JP4259281B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの冷却装置に関するものである。
エンジンの冷却装置は、冷媒を循環させてエンジンのウォータジャケットを通過させる冷却回路を備えている。このため、エンジンが高温状態にあるときには、エンジンの熱がウォータジャケットを通過する冷媒によって奪われ、エンジンの温度が過上昇することは抑制される。また、冷却回路を循環する冷媒はエンジン等からの熱を受けて温度上昇するが、このように暖められた冷媒をエンジンの暖機に利用することも行われている。
例えば、特許文献1では、保温容器が設けられた蓄熱回路を冷却回路に接続し、エンジン等との熱交換によって温度上昇した冷却回路の冷媒を保温容器に保温して蓄え、冷えた状態でのエンジン始動等に際して保温容器内の温かい冷媒を蓄熱回路からウォータジャケットに流出させるようにしている。そして、その温かい冷媒によりエンジンの暖機を促進させることで、同エンジンの噴射燃料が気化し易くなってエミッション及び燃費等の改善が図られるようになる。
ただし、保温容器に蓄えられる冷媒の温度が低いと、その冷媒をウォータジャケットに流したときのエンジンの暖機性が低下するため、保温容器には可能な限り高温の冷媒を蓄えておく必要がある。このため、特許文献1では、エンジン停止から所定時間経過後、冷却回路の冷媒の温度がエンジンの余熱によって通常のエンジン運転時よりも高温になったときには、その冷媒を保温容器に回収するようにしている。この場合、保温容器に蓄えられる冷媒の温度を、最も高いときで、冷却回路での冷媒温度の許容上限値(例えば100℃)付近まで高めることが可能になる。
特開平8−183324公報
しかしながら、エンジン停止後のエンジンの余熱は、その停止前のエンジン運転状態に多く左右され、低負荷での定常運転が続いていたような場合では低くなるため、このような場合には冷却回路の冷媒温度が許容上限値付近まで上昇しなくなる。従って、特許文献1に示されるような保温容器への冷媒の回収を実行したとしても、保温容器内の冷媒の温度を必ずしも冷却回路における冷媒温度の許容上限値付近まで高めることができるとは限らない。また、保温容器内の冷媒の温度を上記許容上限値付近まで高めることができたとしても、エンジン暖機時の外気温等によっては保温容器の冷媒をウォータジャケットに流すことによるエンジンの暖機性改善が不十分なものになる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、より高温の冷媒を保温容器に回収することができ、保温容器の冷媒をウォータジャケットに流すことによるエンジンの暖機性改善が不十分になるのを抑制することのできるエンジンの冷却装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、冷媒を循環させてエンジンのウォータジャケットを通過させる冷却回路と、エンジンによって加温された前記冷媒を保温して蓄える保温容器が設けられた蓄熱回路とを備え、エンジンの暖機に際して前記保温容器の冷媒を前記蓄熱回路から前記ウォータジャケットに流出させるエンジンの冷却装置において、エンジンの前記冷却回路の冷媒よりも高温になる部分に冷媒を流す昇温回路と、前記蓄熱回路を前記冷却回路と前記昇温回路との一方に選択的に接続すべく切り換え動作する切換弁と、エンジンの暖機完了後に前記保温容器への冷媒の回収を行う際、前記切換弁を前記蓄熱回路が前記冷却回路に接続されるよう切り換え、その後に前記蓄熱回路が前記昇温回路に接続されるよう切り換える制御手段とを備えた。
エンジンの暖機のために保温容器内の冷媒をウォータジャケットに流出させた後にエンジンが暖機完了すると、保温容器への冷媒の回収が行われることとなる。それに際しては、まずエンジンとの熱交換によって早期に温度上昇する冷却回路の冷媒が保温容器に回収され、その後に冷却回路の冷媒よりも高温になる部位との間で熱交換がなされる昇温回路の冷媒が保温容器に回収される。従って、保温容器内に少なくとも冷却回路の冷媒を確保した上で、冷却回路の冷媒よりも高温になる昇温回路の冷媒が回収されるため、より高い温度の冷媒を保温容器に回収することができる。そして、次回のエンジン暖機時には、上記のように回収された保温容器内の冷媒がウォータジャケットに流されてエンジンの暖機が図られるため、エンジンの暖機性改善が不十分になるのを抑制することができる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記切換弁を前記蓄熱回路が前記冷却回路に接続されるよう切り換えた後、前記昇温回路の冷媒の温度が前記保温容器の冷媒の温度以上になった旨判断されるとき、前記切換弁を前記蓄熱回路が前記昇温回路に接続されるよう切り換えるものとした。
上記構成によれば、昇温回路の冷媒の温度が保温容器の冷媒の温度よりも低い状態で昇温回路の冷媒が保温容器に回収され、同容器内の冷媒の温度が低下してしまうのを抑制することができる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記制御手段は、前記切換弁を蓄熱回路が冷却回路に接続されるよう切り換えた時点から、昇温回路の冷媒の温度が保温容器の冷媒の温度以上になるのに必要な時間が経過したことに基づき、前記昇温回路の冷媒の温度が前記保温容器の冷媒の温度以上になった旨判断するものとした。
上記構成によれば、昇温回路の冷媒の温度が保温容器の冷媒の温度以上になった旨の判断を的確に行うことができ、その判断に基づく昇温回路の冷媒の保温容器への回収を適切なタイミングで開始することができる。
請求項4記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記制御手段は、前記保温容器の冷媒の温度を検出するセンサ、及び前記昇温回路の冷媒の温度を検出するセンサからの検出信号に基づき、前記昇温回路の冷媒の温度が前記保温容器の冷媒の温度以上になった旨判断するものとした。
上記構成によれば、昇温回路の冷媒の温度が保温容器の冷媒の温度以上になった旨の判断を的確に行うことができ、その判断に基づく昇温回路の冷媒の保温容器への回収を適切なタイミングで開始することができる。
請求項5記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、エンジンの前記冷却回路の冷媒よりも高温になる部分は、エンジンのオイルクーラであることを要旨とした。
エンジンのオイルは、冷却回路の冷媒に比べて高い温度に維持することが可能なため、エンジンの暖機完了後にエンジンの熱を受けて冷却回路の冷媒よりも高温になり、その状態でオイルクーラに流入する。一方、昇温回路の冷媒は、オイルクーラを通過するときに上記オイルによって暖められ、冷却回路の冷媒以上に温度上昇する。従って、昇温回路の冷媒を保温容器に回収することで、同容器に冷却回路の冷媒以上に温度上昇した冷媒を蓄えることができるようになる。
以下、本発明を自動車用エンジンの冷却装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示されるように、エンジン1の冷却装置は、冷却水を循環させてエンジン1を冷却する冷却回路Rと、冷却回路R内の高温の冷却水を次回のエンジン始動の際のエンジン1の暖機等に利用するための蓄熱回路Hと、蓄熱回路H内の冷却水の昇温を図る昇温回路Sとを備えている。上記蓄熱回路Hは、冷却回路Rに繋がる通路2、及び昇温回路Sに対し、切換弁3を介して接続されている。
この切換弁3は、[切換位置A]と[切換位置B]との間で切り換え動作して第1ポートP1、第2ポートP2、及び第3ポートP3の連通状態を変更し、蓄熱回路Hを冷却回路R(通路2)と昇温回路Sとの一方に選択的に接続するものである。ここで、[切換位置A]では、第1ポートP1と第2ポートP2とが接続した状態になり、蓄熱回路Hが冷却回路Rに接続された状態になるとともに昇温回路Sに対しては遮断された状態になる。また、[切換位置B]では第2ポートP2と第3ポートP3とが接続した状態になり、蓄熱回路Hが昇温回路Sに接続された状態になるとともに冷却回路Rに対しては遮断された状態になる。
冷却回路Rには、エンジン1により駆動されるウォータポンプ6と、ウォータポンプ6から吐出された冷却水をエンジン1のウォータジャケット5に流入させる流入通路7と、その冷却水をウォータジャケット5から流出させる流出通路8とが設けられている。そして、冷却回路Rを循環する冷却水は、矢印Yで示されるように流入通路7を介してウォータジャケット5に流入し、ウォータジャケット5内を流れてエンジン1から熱を奪った後、流出通路8からウォータジャケット5外に流出する。冷却回路Rには、循環する冷却水を外気との熱交換により温度低下させるラジエータ12と、ラジエータ12を迂回するバイパス通路9と、冷却水の温度に応じてラジエータ12への冷却水の流入を禁止・許可するサーモスタット10とが設けられている。このサーモスタット10の動作により、ラジエータ12を通過して冷却される冷却水の量が調節され、冷却回路R内の冷却水の温度が例えば通常は70℃〜80℃の範囲に収まり、最高でも100℃程度に抑えられるように制御される。
蓄熱回路Hには、同回路H内の冷却水の圧送を行う電動ポンプ13と、冷却水を保温して蓄える保温容器14と、保温容器14内の冷却水をウォータジャケット5に流出させる供給通路16とが設けられている。そして、保温容器14に冷却回路Rの温かい冷却水を保温して蓄える際には、切換弁3が切換位置Aに切り換えられて蓄熱回路Hが冷却回路Rに接続され、ウォータポンプ6の駆動を通じて上記冷却水が供給通路16側から蓄熱回路H内に流入させられる。こうして保温容器14に蓄えられた冷却水は、例えばエンジン始動に際して電動ポンプ13の駆動により供給通路16を介してウォータジャケット5に流入させられる。そして、ウォータジャケット5に流入した上記冷却水によってエンジン1の吸気ポート等が暖められ、同エンジン1におけるエミッション、燃費、及び始動性等の改善が図られる。
昇温回路Sには、同回路S内の冷却水をオイルクーラ17に流すための昇温通路18が設けられている。従って、切換弁3が切換位置Bに切り換えられて蓄熱回路Hが昇温回路Sに接続されるとともに電動ポンプ13が駆動されると、蓄熱回路Hの冷却水が昇温回路Sに流され、昇温通路18を通ってオイルクーラ17に流されるようになる。このオイルクーラ17は、エンジン1におけるオイルの循環経路の途中に設けられており、そのオイルの流入によって温度上昇するものである。そして、エンジン1のオイルは、冷却回路Rの冷却水に比べて高い温度(例えば130℃程度)に維持することが可能なため、エンジン1が暖機完了して所定期間が経過すると、エンジン1から受ける熱によって冷却回路Rの冷却水よりも高温になる。従って、エンジン1が暖機完了して所定期間が経過した後、上記のようにオイルクーラ17に蓄熱回路Hからの冷却水が流されると、その冷却水がオイルクーラ17での熱交換により昇温され、蓄熱回路Hに戻されるようになる。
次に、エンジン1の冷却装置の電気的構成について説明する。
同冷却装置は、エンジン1の運転制御を行うべく自動車に搭載された電子制御装置19を備えている。この電子制御装置19は、切換弁3及び電動ポンプ13を駆動制御するとともに、以下に示される各種センサからの信号を入力する。
・自動車におけるドアの開閉状態に対応した信号を出力するドアセンサ20からの信号。
・エンジン始動開始する際に自動車の運転者によって操作されるイグニッションスイッチ21からの信号。
・冷却回路Rの冷却水の温度を検出する水温センサ22からの信号。
・エンジン1の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ23からの信号。
電子制御装置19は、エンジン1の始動に際して保温容器14に蓄えられた温かい冷却水を利用してエンジン1の暖機を促進するためのプレヒート処理を行うとともに、エンジン1の暖機完了後に保温容器14に温かい冷却水を回収する回収処理を実行する。以下、プレヒート処理及び回収処理の概要について図2を併せ参照して説明する。なお、図2は、エンジン1の始動開始前から暖機完了後に亘っての保温容器14内の冷却水の温度、冷却回路R内の冷却水の温度、及びエンジン1のオイルの温度(油温)の推移を示すタイムチャートである。
エンジン1の停止時には、電動ポンプ13が停止状態になり、その状態で切換弁3が切換位置Bとされることで、保温容器14内に蓄えられた温かい冷却水のウォータジャケット5への流出が防止される。
エンジン停止中であってエンジン1が始動開始されると判断できる場合、例えば自動車のドアが開かれたときやイグニッションスイッチ21が始動操作された場合には、プレヒート処理として、切換弁3が切換位置Aに切り換えられるとともに電動ポンプ13が駆動される。このプレヒート処理により、保温容器14内の温かい冷却水が供給通路16を介してウォータジャケット5に流出開始し(タイミングT1)、当該冷却水によってエンジン1が暖められる。また、上記のように保温容器14内の温かい冷却水をウォータジャケット5に流入させているときには、冷却回路R内の冷たい冷却水が通路2を介して蓄熱回路Hに引き込まれ、保温容器14に流入するようになる。従って、冷却回路Rの冷却水の温度は図2に破線で示されるように徐々に上昇してゆき、保温容器14内の冷却水の温度は実線で示されるように徐々に低下してゆく。
エンジン始動完了後には、電動ポンプ13が停止されるとともに切換弁3が切換位置Bとされ、上記のように保温容器14に流入した冷たい冷却水がウォータジャケット5に流出しないようにされる(タイミングT2)。このとき、冷却回路Rの冷却水の温度は、保温容器14からウォータジャケット5への温かい冷却水の流入によってある程度上昇した状態から、エンジン1における燃焼室周り等の熱を受けて更に上昇してゆく。一方、エンジン1のオイルの温度(油温)は、図2に二点鎖線で示されるように冷却回路Rの冷却水の温度上昇よりも遅れて上昇し、エンジン始動完了後の所定期間xでは上記冷却水の温度よりも低い値になる。これは、エンジン1のオイルについては、保温容器14からウォータジャケット5に流入した温かい冷却水によって直接暖められることはなく、その温かい冷却水による温度上昇が少ないためである。
エンジン始動完了後、冷却回路Rの冷却水の温度が所定値a(例えば70℃)以上になってエンジン1が暖機完了した旨判断されると(タイミングT3)、回収処理として、切換弁3が切換位置Aに切り換えられる。このとき、エンジン1の油温は冷却回路Rの冷却水の温度よりも低くなっている。このため、上記回収処理が行われると、油温よりも高温となる冷却回路R内の冷却水がウォータポンプ6により供給通路16側から蓄熱回路Hに流入させられて保温容器14に蓄えられる。こうして保温容器14に回収された温かい冷却水は、次回のエンジン始動に際して上記と同様にエンジン1の暖機促進のためのプレヒート処理に用いられる。上述したように冷却回路Rの冷却水を保温容器14に回収することで、同容器14内の冷却水の温度が上昇し、冷却回路R内の冷却水の温度に近づいてゆく。
ただし、冷却回路R内の冷却水の温度はサーモスタット10の動作により例えば70℃〜80℃といった範囲に収まるように調節されるため、冷却回路R内の冷却水を蓄熱回路Hの保温容器14に回収するだけでは、その冷却水の温度(70℃〜80℃)以上の温度の冷却水を保温容器14に蓄えることはできない。このため、プレヒート処理に伴い保温容器14内の冷却水をウォータジャケット5に流したとき、外気温等によってはエンジン1の暖機に十分に寄与するほど冷却回路Rの冷却水の温度を上昇させることができないおそれがある。言い換えれば、保温容器14の冷却水をウォータジャケット5に流すことによるエンジン1の暖機性改善が不十分になるおそれがある。
そこで、本実施形態では、上述したように冷却回路Rの冷却水の保温容器14への回収を行った後、オイルクーラ17の温度、言い換えればオイルクーラ17を通過するオイルとの間で熱交換がなされる昇温通路18の冷却水温が、保温容器14内の冷却水温以上になった旨判断されるとき(タイミングT4)、切換弁3を切換位置Bに切り換える。更に、この状態で電動ポンプ13を駆動する。上記オイルの温度(油温)は、図2に二点鎖線で示されるように、エンジン暖機完了時点(タイミングT3)よりも後で冷却回路Rの冷却水温(保温容器14の冷却水温)以上に上昇する。このため、上記昇温通路18の冷却水の温度も、エンジン暖機完了時点よりも後で冷却回路Rの冷却水温(破線)、即ち保温容器14内の冷却水温(実線)以上に上昇する。そして、昇温通路18の冷却水温が保温容器14内の冷却水温以上になってから、切換弁3が切換位置Bに切り換えられる。
こうして切換弁3が切換位置Bに切り換えられると、蓄熱回路H内の冷却水が電動ポンプ13の駆動を通じて昇温回路Sに流される。そして、蓄熱回路Hから昇温回路Sに流された冷却水は、昇温通路18を通過する際にオイルクーラ17からの熱を受けて冷却回路Rの冷却水温(保温容器14内の冷却水温)以上に暖められ、その後に蓄熱回路Hに戻されて保温容器14に回収される。従って、保温容器14内の冷却水の温度は、図2に実線で示されるように冷却回路Rの冷却水の温度(破線)以上に上昇し、エンジン1の油温(二点鎖線)に近づくようになる。以上のように、保温容器14に冷却回路Rの冷却水よりも高温の冷却水を回収することができるため、次回のエンジン暖機時に保温容器14の冷却水をウォータジャケット5に流す際、エンジン1の暖機性改善が不十分になるのを抑制することができる。
次に、エンジン始動に際して保温容器14の冷却水をウォータジャケット5に流入させるプレヒート処理の実行手順、及びエンジン暖機完了後に保温容器14に温かい冷却水を回収する回収処理の実行手順について、暖機処理ルーチンを示す図3のフローチャートを参照して説明する。この暖機処理ルーチンは、エンジン1が始動開始されると判断されるとき、例えばドアセンサ20からのドア開状態に対応した信号が出力されたとき、電子制御装置19を通じて実行開始されることとなる。
エンジン停止中においては、初期状態として、切換弁3が切換位置Bに保持されるとともに電動ポンプ13が停止状態に保持され、保温容器14内に存在する冷却水のウォータジャケット5への流出が防止される。この状態で、自動車のドアが開かれると、エンジン1が始動開始される旨判断され、暖機処理ルーチンが開始される。同ルーチンにおいては、まずプレヒート処理が実行される。即ち、切換弁3が切換位置Aに切り換えられるとともに電動ポンプ13が駆動される(S101、S102)。これにより、保温容器14の冷却水がウォータジャケット5に流され、エンジン1が暖められる。
続いて、エンジン1の始動が完了したか否か、例えばエンジン回転速度がアイドル回転速度よりも所定値以上高い値に達したか否かが判断される(S103)。ここで肯定判定がなされると、切換弁3が切換位置Bに切り換えられるとともに電動ポンプ13が停止される(S104、S105)。これにより、上記プレヒート処理の実行に伴い保温容器14に流入した冷たい冷却水が、ウォータジャケット5に流出するのを抑制することができる。
その後、エンジン1の暖機が完了したか否か、例えば冷却回路Rの水温が所定値a以上になったか否かが判断される(S106)。ここで肯定判定がなされると、回収処理が実行される。即ち、切換弁3が切換位置Aに切り換えられるとともに電動ポンプ13が停止状態に維持される(S107、S108)。これにより、冷却回路R内の冷却水が供給通路16側から蓄熱回路Hに流入し保温容器14に回収される。更に、ステップS109〜S111では、より高温の冷却水を保温容器14に回収するための処理が実行される。
即ち、この一連の処理として、まず高温水回収条件が成立しているか否かが判断される(S109)。ここで、高温水回収条件が成立したか否かは、例えば回収処理を開始した時点(タイミングT3)から、昇温通路18の冷却水が保温容器14の冷却水の温度(冷却回路Rの冷却水の温度)以上になるのに必要な時間tが経過したか否かに基づき判断される。そして、ステップS109で肯定判定がなされると、切換弁3が切換位置Bに切り換えられ(S110)、保温容器14への昇温回路Sからの冷却水の回収が可能とされる。更に、電動ポンプ13の駆動によって保温容器14への昇温回路Sからの冷却水の回収が行われるが、その際には保温容器14内の冷却水の温度を上昇させる上で必要以上に電動ポンプ13が駆動されないよう同ポンプ13が制御される(S111)。具体的には、電動ポンプ13のオン・オフが繰り返され、無駄に電動ポンプ13の駆動が行われないようにされる。このように電動ポンプ13を駆動制御することで、保温容器14の冷却水の温度が、図2にタイミングT4以降の実線で示されるよう、エンジン1の油温に近づいてゆく。
以上のように回収処理が行われているとき、ステップS112において回収停止処理条件が成立しているか否かが判断される。ここで、回収停止処理条件が成立したか否かは、例えば昇温回路Sから保温容器14への冷却水の回収が開始された時点(タイミングT4)から、同容器14の冷却水の温度が油温に近い値に達するのに必要な時間が経過したか否かに基づき判断される。ここで肯定判定がなされると、電動ポンプ13が停止され(S113)、保温容器14に油温に近い温度(例えば130℃)の冷却水が保持される。そして、次回のエンジン暖機時には、この冷却水がウォータジャケット5に流されるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)エンジン暖機完了後、冷却回路Rの冷却水の温度が油温よりも高いときには、その冷却水が保温容器14に回収される。そして、保温容器14に上記冷却回路Rの冷却水を確保した上で、その冷却水に比べて昇温通路18の冷却水の温度が高温になった旨判断されると、昇温回路Sから保温容器14への冷却水の回収が開始される。このため、昇温通路18の冷却水の温度が保温容器14内の冷却水の温度よりも低い状態で、昇温回路Sの冷却水が保温容器14に回収され、同容器14内の冷却水の温度が低下してしまうことはない。従って、保温容器14内には、冷却回路Rの冷却水に比べて、より高温の冷却水が回収されるようになる。そして、エンジン暖機時には、上記のように回収された保温容器14内の冷却水がウォータジャケット5に流されてエンジン1の暖機が図られるため、エンジン1の暖機性改善が不十分になるのを抑制することができる。
(2)保温容器14に蓄えられた冷却回路Rの冷却水の温度に比べて、昇温通路18の冷却水の温度が高温になった旨の判断は、回収処理の開始時点(タイミングT3)から、昇温通路18の冷却水が保温容器14の冷却水の温度以上になるのに必要な時間tが経過したことに基づき的確に行われる。従って、昇温回路Sから保温容器14への冷却水の回収を、上記判断に基づいて的確なタイミングで開始することができる。
(3)昇温回路Sの昇温通路18を流れる冷却水は、エンジン1のオイルクーラ17を通過し、そこでの熱交換によりエンジン1のオイルから熱を受けて温度上昇する。このため、昇温通路18の冷却水を油温に近い温度まで上昇させることができ、その冷却水を保温容器14に回収することで、同容器14内に冷却回路Rの冷却水の温度よりも高温の冷却水を的確に蓄えることができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・エンジン1において、冷却回路Rの冷却水よりも高温になる部分としてエンジン1のオイルクーラ17を例示し、そこに昇温回路Sの冷却水を流すようにしたが、本発明はこれに限定されない。即ち、オイルクーラ17以外の部分であって冷却回路Rの冷却水よりも高温になる部分、例えばエンジン1の排気管周りや排気ポート周りに昇温通路18を設け、そこに昇温回路Sの冷却水を流すようにしてもよい。
・回収処理において、昇温通路18の冷却水の温度が保温容器14の冷却水の温度よりも高くなったか否かの判断については、温度センサを用いて行うこともできる。この場合、図1に示されるように、保温容器14内の冷却水の温度を検出する温度センサ24と、昇温通路18の冷却水の温度を検出する温度センサ25とが設けられる。そして、温度センサ25によって検出される温度が温度センサ24によって検出される温度よりも高くなったとき、昇温通路18の冷却水の温度が保温容器14の冷却水の温度よりも高くなった旨判断される。この場合も、上記(2)と同様の効果が得られるようになる。なお、当該判断として、この方法ではなく上記実施形態の方法を採用する場合には、温度センサ24,25を設けない分だけ冷却装置の構成を簡略化できるという効果がある。
・上記のように温度センサ24,25を設ける場合、それらセンサ24,25によって検出される温度に基づき、昇温回路Sから保温容器14への冷却水の回収を行う際の電動ポンプ13のオン・オフを制御してもよい。この場合、保温容器14内の冷却水の温度を上昇させる上で、必要以上に電動ポンプ13が駆動されないようにするための上記制御を一層的確に行うことができる。
・更に、上記のように温度センサ24,25を設ける場合、温度センサ25によって検出される温度が温度センサ24によって検出される温度に近くなったことを回収停止条件とし、その条件の成立時に保温容器14への冷却水の回収を停止するようにしてもよい。この場合、保温容器14に高温の冷却水を回収しつつ、無駄に電動ポンプ13が駆動し続けるのを的確に抑制することができる。
・切換弁3の位置については上記実施形態に限定されない。例えば、図4に示される位置に切換弁3を設けてもよい。この場合、蓄熱回路Hにおいて保温容器14と供給通路16との間に切換弁3が設けられ、その切換弁3に対し昇温回路Sが接続される。更に、通路2に対しては、蓄熱回路H及び昇温回路Sが直接的に接続される。そして、切換弁3を切換位置Aに切り換えることで、第1ポートP1と第2ポートP2とが連通して保温容器14と供給通路16とが繋がり、蓄熱回路Hが冷却回路Rに対して接続された状態になるとともに昇温回路Sに対しては遮断された状態になる。また、切換弁3を切換位置Bに切り換えることで、第2ポートP2と第3ポートP3とが連通し、蓄熱回路Hが昇温回路Sに対して接続された状態になるとともに、保温容器14と供給通路16との間が遮断されることから冷却回路Rに対しては遮断された状態になる。
本実施形態におけるエンジンの冷却装置全体を示す略図。 エンジンの始動開始前から暖機完了後に亘っての保温容器内の冷却水の温度、冷却回路内の冷却水の温度、及びエンジンのオイルの温度(油温)の推移を示すタイムチャート。 エンジン始動に際して保温容器の冷却水をウォータジャケットに流入させるプレヒート処理の実行手順、及びエンジン暖機完了後に保温容器に温かい冷却水を回収する回収処理の実行手順を示すフローチャート。 エンジンの冷却装置の他の例を示す略図。
符号の説明
1…エンジン、2…通路、3…切換弁、5…ウォータジャケット、6…ウォータポンプ、7…流入通路、8…流出通路、9…バイパス通路、10…サーモスタット、12…ラジエータ、13…電動ポンプ、14…保温容器、16…供給通路、17…オイルクーラ、18…昇温通路、19…電子制御装置(制御手段)、20…ドアセンサ、21…イグニッションスイッチ、22…水温センサ、23…エンジン回転速度センサ、24…温度センサ
25…温度センサ、R…冷却回路、H…蓄熱回路、S…昇温回路、P1…第1ポート、P2…第2ポート、P3…第3ポート。

Claims (5)

  1. 冷媒を循環させてエンジンのウォータジャケットを通過させる冷却回路と、エンジンによって加温された前記冷媒を保温して蓄える保温容器が設けられた蓄熱回路とを備え、エンジンの暖機に際して前記保温容器の冷媒を前記蓄熱回路から前記ウォータジャケットに流出させるエンジンの冷却装置において、
    エンジンの前記冷却回路の冷媒よりも高温になる部分に冷媒を流す昇温回路と、
    前記蓄熱回路を前記冷却回路と前記昇温回路との一方に選択的に接続すべく切り換え動作する切換弁と、
    エンジンの暖機完了後に前記保温容器への冷媒の回収を行う際、前記切換弁を前記蓄熱回路が前記冷却回路に接続されるよう切り換え、その後に前記蓄熱回路が前記昇温回路に接続されるよう切り換える制御手段と、
    を備えることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 前記制御手段は、前記切換弁を前記蓄熱回路が前記冷却回路に接続されるよう切り換えた後、前記昇温回路の冷媒の温度が前記保温容器の冷媒の温度以上になった旨判断されるとき、前記切換弁を前記蓄熱回路が前記昇温回路に接続されるよう切り換える
    請求項1記載のエンジンの冷却装置。
  3. 前記制御手段は、前記切換弁を蓄熱回路が冷却回路に接続されるよう切り換えた時点から、昇温回路の冷媒の温度が保温容器の冷媒の温度以上になるのに必要な時間が経過したことに基づき、前記昇温回路の冷媒の温度が前記保温容器の冷媒の温度以上になった旨判断する
    請求項2記載のエンジンの冷却装置。
  4. 前記制御手段は、前記保温容器の冷媒の温度を検出するセンサ、及び前記昇温回路の冷媒の温度を検出するセンサからの検出信号に基づき、前記昇温回路の冷媒の温度が前記保温容器の冷媒の温度以上になった旨判断する
    請求項2記載のエンジンの冷却装置。
  5. エンジンの前記冷却回路の冷媒よりも高温になる部分は、エンジンのオイルクーラである
    請求項1〜4のいずれかに記載のエンジンの冷却装置。
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