JP2000291432A - シリンダブロックの水冷制御方法とその装置 - Google Patents

シリンダブロックの水冷制御方法とその装置

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JP2000291432A
JP2000291432A JP11100794A JP10079499A JP2000291432A JP 2000291432 A JP2000291432 A JP 2000291432A JP 11100794 A JP11100794 A JP 11100794A JP 10079499 A JP10079499 A JP 10079499A JP 2000291432 A JP2000291432 A JP 2000291432A
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cooling water
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誠 谷掛
Yukimare Morinaga
幸希 森永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンが冷え切っている状態から暖機運転を
行うときには、シリンダブロックが過冷却にならないよ
うにしなければならない。このための方策が提案されて
いるが、これにはエンジン全域にわたる均一な温度上昇
が十分になされていないという問題がある。 【解決手段】上述の課題を解決するために、シリンダヘ
ッド4のウオータジャケット5とシリンダブロック2の
ウオータジャケット3とを各気筒毎に両ウオータジャケ
ット5、3の全域にわたって連通させ、冷却水をシリン
ダヘッド5にだけ流通させることによって、両ウオータ
ジャケット3、5に対流現象を発生させることが、解決
手段の基本になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】エンジンのシリンダブロック
とシリンダヘッドの水冷は、色々な方式が提案されてい
る。この発明は、このようなエンジン水冷方式の分野に
属している。
【0002】
【従来の技術】図1は、本願発明の実施形態であるが、
これを流用して従来技術を説明する。なお、この従来技
術は、特開平8−144758号公報に記載されてお
り、後述の第1の開示事項と第2の開示事項が注目され
る。まず、第1の開示事項を説明する。すなわち、エン
ジン1のシリンダブロック2にはウオータジャケット3
が設けられ、一方、シリンダヘッド4にはウオータジャ
ケット5が設けられている。便宜上、以下の説明におい
ては、シリンダブロック2のウオータジャケット3を
「ブロックジャケット」、シリンダヘッド4のウオータ
ジャケット5を「ヘッドジャケット」なる用語で表現し
ている。ブロックジャケット3とヘッドジャケット5と
は、図示していないがこの公報においては、図1の左端
近くに明けた連通孔で接続されている。上述のようなウ
オータジャケットの配置形態において、冷却水は矢印6
の個所からブロックジャケット3内へ直接流入させら
れ、シリンダブロック2を冷却してから上記の連通孔を
通って矢印7のようにヘッドジャケット5の方へ流さ
れ、シリンダヘッド4の端部から流出させられる。
【0003】さらに、第2の開示事項について説明す
る。すなわち、ヘッドジャケット5とブロックジャケッ
ト3とは完全にセパレートされていて、エンジンの端部
近くの一部に両ウオータジャケットの連通路が設置され
ている。暖機運転時には冷却水はヘッドジャケット5だ
けを流れ、このときにはブロックジャケット3内の冷却
水は静止したまま滞留している。その後、シリンダブロ
ック2の温度が所定値になると、冷却水はヘッドジャケ
ット5の一端側から他端側へ流れた後、上記の連通路か
らブロックジャケット2の端部に流れ込み、それからブ
ロックジャケットの他端部の方へ流れるようになってい
る。そして、このようにヘッドジャケットからブロック
ジャケットへの流通を成立させるために、サーモスタッ
ト弁を作動させてラジェータを通過させるようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第1の開示事項に関す
る課題を説明する。長時間エンジンを停止させておく
と、エンジンの温度はシリンダブロックやシリンダヘッ
ドの全域にわたって冷えきった状態になっている。この
状態で始動すると、冷却水は矢印6のごとくブロックジ
ャケット3へ直接的に供給されることになる。このよう
な水流であると、冷却水の温度が最も低い段階、すなわ
ち、冷却水がエンジンに流入した最初の段階でシリンダ
ブロック2が冷却されることになる。したがって、冷え
きったシリンダブロック2を燃焼熱で昇温させようとし
ているにもかかわらず、上述のような積極的なシリンダ
ブロックの冷却がなされることとなり、いわゆる、シリ
ンダブロックの過冷却ということになっている。本来、
シリンダとピストンとの良好な作動状態は、両者の温度
が適正な温度に達していなければならないのであるが、
上記のような過冷却現象であると、シリンダの内壁温度
の上昇に長時間を要し、十分な温度に達するまではピス
トンの摺動抵抗が大きくなったりして、燃料消費量の増
大を招くこととなる。すなわち、暖機運転が長時間にお
よび、機械的抵抗や燃費、ハイドロカーボン等排気ガス
の面で好ましくないのである。
【0005】第2の開示事項に関する課題を説明する。
上述のようなヘッドジャケットを冷却水が通過している
ときには、ブロックジャケット内の冷却水は静止したま
まであるから、シリンダブロックが短時間で高温になる
のはよいのであるが、ブロックジャケットへ冷却水が流
されるときには、ラジェータとヘッドジャケットを経由
した低温の冷却水がブロックジャケットへ供給されるた
めに、せっかく高温になったシリンダブロックが再び冷
却される現象が発生し、これを回復するのにさらに暖機
時間を必要とすることとなる。
【0006】
【課題を解決するための手段とその作用】本願発明は、
上述のような問題を解決するために発案されたもので、
暖機運転中はシリンダヘッドとシリンダブロックとの全
域にわたる「対流現象」で、シリンダブロックの過冷却
を回避することを基本的な考え方にしている。そして、
暖機運転中にシリンダヘッドの昇温速度を押さえ気味に
することによって、対流現象を持続させているのであ
る。
【0007】請求項1の発明は、シリンダヘッドのウオ
ータジャケットとシリンダブロックのウオータジャケッ
トが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって
連通させてある形式のものにおいて、冷却水はシリンダ
ヘッドのウオータジャケットを通過するように流通さ
せ、シリンダブロックで加熱された冷却水はシリンダヘ
ッドのウオータジャケット内へ流れ込ませ、それと入れ
替わりにシリンダヘッドの低温冷却水がシリンダブロッ
クのウオータジャケット内へ流入させられるように両ウ
オータジャケット間に対流現象を発生させることを特徴
とする冷却制御の方法である。したがって、エンジン始
動後の暫くの間はヘッドジャケットにだけ冷却水が通過
させられ、このときにブロックジャケットで温められた
冷却水が移動してきてヘッドジャケット内に流入し、そ
れに入れ替わってヘッドジャケット内の低温冷却水がブ
ロックジャケット内へ流入させられる。このような対流
現象は、各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわた
って発生させられる。このような全域にわたる対流現象
によって、ブロックジャケットの冷却水はシリンダブロ
ックを過冷却するようなことがなく、しかも、ヘッドジ
ャケットの冷却水温度とかけ離れることのない昇温変化
が、シリンダブロックにおいて気筒間バラツキのない状
態で得られるのである。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、シ
リンダブロックが冷却必要温度に達したときに冷却水の
流出制御弁によって、シリンダヘッドからの流出が停止
されてシリンダブロックからの流出が開始され、これに
よって冷却水はシリンダヘッドからシリンダブロックへ
流れるようにしたことを特徴とする冷却制御の方法であ
る。したがって、上記の対流現象を呈しながらシリンダ
ヘッド、シリンダブロックともできるだけ均一に昇温し
てから上述のような流通順序に切り替えられるので、こ
の切替えの前後における温度差はほとんどなく、順調な
温度平衡状態に移行することが可能となる。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2において、シリンダヘッドが所定温度に達したときに
シリンダヘッドへはラジェータを経由した冷却水が流入
制御弁を介して流入させられることを特徴とする冷却制
御の方法である。したがって、エンジン全体の温度が徐
々に高まってヘッドジャケットの冷却水温度がブロック
ジャケットの冷却水温度よりも高くなろうとしても、ラ
ジェータによる冷却効果でヘッドジャケット内の温度上
昇が抑制され、シリンダヘッドとシリンダブロック間に
おける対流現象の継続が図られる。もし、ヘッドジャケ
ット内の冷却水温度がブロックジャケットに比べて高く
なると、ブロックジャケット内で昇温させられた冷却水
がヘッドジャケット内に流入できなくなり、対流現象が
停止してしまうことになる。
【0010】請求項4の発明は、請求項2の方法を実現
させるための物であって、シリンダヘッドのウオータジ
ャケットとシリンダブロックのウオータジャケットが各
気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって連通さ
せてある形式のものにおいて、シリンダヘッドに冷却水
の流入口とヘッド側流出口を設けると共に、シリンダブ
ロックにはブロック側流出口を設け、両流出口は流出制
御弁に接続され、この流出制御弁は、シリンダブロック
が冷却必要温度に達したときにヘッド側流出口からの冷
却水流出を停止してブロック側流出口からの冷却水流出
に切り替える機能を有していることを特徴とする冷却制
御装置である。したがって、エンジンの始動後一定の時
間は、ヘッドジャケットへは流入口からヘッド側流出口
への冷却水流通がなされ、そのときにシリンダヘッド・
シリンダブロック間に対流現象が両ウオータジャケット
の全域にわたってなされる。そして、シリンダブロック
が冷却必要温度に達すると、エンジン内の流水は、シリ
ンダヘッドからシリンダブロックに切り替えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】図示の実施形態にしたがって本願
発明をくわしく説明する。シリンダブロック、シリンダ
ヘッド、各ウオータジャケット等は、前述の説明と同じ
である。エンジン1の各部構造は従来公知のものと同じ
であり、符号8はシリンダ、9はピストン、10はコネ
クティングロッド、11は吸気ポート、12は排気ポー
ト、13は吸気弁、14は排気弁であり、バルブステム
15、16の端部にはロッカアーム17が当たってい
る。そして、18はロッカアームシャフト、19はバル
ブスプリングである。
【0012】ヘッドジャケット5とブロックジャケット
3とは、「各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわ
たって連通させてある」という点について説明する。図
3は、シリンダブロック2の上面を見た平面図であり、
各シリンダ8、8の周囲には円弧型の連通孔6aがシリ
ンダ8、8を包囲するような状態で設置され、シリンダ
8、8の間にも連通孔6bが開口させてある。これらの
連通孔6a、6bがシリンダヘッド側の連通孔とぴった
りと一致している。このような構造が、上述の全域にわ
たる連通なのである。
【0013】シリンダヘッド4の片側にはヘッドジャケ
ット5の流入口20が、他側にはヘッドジャケットのヘ
ッド側流出口21が設けられ、流入口20はウオータポ
ンプ22の吐出側に接続され、ヘッド側流出口21は流
出制御弁23に接続されている。また、シリンダブロッ
クにはブロックジャケット3のブロック側流出口24が
設けられ、それは流出制御弁23に接続されている。流
入制御弁25は、ラジェータ26への通水を選択する機
能を有しており、流出制御弁23と管路27を介して接
続されている。
【0014】流出制御弁23は、シリンダブロック2が
冷却必要温度に達したときにヘッド側流出口21からの
冷却水流出を停止してブロック側流出口24からの冷却
水流出に切り替える機能を有している。この切替えのト
リガー因子としては、いろいろなものが考えられるが、
ひとつには、センサーでシリンダブロックの冷却必要温
度を検知して、その信号で流出制御弁23の切替え動作
を行わせるもの、さらには、シリンダブロックが冷却必
要温度に達するまでの時間を、始動時の温度毎にタイマ
ーに記憶させておいて、所定時間の経過時点で流出制御
弁23の切替え信号を発するもの、あるいは、ヘッドジ
ャケット5の水温とブロックジャケット3の水温との相
関性を把握しておき、ヘッドジャケット5の所定の水温
で流出制御弁23を作動させるもの等がある。
【0015】図示のものは、上述の最後に掲げた相関方
式であり、管路27の角部28にワックス容器29がヘ
ッド側流出口21からの温水にさらされる状態で配置さ
れ、この容器に弁板30が結合されており、ワックス容
器29内から伸びているプッシュロッド31が静止部
材、すなわち流出管32の内壁に突き当ててある。弁板
30は、流出管32を開閉させるもので、図示の状態は
流出管32が閉じられて、角部28が開通しているとこ
ろである。ワックス容器29に作用する水温が所定値に
達すると、ワックスの膨張によって発生する反力がプッ
シュロッド31に作用するので弁板30が右方へ後退さ
せられ、角部28を閉じ、流出管32から管路27への
通路が開通する。なお、ブロックジャケットとヘッドジ
ャケットとの水温の相関は、たとえば、ブロックジャケ
ットの適正温度が摂氏90度であれば、ヘッドジャケッ
トの温度は摂氏80度であるので、ワックス容器29の
作動出力を摂氏80度に設定しておけばよいのである。
【0016】流入制御弁25も弁23に類似した構造で
あり、管路27からの冷却水にさらされているワックス
容器33、同容器と一体の弁板34、プッシュロッド3
5を有している。流入制御弁25とラジェータ26は接
続管36でつないである。ワックス容器33に作用する
管路27の水温、すなわち、ヘッドジャケット5の水温
が所定値に達すると、前述の流出制御弁23と同様にし
て弁板34が左方へ移動して管路27の冷却水をラジェ
ータ26へ切り替える。ウオータポンプ22の吸入側に
は、流入制御弁25からの管路37とラジェータ26か
らの管路38が合流して接続されている。
【0017】つぎに、ブロックジャケット3とヘッドジ
ャケット5との間でなされる対流現象について、図2に
基づき説明する。本来的には、ブロックジャケット3内
で温められた冷却水が、上昇してヘッドジャケット5内
に流入するのである。しかしながら、実際にはヘッドジ
ャケット5内の水流が好ましい形で影響している。すな
わち、シリンダヘッド4に点火栓39が斜め方向から差
し込まれるような場合であると、左右のヘッドジャケッ
ト5、5の流路面積に大小の差ができ、左側は流路が小
さいのでその個所の流速は大きくなる。一方、右側の流
路は大きいのでその個所の流速は小さくなる。このよう
な流速の差によって、左側はブロックジャケット3内の
冷却水を吸い出す傾向となり、右側は左側に対応してブ
ロックジャケット3内へ冷却水を送り込む傾向となる。
このような流速の差に基づく現象と、純粋の対流とが複
合して両ウオータジャケット間で冷却水の授受がなされ
るのである。
【0018】上述の実施形態の作用を、図4〜図6をま
じえて説明する。なお、これらの3図は、実線部分は冷
却水が流れている状態を、破線は冷却水が流れていない
状態を示している。図4は、エンジンの始動直後の状態
で、ウオータポンプ22から吐出された冷却水は、ヘッ
ドジャケット5の流入口20からヘッドジャケット5内
に流入し、ヘッド側流出口21から出てゆく。そして、
流出制御弁23と流入制御弁25は図1の状態であるか
ら、冷却水はラジェータ26へ送られることなく、図4
のようにシリンダヘッド4だけを通過している。このと
きには、ブロックジャケット3の温められた冷却水が、
いずれかの連通孔6aや6bからヘッドジャケット5内
に流入し、それと入れ替わりにヘッドジャケット5内の
低温冷却水が前記連通孔6a、6bのいずれかを通って
ブロックジャケット3内に流入し、いわゆる対流現象が
生じる。この時に、図2で説明したヘッドジャケット5
内の流速差も複合的に作用している。
【0019】したがって、図4の段階では、ラジェータ
26を迂回しているから、シリンダヘッド4の温度は急
速に上昇している。しかし、ヘッドジャケット5の冷却
水温度が高温になり過ぎるのを抑制するために、図5の
ようにラジェータ26へ冷却水が流される。これは、ヘ
ッドジャケット5内の高温冷却水が管路27を経てワッ
クス容器33に作用するので、弁板34が左方に移動し
て、管路27の冷却水をラジェータ26の方に切り替え
るのである。この図5の状態においても、両ウオータジ
ャケット3、5間の対流現象は継続している。
【0020】このようにヘッドジャケット5を通過する
冷却水がラジェータ26で冷却されるのは、「対流現象
の継続」にとって重要なことである。それは、図4のよ
うにラジェータ26を通過しない状態であると、シリン
ダヘッド4の温度は高温になり過ぎることになり、シリ
ンダブロック2との温度差が小さくなってしまう。そう
なると、シリンダブロック2で温められた冷却水がヘッ
ドジャケット5の方へ流入しにくくなるのである。
【0021】図5の作動状態が一定時間継続すると、シ
リンダブロック2の温度が上昇してきて冷却必要温度に
達し、その時点ではワックス容器29に作用するヘッド
ジャケット5の冷却水温度も所定値に達しているので、
この温度によって弁板30が右方へ移動して、シリンダ
ヘッド4からの流出が停止され、それと入れ替わりに流
出管32が管路27の方へ連通するので、シリンダブロ
ック2からの流出が開始される。この状態は図6に示さ
れており、冷却水はウオータポンプ22、シリンダヘッ
ド4、シリンダブロック2、流出制御弁23、管路2
7、流入制御弁25、ラジェータ26の順で流れ、再び
ウオータポンプ22に吸入される。したがって、この状
態では、前述の対流現象は終了していることになり、エ
ンジン全体は熱的に正常な平衡状態になっている。
【0022】なお、上述の実施形態においては、ウオー
タポンプ22、流出制御弁23、流入制御弁25等は独
立した部品として図示してあるが、実際にはシリンダブ
ロックやシリンダヘッドに一体的に組み込まれるように
してもよい。
【0023】特許請求の範囲には記載していないが、つ
ぎの事項は請求項として掲げることができる。すなわ
ち、請求項4の構成に流入制御弁25やラジェータ26
等の構成を付加したものである。こうすることによっ
て、前述のようにシリンダヘッド4の温度をシリンダブ
ロック2の温度との相対性のもとに制御して、対流現象
の継続を果たすのである。さらに、図2で説明したヘッ
ドジャケット5内に流速の遅・速が生じるようにヘッド
ジャケットの流路面積に大小差を設置し、これに伴う前
述の流れ現象を、シリンダブロックとシリンダヘッド間
の対流に複合させて、対流現象を確実に発生させるので
ある。
【0024】
【発明の効果】本願発明によれば、シリンダヘッドのウ
オータジャケットとシリンダブロックのウオータジャケ
ットが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたっ
て連通させてある形式のものにおいて、冷却水はシリン
ダヘッドのウオータジャケットを通過するように流通さ
せ、シリンダブロックで加熱された冷却水はシリンダヘ
ッドのウオータジャケット内へ流れ込ませ、それと入れ
替わりにシリンダヘッドの低温冷却水がシリンダブロッ
クのウオータジャケット内へ流入させられるように両ウ
オータジャケット間に対流現象を発生させることを特徴
とする冷却制御の方法である。したがって、エンジン始
動後の暫くの間はヘッドジャケットにだけ冷却水が通過
させられ、このときにブロックジャケットで温められた
冷却水が移動してきてヘッドジャケット内に流入し、そ
れに入れ替わってヘッドジャケット内の低温冷却水がブ
ロックジャケット内へ流入させられる。このような対流
現象は、各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわた
って発生させられるので、対流現象はエンジンの一部に
偏って行われるようなことがなく、シリンダブロック全
域の温度上昇がムラなく行われて、各気筒全体が熱的に
同じ条件となり、好ましい暖機が実現する。このような
全域にわたる対流現象によって、シリンダブロックを過
冷却するようなことがなく、しかも、ヘッドジャケット
の冷却水温度とかけ離れることのない昇温変化が、気筒
間バラツキのない状態で得られるのである。
【0025】本願発明には、シリンダブロックが冷却必
要温度に達したときに冷却水の流出制御弁によって、シ
リンダヘッドからの流出が停止されてシリンダブロック
からの流出が開始され、これによって冷却水はシリンダ
ヘッドからシリンダブロックへ流れるようにしたことが
包含されている。したがって、上記の対流現象を呈しな
がらシリンダヘッド、シリンダブロックともできるだけ
均一に昇温してから上述のような流通順序に切り替えら
れるので、この切替えの前後におけるシリンダヘッド・
シリンダブロック間の温度差はほとんどなく、順調な平
衡状態に移行することが可能となり、前述の先行技術の
ように、シリンダヘッドからシリンダブロックへの流路
が成立した直後に、シリンダブロックが急に冷却される
というような現象がない。換言すると、本願発明はシリ
ンダブロックとシリンダヘッドの温度が極力均一化され
てから、双方に直列的な水流がなされ、平衡状態への過
渡期に熱的な段差現象がないのである。
【0026】本願発明には、シリンダヘッドが所定温度
に達したときにシリンダヘッドへはラジェータを経由し
た冷却水が流入制御弁を介して流入させられることを包
含している。したがって、エンジン全体の温度が徐々に
高まってヘッドジャケットの冷却水温度がブロックジャ
ケットの冷却水温度よりも高くなろうとしても、ラジェ
ータによる冷却効果でヘッドジャケット内の温度上昇が
抑制され、シリンダヘッドとシリンダブロック間におけ
る対流現象の継続が図られる。もし、ヘッドジャケット
内の冷却水温度がブロックジャケットの冷却水温度に比
べて高くなると、ブロックジャケット内で昇温させられ
た冷却水がヘッドジャケット内に流入できなくなり、対
流現象が停止してしまうことになる。このようなシリン
ダヘッドだけをラジェータ経由で冷却することによっ
て、本願発明における対流現象を継続させることができ
るのである。
【0027】さらに、装置の発明として、シリンダヘッ
ドのウオータジャケットとシリンダブロックのウオータ
ジャケットが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域に
わたって連通させてある形式のものにおいて、シリンダ
ヘッドに冷却水の流入口とヘッド側流出口を設けると共
に、シリンダブロックにはブロック側流出口を設け、両
流出口は流出制御弁に接続され、この流出制御弁は、シ
リンダブロックが冷却必要温度に達したときにヘッド側
流出口からの冷却水流出を停止してブロック側流出口か
らの冷却水流出に切り替える機能を保有させている。し
たがって、エンジンの始動後一定の時間は、ヘッドジャ
ケットへは流入口からヘッド側流出口への冷却水流通が
なされ、そのときにシリンダヘッド・シリンダブロック
間に対流現象が両ウオータジャケットの全域にわたって
なされる。そして、シリンダブロックが冷却必要温度に
達すると、エンジン内の流水は、シリンダヘッドからシ
リンダブロックに切り替えられる。このような作動経過
によって、エンジン全体の温度がバランス良く上昇し、
良好な暖機運転が実現する。本願発明は、上述のように
して、暖機時の機械的抵抗を早期のうちに低減させるこ
と、それに伴う燃費低減や排気ガス問題の最小化などが
健全な暖機運転のもとに実施できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】シリンダヘッドとシリンダブロックの簡略的な
縦断正面図である。
【図3】シリンダブロックの上面を示す平面図である。
【図4】簡略的な冷却水の回路図である。
【図5】簡略的な冷却水の回路図である。
【図6】簡略的な冷却水の回路図である。
【符号の説明】
4 シリンダヘッド 5 ウオータジャケット 2 シリンダブロック 3 ウオータジャケット 23 流出制御弁 26 ラジェータ 25 流入制御弁 20 流入口 21 ヘッド側流出口 24 ブロック側流出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドのウオータジャケットと
    シリンダブロックのウオータジャケットが各気筒毎に両
    ウオータジャケットの全域にわたって連通させてある形
    式のものにおいて、冷却水はシリンダヘッドのウオータ
    ジャケットを通過するように流通させ、シリンダブロッ
    クで加熱された冷却水はシリンダヘッドのウオータジャ
    ケット内へ流れ込ませ、それと入れ替わりにシリンダヘ
    ッドの低温冷却水がシリンダブロックのウオータジャケ
    ット内へ流入させられるように両ウオータジャケット間
    に対流現象を発生させることを特徴とするシリンダブロ
    ックの水冷制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、シリンダブロックが
    冷却必要温度に達したときに冷却水の流出制御弁によっ
    て、シリンダヘッドからの流出が停止されてシリンダブ
    ロックからの流出が開始され、これによって冷却水はシ
    リンダヘッドからシリンダブロックへ流れるようにした
    ことを特徴とするシリンダブロックの水冷制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、シリ
    ンダヘッドが所定温度に達したときにシリンダヘッドへ
    はラジェータを経由した冷却水が流入制御弁を介して流
    入させられることを特徴とするシリンダブロックの水冷
    制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項2の方法を実現させるための物で
    あって、シリンダヘッドのウオータジャケットとシリン
    ダブロックのウオータジャケットが各気筒毎に両ウオー
    タジャケットの全域にわたって連通させてある形式のも
    のにおいて、シリンダヘッドに冷却水の流入口とヘッド
    側流出口を設けると共に、シリンダブロックにはブロッ
    ク側流出口を設け、両流出口は流出制御弁に接続され、
    この流出制御弁は、シリンダブロックが冷却必要温度に
    達したときにヘッド側流出口からの冷却水流出を停止し
    てブロック側流出口からの冷却水流出に切り替える機能
    を有していることを特徴とするシリンダブロックの水冷
    制御装置。
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JP2007192175A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Mitsubishi Motors Corp 車両の冷却系の構造
JP2014084717A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の冷却装置
CN113673057A (zh) * 2021-08-23 2021-11-19 一汽解放大连柴油机有限公司 一种基于cae仿真技术的柴油机冷却水套设计分析方法
CN113673057B (zh) * 2021-08-23 2024-05-28 一汽解放大连柴油机有限公司 一种基于cae仿真技术的柴油机冷却水套设计分析方法

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