JP5154205B2 - 熱応動弁装置及び当該装置を利用した蓄熱システム - Google Patents

熱応動弁装置及び当該装置を利用した蓄熱システム Download PDF

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Description

本発明は、熱応動弁装置及び当該装置を利用した蓄熱システムに関する。例えば、暖機用蓄熱システムを備えた内燃機関等の燃焼装置の冷媒である冷却水の循環系に適用できる熱応動弁装置、及び当該装置を利用した蓄熱システムに関する。
内燃機関等のエンジンからの排気に含まれる有害物質を低減して環境保護を図ることは重要な課題であり、このための技術として、例えば、特許文献1には、エンジン暖機用蓄熱システムが提案されている。
このものは、図19に示すようなシステム構成を有し、エンジン1の運転中に高温となった冷却水を運転中(或いは停止直後)に所謂魔法瓶状の蓄熱タンク7に移送して貯留するよう冷却水経路を三方弁6Aを用いて切り換え、次回エンジン始動前に前記三方弁6Aを用いて流路を切り換えると共に電動ポンプ8を駆動することで、この蓄熱タンクに貯留しておいた比較的高温の冷却水をエンジン1に供給して暖め(プレヒート)、始動性や始動後の燃焼特性を改善すると共にエンジン1の暖機完了までの時間を短縮して、未燃物質の排出量の低減等を図るようにしている。
なお、前記プレヒート後は、前記三方弁6Aを切り換えてエンジン1からの冷却水の蓄熱タンク通路500への流入を制限し、エンジン1からの冷却水をバイパス通路400へ流入させ、通常のサーモスタット4の動作を介してエンジン1の冷却水温が所定温度に上昇するまでバイパス通路400を冷却水が循環するように制御すると共に、冷却水温が所定温度以上になったら、当該比較的高温の冷却水をラジエータ3が介装されるラジエータ通路200へ流して放熱を図ると共に、前記三方弁6Aの流路を切り換えてヒータコア5が介装されるヒーターコア通路300へ比較的高温な冷却水を流入させるようになっている(通常運転モード)。
また、かかる通常運転モードにおいて、冷却水が前記所定温度より高温に設定される所定温度を超えた場合には、前記三方弁6Aにより流路を切り換えて、前記蓄熱タンク7が介装される蓄熱タンク通路500に冷却水を流入させて高温の冷却水を貯留させるようにする(走行時蓄熱モード)と共に、かかる走行時蓄熱モードにより十分に高温の冷却水を蓄熱タンク7に貯留させることができなかった場合には、エンジン1の運転停止後に、前記三方弁6Aを用いて流路を切り換えると共に電動ポンプ8を駆動することで、エンジン1の比較的高温の冷却水を蓄熱タンク7に貯留させるようにしている。
ところで、特許文献1に記載のエンジン暖機用蓄熱システムは、三方弁6Aを用いて流路を切り換える構成であるため、弁体の位置(流路の切り換え状態)を検出するためのポテンショメータ等が必要になると共に、三方弁6Aの流路切り換え制御を行なうための制御装置等が必要になるなど、製品コストが増大する惧れがある。また、三方弁6Aの流路切り換え制御は、上述したようにエンジン1の始動前、暖機運転中、暖機後、運転停止後などの運転状態を検出し、その運転状態に応じて三方弁6Aの切り換え制御を行なう必要があり、制御システムが複雑化して高コスト化を招く惧れがある。
かかる観点から、特許文献2などには、エンジン暖機用蓄熱システムの構成の簡略化を図ったものが提案されている。
特許文献2に記載されている技術は、図20に示すように、蓄熱タンク7とエンジン1との間に熱応動弁機能付きの逆止弁9を配設して、エンジン1側から蓄熱タンク7への冷却水の流れを制限すると共に、冷却水の温度上昇により逆止弁9による冷却水流れの制限を緩めることにより、エンジン1の冷却水温度が所定に上昇した際には冷却水(温水)の蓄熱タンク7への貯留を可能にする一方(走行時蓄熱モードに対応)、蓄熱タンク7側からエンジン1側への冷却水の流れは制限されないため、エンジン始動前には電動ポンプ8を駆動することで、蓄熱タンク7に貯留しておいた比較的高温な冷却水をエンジン1へ供給してプレヒートを可能にしている。
宮田喜夫、外3名、「エンジン暖機用蓄熱システムの開発」、デンソーテクニカルレビュー Vol.10 No.1 2005、p.88−95 特開2007−170219号公報
しかしながら、特許文献2のものであっても、エンジン1の冷却水温が所定温度に上昇するまでエンジン1の内部の冷却水通路とバイパス通路400の間で冷却水が循環するように流路を制御すると共に、冷却水温が所定温度以上になったら、当該比較的高温の冷却水をラジエータ3へ流して放熱を図るように流路を切り換え制御する通常のサーモスタット4を備えると共に、更に別の熱応動弁機能付きの逆止弁9を備える必要があり、依然として構成の複雑化や高コスト化を招来するものである。
また、特許文献2に記載されている逆止弁9の構造は、通常運転モードにおいて、シリンダブロック1a側と蓄熱タンク7側とを連通させない状態(弁体91が閉じた状態)では感温部93(熱応動部)が冷却水の流れの中に置かれていないため(エンジンのシリンダブロック1a側と蓄熱タンク7側とが連通しておらず感温部93付近の冷却水は淀んだ状態となっている)、感温部93において正確なエンジン1の冷却水温を感知することができない惧れがある。
このため、例えば、感温部93(熱応動部)に冷却水が流れ込むようにシリンダブロック1a側と蓄熱タンク7側とを連通させない状態(弁体91が閉じた状態)においても所定に洩れを生じさせるなどが考えられるが、かかる場合には、本来必要のない冷却水流れが生じて蓄熱タンク7が介装される通路にもリークが生じる。このため、エンジン1の稼動時に常に蓄熱タンク7内に冷却水流れが生じ、水温が高くない冷却水も蓄熱タンク7に流入してしまい、以って必ずしも高温の冷却水が蓄熱タンク7内に蓄えられるとは限らない。
また、図21の(A)、(B)に示すように配管133や配管134を別途新たに設けてエンジン1の冷却水を感温部93へ積極的に触れさせることなどが考えられるが、このように配管133や配管134を設ける場合は、システムの複雑化や大型化を招くこととなる。
また、特許文献2に記載のものは、図22に示したように、逆止弁9においては、比較的低い付勢力が要求される逆止弁用スプリングと比較的高い付勢力が要求される感温部93のピストンロッド93bの戻し用スプリングとしての機能を、共通の圧縮コイルばね94に持たせているため、逆止弁91の逆止弁としての機能を良好に達成させるためには、弁体91の電動ウォーターポンプ8から吐出される冷却水の圧力を受ける受圧面積を大きく取る必要があり、弁体91延いては逆止弁9のサイズが大きくなり、小型・軽量化等が難しくなることなどが想定される。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、小型・軽量、簡単かつ安価な構成で、複雑な制御系等を必要としない蓄熱システムに適用することができる熱応動弁装置を提供することを目的とする。また、当該熱応動弁装置を備えた蓄熱システムを提供することを目的とする。
このため、本発明に係る熱応動弁装置は、
周囲の流体温度に応じて熱応動する熱応動素子により駆動され、前記周囲の流体温度に応じて第1の流体通路と所定領域との連通度合いを制御する第1の弁装置と、
前記熱応動素子の熱応動動作を利用して、第2の流体通路と前記領域との連通度合いを制御する第2の弁装置と、
前記熱応動素子の熱応動動作を利用して、第3の流体通路と前記領域或いは前記領域に接続される第2の流体通路と、の連通度合いを制御する第3の弁装置と、
を備えて構成される熱応動弁装置であって、
前記第1の弁装置が、前記周囲の流体温度が第1の所定温度より低い場合に閉弁され第1の流体通路と前記領域との連通を制限すると共に、第1の所定温度以上の場合に開弁され前記第1の流体通路と前記領域とを連通させるように構成され、
前記第2の弁装置が、前記周囲の流体温度が第2の所定温度より低い場合に開弁され第2の流体通路と前記領域とを連通させると共に、第2の所定温度以上の場合に閉弁され前記第2の流体通路と前記領域との連通を制限するように構成され、
前記第3の弁装置が、前記第3の流体通路から流体が前記領域或いは前記領域に接続される第2の流体通路内へ流入する際には閉弁して前記第3の流体通路から前記領域或いは前記領域に接続される第2の流体通路への流体の流入を制限する逆止弁を含んで構成され、前記周囲の流体温度が第3の所定温度以上の場合に前記熱応動素子の熱応動動作を利用して当該逆止弁が開弁され前記第3の流体通路と前記領域或いは前記領域に接続される第2の流体通路とを連通させるように構成されることを特徴とする。
本発明は、前記第1の所定温度より前記第2の所定温度が高く設定され、前記第1の所定温度より前記第3の所定温度が高く設定されることを特徴とすることができる。
また、本発明は、前記第1の弁装置が、前記熱応動素子の熱応動動作により移動される移動体の動作を利用して開閉弁し、
前記第2の弁装置が、前記移動体の動作を利用して開閉弁されると共に、
前記移動体の移動方向が、変換手段を介して変換され、当該変換された移動方向に沿って前記第3の弁装置の逆止弁が開弁されることを特徴とすることができる。
本発明は、前記第3の弁装置の逆止弁が、前記熱応動素子の熱応動動作により開弁されていないときに、空気抜き用の浮動弁として機能するよう構成されることを特徴とすることができる。
た、本発明は、前記第3の弁装置の逆止弁に略一体的に取り付けられた弁体を介して前記第2の流体通路と前記領域との連通度合いを制御するように構成されることを特徴とすることができる。
本発明によれば、小型・軽量、簡単かつ安価な構成で、複雑な制御系等を必要としない蓄熱システムに適用することができる熱応動弁装置を提供することができる。また、小型・軽量、簡単かつ安価な構成で、複雑な制御系等を必要としない蓄熱システムを提供することができる。
以下に、本発明に係る熱応動弁装置の実施例を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施例により、本発明が限定されるものではない。
また、以下で説明する実施例に係る熱応動弁装置が制御の対象とする流体は、冷却水等の冷媒に限定されるものではないと共に、非圧縮性流体、圧縮性流体のいずれにも適用可能であり、水道水、純水等の液体は勿論、気体にも適用可能である。
本発明の実施例1に係るサーモスタット(熱応動弁)装置100は、図1に示すように、例えば自動車等に搭載される或いは定置式のエンジン1の冷却システムに採用される(ガソリン、軽油、アルコール等の他、種々の雑燃料を燃料とする内燃機関や外燃機関などの熱機関の他、動力等を取り出さない燃焼装置の冷却回路や燃料電池のセル冷却回路などの冷却システムにも本発明は適用可能である)。
図1に示したように、エンジン1にはクランク軸等により駆動されるメカニカル駆動のウォーターポンプ2がエンジン1の内部の冷却通路(図示せず)の入口側に接続され、エンジン1の内部の冷却通路の出口側には、ラジエータ3が介装されるラジエータ通路200及びヒータコア5及び二方向弁6が介装されるヒーターコア通路300が配設され、前記ラジエータ通路200と前記ヒーターコア通路300はサーモスタット装置100に接続されている。
また、エンジン1の出口近傍において前記ヒーターコア通路300から分岐され、前記サーモスタット装置100に接続されるバイパス通路400が配設されている。
更に、前記バイパス通路400から分岐され、蓄熱タンク7及び電動式ウォーターポンプ8が介装される蓄熱タンク通路500が、前記サーモスタット装置100に接続されている。
ここで、本実施例に係るサーモスタット装置100は、例えば図2に示すように、内部にサーモエレメント160(熱応動素子)の温度感知部161側を収容するハウジング部101を備えて構成されている。また、サーモエレメント160のピストンロッド161aを支持する支持部102と、前記ラジエータ通路200が接続されるラジエータ側接続部120と、が備えられている。
前記ハウジング部101には、ウォーターポンプ2の入口側(すなわち、エンジン1)に接続されるエンジン側接続部110と、前記ヒータコア通路300に接続されるヒータコア通路接続部130と、前記バイパス通路400に接続されるバイパス通路接続部140が設けられている。また、前記バイパス通路接続部140には、蓄熱タンク通路500に接続される蓄熱タンク通路接続部150が接続されている。
そして、前記蓄熱タンク通路接続部150には逆止弁151が設けられており、当該逆止弁151は、ハウジング部101側の冷却水圧力により生じる押力(図2中下向き)が、蓄熱タンク通路500側の冷却水圧力により生じる押力(図2中上向き)とコイルスプリング153の付勢力との合計を上回った場合に開弁して切欠152を介してハウジング部101側から蓄熱タンク通路500側への冷却水の通過を許容し、それ以外の時は逆止弁151は閉弁してハウジング部101側と蓄熱タンク通路500側との連通を遮断するようになっている。
ここで、サーモエレメント160は、ハウジング部101内の冷却水の温度を感知して膨張収縮するワックス等の熱膨張体を内封した温度感知部161を備え、この温度感知部161から、当該温度感知部161内部の熱膨張体の熱膨張収縮に応じて図2中上下方向に沿って伸縮するピストンロッド161aが突出している。
このピストンロッド161aの一端(図2中上端)部は前記支持部102に支持されており、他端側は前記温度感知部161に収容されている。
前記温度感知部161には、ピストンロッド161a側には当該温度感知部161と略一体的にスプリングシート162が取り付けられており、当該スプリングシート162は前記ラジエータ側接続部120側と前記ハウジング部101の内部とを連通或いは遮断する弁としての機能を奏することが可能な弁形状を有して構成されている。
また、前記ハウジング部101(前記支持部102)と略一体的なスプリングシート163が、前記ハウジング部101(前記支持部102)と略一体的な支持部材164を介して前記スプリングシート162に対向して配設されており、スプリングシート162、163の間には、前記スプリングシート162を閉弁(図2中上)側に付勢するコイルスプリング165が配設される。なお、スプリングシート163の中心部分には開口部が設けられ、当該開口部に前記温度感知部161が嵌挿されて支持されるようになっている。
従って、例えば、前記ハウジング部101内の冷却水温度が高く、前記温度感知部161内部の熱膨張体の熱膨張に応じて前記ピストンロッド161aが伸張すると、それに応じて前記温度感知部161及びスプリングシート162が前記コイルスプリング165の付勢力に抗して図2中下方に移動して、前記ラジエータ側接続部120側と前記ハウジング部101の内部とを連通させるように動作することになる。
一方、例えば、前記ハウジング部101内の冷却水温度が低く、前記温度感知部161内部の熱膨張体の熱収縮しようとすると、前記温度感知部161及びスプリングシート162が前記コイルスプリング165の付勢力によって図2中上方に移動されて前記ピストンロッド161aが収縮されることとなって、以って前記ラジエータ側接続部120側と前記ハウジング部101の内部とを遮断するように動作することになる。
また、本実施例では、前記温度感知部161の下端部には、当該下端部から図2中下側に延在されるロッド166が略一体的に取り付けられていると共に、このロッド166の下端部にはスプリングシート167が取り付けられている。このスプリングシート167は、例えば、ロッド166の下端部にスナップリング等の位置規制部材169により下方への移動を規制されつつ、ロッド166に対して摺動自在に嵌挿されている。
前記スプリングシート167は、前記バイパス通路接続部140と前記ハウジング部101の内部とを連通或いは遮断する弁としての機能を奏することが可能な弁形状を有して構成されている。
そして、前記スプリングシート167と、前記温度感知部161の下端部と、の間には、コイルスプリング168が配設されており、これによりスプリングシート167は前記ロッド166の下端部側の位置規制部材169に対して付勢されることになる。
上述したような構成を備えた本実施例に係るサーモスタット装置100の動作について、図2〜図5を用いて、以下で説明する。
なお、前記ハウジング部101の内部が本発明に係る所定領域に相当し、前記ラジエータ通路(200)が本発明に係る第1の流体通路の一例に相当し、弁体として機能する前記スプリングシート(162)が本発明に係る第1の弁装置の一部を構成する。また、前記バイパス通路(400)が本発明に係る第2の流体通路の一例に相当し、弁体として機能する前記スプリングシート(167)が本発明に係る第2の弁装置の一部を構成する。更に、前記蓄熱タンク通路(500)が本発明に係る第3の流体通路の一例に相当し、前記逆止弁(152)が本発明に係る第3の弁装置の一部を構成する。
(プレヒートモード)
図2は、エンジン始動前に電動式ウォーターポンプ8を駆動して蓄熱タンク7に貯留しておいた比較的高温の冷却水をエンジンに供給して暖機を図るプレヒートの際のサーモスタット装置100の作動状態を示している。
プレヒートモードにおいては、エンジン1の冷間始動の際にスタータによるクランキングを行なう前に電動式ウォーターポンプ8が駆動されると、電動式ウォーターポンプ8の吐出側の冷却水圧力が昇圧され、図2に示したサーモスタット装置100のエンジン側接続部110から冷却水がサーモスタット装置100のハウジング部101内へ流入しようとする。なお、このとき、二方向弁6は例えば閉弁状態とすることができる。
このとき、前記蓄熱タンク通路接続部150と前記電動式ウォーターポンプ8との間の蓄熱タンク通路500は、電動式ウォーターポンプ8の吸込側であり、かかる部分の冷却水圧力は低下しているため、ハウジング部101内の冷却水圧力により生じる押力(図2中下向き)が、蓄熱タンク通路500側の冷却水圧力により生じる押力(図2中上向き)とコイルスプリング153の付勢力との合計を上回ることとなって、逆止弁151が図2中下側に移動されて開弁(切欠152が開通)され、ハウジング部101側から蓄熱タンク通路500側への冷却水の通過が許容されることになる。
従って、電動式ウォーターポンプ8により吐出される蓄熱タンク7内の比較的高温な冷却水が、エンジン1内の停止中に冷やされた冷却水を蓄熱タンク7側へ押し出し、エンジン1内の図示しない冷却通路(ウォータージャケット等も含む)が蓄熱タンク7に貯留されていた比較的高温の冷却水によって満たされることとなって、エンジン始動前においてエンジン1の暖機が図られることになる(プレヒート)。
これにより、エンジン1の冷間始動時における始動性や始動後における燃焼特性が改善され、特に未燃物質の排出量を効果的に低減することが可能となる。
(通常運転モード)
図3、図4は、プレヒート後、エンジン1を始動した後の通常運転におけるサーモスタット装置100の作動状態(通常運転モード)を示している。
[始動後暖機完了前まで](図3参照)
プレヒート終了後、電動式ウォーターポンプ8の駆動が停止されており、エンジン1が始動される。
エンジン1の始動が行なわれると、エンジン1によりウォーターポンプ2が駆動されるため、冷却水は、図2の冷却水の流れ方向とは逆に、図3に示すように、前記ハウジング部101から前記エンジン側接続部110を介してウォーターポンプ2側へ向けて流れるようになる。そして、ウォーターポンプ2により吐出される冷却水は、エンジン1の内部の冷却通路(図示せず)を通過し、バイパス通路400を通ってサーモスタット装置100に向けて流れることになる。
このとき、二方向弁6は例えば閉弁状態とすることができる。なお、車室内の暖房を行なう場合は二方向弁6を開弁させてヒーターコア5に暖かい冷却水を供給することができる。
また、冷却水温度が未だ所定の暖機完了温度(例えば、78°C〜88°Cの間に設定され、本発明に係る第1の所定温度の一例に相当する)に至っていないため、プレヒート時と同様、サーモエレメント160の温度感知部161内の熱膨張体が熱膨張してピストンロッド161aを伸張させておらず、前記スプリングシート162は前記コイルスプリング165の付勢力によって図3中上方に閉弁付勢されており、前記ラジエータ側接続部120側と前記ハウジング部101の内部との連通は遮断された状態となっている。
更に、バイパス通路400から分岐される蓄熱タンク通路500に冷却水が流入しようとすると、逆止弁151は閉弁され、ハウジング部101側と蓄熱タンク通路500側との連通は遮断された状態となる。
従って、ウォーターポンプ2により吐出される冷却水は、エンジン1の内部の冷却通路(図示せず)を通過し、バイパス通路400を流れて、前記サーモスタット装置100のハウジング部101の内部に前記バイパス通路接続部140を介して流入することになる。
このため、通常のエンジンにおける暖機運転と同じように、エンジン1の内部通路を経てエンジン1から流出する冷却水を、ラジエータ3、ヒータコア5、蓄熱タンク7などへ流入させることなく、バイパス通路400を介して循環させることができる。
よって、通常のエンジンの暖機運転と同じように、冷却水から外部へ持ち去られる熱量を低減し、エンジン1の燃焼熱等によって冷却水を始動後早期に昇温させることができることになる。
[暖機完了後](図4参照)
上述した図3に示す状態から、冷却水温度が上昇し、所定の暖機完了温度に至ると、サーモエレメント160の温度感知部161内の熱膨張体が熱膨張してピストンロッド161aを伸張させるため、図4に示すように、前記スプリングシート162は、前記コイルスプリング165の付勢力に抗して図4中下方に移動され、冷却水温度に応じて所定に開弁されて、前記ラジエータ側接続部120延いてはラジエータ通路200と前記ハウジング部101の内部とが所定に連通された状態となる。
これにより、ウォーターポンプ2により吐出される冷却水は、エンジン1の内部の冷却通路(図示せず)を通過した後、バイパス通路400及びラジエータ3が介装されるラジエータ通路200の双方を通ってサーモスタット装置100に向けて流れることになる。
このため、サーモスタット装置100のハウジング部101の内部では、バイパス通路400を通過した比較的高温な冷却水と、ラジエータ3により冷却されラジエータ通路200から流入する比較的低温の冷却水と、が混合され、当該混合後の冷却水温度を前記サーモエレメント160の温度感知部161が検知して、当該混合後の冷却水温度に応じてピストンロッド161aの伸張量が自動的に調整されることになる。これにより、前記スプリングシート162の開弁量が自動的に定められることになる。
なお、当該スプリングシート162の動きに連動して、前記ロッド166の下端側の位置規制部材169にコイルスプリング168により押圧付勢されている弁体として機能するスプリングシート167も図4中上下方向に移動されるため、バイパス通路接続部140と前記ハウジング部101の内部との連通度合いが自動的に制御されることになる。
すなわち、バイパス通路400を流れる冷却水温度がエンジン1の運転状態に応じて上昇すれば、混合後の冷却水温度が上昇するため、前記スプリングシート162の開弁量が増大される一方で前記スプリングシート167の開弁量が減少され、以ってラジエータ通路200を流れる冷却水量が増加されてバイパス通路400を流れる冷却水量が減少されるため、混合後の冷却水温度が低下される。
この逆に、バイパス通路400を流れる冷却水温度がエンジン1の運転状態に応じて低下すれば、混合後の冷却水温度が低下するため、前記スプリングシート162の開弁量が低減される一方で前記スプリングシート167の開弁量が増大され、以ってラジエータ通路200へ流入する冷却水量が減少されてバイパス通路400を流れる冷却水量が増加されるため、混合後の冷却水温度が上昇される。
このようにして、本実施例においても、通常のエンジン冷却系と同様に、暖機完了後は、エンジン1の運転状態に拘わらず、冷却水が略一定の温度に自動的に制御されることになる。
ここにおいて、前記スプリングシート167が閉弁される前記混合後の冷却水温度の閾値が、本発明に係る第2の所定温度(>第1の所定温度)の一例に相当する。
(走行時蓄熱モード)
上述したような暖機完了後の運転中において、混合後の冷却水温が所定の走行時蓄熱開始温度(例えば、78°C〜88°Cの間に設定され、本発明に係る第3の所定温度(>第1の所定温度)の一例に相当する)に至った場合、本実施例では、図5に示すように、蓄熱タンク7に高温の冷却水を貯留させるための蓄熱動作を行なうようになっている。
すなわち、混合後の冷却水温が所定の走行時蓄熱開始温度に至った場合には、これに応じてピストンロッド161aが所定に伸張され前記スプリングシート162の開弁量が増大されるが、これと同時に前記温度感知部161も図5中下方へ移動される。
従って、前記温度感知部161と略一体的なロッド166も図5中下方へ移動され、このロッド166の下端部の位置規制部材169に押圧付勢されている弁体としてのスプリングシート167も図5中下方へ移動されて、バイパス通路接続部140の弁座部141に着座してバイパス通路400を閉じる。ただし、弁座部141には、周方向に複数(一つでもよい)の切欠142が設けられているため、スプリングシート167が弁座部141に着座した状態でも、バイパス通路接続部140側からハウジング部101側への冷却水のある程度の流入がなされるようになっている。
更に、ロッド166の下端部が、逆止弁151の上端部と当接して逆止弁151を図5中下方に押下げることによって逆止弁151を開弁させる。
これにより、ハウジング部101内へ、逆止弁151の切欠152、蓄熱タンク通路接続部150、蓄熱タンク通路500を介して冷却水が流入されるようになる。従って、蓄熱タンク通路500に介装される蓄熱タンク7では、先に貯留されていた低温の冷却水を、新たに流入してくる比較的高温の冷却水によって入れ替えて貯留することができることになる。
このようにして、本実施例によれば、エンジン運転中(走行中)に高温の冷却水を蓄熱タンクに貯留させることができるため、次回始動時におけるプレヒートによる暖機効果を効果的なものとすることができる。
ところで、前述した第2の所定温度と前述した第3の所定温度の上下関係は、要求に応じて適宜設定可能である。
また、かかる走行時蓄熱モードにより高温の冷却水を蓄熱タンクに十分に貯留させることができなかった場合には、エンジン1の運転停止後に、プレヒートモードと同様に電動式ウォーターポンプ8を駆動することで、エンジン1内の比較的高温の冷却水を蓄熱タンク7に貯留させることが可能である。
なお、通常のエンジンと同様に、ヒータコア5が介装されるヒータコア通路300へは、通常運転モード、走行時蓄熱モード等において、例えば暖房等のために運転者などがヒーター回路のスイッチを入れたときに二方向弁6が開弁されて冷却水が流れるようになる。
以上説明したように、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置100によれば、従来における特許文献1や特許文献2に記載されているようなエンジン暖機用蓄熱システムにおいて、冷却水の循環系に通常のサーモスタットとは別に、別個新たに三方弁や熱応動弁機能付きの逆止弁を設け構造系を複雑化したり制御系を複雑化させることがないため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
すなわち、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置100によれば、1つのサーモエレメントの熱応動動作を多機能(逆止弁作動)に利用することができるため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
本発明の実施例2に係るサーモスタット(熱応動弁)装置600が利用されるエンジン暖機用蓄熱システムは、図1に概略的に示した実施例1のシステム構成と同様である。ここでは、実施例1と同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略することとする。
以下に、本実施例に係るサーモスタット装置600の構成について説明する。
図6に示すように、本実施例に係るサーモスタット装置600は、逆止弁651の取り付け位置が実施例1の逆止弁151と異なっている。
本実施例に係る逆止弁651は、ハウジング部101の側壁に配設され蓄熱タンク通路500に接続される蓄熱タンク通路接続部650に配設されている。なお、逆止弁651の開閉弁方向は、サーモエレメント160の温度感知部161の移動方向(或いはピストンロッド161aの伸張収縮方向)と略直交する方向に配設されている。当該逆止弁651は、ハウジング部101側の冷却水圧力により生じる押力(図6中右向き)が、蓄熱タンク通路500側の冷却水圧力により生じる押力(図6中左向き)とコイルスプリング652の付勢力との合計を上回った場合に図6中右側に移動されて開弁してハウジング部101側から蓄熱タンク通路500側への冷却水の通過を許容し、それ以外の時は逆止弁651は閉弁してハウジング部101側と蓄熱タンク通路500側との連通を遮断するようになっている。
また、本実施例では、ガイド部材610が、温度感知部161(或いはスプリングシート162)と略一体的に取り付けられている。
ここで、本実施例においては、図6に示した(プレヒートモード)、図7に示した(通常運転モード)、図8に示した(走行時蓄熱モード)において、逆止弁651は実施例1の逆止弁151と同様に機能し、実施例1で説明したと同様にして各モードが達成されることになる。
ただし、図8に示したように、(走行時蓄熱モード)においては、ハウジング部101内の冷却水温が所定の走行時蓄熱開始温度に至った場合、サーモエレメント160の温度感知部161内の熱膨張体が熱膨張してピストンロッド161aが図8中下方に伸張され、温度感知部161及びガイド部材610が図8中下方に移動されると、この移動に伴って、逆止弁651の端部651aがガイド部材610の外周部611と当接して当該外周部611の形状に倣って図8中右方向に押圧される。
このため、逆止弁651は、コイルスプリング653の付勢力及び逆止弁651の前後差圧に抗して、図8中右方向に移動され開弁されることになる。この一方で、温度感知部161と略一体的なロッド166も図8中下方へ移動され、これに伴いスプリングシート167も図8中下方へ移動されるため、バイパス通路接続部140の弁座部141に着座してバイパス通路400を閉じることになる。
ここで、逆止弁651が開弁されると、ハウジング部101内へ、逆止弁651の切欠652、蓄熱タンク通路接続部650、蓄熱タンク通路500を介して冷却水が流入されるようになる。よって、蓄熱タンク通路500に介装される蓄熱タンク7では、先に貯留されていた低温の冷却水を、新たに流入してくる比較的高温の冷却水によって入れ替えて貯留することができることになる。
このようにして、本実施例においても、エンジン運転中(走行中)に高温の冷却水を蓄熱タンクに貯留させることができるため、次回始動時におけるプレヒートによる暖機効果を効果的なものとすることができる。
なお、(通常運転モード)の[暖機完了後]のモードにおいて、ハウジング部101内の冷却水温が上昇し、所定の暖機完了温度に至った場合でも、蓄熱開始温度に至るまでは、図7に示したように、サーモエレメント160の温度感知部161内の熱膨張体が熱膨張してピストンロッド161aが伸張し、温度感知部161及びガイド部材610が図7中下方に移動されても、逆止弁651の端部651aは、ガイド部材610の外周部611と当接しないようにガイド部材610の外周部611の形状は形成されているため、逆止弁651が開弁することはない。
従って、本実施例においても、実施例1と同様にして、(通常運転モード)の[暖機完了前まで]のモード、[暖機完了後]のモードが達成されることになる。
以上説明したように、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置600によっても、従来における特許文献1や特許文献2に記載されているようなエンジン暖機用蓄熱システムにおいて、冷却水の循環系に通常のサーモスタットとは別に、別個新たに三方弁や熱応動弁機能付きの逆止弁を設け構造系を複雑化したり制御系を複雑化させることがないため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
すなわち、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置600によっても、1つのサーモエレメントの熱応動動作を多機能(逆止弁作動)に利用することができるため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
なお、本実施例は、バイパス通路接続部140と蓄熱タンク接続部650を独立して配設したので、実施例1のように弁座部141に切欠142を設ける必要がなく、バイパスバルブとして機能するスプリングシート167の閉弁(前記ハウジング部101内とバイパス通路400との連通の遮断)を確実に行えることができるため、第2の所定温度(バイパス閉弁温度)以上において、より冷却能力が要求されるときには、ラジエータ3を流れる冷却水流量を増加させることができ、以って冷却能力をアップさせることができる。
更に、バイパス通路接続部140と蓄熱タンク接続部650を独立して配設したことで、蓄熱タンク接続部650の配置の自由度を向上させることができる。このため、例えば、走行時蓄熱モードにおいて逆止弁651が押し開かれ冷却水がハウジング部101内に流入する際に、プレヒート時に蓄熱タンク7に貯留した(エンジン1から流入した)冷たい冷却水が蓄熱タンク通路500からハウジング部101内に流入し、この冷たい冷却水がサーモエレメント160の温度感知部161に直接的に当たることで偏った温度感知を生じさせ、エンジン1のための冷却水温度調節機能を乱すなどの惧れがあるが、このような惧れを、蓄熱タンク接続部650からのハウジング部101内への流入場所(配置)を工夫することで、極力小さくすることが可能となる。
また、本実施例のように、蓄熱タンク接続部650をハウジング部101のサイドに配設し(図6等参照)、ガイド部材610の外周部611と当接させ当該外周部611の形状に倣って逆止弁651を開弁させるようにした場合においては、前記ガイド部材610の外周部611をデフレクターとしての機能(水流を反らしたり曲げたりする機能)を持つよう形成することで、上述したような蓄熱タンク接続部650を介して蓄熱タンク7からの冷水がサーモエレメント160の温度感知部161に直接的に当たってしまい偏った温度感知を生じさせるような現象等を抑制することも可能である。
ところで、本実施例では、コイルスプリング653を設けて逆止弁651を閉弁方向に付勢しているが、当該コイルスプリング653を省略し、逆止弁651の前後差圧により閉弁させる構成とすることもできる。かかる場合には、逆止弁651を、圧力差のみで開閉弁する浮動弁、延いては空気抜き用の所謂ジグルバルブ(jiggle valve)として機能させることができるため、蓄熱タンク通路500に別個新たに空気抜き用のジグルバルブ(浮動弁)を設ける必要がなく、低コスト化、小型化等を図ることができる。
本発明の実施例3に係るサーモスタット(熱応動弁)装置700が利用されるエンジン暖機用蓄熱システムは、図1に概略的に示した実施例1のシステム構成と同様である。ここでは、実施例1と同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略することとする。
図9に示すように、本実施例に係るサーモスタット装置700は、実施例1の逆止弁151に代えて、逆止弁751(本発明に係る第3の弁装置の一部を構成する)が備えられる。
本実施例に係る逆止弁751は、実施例1と同様の蓄熱タンク通路接続部150に設けられている。しかしながら、当該逆止弁751には、実施例1の逆止弁151に作用していたコイルスプリング153が省略されている。
かかる構成の逆止弁751は、ハウジング部101側の冷却水圧力により生じる押力(図9中下向き)が、蓄熱タンク通路500側の冷却水圧力により生じる押力(図9中上向き)を上回った場合(自重や浮力、走行G等を無視すると−以下同様)に図9中下方に押下げられることで、逆止弁751に設けられた切欠752がハウジング部101の内部と蓄熱タンク通路500とを連通させ、ハウジング部101側から蓄熱タンク通路500への冷却水の通過を許容し、それ以外の時は逆止弁751の切欠752によるハウジング部101の内部と蓄熱タンク通路500と連通が遮断されるようになっている。
すなわち、本実施例に係る逆止弁751は、実施例1のようにコイルスプリング153を用いることなく、圧力差のみで開閉弁する浮動弁、延いては空気抜き用の所謂ジグルバルブ(jiggle valve)として機能するようになっている。
ここで、本実施例においても、図9に示した(プレヒートモード)、図10に示した(通常運転モード)、図11に示した(走行時蓄熱モード)において、逆止弁751は実施例1の逆止弁151と同様に機能し、実施例1で説明したと同様に各モードが達成される。
ただし、本実施例に係る(プレヒートモード)においては、図9に示すように、蓄熱タンク通路接続部150と電動式ウォーターポンプ8との間の蓄熱タンク通路500の冷却水圧力は低下しているため、ハウジング部101内の冷却水圧力により生じる押力(図9中下向き)が、蓄熱タンク通路500側の冷却水圧力により生じる押力(図9中上向き)を上回ることとなって、逆止弁751が図9中下側に移動されて開弁され、ハウジング部101側から蓄熱タンク通路500側への冷却水の通過が許容されることになる。
従って、実施例1と同様、電動式ウォーターポンプ8により圧送される蓄熱タンク7内の比較的高温な冷却水が、エンジン1内の停止中に冷やされた冷却水を蓄熱タンク7側へ押し出し、エンジン1内の図示しない冷却通路(ウォータージャケット等も含む)が蓄熱タンク7に貯留されていた比較的高温の冷却水によって満たされることとなって、エンジン始動前においてエンジン1の暖機が図られることになる。
これにより、エンジン1の始動性や始動後における燃焼特性が改善され、特に未燃物質の排出量を効果的に低減することが可能となる。
なお、本実施例に係る(通常運転モード)においても[始動後暖機完了前まで]のモード(図示せず)においては、更に、バイパス通路400から分岐される蓄熱タンク通路500に冷却水が流入しようとすると、逆止弁751は閉弁され、ハウジング部101側と蓄熱タンク通路500側との連通は遮断された状態となる。
従って、本実施例においても、実施例1と同様に(通常運転モード)が達成されることになる。
更に、本実施例に係る(走行時蓄熱運転モード)においては、図11に示すように、混合後の冷却水温が所定の走行時蓄熱開始温度に至り、これに応じてピストンロッド161aが所定に伸張され前記スプリングシート162の開弁量が増大されて温度感知部161も一体的に図11中下方へ移動される。
従って、実施例1と同様に、スプリングシート167が、バイパス通路接続部140の弁座部141に着座してバイパス通路400を閉じる。
更に、ロッド166の下端部に設けられている押圧部材760が、逆止弁751の上端部と当接して逆止弁751を図11中下方に押下げることによって逆止弁751を開弁させる。
このため、実施例1と同様に、逆止弁751の開弁により、ハウジング部101内へ、逆止弁751の切欠752、蓄熱タンク通路接続部150、蓄熱タンク通路500を介して冷却水が流入されるようになる。従って、蓄熱タンク通路500に介装される蓄熱タンク7では、先に貯留されていた低温の冷却水を、新たに流入してくる比較的高温の冷却水によって入れ替えて貯留することができることになる。
このようにして、本実施例によれば、エンジン運転中(走行中)に高温の冷却水を蓄熱タンク7に貯留させることができるため、次回始動時におけるプレヒートによる暖機効果を効果的なものとすることができる。
なお、本実施例では、図10に示したように、ロッド166の下端部166Aに設けられる開口部に挿入されている押圧部材760は、ロッド166に対して移動自在に構成されており、ロッド166に内装されるコイルスプリング761により、ロッド166の端部166Aに押圧付勢されている。
このため、当該(走行時蓄熱モード)において、上述のように、押圧部材760が、逆止弁751の上端部と当接して逆止弁751を開弁させる際には、押圧部材760は、図11に示したように、コイルスプリング761が圧縮されるようになっている。
このように、逆止弁751を開弁させたときにコイルスプリング761を圧縮させる構成としたことで、以下のような作用効果を奏することができる。
すなわち、例えば逆止弁751が完全に開弁された状態(図11の状態)において、更にサーモエレメント160の温度感知部161の周囲の流体温度が上昇した場合、ピストンロッド161aが更に伸張するために逆止弁751やハウジング部101を破損させる惧れがあるが、このような惧れを、コイルスプリング761等により押圧部材760を弾性的に支持する構成としたため、ピストンロッド161aの更なる伸張代(所謂オーバーストローク又はオーバートラベル)を吸収することで、回避することができる。
以上説明したように、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置700によっても、従来における特許文献1や特許文献2に記載されているようなエンジン暖機用蓄熱システムにおいて、冷却水の循環系に通常のサーモスタットとは別に、別個新たに三方弁や熱応動弁機能付きの逆止弁を設け構造系を複雑化したり制御系を複雑化させることがないため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
すなわち、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置700によっても、1つのサーモエレメントの熱応動動作を多機能(逆止弁作動)に利用することができるため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
更に、本実施例に係る逆止弁751は所謂ジグルバルブとしての機能も有するため、蓄熱タンク通路500に別個新たに空気抜き用のジグルバルブ(浮動弁)を設ける必要がないため、低コスト化、小型化等を図ることができる。
本発明の実施例4に係るサーモスタット(熱応動弁)装置800が利用されるエンジン暖機用蓄熱システムは、図1に概略的に示した実施例1のシステム構成と同様である。ここでは、実施例1と同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略することとする。
図12に示すように、本実施例に係るサーモスタット装置800は、実施例3と同様の逆止弁851と、押圧部材860、コイルスプリング861等を備えて構成されている。これらが、本発明に係る第3の弁装置の一部を構成する。
なお、本実施例においては、図12に示したように、バイパス通路接続部140と蓄熱タンク通路接続部150と、が独立して配設されている。
そして、前記押圧部材860は、バイパス通路接続部140を貫通して逆止弁851の上端部に臨んで配設される収容穴862に摺動自在に収容されている。
ここで、本実施例においても、図12に示した(プレヒートモード)、図13に示した(通常運転モード)、図15に示した(走行時蓄熱モード)において、逆止弁851は実施例3の逆止弁751と同様に機能し、実施例1及び実施例3で説明したと同様に各モードが達成されることになる。
なお、図14に示す(走行時蓄熱モード)においては、押圧部材860の先端部が前記収容穴862を貫通して図14中下方に突出して逆止弁851の上端部と当接し逆止弁851を開弁させるようになっている。
このように、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置800によっても、従来における特許文献1や特許文献2に記載されているようなエンジン暖機用蓄熱システムにおいて、冷却水の循環系に通常のサーモスタットとは別に、別個新たに三方弁や熱応動弁機能付きの逆止弁を設け構造系を複雑化したり制御系を複雑化させることがないため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
すなわち、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置800によっても、1つのサーモエレメントの熱応動動作を多機能(逆止弁作動)に利用することができるため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
更に、本実施例に係る逆止弁851は所謂ジグルバルブとしての機能も有するため、別個新たに空気抜き用のジグルバルブ(浮動弁)を設ける必要がないため、低コスト化、小型化等を図ることができる。
なお、本実施例において、逆止弁851を、閉弁方向に付勢するコイルスプリングにより付勢されない浮動弁(或いは所謂ジグルバルブ)として例示したが、これに限定されるものではなく、逆止弁851を閉弁方向に付勢するコイルスプリングを配設する構成とすることができるものである。
また、本実施例は、バイパス通路接続部140と蓄熱タンク接続部150を独立して配設したので、実施例1のように弁座部141に切欠142を設ける必要がなく、バイパスバルブとして機能するスプリングシート167の閉弁(前記ハウジング部101内とバイパス通路400との連通の遮断)を確実に行えることができるため、第2の所定温度(バイパス閉弁温度)以上において、より冷却能力が要求されるときには、ラジエータ3を流れる冷却水流量を増加させることができ、以って冷却能力をアップさせることができる。
更に、バイパス通路接続部140と蓄熱タンク接続部150を独立して配設したことで、蓄熱タンク接続部150の配置の自由度を向上させることができる。このため、例えば、走行時蓄熱モードにおいて逆止弁851が押し開かれ冷却水がハウジング部101内に流入する際に、プレヒート時に蓄熱タンク7に貯留した(エンジン1から流入した)冷たい冷却水がハウジング部101内に流入し、この冷たい冷却水がサーモエレメント160の温度感知部161に直接的に当たることで偏った温度感知を生じさせ、エンジン1のための冷却水温度調節機能を乱すなどの惧れがあるが、このような惧れを、蓄熱タンク接続部150からのハウジング部101内への流入場所(配置)を工夫することで、極力小さくすることが可能となる。
本発明の実施例5に係るサーモスタット(熱応動弁)装置900が利用されるエンジン暖機用蓄熱システムは、図1に概略的に示した実施例1のシステム構成と同様である。ここでは、実施例1と同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略することとする。
図15(a)に示すように、本実施例に係るサーモスタット装置900は、実施例3で説明したと同様の所謂ジグルバルブ構造の逆止弁951(本発明に係る第3の弁装置の一部を構成する)が備えられ、当該逆止弁951のハウジング部101側の上端部に円盤状に拡張された円盤状部材953が略一体的に取り付けられている。なお、符号952は、逆止弁951が開弁したときに(例えば、図15のプレヒートモードの状態)、ハウジング部101の内部と蓄熱タンク通路接続部150とを連通させるための切欠である。
また、本実施例に係る蓄熱タンク通路接続部150は、バイパス通路接続部140を貫通してハウジング部101の内部に臨むように形成されている。そして、バイパス通路接続部140は、蓄熱タンク通路接続部150の周囲から接続通路145を介してハウジング部101の内部と連通するように構成されている。
ここで、図15(a)に示すように、逆止弁951が開弁されているときは、当該逆止弁951に略一体的な円盤状部材953によって、前記接続通路145は閉じられており、バイパス通路接続部140と、ハウジング部101の内部と、の連通は遮断されるようになっている。
また、本実施例においては、実施例1のスプリングシート167に代えて、スプリングシート967が採用されており、当該スプリングシート967は、実施例1のスプリングシート167と同様に、位置規制部材169により下方への移動を規制しつつロッド166に対して摺動自在に嵌挿されている。しかしながら、図15(b)に示したように、スプリングシート967の下方には、切欠968を間に挟んで例えば四分割され円筒状に配設される円筒状部材969が取り付けられている。
以上のような構成を備えた本実施例においても、図15に示した(プレヒートモード)、図16に示した(通常運転モード)、図17に示した(走行時蓄熱モード)において、逆止弁951は実施例3の逆止弁751と同様に機能し、実施例1や実施例3で説明したと同様に各モードが達成されることになる。
ただし、本実施例に係る(プレヒートモード)においては、図15に示すように、蓄熱タンク通路接続部150と電動式ウォーターポンプ8との間の蓄熱タンク通路500の冷却水圧力は低下するため、ハウジング部101内の冷却水圧力により生じる逆止弁951に作用する押力(図15中下向き)が、蓄熱タンク通路500側の冷却水圧力により生じる逆止弁951に作用する押力(図15中上向き)を上回り、更にハウジング部101内とバイパス通路400側の冷却水圧力がほぼ同圧であるため、ハウジング部101内の冷却水圧力によって生じる円盤状部材953に作用する押力(図15中下向き)と、蓄熱タンク通路500側の冷却水圧力によって生じる円盤状部材953に作用する押力(図15中上向き)がほぼ釣り合うため、逆止弁951と逆止弁951に略一体的な円盤状部材953が図15中下向きに移動されることにより、逆止弁951が開弁され、ハウジング部101側から蓄熱タンク通路500側への冷却水の通過が許容されることになる。
従って、実施例1や実施例3と同様、電動式ウォーターポンプ8により圧送される蓄熱タンク7内の比較的高温な冷却水が、エンジン1内の停止中に冷やされた冷却水を蓄熱タンク7側へ押し出し、エンジン1内の図示しない冷却通路(ウォータージャケット等も含む)が蓄熱タンク7に貯留されていた比較的高温の冷却水によって満たされることとなって、エンジン始動前においてエンジン1の暖機が図られることになる。
ここにおいて、本実施例では、逆止弁951が開弁されると、逆止弁951の上端部に取り付けられた円盤状部材953(本発明に係る第2の弁装置の代替として機能する)により前記接続通路145が閉じられ、バイパス通路接続部140と、ハウジング部101の内部と、の連通は遮断されるため、バイパス通路400からハウジング部101の内部への冷却水流れがなくなることで蓄熱タンク7内の冷却水を全てエンジン1に供給することができ、蓄熱タンク7に貯留されていた比較的高温の冷却水を効果的にエンジン1の暖機に利用することが可能となる。
また、本実施例に係る(通常運転モード)の[始動後暖機完了前まで]のモード(図示せず)においては、電動式ウォーターポンプ8の駆動が停止され、バイパス通路400から分岐される蓄熱タンク通路500に冷却水が流入しようとすると共に、バイパス通路400に冷却水が圧送されてくるため、逆止弁951は閉弁され、ハウジング部101側と蓄熱タンク通路500側との連通は遮断された状態となる。
従って、本実施例においても、実施例1や実施例3と同様に(通常運転モード)のモードが達成されることになる。
本実施例に係る(走行時蓄熱モード)においては、図17に示すように、混合後の冷却水温が所定の走行時蓄熱開始温度に至り、これに応じてピストンロッド161aが所定に伸張され前記スプリングシート162の開弁量が増大されて温度感知部161も一体的に図17中下方へ移動される。
従って、図17に示したように、スプリングシート967の下端側に取り付けられた円筒状部材969が、逆止弁951の上端部に取り付けられている円盤状部材953を押圧し逆止弁951を開弁させると共に、円盤状部材953により接続通路145を遮断してバイパス通路400とハウジング部101の内部との連通を遮断することになる。
これにより、ハウジング部101内へ、逆止弁951の切欠952、蓄熱タンク通路接続部150、蓄熱タンク通路500を介して冷却水が流入されるようになる。よって、蓄熱タンク通路500に介装される蓄熱タンク7では、先に貯留されていた低温の冷却水を、新たに流入してくる比較的高温の冷却水によって入れ替えて貯留することができることになる。
このようにして、本実施例によれば、エンジン運転中(走行中)に高温の冷却水を蓄熱タンクに貯留させることができるため、次回始動時におけるプレヒートによる暖機効果を効果的なものとすることができる。
以上説明したように、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置900によっても、従来における特許文献1や特許文献2に記載されているようなエンジン暖機用蓄熱システムにおいて、冷却水の循環系に通常のサーモスタットとは別に、別個新たに三方弁や熱応動弁機能付きの逆止弁を設け構造系を複雑化したり制御系を複雑化させることがないため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
すなわち、本実施例に係るサーモスタット(熱応動弁)装置900によっても、1つのサーモエレメントの熱応動動作を多機能(逆止弁作動)に利用することができるため、構成の簡略化及び低コスト化を促進することができる。
更に、本実施例に係る逆止弁951は所謂ジグルバルブとしての機能も有するため、蓄熱タンク通路500に別個新たに空気抜き用のジグルバルブ(浮動弁)を設ける必要がないため、低コスト化、小型化等を図ることができる。
また、本実施例は、バイパス通路接続部140と蓄熱タンク接続部150を独立して配設したので、実施例1のように弁座部141に切欠142を設ける必要がなく、円盤状部材953の閉弁(前記ハウジング部101内とバイパス通路400との連通の遮断)を確実に行えることができるため、第2の所定温度(バイパス閉弁温度)以上において、より冷却能力が要求されるときには、ラジエータ3を流れる冷却水流量を増加させることができ、以って冷却能力をアップさせることができる。
加えて、プレヒート時に、逆止弁951に略一体的に取り付けられバイパスバルブとして機能する円盤状部材953は差圧力により閉弁されるので、冷却水がバイパス通路400を流れないようにすることができるため、蓄熱タンク7内の冷却水を全てエンジン1に供給することができ、簡単な構成でありながら、暖機効率を向上させることができる。
また、本実施例では、図17で説明したように、スプリングシート967の下端側に取り付けられた円筒状部材969が、逆止弁951の上端部に取り付けられている円盤状部材953を押圧して逆止弁951を開弁させるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、実施例3で説明したようなロッド166の下端部に押圧部材760を設け、当該押圧部材760により逆止弁951を押下げることによって逆止弁951を開弁させる構成などとすることができる。
ところで、上述した各実施例は、図1に示した冷却システムを一例として説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図18に示すような冷却システムにも適用可能である。すなわち、バイパス通路400を省略してヒータコア通路300をバイパス通路400として利用するような冷却システムにも、本発明に係るサーモスタット(熱応動弁)装置は適用可能である。この際、図18に示したように、ヒータコア5をバイパスする通路を設け、当該通路を冷却水が通過するよう構成することもできる。
また、上述した各実施例において、装置の簡略化、低コスト化等のために、例えば、前記バイパス通路接続部140と前記ハウジング部101の内部とを連通或いは遮断する弁として機能するスプリングシート167等(本発明に係る第2の弁装置に相当する部分)が省略して構成されることも想定されるが、かかる省略された構成も本発明の範囲である。
更に、上述した各実施例では、熱応動素子であるサーモエレメント160のワックス等の熱膨張体を内封した温度感知部161を、ハウジング部101(所定領域)内の冷却水の温度を感知する位置に配設して説明したが、これに限定されるものではなく、所望の制御したい冷却水の温度を感知することができるように、サーモエレメント160のワックス等の熱膨張体を内封した温度感知部161を、前記ハウジング部101(所定領域)内とは異なる部位に配設するような構成とすることもできる。
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、サーモスタット(熱応動弁)装置100、600〜900を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
また、熱応動弁のアクチュエータとしては、上述した各実施例で説明した温度を感知して膨張収縮するワックス等の熱膨張体を内封したサーモエレメントに限らず、バイメタルや形状記憶合金といった温度に応じて変形する部材などを用いたものも採用可能である。
また、上述した各実施例では、サーモスタット(熱応動弁)装置100、600〜900を、エンジン冷却水回路においてエンジンの入口側に配設した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エンジンの出口側に配設した場合においても、同様の作用効果が得られるものである。
更に、本発明に係るサーモスタット(熱応動弁)装置は、蓄熱システムに適用される場合に限定されるものではなく、冷媒の分配を必要とする車両、機器等、燃料電池自動車の冷却装置、その他暖機を必要とする冷却装置、液体ライン等にも適用可能である。
本発明の実施例1に係るサーモスタット装置が利用される暖機用蓄熱システムの一例を概略的に示す全体構成図である。 同上実施例のサーモスタット装置のプレヒートモードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の通常運転モード(暖機完了前まで)における作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の通常運転モード(暖機完了後)における作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の走行時蓄熱モードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 本発明の実施例2に係るサーモスタット装置のプレヒートモードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の通常運転モード(暖機完了後)における作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の走行時蓄熱モードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 本発明の実施例3に係るサーモスタット装置のプレヒートモードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の通常運転モード(暖機完了後)における作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の走行時蓄熱モードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 本発明の実施例4に係るサーモスタット装置のプレヒートモードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の通常運転モード(暖機完了後)における作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の走行時蓄熱モードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 本発明の実施例5に係るサーモスタット装置のプレヒートモードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の通常運転モード(暖機完了後)における作動状態を説明する概略断面図である。 同上実施例のサーモスタット装置の走行時蓄熱モードにおける作動状態を説明する概略断面図である。 本発明に係るサーモスタット装置が利用される暖機用蓄熱システムの他の一例を概略的に示す全体構成図である。 従来の暖機用蓄熱システムの一例を概略的に示す全体構成図である。 従来の暖機用蓄熱システムの他の一例を概略的に示す全体構成図である。 同上従来の暖機用蓄熱システムの改良例を概略的に示す全体構成図である。 同上従来の暖機用蓄熱システムに利用される逆止弁の構造を説明するための概略断面図である。
符号の説明
1 エンジン(燃焼装置に相当)
2 ウォーターポンプ
3 ラジエータ
5 ヒータコア
7 蓄熱タンク
8 電動式ウォーターポンプ
100 サーモスタット(熱応動弁)装置
151 逆止弁
160 サーモエレメント
200 ラジエータ通路
300 ヒータコア通路
400 バイパス通路
500 蓄熱タンク通路
600 サーモスタット(熱応動弁)装置
651 逆止弁
700 サーモスタット(熱応動弁)装置
751 逆止弁
800 サーモスタット(熱応動弁)装置
851 逆止弁
900 サーモスタット(熱応動弁)装置
951 逆止弁

Claims (5)

  1. 周囲の流体温度に応じて熱応動する熱応動素子により駆動され、前記周囲の流体温度に応じて第1の流体通路と所定領域との連通度合いを制御する第1の弁装置と、
    前記熱応動素子の熱応動動作を利用して、第2の流体通路と前記領域との連通度合いを制御する第2の弁装置と、
    前記熱応動素子の熱応動動作を利用して、第3の流体通路と前記領域或いは前記領域に接続される第2の流体通路と、の連通度合いを制御する第3の弁装置と、
    を備えて構成される熱応動弁装置であって、
    前記第1の弁装置が、前記周囲の流体温度が第1の所定温度より低い場合に閉弁され第1の流体通路と前記領域との連通を制限すると共に、第1の所定温度以上の場合に開弁され前記第1の流体通路と前記領域とを連通させるように構成され、
    前記第2の弁装置が、前記周囲の流体温度が第2の所定温度より低い場合に開弁され第2の流体通路と前記領域とを連通させると共に、第2の所定温度以上の場合に閉弁され前記第2の流体通路と前記領域との連通を制限するように構成され、
    前記第3の弁装置が、前記第3の流体通路から流体が前記領域或いは前記領域に接続される第2の流体通路内へ流入する際には閉弁して前記第3の流体通路から前記領域或いは前記領域に接続される第2の流体通路への流体の流入を制限する逆止弁を含んで構成され、前記周囲の流体温度が第3の所定温度以上の場合に前記熱応動素子の熱応動動作を利用して当該逆止弁が開弁され前記第3の流体通路と前記領域或いは前記領域に接続される第2の流体通路とを連通させるように構成される
    ことを特徴とする熱応動弁装置。
  2. 前記第1の所定温度より前記第2の所定温度が高く設定され、前記第1の所定温度より前記第3の所定温度が高く設定されることを特徴とする請求項に記載の熱応動弁装置。
  3. 前記第1の弁装置が、前記熱応動素子の熱応動動作により移動される移動体の動作を利用して開閉弁し、
    前記第2の弁装置が、前記移動体の動作を利用して開閉弁されると共に、
    前記移動体の移動方向が、変換手段を介して変換され、当該変換された移動方向に沿って前記第3の弁装置の逆止弁が開弁されることを特徴とする請求項又は請求項に記載の熱応動弁装置。
  4. 前記第3の弁装置の逆止弁が、前記熱応動素子の熱応動動作により開弁されていないときに、空気抜き用の浮動弁として機能するよう構成されることを特徴とする請求項〜請求項の何れか1つに記載の熱応動弁装置。
  5. 前記第3の弁装置の逆止弁に略一体的に取り付けられた弁体を介して前記第2の流体通路と前記領域との連通度合いを制御するように構成されることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の熱応動弁装置。
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