JP2002212575A - 精製コークス炉ガスの高度処理装置および利用方法 - Google Patents

精製コークス炉ガスの高度処理装置および利用方法

Info

Publication number
JP2002212575A
JP2002212575A JP2001007980A JP2001007980A JP2002212575A JP 2002212575 A JP2002212575 A JP 2002212575A JP 2001007980 A JP2001007980 A JP 2001007980A JP 2001007980 A JP2001007980 A JP 2001007980A JP 2002212575 A JP2002212575 A JP 2002212575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
steam
hydrogen
oxygen
converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001007980A
Other languages
English (en)
Inventor
Mamoru Inoue
衞 井上
Tomio Tanaka
富三男 田中
Tomiyoshi Masuda
富良 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2001007980A priority Critical patent/JP2002212575A/ja
Publication of JP2002212575A publication Critical patent/JP2002212575A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Industrial Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 精製コークス炉ガス等の有効利用技術とし
て、精製コークス炉ガスから、低コストで高付加価値を
有する製品をできる限り多く生み出すことのできる装置
を提供する。 【解決手段】 精製コークス炉ガスから圧力スイング吸
着装置を利用して水素ガスをガス分離する設備を有する
製鉄プラントにおいて、前記精製コークス炉ガスを含む
原料ガスに、水蒸気と酸素含有ガスを加えて水素リッチ
ガスに水蒸気改質するための酸素燃焼併用の水蒸気改質
装置101を、前記圧力スイング吸着装置103までのガス輸
送ライン105上に設けてなることを特徴とする製鉄プラ
ントを利用した精製コークス炉ガスの高度処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄プラントを利
用した精製コークス炉ガスの高度処理装置および製鉄プ
ロセスを利用した精製コークス炉ガスの高度処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鉄プラントのような大型プラントから
発生する副生物や排熱量は大きく、可能な限り再利用技
術の導入によって有効に活用するための努力が払われて
いる。
【0003】そのため、石炭を乾留するときに発生する
コークス炉ガス(COG)に関しても、多くのガス精製
過程を経てその不純物(コールタール、租ベンゼン、ガ
ス軽油、硫安、アンモニア、硫黄および硫黄化合物、安
水、ガス液など)が除去され、最後に水素(50〜55
容積%)、メタン(28〜33容積%)などの不凝縮性
ガスを主成分とする精製コークス炉ガスが得られる。こ
の精製コークス炉ガスは、製鉄プロセス内での燃料ガス
としての自家消費向け、都市ガス向け、化学合成原料向
けなどとして利用されている。
【0004】特に近年、精製コークス炉ガス中の約50
〜55容積%を占める水素ガスを高純度でかつ選択的に
分離精製することのできる、大型プラントに適した多塔
式の圧力スイング吸着(PSA)技術が確立されて以
降、PSA装置を用いて、高純度の水素ガスと、メタン
ガスを主成分とする脱水素ガスとに分離し、水素ガスは
製品として外販し、一方、脱水素ガスは、加熱炉や熱風
炉での燃料ガスとして製鉄プロセス内で自家消費する再
利用技術が開発され、すでに実用化されてきている。
【0005】しかしながら、精製コークス炉ガスの有効
利用技術としては、如何に効率よく自家消費向け、都市
ガス向け、化学合成原料向けに振り向けるかに係わるも
のであり、精製コークス炉ガスを直接リサイクルガスと
して使用するか、より利用価値のあるガス成分につい
て、さらにPSA装置などを用いて分離精製を行って、
必要なガス成分を選択的に抜き出して化学合成原料等と
して使用するリサイクル技術であり、精製コークス炉ガ
スから、好ましくは製鉄プロセスを有効利用しながら、
でき得る限り低コストで高付加価値を有する製品を生み
出すことのできる高度処理技術に関しては、何ら提案さ
れていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、精製コークス炉ガス等の有効利用技術として、精製
コークス炉ガスから、低コストで高付加価値を有する製
品(水素ガス)をできる限り多く生み出すことのできる
高度処理装置および方法を提供するものである。
【0007】さらに、本発明の目的は、上記高度処理装
置および方法において、さらに製鉄プロセスを有効利用
(例えば、製鉄プロセスでの自家消費利用や都市ガス利
用のほか、該製鉄プロセスを利用した精製コークス炉ガ
スから高付加価値を有する製品を生み出す過程で生じる
排ガスの改質利用や製鉄プロセスで発生する排熱等の利
用)しながら、低コストで高付加価値を有する製品(水
素ガス)をでき得る限り多く生み出すことのできる装置
および方法を提供するものである。
【0008】また、本発明の目的は、上記高度処理装置
および方法において、製鉄プロセスを有効利用しなが
ら、製品(水素ガス)をその需給に応じて自由にその生
産量を調整できる装置および方法を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、精製コー
クス炉ガス等の有効利用技術につき鋭意検討した結果、
精製コークス炉ガス中のメタンガスや天然ガスから高付
加価値を有する水素を製造する上で、水蒸気改質に必要
な700〜800℃という温度条件を付加するために、
外部加熱法を用いる場合にはスケールメリットが少ない
が、内部燃焼法を用いる場合には、製鉄プラントの排熱
回収技術や高温酸素製造技術を組み合わせることで水蒸
気改質に必要な高温酸素と水蒸気が製鉄プロセス内から
調達できることを知得し、メタンガスや天然ガスの水蒸
気改質にとって、コンパクトな設備で大容量のガスを改
質できる酸素燃焼併用の水蒸気改質(オートサーマルリ
フォーミング;ATR)装置を導入することで、水素リ
ッチなガスを効率よくかつ安定的に生成することがで
き、さらに製鉄プロセス内で使われている水素ガス分離
技術との組み合わせにより極めて効率よくかつ安価に大
量の水素ガスを得ることができるとする、製鉄プロセス
を利用した精製コークス炉ガスの高度処理技術を構築す
ることができることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。
【0010】さらに、本発明者らは、上記ATR装置と
CO変成器を組み合わせ、これに製鉄プラントの排熱回
収技術で得られる水蒸気を用いることで、水素の収率を
高めることができること、さらに水素を分離回収したあ
との、CO2を主成分とし燃料ガスとして自家消費に回
すことができない排ガスについても、該排ガスを転炉の
吹込用ガスとして使用することで、炉内の炭素源(炉内
に約4容積%存在する)と1400℃という高温下で結
びつきCOガスとして再生することができる(さらに、
転炉ガス中のCO2濃度低減技術、例えば、廃プラスチ
ック等の炭素含有物質の同時使用する技術、との組み合
わせることで、より高濃度のCOガスを得ることができ
る)ため、加熱炉や熱風炉の燃焼ガスとして再利用する
ことができ、プラント全体としての利用効率を大幅に高
めることができることを見出し、本発明を完成するに至
ったものである。
【0011】即ち、本発明の要旨とするところは、下記
(1)〜(22)に示す通りである。
【0012】(1) 精製コークス炉ガスから圧力スイ
ング吸着装置を利用して水素ガスをガス分離する設備を
有する製鉄プラントにおいて、前記精製コークス炉ガス
を含む原料ガスに、水蒸気と酸素含有ガスを加えて水素
リッチガスに水蒸気改質するための酸素燃焼併用の水蒸
気改質装置を、前記圧力スイング吸着装置までのガス輸
送ライン上に設けてなることを特徴とする製鉄プラント
を利用した精製コークス炉ガスの高度処理装置。
【0013】(2) 前記水蒸気改質装置と前記圧力ス
イング吸着装置との間のガス輸送ライン上に、さらに前
記水蒸気改質装置で得られた水素リッチガス中の一酸化
炭素と水蒸気とを反応させるためのCO変成器が設けら
れてなることを特徴とする上記(1)に記載の装置。
【0014】(3) 前記圧力スイング吸着装置と製鉄
プラント内の転炉との間に、前記圧力スイング吸着装置
で分離されたCO2ガスを主成分とする脱水素ガスを、
転炉に吹込用ガスとして再利用するための脱水素ガスの
リサイクルラインが設けられてなることを特徴とする上
記(2)に記載の装置。
【0015】(4) 前記原料ガス中の硫黄含有量を所
定の濃度にまで下げるための脱硫器が、前記水蒸気改質
装置へのガス搬送ライン上に設けられていることを特徴
とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の装
置。
【0016】(5) 前記水蒸気改質装置への酸素含有
ガス供給部として、製鉄プラント内の熱風炉で作られる
高炉用熱風の一部を利用して高温酸素を取り出すための
酸素分離器を備えてなることを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれか1つに記載の装置。
【0017】(6) 前記水蒸気改質装置への水蒸気供
給部として、前記水蒸気改質装置で得られた高温の水素
リッチガスの排熱を利用して蒸気回収し得る熱交換器を
備えてなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいず
れか1つに記載の装置。
【0018】(7) 前記水蒸気改質装置への水蒸気供
給部として、製鉄プラント内の転炉から排出される転炉
ガスの排熱を利用して蒸気回収し得る熱交換器、または
該転炉ガスを燃焼させ蒸気を製造するするためのボイラ
を備えてなることを特徴とする上記(1)〜(6)のい
ずれか1つに記載の装置。
【0019】(8) 前記水蒸気改質装置への水蒸気供
給部が、CO変成器への水蒸気供給部を兼用してなるこ
とを特徴とする上記(6)または(7)に記載の装置。
【0020】(9) 前記水蒸気改質装置への原料ガス
供給部として、精製コークス炉ガスを原料とする主供給
部と、液化天然ガスを原料とする補助供給部とを備えて
なることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1
つに記載の装置。
【0021】(10) 前記圧力スイング吸着装置に至
るまでのガス輸送ライン上に輸送ガスを昇圧するための
圧縮機が設置されていることを特徴とする上記(1)〜
(9)のいずれか1つに記載の装置。
【0022】(11) 前記圧縮機が、前記水蒸気改質
装置のガス導入部側のガス輸送ライン上に設置されてい
ることを特徴とする上記(10)に記載の装置。
【0023】(12) 精製コークス炉ガスから水素ガ
スをガス分離するプロセスを有する製鉄プロセスにおい
て、前記精製コークス炉ガスを含む原料ガスに、水蒸気
と酸素含有ガスを加えて部分酸化反応および水蒸気改質
反応させて水素リッチガスに水蒸気改質し、前記水蒸気
改質により得られた水素リッチガスから水素ガスを圧力
スイング吸着法を用いてガス分離することを特徴とする
製鉄プロセスを利用した精製コークス炉ガスの高度処理
方法。
【0024】(13) 前記圧力スイング吸着法を用い
て吸着した脱水素ガスを脱着し、加熱炉および/または
熱風炉の燃焼ガスとして再利用することを特徴とする上
記(12)に記載の方法。
【0025】(14) 前記水蒸気改質により得られた
水素リッチガスに、水蒸気を加えてCOシフト反応さ
せ、COシフト反応により得られた水素リッチガスから
水素ガスを圧力スイング吸着法を用いて分離することを
特徴とする上記(12)に記載の方法。
【0026】(15) 前記圧力スイング吸着法を用い
て吸着した脱水素ガスを脱着し、転炉の吹込用ガスとし
て再利用することを特徴とする上記(14)に記載の方
法。
【0027】(16) 前記原料ガス中の硫黄含有量を
0.9g/Nm3以下まで脱硫することを特徴とする上
記(12)〜(15)のいずれか1つに記載の方法。
【0028】(17) 前記酸素含有ガスが、熱風炉で
作られる高炉用熱風の一部から分離した高温酸素である
ことを特徴とする上記(12)〜(16)のいずれか1
つに記載の方法。
【0029】(18) 前記水蒸気改質および/または
前記COシフト反応に用いる水蒸気が、該水蒸気改質に
より得られた水素リッチガスの排熱を蒸気回収してなる
ものを含むことを特徴とする上記(12)〜(17)の
いずれか1つに記載の方法。
【0030】(19) 前記水蒸気改質および/または
前記COシフト反応に用いる水蒸気が、転炉ガスの排熱
を蒸気回収してなるもの、または該転炉ガスを燃焼させ
製造してなるものを含むことを特徴とする上記(12)
〜(18)のいずれか1つに記載の方法。
【0031】(20) 前記原料ガスが、精製コークス
炉ガスに加え、さらに製鉄プロセスで使用する炭化水素
系ガスを含むことを特徴とする上記(12)〜(19)
のいずれか1つに記載の方法。
【0032】(21) 少なくとも圧力スイング吸着法
によるガス分離を、加圧下で行うことを特徴とする上記
(12)〜(20)のいずれか1つに記載の方法。
【0033】(22) 前記水蒸気改質からガス分離ま
でを、加圧下で行うことを特徴とする特徴とする上記
(21)に記載の方法。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明に係る精製コークス炉ガス
の高度処理装置は、精製コークス炉ガスから圧力スイン
グ吸着装置を利用して水素ガスをガス分離する設備を有
する製鉄プラントにおいて、前記精製コークス炉ガスを
含む原料ガスに、水蒸気と酸素含有ガスを加えて水素リ
ッチガスに水蒸気改質するための酸素燃焼併用の水蒸気
改質装置を、前記圧力スイング吸着装置までのガス輸送
ライン上に設けてなることを特徴とするものである。
【0035】これにより、原料ガス中の水素源(水素ガ
スおよび炭化水素ガス)、さらには製鉄プロセス内で熱
回収した水蒸気の水素源(例えば、液化天然ガスなどの
燃焼用ガスなど)から極めて高効率よく安価でかつ安定
的に水素ガスを増量でき、かつ高純度にガス分離するこ
とができる、大規模な製鉄プラントを有効利用すること
のできる装置を提供できるものである。
【0036】このことは、地球温暖化などの環境問題か
ら、その原因の1つである自動車の排気ガス規制が強ま
る中、電気自動車や燃料電池自動車など環境にやさしい
技術の開発が急ピッチで進められており、こうした燃料
電池自動車の原料として、いかに低コストでかつ大量の
水素を安定的に供給できるかが技術開発の大きなテーマ
になっている。また、エネルギー資源の多様化の観点か
ら、電力源についても風力発電や工場やビル、さらには
各家庭に設置可能な小型の熱併給発電装置の開発が進め
られており、そのなかで特に注目されているのが、環境
にやさしく、エネルギー資源としても有望な燃料電池を
利用した小型熱併給発電装置であり、この場合にも、燃
料電池自動車と同様に、いかに低コストで水素を大量か
つ安定的に供給できるかが技術開発の大きなテーマにな
っており、本発明は、こうした要望にも答えられる有力
な水素製造装置技術ともなり得るものである。
【0037】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発
明の装置を具体化した実施の形態につき説明し、本発明
の理解に供する。
【0038】ここに、図1は、本発明に係る製鉄プラン
トを利用した精製コークス炉ガスの高度処理装置の代表
的な実施の形態を模式的に表す概略説明図である。
【0039】図1に示すように、本発明に係る精製コー
クス炉ガスの高度処理装置では、精製コークス炉ガスか
ら圧力スイング吸着(以下、単にPSAともいう)装置
を利用して水素ガスをガス分離する設備を有する製鉄プ
ラントにおいて、前記精製コークス炉ガスを含む原料ガ
スに、水蒸気と酸素含有ガスを加えて、水蒸気改質触媒
の存在下での水蒸気改質反応と部分酸化反応とにより水
素リッチガスに水蒸気改質するための酸素燃焼併用の水
蒸気改質(以下、単にATRともいう)装置101が、P
SA装置103(ここでは3基の吸着塔を用いた例を示
す)までのガス輸送ライン105上に設けられている。
【0040】本発明に用いることのできるATR装置10
1としては、特に制限されるべきものではなく、例え
ば、特開2000−084410公報などに記載されて
いるものなど、従来公知のATR装置(例えば、天然ガ
スからのメタノール合成やDME(ジメチルエーテル;
Dimethyl Ether)などのGTL(天然ガ
スから合成液体燃料を作る技術;Gas to liq
uid)プロセスに使用されているものなど)を適宜利
用することができるものであるが、これらに何ら制限さ
れるものではない。すなわち、水蒸気改質触媒の存在下
で水蒸気改質反応と部分酸化反応とを同時に行うことが
できるような装置構成であっても良いし、部分酸化反応
を行って必要な熱量を補った後に水蒸気改質触媒の存在
下で水蒸気改質反応を行うことができるような装置構成
であっても良い。反応形式は、特に制限はなく、固定床
式、移動床式、流動床式などがあるが、固定床式の反応
器が一般に用いられる。
【0041】上記ATR装置101に充填する水蒸気改質
触媒としては、従来公知のものを適宜使用することがで
きるものであり、例えば、金属酸化物からなる担体にロ
ジウム、ルテニウム、イリジウム、ニッケル、パラジウ
ム、白金、銅、亜鉛などの触媒金属の1種または2種以
上を担持させたモノリス触媒などが例示できるが、これ
らに何ら制限されるものではない。
【0042】上記担体用金属酸化物としては、例えば、
Mg、Ca、Ba、Zn、Al、Zr、Laなどの金属
を1種または2種以上含む金属酸化物が包含される。こ
のような金属酸化物としては、マグネシア(MgO)、
酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、
酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ(Al23)、ジルコニ
ア(ZrO2)、酸化ランタン(La23)などの単一
金属酸化物のほか、MgO/CaO、MgO/BaO、
MgO/ZnO、MgO/Al23、MgO/Zr
2、CaO/BaO、CaO/ZnO、CaO/Al2
3、CaO/ZrO2、BaO/ZnO、BaO/Al
23、BaO/ZrO2、ZnO/Al23、ZnO/
ZrO2、Al23/ZrO2、La23/MgO、La
23/Al23、La23/CaOなどの複合金属酸化
物が挙げられる。また、担体形状ないし構造に関して
も、特に制限されるべきものではなく、ハニカム構造な
どが利用できる。
【0043】また、本発明に用いることのできるPSA
装置103としては、選択的に水素ガスを分離することが
できる(言い換えれば、水素以外のガスを優先的に吸着
する)ものであればよく、特に制限されるべきものでは
なく、例えば、特開平11−009936号公報などに
記載されているような従来公知のPSA装置103を適宜
利用することができるものであるが、これらに何ら制限
されるものではない。好ましくは、複数の吸着塔(少な
くとも2基、より好ましくは3基以上)からなる多塔式
のPSA装置である。こうした多塔式のPSA装置で
は、各吸着塔に水素以外の複数のガスをそれぞれ優先的
に吸着する複数種の吸着剤が充填されており、常法に従
って、各吸着塔に設けられた自動切替弁の開閉操作によ
って、所定のサイクルタイムで吸着操作と脱着操作(再
生操作)とを繰り返し行うことで、連続的に水素ガスの
ガス分離と、吸着ガス(脱水素ガス)の脱着回収がなさ
れる吸脱着機構を備えてなるものである。これにより、
単塔式の場合には、脱着操作(再生操作)時に水素リッ
チガスを貯蔵するための大規模な設備が必要となるが、
多塔式の場合には、1つの吸着塔の脱着操作(再生操
作)時に、他の吸着塔により吸着操作を行うことができ
るため、水素リッチガスのガス分離操作を連続的に行う
ことができる点で有利である。
【0044】当該吸着塔に充填される吸着剤としては、
後述するCO変成器、脱硫器、圧縮機などの設置の有無
やその操作条件などによっても、該吸着塔に導入される
水素リッチガスの組成(水素ガス以外の成分がCOガス
リッチなのか、あるいはCO 2ガスリッチなのか、吸着
剤を被毒する成分を含むかなど)や高純度の製品水素の
需給バランスにより含有水素ガスの全量を分離回収する
必要があるのか、それともその一部を自家消費に廻す方
が費用対効果的に有利なのかなど、実際の操業では適時
変化するため、一義的に規定することはできないが、P
SA装置において従来から使用されている公知のものを
適宜組合せて使用することができる。吸着剤の充填比率
については、原料ガスの組成に応じて変化させることに
より、水素ガスの回収率などを最適化することができ
る。すなわち、吸着剤の充填比率を変えることにより、
水素ガス回収率を最高で99.999%まで高めること
ができるが、需給に応じて、その一部を脱水素ガスと共
にリサイクルガスとして自家消費することができるよう
に適宜調節することもできる。以下に、代表的な吸着剤
につき簡単に説明するが、この他にも高分子型水素分離
膜、深冷分離装置などを用いることができるなど、これ
らに何ら制限されるものでない。
【0045】(1)脱湿剤 導入される水素リッチガス中の水分と最初に接触してこ
れを除去するために、吸着塔の最下部に充填する。脱湿
剤としては、活性アルミナ、シリカゲルなどが用いられ
る。
【0046】(2)活性炭、分子篩炭素などの炭素系吸
着剤 脱湿後のする水素リッチガス中の二酸化炭素およびメタ
ンを主として吸着させるためには、活性炭、分子篩炭素
などの炭素系吸着剤が有効であり、これらは脱湿剤の上
部且つ後述のゼオライト系吸着剤の下部に配置される。
【0047】(3)ゼオライト系吸着剤 導入する水素リッチガス中の二酸化炭素および一酸化炭
素を主として吸着させるためには、5A型、13X型な
どのゼオライト系吸着剤が有効であり、これは炭素系吸
着剤の上部(吸着剤の最上部)に充填される。この吸着
剤は、CO濃度が高い場合に、特に有効である。
【0048】次に、図1に示す本発明の実施の形態で
は、前記ATR装置101と前記PSA装置103との間のガ
ス輸送ライン105上に、さらに前記ATR装置101で得ら
れた水素リッチガス中のCOと、水蒸気(好ましくは製
鉄プラントを利用して得られた水蒸気)とを反応させる
ためのCO変成器107が設けられている。なお、水素ガ
スの需給に応じて、該CO変成器を通すことなく、前記
PSA装置103に前記ATR装置101で得られた水素リッ
チガスを輸送することができる切り替えラインが併設さ
れていてもよい(図示せず)。
【0049】かかるCO変成器を組み合わせることによ
り、特に外部加熱を用いることなく、製鉄プラントで発
生する排熱を利用して、簡単かつ安価に調達した水蒸気
(スチーム)をATR装置101で得られた水素リッチガ
スに供給することで、CO変成器内に充填されたCO変
成触媒下でのCOシフト反応(CO+H2O→H2+CO
2)により、さらに多くの水素を生み出すことができる
ものである。特にATR装置101で発生する排熱を利用
する場合には、ATR装置101から出される高温(65
0〜850℃)の水素リッチガスをCO変成器107内に
充填された反応触媒の存在下でCOシフト反応させるの
に適した温度範囲(高温用反応触媒;315〜480
℃、低温用反応触媒180〜200℃)にまで冷却する
上で、別途冷却(熱交換)装置を用いなくともよい点で
有利である。
【0050】本発明に用いることのできるCO変成器10
7としては、特に制限されるべきものではなく、例え
ば、特開平06−064901号公報、特開2000−
169106公報などに記載されているような従来公知
の断熱型、等温型、あるいは反応器内に冷却コイルを備
えた熱交換型などのCO変成器を適宜利用することがで
きるものであるが、これらに何ら制限されるものではな
い。熱交換型の反応器を用いる場合には、COシフト反
応の反応熱を除去して、出口付近の反応温度を低温とす
ることができるので、化学平衡の点で有利である。
【0051】上記CO変成器107に充填するCO変成触
媒としては、反応条件、水蒸気比なども、COシフト反
応が良好に行われる限り、特に限定されるものではな
く、従来公知のものを適宜使用することができるもので
あり、高温用反応触としては、例えば、酸化鉄−酸化ク
ロム系触媒などが挙げられる。また、低温用反応触とし
ては、例えば、銅−クロム−亜鉛の複合酸化物系触媒、
銅−亜鉛系触媒などが挙げられる。特に、低温で高活性
の銅−亜鉛系触媒を用いることにより、装置の小型化可
能となる点で有利である。
【0052】また、図1に示すCO変成器107を用いる
実施の形態では、前記PSA装置103と製鉄プラント内
の転炉201との間に、前記PSA装置103の吸着塔に充填
された吸着剤に吸着された吸着ガスを脱着することでC
2リッチな脱水素ガスを分離、回収し、転炉201に吹込
用ガス(底吹きガス)として再利用するためのCO2
ッチな脱水素ガスのリサイクルライン109が設けられて
いることが好ましい。さらに、図1に示すように、PS
A装置103の複数基(図1では3基)の吸着塔の切り替
えに伴うガス組成の変動を緩和すると共に、転炉201へ
の吹込用ガスを常時安定的に供給するための、CO2
ッチな脱水素ガスの貯蔵タンク111が該リサイクルライ
ン109上に設けられていることが望ましい。これによ
り、水素ガスをガス分離する設備で得られたCO2リッ
チな脱水素ガスを逆に製鉄プラントに利用することがで
き、相互に有効利用が図れる点で特に有利である。具体
的には、転炉201にCO2リッチな脱水素ガスを吹込用ガ
スとして吹き込むことで、転炉内の炭素源との反応(C
+CO2→2CO)により、COガスを生成することが
でき、転炉ガス(LDGともいう)一部としてLDGの
発熱量を高めると共にLDG量を増加させることができ
るものである。したがって、当該実施の形態では、吹込
用ガスと共に炭化水素ガスの供給源として廃プラスチッ
ク(廃プラ)などの炭化水素化合物(固体粉末)を脱水
素ガスと共に吹き込んでもよく、図1に示すように、上
記リサイクルライン109には、廃プラ貯蔵部113から廃プ
ラを供給するための廃プラ供給ライン115が接続されて
いてもよいし、あるいは別々に吹き込むことができるよ
うに当該廃プラ供給ラインが直接転炉に接続されていて
もよい。
【0053】こうして得られたCOガスを含むLDG
(以下、単に増LDGともいう)は、従来と同様に製鉄
プラント内で燃焼用ガスとして自家消費することができ
るものであり、例えば、図1に示すように、転炉201塔
頂のLDG取り出し部と、製鉄プラント内の加熱炉203
や熱風炉205、あるいはLDGホルダー207との間に、既
設されているLDG供給ライン207を通じて適時各装置
に供給ないし貯蔵することができるものである。
【0054】また、図1に示すCO変成器107を用いな
い実施の形態では、前記PSA装置103と製鉄プラント
内で燃焼用ガスを使用する加熱炉や熱風炉などとの間
に、COリッチな脱水素ガスを分離、回収し、燃焼用ガ
スの一部として再利用するための脱水素ガスのリサイク
ルラインが設けられていることが好ましい。かかる実施
の形態においても、上記のCO変成器107を用いる場合
と同様に製鉄プラントとの相互利用が図れるものであ
る。
【0055】いずれの実施の形態も、従来法のように、
精製COGから水素ガスを分離したCH4リッチなガス
を自家消費するだけの場合に比して、外販可能な高付加
価値の水素製品を生み出すことができと共に、自家消費
し得る燃焼用ガスをも生み出すことができる(例えば、
CO変成器を用いて、製鉄プラント内の転炉と組み合わ
せる場合などである。)、あるいは燃焼用ガスとしてそ
のまま利用することもできる(例えば、CO変成器を用
いずに、製鉄プラント内の加熱炉や熱風炉と組み合わせ
る場合などである。)点で優れている。
【0056】また、図1に示す実施の形態では、精製C
OGから前記PSA装置103により分離した水素ガスを
貯蔵するための水素タンク108およびこれらを結ぶ水素
ガス搬送ライン110が設けられている。ただし、これら
に限定されるものではない。
【0057】次に、図1に示す本発明の実施の形態で
は、前記原料ガス中の硫黄含有量を所定の濃度にまで下
げるための脱硫器117が、必要に応じて、前記ATR装
置101へのガス搬送ライン105上に設けられていることが
望ましい。
【0058】これは、原料ガスの1種である精製コーク
ス炉ガスは、石炭を乾留するときに発生するCOGにつ
き、多くのガス精製過程(ガス精製プロセス部)を経て
その不純物(コールタール、租ベンゼン、ガス軽油、硫
安、アンモニア、硫黄、硫黄化合物、安水、ガス液な
ど)が取り除かれ、最後に水素、メタンなどの不凝縮性
ガスを主成分とするものとなっており、従来と同様に自
家消費向けや都市ガス向けにも利用する場合には、その
精製度が異なるため、ATR装置101に使用する上でそ
の硫黄含有量が後工程で設置されている装置内の触媒や
吸着剤などを被毒する場合には、脱硫する必要があるた
めである。このことは、メタンなどの炭化水素を主成分
とする液化天然ガスについても同様であり、硫黄含有量
が後工程で設置されている装置内の触媒や吸着剤などを
被毒する場合には、脱硫する必要がある。
【0059】したがって、上記脱硫器117においては、
原料ガスの種類やその組み合わせによらず、該原料ガス
中の硫黄含有量をATR装置101の水蒸気改質触媒、さ
らにはその後工程で設置するCO変成器に充填されるC
O変成触媒、PSAの吸着塔に充填される各種吸着剤な
どの充填剤が硫黄被毒を生じない所定の濃度、通常1vo
l.ppb以下、好ましくは0.1vol.ppb以下、より好まし
くは0.05vol.ppb以下にまで下げる必要がある。原
料ガス中の硫黄含有量が1vol.ppbを超える場合には、
水蒸気改質触媒のほか、CO変成触媒、吸着剤などの硫
黄被毒が低減されず、かかる被毒触媒などを考慮した大
量の触媒などが必要となるため大型の装置が必要とな
り、またPSA装置の吸着塔の脱着時に硫黄分が脱水素
ガスに混入するおすれが生じるなど好ましくない。
【0060】本発明に用いることのできる脱硫器117と
しては、特に制限されるべきものではなく、例えば、特
開平08−257369号公報などに記載されているよ
うな従来公知の脱硫器を適宜利用することができるもの
であるが、これらに何ら制限されるものではない。
【0061】上記脱硫器117に充填する脱硫剤として
は、特に制限されるべきものではなく、従来公知の各種
脱硫剤を利用することができるものであり、例えば、脱
硫器の入口側から、水添脱硫触媒および酸化亜鉛系吸着
剤の順序で2層の脱硫剤を充填したもの、水添脱硫触
媒、酸化亜鉛系吸着剤および高次脱硫剤の順序で3層の
脱硫剤を充填したものなどが例示できる。好ましくは、
脱硫剤として、上記3層の脱硫剤を充填したものの方
が、操作圧力が低くても、脱硫性能が低下しにくく、後
流の水蒸気改質触媒やCO変成触媒が硫黄被毒を受ける
ことがなく、水蒸気改質触媒およびCO変成触媒の充填
量を削減することが可能となり、水蒸気改質器およびC
O変成器のより一層の小型化が可能となる利点を有す
る。以下、かかる3層の脱硫剤を用いる場合を例にとり
説明する。
【0062】まず、脱硫剤のうちの上記水添脱硫触媒と
しては、例えば、Co−Mo系、Ni−Mo系などの公
知の一般的水添脱硫触媒を用いることができる。この水
添脱硫触媒層においては、原料ガス中の有機硫黄化合物
が水素添加され、硫化水素に変換される。
【0063】この酸化亜鉛系吸着剤層においては、上記
で生成した硫化水素を含む原料ガスが吸着脱硫される
(ここまでの脱硫処理を以下「一次脱硫」とも称す
る)。そして、一次脱硫された原料ガス中の硫黄化合物
含有量は、通常0.1vol.ppm以下(硫黄として)まで
下がる。
【0064】最後に、脱硫剤のうちの上記高次脱硫剤と
しては、例えば、銅系脱硫剤、銀系脱硫剤、ニッケル系
脱硫剤などを用いることができる。この高次脱硫剤層に
おいて、一次脱硫された原料ガスをさらに脱硫処理し
て、硫黄含有量を1vol.ppb以下とするものである(こ
の脱硫を以下「高次脱硫」とも称する)。
【0065】また、本発明の実施の形態において、上記
ATR装置101への酸素含有ガス供給部としては、特に
制限されるべきものではなく、直接的に外部空気を供給
できるように供給部(例えば、ATR装置101に空気の
取り込み機構部)を備えてもよいし、純酸素や酸素富化
ガスなどの酸素含有ガスを用いる場合には、外販の酸素
含有ガスタンクなどを備えてもよいし、酸素分離器(図
示せず;例えば、深冷分離装置、固体電解質膜やセラミ
ックス膜による酸素分離装置などの従来公知のものが利
用できる。)を備えてもよい。さらに高温の空気や純酸
素や酸素富化ガスなどの酸素含有ガスを用いる場合に
は、加熱装置(図示せず;例えば、ボイラなど)をさら
に併設してもよいが、好ましくは、図1に示すように、
製鉄プラント内で作られる高温の含酸素ガス(例えば、
熱風炉205で作られる高炉用熱風)を利用して高温の純
酸素ないし酸素富化ガスを取り出すための高温状態での
酸素の選択的輸送媒体を有する酸素分離器121を備えて
なるものが望ましい。
【0066】すなわち、酸素分離器により分離した純酸
素や酸素富化ガスなどの酸素含有ガスや空気を加熱装置
により外部加熱することにより、高温酸素含有ガスを調
達することもできるし、あるいはこの逆に、空気を加熱
装置により外部加熱し、さらに必要に応じて酸素分離器
により高温の純酸素や酸素富化ガスなどの酸素含有ガス
を分離してもよいが、図1に示すような装置構成とする
ことで、既設の製鉄プラントで大量に生成される高炉用
熱風の一部(高炉の運転には何らの支障はない程度で足
りる)を有効活用することにより、外部加熱を行うこと
なく極めて安価かつ安定的に高温状態の純酸素ないし酸
素富化ガスを調達することができ、さらに酸素分離器12
1で出される高温排空気は、リサイクルライン123を通じ
て再び熱風炉205に戻すことで、製鉄プラント内での熱
効率を高めることもできるとする利点を有するものであ
る。
【0067】本発明に用いることのできる高温状態での
酸素の選択的輸送媒体を有する酸素分離器121として
は、特に制限されるべきものではなく、例えば、特開平
11−335164号公報などに記載されているような
従来公知の酸素分離器を適宜利用することができるもの
であるが、これらに何ら制限されるものではない。
【0068】上記酸素分離器121に用いることのできる
高温状態での酸素の選択的輸送媒体としては、高温状態
の含酸素ガス(例えば、高炉用熱風の1200℃程度)
に対する耐熱性、並びにATR装置で必要な酸素量を安
定供給できるだけの高酸素透過性を有するものであれば
よく、例えば、固体電解質膜や酸化金属膜などの酸素透
過膜などが挙げられる。具体的には、例えば、複数のイ
オン価を持つ金属(Pb、Snなど)の酸化物、酸素イ
オン・電子混合導電性固体電解質膜(例えば、特開平1
1−350972号公報の実施例に記載のもの、特開2
000−251534公報に記載のものなどが挙げられ
るが、これらに何ら制限されるべきものではない。
【0069】また、本発明の実施の形態において、上記
ATR装置101への水蒸気供給部としては、特に制限さ
れるべきものではなく、例えば、(1)前記ATR装置
101で得られた高温(650〜850℃程度)の水素リ
ッチガスの排熱を利用して蒸気回収し得る熱交換器(ボ
イラ部)102が、水素リッチガスの輸送ラインを通じて
大気中に放熱される損失熱量を少なくできるようにAT
R装置101に近接して備えられていてもよいし、(2)
製鉄プラント内の転炉201から排出される非燃焼式のL
DGの排熱を利用して蒸気回収し得る熱交換器(ボイラ
部)202が、上記と同様の理由から転炉203の頭頂部207
に備えられていてもよいし、(3)製鉄プラント内の転
炉から排出される燃焼式のLDGを燃焼させ蒸気を製造
するボイラ(燃焼機能も有する;図示せず)が、転炉の
頭頂部に備えられていてもよいなど、製鉄プラント内の
設備ないし装置を有効活用することができる装置構成を
有するものが望ましい。さらに排熱の有効利用、特に大
気中に放熱される損失熱量低減の観点から、図1に示す
ように、ATR装置101の下部に一体的に熱交換器(ボ
イラ部)102が備えられていることが望ましいといえ
る。すなわち、外部加熱による水蒸気(スチーム)発生
装置全部を新たに設けて水蒸気を調達することもできる
が、図1に示すような装置構成とすることで、外部加熱
を行うことなく極めて安価かつ安定的に水蒸気を調達す
ることができるとする利点を有するものである。なお、
上記(1)、(2)の熱交換器(ボイラ部)や上記
(3)のボイラには、従来公知のボイラなどを適宜利用
することができるものであり、特に制限されるべきもの
ではない。このうち熱交換器として用いるボイラ部は、
上述したように、熱交換を行うボイラ本体や給水装置以
外の燃焼装置や燃焼室については新たに設けなくとも、
ATR装置101や製鉄プロセス内の転炉201などを燃焼装
置や燃焼室として機能的に組み合わせることで、全体と
してボイラの機能を発現させることができるものであ
る。
【0070】また、本発明の実施の形態において、上記
CO変成器107への水蒸気供給部としては、特に制限さ
れるべきものではなく、例えば、上記ATR装置101へ
の水蒸気供給部で説明したような各種の水蒸気供給部を
利用することができる。好ましくは、ATR装置101へ
の水蒸気供給部をCO変成器107への水蒸気供給部とし
て兼用することで、全体の装置構成を減らすことができ
る(図1参照)。
【0071】また、本発明の実施の形態において、上記
ATR装置101への原料ガス供給部としては、製鉄プラ
ント内で発生する炭化水素含有ガス(例えば、COGな
ど)を回収し、適当に精製することにより得られた精製
炭化水素含有ガス(例えば、精製COGなど)を原料ガ
スとして利用に供することができるような供給部(貯蔵
タンクやガス輸送ラインなど)を備えてもよいし、製鉄
プラント用の燃焼ガスなどとして購入した炭化水素含有
ガス(例えば、LNG、都市ガスなど)を原料ガスとし
て利用に供することができるような供給部(貯蔵タン
ク、液化ガスの冷熱を利用する熱交換器、ガス輸送ライ
ンなど)を備えてもよいなど、製鉄プラント側で発生な
いし消費される炭化水素含有ガスを原料ガスとして利用
に供することができるような供給部であれば、特に制限
されるべきものではない。ただし、本発明では、これら
に限定されるべきものではなく、例えば、近接する石油
精製プラント、化学プラント、石炭液化プラント、発電
プラントなどで発生する炭化水素含有ガスの一部をパイ
プライン等により購入して、原料ガスとして利用に供す
ることができるような供給部(供給ライン)が設けられ
ていてもよい。好ましくは、図1に示すように、前記原
料ガスの供給部として、精製COGを原料とする主供給
部(例えば、精製COGタンク211とガス輸送ライン10
5)と、LNGを原料とする補助供給部(例えば、LN
Gタンク213と、LNGの気化装置215と、これらとAT
R装置101を結ぶガス輸送ライン105´)とを備えてなる
ことものである。これにより、水素の製造量を需給に応
じて、LNGの供給量を適宜調節することができる。
【0072】また、上記LNGを原料ガスとする場合の
LNGの気化装置215としては、図1に示すように、L
NGの冷熱を利用して、例えば、製鉄プラントの熱風炉
205で昇温するための空気(大気)の脱湿および冷却
(熱交換)を行うとともに、該LNGの加熱気化(熱交
換)を行うことができるような熱交換装置などが例示で
きるが、これらに制限されるべきものではない。なお、
脱湿および冷却された空気は、その後送風タービン217
を通じて熱風炉に供給することで、空気中の水分を蒸気
化するための余分な熱量の消費が低減できる。
【0073】なお、複数の原料ガスを用いる場合に、そ
れらのガス搬送ラインについては、何ら制限されるべき
ものではなく、例えば、図1に示すように、精製COG
とLNGを用いる場合を例にとれば、ATR装置101ま
で相互に独立した輸送ライン105、105´としてもよい
し、あるいは精製COGの輸送ライン105にLNGの輸
送ライン105´を合流させ一本化させてもよいなど特に
制限されるものではないが、これら原料ガスの脱硫や昇
圧を行う場合には、脱硫や昇圧を行う前に一本化するこ
とが望ましい。
【0074】また、本発明の実施の形態では、前記PS
A装置103に至るまでのガス輸送ライン105上に輸送ガス
を昇圧するための圧縮機が設置されていることが望まし
い。すなわち、少なくともPSA装置の操作圧力である
0.3〜0.9Paまで昇圧する必要があるため、当該
圧縮機をガス輸送ライン105上に配する必要がある。さ
らには、ATR装置101やCO変成器107の操作圧力にお
いても、所定の圧力範囲まで昇圧した状態で運転するこ
とにより装置を小型化できるとする利点を有することか
ら、図1に示すように、前記ATR装置101のガス導入
部側のガス輸送ライン105上に圧縮機125を設置すること
が好ましい。これにより、所定の圧力範囲まで昇圧され
た輸送ガスを、そのままATR装置101からPSA装置1
03までもっていくことができ、PSA装置103の直前で
再昇圧することも不要であるとする点でも有利である。
なお、ATR装置101のガス導入部側に圧縮機を設ける
場合には、当該圧縮機に、原料ガス、水蒸気、酸素含有
ガスを含む混合ガスが供給されるようにしてもよいし、
図1に示すように、原料ガスだけが供給されるようにし
てもよい。これは、他の水蒸気および高温酸素などは、
その生成過程で高温高圧状態におかれるため、わざわざ
再昇圧しなくともよいためである。
【0075】なお、本発明に用いることのできる圧縮機
(コンプレッサー)としては、特に制限されるべきもの
ではなく、従来公知のもの(例えば、ダイアフラム式圧
縮機、往復動圧縮機(レシプロ)、可動翼圧縮機、ねじ
式圧縮機、ラジアル圧縮機、ターボ圧縮機、軸流圧縮機
(タービン)など)を利用することができる。
【0076】また、上記圧縮機によるガス圧力は、その
設置によりATR装置101、CO変成器107ないしPSA
装置103での操作圧力となり得るように適宜調節すれば
よい。
【0077】以上が本発明に係る製鉄プラントを利用し
た精製コークス炉ガスの高度処理装置の代表的な実施の
形態の説明であるが、本発明はこれらの実施の形態に何
ら限定されるものではなく、要旨を逸脱しない条件の変
更等は全て本発明の適用範囲である。
【0078】次に、本発明に係る製鉄プロセスを利用し
た精製コークス炉ガスの高度処理方法は、精製COGか
ら水素ガスをガス分離するプロセスを有する製鉄プロセ
スにおいて、前記精製COGを含む原料ガスに、水蒸気
と酸素含有ガスを加えて部分酸化反応および水蒸気改質
反応させて水素リッチガスに水蒸気改質し、前記水蒸気
改質により得られた水素リッチガスからPSA法を用い
て水素ガスをガス分離することを特徴とするものであ
る。
【0079】これにより、原料ガス中の水素源(水素ガ
ス、さらにメタンなどの炭化水素含有ガス)、さらには
製鉄プロセス内で熱回収ないし燃焼生成した水蒸気の水
素源から極めて高効率よく安価でかつ安定的に水素ガス
を増量でき、かつ高純度に該水素ガスをガス分離するこ
とができ、かつ炭素源については、製鉄プロセス内でリ
サイクルすることで自家消費可能となるものである。
【0080】このことは、地球温暖化などの環境問題か
ら、その原因の1つである自動車の排気ガス規制が強ま
る中、電気自動車や燃料電池自動車など環境にやさしい
技術の開発が急ピッチで進められており、こうした燃料
電池自動車の原料として、いかに低コストでかつ大量の
水素を安定的に供給できるかが技術開発の大きなテーマ
になっている。また、エネルギー資源の多様化の観点か
ら、電力源についても風力発電や工場やビル、さらには
各家庭に設置可能な小型発電装置の開発が進められてお
り、そのなかで特に注目されているのが、環境にやさし
く、エネルギー資源としても有望な燃料電池を利用した
小型発電装置であり、この場合にも、燃料電池自動車と
同様に、如何に低コストで水素を大量かつ安定的に供給
できるかが技術開発の大きなテーマになっており、本発
明は、こうした要望にも答えられる有力な水素整合技術
ともなり得るものである。
【0081】以下、本発明の方法を具体化した実施の形
態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、本発明
の高度処理装置において既に説明した内容に関しては、
重複を避けるためここでの説明は省略する。
【0082】本発明に係る製鉄プロセスを利用した精製
コークス炉ガスの高度処理方法では、精製COGから水
素ガスを高純度に分離、精製するプロセスを有する製鉄
プロセスにおいて、前記精製COGを含む原料ガスに、
水蒸気と酸素含有ガスを加えて、部分酸化反応および水
蒸気改質反応させて水素リッチガスに水蒸気改質し、必
要に応じて、前記水蒸気改質により得られた水素リッチ
ガスに、水蒸気を加えてCOシフト反応させ、前記水蒸
気改質により得られた水素リッチガス、またはCOシフ
ト反応により得られた水素リッチガスからPSA法を用
いて水素ガスをガス分離するものである。
【0083】ここで、精製COGを含む原料ガスに、水
蒸気と酸素含有ガスを加えて、部分酸化反応および水蒸
気改質反応させて水素リッチガスに水蒸気改質する方法
としては、従来公知のATR法を利用することができる
ものである。また、その装置には、図1に示すようなA
TR装置101を用いることができる。
【0084】すなわち、精製COGを含む原料ガス(メ
タンなどの炭化水素を含む)と酸素含有ガスと水蒸気と
を適時混合し、これを既に上述した水蒸気改質触媒が充
填されたATR装置101内に流し、 部分酸化反応:CH4+1/2O2→CO+2H2 ΔH=−
86.7kJ/mol(発熱) 水蒸気改質反応:CH4+H2O→CO+3H2 ΔH=2
06.4kJ/mol(吸熱) なる反応を同時にあるいは順次生じさせるものである。
これら部分酸化反応ないし水蒸気改質反応は、1段に限
らず複数段で行うこともできる。そして部分酸化反応
(発熱反応)により生じた熱量により、水蒸気改質反応
(吸熱反応)に必要な熱量を賄い、バーナー等の外部加
熱を必要としない小型の改質装置とすることができるも
のである。
【0085】上記水蒸気改質反応は、固定床方式、流動
床方式、懸濁床方式、移動床方式等の各種の触媒方式を
利用して行うことができる。設備費が安価であるという
観点から、好ましくは固定床方式を用いるのが望まし
い。
【0086】例えば、原料ガスの水蒸気改質を固定床方
式で実施する場合には、その固定床反応器の上部に空洞
部を形成し、この空洞部で原料ガスの部分酸化(部分燃
焼)を行い、得られた高温ガスをその空洞部の下方に位
置する固定触媒層を流通させるとともに、この触媒層で
水蒸気改質反応を行う。この場合、水蒸気改質反応原料
としての原料ガスと水蒸気とは、必要に応じて反応器入
口部で予熱され、反応器上部に導入するとともに、製鉄
プロセスを利用して得られた高温の酸素含有ガス(熱風
炉から酸素分離器を通じて得られた高温酸素など)を反
応器上部に導入し、ここでそれらの水蒸気改質原料とし
ての原料ガスと酸素含有ガスとを混合し、この混合物を
反応器上部の空洞部で部分燃焼させることができる。得
られた高温のガスは、これをその下方の触媒層を流通さ
せ、これにより水蒸気改質反応が実施される。
【0087】原料ガスの水蒸気改質を流動床方式で実施
する場合には、水蒸気改質触媒を充填した流動床反応器
下部より、余熱した原料ガスと、水蒸気と、酸素含有ガ
スを反応器内に導入して触媒を流動化させる。そして、
この触媒の流動化を行いながら、原料ガスの部分酸化を
行うとともに、水蒸気改質反応を同時に行うものであ
る。
【0088】次に、本発明の方法では、前記水蒸気改質
により得られた水素リッチガスに、水蒸気を加えてCO
シフト反応させることが好ましい。COシフト反応させ
る方法としては、従来公知のCO変成法を利用すること
ができるものである。また、その装置には、図1に示す
ようなCO変成器107を用いることができる。
【0089】すなわち、ATRにより得られたCOを含
む水素リッチガスと水蒸気とを適時混合し、これを既に
上述したCO変成触媒が充填されたCO変成器107内に
流し、 COシフト反応:CO+H2O→H2+CO2 ΔH=−
41.2kJ/mol(発熱) なる反応を生じさせるものである。このCOシフト反応
は、1段に限らず複数段で行うこともできる。
【0090】CO変成器107における反応の条件として
は、充填するCO変成触媒の種類、特に高温用反応触媒
か低温用反応触媒かにより反応温度条件が大きく異なる
ほか、上述したように水素の需給により水素ガスの回収
率を変えることもあるため、一義的に規定することは困
難であるが、入口温度としては、高温用反応触媒を用い
る場合には、通常300〜800℃、好ましくは350
〜500℃、より好ましくは350〜450℃の範囲で
あり、低温用反応触媒を用いる場合には、通常50〜3
00℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは
150〜200℃の範囲である。触媒の性能特質による
ものであり、一般的には低温では反応速度が遅くなるた
め好ましくなく、高温では他の反応が起こって選択性が
なくなるため好ましくない。操作圧力としては、通常
0.1〜3MPa、好ましくは0.1〜1MPa、より
好ましくは0.1〜0.3MPaの範囲である。水蒸気
/COモル比としては、通常1〜10、好ましくは1〜
3、より好ましくは1〜2の範囲である。
【0091】次に、本発明の方法では、上記水蒸気改質
により得られた水素リッチガス、またはCOシフト反応
により得られた水素リッチガスから水素ガスをガス分離
するものである。かかるガス分離の方法としては、従来
公知のPSA法を利用することができるものである。ま
た、その装置には、図1に示すような多塔式のPSA装
置103を用いることができる。高純度(99.99%以
上)の水素ではなく、燃料電池に有害な残存するCOを
CO2に変成するには、空気を混合してCOを酸化させ
ることも可能である。
【0092】すなわち、こうした多塔式のPSA装置10
3により、各吸着塔に水素以外の複数のガスをそれぞれ
優先的に吸着する複数種の吸着剤が充填されており、常
法に従って、各吸着塔に設けられた自動切替弁の開閉操
作によって、所定のサイクルタイムで吸着操作と脱着操
作(再生操作)とを繰り返し行うことで、吸着時には、既
に上述した各種の吸着剤が充填されたPSA装置103の
1つの吸着塔内に水蒸気改質またはCO変成により得ら
れた水素リッチガスを連続的に流し、水素以外のガスを
優先的に吸着することで、選択的に水素ガスをガス分離
する。一方、脱着時には、脱着圧力を加えることで、各
種の吸着剤に吸着された吸着ガス(脱水素ガス)を脱着
させることができるものである。
【0093】多塔式のPSA装置103における吸着時お
よび脱着時の操作条件としては、従来のCOGガスから
の水素ガス分離操作など、既存の操作条件を勘案して適
宜決定することができるものである。
【0094】(1)多塔式のPSA装置103における吸
着時の操作条件 吸着時の水素リッチガスの入口ガス温度としては、通常
0〜100℃、好ましくは0〜30℃の範囲である。吸
着時の水素リッチガスの入口ガス温度が、0℃未満の場
合には、ガスを冷却するための設備費と冷却エネルギー
費用が高価であり、一方、100℃を超える場合には吸
着材への吸着量が少なくなって吸着材が多量に必要であ
る。また、吸着時の操作圧力としては、通常0.01〜
0.9MPa、好ましくは0.01〜0.5MPa、よ
り好ましくは0.3〜0.5MPaの範囲である。吸着
時の操作圧力が、0.01MPa未満の場合には、吸着
材への吸着量が小さいため吸着材が多量に必要であり、
一方、0.9MPaを超える場合には、ガスを昇圧する
ためのコンプレッサー費用が大きくなり経済的でないた
めである。
【0095】(2)多塔式のPSA装置103における脱
着時の操作条件 脱着時の操作圧力としては、通常0.001〜0.3M
Pa、好ましくは0.05〜0.2MPa、より好まし
くは0.01〜0.1MPaの範囲である。脱着時の操
作圧力が、0.001MPa未満の場合には、脱着のた
めに真空ポンプを必要とし、経済的でないためであり、
一方、0.3MPaを超える場合には、吸着材から十分
に脱着されないため吸着材の必要量が大きくなってしま
うからである。
【0096】(3)多塔式のPSA装置103におけるサ
イクルタイム サイクルタイムとしては、通常10〜180秒、好まし
くは30〜120秒、より好ましくは30〜60秒の範
囲である。サイクルタイムが、10秒未満の場合には、
弁の切り換え頻度が多くなり故障しやすくなるためであ
り、一方、180秒を超える場合には、吸着ガス量が増
えるので吸着塔の容量が大きくなり経済的でなくなるた
めである。
【0097】また、本発明の方法では、水蒸気改質によ
り得られた水素リッチガスから上記PSA法を用いて水
素以外のガスを優先的に吸着し、その後、脱着操作によ
り脱着したCOリッチな脱水素ガスは、従来のCH4
ッチな脱着ガスと同様に製鉄プラント内の加熱炉および
/または熱風炉の燃焼ガスの一部として再利用(自家消
費)することができる。
【0098】また、本発明の方法では、COシフト反応
により得られた水素リッチガスから上記PSA法を用い
て水素以外のガスを優先的に吸着し、その後、脱着操作
により脱着したCO2リッチな脱水素ガスは、例えば、
図1に示すような脱水素ガスのリサイクルライン109や
貯蔵タンク111を用いて、製鉄プラント内の転炉の吹込
用ガスとして吹き込むことで、転炉内の炭素源との反応
(C+CO2→2CO)により、COガスを生成するこ
とができ、転炉ガス(LDGともいう)一部としてLD
Gの発熱量を高めると共にLDG量を増加させることが
できるものである。さらに、当該実施の形態では、吹込
用ガスと共に炭化水素ガスの供給源として廃プラスチッ
ク(廃プラ)などの炭化水素化合物(固体粉末)を脱水
素ガスと共に吹き込んでもよい。こうして得られたCO
ガスを含むLDG(以下、単に増LDGともいう)は、
従来と同様に製鉄プラント内の加熱炉や熱風炉などで燃
焼用ガスとして自家消費することができる。
【0099】また、本発明の方法に用いることのできる
原料ガスとしては、水蒸気改質に供することのできる炭
化水素ガスを含むものであればよいが、好ましくは、上
述した水蒸気改質反応、COシフト反応、PSAに好適
に利用できるように不純物の少ないものが好ましく、具
体的には、製鉄プロセスで発生する炭化水素化合物を含
む副生物などを適宜精製した精製COGである。さらに
好ましくは、精製COGに加え、製鉄プロセスで使用す
る炭化水素系のガスを含むものであり、具体的には、製
鉄プロセスにおいて使用されるLNGや都市ガスなどの
燃料ガスの一部を転用してもよい。特に、LNGを転用
する場合には、図1に示すように、LNGタンク109に
LNGの気化装置(熱交換器)215を組み合わせ、LN
Gの冷熱を利用した熱交換操作により、製鉄プロセスの
熱風炉205に供給するドライエアを作製することができ
る点で有利である。
【0100】ここで、原料ガスの1種である精製COG
は、石炭を乾留するときに発生するCOGにつき、多く
のガス精製過程(ガス精製プロセス部)を経てその不純
物(コールタール、租ベンゼン、ガス軽油、硫安、アン
モニア、硫黄、硫黄化合物、安水、ガス液など)が取り
除かれ、最後に水素、メタンなどの不凝縮性ガスを主成
分とするものである。
【0101】本発明の方法に用いることのできる原料ガ
スとしては、上記水蒸気改質反応、COシフト反応、P
SAなどに使われている各種の触媒や吸着剤などの硫黄
被毒を防止する観点から、前記原料ガス中の硫黄含有量
を0.9g/Nm3以下まで脱硫することが望ましい。
かかる脱流の方法としては、従来公知の各種の脱硫剤を
適用に組み合わせて用いる方法などを利用することがで
きるものである。また、その装置には、図1に示すよう
な脱硫器117を用いることができる。
【0102】すなわち、原料ガスを既に上述した脱硫剤
が充填された脱硫器117内に流し、硫黄分を吸着除去す
るものである。これは、原料ガス中の硫黄含有量が0.
9g/Nm3を超える場合には、水蒸気改質触媒、CO
変成触媒、吸着剤等が硫黄被毒を受けるため、被毒触媒
等を考慮した触媒量や吸着剤量が必要となり、反応器が
大型化するなど好ましくないためである。
【0103】脱硫器117に充填する脱硫吸着剤として硫
黄化合物を生成する種々の材料を用いることができる
が、比較的安価で脱硫性能が高い酸化鉄を用いるのが好
ましい。二塔以上の脱硫器を並列に組み込むことによっ
て交互に使用すれば1年に1回程度の脱硫剤の交換によ
って連続的に使用することが可能である。操作条件とし
て温度、圧力は使用する脱硫剤によって最適な値が存在
するが酸化鉄の場合は10〜100℃、好ましくは20
〜40℃、0.01〜0.3MPa、好ましくは0.1
〜0.2MPaの条件でコークス炉ガスを脱硫すること
が好ましい。コークス炉ガス中の硫黄化合物は主にはH
2Sであり、湿式のタカハックス法などのガス精製過程
によってアルカリ溶液で吸収除去されており、さらに高
次脱硫のために乾式の脱硫剤と硫黄分を反応させて低減
するものである。このような高次脱硫方法としては、原
料ガス中の硫黄含有量を0.9g/Nm3以下に低減さ
せることができれる限り、特に限定されるものではな
く、例えば、既に上記したような高次脱硫剤に吸着させ
る従来公知の方法を採用することができる。高次脱硫方
法としては、特開平1−123627号公報、特開平1
−123628号公報および特願平9−224863号
公報に開示された銅−亜鉛系脱硫剤、銅−亜鉛−酸化ア
ルミニウム系脱硫剤、銅−亜鉛−X(Xは、鉄および/
またはニッケルである)系脱硫剤、銅−亜鉛−酸化アル
ミニウム−X(Xは、鉄および/またはニッケルであ
る)系脱硫剤などを使用する脱硫方法がより好ましい。
【0104】また、本発明の方法に用いることのできる
上記酸素含有ガスは、原料ガスを部分酸化反応させるた
めの酸素源として用いられるものであり、酸素ガスを含
有するものであればよく、純酸素、酸素富化ガス、空気
などを用いることができる。好ましくは、製鉄プロセス
内の熱風炉205で作られる高炉用熱風の一部から分離し
た高温酸素である。製造を要しない空気以外の酸素含有
ガスの製造の方法としては、従来公知の各種の酸素分離
技術(例えば、深冷分離法や固体電解質膜分離法など)
を利用して純酸素や酸素富化ガスを得る方法などを用い
ることができるものである。また、その装置には、例え
ば、図1に示すような高温状態での酸素の選択的輸送媒
体を有する酸素分離器121や深冷分離装置などを用いる
ことができる。以下、酸素分離器121を用いる場合を例
にとり、その操作条件につき説明するが、本発明がこれ
らに制限されるべきものでないことはいうまでもない。
【0105】上記酸素分離器121における操作条件とし
ては、高温状態での酸素の選択的輸送媒体の種類などに
より異なるため、一義的に規定することは困難である
が、酸素分離器121に供給する側のガスの温度として
は、通常800〜1500℃、好ましくは1000〜1
400℃、より好ましくは1100〜1300℃の範囲
である。供給側のガスの温度が、800℃未満の場合に
は、酸素の選択的輸送量が小さいため大きな設備が必要
となり経済的でないためであり、一方、1500℃を超
える場合には、高温に耐える選択的輸送媒体が非常に高
価であり経済的でないためである。また、供給側のガス
の圧力としては、通常0.2〜0.9MPa、好ましく
は0.3〜0.7MPa、より好ましくは0.4〜0.
6MPaの範囲である。供給側のガスの圧力が、0.2
MPa未満の場合には、酸系の選択的輸送量が小さいた
めに設備費が大きくなるためであり、一方、0.9MP
aを超える場合には、昇圧に必要な動力エネルギーが大
きくなり、高温で高圧に耐える容器も高価になるためで
ある。
【0106】また、本発明の方法において、水蒸気改質
反応ないしCOシフト反応に用いることのできる水蒸気
としては、特に制限されるべきものではなく、ボイラな
どの外部加熱装置を用いて水蒸気を製造してもよいが、
好ましくは(1)ATR装置101内の部分酸化反応およ
び水蒸気改質反応により得られた高温(650〜850
℃程度)の水素リッチガスの排熱を熱交換を利用して蒸
気回収してなるもの、(2)製鉄プロセス内の転炉201
から排出されるLDGの排熱を熱交換を利用して蒸気回
収してなるもの、あるいは(3)該LDGを燃焼させ熱
交換を利用して製造してなるものなど、製鉄プロセス内
で発生する排熱を有効活用することが望ましい。特にC
O変成反応を行ってより一層水素リッチなガスを得よう
とする場合には、ATR装置101内の部分酸化反応およ
び水蒸気改質反応により得られた高温の水素リッチガス
の温度を適温まで下げる必要があり、こうした場合に
は、上記(1)の方法が特に有利である。
【0107】次に、本発明の方法では、少なくともPS
A法による水素ガスのガス分離を、加圧下で行うことも
のであり、好ましくは、水蒸気改質からガス分離まで
を、加圧下で行うことが望ましい。かかる加圧(昇圧)
の方法としては、従来公知の加圧(昇圧)技術を利用す
ることができるものである。また、その装置には、図1
に示すような圧縮機125を用いることができる。
【0108】なお、上記圧縮機における操作条件は、圧
縮機の設置位置や設置数により異なるため一義的に規定
することはできないが、既に説明したATR装置101、
CO変成器107ないしPSA装置103での操作圧力の範囲
内で、加圧状態となり得るように適宜調節すればよい。
【0109】以上、本発明の方法の実施の形態を説明し
たが、本発明はこれらの実施の形態に何ら限定されるも
のではなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発
明の適用範囲である。
【0110】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例により本発明がなんら限定され
るものではない。
【0111】実施例1 精製COG中の水素源を用いて高純度水素を製造した時
の実施例を次に示す。表1にATR、CO変成器、PS
A各工程でのガス成分の変化を示した。精製COG1N
3当り、99.999%の高純水素が水蒸気リフォー
ミングによって1.2Nm3製造でき、なおかつCO2
度の高いPSAオフガスは転炉の底吹きガスに混合され
て転炉ガスに改質され、加熱炉の燃料ガスとして再利用
した。
【0112】実施例2 次に水素源として−162℃以下に冷却された液化天然
ガスを用いて高純度水素を製造した場合を示す。天然ガ
スは液化工程を経ることによって精製されるため硫黄含
有量は0.9g/Nm3以下であるので、脱流器は省略
することができる。また、−162℃の冷熱は高炉送風
用の空気と熱交換することによって空気温度を25℃か
ら10℃まで下げることによって圧縮動力を3〜5%低
減することができた。また高温酸素は、熱風炉で発生さ
せた1200℃の高温空気をZrO2−10mol%Y2
3安定化ジルコニアを使用した酸素選択輸送媒体を利
用して99.5%の高温酸素(1200℃)を製造し、
ATRの部分酸化用に保温して水蒸気といっしょに吹き
込んだ。表2にATR、CO変成器、PSA各工程での
ガス成分を示した。LNG1Nm3当り99.999%
の高純度水素が2.3Nm3製造でき、PSAオフガス
も転炉底吹き用CO2ガスとして有効に活用できた。
【0113】
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】
【発明の効果】本発明では、精製COGなどの原料ガス
中の水素源(水素ガス、さらにメタンなどの炭化水素含
有ガス)、さらには製鉄プロセス内で排熱回収ないし燃
焼生成した水蒸気の水素源から極めて高効率よく安価で
かつ安定的に水素ガスを増量でき、かつ高純度に該水素
ガスを分離精製することができ、かつ炭素源や酸素源に
ついても、製鉄プロセス内で再生処理(リサイクル)す
ることで燃焼用ガスの一部として自家消費可能となるも
のであり、大規模な製鉄プラントないしプロセスを有効
利用することのできる装置およびその利用方法を提供で
きるものである。
【0116】さらに、本発明では、上記効果に加え、水
素ガスの需給に応じて水素ガスの生産量を適宜調整する
ことができるものである。よって、水素ガスの需要が少
ない時期には、過剰な水素ガスを溜め込むことなく、ま
た改質操作を省略することで、低コストで高エネルギー
のガスを製鉄プロセスで自家消費ないし都市ガスとして
外販することもでき、また精製COGガスだけでは水素
ガスの需要に追いつかないような場合には、製鉄プロセ
スで使用するLNGなどの冷熱を製鉄プロセスに有効活
用した上で、原料ガスとして転用することもできるな
ど、いかなる状況にあっても柔軟に対応可能な装置およ
びその利用方法を提供できるものである。
【0117】とりわけ、地球温暖化や大気汚染などの環
境問題から、その原因の1つである自動車の排気ガス規
制が強まる中、21世紀の環境にやさしいクリーンエネ
ルギー利用技術として、水素と酸素を反応させて電気エ
ネルギーを取り出すことのできる電気自動車や燃料電池
自動車などにの技術の開発が急ピッチで進められてお
り、こうした燃料電池自動車の原料として大量消費され
ることになる水素に関しても、いかに低コストで大量か
つ安定的に供給できるかが技術開発の大きなテーマにな
っており、本発明では、こうした要望に答えられる製鉄
プラントを利用した有力な水素ガスの増産化技術ともな
り得るものである。
【0118】同様に、エネルギー資源の多様化の観点か
ら、電力源についても風力発電や各家庭に設置可能な小
型発電装置の開発が進められており、そのなかで特に注
目されているのが、環境にやさしく、エネルギー資源と
しても有望な燃料電池を利用した小型発電装置であり、
この場合にも、燃料電池自動車と同様に、いかに低コス
トで水素を大量かつ安定的に供給できるかが技術開発の
大きなテーマになっている。さらに、水素を利用する化
学プラントなど既存の水素利用産業においても同様であ
る。したがって、本発明では、こうした要望にも答えら
れる製鉄プラントを利用した有力な水素ガスの増産化技
術ともなり得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る製鉄プラントを利用した精製コ
ークス炉ガスの高度処理装置の代表的な実施の形態を模
式的に表す概略説明図である。
【符号の説明】
101…ATR装置、 102…ボイラ
部、103…PSA装置、 105、10
5´…ガス輸送ライン、107…CO変成器、
108…水素タンク、 109…CO2リッチな脱水素ガスのリサイクルライン、11
0…水素ガス搬送ライン、111…CO2リッチな脱水素ガ
スの貯蔵タンク、113…廃プラ貯蔵タンク、
115…廃プラ供給ライン、117…脱硫器、
121…酸素分離器、123…排空気のリ
サイクルライン、 125…圧縮機、201…転炉、
202…ボイラ部、203…加熱
炉、 205…熱風炉、207…L
DGホルダー、 209…LDG供給ラ
イン、211…精製COGタンク、 213…
LNGタンク、215…LNG気化装置(熱交換器)、
217…送風タービン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10K 1/32 C10K 1/32 (72)発明者 増田 富良 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4D012 CA03 CA07 CA16 CB11 CB15 CD07 CE03 CF05 CG01 CH05 4G040 EA06 EA09 EB31 EB32 EB33 EB44 FA03 FB09 FC03 FE01 4G140 EA06 EA09 EB31 EB32 EB37 EB44 FA03 FB09 FC03 FE01 4H060 AA02 BB02 BB12 BB22 BB32 BB33 CC03 CC14 DD01 DD02 EE03 FF03 GG08

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製コークス炉ガスから圧力スイング吸
    着装置を利用して水素ガスをガス分離する設備を有する
    製鉄プラントにおいて、 前記精製コークス炉ガスを含む原料ガスに、水蒸気と酸
    素含有ガスを加えて水素リッチガスに水蒸気改質するた
    めの酸素燃焼併用の水蒸気改質装置を、 前記圧力スイング吸着装置までのガス輸送ライン上に設
    けてなることを特徴とする製鉄プラントを利用した精製
    コークス炉ガスの高度処理装置。
  2. 【請求項2】 前記水蒸気改質装置と前記圧力スイング
    吸着装置との間のガス輸送ライン上に、さらに前記水蒸
    気改質装置で得られた水素リッチガス中の一酸化炭素と
    水蒸気とを反応させるためのCO変成器が設けられてな
    ることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力スイング吸着装置と製鉄プラン
    ト内の転炉との間に、前記圧力スイング吸着装置から脱
    着されたCO2リッチな脱水素ガスを、転炉に吹込用ガ
    スとして再利用するための脱水素ガスのリサイクルライ
    ンが設けられてなることを特徴とする請求項2に記載の
    装置。
  4. 【請求項4】 前記原料ガス中の硫黄含有量を所定の濃
    度にまで下げるための脱硫器が、前記水蒸気改質装置へ
    のガス搬送ライン上に設けられていることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記水蒸気改質装置への酸素含有ガス供
    給部として、製鉄プラント内の熱風炉で作られる高炉用
    熱風の一部を利用して高温酸素を取り出すための酸素分
    離器を備えてなることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記水蒸気改質装置への水蒸気供給部と
    して、前記水蒸気改質装置で得られた高温の水素リッチ
    ガスの排熱を利用して蒸気回収し得る熱交換器を備えて
    なることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の装置。
  7. 【請求項7】 前記水蒸気改質装置への水蒸気供給部と
    して、製鉄プラント内の転炉から排出される転炉ガスの
    排熱を利用して蒸気回収し得る熱交換器、または該転炉
    ガスを燃焼させ蒸気を製造するためのボイラを備えてな
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の装置。
  8. 【請求項8】 前記水蒸気改質装置への水蒸気供給部
    が、CO変成器への水蒸気供給部を兼用してなることを
    特徴とする請求項6または7に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記水蒸気改質装置への原料ガス供給部
    として、精製コークス炉ガスを原料とする主供給部と、
    液化天然ガスを原料とする補助供給部とを備えてなるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装
    置。
  10. 【請求項10】 前記圧力スイング吸着装置に至るまで
    のガス輸送ライン上に輸送ガスを昇圧するための圧縮機
    が設置されていることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れか1項に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記圧縮機が、前記水蒸気改質装置の
    ガス導入部側のガス輸送ライン上に設置されていること
    を特徴とする請求項10に記載の装置。
  12. 【請求項12】 精製コークス炉ガスから水素ガスをガ
    ス分離するプロセスを有する製鉄プロセスにおいて、 前記精製コークス炉ガスを含む原料ガスに、水蒸気と酸
    素含有ガスを加えて部分酸化反応および水蒸気改質反応
    させて水素リッチガスに水蒸気改質し、 前記水蒸気改質により得られた水素リッチガスから圧力
    スイング吸着法を用いて水素ガスをガス分離することを
    特徴とする製鉄プロセスを利用した精製コークス炉ガス
    の高度処理方法。
  13. 【請求項13】 前記圧力スイング吸着法を用いて吸着
    した脱水素ガスを脱着し、加熱炉および/または熱風炉
    の燃焼ガスとして再利用することを特徴とする請求項1
    2に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記水蒸気改質により得られた水素リ
    ッチガスに、水蒸気を加えてCOシフト反応させ、 COシフト反応により得られた水素リッチガスから水素
    ガスを圧力スイング吸着法を用いて分離することを特徴
    とする請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記圧力スイング吸着法を用いて吸着
    した脱水素ガスを脱着し、転炉の吹込用ガスとして再利
    用することを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記原料ガス中の硫黄含有量を0.9
    g/Nm3以下まで脱硫することを特徴とする請求項1
    2〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記酸素含有ガスが、熱風炉で作られ
    る高炉用熱風の一部から分離した高温酸素であることを
    特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 前記水蒸気改質および/または前記C
    Oシフト反応に用いる水蒸気が、該水蒸気改質により得
    られた水素リッチガスの排熱を蒸気回収してなるものを
    含むことを特徴とする請求項12〜17のいずれか1項
    に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記水蒸気改質および/または前記C
    Oシフト反応に用いる水蒸気が、転炉ガスの排熱を蒸気
    回収してなるもの、または該転炉ガスを燃焼させ製造し
    てなるものを含むことを特徴とする請求項12〜18の
    いずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記原料ガスが、精製コークス炉ガス
    に加え、さらに製鉄プロセスで使用する炭化水素系のガ
    スを含むことを特徴とする請求項12〜19のいずれか
    1項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 少なくとも圧力スイング吸着法による
    水素ガスのガス分離を、加圧下で行うことを特徴とする
    請求項12〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記水蒸気改質からガス分離までを、
    加圧下で行うことを特徴とする特徴とする請求項21に
    記載の方法。
JP2001007980A 2001-01-16 2001-01-16 精製コークス炉ガスの高度処理装置および利用方法 Withdrawn JP2002212575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001007980A JP2002212575A (ja) 2001-01-16 2001-01-16 精製コークス炉ガスの高度処理装置および利用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001007980A JP2002212575A (ja) 2001-01-16 2001-01-16 精製コークス炉ガスの高度処理装置および利用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002212575A true JP2002212575A (ja) 2002-07-31

Family

ID=18875645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001007980A Withdrawn JP2002212575A (ja) 2001-01-16 2001-01-16 精製コークス炉ガスの高度処理装置および利用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002212575A (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005145760A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Takehisa Yamaguchi 炭化水素改質水素製造システム
JP2005298329A (ja) * 2004-04-13 2005-10-27 General Electric Co <Ge> 水素ガスを生成するための方法及び装置
KR100653541B1 (ko) * 2005-12-23 2006-12-05 주식회사 포스코 코크스오븐가스(cog)로부터 수소를 제조하는 방법
JP2008530449A (ja) * 2005-02-18 2008-08-07 プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド ガス・タービン燃料調製及び導入方法
EP1967491A3 (de) * 2007-03-06 2008-10-01 Linde Aktiengesellschaft Verfahren und Vorrichtung zur Wasserstoffabtrennung aus Gasströmen mit Sauerstoffanteil
CN102199433A (zh) * 2011-03-05 2011-09-28 何巨堂 一种以co2为燃烧过程控温组分的煤炭化工艺
WO2012029283A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 Jfeスチール株式会社 有機物質の低分子化方法及び冶金炉発生排ガスの利用方法
JP2012240041A (ja) * 2011-05-13 2012-12-10 Haruyoshi Kameyama バイオマス廃棄物処理方法
KR20130075031A (ko) * 2011-12-27 2013-07-05 재단법인 포항산업과학연구원 제철공정 또는 석탄화학 공정의 부산물 및 부생가스를 이용한 사이클로헥산 제조방법
WO2014054650A1 (ja) * 2012-10-03 2014-04-10 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 水素供給システム
KR101388266B1 (ko) 2008-03-18 2014-04-22 스미토모 세이카 가부시키가이샤 고로가스의 분리방법 및 장치
KR20150038081A (ko) * 2012-07-24 2015-04-08 누베라 퓨엘 셀스, 인크. 분배된 수소 추출 시스템
KR20160023829A (ko) * 2013-06-26 2016-03-03 레르 리키드 쏘시에떼 아노님 뿌르 레뜌드 에렉스뿔라따시옹 데 프로세데 조르즈 클로드 직접 연소식 가열 방법 및 그의 실행을 위한 설비
KR20180073205A (ko) * 2016-12-22 2018-07-02 주식회사 포스코 코크스 오븐 가스 중의 불순물을 제거하는 방법 및 장치
CN109384200A (zh) * 2018-12-27 2019-02-26 中冶焦耐(大连)工程技术有限公司 处理焦炉煤气脱硫产低纯硫磺及副盐废液的工艺及装置
JP2020066585A (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 Jfeスチール株式会社 有機物の合成装置および合成方法
EP3663258A1 (en) * 2018-12-04 2020-06-10 Hyundai Motor Company System and method for producing hydrogen using by product gas
KR20200122128A (ko) * 2019-04-17 2020-10-27 한국에너지기술연구원 제철 부생가스로부터 수소 분리 및 메탄 농축을 위한 시스템 및 그 운전 방법
CN112495132A (zh) * 2020-11-30 2021-03-16 江苏新中金环保科技股份有限公司 一种焦炉烟气脱硫系统
US11298648B2 (en) * 2016-10-18 2022-04-12 Linde Aktiengesellschaft Method and installation for obtaining hydrogen

Cited By (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005145760A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Takehisa Yamaguchi 炭化水素改質水素製造システム
JP2005298329A (ja) * 2004-04-13 2005-10-27 General Electric Co <Ge> 水素ガスを生成するための方法及び装置
JP2008530449A (ja) * 2005-02-18 2008-08-07 プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド ガス・タービン燃料調製及び導入方法
KR100653541B1 (ko) * 2005-12-23 2006-12-05 주식회사 포스코 코크스오븐가스(cog)로부터 수소를 제조하는 방법
EP1967491A3 (de) * 2007-03-06 2008-10-01 Linde Aktiengesellschaft Verfahren und Vorrichtung zur Wasserstoffabtrennung aus Gasströmen mit Sauerstoffanteil
KR101388266B1 (ko) 2008-03-18 2014-04-22 스미토모 세이카 가부시키가이샤 고로가스의 분리방법 및 장치
WO2012029283A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 Jfeスチール株式会社 有機物質の低分子化方法及び冶金炉発生排ガスの利用方法
JP4968402B1 (ja) * 2010-08-31 2012-07-04 Jfeスチール株式会社 有機物質の低分子化方法及び冶金炉発生排ガスの利用方法
CN102199433A (zh) * 2011-03-05 2011-09-28 何巨堂 一种以co2为燃烧过程控温组分的煤炭化工艺
JP2012240041A (ja) * 2011-05-13 2012-12-10 Haruyoshi Kameyama バイオマス廃棄物処理方法
KR20130075031A (ko) * 2011-12-27 2013-07-05 재단법인 포항산업과학연구원 제철공정 또는 석탄화학 공정의 부산물 및 부생가스를 이용한 사이클로헥산 제조방법
KR101898728B1 (ko) * 2011-12-27 2018-09-14 재단법인 포항산업과학연구원 제철공정 또는 석탄화학 공정의 부산물 및 부생가스를 이용한 사이클로헥산 제조방법
JP2015524786A (ja) * 2012-07-24 2015-08-27 ヌヴェラ・フュエル・セルズ・インコーポレーテッド 分配水素抽出システム
KR101955897B1 (ko) * 2012-07-24 2019-03-11 누베라 퓨엘 셀스, 엘엘씨 분배된 수소 추출 시스템
KR20150038081A (ko) * 2012-07-24 2015-04-08 누베라 퓨엘 셀스, 인크. 분배된 수소 추출 시스템
US10103395B2 (en) 2012-07-24 2018-10-16 Nuvera Fuel Cells, LLC Distributed hydrogen extraction system
WO2014054650A1 (ja) * 2012-10-03 2014-04-10 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 水素供給システム
JP2014073921A (ja) * 2012-10-03 2014-04-24 Jx Nippon Oil & Energy Corp 水素供給システム
US9340421B2 (en) 2012-10-03 2016-05-17 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Hydrogen supply system
JP2016530187A (ja) * 2013-06-26 2016-09-29 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード 直接燃焼される加熱方法、及びその実施のための設備
KR20160023829A (ko) * 2013-06-26 2016-03-03 레르 리키드 쏘시에떼 아노님 뿌르 레뜌드 에렉스뿔라따시옹 데 프로세데 조르즈 클로드 직접 연소식 가열 방법 및 그의 실행을 위한 설비
KR102267343B1 (ko) * 2013-06-26 2021-06-18 레르 리키드 쏘시에떼 아노님 뿌르 레드 에렉스뿔라따시옹 데 프로세데 조르즈 클로드 직접 연소식 가열 방법 및 그의 실행을 위한 설비
US11298648B2 (en) * 2016-10-18 2022-04-12 Linde Aktiengesellschaft Method and installation for obtaining hydrogen
KR101879090B1 (ko) * 2016-12-22 2018-07-16 주식회사 포스코 코크스 오븐 가스 중의 불순물을 제거하는 방법 및 장치
KR20180073205A (ko) * 2016-12-22 2018-07-02 주식회사 포스코 코크스 오븐 가스 중의 불순물을 제거하는 방법 및 장치
JP2020066585A (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 Jfeスチール株式会社 有機物の合成装置および合成方法
EP3663258A1 (en) * 2018-12-04 2020-06-10 Hyundai Motor Company System and method for producing hydrogen using by product gas
CN109384200A (zh) * 2018-12-27 2019-02-26 中冶焦耐(大连)工程技术有限公司 处理焦炉煤气脱硫产低纯硫磺及副盐废液的工艺及装置
KR20200122128A (ko) * 2019-04-17 2020-10-27 한국에너지기술연구원 제철 부생가스로부터 수소 분리 및 메탄 농축을 위한 시스템 및 그 운전 방법
KR102213598B1 (ko) 2019-04-17 2021-02-09 한국에너지기술연구원 제철 부생가스로부터 수소 분리 및 메탄 농축을 위한 시스템 및 그 운전 방법
CN112495132A (zh) * 2020-11-30 2021-03-16 江苏新中金环保科技股份有限公司 一种焦炉烟气脱硫系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002212575A (ja) 精製コークス炉ガスの高度処理装置および利用方法
KR102323734B1 (ko) 블루수소 생산공정 및 시스템
US11492254B2 (en) Hydrogen production with membrane reformer
WO2004076346A2 (en) Diesel steam reforming with co2 fixing
US20230174378A1 (en) Process for producing hydrogen
US7276095B2 (en) Fuel processor module for hydrogen production for a fuel cell engine using pressure swing adsorption
JP2006502959A (ja) 硫黄化合物を除去する水素生成装置、及びそのプロセス
US20080299424A1 (en) Carbon monoxide clean-up in a pem fuel cell system
JP2023530573A (ja) 水素の生成のためのプロセス
EP4323085A1 (en) Process for purification and conversion of carbon dioxide using renewable energy
US20120275992A1 (en) Dual Purpose Gas Purification by Using Pressure Swing Adsorption Columns for Chromatographic Gas Separation
AU2004204831B2 (en) Improved configuration and process for shift conversion
WO2000073404A1 (fr) Procédé de production de gaz de ville
US10941359B2 (en) Fuel processing system and method for sulfur bearing fuels
JPH10273301A (ja) 水素製造装置
JP2002241817A (ja) 高炉用熱風炉の高炉送風用空気の高度利用装置およびその利用方法
JP2005256899A (ja) 水素貯蔵及び/又は導出装置
CA2453155A1 (en) Propane desulphurization
JP7122042B1 (ja) パージ方法およびシステム
WO2023089293A1 (en) Method for retrofitting a hydrogen production unit
TW202319334A (zh) 氫製造結合co2捕捉的方法
WO2023139258A1 (en) Conversion of co2 and h2 to syngas
WO2023148469A1 (en) Low-carbon hydrogen process
Monteleone et al. Fuel gas clean-up and conditioning
McPhail et al. Fuel Gas Clean-up and Conditioning

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080401