JP2012197730A - エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロック側ウォータジャケット13とヘッド側ウォータジャケット14とに独立して冷却液を流通可能にしたエンジン1において、エンジン冷却系の構成を簡易に保ちながら、エンジン1を効率良く温度制御可能にする。
【解決手段】サーモスタット8は、バイパス側常開通路801と、ヘッド側常開通路802と、第1連通口803の開度を調整してラジエータ通路2の冷却液流通量を制御する第1弁体81と、第2連通口804の開度を調整してブロック側ウォータジャケット13の冷却液流通量を制御する第2弁体82と、ヘッド側常開通路802の開度を調整してヘッド側ウォータジャケット14の冷却液流通量を制御する第3弁体83と、バイパス側常開通路801内の冷却液の温度変化に応じて第1〜第3弁体81〜83が固定されるシリンダ87をその中心軸線方向に変位させるサーモアクチュエータ84とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、シリンダブロックのウォータジャケットとシリンダヘッドのウォータジャケットとに独立して冷却液を流通可能にしたエンジンに関する。
シリンダブロックのウォータジャケットとシリンダヘッドのウォータジャケットとに独立して冷却液を流通可能とする構成では、冷間始動するときに、ブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を停止して、ヘッド側ウォータジャケットのみに冷却液を流通させることにより、シリンダヘッドとシリンダブロックとを少ない温度差で速やかに昇温させる形態の暖機を行うことが可能になる。
例えば特許文献1では、前記暖機によってヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液が昇温する過程で、段階的に冷却液循環経路を変えるようにしているので、以下で説明する。
この特許文献1は、ヘッド側ウォータジャケットやブロック側ウォータジャケットから排出される冷却液を冷却するためのラジエータ通路と、ヘッド側ウォータジャケットやブロック側ウォータジャケットから排出される冷却液をラジエータをバイパスしてヘッド側ウォータジャケットやブロック側ウォータジャケットに戻すためのバイパス通路と、ウォータポンプと、単一のサーモスタットとを備えている。
そして、冷間始動したときは、サーモスタットの第1、第2開閉部が閉状態になっているから、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液がバイパス通路を経てヘッド側ウォータジャケットのみに戻される。
ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液の温度が第1所定温度(80℃)に到達すると、サーモスタットの第1開閉部が開通して、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液がバイパス通路およびラジエータ通路を経てヘッド側ウォータジャケットに戻される。
ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液の温度が第2所定温度(90℃)に到達すると、サーモスタットの第2開閉部が開通して、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液がバイパス通路およびラジエータ通路を経てヘッド側ウォータジャケットおよびブロック側ウォータジャケットに戻される。
特開2004−52752号公報(特に段落0013、0025−29、図1〜図4参照)
上記特許文献1に係る従来例では、単一のサーモスタットでもって、ラジエータの冷却液流通を許容または停止することと、ブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を許容または停止することとを行えるようにしているので、コスト面および搭載面のメリットを高めることが可能になっているが、ヘッド側ウォータジャケットに冷却液を常に流通させるようにしていて冷却液流通量を調整できるようにはなっていない。ここに改良の余地がある。
このような事情に鑑み、本発明は、シリンダブロックのウォータジャケットとシリンダヘッドのウォータジャケットとに独立して冷却液を流通可能にしたエンジンにおいて、エンジン冷却系の構成を簡易に保ちながら、エンジンを効率良く温度制御可能にすることを目的としている。
本発明に係るエンジンは、ブロック側ウォータージャケットとヘッド側ウォータージャケットとから排出される冷却液をラジエータを通してから前記両ウォータジャケットに戻すためのラジエータ通路と、このラジエータ通路において前記ラジエータをバイパスするように接続されるバイパス通路と、冷却液を流動させるためのウォーターポンプと、冷却液の温度変化に応じて自動的に適宜の冷却液流通経路を作るためのサーモスタットとを備え、前記サーモスタットは、前記バイパス通路から前記ウォータポンプに常に冷却液を流通させるためのバイパス側常開通路と、前記ウォータポンプから前記ヘッド側ウォータジャケットに常に冷却液を流通させるためのヘッド側常開通路と、前記バイパス側常開通路に対する前記ラジエータ通路の第1連通口の開度を調整することにより前記ラジエータ通路の冷却液流通量を制御する第1弁体と、前記ヘッド側常開通路に対する前記ブロック側ウォータジャケットの冷却液導入側の第2連通口の開度を調整することにより前記ブロック側ウォータジャケットの冷却液流通量を制御する第2弁体と、前記ヘッド側常開通路の開度を調整することにより前記ヘッド側ウォータジャケットの冷却液流通量を制御する第3弁体と、前記第1〜第3弁体が固定されるシリンダを有しかつ前記バイパス側常開通路内の冷却液の温度変化に応じて前記シリンダをその中心軸線方向に変位させるサーモアクチュエータとを備えている、ことを特徴としている。
なお、サーモスタットとは、自動車関連業界において温度感知型自動作動弁のことを意味している。
このように本発明では、サーモスタットの構成を特定することにより当該サーモスタットの機能を従来例(特許文献1)に比べて高めるようにしている。つまり、本発明でのサーモスタットは、バイパス通路とヘッド側ウォータジャケットとの間で冷却液を常に循環させる構成要素(バイパス側常開通路、ヘッド側常開通路)と、ラジエータ通路の冷却液流通を制御する構成要素(第1弁体)と、ブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を制御する構成要素(第2弁体)と、ヘッド側ウォータジャケットの冷却液流通を制御する構成要素(第3弁体)とを備えていて、前記したヘッド側ウォータジャケットへの冷却液流通を制御する構成要素(第3弁体)は従来例(特許文献1)のサーモスタットにはない。
このように、サーモスタットの機能を従来例(特許文献1)に比べて高めることによって、エンジン冷却系の構成を簡易に保ちながら、エンジンを効率良く温度制御することが可能になる。
好ましくは、前記サーモスタットは、前記冷却液が暖機完了温度より低く設定される第1設定温度未満のときに、前記第1、第2弁体を閉じて、前記第3弁体を前記ヘッド側常開通路の流量を制限する位置に配置する。
好ましくは、前記サーモスタットは、前記冷却液が前記第1設定温度以上かつ前記暖機完了温度未満のときに、前記第1弁体を開いて前記ヘッド側ウォータジャケットと前記バイパス通路および前記ラジエータ通路とを閉ループとする。
好ましくは、前記サーモスタットは、前記バイパス側常開通路の冷却液が暖機完了温度より低く設定される第1設定温度未満のときに前記第1、第2弁体を閉じることにより前記ヘッド側ウォータジャケットと前記バイパス通路とを閉ループとして冷却液を循環させる初期暖機経路を作り、前記バイパス側常開通路の冷却液が前記第1設定温度以上かつ前記暖機完了温度未満のときに前記第1弁体を開くことにより前記ヘッド側ウォータジャケットと前記バイパス通路および前記ラジエータ通路とを閉ループとして冷却液を循環させる後期暖機経路を作り、前記バイパス側常開通路の冷却液が前記暖機完了温度以上になると前記第1、第2弁体を開くことにより前記ヘッド側ウォータジャケットおよび前記ブロック側ウォータージャケットと前記バイパス通路および前記ラジエータ通路とを閉ループとして冷却液を循環させる温調循環経路を作り、かつ、前記バイパス側常開通路の冷却液の温度上昇に伴い前記第3弁体の開度を徐々に大きくする。
この構成では、エンジンの冷間始動時にシリンダヘッドのほうがシリンダブロックよりも昇温しやすくなることを考慮し、まず、サーモスタットがブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を停止してヘッド側ウォータジャケットとバイパス通路とを閉ループとする初期暖機経路を作るようにしている。これにより、シリンダブロックとシリンダヘッドとを可及的に温度差が生じないようにしたうえで速やかに昇温させることが可能になる。
そして、暖機完了に至らずとも、バイパス側常開通路の冷却液温度がある程度上昇すると、ヘッド側ウォータジャケットとバイパス通路およびラジエータ通路とを閉ループとする後期暖機経路を作るようにしている。これにより、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液がラジエータで冷却されて戻されるので、シリンダヘッドが過剰に昇温することを防止する。こうして、シリンダブロックとシリンダヘッドとを可及的に温度差が生じないようにしたうえで速やかに昇温させる状態が継続されることになる。
さらに、暖機が完了すると、サーモスタットでヘッド側ウォータジャケットおよびブロック側ウォータージャケットとバイパス通路およびラジエータ通路とを閉ループとする温調循環経路を作るようにしている。これにより、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの熱を冷却液で回収してラジエータで大気に発散させることが可能になる。
本発明は、シリンダブロックのウォータジャケットとシリンダヘッドのウォータジャケットとに独立して冷却液を流通可能にしたエンジンにおいて、エンジン冷却系の構成を簡易に保ちながら、エンジンを効率良く温度制御することが可能になる。
本発明に係るエンジンの一実施形態で、その冷却系の構成を模式的に示す図であって、サーモスタットの第1、第2弁体が共に閉弁しているときの冷却液循環経路を説明する図である。 図1においてサーモスタットの第1弁体が開弁、第2弁体が閉弁したときの冷却液循環経路を説明するための図である。 図1においてサーモスタットの第1、第2弁体が共に開弁したときの冷却液循環経路を説明するための図である。 図1のサーモスタットの構成を示す断面図であり、第1、第2弁体が共に閉弁している状態を示している。 図4の(5)−(5)線断面の矢視図である。 図1のサーモスタットの構成を示す断面図であり、第1、第2弁体が共に閉弁していて、第3弁体のみの開度が大きくなった状態を示している。 図1のサーモスタットの構成を示す断面図であり、第1弁体が開弁、第2弁体が閉弁している状態を示している。 図1のサーモスタットの構成を示す断面図であり、第1、第2弁体が共に開弁している状態を示している。 本発明に係るエンジンを冷間始動してからの冷却液の温度変化とサーモスタットの状態変化との関係を説明するためのグラフである。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図9に、本発明の一実施形態を示している。この実施形態では直列多気筒型のエンジンを例に挙げて説明する。図1に示すエンジン1は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを少なくとも備えている。
シリンダブロック11内にはウォータジャケット13が設けられている。また、シリンダヘッド12内にはウォータジャケット14が設けられている。これらブロック側ウォータジャケット13およびヘッド側ウォータジャケット14がエンジン1の冷却液の内部通路である。冷却液は、例えばエチレングリコールの水溶液などの不凍液とされている。
なお、この実施形態でのシリンダブロック11はクローズドデッキタイプと呼ばれるものであって、ブロック側ウォータジャケット13とヘッド側ウォータジャケット14とを連通させていない。
ヘッド側ウォータジャケット14の冷却液の導入口15は、シリンダヘッド12において気筒配列方向の一端(例えば前端)面に設けられている。ヘッド側ウォータジャケット14の冷却液の排出口16は、シリンダヘッド12において気筒配列方向の他端(例えば後端)面に設けられている。
このヘッド側ウォータジャケット14の排出口16と導入口15とには、ラジエータ通路2が連通連結されている。このラジエータ通路2には、ウォータポンプ4およびラジエータ5が設けられている。
ウォータポンプ4は、ラジエータ通路2においてヘッド側ウォータジャケット14の導入口15寄り位置に設けられている。このウォータポンプ4は、図示していないがクランクシャフトの回転を動力伝達装置(例えばプーリやベルトなどを含む)で伝達されて作動する機械式ウォータポンプとされている。このウォータポンプ4は電動式のウォータポンプとすることが可能である。
ラジエータ5は、冷却液の熱を大気に発散させるための熱交換器であり、ラジエータ通路2においてウォータポンプ4よりも冷却液流通方向の上流側に設けられている。
また、ラジエータ通路2においてラジエータ5の上流側と下流側とには、ラジエータ5をバイパスするためのバイパス通路6が接続されている。このバイパス通路6においてラジエータ通路2との上流側接続部分寄り位置には、ヒータコア7が設けられている。このヒータコア7は車両室内を暖房するための熱交換器である。
ブロック側ウォータジャケット13の冷却液の導入口17は、シリンダブロック11において気筒配列方向の一端(例えば前端)面の下方に設けられている。また、ブロック側ウォータジャケット13の排出口18は、シリンダブロック11において気筒配列方向の他端(例えば後端)面に設けられている。
このブロック側ウォータジャケット13の導入口17はラジエータ通路2においてウォータポンプ4の下流側に導入側中継路21を介して接続されており、また、ブロック側ウォータジャケット13の排出口18はラジエータ通路2においてヘッド側ウォータジャケット14の排出口16寄りに排出側中継路22を介して接続されている。
さらに、上記各通路2,21の所定位置には、サーモスタット8が設けられている。このサーモスタット8は、冷却液の温度変化に応じて自動的に適宜の冷却液流通経路を作るものである。
具体的に、サーモスタット8は、図4から図8に示すように、ケース80、第1弁体81、第2弁体82、第3弁体83、サーモアクチュエータ84などを備えている。
ケース80は、バイパス側常開通路801と、ヘッド側常開通路802とを備えている。バイパス側常開通路801は、バイパス通路6からウォータポンプ4に常に冷却液を流通させるものである。このバイパス側常開通路801にはラジエータ通路2が第1連通口803を介して連通されている。
ヘッド側常開通路802は、ウォータポンプ4からヘッド側ウォータジャケット14に常に冷却液を流通させるものである。このヘッド側常開通路802には第2連通口804を介してブロック側ウォータジャケット13の冷却液導入側が連通されている。なお、バイパス側常開通路801の第1連通口803にはラジエータ通路2を接続するための継手部805が設けられており、また、ヘッド側常開通路802の第2連通口804には導入側中継路21を接続するための継手部806が設けられている。
第1弁体81は、第1連通口803の開度を調整することによりラジエータ通路2からウォータポンプ4への冷却液流通量を制御する。
第2弁体82は、第2連通口804の開度を調整することによりブロック側ウォータジャケット13への冷却液流通量を制御する。
第3弁体83は、ヘッド側常開通路802の開度を調整することによりヘッド側ウォータジャケット14への冷却液流通量を制御する。
サーモアクチュエータ84は、バイパス側常開通路801内の冷却液の温度変化を感知して第1〜第3弁体81〜83を作動させるための駆動源であって、フレーム85、ガイドロッド86、シリンダ87などを備えている。
フレーム85は、第1弁体81の弁座となるリングプレート851にアッパーアーチ852とロアーアーチ853とを設けた構成である。リングプレート851がバイパス側常開通路801の周壁外面に固定されており、このリングプレート851の中心孔が第1連通口803になっている。
ガイドロッド86は、シリンダ87内に封入されるサーモワックス内に挿入されている。このガイドロッド86の外部突出端がフレーム85のロアーアーチ853に当接されている。
シリンダ87は、バイパス側常開通路801内に露呈する状態に配置されている。このシリンダ87には、第1〜第3弁体81〜83がシリンダ87の中心軸線方向に離隔して固定されている。
第1弁体81は、シリンダ87の底側開口を閉塞するように取り付けられる円柱形部材とされており、フレーム81のリングプレート851の中心孔(第1連通口803)の内側に摺動可能に挿入されている。フレーム81のアッパーアーチ852と第1弁体81との間には第1弁体81を閉弁させる方向に付勢するための円筒形圧縮コイルスプリング88が設けられている。ちなみに、この第1弁体81がリングプレート851の中心孔(第1連通口803)内に存在している状態だと閉弁状態になり、中心孔(第1連通口803)から完全に飛び出している状態だと開弁状態になる。
第2弁体82は、下記する第3弁体83の上辺に取り付けられる円柱形部材とされており、第2連通口804の内側に摺動可能に挿入されている。ちなみに、この第2弁体82が第2連通口804内に存在している状態だと閉弁状態になり、第2連通口804から完全に飛び出している状態だと開弁状態になる。
第3弁体83は、シリンダ87の天井面に支持棒89を介して取り付けられる矩形板とされており、ヘッド側常開通路802内において冷却液の流通方向と直交するように配置される。ちなみに、この第3弁体83がヘッド側常開通路802内に露呈する面積が大きくなるほどヘッド側常開通路802の開度が小さくなる。
このようなエンジン1の内部通路(ウォータジャケット13,14)と、外部通路(ラジエータ通路2、バイパス通路6、導入側中継路3)と、単一のサーモスタット8とによって適宜の閉ループの冷却液循環経路が作られるようになる。
次に、前記した構成のサーモスタット8の動作を説明する。
サーモアクチュエータ84のシリンダ87内のサーモワックスがバイパス側常開通路801内の冷却液温度の高低変化に反応して溶融膨張または凝固収縮することによってシリンダ87がガイドロッド86に沿って中心軸線方向に進退変位し、当該シリンダ87に固定された第1〜第3弁体81〜83でもって第1連通口803、第2連通口804、ヘッド側常開通路802の各開度を制御するようになっている。なお、サーモスタット8は、第1〜第3弁体81〜83の開度に関係無く、バイパス側常開通路801を経てバイパス通路6からウォータポンプ4に冷却液が常に流通するようになっている。
具体的に、例えばエンジン1を冷間始動したときには、つまりバイパス側常開通路801内の冷却液温度が暖機完了温度Th0(例えば約88℃)より低く設定される第1設定温度Th1未満のときには、サーモスタット8のサーモワックスが凝固収縮していてワックス圧が低いので、シリンダ87が図4および図5に示す位置に固定されることになって、第1、第2弁体81,82が第1、第2連通口803,804を閉塞する状態になる。これにより、ヘッド側ウォータジャケット14とバイパス通路6とを閉ループとして冷却液を循環させる初期暖機経路(図1の実線矢印参照)が作られる。
この場合、ウォータポンプ4の作動に伴いヘッド側ウォータジャケット14内の冷却液が排出口16からラジエータ通路2に排出されることになるが、この冷却液はラジエータ5を通過せずにバイパス通路6を経てヘッド側ウォータジャケット14の導入口15に戻される。このようにしてヘッド側ウォータジャケット14を冷却液が繰り返し流通する際に冷却液がシリンダヘッド12の特に燃焼室近傍の熱を吸収して昇温が促進されるようになる。その結果、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを可及的に温度差が生じないようにしたうえで速やかに昇温させることが可能になる。
ところで、図9のグラフにおいて、バイパス側常開通路801内の冷却液温度が前記第1設定温度Th1に到達するまでの温度上昇過程では、サーモワックスが溶融膨張されていてワックス圧が高くなってシリンダ87が徐々に上昇することになるが、図6に示すように、第1、第2弁体81,82が第1、第2連通口803,804を閉塞したまま、第3弁体83が徐々に上昇して第3弁体83の開度が徐々に大きくなるので、ヘッド側常開通路802の冷却液流通量が漸増することになる。
そして、図9のグラフにおいて、バイパス側常開通路801内の冷却液温度が前記第1設定温度Th1以上かつ前記暖機完了温度Th0未満のときに、冷却液温度に応じてサーモワックスが溶融膨張されていてワックス圧がさらに高くなるので、シリンダ87が図7に示す位置まで上昇されることになって、第2弁体82が閉弁したまま第1弁体81が第1連通口803を所定量開く状態になる。これにより、ヘッド側ウォータジャケット14とバイパス通路6およびラジエータ通路2とを閉ループとして冷却液を循環させる後期暖機経路(図2の一点鎖線矢印参照)が作られる。しかもこのとき、第3弁体83がヘッド側常開通路802の開度を所定量大きくする。
この場合、ヘッド側ウォータジャケット14から排出される冷却液がラジエータ5で冷却されて戻されるので、シリンダヘッド12が過剰に昇温することを防止する。こうして、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを可及的に温度差が生じないようにしたうえで速やかに昇温させる状態が継続されることになる。
さらに、図9のグラフにおいて、バイパス側常開通路801内の冷却液温度が暖機完了温度Th0以上になると、サーモワックスのワックス圧がさらに高くなるので、シリンダ87が図8に示す位置にまで上昇されることになって、第1、第2弁体81,82が全開状態になる。これにより、ヘッド側ウォータジャケット14およびブロック側ウォータージャケット13とバイパス通路6およびラジエータ通路2とを閉ループとして冷却液を循環させる温調循環経路(図3の二点鎖線矢印参照)が作られる。
この場合、ウォータポンプ4の作動に伴いブロック側ウォータジャケット13内の冷却液およびヘッド側ウォータジャケット14内の冷却液がシリンダヘッド12の排出口16からラジエータ通路2に排出されることになる。この冷却液はラジエータ5を通過することによって冷却されてからヘッド側ウォータジャケット14の導入口15およびブロック側ウォータジャケット13の導入口17に戻される。その一方で、シリンダヘッド12の排出口16からラジエータ通路2に排出される冷却液はさらにバイパス通路6を経てヘッド側ウォータジャケット14の導入口15およびブロック側ウォータジャケット13の導入口17に戻されるようにもなる。その結果、シリンダヘッド11およびシリンダブロック12の熱を冷却液で回収してラジエータ5で大気に発散させるようになるから、冷却液およびエンジン1の温度が一定範囲内に調整されることになる。
ところで、バイパス側常開通路801内の冷却液温度が上昇するに伴い第3弁体83の開度が徐々に大きくなるので、バイパス側常開通路801を経てバイパス通路6からウォータポンプ4への冷却液流通量が漸増するようになる。
以上説明したように本発明を適用した実施形態では、ブロック側ウォータジャケット13とヘッド側ウォータジャケット14とに独立して冷却液を流通可能にしたエンジン1において、サーモスタット8の構成を特定することにより当該サーモスタット8の機能を従来例(特許文献1)に比べて高めるようにしている。
つまり、サーモスタット8は、バイパス通路6とヘッド側ウォータジャケット14との間で冷却液を常に循環させる構成要素(バイパス側常開通路801、ヘッド側常開通路802)と、ラジエータ通路2からウォータポンプ4の冷却液流通量を制御する構成要素(第1弁体81)と、ブロック側ウォータジャケット13の冷却液流通量を制御する構成要素(第2弁体82)と、ヘッド側ウォータジャケット14の冷却液流通量を制御する構成要素(第3弁体83)とを備えていて、ヘッド側ウォータジャケット14の冷却液流通量を制御する構成要素(第3弁体83)は、従来例(特許文献1)のサーモスタットにはない。
したがって、サーモスタット8の機能を従来例(特許文献1)に比べて高めることによって、エンジン冷却系の構成を簡易に保ちながら、エンジン1を効率良く温度制御することが可能になる。
本発明は、例えばブロック側ウォータジャケットとヘッド側ウォータジャケットとに独立して冷却液を流通可能にしたエンジンに適用することが可能である。
1 エンジン
11 シリンダブロック
12 シリンダヘッド
13 ブロック側ウォータジャケット
14 ヘッド側ウォータジャケット
15 ヘッド側ウォータジャケットの導入口
16 ヘッド側ウォータジャケットの排出口
17 ブロック側ウォータジャケットの導入口
18 ブロック側ウォータジャケットの排出口
2 ラジエータ通路
21 導入側中継路
22 排出側中継路
4 ウォータポンプ
5 ラジエータ
6 バイパス通路
8 サーモスタット
80 サーモスタットのケース
801 バイパス側常開通路
802 ヘッド側常開通路
803 第1連通口
804 第2連通口
81 第1弁体
82 第2弁体
83 第3弁体
84 サーモアクチュエータ
85 フレーム
86 ガイドロッド
87 シリンダ

Claims (4)

  1. ブロック側ウォータージャケットとヘッド側ウォータージャケットとから排出される冷却液をラジエータを通してから前記両ウォータジャケットに戻すためのラジエータ通路と、このラジエータ通路において前記ラジエータをバイパスするように接続されるバイパス通路と、冷却液を流動させるためのウォーターポンプと、冷却液の温度変化に応じて自動的に適宜の冷却液流通経路を作るためのサーモスタットとを備え、
    前記サーモスタットは、前記バイパス通路から前記ウォータポンプに常に冷却液を流通させるためのバイパス側常開通路と、
    前記ウォータポンプから前記ヘッド側ウォータジャケットに常に冷却液を流通させるためのヘッド側常開通路と、
    前記バイパス側常開通路に対する前記ラジエータ通路の第1連通口の開度を調整することにより前記ラジエータ通路の冷却液流通量を制御する第1弁体と、
    前記ヘッド側常開通路に対する前記ブロック側ウォータジャケットの冷却液導入側の第2連通口の開度を調整することにより前記ブロック側ウォータジャケットの冷却液流通量を制御する第2弁体と、
    前記ヘッド側常開通路の開度を調整することにより前記ヘッド側ウォータジャケットの冷却液流通量を制御する第3弁体と、
    前記第1〜第3弁体が固定されるシリンダを有しかつ前記バイパス側常開通路内の冷却液の温度変化に応じて前記シリンダをその中心軸線方向に変位させるサーモアクチュエータとを備えている、ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    前記サーモスタットは、前記冷却液が暖機完了温度より低く設定される第1設定温度未満のときに、前記第1、第2弁体を閉じて、前記第3弁体を前記ヘッド側常開通路の流量を制限する位置に配置する、ことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンにおいて、
    前記サーモスタットは、前記冷却液が前記第1設定温度以上かつ前記暖機完了温度未満のときに、前記第1弁体を開いて前記ヘッド側ウォータジャケットと前記バイパス通路および前記ラジエータ通路とを閉ループとする、ことを特徴とするエンジン。
  4. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    前記サーモスタットは、
    前記バイパス側常開通路の冷却液が暖機完了温度より低く設定される第1設定温度未満のときに前記第1、第2弁体を閉じることにより前記ヘッド側ウォータジャケットと前記バイパス通路とを閉ループとして冷却液を循環させる初期暖機経路を作り、
    前記バイパス側常開通路の冷却液が前記第1設定温度以上かつ前記暖機完了温度未満のときに前記第1弁体を開くことにより前記ヘッド側ウォータジャケットと前記バイパス通路および前記ラジエータ通路とを閉ループとして冷却液を循環させる後期暖機経路を作り、
    前記バイパス側常開通路の冷却液が前記暖機完了温度以上になると前記第1、第2弁体を開くことにより前記ヘッド側ウォータジャケットおよび前記ブロック側ウォータージャケットと前記バイパス通路および前記ラジエータ通路とを閉ループとして冷却液を循環させる温調循環経路を作り、
    かつ、前記バイパス側常開通路の冷却液の温度上昇に伴い前記第3弁体の開度を徐々に大きくする、ことを特徴とするエンジン。
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