JP4968095B2 - エンジンの冷却装置及びエンジンの冷却装置におけるエア抜き方法 - Google Patents

エンジンの冷却装置及びエンジンの冷却装置におけるエア抜き方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンの冷却装置及びエンジンの冷却装置におけるエア抜き方法に関し、詳しくは、シリンダブロックに設けられる独立したウォータジャケット内からエアを抜くための技術に関する。
特許文献1には、シリンダヘッドのウォータジャケットと、シリンダブロックのウォータジャケットとを相互に独立に備えると共に、前記シリンダブロックのウォータジャケットの出口を開閉するバルブを備え、暖機中(冷機時)に、前記バルブを閉じてシリンダブロックのウォータジャケット内における冷却液の流れをせき止め、シリンダボアの昇温を図る冷却装置が開示されている。
特開2004−044609号公報
ところで、上記従来の冷却装置では、冷機状態では、シリンダブロックのウォータジャケットの出口がバルブによって閉じられるが、この状態で、冷却液をラジエータに注入する作業を行うと、シリンダブロックのウォータジャケットからエアが抜けず、ウォータジャケット内を冷却液で満たすことができなくなってしまう。
ここで、前記シリンダブロックのウォータジャケットからシリンダヘッドのウォータジャケットへ抜けるエア抜き穴や、前記シリンダブロックのウォータジャケットの出口を開閉するバルブからエアを抜く穴を設ければ、冷却液を注入するときに、前記エア抜き穴を介してシリンダブロックのウォータジャケットからエアを抜くことができる。
しかし、上記のようにエア抜き穴を設けた場合、暖機中に前記バルブを閉じても、シリンダブロックのウォータジャケット内の冷却液が前記エア抜き穴を介して漏れ出すことになって、シリンダブロックのウォータジャケット内に冷却液の流れが生じる。
本来、シリンダボアの昇温を目的として、シリンダブロックのウォータジャケットにおける冷却液の流れをせき止めるようにしているのに、前記エア抜き穴を介して冷却液の循環が生じると、前記昇温の効果が損なわれてしまうという問題が生じてしまう。
そこで、本発明は、エア抜き用の穴を設けずに、冷却液の注入時にシリンダブロックのウォータジャケットからエアを抜くことができるようにして、冷却液の注入を良好に行わせつつ、暖機中にシリンダブロック(シリンダボア)の昇温効果を最大限に得られるようにすることを目的とする。
そのため、本発明に係るエンジンの冷却装置及びエンジンの冷却装置におけるエア抜き方法では、シリンダヘッドのウォータジャケットと、シリンダブロックのウォータジャケットとを相互に独立に備えると共に、各ウォータジャケットとラジエータとを戻し管で接続しているエンジンの冷却装置において、前記シリンダブロックのウォータジャケットと前記ラジエータとを接続している前記戻し管に介装された電制バルブと、前記ラジエータへの冷却液の注入を示す信号が入力されると、前記電制バルブを強制的に開状態に制御する制御手段とを設け、前記ラジエータへの冷却液の注入を示す信号が入力され、前記電制バルブが開状態のとき、前記シリンダブロックのウォータジャケットのエアが前記戻し管を介して前記ラジエータの注入口から放出され、暖機中は前記電制バルブを閉状態にして前記シリンダブロックのウォータジャケットにおける流れをせき止めるようにした。
上記構成によると、電制バルブが閉じられた状態では、シリンダブロックのウォータジャケットにおける冷却液の流れがせき止められるから、暖機中に電制バルブを閉じることで、シリンダブロック(シリンダボア)の昇温を促進できることになる。
ここで、冷却液が注入されるときには、電制バルブを強制的に開状態に制御するので、シリンダブロックのウォータジャケットに注入された冷却液に押し出されるエアを、前記電制バルブを介して抜くことができる。
上記のように、シリンダブロックのウォータジャケットのエアを、開いた電制バルブを介して抜くので、シリンダブロックのウォータジャケットからシリンダヘッドのウォータジャケットへ抜けるエア抜き穴や、電制バルブの閉状態でバルブを介してエアを抜くためのエア抜き穴などを設ける必要はない。
従って、暖機中に、エア抜き穴を介した冷却液の流出によってシリンダブロックのウォータジャケット内に冷却液の流れが発生することがなく、シリンダブロック(シリンダボア)の昇温効果を最大限に得られる。
以下に本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、実施の形態におけるエンジンの冷却装置を示す。
図1において、エンジン1は、シリンダヘッド2とシリンダブロック3とからなり、シリンダヘッド2にはウォータジャケット4が、シリンダブロック3にはウォータジャケット5が形成されている。
前記ウォータジャケット4とウォータジャケット5とは相互に独立に形成され、エンジン1で駆動されるウォータポンプ6の吐出口に対して、両ウォータジャケット4,5が並列に接続される。
尚、前記ウォータジャケット4とウォータジャケット5との間を連通させるエア抜き穴などは設けられておらず、前記ウォータジャケット4とウォータジャケット5との間で直接的に冷却水(冷却液)が移動することはない。
尚、本実施形態において、冷却水とは、真水の他、不凍液などが混入される場合を含むものであり、冷却水と冷却液とには実質的な違いはないものとする。
ウォータジャケット4の出口に一端が接続される第1戻し管7の他端と、ウォータジャケット5の出口に一端が接続される第2戻し管8の他端とが合流し、戻し管9の一端に接続される。
尚、前記第1戻し管7と第2戻し管8とをエンジン1内に一体的に形成し、エンジン1内で合流させるようにすることができる。
前記戻し管9の他端は、ラジエータ10の上方に設けられる入口に接続され、また、前記戻し管9の途中と、第1電制サーモスタット11とを接続するバイパス管12が設けられている。
前記第1電制サーモスタット11は、前記ラジエータ10の下方に設けられる出口と前記ウォータポンプ6の吸込口とを接続する供給管13の途中に介装され、電磁コイルへの通電によって配管の接続状態を切り替えるバルブである。
具体的には、前記第1電制サーモスタット11への通電のオン・オフによって、バイパス管12を閉じ、ラジエータ10の出口と前記ウォータポンプ6の吸込口とを接続させる状態と、ラジエータ10の出口と前記ウォータポンプ6の吸込口との接続を断ち、バイパス管12とウォータポンプ6の吸込口とを接続させる状態とに切り替える。
即ち、前記第1電制サーモスタット11によってラジエータ10の出口と前記ウォータポンプ6の吸込口とが接続されると、エンジン1を通過した冷却水は、ラジエータ10内を通過した後、再度エンジン1に供給される。
一方、前記第1電制サーモスタット11によってバイパス管12とウォータポンプ6の吸込口とを接続させる状態では、エンジン1を通過した冷却水は、ラジエータ10を経由することなく、ウォータポンプ6に吸い込まれ、再度エンジン1に供給される。
換言すれば、前記第1電制サーモスタット11は、ラジエータ10内を通過させて冷却水を循環させる状態と、ラジエータ10をバイパスさせて冷却水を循環させる状態とに切り替える切替えバルブである。
また、第2戻し管8の途中には、第2戻し管8を開閉する電磁バルブ(電制バルブ)である第2電制サーモスタット14が介装されている。
前記第2電制サーモスタット14を閉じると、前記ウォータジャケット5の出口が遮断され、ウォータジャケット5内における冷却水の流れがせき止められ、ウォータジャケット5内に冷却水が滞留することになる。
前記第1電制サーモスタット11及び第2電制サーモスタット14は、マイクロコンピュータを内蔵する車載の電子制御ユニット21の制御信号(電源供給制御)によって動作する。
前記電子制御ユニット21は、第1電制サーモスタット11及び第2電制サーモスタット14を制御する機能と共に、エンジン1の燃料噴射や点火を制御する機能を有する。
前記電子制御ユニット21には、シリンダボア(シリンダブロック)の温度を検出するボア温センサ22、及び、冷却水の温度を検出する水温センサ23からの信号が入力される。
尚、ボア温センサ22は、図示省略したヘッドガスケットに一体的に設けることができる。
そして、前記電子制御ユニット21は、前記ボア温センサ22及び水温センサ23の検出結果に基づいて、前記第1電制サーモスタット11及び第2電制サーモスタット14を制御することで、冷却水及びシリンダボア(シリンダブロック)の温度調整を行う。
具体的には、前記水温センサ23の信号に基づいて検出される冷却水温度と閾値との比較に基づいて冷機時(暖機中)であるか、暖機後であるかを判断し、暖機後であれば、前記ラジエータ10を通って冷却水が循環される状態に前記第1電制サーモスタット11を切り替え、冷機時(暖機中)であれば、前記ラジエータ10をバイパスして(ラジエータ10を通らずに)冷却水が循環される状態に前記第1電制サーモスタット11を切り替える。
これにより、冷機時には、冷却水がラジエータ10で放熱することが回避され、冷却水の昇温を図って暖機を促進させることができる一方、暖機後は、冷却水の熱をラジエータ10で放熱させて、冷却水温度の過剰な上昇を抑え、エンジン1の冷却効果を維持させることができる。
また、前記ボア温センサ22の信号に基づいて検出されるシリンダボア(シリンダブロック)の温度と閾値とを比較し、シリンダボア(シリンダブロック)の温度が閾値より下であると、第2電制サーモスタット14を閉じるように制御する。
前記第2電制サーモスタット14を閉じると、ウォータジャケット5内における冷却水の流れがせき止められ、ウォータジャケット5内に冷却水が滞留する結果、シリンダブロック3における冷却水による冷却効率が落ち、シリンダブロック3の昇温を促進できる。
そして、シリンダブロック3の昇温が促進されることで、ピストンとシリンダボアとの間の摩擦抵抗を低減し、燃費向上を図ることができる。
図2は、第1電制サーモスタット11によって冷却水がラジエータ10をバイパスして流れるようにし、かつ、第2電制サーモスタット14が閉じられた場合に、冷却水が循環する経路を示している。
図2の場合、冷却水は、シリンダヘッド2のウォータジャケット4のみを通過し、ウォータジャケット4を通過した冷却水は、ラジエータ10を通過することなく、再度、ウォータジャケット4内に圧送されることになる。
図3は、第1電制サーモスタット11によって冷却水がラジエータ10を通過して循環されるようにし、かつ、第2電制サーモスタット14が開かれた場合に、冷却水が循環される経路を示している。
図3の場合、冷却水は、シリンダヘッド2のウォータジャケット4とシリンダブロック3のウォータジャケット5との双方を通過し、各ウォータジャケット4,5を通過した冷却水は合流してラジエータ10に戻り、ラジエータ10を通過した後の冷却水が、再度、各ウォータジャケット4,5内に圧送されることになる。
尚、第1電制サーモスタット11によって冷却水がラジエータ10をバイパスして流れるようにする場合に、同時に第2電制サーモスタット14を閉じるようにしても良く、また、エンジン1の負荷・回転速度、更に、冷却水温度などから前記第2電制サーモスタット14の開閉を制御してもよく、第2電制サーモスタット14の開閉制御をボア温センサ22に基づく制御に限定するものではない。
上述した、冷却水温度やシリンダボア(シリンダブロック)温度などに基づく、第1電制サーモスタット11及び第2電制サーモスタット14の制御を、以下では、通常の温度調整制御と称するものとする。
ところで、前記ラジエータ10への注水時におけるエア抜け性を向上させるために、前記電子制御ユニット21は、前記第1電制サーモスタット11及び第2電制サーモスタット14を、冷却水温度やシリンダボア(シリンダブロック)の温度などとは無関係に(通常の温度調整制御に優先して)制御する機能を有しており、以下では、前記エア抜きのための制御を説明する。
まず、整備工場などにおいてラジエータ10に注水するときに、前記電子制御ユニット21に対して携帯端末装置(外部ユニット)31を接続ケーブル32によって接続する(図1参照)。
前記携帯端末装置(外部ユニット)31は、マイクロコンピュータを含んでなり、液晶画面の他、キーボードなど入力装置を備える汎用の整備用ツールであり、前記電子制御ユニット21に対して着脱可能で、整備時に必要に応じて接続される。
前記携帯端末装置(外部ユニット)31は、後述するように、エア抜きのための指示を電子制御ユニット21に対して送信する機能を有すると共に、電子制御ユニット21に記憶されている故障診断の履歴を読み出して表示したり、前記故障診断の履歴を消去したり、前記電子制御ユニット21を通常制御モードから故障診断モードに切り替えたり、車両の各種機器の識別番号などを表示したりする機能を有する。
ここで、前記携帯端末装置31は、前記エア抜きのための指示として、前記電子制御ユニット21に対して注水開始の信号(冷却液の注入を示す信号)を出力する。
前記注水開始の信号は、作業者が、前記携帯端末装置31に対してコマンドの打ち込みやモード選択などの操作を行うことで、電子制御ユニット21に対して送信されるようになっている。
前記注水開始の信号を入力する前記電子制御ユニット21では、図4のフローチャートに示すような処理を行う。
図4のフローチャートに示すルーチンは、エンジンスイッチ(イグニッションスイッチ)24がオンされることで実行される。
まず、ステップS101では、前記携帯端末装置31からの信号を読み込み、ステップS102では、前記携帯端末装置31からの注水開始の信号が入力されているか否かを判断する。
注水開始の信号が入力されていない場合には、ステップS103,104を迂回してステップS105へ進み、前記通常の温度調整制御を行う。
一方、前記携帯端末装置31からの注水開始の信号が入力されている場合には、ステップS103へ進み、前記第2電制サーモスタット14を開状態に強制的に制御し、かつ、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に強制的に制御する。
通常のエンジン始動時は、冷却水温度及びシリンダボア(シリンダブロック)温度が共に低いから、通常の温度調整制御では、前記第2電制サーモスタット14を閉状態に制御してウォータジャケット5における冷却水の流れをせき止め、かつ、第1電制サーモスタット11を、冷却水がラジエータ10をバイパスする状態に制御することになる。
しかし、前記ステップS102では、前記通常の温度調整制御による制御状態とは逆に、ウォータジャケット5に冷却水が流れる状態にし、かつ、冷却水がラジエータ10を通過して循環される状態に強制的に制御する。
次のステップS104では、エンジンスイッチ(イグニッションスイッチ)24がオンされてから、換言すれば、ウォータジャケット5に冷却水が流れる状態にし、かつ、冷却水がラジエータ10を通過して循環される状態にしてから、予め記憶された一定時間(所定時間)が経過したか否かを判断する。
そして、前記一定時間が経過するまでは、前記第2電制サーモスタット14を開状態に保持し、かつ、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に保持する。
上記のステップS101〜ステップS104の部分が、エア抜き手段に相当し、前記ステップS103において、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に強制的に制御する機能が、バイパス制御手段に相当する。
前記一定時間が経過すると、注水作業は終了したものと見なして、ステップS105へ進み、通常の温度調節制御を開始する。
尚、前記一定時間は、注水作業に必要とされる標準的な時間に余裕分を加算して予め設定される。
本実施形態では、ウォータジャケット5からエアを抜くための穴などを設けていないため、第2電制サーモスタット14が閉じた状態では、ウォータジャケット5からエアを抜くことはできないが、第2電制サーモスタット14を強制的に開制御してウォータジャケット5の出口を開ければ、第2電制サーモスタット14を介してエアを抜くことができ、エアが抜けることでウォータジャケット5内に冷却水を注入できる。
第2電制サーモスタット14を通過したエアは、戻し管9を介してラジエータ10に至り、注水のために開けられているラジエータ10の注水口(注水キャップ)10aを介して大気中に放出される。
また、シリンダヘッド2のウォータジャケット4への注水によって、ウォータジャケット4から追い出されるエアも、戻し管9を介してラジエータ10に至り、注水のために開けられているラジエータ10の注水口(注水キャップ)10aを介して大気中に放出される。
上記のように、注水時にウォータジャケット5からエアを抜くためのエア抜き穴を設けずに、第2電制サーモスタット14を強制的に開制御してエアを抜くので、通常の温度調整制御時に第2電制サーモスタット14を閉制御したときに、ウォータジャケット5内における冷却水の流れをせき止めて、シリンダボアの昇温効果を最大限に得ることができる。
第2電制サーモスタット14の閉状態でもエアを抜くことができるように、エア抜き穴を設けると、該エア抜き穴を介した冷却水の漏れ出しによってウォータジャケット5内に冷却水の流れが生じてしまい、保温性能が低下するが、エア抜き穴がなければ、冷却水の漏れ出しが殆どなくなり、より高い保温性能を発揮させることができる。
また、本実施形態では、第2電制サーモスタット14を強制的に開制御すると同時に、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に制御することで、エア抜きと冷却水の注入とをより効率的に行わせることができる。
即ち、第1電制サーモスタット11が、冷却水がラジエータ10をバイパスする状態に制御されていると、ラジエータ10の出口が第1電制サーモスタット11で閉じられる状態となり、ラジエータ10に注入された冷却水は、ラジエータ10の入口まで水位が上がってから入口からあふれ出るようにして、エンジン1側に流れ込むことになる。
ここで、前述のように、ウォータジャケット4とウォータジャケット5から抜かれたエアは、ラジエータ10の入口を介してラジエータ10内に入り、注水口(注水キャップ)10aを介して大気中に放出されるから、同一の経路内を冷却水とエアとが相互に逆向きに進むことになり、冷却水の注入及びエア抜きをスムーズに行うことができない。
これに対し、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に制御すれば、ラジエータ10の出口が開けられることになり、ラジエータ10に注入された冷却水は、ラジエータ10の出口から流出して、第1電制サーモスタット11及びウォータポンプ6を介してエンジン1のウォータジャケット4とウォータジャケット5内に流れ込むことになる。
一方、ウォータジャケット4とウォータジャケット5から追い出されたエアは、冷却水が逆流してくることがない戻し管9を介してラジエータ10の入口からラジエータ10内に入ることになるから、冷却水の注入経路とエアが抜かれる経路とが別々になり、冷却水とエアとが同一経路内で衝突することがないので、冷却水の注入及びエア抜きをそれぞれスムーズに行わせることができる。
但し、第2電制サーモスタット14を強制的に開制御するときに、冷却水がラジエータ10をバイパスする状態であっても良く、この場合でも、ウォータジャケット5からエアを抜くことはできる。
従って、第1電制サーモスタット11に代えて、ワックスなどの感温部材によって開閉動作する機械式のサーモスタットを備える冷却装置であっても良い。
また、電子制御ユニット21に注入作業を行うことを指示するためのスイッチなどを設け、電子制御ユニット21に対して直接注水を指示することができる。
また、電子制御ユニット21に対して、無線で冷却水の注入を示す信号を送信させることができ、外部からの信号の入力は有線・無線のいずれであっても良い。
また、外部ユニットを携帯端末装置31に限定するものでもなく、例えば、ラジエータ10の注水口(注水キャップ)10aからの冷却水の排出と注水とを行う冷却水の交換装置などから注水開始を指示させることができる。
更に、電子制御ユニット21に、冷却水の注入を示す信号が入力されている間、前記第2電制サーモスタット14を開状態に保持し、かつ、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に保持させるようにすることができる。
即ち、冷却水の注入が指示されると、該指示がキャンセルされるまで、前記第2電制サーモスタット14を開状態に保持し、かつ、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に保持させるようにするものであり、係る構成とすれば、注水作業に手間取って通常よりも長い時間がかかっても、注水途中(エア抜きの途中)で第2電制サーモスタット14が閉じられてしまうことを回避できる。
また、注水を示す信号が入力された時に、通常の温度調整制御に用いる温度の検出結果を増大補正し又は注水時用の基準温度に置き換え、通常の温度調節制御の結果として、前記第2電制サーモスタット14を開状態に制御し、かつ、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に制御させることができる。
また、注水は、ラジエータ10の注水口(注水キャップ)10aを開放させて行われるので、注水口(注水キャップ)10aの開放信号を、冷却水の注入を示す信号として前記制御ユニット21が入力し、前記開放信号に基づいて第1電制サーモスタット11及び第2電制サーモスタット14を制御するようにできる。
図5のフローチャートは、前記注水口(注水キャップ)10aの開放信号に基づいてエア抜き制御を行う第2実施形態における制御の流れを示す。
尚、図1のシステム図は、第1実施形態と第2実施形態とに共通的に用いるべく、携帯端末装置31が電子制御ユニット21に接続されると共に、前記注水口(注水キャップ)10aの開閉に応じて出力のオン・オフが切り替わる開放検知スイッチ41を備え、該開放検知スイッチ41の信号が電子制御ユニット21に入力されるようになっているが、第2実施形態では、携帯端末装置31の電子制御ユニット21に対する接続は不要であり、前記第1実施形態では、前記開放検知スイッチ41を備える必要はない。
図5のフローチャートに示すルーチンは、エンジンスイッチ24がオンされることで実行され、まず、ステップS201では、前記開放検知スイッチ41の信号を読み込む。
尚、注水口はラジエータ10に備えられている必要はなく、例えば、シリンダヘッド2や冷却水の配管途中に備えられている場合であってもよく、前記開放検知スイッチ41は、ラジエータ10に注水口が設けられる場合に限らずに、注水口の開放を検知するものである。
ステップS202では、前記注水口(注水キャップ)10aが開放されているか否かを、前記開放検知スイッチ41の信号に基づいて判断する。
前記注水口(注水キャップ)10aが開放されている場合には、ステップS203へ進み、前記第2電制サーモスタット14を開状態に強制的に制御し、かつ、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に強制的に制御する。
上記ステップS201〜ステップS203の部分がエア抜き手段に相当し、ステップS203における第1電制サーモスタット11の制御がバイパス制御手段に相当する。
上記制御により、注水口(注水キャップ)10aから注がれた冷却水は、ラジエータ10の出口から第1電制サーモスタット11を通過してエンジン1のウォータジャケット4とウォータジャケット5内に入り、注水によって各ウォータジャケット4,5から追い出されるエアは、戻し管9,ラジエータ10内を介し、注水口(注水キャップ)10aから大気中に放出される。
注水作業が終了し、注水口(注水キャップ)10aが閉塞されると、ステップS202において注水口(注水キャップ)10aが開放されていないと判断されることで、ステップS204へ進むようになる。
ステップS204では、前記通常の温度調整制御を行う。
上記第2実施形態では、注水作業のために注水口(注水キャップ)10aを開放すると、ウォータジャケット5内からエアを抜くことができるように、自動的に前記第2電制サーモスタット14が開状態に制御されるので、第1実施形態に比べて作業性が良く、例えば、車両のユーザーが冷却水の交換を行う場合でも、ウォータジャケット5内からエアを抜きながら注水できることになる。
即ち、前記携帯端末装置31のような整備用ツールを電子制御ユニット21に接続しなくても、通常に注水作業を行うことで、エアがウォータジャケット5からスムーズに抜ける状態に強制的に切り換えられることになる。
一般的に、冷却水の交換作業は、ラジエータ10からまず冷却水を排出し、排水後に、新しい冷却水をラジエータ10に注入し、その後、エンジン1をアイドル運転させて適正な量の冷却水を補給できたか否かを判断することになる。
ここで、エンジン1をアイドル運転させるべくエンジンスイッチ24をオンさせれば、電子制御ユニット21が起動し、前記第2電制サーモスタット14が開状態に制御され、ウォータジャケット5内のエアが抜けることになる。
そして、エアが抜けてラジエータ10における水位が下がると、冷却水が更に補充され、最終的に、適正量の冷却水を補充できることになる。
尚、冷却水の注入を示す信号としては、上記注水口(注水キャップ)10aの開放信号の他、ウォータジャケット5やラジエータ10内の水位(液位)が閾値以下であることを示す信号、ラジエータ10のドレンコックの開放を示す信号、車両のボンネット(エンジンフード)が開いていることを示す信号などを用いることができ、また、これらの信号を複数組み合わせて、ラジエータ10への注水を判断させることができる。
例えば、ドレンコックの開放を示す信号を入力した後に、ボンネット(エンジンフード)が閉じられるまでの間において、前記第2電制サーモスタット14を開状態に制御し、かつ、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に制御することができる。
即ち、冷却水の注入を示す信号としては、直接的に注水作業を示す信号の他、注水が行われる可能性があることを示す信号が含まれ、例えば、ボンネット(エンジンフード)が開かれていることのみを条件として、前記第2電制サーモスタット14を開状態に制御し、かつ、第1電制サーモスタット11を冷却水がラジエータ10を通過する状態に制御することができる。
本願発明の実施形態におけるエンジンの冷却装置を示す図。 本願発明の実施形態における冷機時の冷却水の循環経路を示す図。 本願発明の実施形態における暖機後の冷却水の循環経路を示す図。 本願発明に係る注水時の制御の第1実施形態を示すフローチャート。 本願発明に係る注水時の制御の第2実施形態を示すフローチャート。
符号の説明
1…エンジン,2…シリンダヘッド,3…シリンダブロック,4,5…ウォータジャケット,6…ウォータポンプ、7〜9…戻し管,10…ラジエータ,10a…注水口(注水キャップ)、11…第1電制サーモスタット(電制サーモスタットバルブ)、12…バイパス管、13…供給管、14…第2電制サーモスタット(電制バルブ)、21…電子制御ユニット、22…ボア温センサ、23…水温センサ、24…エンジンスイッチ(イグニッションスイッチ)、31…携帯端末装置(外部ユニット)、41…開放検知スイッチ

Claims (6)

  1. シリンダヘッドのウォータジャケットと、シリンダブロックのウォータジャケットとを相互に独立に備えると共に、各ウォータジャケットとラジエータとを戻し管で接続しているエンジンの冷却装置において、
    前記シリンダブロックのウォータジャケットと前記ラジエータとを接続している前記戻し管に介装された電制バルブと、
    前記ラジエータへの冷却液の注入を示す信号入力されると、前記電制バルブを強制的に開状態に制御する制御手段を設け、
    前記ラジエータへの冷却液の注入を示す信号が入力され、前記電制バルブが開状態のとき、前記シリンダブロックのウォータジャケットのエアが前記戻し管を介して前記ラジエータの注入口から放出され、
    暖機中は前記電制バルブを閉状態にして前記シリンダブロックのウォータジャケットにおける流れをせき止めることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 前記制御手段を備えた制御ユニットに対し選択的に接続される外部ユニットに対して、注入作業を指示することによって、前記冷却液の注入を示す信号が前記外部ユニットから前記制御ユニットに対して送信されることを特徴とする請求項1記載のエンジンの冷却装置。
  3. 前記冷却液の注入を示す信号が注入の開始を示す信号であり、前記制御手段が、前記注入の開始を示す信号を入力したときに、その後一定時間だけ前記電制バルブを強制的に開状態に制御することを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンの冷却装置。
  4. 冷却液の注入口の開放状態を検出するスイッチを備え、
    前記制御手段が、前記スイッチからの注入口の開放状態を示す信号を、前記冷却液の注入を示す信号として入力することを特徴とする請求項1記載のエンジンの冷却装置。
  5. ラジエータを介して冷却液を循環させる状態と、前記ラジエータを迂回して冷却液を循環させる状態とに切り替える切替えバルブを設け
    前記制御手段によって前記電制バルブが強制的に開状態に制御されるときに、前記切替えバルブ、前記ラジエータを介して冷却液を循環させる状態に強制的に切り替えられ、
    前記切替えバルブは、暖機中前記ラジエータをバイパスして冷却液を循環させる状態にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のエンジンの冷却装置。
  6. シリンダヘッドのウォータジャケットと、シリンダブロックのウォータジャケットとを相互に独立に備えると共に、各ウォータジャケットとラジエータとを戻し管で接続しているエンジンの冷却装置において、
    前記シリンダブロックのウォータジャケットと前記ラジエータとを接続している前記戻し管に介装された電制バルブを設け、
    前記ラジエータへの冷却液の注入を示す信号が入力されると、前記電制バルブを強制的に開状態に制御することと、
    暖機中は前記電制バルブを閉状態にして前記シリンダブロックのウォータジャケットにおける流れをせき止めることとを有し、
    前記ラジエータへの冷却液の注入を示す信号が入力され、前記電制バルブが開状態のとき、前記シリンダブロックのウォータジャケットのエアが前記戻し管を介して前記ラジエータの注入口から放出されることを特徴とするエンジンの冷却装置におけるエア抜き方法。
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