反応効率を調べるために、H2:1vol%、CO:61vol%、CO2:19vol%、H2O:1vol%、N2:18vol%なる組成の標準ガスを作り、このガスによりポリエチレンの改質反応実験を行った。その結果、温度800℃においてもポリエチレン分解率は16%、ガス化率10%、液化率5%に過ぎず、低分子化はほとんど進行しなかった。
一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガスとして高炉ガスを用いた。高炉ガスの脱硫・乾燥処理後の組成は、H2:3vol%、CO:23vol%、CO2:21vol%、N2:53vol%であったので、以下に述べるPSA法によって窒素分離を行い、一酸化炭素の濃度を高めた。
PSA法による窒素分離では、吸着剤としてCu+担持活性炭を400kg充填した吸着塔に、上記高炉ガスを常圧で136Nm3/h供給した。脱着は7kPa(絶対圧)で行い、脱着ガス(=一酸化炭素を濃縮した高炉ガス)の組成はH2<1vol%、CO:47vol%、CO2:37vol%、N2:16vol%、流量は58Nm3/hであった。この一酸化炭素を濃縮した高炉ガス58Nm3/hと水蒸気として圧力10kg/cm2Gのスチーム73Nm3/hをスチーム混合器に供給し、発明例1と同様にしてシフト反応を行った。その結果、ガス組成がH2:19vol%、CO:2vol%、CO2:35vol%、H2O:37vol%、N2:7vol%のガス(シフト反応生成ガス)が得られた。このシフト反応生成ガスは、流量が130Nm3/h(質量流量では146kg/h)、反応器出口ガス温度が430℃であった。
この残渣を転炉加炭材として利用する実験を行った。この転炉では加炭材として土状黒鉛を5kg/t-steel使用しているが、実験では4kg/t-steelの土状黒鉛に固体状残渣を1.4kg/t-steel(炭素分として1kg/t-steel)混合したものを加炭材とした。その結果、通常と何ら変わりがなく、問題なく吹錬することができた。
2 改質反応器
3 液体生成物捕集器
4 ガス冷却器
20 ガス分散板
a ポリエチレン
b 網
c Ni触媒
Claims (11)
- 冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させることにより、有機物質を改質して低分子化する反応を生じさせ、該反応により生じた有機物質の低分子化改質物と固体状残渣を回収し、該固体状残渣を炭素材料として利材化することを特徴とする有機物質の利材化方法。
- 冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を鉄系触媒の存在下、有機物質に接触させることにより、有機物質を改質して低分子化する反応を生じさせ、該反応により生じた有機物質の低分子化改質物と固体状残渣を回収し、該固体状残渣を鉄源を含有する炭素材料として利材化することを特徴とする有機物質の利材化方法。
- 鉄系触媒が転炉ダストであることを特徴とする請求項2に記載の有機物質の利材化方法。
- 排ガス(g0)が、冶金炉で発生した一酸化炭素と窒素を含有する排ガスから窒素の少なくとも一部を分離することで一酸化炭素濃度を高めた排ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機物質の利材化方法。
- 混合ガス(g)の水蒸気濃度が5〜70vol%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機物質の利材化方法。
- 混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%であることを特徴とする請求項5に記載の有機物質の利材化方法。
- 改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機物質の利材化方法。
- 固体状残渣を、製鉄所で行われる製造または処理プロセスにおいて炭素材料として利用することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機物質の利材化方法。
- 製鉄所で行われる製造または処理プロセスが、焼結鉱製造プロセス、コークス製造プロセス、転炉脱炭プロセス、高炉プロセスのうちの1つ以上のプロセスであることを特徴とする請求項8に記載の有機物質の利材化方法。
- 回収された有機物質の低分子化改質物を、製鉄所内で燃料および/または還元剤として利用することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の有機物質の利材化方法。
- 回収された有機物質の低分子化改質物を高炉に吹き込むことを特徴とする請求項10に記載の有機物質の利材化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012040233A JP5835003B2 (ja) | 2012-02-27 | 2012-02-27 | 有機物質の利材化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012040233A JP5835003B2 (ja) | 2012-02-27 | 2012-02-27 | 有機物質の利材化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013173878A JP2013173878A (ja) | 2013-09-05 |
JP5835003B2 true JP5835003B2 (ja) | 2015-12-24 |
Family
ID=49267077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012040233A Expired - Fee Related JP5835003B2 (ja) | 2012-02-27 | 2012-02-27 | 有機物質の利材化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5835003B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016147658A1 (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-22 | Jfeスチール株式会社 | 有機物質分解用触媒、その製造方法および有機物質の低分子化方法 |
CN112662824A (zh) * | 2020-12-18 | 2021-04-16 | 昆明理工大学 | 一种高效利用冶金废气的高炉富氢冶炼工艺 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57129803A (en) * | 1981-01-29 | 1982-08-12 | Nippon Steel Corp | Production of hydrogen-rich gas form gas containing carbon monoxide |
NL1007710C2 (nl) * | 1997-12-05 | 1999-06-08 | Gibros Pec Bv | Werkwijze voor het verwerken van afval- respectievelijk biomassamateriaal. |
JP2000303081A (ja) * | 1999-04-22 | 2000-10-31 | Osaka Gas Co Ltd | コークス炉ガスの増熱方法 |
JP2001131560A (ja) * | 1999-11-09 | 2001-05-15 | Hitachi Ltd | 炭化水素原料の熱分解方法及び熱分解装置 |
WO2001056922A1 (en) * | 2000-02-01 | 2001-08-09 | Texaco Development Corporation | Integration of shift reactors and hydrotreaters |
JP2003160788A (ja) * | 2001-11-28 | 2003-06-06 | Yasushi Sekine | プラスチック分解油の製造方法 |
JP2007224206A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Nippon Steel Corp | 高熱量ガスの生成方法 |
WO2009013233A2 (en) * | 2007-07-20 | 2009-01-29 | Upm-Kymmene Oyj | Method and apparatus for producing liquid biofuel from solid biomass |
JP2009300006A (ja) * | 2008-06-13 | 2009-12-24 | Kawasaki Plant Systems Ltd | 廃タイヤの燃料化によるサーマルリサイクル方法と同サーマルリサイクルシステム |
CA2767828A1 (en) * | 2009-07-17 | 2011-01-20 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Hydroprocessing of biocomponent feedstocks with fcc off-gas |
WO2012000115A1 (en) * | 2010-06-30 | 2012-01-05 | Jose Lourenco | Method to upgrade heavy oil in a temperature gradient reactor (tgr) |
-
2012
- 2012-02-27 JP JP2012040233A patent/JP5835003B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013173878A (ja) | 2013-09-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5333646B2 (ja) | 水素の製造方法 | |
JP5835006B2 (ja) | 有機物質のガス化方法並びに有機物質のガス化装置 | |
JP4968402B1 (ja) | 有機物質の低分子化方法及び冶金炉発生排ガスの利用方法 | |
JP6227293B2 (ja) | 有機物質の低分子化方法 | |
JP6070580B2 (ja) | 有機物質の低分子化方法および低分子化システム | |
JP5999114B2 (ja) | 有機物質の低分子化方法および低分子化システム | |
US8198339B2 (en) | Method for the production of fuels from waste | |
MXPA06012084A (es) | Metodo y aparato para gasificar llantas de automovil de desecho a fin de producir carbono solido de alta calidad y gas de sintesis no condensable. | |
WO2009100841A2 (en) | Process and plant for refining raw materials containing organic constituents | |
JP5679088B2 (ja) | 有機物質の低分子化方法 | |
JP5835003B2 (ja) | 有機物質の利材化方法 | |
JP5906805B2 (ja) | 高炉または製鉄所の操業方法 | |
US4132627A (en) | Integrated coal conversion process | |
JP5999115B2 (ja) | 有機物質の低分子化方法および低分子化システム | |
US4280893A (en) | Integrated coal conversion process | |
JP6638661B2 (ja) | 有機物質の熱分解方法及び熱分解設備 | |
US4007108A (en) | Converting solid fuels to gaseous and liquid fuels | |
JP6248987B2 (ja) | 有機物質の低分子化方法 | |
JP2019147871A (ja) | 有機物質の熱分解方法及び熱分解設備 | |
JP6540645B2 (ja) | 有機物質の熱分解方法及び熱分解設備 | |
JP6369693B2 (ja) | 有機物質の低分子化方法および低分子化設備 | |
KR20240101647A (ko) | 최적화된 조성 파라미터를 갖는 바이오카본 조성물 및 이를 제조하는 공정 | |
JP2022500545A (ja) | 精製所に組み込まれたフィッシャー・トロプシュ過程による液体炭化水素の生成方法 | |
Winter et al. | Particle fluidization and reaction engineering activities at the Institute of Chemical Engineering, TU Wien |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140825 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150608 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150728 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150908 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151006 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151019 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5835003 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |