JP3906817B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に搭載される水冷式のエンジンの冷却装置は、冷媒が循環する冷却回路を備えている。この冷却回路として、特許文献1に示されるようにエンジンによって駆動されて同回路内の冷媒を循環させるウォータポンプと、同回路中の冷媒を冷却するラジエータと、ラジエータを介してエンジン本体に流入する冷媒の流量を制御する流量制御弁とを設けたものが知られている。
【0003】
ところで、エンジン高負荷時など、エンジンの発熱量が大となった状態からエンジンが停止されたとき、ウォータポンプの停止に伴い冷却回路内での冷媒の循環が行われなくなると、エンジン停止中にエンジン本体内に存在する冷媒の温度が過上昇するおそれがある。このため、上記特許文献1においては、エンジン停止時にエンジン本体を冷却する冷媒の温度が所定値以上であるときには、流量制御弁を強制的に開弁し、ラジエータ側の低温の冷媒をエンジン側の高温の冷媒との密度差による自然対流を利用してエンジン本体に流入させることが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−195768号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ラジエータ側の低温の冷媒とエンジン側の高温の冷媒との密度差による自然対流を利用して、ラジエータ側の冷媒をエンジン本体に流入させるだけでは、その冷媒の流入量をあまり多くすることはできず、エンジン本体内の冷媒の温度上昇を抑制するという効果は小さなものとなる。従って、エンジン本体内に存在する冷媒温度の過上昇によって、エンジン周りの部品の耐久性が低下するおそれがある。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジン停止中のエンジン本体内の冷媒の温度上昇を効果的に抑制することのできるエンジンの冷却装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させるとともに前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量を制御する流量制御弁が設けられる冷却回路と、この冷却回路に対し断接されるとともに前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路と、前記冷却回路内の冷媒を前記蓄熱容器内に流入させる電動ポンプとを備えるエンジンの冷却装置において、エンジン停止時に前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度が所定値以上であるとき、前記蓄熱回路を前記冷却回路に接続するとともに、前記ラジエータから前記エンジン本体への冷媒の流通面積が最大となるよう前記流量制御弁を開弁した状態で前記電動ポンプを所定期間駆動する制御手段を備えた。
【0008】
エンジン高負荷時などエンジンの発熱量が大となった状態からエンジンが停止され、エンジン停止時にエンジン本体を冷却する冷媒の温度が所定値以上であると、流量制御弁が開弁された状態で電動ポンプの駆動によって冷却回路内の冷媒が蓄熱回路の蓄熱容器に流入させられる。これに伴い、エンジン本体内の冷媒よりも低温となっているラジエータ側の冷媒、及び蓄熱容器内にあったエンジン本体内の冷媒よりも低温の冷媒が強制的にエンジン本体に流入する。従って、エンジン本体内の冷媒の温度上昇を効果的に抑制することができるようになる。
【0010】
さらに、ラジエータからエンジン本体への冷媒の流通面積が最大となるよう流量制御弁を開弁しているため、エンジン停止時に電動ポンプの駆動に伴いラジエータ側の低温の冷媒をエンジン本体に流入させるとき、その冷媒の流入が効率よく行われ、エンジン本体を冷却する冷媒の温度上昇を的確に抑制することができる。
【0011】
請求項2記載の発明では、エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させるとともに前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量を制御する流量制御弁が設けられる冷却回路と、この冷却回路に対し断接されるとともに前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路と、前記冷却回路内の冷媒を前記蓄熱容器内に流入させる電動ポンプとを備えるエンジンの冷却装置において、エンジン停止時に前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度が所定値以上であるとき、前記蓄熱回路を前記冷却回路に接続するとともに、前記流量制御弁を開弁した状態で前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度に基づいて前記電動ポンプを所定期間駆動する制御手段を備えた。
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度に基づき、前記電動ポンプを所定時間駆動するものとした。
【0012】
エンジン停止時における上記電動ポンプの駆動により、ラジエータ側の冷媒及び蓄熱容器内の冷媒がエンジン本体内に流入され、エンジン本体を冷却する冷媒の温度上昇が抑制される。この冷媒の温度に基づき、ラジエータ側及び蓄熱容器側からエンジン本体に流入させる冷媒の必要量は異なる。従って、エンジン本体を冷却する冷媒の温度に基づき、電動ポンプを所定時間駆動することにより、同冷媒の温度上昇の抑制に必要な分だけ、ラジエータ側及び蓄熱容器側からエンジン本体に冷媒を流入させることができる。このため、電動ポンプが必要以上に駆動されるのを抑制しつつ、エンジン停止中のエンジンを冷却する冷媒の温度上昇を的確に抑制することができる。
【0013】
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、エンジン停止時に前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度が所定値以上であるとき、前記電動ポンプを駆動するためのバッテリの充電量が所定レベル未満である旨判断されるときには、前記電動ポンプの駆動を禁止するものとした。
【0014】
バッテリの充電量が少ない状態にあって、エンジン停止時に電動ポンプが駆動され、バッテリの充電量が更に少なくなるのを抑制することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車に搭載されるエンジンの冷却装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0016】
図1に示されるように、エンジン1の冷却装置は、冷却水によってエンジン1を冷却する冷却回路2と、高温の冷却水によって他の機器の加熱を行うヒータ回路3と、高温の冷却水を次回のエンジン始動時まで蓄えておく蓄熱回路4とを備えている。
【0017】
冷却回路2には、エンジン1により駆動されて当該回路内の冷却水を循環させるウォータポンプ5と、上記冷却水を冷却するラジエータ6と、ラジエータ6からエンジン1に流入する冷却水の流量を調整する流量制御弁7とが設けられている。同流量制御弁7は、冷却回路2においてラジエータ6を通過して流れる冷却水の流量とラジエータ6を迂回して流れる冷却水の流量とを弁開度の変更によって調整するものである。そして、流量制御弁7の弁開度が大になるほど、ラジエータ6からエンジン1の本体に流れる冷却水の流量が多くなり、エンジン1の冷却効率が高められるようになる。
【0018】
ヒータ回路3には、自動車の室内温度を調整する空調装置の空調用空気が流れるヒータコア8と、自動車に搭載される自動変速機の作動油(オートマチックトランスミッションフルード)が流れるATFウォーマ9とが設けられている。そして、上記空調用空気やオートマチックトランスミッションフルードが冷えた状態にあるときにヒータ回路3に高温の冷却水が流れると、ヒータコア8及びATFウォーマ9を高温の冷却水が通過するようになる。このとき、ヒータコア8では当該冷却水と空調用空気との間で熱交換が行われて空調用空気が暖められ、ATFウォーマ9では当該冷却水とオートマチックトランスミッションフルードとの間で熱交換が行われて同フルードが暖められる。
【0019】
蓄熱回路4には、バッテリ10の電力をもとに駆動されて当該回路4内の冷却水の圧送を行う電動ポンプ11と、同ポンプ11によって圧送された冷却水を外部に対し断熱した状態で蓄える蓄熱容器12とが設けられている。そして、エンジン1の運転中に蓄熱回路4に高温の冷却水が流れると、その冷却水が蓄熱容器12に保温された状態で蓄えられるようになる。蓄熱容器12に蓄えられた高温の冷却水は、例えば次回のエンジン始動時など冷却回路2やヒータ回路3における冷却水の水温が低いとき、上記エンジン1、ヒータコア8、及びATFウォーマ9を暖めるのに用いられる。
【0020】
エンジン1の冷却装置には、冷却回路2、ヒータ回路3、及び蓄熱回路4の間の断接状態を変更する三方弁13が設けられている。こうした断接状態の変更は、三方弁13を以下に示す[基本切換位置]、[第1切換位置]、[第2切換位置]、[第3切換位置]の四つの切換位置のいずれかに選択的に切り換え、第1ポートP1、第2ポートP2、及び第3ポートP3の連通状態を変更することによって実現される。ここで、三方弁13の各切換位置が選択されたときの冷却回路2、ヒータ回路3、及び蓄熱回路4の間の断接状態について、各切換位置毎に説明する。
【0021】
[基本切換位置]
基本切換位置では、第1ポートP1と第2ポート2との間が連通した状態となる。この場合、ヒータ回路3が冷却回路2に対し接続された状態になるとともに、蓄熱回路4が冷却回路2に対し遮断された状態になり、冷却回路2の冷却水をヒータ回路3に流入させることが可能になる。このようにヒータ回路3内への冷却水の流入が行われると、ヒータ回路3内に存在する冷却水は、冷却回路2における流量制御弁7とエンジン1との間の部分であって且つウォータポンプ5の上流に流出させられる。
【0022】
[第1切換位置]
第1切換位置では、第2ポートP2と第3ポートP3との間が連通した状態となる。この場合、ヒータ回路3と蓄熱回路4とが共に冷却回路2に対し遮断された状態になるとともに、蓄熱回路4がヒータ回路3に対して接続された状態になり、蓄熱回路4内の冷却水をヒータ回路3のヒータコア8に流入させることが可能になる。このようにヒータ回路3への冷却水の流入が行われると、ヒータコア8等に存在する冷却水が蓄熱回路4に流出させられる。
【0023】
[第2切換位置]
第2切換位置では、第1ポートP1と第3ポートP3との間が連通した状態となる。この場合、ヒータ回路3が冷却回路2に対し遮断された状態になるとともに、蓄熱回路4が冷却回路2に対し接続された状態になり、冷却回路2内の冷却水を蓄熱回路4に流入させることが可能になる。このように蓄熱回路4内への冷却水の流入が行われると、蓄熱回路4内の冷却水は、冷却回路2における流量制御弁7とエンジン1との間の部分であって且つウォータポンプ5の上流に流されることとなる。
【0024】
[第3切換位置]
第3切換位置では、全てのポートP1〜P3の間が連通した状態になる。この場合、ヒータ回路3と蓄熱回路4とが共に冷却回路2に対し接続された状態になるとともに、ヒータ回路3と蓄熱回路4とも互いに接続された状態になる。従って、冷却回路2内の冷却水をヒータ回路3及び蓄熱回路4に流入させたり、蓄熱回路4内の冷却水をヒータ回路3及びエンジン1に流入させたりすることが可能になる。冷却回路2からヒータ回路3及び蓄熱回路4への冷却水の流入が行われる場合、ヒータ回路3及び蓄熱回路4内に存在する冷却水は、冷却回路2における流量制御弁7とエンジン1との間の部分であって且つウォータポンプ5の上流に流出させられる。また、蓄熱回路4からヒータ回路3及びエンジン1への冷却水の流入が行われる場合、ヒータ回路3及びエンジン1内に存在する冷却水が蓄熱回路4に流出させられる。
【0025】
次に、エンジン1の冷却装置の電気的構成について説明する。
同冷却装置は、エンジン1の運転制御を行うべく自動車に搭載された電子制御装置(ECU)14を備えている。この電子制御装置14は、流量制御弁7、電動ポンプ11、及び三方弁13を駆動制御する。また、電子制御装置14には、冷却回路2においてエンジン1から流出する冷却水の温度(水温THW1)を検出するエンジン水温センサ15、及びラジエータ6から流出した冷却水の温度(水温THW2)を検出するラジエータ水温センサ16等の各種センサからの検出信号が入力される。
【0026】
電子制御装置14は、エンジン1の運転中において、冷却回路2内の高温の冷却水を蓄熱容器12に蓄えるための処理を実行する。この処理としては、まず蓄熱回路4を冷却回路2に接続すべく、基本切換位置等になっている三方弁13が第2切換位置に切り換えられる。三方弁13が第2切換位置に切り換えられると、第1ポートP1と第3ポートP3との間が連通し、ウォータポンプ5の駆動に基づき冷却回路2内を循環している高温の冷却水が蓄熱回路4に流入して蓄熱容器12に蓄えられる。そして、蓄熱容器12内が高温の冷却水で満たされた後、三方弁13が例えば基本切換位置に切り換えられ、蓄熱回路4が冷却回路2に対し遮断された状態とされる。その結果、蓄熱容器12に高温の冷却水が保温された状態で蓄えられるようになる。
【0027】
蓄熱容器12に保温して蓄えられた高温の冷却水は、例えば次回の冷えた状態からのエンジン始動時にエンジン1を暖めるのに用いられる。即ち、当該エンジン始動時には、基本切換位置等になっている三方弁13が第2切換位置に切り換えられ、第1ポートP1と第3ポートP3との間が連通させられるとともに、電動ポンプ11の駆動に基づき蓄熱回路4内の冷却水が圧送させられる。これにより、蓄熱容器12内の高温の冷却水が、ヒータ回路3のヒータコア8よりも下流側の部分を通じて冷却回路2のエンジン1の上流に流出させられる。そして、この冷却水がエンジン1を通過する際の熱交換によって、冷えた状態にあるエンジン1が暖められるようになる。
【0028】
ところで、エンジン1の停止後にはウォータポンプ5の駆動が停止され、冷却回路2内での冷却水の循環が行われなくなり、エンジン1内で滞留する冷却水が同エンジン1からの熱を受けて温度上昇することとなる。従って、高負荷運転時などエンジン1の発熱量が大となるエンジン運転状態が連続した後にエンジン1が停止されると、エンジン1内で滞留する冷却水の温度が過上昇するおそれがある。
【0029】
こうした冷却水の温度上昇を抑制すべく、エンジン停止時に流量制御弁7を開弁することで、冷却回路2におけるラジエータ6とエンジン1との間の部分の冷却水流通面積を大きくし、自然対流によってラジエータ6側の低温の冷却水をエンジン1側に流入させることも考えられる。しかし、自然対流によるラジエータ6側からエンジン1側への冷却水の流入では、あまり多くの冷却水を流入させることができないため、エンジン1内における冷却水の温度上昇を効果的に抑制することは困難である。従って、エンジン1内の冷却水の温度がエンジン1周りの部品の耐久性を低下させるほど高温になるおそれがある。
【0030】
そこで本実施形態では、エンジン停止時にエンジン1を冷却する冷却水の温度がエンジン1周りの部品の耐久性を低下させるほど高温であると判断されるときには、上記のように流量制御弁7を開弁することに加えて、三方弁13を第2切換位置に切り換えるとともに電動ポンプ11を所定時間駆動する。
【0031】
これにより、エンジン1内の冷却水が蓄熱回路4内に流れ、その冷却水よりも低温のラジエータ6内の冷却水がエンジン1内に流入する。また、蓄熱回路4内に冷却水が流入すると、その冷却水よりも低温の同回路4内に存在する冷却水が、ヒータ回路3におけるヒータコア8よりも下流側の部分等を通じてエンジン1内に流入する。以上のようにエンジン1内に対流していた冷却水よりも低温の冷却水がエンジン1に強制的に流入することで、エンジン1内の冷却水の温度上昇が効果的に抑制され、エンジン1周りの部品に熱による耐久性の低下が生じるのを抑制することができる。
【0032】
次に、エンジン1の停止時に、上記のように低温の冷却水を同エンジン1に流入させる手順について、停止処理ルーチンを示す図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。この停止処理ルーチンは、電子制御装置14を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0033】
停止処理ルーチンにおいては、例えば運転者によるイグニッションスイッチの停止操作がなされたか否かに基づき、エンジン1の停止開始後であるか否かが判断される(S101:図3)。ここで、エンジン1の停止開始後である旨判断されると、流量制御弁7がラジエータ6側からエンジン1側への冷却水の流通面積を最大とすべく全開まで開弁される(S102)。続いて、エンジン1の停止開始時のバッテリ充電量が許容レベル以上であるか否かが判断され(S103:図4)、ここで肯定判定であればエンジン1に低温の冷却水を流入させるための一連の処理(S104〜S109)が実行される。なお、ステップS103でのバッテリ充電量が許容レベル以上である旨の判断は、例えばエンジン停止開始時にバッテリ電圧が必要レベルにあることやバッテリ充電がなされていないことに基づき行われることとなる。
【0034】
ステップS104〜ステップS109の一連の処理では、まずエンジン1を冷却する冷却水の温度、即ちエンジン1内に滞留する冷却水の温度が、エンジン1周りの部品に熱による耐久性低下を生じさせるほど高い値であるか否かが判断される。詳しくは、水温THW1,THW2が高温であるか否か、即ち水温THW1が所定値aよりも高く且つ水温THW2が所定値b(b<a)よりも高いか否かが判断される(S104)。
【0035】
ここで否定判定であれば、エンジン1内に滞留する冷却水の温度が、エンジン1周りの部品に熱による耐久性低下を生じさせるほど高い値ではない旨判断され、システムオフがなされて電子制御装置14への給電停止等が行われる(S110)。一方、肯定判定であれば、エンジン1内に滞留する冷却水の温度が、エンジン1周りの部品に熱による耐久性低下を生じさせるほど高い値である旨判断され、ステップS105以降の処理に進む。
【0036】
ステップS105では三方弁13の切換位置として第2切換位置が選択される。このため、図2(b)に示されるように三方弁13が例えば基本切換位置にあったとすると、その位置から第2切換位置へと切り換えられ、蓄熱回路4が冷却回路2に対し接続された状態とされる。
【0037】
また、ステップ106では電動ポンプ11が駆動され、図2(c)に示されるように電動ポンプ11がオフ状態からオン状態に切り換えられる。その結果、上述したようにエンジン1への低温の冷却水の流入が開始され、図2(a)に示されるように、水温THW1が徐々に低下することとなる。なお、このときには流量制御弁7が全開となっているため、ラジエータ6側からエンジン1への低温の冷却水の流入が効率よく行われることとなる。
【0038】
エンジン1への低温の冷却水の流入が開始された後、図4の停止処理ルーチンにおいて、電動ポンプ11の停止タイミングになったか否かが判断される(S107)。
【0039】
エンジン1に低温の冷却水を流入させるための電動ポンプ11の駆動は、図2(c)に示されるように例えば予め設定された所定時間t1だけ行うことが考えられる。この場合、所定時間t1が経過した時点が上記停止タイミングということになる。なお、所定時間t1としては、例えばエンジン停止開始時にエンジン1内に存在していた冷却水が、電動ポンプ11の駆動によってラジエータ6側や蓄熱容器12側に存在していた低温の冷却水と置き換わるのに必要な時間に設定される。このようにエンジン1内の冷却水が置き換わったときには、エンジン1内に存在する冷却水が許容値未満に抑えられる。
【0040】
また、エンジン1に低温の冷却水を流入させるための電動ポンプ11の駆動を、上記のように予め定められた所定時間t1だけ行う代わりに、水温THW1をモニタしつつ同水温THW1に基づき所定時間t2だけ行うことも考えられる。例えば、エンジン1内に存在する冷却水が許容値未満になるときの水温THW1の相当値である所定値a以上に水温THW1がなっているときには電動ポンプ11の駆動を続け、水温THW1が上記所定値a未満まで低下したとき(図2(a)参照)に電動ポンプ11を停止させる。この場合は、電動ポンプ11が駆動開始してから水温THW1が所定値a未満に低下するまでの所定時間だけ電動ポンプ11が駆動され、その所定時間が経過した時点が上記停止タイミングということになる。
【0041】
ステップS107(図4)で肯定判定がなされると、電動ポンプ11が停止される(S108)。続いて、三方弁13の切換位置として基本切換位置が選択され(S109)、蓄熱回路4が冷却回路2に対し遮断された状態とされる。その後、システムオフがなされて電子制御装置14への給電停止等が行われる(S110)。
【0042】
上述したエンジン1に低温の冷却水を流入させるための一連の処理(S104〜S109)において、電動ポンプ11が駆動されるときにはバッテリ電力が消費されるため、バッテリ充電量が少ないときには当該電動ポンプ11の駆動に伴いバッテリ充電量が更に少なくなって不足するおそれがある。こうした不都合を回避するため、ステップS103で停止開始時のバッテリ充電量が許容レベル以上でない旨判断されると、ステップS104〜S109の処理をスキップしてシステムオフがなされ(S110)、電動ポンプ11の駆動に伴うバッテリ電力の消費が抑えられる。
【0043】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)高負荷運転などエンジン1の発熱量が大となった状態からエンジン1が停止されると、エンジン停止中にエンジン1内に存在する冷却水がエンジン1との熱交換により温度上昇する。しかし、エンジン停止時にエンジン1を冷却する冷却水の温度がエンジン1周りの部品に熱による耐久性低下が生じる可能性のある許容値以上であると、三方弁13が第2切換位置に切り換えられて蓄熱回路4が冷却回路2に接続されるとともに流量制御弁7が全開となった状態で電動ポンプ11が所定時間駆動される。そして、電動ポンプ11の駆動により、エンジン1内に存在する冷却水が蓄熱回路4に流入させられる。これに伴い、エンジン1内に存在していた冷却水よりも低温であるラジエータ6側の冷却水、及び蓄熱容器12内の冷却水がエンジン1内に強制的に流入するため、エンジン1内に存在する冷却水の温度上昇を効果的に抑制することができる。従って、同冷却水の温度上昇によってエンジン1周りの部品に熱による耐久性低下が生じるのを抑制することができる。
【0044】
(2)上記のように、エンジン停止時に電動ポンプ11の駆動によりエンジン1に低温の冷却水を流入させるときには、流量制御弁7が全開とされてラジエータ6側からエンジン1への冷却水の流通面積が最大とされた状態になる。このため、ラジエータ6側からのエンジン1への低温の冷却水の流入を効率よく行うことができ、エンジン1内に存在する冷却水の温度上昇を的確に抑制することができる。
【0045】
(3)エンジン1の停止時における上記電動ポンプ11の駆動により、エンジン1に低温の冷却水が流入され、エンジン1内に存在する冷却水の温度上昇が抑制される。この冷却水の温度に基づき、エンジン1に流入させる低温の冷却水の必要量は異なるものになる。従って、エンジン1内に存在する冷却水の温度に対応する値になる水温THW1に基づき電動ポンプ11を所定時間だけ駆動することで、上記冷却水の温度上昇の抑制に必要な分だけエンジン1に低温の冷却水を流入させることができる。このため、電動ポンプ11が必要以上に駆動されるのを抑制しつつ、エンジン停止中にエンジン1内に存在する冷却水の温度上昇を的確に抑制することができる。
【0046】
(4)エンジン停止時に、エンジン1内に存在する冷却水が上記許容値以上であったとしても、バッテリ充電量が許容レベル未満であるときには、電動ポンプ11の駆動によるエンジン1の低温の冷却水の流入は行われない。従って、同電動ポンプ11の駆動がバッテリ充電量の少ないときに行われ、バッテリ充電量が更に少なくなって不足するのを抑制することができる。
【0047】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・バッテリ充電量が許容レベル以上であることを条件に、エンジン停止時の電動ポンプ11の駆動を行うようにしたが、こうした条件を必ずしも設ける必要はない。
【0048】
・エンジン停止時に流量制御弁7を全開とする代わりに、弁開度を所定量だけ大きくするようにしてもよい。
・停止処理ルーチンのステップS104で、水温THW1と水温THW2との両方の大きさに基づき、エンジン停止時にエンジン1を冷却する冷却水の温度、即ちエンジン1内に存在する冷却水の温度が許容値以上であるか否かを判断したが、本発明はこれに限定されない。即ち、水温THW1のみの大きさや、水温THW2のみの大きさに基づき上記判断を行ってもよい。
【0049】
・停止処理ルーチンのステップS105で、蓄熱回路4を冷却回路2に対し接続すべく、三方弁13を第2切換位置に切り換えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、三方弁13を第3切換位置に切り換えることで、蓄熱回路4を冷却回路2に接続してもよい。
【0050】
・ヒータ回路3については必ずしも設ける必要はない。ヒータ回路3を省略する場合には、蓄熱回路4における蓄熱容器12の下流側の部分を、冷却回路2における流量制御弁7とエンジン1との間であって且つウォータポンプ5の上流側に接続することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のエンジンの冷却装置を示す略図。
【図2】(a)〜(c)は、エンジン停止時に低温の冷却水を同エンジンに流入させる際の水温THW1の推移、三方弁の切換態様、及び電動ポンプの駆動態様を示すタイムチャート。
【図3】エンジン停止時に低温の冷却水を同エンジンに流入させる手順を示すフローチャート。
【図4】エンジン停止時に低温の冷却水を同エンジンに流入させる手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、2…冷却回路、3…ヒータ回路、4…蓄熱回路、5…ウォータポンプ、6…ラジエータ、7…流量制御弁、8…ヒータコア、9…ATFウォーマ、10…バッテリ、11…電動ポンプ、12…蓄熱容器、13…三方弁、14…電子制御装置(制御手段)、15…エンジン水温センサ、16…ラジエータ水温センサ。

Claims (4)

  1. エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させるとともに前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量を制御する流量制御弁が設けられる冷却回路と、この冷却回路に対し断接されるとともに前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路と、前記冷却回路内の冷媒を前記蓄熱容器内に流入させる電動ポンプとを備えるエンジンの冷却装置において、
    エンジン停止時に前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度が所定値以上であるとき、前記蓄熱回路を前記冷却回路に接続するとともに、前記ラジエータから前記エンジン本体への冷媒の流通面積が最大となるよう前記流量制御弁を開弁した状態で前記電動ポンプを所定期間駆動する制御手段を備える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. エンジン本体から流出する冷媒をラジエータを介して前記エンジン本体に流入させるとともに前記ラジエータを介して前記エンジン本体に流入する冷媒の流量を制御する流量制御弁が設けられる冷却回路と、この冷却回路に対し断接されるとともに前記エンジン本体から流出する冷媒を保温して蓄える蓄熱容器が設けられる蓄熱回路と、前記冷却回路内の冷媒を前記蓄熱容器内に流入させる電動ポンプとを備えるエンジンの冷却装置において、
    エンジン停止時に前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度が所定値以上であるとき、前記蓄熱回路を前記冷却回路に接続するとともに、前記流量制御弁を開弁した状態で前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度に基づいて前記電動ポンプを所定期間駆動する制御手段を備える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  3. 前記制御手段は、前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度に基づき、前記電動ポンプを所定時間駆動する
    請求項1記載のエンジンの冷却装置。
  4. 前記制御手段は、エンジン停止時に前記エンジン本体を冷却する冷媒の温度が所定値以上であるとき、前記電動ポンプを駆動するためのバッテリの充電量が所定レベル未満である旨判断されるときには、前記電動ポンプの駆動を禁止する
    請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンの冷却装置。
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