JP3607524B2 - シリンダブロックの水冷制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドの水冷は、色々な方式が提案されている。この発明は、このようなエンジン水冷方式の分野に属している。
【0002】
【従来の技術】
図1は、本願発明の実施形態であるが、これを流用して従来技術を説明する。なお、この従来技術は、特開平8−144758号公報に記載されており、後述の第1の開示事項と第2の開示事項が注目される。
まず、第1の開示事項を説明する。すなわち、エンジン1のシリンダブロック2にはウオータジャケット3が設けられ、一方、シリンダヘッド4にはウオータジャケット5が設けられている。便宜上、以下の説明においては、シリンダブロック2のウオータジャケット3を「ブロックジャケット」、シリンダヘッド4のウオータジャケット5を「ヘッドジャケット」なる用語で表現している。ブロックジャケット3とヘッドジャケット5とは、図示していないがこの公報においては、図1の左端近くに明けた連通孔で接続されている。上述のようなウオータジャケットの配置形態において、冷却水は矢印6の個所からブロックジャケット3内へ直接流入させられ、シリンダブロック2を冷却してから上記の連通孔を通って矢印7のようにヘッドジャケット5の方へ流され、シリンダヘッド4の端部から流出させられる。
【0003】
さらに、第2の開示事項について説明する。すなわち、ヘッドジャケット5とブロックジャケット3とは完全にセパレートされていて、エンジンの端部近くの一部に両ウオータジャケットの連通路が設置されている。暖機運転時には冷却水はヘッドジャケット5だけを流れ、このときにはブロックジャケット3内の冷却水は静止したまま滞留している。その後、シリンダブロック2の温度が所定値になると、冷却水はヘッドジャケット5の一端側から他端側へ流れた後、上記の連通路からブロックジャケット2の端部に流れ込み、それからブロックジャケットの他端部の方へ流れるようになっている。そして、このようにヘッドジャケットからブロックジャケットへの流通を成立させるために、サーモスタット弁を作動させてラジェータを通過させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
第1の開示事項に関する課題を説明する。長時間エンジンを停止させておくと、エンジンの温度はシリンダブロックやシリンダヘッドの全域にわたって冷えきった状態になっている。この状態で始動すると、冷却水は矢印6のごとくブロックジャケット3へ直接的に供給されることになる。このような水流であると、冷却水の温度が最も低い段階、すなわち、冷却水がエンジンに流入した最初の段階でシリンダブロック2が冷却されることになる。したがって、冷えきったシリンダブロック2を燃焼熱で昇温させようとしているにもかかわらず、上述のような積極的なシリンダブロックの冷却がなされることとなり、いわゆる、シリンダブロックの過冷却ということになっている。本来、シリンダとピストンとの良好な作動状態は、両者の温度が適正な温度に達していなければならないのであるが、上記のような過冷却現象であると、シリンダの内壁温度の上昇に長時間を要し、十分な温度に達するまではピストンの摺動抵抗が大きくなったりして、燃料消費量の増大を招くこととなる。すなわち、暖機運転が長時間におよび、機械的抵抗や燃費、ハイドロカーボン等排気ガスの面で好ましくないのである。
【0005】
第2の開示事項に関する課題を説明する。上述のようなヘッドジャケットを冷却水が通過しているときには、ブロックジャケット内の冷却水は静止したままであるから、シリンダブロックが短時間で高温になるのはよいのであるが、ブロックジャケットへ冷却水が流されるときには、ラジェータとヘッドジャケットを経由した低温の冷却水がブロックジャケットへ供給されるために、せっかく高温になったシリンダブロックが再び冷却される現象が発生し、これを回復するのにさらに暖機時間を必要とすることとなる。
【0006】
【課題を解決するための手段とその作用】
本願発明は、上述のような問題を解決するために発案されたもので、暖機運転中はシリンダヘッドとシリンダブロックとの全域にわたる「対流現象」で、シリンダブロックの過冷却を回避することを基本的な考え方にしている。そして、暖機運転中にシリンダヘッドの昇温速度を押さえ気味にすることによって、対流現象を持続させているのである。
【0007】
請求項1の発明は、シリンダヘッドのウオータジャケットとシリンダブロックのウオータジャケットが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって連通させてある形式のものにおいて、冷却水はシリンダヘッドのウオータジャケットを通過するように流通させ、シリンダブロックで加熱された冷却水はシリンダヘッドのウオータジャケット内へ流れ込ませ、それと入れ替わりにシリンダヘッドの低温冷却水がシリンダブロックのウオータジャケット内へ流入させられるように両ウオータジャケット間に対流現象を発生させ、シリンダヘッドが所定温度に達したときに、シリンダヘッドへはラジェータを経由した冷却水が流入制御弁を介して流入させられ、その後シリンダブロックが冷却必要温度に達したときに、冷却水の流出制御弁によって、シリンダヘッドからの流出が停止されてシリンダブロックからの流出が開始され、これによって冷却水はシリンダヘッドからシリンダブロックへ流れるようにしたシリンダブロックの水冷制御方法を実現させるための装置であって、シリンダヘッドのウオータジャケットとシリンダブロックのウオータジャケットが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって連通させてある形式のものにおいて、シリンダヘッドに冷却水の流入口とヘッド側流出口を設けると共に、シリンダブロックにはブロック側流出口を設け、上記ヘッド側流出口とブロック側流出口とを流出制御弁に接続し、上記シリンダヘッドの流入口とラジェータの流入口とを流入制御弁に接続し、上記流入制御弁は、シリンダヘッドが所定温度に達したときに、上記ラジェータを経由した冷却水を上記シリンダヘッドの流入口へ流入させるよう切り替える機能を有し、上記流出制御弁は、シリンダブロックが冷却必要温度に達したときに上記ヘッド側流出口からの冷却水流出を停止して上記ブロック側流出口からの冷却水流出に切り替える機能を有していることを特徴とするシリンダブロックの水冷制御装置である。したがって、エンジン始動後の暫くの間はヘッドジャケットにだけ冷却水が通過させられ、このときにブロックジャケットで温められた冷却水が移動してきてヘッドジャケット内に流入し、それに入れ替わってヘッドジャケット内の低温冷却水がブロックジャケット内へ流入させられる。このような対流現象は、各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって発生させられる。このような全域にわたる対流現象によって、ブロックジャケットの冷却水はシリンダブロックを過冷却するようなことがなく、しかも、ヘッドジャケットの冷却水温度とかけ離れることのない昇温変化が、シリンダブロックにおいて気筒間バラツキのない状態で得られるのである。シリンダヘッドが所定温度に達したときにシリンダヘッドへはラジェータを経由した冷却水を流入させるよう、冷却水の流通順序を切り替えるので、エンジン全体の温度が徐々に高まってヘッドジャケットの冷却水温度がブロックジャケットの冷却水温度よりも高くなろうとしても、ラジェータによる冷却効果でヘッドジャケット内の温度上昇が抑制され、シリンダヘッドとシリンダブロック間における対流現象の継続が図られる。もし、ヘッドジャケット内の冷却水温度がブロックジャケットに比べて高くなると、ブロックジャケット内で昇温させられた冷却水がヘッドジャケット内に流入できなくなり、対流現象が停止してしまうことになる。上記の対流現象を呈しながらシリンダヘッド、シリンダブロックともできるだけ均一に昇温してから、シリンダブロックが冷却必要温度に達したときに、シリンダブロックからの冷却水をラジェータに流入させるよう、冷却水の流通順序を切り替えるので、この切替えの前後における温度差はほとんどなく、順調な温度平衡状態に移行することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図示の実施形態にしたがって本願発明をくわしく説明する。シリンダブロック、シリンダヘッド、各ウオータジャケット等は、前述の説明と同じである。エンジン1の各部構造は従来公知のものと同じであり、符号8はシリンダ、9はピストン、10はコネクティングロッド、11は吸気ポート、12は排気ポート、13は吸気弁、14は排気弁であり、バルブステム15、16の端部にはロッカアーム17が当たっている。そして、18はロッカアームシャフト、19はバルブスプリングである。
【0012】
ヘッドジャケット5とブロックジャケット3とは、「各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって連通させてある」という点について説明する。図3は、シリンダブロック2の上面を見た平面図であり、各シリンダ8、8の周囲には円弧型の連通孔6aがシリンダ8、8を包囲するような状態で設置され、シリンダ8、8の間にも連通孔6bが開口させてある。これらの連通孔6a、6bがシリンダヘッド側の連通孔とぴったりと一致している。このような構造が、上述の全域にわたる連通なのである。
【0013】
シリンダヘッド4の片側にはヘッドジャケット5の流入口20が、他側にはヘッドジャケットのヘッド側流出口21が設けられ、流入口20はウオータポンプ22の吐出側に接続され、ヘッド側流出口21は流出制御弁23に接続されている。また、シリンダブロックにはブロックジャケット3のブロック側流出口24が設けられ、それは流出制御弁23に接続されている。流入制御弁25は、ラジェータ26への通水を選択する機能を有しており、流出制御弁23と管路27を介して接続されている。
【0014】
流出制御弁23は、シリンダブロック2が冷却必要温度に達したときにヘッド側流出口21からの冷却水流出を停止してブロック側流出口24からの冷却水流出に切り替える機能を有している。この切替えのトリガー因子としては、いろいろなものが考えられるが、ひとつには、センサーでシリンダブロックの冷却必要温度を検知して、その信号で流出制御弁23の切替え動作を行わせるもの、さらには、シリンダブロックが冷却必要温度に達するまでの時間を、始動時の温度毎にタイマーに記憶させておいて、所定時間の経過時点で流出制御弁23の切替え信号を発するもの、あるいは、ヘッドジャケット5の水温とブロックジャケット3の水温との相関性を把握しておき、ヘッドジャケット5の所定の水温で流出制御弁23を作動させるもの等がある。
【0015】
図示のものは、上述の最後に掲げた相関方式であり、管路27の角部28にワックス容器29がヘッド側流出口21からの温水にさらされる状態で配置され、この容器に弁板30が結合されており、ワックス容器29内から伸びているプッシュロッド31が静止部材、すなわち流出管32の内壁に突き当ててある。弁板30は、流出管32を開閉させるもので、図示の状態は流出管32が閉じられて、角部28が開通しているところである。ワックス容器29に作用する水温が所定値に達すると、ワックスの膨張によって発生する反力がプッシュロッド31に作用するので弁板30が右方へ後退させられ、角部28を閉じ、流出管32から管路27への通路が開通する。なお、ブロックジャケットとヘッドジャケットとの水温の相関は、たとえば、ブロックジャケットの適正温度が摂氏90度であれば、ヘッドジャケットの温度は摂氏80度であるので、ワックス容器29の作動出力を摂氏80度に設定しておけばよいのである。
【0016】
流入制御弁25も弁23に類似した構造であり、管路27からの冷却水にさらされているワックス容器33、同容器と一体の弁板34、プッシュロッド35を有している。流入制御弁25とラジェータ26は接続管36でつないである。ワックス容器33に作用する管路27の水温、すなわち、ヘッドジャケット5の水温が所定値に達すると、前述の流出制御弁23と同様にして弁板34が左方へ移動して管路27の冷却水をラジェータ26へ切り替える。ウオータポンプ22の吸入側には、流入制御弁25からの管路37とラジェータ26からの管路38が合流して接続されている。
【0017】
つぎに、ブロックジャケット3とヘッドジャケット5との間でなされる対流現象について、図2に基づき説明する。本来的には、ブロックジャケット3内で温められた冷却水が、上昇してヘッドジャケット5内に流入するのである。しかしながら、実際にはヘッドジャケット5内の水流が好ましい形で影響している。すなわち、シリンダヘッド4に点火栓39が斜め方向から差し込まれるような場合であると、左右のヘッドジャケット5、5の流路面積に大小の差ができ、左側は流路が小さいのでその個所の流速は大きくなる。一方、右側の流路は大きいのでその個所の流速は小さくなる。このような流速の差によって、左側はブロックジャケット3内の冷却水を吸い出す傾向となり、右側は左側に対応してブロックジャケット3内へ冷却水を送り込む傾向となる。このような流速の差に基づく現象と、純粋の対流とが複合して両ウオータジャケット間で冷却水の授受がなされるのである。
【0018】
上述の実施形態の作用を、図4〜図6をまじえて説明する。なお、これらの3図は、実線部分は冷却水が流れている状態を、破線は冷却水が流れていない状態を示している。図4は、エンジンの始動直後の状態で、ウオータポンプ22から吐出された冷却水は、ヘッドジャケット5の流入口20からヘッドジャケット5内に流入し、ヘッド側流出口21から出てゆく。そして、流出制御弁23と流入制御弁25は図1の状態であるから、冷却水はラジェータ26へ送られることなく、図4のようにシリンダヘッド4だけを通過している。このときには、ブロックジャケット3の温められた冷却水が、いずれかの連通孔6aや6bからヘッドジャケット5内に流入し、それと入れ替わりにヘッドジャケット5内の低温冷却水が前記連通孔6a、6bのいずれかを通ってブロックジャケット3内に流入し、いわゆる対流現象が生じる。この時に、図2で説明したヘッドジャケット5内の流速差も複合的に作用している。
【0019】
したがって、図4の段階では、ラジェータ26を迂回しているから、シリンダヘッド4の温度は急速に上昇している。しかし、ヘッドジャケット5の冷却水温度が高温になり過ぎるのを抑制するために、図5のようにラジェータ26へ冷却水が流される。これは、ヘッドジャケット5内の高温冷却水が管路27を経てワックス容器33に作用するので、弁板34が左方に移動して、管路27の冷却水をラジェータ26の方に切り替えるのである。この図5の状態においても、両ウオータジャケット3、5間の対流現象は継続している。
【0020】
このようにヘッドジャケット5を通過する冷却水がラジェータ26で冷却されるのは、「対流現象の継続」にとって重要なことである。それは、図4のようにラジェータ26を通過しない状態であると、シリンダヘッド4の温度は高温になり過ぎることになり、シリンダブロック2との温度差が小さくなってしまう。そうなると、シリンダブロック2で温められた冷却水がヘッドジャケット5の方へ流入しにくくなるのである。
【0021】
図5の作動状態が一定時間継続すると、シリンダブロック2の温度が上昇してきて冷却必要温度に達し、その時点ではワックス容器29に作用するヘッドジャケット5の冷却水温度も所定値に達しているので、この温度によって弁板30が右方へ移動して、シリンダヘッド4からの流出が停止され、それと入れ替わりに流出管32が管路27の方へ連通するので、シリンダブロック2からの流出が開始される。この状態は図6に示されており、冷却水はウオータポンプ22、シリンダヘッド4、シリンダブロック2、流出制御弁23、管路27、流入制御弁25、ラジェータ26の順で流れ、再びウオータポンプ22に吸入される。したがって、この状態では、前述の対流現象は終了していることになり、エンジン全体は熱的に正常な平衡状態になっている。
【0022】
なお、上述の実施形態においては、ウオータポンプ22、流出制御弁23、流入制御弁25等は独立した部品として図示してあるが、実際にはシリンダブロックやシリンダヘッドに一体的に組み込まれるようにしてもよい。
【0023】
特許請求の範囲には記載していないが、つぎの事項は請求項として掲げることができる。すなわち、請求項4の構成に流入制御弁25やラジェータ26等の構成を付加したものである。こうすることによって、前述のようにシリンダヘッド4の温度をシリンダブロック2の温度との相対性のもとに制御して、対流現象の継続を果たすのである。
さらに、図2で説明したヘッドジャケット5内に流速の遅・速が生じるようにヘッドジャケットの流路面積に大小差を設置し、これに伴う前述の流れ現象を、シリンダブロックとシリンダヘッド間の対流に複合させて、対流現象を確実に発生させるのである。
【0024】
【発明の効果】
本願発明、シリンダヘッドのウオータジャケットとシリンダブロックのウオータジャケットが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって連通させてある形式のものにおいて、冷却水はシリンダヘッドのウオータジャケットを通過するように流通させ、シリンダブロックで加熱された冷却水はシリンダヘッドのウオータジャケット内へ流れ込ませ、それと入れ替わりにシリンダヘッドの低温冷却水がシリンダブロックのウオータジャケット内へ流入させられるように両ウオータジャケット間に対流現象を発生させ、シリンダヘッドが所定温度に達したときに、シリンダヘッドへはラジェータを経由した冷却水が流入制御弁を介して流入させられ、その後シリンダブロックが冷却必要温度に達したときに、冷却水の流出制御弁によって、シリンダヘッドからの流出が停止されてシリンダブロックからの流出が開始され、これによって冷却水はシリンダヘッドからシリンダブロックへ流れるようにしたシリンダブロックの水冷制御方法を実現させるための装置であって、シリンダヘッドのウオータジャケットとシリンダブロックのウオータジャケットが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって連通させてある形式のものにおいて、シリンダヘッドに冷却水の流入口とヘッド側流出口を設けると共に、シリンダブロックにはブロック側流出口を設け、上記ヘッド側流出口とブロック側流出口とを流出制御弁に接続し、上記シリンダヘッドの流入口とラジェータの流入口とを流入制御弁に接続し、上記流入制御弁は、シリンダヘッドが所定温度に達したときに、上記ラジェータを経由した冷却水を上記シリンダヘッドの流入口へ流入させるよう切り替える機能を有し、上記流出制御弁は、シリンダブロックが冷却必要温度に達したときに上記ヘッド側流出口からの冷却水流出を停止して上記ブロック側流出口からの冷却水流出に切り替える機能を有していることを特徴とするシリンダブロックの水冷制御装置である。
したがって、エンジン始動後の暫くの間はヘッドジャケットにだけ冷却水が通過させられ、このときにブロックジャケットで温められた冷却水が移動してきてヘッドジャケット内に流入し、それに入れ替わってヘッドジャケット内の低温冷却水がブロックジャケット内へ流入させられる。このような対流現象は、各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって発生させられるので、対流現象はエンジンの一部に偏って行われるようなことがなく、シリンダブロック全域の温度上昇がムラなく行われて、各気筒全体が熱的に同じ条件となり、好ましい暖機が実現する。このような全域にわたる対流現象によって、シリンダブロックを過冷却するようなことがなく、しかも、ヘッドジャケットの冷却水温度とかけ離れることのない昇温変化が、気筒間バラツキのない状態で得られるのである。
【0025】
本願発明には、シリンダブロックが冷却必要温度に達したときに冷却水の流出制御弁によって、シリンダヘッドからの流出が停止されてシリンダブロックからの流出が開始され、これによって冷却水はシリンダヘッドからシリンダブロックへ流れるようにしたことが包含されている。
したがって、上記の対流現象を呈しながらシリンダヘッド、シリンダブロックともできるだけ均一に昇温してから上述のような流通順序に切り替えられるので、この切替えの前後におけるシリンダヘッド・シリンダブロック間の温度差はほとんどなく、順調な平衡状態に移行することが可能となり、前述の先行技術のように、シリンダヘッドからシリンダブロックへの流路が成立した直後に、シリンダブロックが急に冷却されるというような現象がない。換言すると、本願発明はシリンダブロックとシリンダヘッドの温度が極力均一化されてから、双方に直列的な水流がなされ、平衡状態への過渡期に熱的な段差現象がないのである。
【0026】
本願発明には、シリンダヘッドが所定温度に達したときにシリンダヘッドへはラジェータを経由した冷却水が流入制御弁を介して流入させられることを包含している。
したがって、エンジン全体の温度が徐々に高まってヘッドジャケットの冷却水温度がブロックジャケットの冷却水温度よりも高くなろうとしても、ラジェータによる冷却効果でヘッドジャケット内の温度上昇が抑制され、シリンダヘッドとシリンダブロック間における対流現象の継続が図られる。もし、ヘッドジャケット内の冷却水温度がブロックジャケットの冷却水温度に比べて高くなると、ブロックジャケット内で昇温させられた冷却水がヘッドジャケット内に流入できなくなり、対流現象が停止してしまうことになる。このようなシリンダヘッドだけをラジェータ経由で冷却することによって、本願発明における対流現象を継続させることができるのである。
【0027】
さらに、装置の発明として、シリンダヘッドのウオータジャケットとシリンダブロックのウオータジャケットが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって連通させてある形式のものにおいて、シリンダヘッドに冷却水の流入口とヘッド側流出口を設けると共に、シリンダブロックにはブロック側流出口を設け上記ヘッド側流出口とブロック側流出口とを流出制御弁に接続し、上記シリンダヘッドの流入口とラジェータの流入口とを流入制御弁に接続し、上記流入制御弁は、シリンダヘッドが所定温度に達したときに、上記ラジェータを経由した冷却水を上記シリンダヘッドの流入口へ流入させるよう切り替える機能を有し、上記流出制御弁は、シリンダブロックが冷却必要温度に達したときに上記ヘッド側流出口からの冷却水流出を停止して上記ブロック側流出口からの冷却水流出に切り替える機能を保有させている。
したがって、エンジンの始動後一定の時間は、ヘッドジャケットへは流入口からヘッド側流出口への冷却水流通がなされ、そのときにシリンダヘッド・シリンダブロック間に対流現象が両ウオータジャケットの全域にわたってなされる。シリンダヘッドが所定温度に達すると、ラジェータを経由した冷却水をシリンダヘッドに流入させるよう切り替えられ、その後シリンダブロックが冷却必要温度に達すると、エンジン内の流水は、シリンダヘッドからシリンダブロックに切り替えられる。このような作動経過によって、エンジン全体の温度がバランス良く上昇し、良好な暖機運転が実現する。本願発明は、上述のようにして、暖機時の機械的抵抗を早期のうちに低減させること、それに伴う燃費低減や排気ガス問題の最小化などが健全な暖機運転のもとに実施できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】シリンダヘッドとシリンダブロックの簡略的な縦断正面図である。
【図3】シリンダブロックの上面を示す平面図である。
【図4】簡略的な冷却水の回路図である。
【図5】簡略的な冷却水の回路図である。
【図6】簡略的な冷却水の回路図である。
【符号の説明】
4 シリンダヘッド
5 ウオータジャケット
2 シリンダブロック
3 ウオータジャケット
23 流出制御弁
26 ラジェータ
25 流入制御弁
20 流入口
21 ヘッド側流出口
24 ブロック側流出口

Claims (1)

  1. シリンダヘッドのウオータジャケットとシリンダブロックのウオータジャケットが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって連通させてある形式のものにおいて、冷却水はシリンダヘッドのウオータジャケットを通過するように流通させ、シリンダブロックで加熱された冷却水はシリンダヘッドのウオータジャケット内へ流れ込ませ、それと入れ替わりにシリンダヘッドの低温冷却水がシリンダブロックのウオータジャケット内へ流入させられるように両ウオータジャケット間に対流現象を発生させ、シリンダヘッドが所定温度に達したときに、シリンダヘッドへはラジェータを経由した冷却水が流入制御弁を介して流入させられ、その後シリンダブロックが冷却必要温度に達したときに、冷却水の流出制御弁によって、シリンダヘッドからの流出が停止されてシリンダブロックからの流出が開始され、これによって冷却水はシリンダヘッドからシリンダブロックへ流れるようにしたシリンダブロックの水冷制御方法を実現させるための装置であって、
    シリンダヘッドのウオータジャケットとシリンダブロックのウオータジャケットが各気筒毎に両ウオータジャケットの全域にわたって連通させてある形式のものにおいて、シリンダヘッドに冷却水の流入口とヘッド側流出口を設けると共に、シリンダブロックにはブロック側流出口を設け、上記ヘッド側流出口とブロック側流出口とを流出制御弁に接続し、上記シリンダヘッドの流入口とラジェータの流入口とを流入制御弁に接続し、上記流入制御弁は、シリンダヘッドが所定温度に達したときに、上記ラジェータを経由した冷却水を上記シリンダヘッドの流入口へ流入させるよう切り替える機能を有し、上記流出制御弁は、シリンダブロックが冷却必要温度に達したときに上記ヘッド側流出口からの冷却水流出を停止して上記ブロック側流出口からの冷却水流出に切り替える機能を有していることを特徴とするシリンダブロックの水冷制御装置
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