JP2004301032A - エンジンの冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却水ポンプ5の吸込口5iと吐出口5pとを連通するバイパス路10と、このバイパス路を開閉する電磁弁11とを設ける。前記電磁弁は、サーモスタットバルブ9の作動温度よりも低温に設定した設定温度以上では前記バイパス路を閉ざし、当該設定温度未満では開くように構成する。電磁弁が開弁している低温始動条件下ではエンジン冷却水は内部循環路8への冷却水循環も停止するので、冷却水温度は短時間で上昇する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの冷却装置に関し、特に暖機時間の短縮を目的とした水冷式冷却装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】
水冷式冷却装置ではエンジンの冷間始動から暖機完了までに時間を要し、その間は燃焼状態が不安定でエンジン性能を十分に発揮させられないことに加えて、車両用エンジンでは車室内暖房用のヒーターシステムを利用できないなど使い勝手の点でも問題が生じる。特に直噴式ディーゼルエンジンのように熱損失の少ないエンジンや、高速・高負荷運転に対応するように多量の冷却水を循環させる設計のエンジンでは暖機時間も相応に長くなる。
【0003】
暖機時間の短縮を目的とした水冷式冷却装置としては、特許文献1に示したようなものが知られている。これは冷却水ポンプとエンジン駆動軸との間の回転伝達機構を油圧により断続するようにしたもので、低温時にはエンジンの駆動力伝達を断って冷却水ポンプを停止させることにより暖機を促すようにしたものである。しかしながら、このような装置では動力の断続のために機構が複雑化し、その信頼性や耐久性にも不安が生じる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−27942号公報
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、サーモスタットバルブによりラジエータへの冷却水循環を切り換える水冷式冷却装置において、エンジン駆動の冷却水ポンプの吸込側と吐出側とを連通するバイパス路と、このバイパス路を開閉する弁装置とを設ける。前記弁装置は、前記サーモスタットバルブの作動温度よりも低温に設定した設定温度以上では前記バイパス路を閉ざし、当該設定温度未満ではバイパス路を開くように構成する。
【0006】
【作用・効果】
本発明によれば、サーモスタットバルブの作動温度よりも低温の設定温度以下では弁装置によりバイパスバルブを開いて冷却水ポンプからの吐出冷却水をポンプ内循環させる。これにより弁装置が開弁している低温始動条件下ではエンジン冷却水は内部循環路への冷却水循環も停止するので、最小限の時間で冷却水を加熱して暖機時間を短縮することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、1はエンジンシリンダブロック、2はエンジンシリンダヘッド、3はラジエータ、4は暖房用ヒータコア、5は冷却水ポンプである。
【0008】
シリンダブロック1とシリンダヘッド2にはそれぞれ冷却水が注入される冷却水ジャケット1a、2aが形成されている。ヘッド側ジャケット2aとラジエータ3との間にはジャケット2aからの冷却水をラジエータ3に送り込むための出口パイプ6が、ブロック側ジャケット1aとラジエータ3との間には、ラジエータ3からの冷却水をジャケット1aに戻すための入口パイプ7がそれぞれ接続されており、前記出口パイプ6と入口パイプ7とで冷却水の外部循環路を構成している。
【0009】
冷却水ポンプ5はエンジン動力により作動する機械式ポンプであり、前記入口パイプ7とジャケット1aとの接続部付近に位置するようにエンジンシリンダブロック1に内装されている。入口パイプ7には冷却水ポンプ5の吸込口5iの付近とヘッド側ジャケット2aとを接続する内部循環路8が形成されている。また、この内部循環路8と入口パイプ7との接続部付近には、冷却水ポンプ5の吐出水流を切り換えるサーモスタットバルブ9が介装されている。
【0010】
前記サーモスタットバルブ9は、所定の作動温度T1(通常は80〜90℃の範囲内に設定されている。)未満では内部循環路8を開いて入口パイプ7を閉ざし、T1以上では内部循環路8を閉ざして入口パイプ7を開くように作動する。すなわち、エンジン運転時には、冷却水ポンプ5の吐出冷却水は、温度T1未満では冷却水ジャケット1a,2aと内部循環路8との間を流れ、温度T1以上では冷却水ジャケット2aから出口パイプ6を経由してラジエータ3へ、さらにラジエータ3から入口パイプ7を経由して冷却水ジャケット1aへと循環する。
【0011】
前記冷却水ポンプ5には、その吸込口5iと吐出口5pとを接続するバイパス路10が形成されている。前記バイパス路10は、冷却水温度に応動する弁装置により開閉される。この実施形態では、前記弁装置はバイパス路10を開閉する電磁弁11と、冷却水ジャケット1aの冷却水温度を検出する温度センサ12、温度センサ12からの信号に基づいて電磁弁11を駆動する制御装置13とから構成されている。
【0012】
前記制御装置13はたとえばCPUおよびその周辺装置からなるマイクロコンピュータにより構成されており、図2にも示したように、温度センサ12により検出した冷却水温度が設定温度T2未満のときはバイパス路10を開き、T2以上のときはバイパス路10を閉ざすように、電磁弁11を制御する。前記設定温度T2はサーモスタットバルブ9の作動温度T1よりも低温の、たとえば50℃程度に設定されている。
【0013】
前記内部循環路8と並列に、ヒータコア4に冷却水を循環させる出口通路14および入口通路15が形成されており、冷却水ポンプ5に吐出圧が立ち上がっているときは冷却水ジャケット1a,2aの冷却水はヒータコア4との間で循環し、暖房用の熱源となる。
【0014】
この実施形態の作動につき、温度経過に従って説明すると次の通りである。エンジンを始動すると、エンジン運転と共に冷却水ポンプ13も作動を開始する。ただし、このとき冷却水温度が電磁弁11の設定温度であるT2未満の低温状態のときには制御装置13によりバイパス路10が開かれているため、冷却水ポンプ5はその吸込口5iと吐出口5pとが短絡した状態であり、吐出圧をほとんど発生しない。この状態では冷却水ジャケット1a,2a内の冷却水は内部循環路8にも流れず、ほぼ静止状態にある。このためジャケット1a,2a内の冷却水はエンジン燃焼熱を受けて急速に温度上昇する。
【0015】
冷却水温度が上昇を続けてT2に達すると電磁弁11が閉ざされるため、冷却水ポンプ5の吐出口5pに吐出圧が立ち上がる。ただしこの時点ではまだ冷却水温度はサーモスタットバルブ9の作動温度T1未満であるので、ラジエータ3との間のパイプ7は閉ざされている。この状態では、ジャケット1a,2a内の冷却水は冷却水ポンプ5の吐出圧により内部循環路8およびヒータコア4にのみ流れる。この状態においてもラジエータ3には冷却水が循環しないので、冷却水温度は速やかに上昇してゆく。
【0016】
さらに冷却水温度が上昇して、サーモスタットバルブ9の作動温度T1以上になると、入口パイプ7が開かれるため冷却水ポンプ5の吐出作用によりジャケット1a,2aの冷却水はラジエータ3との間でも循環を始める。これ以降は、冷却水温度は基本的にサーモスタットバルブ9の作動温度付近に保たれる。
【0017】
なお、前記実施形態では弁装置として電磁弁11,温度センサ12,制御装置13を設けたが、これに限らず、弁装置をエンジン冷却水温に応動する一般的なサーモスタットバルブ、たとえば冷却水温を関知して伸縮するワックスペレットをアクチュエータとして開閉作動する構成のバルブで構成するようにしてもよい。または、サーモスタットバルブは、冷却水温度に応じて開閉するサーモスイッチと、このサーモスイッチにより作動する電磁弁の組み合わせとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図。
【図2】弁装置の開閉状態と温度との関係を示す説明図。
【符号の説明】
1 エンジンシリンダブロック
1a 冷却水ジャケット
2 エンジンシリンダヘッド
2a 冷却水ジャケット
3 ラジエータ
4 暖房用ヒータコア
5 冷却水ポンプ
5i 冷却水ポンプの吸込口
5p 冷却水ポンプの吐出口
6 出口パイプ(外部循環路)
7 入口パイプ(外部循環路)
8 内部循環路
9 サーモスタットバルブ
10 バイパス路
11 電磁弁
12 温度センサ
13 制御装置
14 出口通路(ヒータ用循環路)
15 入口通路(ヒータ用循環路)
Claims (5)
- エンジン冷却水ジャケットとラジエータとの間に冷却水を循環させる外部循環路と、エンジン冷却水ジャケットの冷却水をラジエータを迂回して循環させる内部循環路と、エンジン駆動力により冷却水を圧送する冷却水ポンプと、冷却水ポンプからの冷却水を、作動温度以上では前記外部循環路に、作動温度未満では前記内部循環路に導入するサーモスタットバルブとを備えたエンジンにおいて、
前記冷却水ポンプの吸込口と吐出口とを連通するバイパス路と、このバイパス路を開閉する弁装置とを設け、
かつ前記弁装置は、前記サーモスタットバルブの作動温度よりも低温に設定した設定温度以上では前記バイパス路を閉ざし、当該設定温度未満ではバイパス路を開くように構成したことを特徴とするエンジンの冷却装置。 - 前記弁装置は、バイパス路の途中に介装される電磁弁と、冷却水温度を検出する温度センサと、温度センサからの信号に基づき前記電磁弁を開閉駆動する制御装置とから構成した請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
- 前記弁装置は、エンジン冷却水温に応動するサーモスタットバルブで構成した請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
- 前記エンジン冷却水ジャケットには、前記冷却水ポンプの吐出圧に基づき冷却水を暖房用ヒータコアに循環させるヒータ用循環路を備えている請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
- 前記サーモスタットバルブは、冷却水温度に応じて開閉するサーモスイッチと、このサーモスイッチの開閉に応動する電磁弁で構成した請求項1または請求項3に記載のエンジンの冷却装置。
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003095424A patent/JP2004301032A/ja active Pending
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