JP5787152B2 - エンジン冷却装置 - Google Patents
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Description
循環ポンプの駆動により、ジャケットとラジエータとに亘って冷却液が循環すると、エンジンの温度上昇が遅くなり、暖機運転を短時間で効率良く行えない。
冷却液の流動が規制されている状態で循環ポンプを駆動すると、循環ポンプの負荷が大きくなるおそれがある。また、循環ポンプに動力を伝達させるベルト等が滑り、異音が発生するおそれがある。
バイパス路を開いた状態で循環ポンプを駆動すると、吐出路から吐出された冷却液がバイパス路を通して吸入路に戻るので、循環ポンプの負荷を小さくすることができる。また、循環ポンプに動力を伝達させるベルト等が滑ることによる異音の発生を抑制することができる。
これにより、循環ポンプの駆動で第2還流路を通した冷却液の循環を許容しながら、第1還流路を通した冷却液の循環を停止して、エンジンの温度上昇を早めることができ、暖機運転を短時間で効率良く行える。
サーモスタットバルブが、感温部材が吸入路の冷却液でサーモスタット用設定温度未満に冷却されることにより第1弁体を閉じ操作可能で、感温部材が吸入路の冷却液でサーモスタット用設定温度以上に加熱されることにより第1弁体を開き操作可能な感温操作部を備えている。
制御装置は、温度センサによる検出温度(ジャケット内の冷却液の温度)が電磁弁用設定温度未満のときは、吐出路から吐出された冷却液がバイパス路を通して吸入路に戻るように、電磁弁の操作でバイパス路を開き状態に保持する。
ジャケットを通過して加熱された冷却液は、第2還流路を通って吸入路に流入する状態で、ラジエータを迂回して循環する。
感温操作部は、第2還流路を通って吸入路に流入した冷却液で感温部材が設定温度以上に加熱されると、冷却液がジャケットとラジエータとに亘って循環するように、第1弁体を開き操作して第1還流路を開き状態に切り替え、暖機運転が終了する。
このため、バイパス路の開閉構造が複雑化するおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、バイパス路の開閉構造を簡略化することができるエンジン冷却装置を提供することを目的とする。
前記ジャケットとして、シリンダヘッドに冷却液を流通させるヘッド用ジャケットとシリンダブロックに冷却液を流通させるブロック用ジャケットとを備え、
前記吐出路が、冷却液を前記ヘッド用ジャケットに流入させる第1吐出路と、冷却液を前記ブロック用ジャケットに流入させる第2吐出路とに分岐され、
前記第2吐出路を開閉可能な第3弁体を設け、
前記感温操作部は、前記第2弁体を開閉操作する第1操作部材と、前記第3弁体を開閉操作する第2操作部材とを各別に備え、前記第2弁体の閉じ操作に連係して前記第3弁体を開き操作可能で、前記第3弁体の閉じ操作に連係して前記第2弁体を開き操作可能に設けられ、
前記第1操作部材により前記第2弁体を閉じ操作した後、前記第2操作部材による前記第3弁体の開き操作が開始されるように、前記第1操作部材と前記第2操作部材とを連係してある点にある。
第2循環路を通して吸入路に流入する冷却液の温度が上昇し、感温部材が吸入路の冷却液で設定温度以上に加熱されると、第1弁体を開き操作して第1循環路を開き状態に保持するとともに、第2弁体を閉じ操作してバイパス路を閉じ状態に保持することができる。
このため、第1循環路と第2吐出路とを閉じ状態に保持して、第1吐出路を通してヘッド用ジャケットに流入した冷却液の第2還流路を通した循環が許容され、ヘッド用ジャケットに流入して加熱された冷却液が吸入路に戻る。
このため、吐出路から吐出された冷却液の全量が第1吐出路と第2吐出路とに分配されて第1循環路と第2循環路とを通して循環する。
このため、第2弁体の閉じ操作でバイパス路を閉じ状態に保持したときは、第1弁体の開き操作で第1循環路が開き状態に保持される。
このため、バイパス路における冷却液の通過抵抗を軽減することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明によるエンジン冷却装置の概略図を示す。
エンジン冷却装置は、冷却液を流通させるジャケット1を備えたエンジンEと、冷却液を冷却するラジエータ2と、ジャケット1とラジエータ2とに亘って冷却液を循環させる冷却液循環路3、及び、エンジンEの駆動力により冷却液循環路3の冷却液を循環させる循環ポンプ4を備えたポンプブロックAとを有している。
合流路5は、ラジエータ2とヒータ6とに配管で分岐して接続されている。ヒータ6は、ジャケット1を通過した冷却液との熱交換で空気を加熱する。
ポンプブロックAは、循環ポンプ4のポンプハウジング4aに、後述する第1〜第3弁体12,13,14などを内装してあるバルブハウジング31、及び、ラジエータ2からの戻り路2aを形成してあるインレットハウジング32を一体に連結して構成してある。
冷却液循環路3は、ラジエータ2を通過した冷却液を循環ポンプ4に還流させる第1還流路7と、ジャケット1を通過した冷却液を、ラジエータ2を迂回して循環ポンプ4に還流させる第2還流路8と、第1還流路7と第2還流路8とを合流させて循環ポンプ4の吸入口4bに接続する吸入路9と、循環ポンプ4から吐出された冷却液をジャケット1に流入させる吐出路10と、吐出路10と吸入路9とを連通するバイパス路11と、第1還流路7を開閉可能な第1弁体12と、バイパス路11を開閉可能な第2弁体13とを備えている。
第1還流路7にはラジエータ2からの戻り路2aが接続され、第2還流路8には、ヒータ6からの戻り路6aが接続される。
第1吐出路10a及び第2吐出路10bは、吐出路10から分岐するように形成されている。
ポンプハウジング4aをバルブハウジング31を介してエンジンEに連結固定することにより、第1吐出路10aがヘッド用ジャケット1aに接続され、第2吐出路10bがブロック用ジャケット1bに接続される。
吸入路9には、感温部材15が吸入路9の冷却液で加熱・冷却されることにより、第1〜第3弁体12,13,14を開閉操作可能な感温操作部16を内装してある。
支持軸18の先端部は、インレットハウジング32に形成した凹入部30に保持されている。
サーモワックス15は、設定温度未満に冷却されるに伴って容積が小さくなり、設定温度以上に加熱されるに伴って容積が大きくなる。
吸入路9の内部にスプリング受け部材21が固定され、第1弁体12とスプリング受け部材21との間に、第1圧縮コイルスプリング22が装着されている。
第1還流路7の出口側に、下向きの第1弁座23が形成されている。
第1弁体12は、第1圧縮コイルスプリング22の付勢力で第1弁座23に圧接されることにより、第1還流路7を閉じ状態に保持する。
第1操作部材19aは収容部17の下端側に同芯状に一体固定され、第2操作部材19bはバイパス路11と第2吐出路10bとに亘って同芯状に挿通されている。
バイパス路11の出口側に、上向きの第2弁座25が形成されている。
第2弁体13は、第2圧縮コイルスプリング24の付勢力で第2弁座25に圧接されることにより、バイパス路11を閉じ状態に保持する。
第2吐出路10bの入口側に下向きの第3弁座29が形成されている。
第3弁体14は、第3圧縮コイルスプリング28の付勢力で第3弁座29に圧接されることにより、第2吐出路10bを閉じ状態に保持する。
すなわち、第2弁体13が閉じ操作された図4に示す状態から突出量aが更に大きくなると、図5に示すように、第1操作部材19aが第2操作部材19bに接当して第3圧縮コイルスプリング28の付勢力に抗して押し下げ、第3弁体14を開き操作して第2吐出路10bを開き状態に保持する。
感温操作部16は、サーモワックス15の全体が設定温度以上に加熱された状態から設定温度未満に冷却されるにともなって、上述とは逆の動作を行うので、その説明は省略する。
図6,図7は、本発明によるエンジン冷却装置の別実施形態を示す。
本実施形態では、バイパス路11に形成した上向きの第2弁座25に圧接される第2弁体13を第2操作部材19bに遊嵌し、第2圧縮コイルスプリング24を第2弁体13と第2操作部材19bの大径軸部26とに亘って装着して、感温操作部16を構成してある。
第2弁座25は、バイパス路11の出口側に吸入路9の側ほど内径が大きくなる円錐台形状の凹面部33を形成して、その凹面部33の底面に形成してある。
したがって、本実施形態では第1実施形態で示した第3圧縮コイルスプリング28を備えていない。
第2圧縮コイルスプリング24の付勢力は、第2操作部材19bが第1操作部材19aで押し下げられるに伴って増大する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
サーモワックス15の全体が設定温度未満に冷却されているときは、図6に示すように、第1圧縮コイルスプリング22の付勢力で第1弁体12が閉じ位置に操作されて第1還流路7が閉じ状態に保持され、かつ、第1操作部材19aと第2操作部材19bは初期状態では互いに接当する状態に位置設定されている。
この状態では、吐出路10からバイパス路11への冷却液の流入圧により第2弁体13を開き操作可能である。
尚、第2弁体13の面積は、第3弁体14の面積に比べて大きいため、冷却液の圧力によって第2弁体13が先に開き操作され、第3弁体14は閉じ状態に維持される。
本実施形態においても、感温操作部16は、サーモワックス15の全体が設定温度以上に加熱された状態から設定温度未満に冷却されるにともなって、上述とは逆の動作を行うので、その説明は省略する。
図8,図9は、本発明によるエンジン冷却装置の別実施形態を示す。
本実施形態では、第1操作部材19aと第2操作部材19bとを同芯状に一体に固定して、感温操作部16を構成してある。
したがって、本実施形態では第1実施形態で示した第3圧縮コイルスプリング28を備えていない。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
サーモワックス15の全体が設定温度未満に冷却されているときは、図8に示すように、第1圧縮コイルスプリング22の付勢力で第1弁体12が閉じ位置に操作されて第1還流路7が閉じ状態に保持され、かつ、第2弁体13が開き操作され、第3弁体14が閉じ操作されている。
本実施形態においても、感温操作部16は、サーモワックス15の全体が設定温度以上に加熱された状態から設定温度未満に冷却されるにともなって、上述とは逆の動作を行うので、その説明は省略する。
本発明によるエンジン冷却装置は、バイメタルなどを感温部材として用いるものであってもよい。
1a ヘッド用ジャケット
1b ブロック用ジャケット
2 ラジエータ
3 冷却液循環路
4 循環ポンプ
4b 吸入口
7 第1還流路
8 第2還流路
9 吸入路
10 吐出路
10a 第1吐出路
10b 第2吐出路
11 バイパス路
12 第1弁体
13 第2弁体
14 第3弁体
15 感温部材
16 感温操作部
19a 第1操作部材
19b 第2操作部材
A ポンプブロック
E エンジン
E1 シリンダヘッド
E2 シリンダブロック
Claims (3)
- 冷却液を流通させるジャケットを備えたエンジンと、
冷却液を冷却するラジエータと、
前記ジャケットと前記ラジエータとに亘って冷却液を循環させる冷却液循環路と、
前記エンジンの駆動力により前記冷却液循環路の冷却液を循環させる循環ポンプとを有し、
前記冷却液循環路が、
前記ラジエータを通過した冷却液を前記循環ポンプに還流させる第1還流路と、
前記ジャケットを通過した冷却液を、前記ラジエータを迂回して前記循環ポンプに還流させる第2還流路と、
前記第1還流路と前記第2還流路とを合流させて前記循環ポンプの吸入口に接続する吸入路と、
前記循環ポンプから吐出された冷却液を前記ジャケットに流入させる吐出路と、
前記吐出路と前記吸入路とを連通するバイパス路と、
前記第1還流路を開閉可能な第1弁体と、
前記バイパス路を開閉可能な第2弁体と、
感温部材が前記吸入路の冷却液で設定温度未満に冷却されることにより、前記第1弁体を閉じ操作可能、かつ、前記第2弁体を開き操作可能で、前記感温部材が前記吸入路の冷却液で設定温度以上に加熱されることにより、前記第1弁体を開き操作可能、かつ、前記第2弁体を閉じ操作可能な感温操作部と、を備え、
前記ジャケットとして、シリンダヘッドに冷却液を流通させるヘッド用ジャケットとシリンダブロックに冷却液を流通させるブロック用ジャケットとを備え、
前記吐出路が、冷却液を前記ヘッド用ジャケットに流入させる第1吐出路と、冷却液を前記ブロック用ジャケットに流入させる第2吐出路とに分岐され、
前記第2吐出路を開閉可能な第3弁体を設け、
前記感温操作部は、前記第2弁体を開閉操作する第1操作部材と、前記第3弁体を開閉操作する第2操作部材とを各別に備え、前記第2弁体の閉じ操作に連係して前記第3弁体を開き操作可能で、前記第3弁体の閉じ操作に連係して前記第2弁体を開き操作可能に設けられ、
前記第1操作部材により前記第2弁体を閉じ操作した後、前記第2操作部材による前記第3弁体の開き操作が開始されるように、前記第1操作部材と前記第2操作部材とを連係してあるエンジン冷却装置。 - 前記バイパス路を直線状に配設し、
前記第2操作部材を、前記バイパス路の内側に同芯状に配設した軸部材で構成してある請求項1記載のエンジン冷却装置。 - 前記冷却液循環路を、前記循環ポンプを備えたポンプブロックに形成してある請求項1又は2記載のエンジン冷却装置。
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