JP4069790B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に搭載される水冷式のエンジンの冷却装置は、冷媒が循環する冷却回路を備えている。この冷却回路として、特許文献1に示されるように、エンジンによって駆動されて同回路内の冷媒を循環させるウォータポンプと、同回路中の冷媒を冷却するラジエータと、ラジエータを介してエンジン本体に流入する冷媒の流量を制御する流量制御弁とを設けたものが知られている。
【0003】
ここで、エンジンを冷却する冷媒の温度については、流量制御弁によりラジエータを介してエンジン本体に流入する冷媒の流量を制御することによって調節される。なお、エンジンを冷却する冷媒の温度が高温になり、ラジエータから流出する冷媒の温度が上がると、ラジエータファンが作動してラジエータでの冷媒と空気との熱交換が促進され、冷媒が効率よく冷却されるようになる。
【0004】
また、上記特許文献1に示されるエンジンの冷却装置は、冷却回路に対し断接される蓄熱回路を備えており、この蓄熱回路にはエンジン本体から流出する高温の冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられている。
【0005】
この冷却装置では、冷えた状態からのエンジン始動時に蓄熱容器内の高温の冷媒をエンジン本体に流入させ、エンジンの暖機性能を高めるようにしている。また、エンジン暖機完了後、エンジン発熱量が多くなる高負荷時には、蓄熱回路を冷却回路に接続して同冷却回路内の冷媒の流量を増加し、同冷媒を温度上昇しにくくしてエンジンのオーバーヒートを抑制するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−295253号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンを冷却する冷媒の温度が高温になり、ラジエータから流出する冷媒の温度が上がると、ラジエータファンが作動して騒音の発生を招いたり、同ファンを作動させる分だけエンジンの燃費が悪化したりする。
【0008】
また、エンジンを冷却する冷媒の温度制御として、上記流量制御弁をエンジン負荷に応じて電子制御してエンジン高負荷時には冷媒温度を低中負荷時よりも低い値に制御し、ノッキング抑制や吸気充填効率向上を図る場合もある。この場合、高負荷時にエンジンを冷却する冷媒の温度を目標値まで低下させるとき、ラジエータから流出する冷媒の温度が高いと、ラジエータからエンジン本体に流入する冷媒の流量を多くしても、エンジンを冷却する冷媒の温度を直ちに低下させることはできない。このため、ノッキング抑制や吸気充填効率向上を図ることが困難になる。
【0009】
特許文献1においては、冷却回路内の冷媒の流量を多くして同冷媒を温度上昇しにくくし、エンジンのオーバヒートを抑制するようにしているが、これは単に上記冷媒の流量を多くするだけであって、エンジンを冷却する冷媒の温度を要求に応じて低下させるものではない。
【0010】
従って、ラジエータファンが作動しそうになったときに上記冷媒の温度を所定の値まで低下させたり、エンジンが高負荷運転となったときに上記冷媒の温度を低下させたりというように、冷媒の温度を制御することは困難である。このため、ラジエータファンの作動を抑制するという要求や、高負荷時のノッキング抑制や吸気充填効率向上といった要求を満たすことはできない。
【0011】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジンを冷却する冷媒の温度低下を、必要なときに的確に行うことのできるエンジンの冷却装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、前記冷却回路は、前記エンジン本体の冷媒の出口と前記ラジエータの冷媒の入口とをつなぐ第1通路と、前記ラジエータの冷媒の出口と前記エンジン本体の冷媒の入口とをつなぐ第2通路とを含むものであり、前記蓄熱回路は、前記第1通路と前記蓄熱容器の冷媒の入口とをつなぐ第3通路と、前記蓄熱容器の冷媒の出口と前記第2通路とをつなぐ第4通路とを含むものであって、前記第2通路において前記ラジエータの冷媒の出口と前記第4通路がつなげられる部位との間に設けられて前記ラジエータから流出した冷媒の温度を検出するセンサと、エンジン暖機完了後にこのセンサによる冷媒の温度に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段を備えることを要旨としている。
(2)請求項2に記載の発明は、エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、エンジン暖機完了後に前記ラジエータから流出する冷媒の温度に基づいて前記冷却回路の冷媒の温度を低下させる要求がある旨判断したとき、前記制御弁の制御を通じて前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段を備えることを要旨としている。
【0013】
エンジン暖機完了後に冷却回路の冷媒の温度低下を図る必要があるのは、ラジエータファンが作動しそうなときである。従って、ラジエータから流出する冷媒の温度に基づき蓄熱回路を冷却回路に対し断接するための制御弁を制御することで、例えばラジエータファンが作動しそうなときに蓄熱回路内の冷媒を冷却回路に流し、エンジンを冷却する冷媒の温度を的確に低下させることができる。このため、エンジンを冷却する冷媒の温度が高いときのラジエータファンの作動を抑制することができる。また、エンジン高負荷時にエンジンを冷却する冷媒の温度が低中負荷時よりも低い値に制御されるなど、ラジエータを介してエンジン本体に流入する冷媒の流量をエンジン負荷に応じて制御する流量制御弁が設けられたものにあっては、エンジン高負荷時のラジエータから流出する冷媒の温度が高いときに冷却回路の冷媒の温度低下を図る必要があるが、このときにも上記制御弁の制御によって蓄熱容器内の冷媒を冷却回路に流し、エンジンを冷却する冷媒の温度を的確に低下させることができる。このため、高負荷時にノッキング抑制や吸気充填効率向上を図ることができる。以上のように、ラジエータから流出する冷媒の温度に基づき上記制御弁を制御することで、蓄熱容器内の冷媒を必要なときに冷却回路に流し、エンジンを冷却する冷媒の温度低下を必要なときに的確に行うことができる。
【0014】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエンジンの冷却装置において、前記制御手段は、前記ラジエータから流出する冷媒の温度がラジエータファンを作動させる温度であることに基づいて、前記冷却回路の冷媒の温度を低下させる要求がある旨判断することを要旨としている。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のエンジンの冷却装置において、前記冷却回路は、前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量をエンジン負荷に応じて制御する流量制御弁を含むものであり、前記制御手段は、前記ラジエータから流出する冷媒の温度が、前記流量制御弁の制御によってはエンジン高負荷時における前記冷却回路の冷媒の温度をノッキングの抑制または吸気充填効率の向上を実現する程度にまで低下させることが困難となる温度であることに基づいて、前記冷却回路の冷媒の温度を低下させる要求がある旨判断することを要旨としている。
【0015】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、前記冷却回路は、前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量をエンジン負荷に応じて制御する流量制御弁を含むものであり、前記制御手段は、エンジン負荷に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させるものであることを要旨としている。
高負荷時にエンジンを冷却する冷媒の温度を低中負荷時よりも低い値に制御するなど、ラジエータを介してエンジン本体に流入する冷媒の流量をエンジン負荷に応じて制御する流量制御弁が設けられたものにあっては、蓄熱容器から冷却回路への冷媒の流出が必要になるラジエータから流出する冷媒の温度が高負荷時には低中負荷時に比べて低いものとなる。この点、上記発明によれば、エンジン負荷に基づき制御弁が制御されて蓄熱容器から冷却回路への冷媒の流出が行われるため、その流出を必要なときだけに的確に行い、蓄熱容器内の冷媒が無駄に流出されるのを抑制することができる。
【0016】
(6)請求項6に記載の発明は、エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、前記冷却回路に設けられて、前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量をエンジン負荷に応じて制御する流量制御弁と、エンジン暖機完了後に、前記ラジエータから流出する冷媒の温度及びエンジン負荷に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段とを備えることを要旨としている。
【0017】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、前記制御手段は、前記蓄熱容器内の冷媒の温度が所定値よりも高いときには、前記制御弁の制御による前記蓄熱容器から前記冷却回路への冷媒の流出を禁止することを要旨としている。
蓄熱容器内の冷媒の温度が高く、同冷媒の冷却回路への流出がエンジンを冷却する冷媒の温度低下に寄与しない場合に、蓄熱容器から冷却回路への冷媒の流出を禁止することができる。このため、蓄熱容器から冷却回路に冷媒を流出させるときには、エンジンを冷却する冷媒の温度を的確に低下させることができる。
【0018】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、前記蓄熱回路は、前記蓄熱容器の冷媒の出口と前記冷却回路のエンジン本体上流部分とを接続する通路を含んで構成されるものであり、前記制御弁は、前記冷却回路に対する前記蓄熱回路の断接に併せて、前記蓄熱容器内の冷媒が前記通路を介して前記エンジン本体に流出することを制御するものであることを要旨としている。
上記構成によれば、エンジン始動時における蓄熱容器内の高温の冷媒の冷却回路への流出と、エンジンを冷却する冷媒の温度を低下させる際における蓄熱容器内の冷媒の冷却回路への流出とを、共通の通路を用い且つ共通の制御弁の制御を通じて実現することができる。
【0019】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、前記蓄熱回路は、前記蓄熱容器の冷媒の出口と前記冷却回路のラジエータ上流部分とを接続する通路を含んで構成されるものであり、前記制御弁は、前記冷却回路に対する前記蓄熱回路の断接に併せて、前記蓄熱容器内の冷媒が前記通路を介して前記ラジエータに流出することを制御するものであることを要旨としている。
上記構成によれば、制御弁の制御によって蓄熱容器内の冷媒がラジエータ上流部分に流出するため、ラジエータから流出する冷媒の温度が応答性よく低下し、エンジンを冷却する冷媒の温度に基づき作動されるラジエータファンの作動をより好適に抑制できるようになる。
【0020】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、前記冷却回路のラジエータ下流部分と前記蓄熱容器の冷媒の入口とを接続する通路を更に備えることを要旨としている。
ラジエータにて冷却された冷媒を上記通路を介して蓄熱容器に流入させることができる。このため、エンジン暖機完了後であっても、蓄熱容器内に低温の冷媒を回収して蓄えることができる。従って、蓄熱容器内の低温の冷媒を使い切った場合でも、この蓄熱容器内に再度低温の冷媒を蓄えることができる。
【0021】
(11)請求項11に記載の発明は、エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、エンジン暖機完了後に、前記ラジエータから流出する冷媒の温度に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる処理と、前記蓄熱容器内の冷媒の温度が所定値よりも高いときには、前記制御弁の制御による前記蓄熱容器から前記冷却回路への冷媒の流出を禁止する処理とを行う制御手段を備えることを要旨としている。
【0022】
(12)請求項12に記載の発明は、エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、
前記蓄熱回路は、前記蓄熱容器の冷媒の出口と前記冷却回路のラジエータ上流部分とを接続する通路を含んで構成されるものであって、前記制御弁は、前記冷却回路に対する前記蓄熱回路の断接に併せて、前記蓄熱容器内の冷媒が前記通路を介して前記ラジエータに流出することを制御するものであり、エンジン暖機完了後に、前記ラジエータから流出する冷媒の温度に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段を備えることを要旨としている。
【0023】
(13)請求項13に記載の発明は、エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、エンジン暖機完了後に、前記ラジエータから流出する冷媒の温度に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段と、前記冷却回路のラジエータ下流部分と前記蓄熱容器の冷媒の入口とを接続する通路とを備えることを要旨としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車に搭載されるエンジンの冷却装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0025】
図1に示されるように、エンジン1の冷却装置は、冷却水によってエンジン1を冷却する冷却回路2と、高温の冷却水によって他の機器の加熱を行うヒータ回路3と、高温の冷却水を次回のエンジン始動時まで蓄えておく蓄熱回路4とを備えている。
【0026】
冷却回路2には、エンジン1により駆動されて当該回路内の冷却水を循環させるウォータポンプ5と、上記冷却水を冷却するラジエータ6と、ラジエータ6からエンジン1に流入する冷却水の流量を調整する流量制御弁7とが設けられている。同流量制御弁7は、冷却回路2においてラジエータ6を通過して流れる冷却水の流量とラジエータ6を迂回して流れる冷却水の流量とを弁開度の変更によって調整するものである。そして、流量制御弁7の弁開度が大になるほど、ラジエータ6からエンジン1の本体に流れる冷却水の流量が多くなり、エンジン1の冷却効率が高められるようになる。こうした流量制御弁7の弁開度の制御は、エンジン1の発熱量に関係するパラメータであるエンジン負荷等に基づいて行われることとなる。なお、冷却回路2内の冷却水の温度が所定値以上に高くなる場合には、ラジエータ6での空気と冷却水との熱交換を促進すべくラジエータファン6aが作動され、ラジエータ6を通過する冷却水の温度低下が図られる。
【0027】
ヒータ回路3には、自動車の室内温度を調整する空調装置の空調用空気が流れるヒータコア8と、自動車に搭載される自動変速機の作動油(オートマチックトランスミッションフルード)が流れるATFウォーマ9とが設けられている。そして、上記空調用空気やオートマチックトランスミッションフルードが冷えた状態にあるときにヒータ回路3に高温の冷却水が流れると、ヒータコア8及びATFウォーマ9を高温の冷却水が通過するようになる。このとき、ヒータコア8では当該冷却水と空調用空気との間で熱交換が行われて空調用空気が暖められ、ATFウォーマ9では当該冷却水とオートマチックトランスミッションフルードとの間で熱交換が行われて同フルードが暖められる。
【0028】
蓄熱回路4には、バッテリの電力をもとに駆動されて当該回路4内の冷却水の圧送を行う電動ポンプ11と、同回路4に流入した冷却水を外部に対し断熱した状態で蓄える蓄熱容器12とが設けられている。そして、エンジン1の運転中に蓄熱回路4に高温の冷却水が流れると、その冷却水が蓄熱容器12に保温された状態で蓄えられるようになる。蓄熱容器12に蓄えられた高温の冷却水は、例えば次回のエンジン始動時など冷却回路2やヒータ回路3における冷却水の水温が低いとき、上記エンジン1、ヒータコア8、及びATFウォーマ9を暖めるのに用いられる。
【0029】
なお、上記ヒータ回路3のヒータコア8よりも下流側の部分、及び上記蓄熱回路4における蓄熱容器12の出口よりも下流側の部分は、共通の通路10によって構成されている。そして、同通路10は冷却回路2のエンジン上流、即ち流量制御弁7とエンジン1との間の部分であって且つウォータポンプ5の上流に接続されている。
【0030】
エンジン1の冷却装置には、冷却回路2、ヒータ回路3、及び蓄熱回路4の間の断接状態を変更する三方弁13が設けられている。こうした断接状態の変更は、三方弁13を以下に示す[基本切換位置]、[第1切換位置]、[第2切換位置]、[第3切換位置]の四つの切換位置のいずれかに選択的に切り換え、第1ポートP1、第2ポートP2、及び第3ポートP3の連通状態を変更することによって実現される。ここで、三方弁13の各切換位置が選択されたときの冷却回路2、ヒータ回路3、及び蓄熱回路4の間の断接状態について、各切換位置毎に説明する。
【0031】
[基本切換位置]
基本切換位置では、第1ポートP1と第2ポートP2との間が連通した状態となる。この場合、ヒータ回路3が冷却回路2に対し接続された状態になるとともに、蓄熱回路4が冷却回路2に対し遮断された状態になり、冷却回路2の冷却水をヒータ回路3に流入させることが可能になる。このようにヒータ回路3内への冷却水の流入が行われると、ヒータ回路3内に存在する冷却水は、冷却回路2における流量制御弁7とエンジン1との間の部分であって且つウォータポンプ5の上流に流出させられる。
【0032】
[第1切換位置]
第1切換位置では、第2ポートP2と第3ポートP3との間が連通した状態となる。この場合、ヒータ回路3と蓄熱回路4とが共に冷却回路2に対し遮断された状態になるとともに、蓄熱回路4がヒータ回路3に対して接続された状態になり、蓄熱回路4内の冷却水をヒータ回路3のヒータコア8に流入させることが可能になる。このようにヒータ回路3への冷却水の流入が行われると、ヒータコア8等に存在する冷却水が蓄熱回路4に流出させられる。
【0033】
[第2切換位置]
第2切換位置では、第1ポートP1と第3ポートP3との間が連通した状態となる。この場合、ヒータ回路3が冷却回路2に対し遮断された状態になるとともに、蓄熱回路4が冷却回路2に対し接続された状態になり、冷却回路2内の冷却水を蓄熱回路4に流入させることが可能になる。このように蓄熱回路4内への冷却水の流入が行われると、蓄熱回路4内の冷却水は、冷却回路2における流量制御弁7とエンジン1との間の部分であって且つウォータポンプ5の上流に流されることとなる。
【0034】
[第3切換位置]
第3切換位置では、全てのポートP1〜P3の間が連通した状態になる。この場合、ヒータ回路3と蓄熱回路4とが共に冷却回路2に対し接続された状態になるとともに、ヒータ回路3と蓄熱回路4とも互いに接続された状態になる。従って、冷却回路2内の冷却水をヒータ回路3及び蓄熱回路4に流入させたり、蓄熱回路4内の冷却水をヒータ回路3及びエンジン1に流入させたりすることが可能になる。冷却回路2からヒータ回路3及び蓄熱回路4への冷却水の流入が行われる場合、ヒータ回路3及び蓄熱回路4内に存在する冷却水は、冷却回路2における流量制御弁7とエンジン1との間の部分であって且つウォータポンプ5の上流に流出させられる。また、蓄熱回路4からヒータ回路3及びエンジン1への冷却水の流入が行われる場合、ヒータ回路3及びエンジン1内に存在する冷却水が蓄熱回路4に流出させられる。
【0035】
次に、エンジン1の冷却装置の電気的構成について説明する。
同冷却装置は、エンジン1の運転制御を行うべく自動車に搭載された電子制御装置(ECU)14を備えている。この電子制御装置14は、ラジエータファン6a、流量制御弁7、電動ポンプ11、及び三方弁13を駆動制御する。また、電子制御装置14には、以下に示される各種センサからの検出信号が入力される。
【0036】
・冷却回路2においてエンジン1から流出する冷却水の温度(水温THW1)を検出するエンジン水温センサ15。
・ラジエータ6から流出した冷却水の温度(水温THW2)を検出するラジエータ水温センサ16。
【0037】
・蓄熱回路4における蓄熱容器12の下流側の水温を蓄熱容器12内の冷却水の温度(水温THW4)として検出する蓄熱容器水温センサ17。
電子制御装置14は、エンジン始動時、即ちエンジン1の始動要求があってからエンジン1が暖機完了するまでの間、蓄熱容器12内に保温して蓄えられている高温の冷却水で、冷えた状態にあるエンジン1、ヒータコア8、及びATFウォーマ9等を暖めるための処理を実行する。なお、エンジン1の始動要求があったか否かについては、例えば運転者によるイグニッションスイッチの始動操作がなされたか否かに基づき判断することが可能である。
【0038】
エンジン始動時にエンジン1及びATFウォーマ9を暖める場合には、通常は基本切換位置とされる三方弁13を第2切換位置に切り換え、第1ポートP1と第3ポートP3との間が連通させられるとともに、電動ポンプ11の駆動に基づき蓄熱回路4内の冷却水が圧送させられる。これにより、蓄熱容器12内の高温の冷却水が、蓄熱回路4の通路10を通じて、ATFウォーマ9に流出させられるとともに冷却回路2のエンジン1の上流に流出させられる。そして、この冷却水がATFウォーマ9及びエンジン1を通過する際の熱交換によって、冷えた状態にあるATFウォーマ9及びエンジン1が暖められるようになる。
【0039】
また、エンジン始動時にヒータコア8を暖める場合には、通常は基本切換位置とされる三方弁13を第1切換位置に切り換え、第2ポートP2と第3ポートP3との間が連通させられるとともに、電動ポンプ11の駆動に基づき蓄熱回路4内の冷却水が圧送させられる。これにより、蓄熱容器12内の高温の冷却水が、ヒータ回路3のヒータコア8に流出させられる。そして、この冷却水がヒータコア8を通過する際の熱交換によって、冷えた状態にあるヒータコア8が暖められるようになる。
【0040】
上述したようにエンジン1及びATFウォーマ9を暖める場合であれ、ヒータコア8を暖める場合であれ、高温の冷却水をエンジン1、ATFウォーマ9、及びヒータコア8に流出させると、それらの内部に存在していた低温の冷却水が蓄熱回路4に押し出されて蓄熱容器12に回収される。そこで、次回のエンジン始動時までに蓄熱容器12に高温の冷却水を蓄えるために、エンジン1の運転中又は停止時に三方弁13を基本切換位置から第2切換位置に切り換え、エンジン1から流出する高温の冷却水を蓄熱容器12に回収する。また、蓄熱容器12に回収された冷却水は、エンジン暖機完了後、冷却回路2内の冷却水の温度が蓄熱容器12内の冷却水の温度よりも相対的に高くなるときに、冷却回路2内の冷却水の温度を低下させるのに用いられる。ここで、冷却回路2内の冷却水の温度を低下させるときとしては、ラジエータ6から流出する冷却水の温度が高くなるときである。
【0041】
即ち、ラジエータファン6aは、冷却回路2内の冷却水の温度が所定値以上に上昇するとき、つまりラジエータ6から流出する冷却水の温度が所定値以上に高くなるとき、冷却回路2内の冷却水の温度低下を図るべく作動する。しかし、このときのラジエータファン6aの作動に伴う騒音やエンジン1の燃費悪化は避けられない。こうした騒音の発生やエンジン1の燃費悪化を抑制するには極力ラジエータファン6aを作動させないようにすることが好ましいが、そのためにはラジエータファン6aが作動しそうなときに冷却回路2内の冷却水の温度を低下させる必要がある。
【0042】
また、エンジン1を冷却する冷却水の温度は、エンジン高負荷時にはノッキング抑制や吸気充填効率向上の観点から低中負荷時よりも低い値に制御することが好ましい。この冷却水の温度制御を実現すべく、エンジン負荷に応じてエンジン高負荷時にはラジエータ6からエンジン1に流入する冷却水の流量が増加するよう、流量制御弁7が電子制御される。しかし、ラジエータ6から流出する冷却水の温度が高いと、ラジエータ6からエンジン1に流入する冷却水の流量を増やしたとしても、エンジン1を冷却する冷却水の温度を低下させることは困難である。こうしたエンジン高負荷時にも冷却回路2内の冷却水の温度を低下させる必要がある。
【0043】
従って、本実施の形態では、上述したことを考慮して、ラジエータ6から流出する冷却水の温度に基づき三方弁13を制御し、蓄熱容器12に回収された冷却水の冷却回路2への流出を行うようにする。そして、冷却回路2内の冷却水の温度を低下させる要求に対して蓄熱容器12に回収された冷却水を冷却回路2内の冷却水の温度を低下させるのに用いるようにしている。
【0044】
即ち、ラジエータ6から流出する冷却水の温度に基づきラジエータファン6aが作動する可能性のある旨判断される場合には、三方弁13が基本切換位置から第2切換位置に切り換えられて第1ポートP1と第3ポートP3との間が連通させられる。これにより、冷却回路2においてエンジン1の下流に存在する冷却水が蓄熱回路4に流れ込み、蓄熱容器12内の冷却水が通路10を介して冷却回路2におけるエンジン1の上流に流出させられる。その結果、エンジン1を冷却する冷却水の温度をラジエータファン6aが作動しない値未満に的確に低下させることができ、ラジエータファン6aの作動を抑制して同作動に伴う騒音や燃費悪化を極力抑制することができる。
【0045】
また、エンジン高負荷時にあっては、ラジエータ6から流出する冷却水の温度が所定値以上である旨判断される場合に、三方弁13が基本切換位置から第2切換位置に切り換えられて第1ポートP1と第3ポートP3との間が連通させられる。これにより、上記と同様に蓄熱容器12内の低温の冷却水が通路10を介して冷却回路2におけるエンジン1の上流に流出させられる。その結果、エンジン1を冷却する冷却水の温度を低中負荷時よりも低い所定の値まで的確に低下させることができ、高負荷時のノッキング抑制や吸気充填効率向上を図ることができる。
【0046】
以上のように、ラジエータ6から流出する冷却水の温度に基づき三方弁13を制御することで、蓄熱容器12内の冷却水を必要なときに冷却回路2に流し、エンジン1を冷却する冷却水の温度低下を必要なときに的確に低下させることができる。また、エンジン1を冷却する冷却水の温度を低下させる必要のないときに蓄熱容器12から冷却水が冷却回路2に流され、この冷却水が無駄に流出されるのを抑制することもできる。
【0047】
次に、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流す手順について、冷却水制御ルーチンを示す図2のフローチャートを参照して説明する。この冷却水制御ルーチンは、電子制御装置14を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0048】
冷却水制御ルーチンにおいては、まず蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況であるか否かが判断される(ステップS101〜S105)。そして、上記冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況である旨判断されると、三方弁13が第2切換位置に切り換えられ(S106)、ウォータポンプ5による冷却水の蓄熱回路4への圧送が行われる。これにより、蓄熱容器12内の冷却水が通路10を介して冷却回路2に流出させられ、エンジン1を冷却する冷却水の温度低下が図られる。また、上記冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況でない旨判断されると、三方弁13が基本切換位置に切り換えられ(S107)、上記冷却水の冷却回路2への流出は停止した状態とされる。
【0049】
以下、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況であるか否かを判断する処理(ステップS101〜S106)について説明する。
この処理では、エンジン暖機完了後に(S101:YES)、ラジエータファン6aの作動見込みがあるか否かが判断される(S102)。ここでは、例えば以下に示される各条件が全て成立したとき肯定判定がなされる。
【0050】
・エンジン1から流出する冷却水の温度(水温THW1)が所定値A以上。
・ラジエータ6から流出する冷却水の温度(水温THW2)が所定値B(B<A)以上。
【0051】
ステップS102で肯定判定であれば、エンジン1を冷却する冷却水の温度がラジエータファン6aの作動を招く可能性があるほど高い旨判断され、ステップS103に進む。また、ステップS102で否定判定であれば、エンジン1を冷却する冷却水の温度がラジエータファン6aの作動を招く可能性があるほど高くはないことになる。
【0052】
ステップS103の処理では、蓄熱容器12内の冷却水の温度(水温THW4)が所定値C以下であるか否かが判断される。この所定値Cとしては、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流したとき、エンジン1を冷却する冷却水の温度をラジエータファン6aの作動を抑制可能なレベルまで低下させることのできないほど、水温THW4が高温であるときの当該水温THW4の値を採用することが考えられる。また、所定値Cとして、水温THW2よりも所定値だけ低い値を採用することも可能である。ステップS103で肯定判定がなされると、上記ステップS106の処理が実行され、蓄熱容器12内の冷却水が通路10を介して冷却回路2に流出させられる。
【0053】
以上の処理により、水温THW1,THW2等に基づきラジエータファン6aが作動する可能性のある旨判断されるとき、上記冷却水の冷却回路2への流出によりエンジン1を冷却する冷却水の温度低下が図られることとなる。ただし、上記冷却水の温度(水温THW4)が所定値Cよりも高いときには(S103:NO)、その冷却水の冷却回路2への流出は禁止される。
【0054】
一方、ステップS102とステップS103とのいずれかで否定判定がなされると、エンジン1が高負荷高水温状態にあるか否かが判断される(S104)。ここでは、例えば以下に示される各条件が全て成立したとき肯定判定がなされることとなる。
【0055】
・エンジン負荷が所定値D以上。
・水温THW2が所定値E(E<B)以上。
ステップS104で肯定判定であれば、エンジン高負荷時であって、流量制御弁7の制御によってはエンジン1を冷却するための冷却水の温度をノッキング抑制や吸気充填効率向上を実現可能なレベルまで低下させるのが困難なほど、ラジエータ6から流出する冷却水の温度が高い旨判断され、ステップS105に進む。また、ステップS104で否定判定であれば、ノッキング抑制や吸気充填効率向上を図る必要がないほどエンジン負荷が低いか、或いは、ノッキング抑制や吸気充填効率向上のためにエンジン1を冷却する冷却水の温度を低下させる必要がないほど同温度が低い状態かのいずれかということになる。なお、上記所定値Dとしては、例えば図3に実線で示されるようにエンジン回転速度に応じて可変とされる値が採用される。同図において破線は、エンジン回転速度の変化に対するエンジン全負荷の推移を示すものである。
【0056】
ステップS105の処理では、水温THW4が所定値F以下であるか否かが判断される。この所定値Fとしては、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流したとき、エンジン1を冷却する冷却水の温度を高負荷時のノッキング抑制や吸気充填効率向上を実現可能なレベルまで低下させることのできないほど、水温THW4が高温であるときの当該水温THW4の値を採用することが考えられる。また、所定値Fとして、水温THW2よりも所定値だけ低い値を採用することも可能である。この場合、所定値Fを上記所定値Cよりも小さい値とすることが好ましい。ステップS105で肯定判定がなされると、上記ステップS106の処理が実行され、蓄熱容器12内の冷却水が通路10を介して冷却回路2に流出させられる。
【0057】
以上の処理により、水温THW2等に基づき、エンジン高負荷時におけるノッキング抑制や吸気充填効率向上を図るための冷却水の温度低下が流量制御弁7の制御によっては実現困難な旨判断されるとき、上記冷却水の冷却回路2への流出によりエンジン1を冷却する冷却水の温度低下が図られることとなる。ただし、上記冷却水の温度(水温THW4)が所定値Fよりも高いときには(S105:NO)、その冷却水の冷却回路2への流出は禁止される。
【0058】
ところで、上記ノッキング抑制や吸気充填効率向上を意図した上記低温の冷却水の冷却回路2への流出は、エンジン負荷が所定値D以上という条件のもとでは水温THW2が所定値E以上のときに必要になる。これに対し、エンジン負荷が所定値D未満であるときには、ノッキングが発生しにくく且つ吸気充填効率向上を考慮しなくてもよいことから、水温THW2が高くても上記冷却水の冷却回路2への流出を行う必要性は小さい。こうしたエンジン負荷に対するノッキングや吸気充填効率の特性等を考慮して、流量制御弁7の制御を通じてエンジン負荷に応じたエンジン1を冷却する冷却水の温度制御が行われ、エンジン高負荷時には低中負荷時よりも上記冷却水の温度が低い値に制御されるのである。
【0059】
ただし、このように流量制御弁7をエンジン負荷に応じて制御するものにあっては、蓄熱容器12から冷却回路2への冷却水の流出が必要になる水温THW2が高負荷時には低中負荷時に比べて低いものになる。しかし、それに対応してエンジン負荷が所定値D以上であるか否かに基づき上述したとおり上記冷却水の冷却回路2への流出が行われるため、当該流出を必要なときだけ的確に行い、蓄熱容器12内の冷却水が無駄に流出されるのを抑制することができる。
【0060】
次に、ステップS106の処理に基づく三方弁13の切換態様、及び水温THW1,THW2,THW4の推移について、図4のタイムチャートを参照して説明する。
【0061】
ステップS106の処理により、それまで例えば基本切換位置となっていた三方弁13が図4(b)に示されるように第2切換位置に切り換えられると、蓄熱容器12内における冷却水の冷却回路2への流出が開始される。この冷却水の流出により、冷却回路2全体の冷却水の温度が低下し、水温THW1,THW2が図4(a)に実線で示されるように低下する。また、蓄熱容器12内の冷却水が冷却回路2に流出させられる際には、冷却回路2内の高温の冷却水が蓄熱回路4に押し出されて蓄熱容器12に流入するようになる。その結果、水温THW4は、図4(a)に一点鎖線で示されるように上昇する。
【0062】
この状態にあって、エンジン負荷、又は水温THW1,THW2,THW4のうちのいずれか一つが、ステップS102〜S105の判断処理の結果として、ステップS107に進むような値に達すると、同ステップS107の処理に基づき三方弁13が基本切換位置に切り換えられる。これにより、蓄熱容器12から冷却回路2への冷却水の流出が停止される。
【0063】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)エンジン暖機完了後に冷却回路2の冷却水の温度低下を図る必要があるのは、ラジエータファン6aが作動しそうなときやエンジン高負荷時にあってラジエータ6から流出する冷却水の温度が高くなるときである。従って、ラジエータ6から流出する冷却水の温度に基づき三方弁13を制御することで、ラジエータファン6aが作動しそうなときに蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流し、エンジン1を冷却する冷却水の温度を的確に低下させることができる。このため、エンジン1を冷却する冷却水の温度が高いときのラジエータファン6aの作動を抑制することができ、その作動に伴う騒音発生やエンジン1の燃費悪化を抑制することができる。また、エンジン高負荷時のラジエータ6から流出する冷却水の温度が高いときにも上記三方弁13の制御によって蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流し、エンジン1を冷却する冷却水の温度を的確に低下させることができる。このため、高負荷時にノッキング抑制や吸気充填効率向上を図ることができる。以上のように、ラジエータ6から流出する冷却水の温度に基づき三方弁13を制御することで、蓄熱容器12内の冷却水を必要なときに冷却回路2に流し、エンジン1を冷却する冷却水の温度低下を必要なときに的確に行うことができる。
【0064】
(2)エンジン高負荷時にエンジン1を冷却する冷却水の温度を低中負荷時よりも低い値に制御するなど、ラジエータ6を介してエンジン1に流入する冷却水の流量をエンジン負荷に応じて制御する流量制御弁7が設けられている。こうしたものにあっては、蓄熱容器12から冷却回路2への冷却水の流出が必要になる水温THW2が高負荷時に低中負荷時に比べて低いものとなる。しかし、それに対応してエンジン負荷が所定値D以上であるか否かに基づき上記冷却水の冷却回路2への流出が行われるため、当該流出を必要なときだけに的確に行い、蓄熱容器12内の冷却水が無駄に流出されるのを抑制することができる。
【0065】
(3)蓄熱容器12内の冷却水の温度(水温THW4)が所定値C,Fと高く、同冷却水の冷却回路2への流出が流量制御弁7を通じてのエンジン1を冷却する冷却水の温度低下に寄与しない場合には、蓄熱容器12から冷却回路2への冷却水の流出が禁止される。このため、蓄熱容器12から冷却回路2への冷却水の流出が行われる際には、エンジン1を冷却する冷却水の温度を的確に低下させることができる。
【0066】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図5〜図9に従って説明する。
この実施形態は、蓄熱容器12内に蓄えられた冷却水を冷却回路2におけるラジエータ6の上流部分に流してラジエータ6から流出する冷却水の温度を応答性よく低下させるとともに、エンジン暖機完了後の運転中にも蓄熱容器12に低温の冷却水を回収できるようにしたものである。
【0067】
図5は、本実施形態におけるエンジン1の冷却装置を示す略図である。この冷却装置においては、蓄熱回路4の蓄熱容器12よりも下流側の部分が通路10と通路18とに分岐しており、通路18は冷却回路2におけるラジエータ6の上流部分に接続されている。
【0068】
通路18の途中には、同通路18における冷却水の流通を許可・禁止すべく開閉動作する通水遮断弁19が設けられている。そして、通水遮断弁19の開弁時には、蓄熱回路4内の冷却水が通路18を介して冷却回路2におけるラジエータ6の上流部分に流出させられる。一方、通水遮断弁19の閉弁時には、蓄熱回路4内の冷却水が通路10を介して冷却回路2におけるエンジン1の上流部分に流出させられる。そして、通水遮断弁19は通常は閉弁状態とされる。
【0069】
また、蓄熱回路4は、冷却回路2におけるラジエータ6の下流部分と蓄熱容器12の入口とを接続する通路20を備えている。そして、この通路20を通じてラジエータ6から流出した冷却水を蓄熱容器12に向けて流すことが可能となっている。
【0070】
図6及び図7は、本実施形態の冷却水制御ルーチンを示すフローチャートである。同ルーチンでは、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させる処理が行われる他に、エンジン暖機完了後の運転中に低温の冷却水を蓄熱容器12に回収する処理も行われる。
【0071】
この冷却水制御ルーチンにおいても、まず蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況であるか否かが判断される(ステップS201〜S205:図6)。ここでの処理は第1実施形態の冷却水制御ルーチンのステップS101〜S105(図2)と同じである。
【0072】
そして、上記冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況である旨判断されると、通水遮断弁19が開弁され(S208)、続いて電動ポンプ11が駆動される(S209)。これにより、上記冷却水が通路18を介して冷却回路2に流出させられ、エンジン1を冷却する冷却水の温度低下が図られる。なお、このときの三方弁13の切換位置としては基本切換位置を維持するが、第2切換位置を選択してもよく、第1切換位置を選択してもよい。
【0073】
図8は、通水遮断弁19の開閉態様、電動ポンプ11の駆動態様、及び水温THW1,THW2,THW4の推移を示す。ステップS208,S209の処理により、通水遮断弁19が図8(b)に示されるように開弁状態に切り換えられるとともに、電動ポンプ11が図8(c)に示されるように駆動されると、蓄熱容器12内における冷却水の冷却回路2への流出が開始される。この冷却水の流出により、冷却回路2全体の冷却水の温度が低下し、水温THW1,THW2が図8(a)に実線で示されるように低下する。また、蓄熱容器12内の冷却水が冷却回路2に流出させられる際には、冷却回路2内の高温の冷却水が蓄熱回路4に押し出されて蓄熱容器12に流入するようになる。その結果、水温THW4は、図8(a)に一点鎖線で示されるように上昇する。
【0074】
この状態にあって、エンジン負荷、又は水温THW1,THW2,THW4のうちのいずれか一つが、ステップS202〜S205(図6)の判断処理の結果として、上記冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況でない旨判断される値に達すると、ステップS206に進むことになる。ステップS206の処理においては、蓄熱容器12に低温の冷却水を回収するための冷却水回収条件が成立しているか否かが判断される。ここでは、例えば以下に示される各条件が全て成立したとき肯定判定がなされる。
【0075】
・水温THW2が所定値G(G<E)以下。
・エンジン負荷が所定値D未満。
・水温THW4が所定値H(H>G)以上。
【0076】
ステップS206で肯定判定であれば、冷却回路2におけるラジエータ6の下流部分の冷却水を蓄熱容器12に回収することが可能である旨判断され、ステップS207以降の処理に進む。また、ステップS206で否定判定であれば、蓄熱容器12内の冷却水の温度が低い状態にあるか、或いはラジエータ6の下流側の冷却水の温度が高い状態であり、その冷却水の蓄熱容器12への回収を行わない方がよい状態ということになる。
【0077】
ステップS207の処理では、三方弁13の切換位置として基本切換位置が選択される。この状態で、ステップS208,S209の処理が行われることにより、蓄熱回路4内の冷却水が通路18を介してラジエータ6の下流部分に流出させられるとともに、ラジエータ6の下流部分の冷却水が通路20を介して蓄熱回路4に引き込まれて蓄熱容器12に回収される。
【0078】
図9は、三方弁13の切換態様、通水遮断弁19の開閉態様、電動ポンプ11の駆動態様、水温THW4の推移を示す。ステップS207の処理により、三方弁13が図9(b)に示されるように基本切換位置とされるとともに、この状態で、ステップS208,S209の処理により、通水遮断弁19が図9(c)に示されるように開弁状態に切り換えられ、電動ポンプ11が図9(d)に示されるように駆動される。以上の処理により、ラジエータ6の下流部分の冷却水が蓄熱回路4に引き込まれて蓄熱容器12に回収される。この蓄熱容器12への低温の冷却水の回収により、水温THW4が図9(a)に一点鎖線で示されるように低下する。
【0079】
この状態にあって、エンジン負荷、又は水温THW2,THW4のうちのいずれか一つが、ステップS206(図6)で否定判定がなされる値に達すると、ステップS210(図7)以降の処理に進むことになる。ステップS210では三方弁13の切換位置として基本切換位置が選択される。その後、通水遮断弁19が閉弁されるとともに(S211)、電動ポンプ11が停止させられる(S212)。このステップS210以降の処理により、蓄熱容器12から冷却回路2への冷却水の流出、及び冷却回路2から蓄熱容器12への冷却水の回収が停止される。
【0080】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(4)ラジエータ6から流出する冷却水の温度に基づき通水遮断弁19が制御され、蓄熱容器12内の冷却水が冷却回路2に流出させられる。このようにラジエータ6から流出する冷却水の温度に基づき通水遮断弁19を制御することで、ラジエータファン6aが作動しそうなときに蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流し、エンジン1を冷却する冷却水の温度を低下させることができる。このため、ラジエータファン6aの作動を抑制することができ、その作動に伴う騒音発生やエンジン1の燃費悪化を抑制することができる。また、エンジン高負荷時のラジエータ6から流出する冷却水の温度が高いときにも、上記通水遮断弁19の制御によって蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流し、エンジン1を冷却する冷却水の温度を低下させることができる。このため、高負荷時にノッキング抑制や吸気充填効率向上を図ることができる。以上のように、ラジエータ6から流出する冷却水の温度に基づき通水遮断弁19を制御することで、蓄熱容器12内の冷却水を必要なときに冷却回路2に流し、エンジン1を冷却する冷却水の温度低下を必要なときに的確に低下させることができる。
【0081】
(5)第1実施形態に記載した(2)及び(3)と同等の効果を得ることができる。
(6)蓄熱回路4に通路18及び通水遮断弁19を設け、通水遮断弁19を開弁して蓄熱容器12内の冷却水を通路18を介して冷却回路2に流出させることで、ラジエータ6の上流部分に上記冷却水が流れ込むことになる。このため、冷却回路2におけるラジエータ6から流出する冷却水の温度が応答性よく低下し、エンジン1を冷却する冷却水の温度に基づき作動されるラジエータファン6aの作動をより好適に抑制できるようになる。
【0082】
なお、第1実施形態のように通路18及び通水遮断弁19を設けない場合には、三方弁13の制御によって蓄熱容器12内の冷却水が通路10を介して冷却回路2に流出させられることとなる。この場合は、上記冷却水の冷却回路2への流出と、エンジン始動時における蓄熱容器12から冷却回路2への高温の冷却水の冷却回路2への流出とを、共通の通路10を用いて且つ一つの三方弁13を制御することによって実現することができ、冷却装置の構成が簡単になるという効果がある。
【0083】
(7)冷却回路2におけるラジエータ6の下流部分と蓄熱容器12の入口とを接続する通路20が設けられているため、この通路20を通じてラジエータ6の下流部分を流れる冷却水を蓄熱容器12に回収することが可能になる。従って、エンジン暖機完了後においても、低負荷時や低外気温時などラジエータ6から流出する冷却水の温度が比較的低くなる場合に、その冷却水を通路20を介して蓄熱容器12に回収して蓄えることができる。このため、エンジン暖機完了後に蓄熱容器12に蓄えられた低温の冷却水を使い切った場合でも、この蓄熱容器12に再度低温の冷却水を蓄えることができ、同容器12に蓄えられる低温の冷却水が不足して同冷却水を冷却回路2に流入させられなくなるのを極力抑制することができるようになる。
【0084】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図10〜図12に従って説明する。
この実施形態は、第2実施形態において、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させる際、その流出をウォータポンプ5を利用して行うようにしたものである。これにより、電動ポンプ11の駆動だけで上記低温の冷却水の回収を行う場合のように、電動ポンプ11を駆動する分だけエンジン1の燃費改善効果が低下するのを抑制することができる。
【0085】
図10は、本実施形態におけるエンジン1の冷却装置を示す略図である。この冷却装置においては、蓄熱回路4の通路10と通路18との分岐部分に三方弁21が設けられている。三方弁21は、蓄熱回路4から冷却回路2への冷却水の流出を通路10から行うか、或いは通路18から行うかを選択するためのものである。こうした通路の選択は、三方弁21を以下に示す[切換位置X]と[切換位置Y]との間で選択的に切り換え、ポートP4〜P6の連通状態を変更することによって実現される。ここで、三方弁21の各切換位置が選択されたときの蓄熱容器12の入口に対する通路10,18の断接状態について、各切換位置毎に説明する。
【0086】
[切換位置X]
切換位置Xでは、ポートP4とポートP6との間が連通した状態となる。この場合、通路18が蓄熱容器12の入口に対し接続された状態になり、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2におけるラジエータ6の上流部分に流出させることが可能になる。
【0087】
[切換位置Y]
切換位置Yでは、ポートP4とポートP5との間が連通した状態となる。この場合、通路10が蓄熱容器12の入口に対し接続された状態になり、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2におけるエンジン1の上流部分に流出させることが可能になる。
【0088】
図11は、本実施形態の冷却水制御ルーチンを示すフローチャートである。同ルーチンでは、エンジン暖機完了後の運転中に低温の冷却水を蓄熱容器12に回収する処理は行われない。
【0089】
この冷却水制御ルーチンにおいても、まず蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況であるか否かが判断される(ステップS301〜S305)。ここでの処理は第1実施形態の冷却水制御ルーチンのステップS101〜S105(図2)と同じである。
【0090】
そして、上記冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況である旨判断されると、三方弁13が第2切換位置に切り換えられ(S306)、三方弁21が切換位置Xに切り換えられる(S307)。この状態にあっては、ウォータポンプ5での冷却水の蓄熱回路4への圧送により、蓄熱容器12内の冷却水が通路18を介して冷却回路2に流出させられ、エンジン1を冷却する冷却水の温度低下が図られる。このときの三方弁13,21の切換位置の変化、及び水温THW1,THW2,THW4の推移を図12に示す。
【0091】
ステップS306,S307の処理により、三方弁13が図12(b)に示されるように第2切換位置に切り換えられるとともに、三方弁21が図12(c)に示されるように切換位置Xに切り換えられると、蓄熱容器12内における冷却水の冷却回路2への流出が開始される。この冷却水の流出により、冷却回路2全体の冷却水の温度が低下し、水温THW1,THW2が図12(a)に実線で示されるように低下する。また、蓄熱容器12内の冷却水が冷却回路2に流出させられる際には、冷却回路2内の高温の冷却水が蓄熱回路4に押し出されて蓄熱容器12に流入するようになる。その結果、水温THW4は、図12(a)に一点鎖線で示されるように上昇する。
【0092】
この状態にあって、エンジン負荷、又は水温THW1,THW2,THW4のうちのいずれか一つが、ステップS302〜S305(図11)の判断処理の結果として、上記冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況でない旨判断される値に達すると、ステップS308以降の処理が実行されることとなる。即ち三方弁13が基本切換位置に切り換えられ(S308)、三方弁21が切換位置Yに切り換えられる(S309)。このステップS308以降の処理により、蓄熱容器12から冷却回路2への冷却水の流出が停止される。
【0093】
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1)〜(3)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(8)三方弁13,21を制御して蓄熱容器12内の冷却水を通路18を介して冷却回路2に流出させることで、ラジエータ6の上流部分に上記冷却水が流れ込むことになる。このため、冷却回路2におけるラジエータ6から流出する冷却水の温度が応答性よく低下し、エンジン1を冷却する冷却水の温度に基づき作動されるラジエータファン6aの作動をより好適に抑制できるようになる。
【0094】
(9)蓄熱容器12内から冷却回路2への冷却水の流出をウォータポンプ5を利用して行うため、電動ポンプ11の駆動だけで上記冷却水の回収を行う場合のように、その駆動分だけエンジン1の燃費改善効果が低下するのを抑制することができる。
【0095】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図13〜図16に従って説明する。
この実施形態は、第1実施形態において、エンジン暖機完了後の運転中にも蓄熱容器12に低温の冷却水を回収できるようにしたものである。
【0096】
図13は、本実施形態におけるエンジン1の冷却装置を示す略図である。この冷却装置の蓄熱回路4は、冷却回路2におけるラジエータ6の下流部分と蓄熱容器12の入口とを接続する通路20を備えている。そして、この通路20を通じてラジエータ6から流出した冷却水を蓄熱容器12に向けて流すことが可能となっている。
【0097】
図14及び図15は、本実施形態は冷却水制御ルーチンを示すフローチャートである。同ルーチンでは、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させる処理が行われる他に、エンジン暖機完了後の運転中に低温の冷却水を蓄熱容器12に回収する処理も行われる。
【0098】
この冷却水制御ルーチンにおいても、まず蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況であるか否かが判断される(ステップS401〜S405:図14)。ここでの処理は第1実施形態の冷却水制御ルーチンのステップS101〜S105(図2)と同じである。
【0099】
そして、上記冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況である旨判断されると、三方弁13が第2切換位置に切り換えられ(S406)、ウォータポンプ5による冷却水の蓄熱回路4への圧送が行われる。これにより、蓄熱容器12内の冷却水が通路10を介して冷却回路2に流出させられ、冷却回路2全体の冷却水の温度が低下し、水温THW1,THW2が低下するようになる。また、蓄熱容器12内の冷却水が冷却回路2に流出させられる際には、冷却回路2内の高温の冷却水が蓄熱回路4に押し出されて蓄熱容器12に流入し、水温THW4が上昇するようになる。
【0100】
この状態にあって、エンジン負荷、又は水温THW1,THW2,THW4のうちのいずれか一つが、ステップS402〜S405の判断処理の結果として、上記冷却水を冷却回路2に流出させるべき状況でない旨判断される値に達すると、ステップS407に進むことになる。ステップS407の処理においては、蓄熱容器12に低温の冷却水を回収するための上述した冷却水回収条件が成立しているか否かが判断される。
【0101】
ここで肯定判定であれば、三方弁13の切換位置として基本切換位置が選択される(S408)。この状態で、電動ポンプ11が駆動されることにより(S409)、蓄熱回路4内の冷却水が通路10を介して冷却回路2に流出させられるとともに、ラジエータ6の下流部分の冷却水が通路20を介して蓄熱回路4に引き込まれて蓄熱容器12に回収される。
【0102】
図16は、三方弁13の切換態様、電動ポンプ11の駆動態様、水温THW4の推移を示す。ステップS408,S409の処理により、三方弁13が図16(b)に示されるように基本切換位置とされるとともに、この状態で、電動ポンプ11が図16(c)に示されるように駆動され、ラジエータ6の下流部分の冷却水が蓄熱回路4に引き込まれて蓄熱容器12に回収される。この蓄熱容器12への低温の冷却水の回収により、水温THW4が図16(a)に一点鎖線で示されるように低下する。
【0103】
この状態にあって、ステップS407(図14)で否定判定がなされる値に達すると、ステップS410(図15)以降の処理に進むことになる。ステップS410では三方弁13の切換位置として基本切換位置が選択され、ステップS411では電動ポンプ11が停止させられる。このステップS410以降の処理により、冷却回路2から蓄熱容器12への冷却水の回収が停止される。
【0104】
本実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1)〜(3)と同等の効果、及び第2実施形態に記載した(7)と同等の効果が得られるようになる。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
【0105】
・第1及び第4実施形態において、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させる際、三方弁13を第2切換位置に切り換える代わりに第3切換位置に切り換えてもよい。
【0106】
・第1及び第4実施形態において、ウォータポンプ5による冷却水の蓄熱回路4への圧送により、蓄熱容器12内の冷却水を冷却回路2に流出させる際、その流出を電動ポンプ11の駆動により補助してもよい。
【0107】
・第2実施形態において、通水遮断弁19に代えて第3実施形態のように三方弁21を設けてもよい。
・第2実施形態において、蓄熱容器12内における冷却水の冷却回路2への流出を電動ポンプ11の駆動によって行ったが、これをウォータポンプ5を利用して行ってもよい。この場合、三方弁13が第2切換位置に切り換えられ、ウォータポンプ5による冷却水の蓄熱回路4への圧送により、上記冷却水の流出が行われることとなる。
【0108】
・第2及び第3実施形態において、蓄熱容器12内における冷却水の冷却回路2への流出を常にラジエータ6の上流部分に対し行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、ラジエータファン6aが作動しそうなときの上記冷却水の流出については通路18を介してラジエータ6の上流部分に対し行い、エンジン高負荷時の上記冷却水の流出については通路10を介してエンジン1の上流部分に対し行うようにしてもよい。
【0109】
・第3実施形態において、三方弁21に代えて第2実施形態のように通水遮断弁19を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のエンジンの冷却装置を示す略図。
【図2】第1実施形態における蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる手順を示すフローチャート。
【図3】エンジン回転速度の変化に対する所定値Dの推移を示すグラフ。
【図4】(a)及び(b)は、蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる際、水温THW,THW2,THW4、及び三方弁の切換位置がどのように変化するかを示すタイムチャート。
【図5】第2実施形態のエンジンの冷却装置を示す略図。
【図6】第2実施形態における蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる手順、及び冷却回路における低温の冷却水を蓄熱容器に回収する手順を示すフローチャート。
【図7】第2実施形態における蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる手順、及び冷却回路における低温の冷却水を蓄熱容器に回収する手順を示す示すフローチャート。
【図8】(a)〜(c)は、蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる際、水温THW1.THW2,THW4、通水遮断弁の開閉状態、及び電動ポンプの駆動状態がどのように変化するかを示すタイムチャート。
【図9】(a)〜(d)は、低温の冷却水を蓄熱容器に回収する際、水温THW4、三方弁の切換位置、通水遮断弁の開閉状態、及び電動ポンプの駆動状態がどのように変化するかを示すタイムチャート。
【図10】第3実施形態のエンジンの冷却装置を示す略図。
【図11】第3実施形態における蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる手順を示すフローチャート。
【図12】(a)〜(c)は、蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる際、水温THW1.THW2,THW4、及び三方弁13,21の切換位置がどのように変化するかを示すタイムチャート。
【図13】第4実施形態のエンジンの冷却装置を示す略図。
【図14】第4実施形態における蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる手順、及び冷却回路における低温の冷却水を蓄熱容器に回収する手順を示すフローチャート。
【図15】第4実施形態における蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる手順、及び冷却回路における低温の冷却水を蓄熱容器に回収する手順を示すフローチャート。
【図16】(a)〜(c)は、蓄熱容器内の冷却水を冷却回路に流出させる際、水温THW1.THW2,THW4、三方弁の切換位置、及び電動ポンプの駆動態様がどのように変化するかを示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、2…冷却回路、3…ヒータ回路、4…蓄熱回路、5…ウォータポンプ、6…ラジエータ、6a…ラジエータファン、7…流量制御弁、8…ヒータコア、9…ATFウォーマ、10…通路、11…電動ポンプ、12…蓄熱容器、13…三方弁(制御弁)、14…電子制御装置(制御手段)、15…エンジン水温センサ、16…ラジエータ水温センサ、17…蓄熱容器水温センサ、18…通路、19…通水遮断弁(制御弁)、20…通路、21…三方弁(制御弁)、P1…第1ポート、P2…第2ポート、P3…第3ポート、P4〜P6…ポート。

Claims (13)

  1. エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、
    前記冷却回路は、前記エンジン本体の冷媒の出口と前記ラジエータの冷媒の入口とをつなぐ第1通路と、前記ラジエータの冷媒の出口と前記エンジン本体の冷媒の入口とをつなぐ第2通路とを含むものであり、前記蓄熱回路は、前記第1通路と前記蓄熱容器の冷媒の入口とをつなぐ第3通路と、前記蓄熱容器の冷媒の出口と前記第2通路とをつなぐ第4通路とを含むものであって、
    前記第2通路において前記ラジエータの冷媒の出口と前記第4通路がつなげられる部位との間に設けられて前記ラジエータから流出した冷媒の温度を検出するセンサと、
    エンジン暖機完了後にこのセンサによる冷媒の温度に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段を備える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、
    エンジン暖機完了後に前記ラジエータから流出する冷媒の温度に基づいて前記冷却回路の冷媒の温度を低下させる要求がある旨判断したとき、前記制御弁の制御を通じて前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段を備える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  3. 請求項2に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記制御手段は、前記ラジエータから流出する冷媒の温度がラジエータファンを作動させる温度であることに基づいて、前記冷却回路の冷媒の温度を低下させる要求がある旨判断する
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  4. 請求項2または3に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記冷却回路は、前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量をエンジン負荷に応じて制御する流量制御弁を含むものであり、
    前記制御手段は、前記ラジエータから流出する冷媒の温度が、前記流量制御弁の制御によってはエンジン高負荷時における前記冷却回路の冷媒の温度をノッキングの抑制または吸気充填効率の向上を実現する程度にまで低下させることが困難となる温度であることに基づいて、前記冷却回路の冷媒の温度を低下させる要求がある旨判断する
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記冷却回路は、前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量をエンジン負荷に応じて制御する流量制御弁を含むものであり、
    前記制御手段は、エンジン負荷に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させるものである
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  6. エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、
    前記冷却回路に設けられて、前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量をエンジン負荷に応じて制御する流量制御弁と、
    エンジン暖機完了後に、前記ラジエータから流出する冷媒の温度及びエンジン負荷に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段 とを備える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記制御手段は、前記蓄熱容器内の冷媒の温度が所定値よりも高いときには、前記制御弁の制御による前記蓄熱容器から前記冷却回路への冷媒の流出を禁止する
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記蓄熱回路は、前記蓄熱容器の冷媒の出口と前記冷却回路のエンジン本体上流部分とを接続する通路を含んで構成されるものであり、
    前記制御弁は、前記冷却回路に対する前記蓄熱回路の断接に併せて、前記蓄熱容器内の冷媒が前記通路を介して前記エンジン本体に流出することを制御するものである
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記蓄熱回路は、前記蓄熱容器の冷媒の出口と前記冷却回路のラジエータ上流部分とを接続する通路を含んで構成されるものであり、
    前記制御弁は、前記冷却回路に対する前記蓄熱回路の断接に併せて、前記蓄熱容器内の冷媒が前記通路を介して前記ラジエータに流出することを制御するものである
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記冷却回路のラジエータ下流部分と前記蓄熱容器の冷媒の入口とを接続する通路を更に備える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  11. エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、
    エンジン暖機完了後に、前記ラジエータから流出する冷媒の温度に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる処理と、前記蓄熱容器内の冷媒の温度が所定値よりも高いときには、前記制御弁の制御による前記蓄熱容器から前記冷却回路への冷媒の流出を禁止する処理とを行う制御手段を備える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  12. エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、
    前記蓄熱回路は、前記蓄熱容器の冷媒の出口と前記冷却回路のラジエータ上流部分とを接続する通路を含んで構成されるものであって、前記制御弁は、前記冷却回路に対する前記蓄熱回路の断接に併せて、前記蓄熱容器内の冷媒が前記通路を介して前記ラジエータに流出することを制御するものであり、
    エンジン暖機完了後に、前記ラジエータから流出する冷媒の温度に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段を備える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  13. エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させる冷却回路に対し断接されるとともに、前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路を備え、この蓄熱回路を前記冷却回路に対し断接するための制御弁が設けられたエンジンの冷却装置において、
    エンジン暖機完了後に、前記ラジエータから流出する冷媒の温度に基づいて前記制御弁を制御し、前記蓄熱容器内の冷媒を前記冷却回路に流出させる制御手段と、
    前記冷却回路のラジエータ下流部分と前記蓄熱容器の冷媒の入口とを接続する通路とを備える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
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