JP2017008753A - 車両用内燃機関の冷却水制御装置及びこれに使用するサーモ弁装置 - Google Patents

車両用内燃機関の冷却水制御装置及びこれに使用するサーモ弁装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒータへの通水抑制による早期暖機を、搭乗者に誤解を与えることなくしかも簡単な構造で実現する。
【解決手段】冷却水制御装置8はシリンダヘッド2の端部に設けている。冷却水制御装置8は、リーク通路11を介してヘッドジャケット4と連通した戻り中継室11を有しており、ラジエータ16及びヒータ18を経由した冷却水は戻り中継室11からメイン戻り管路に戻る。ラジエータ16への通水を制御する第1サーモ弁27の他に、リーク通路11の通水を制御する第2サーモ弁28を設けている。低温時には第2サーモ弁28が開き、冷却水の一部はヒータ18に向かうことなく戻り中継室11からウォータポンプ6にリターンする。これによって早期暖機を図る。低温時であっても冷却水の一部はヒータ18に流れているため、搭乗者がヒータや機関の故障とは誤解することはない。
【選択図】図1

Description

本願発明は、車両用(自動車用)内燃機関において、シリンダヘッドから排出された冷却水の流れを制御する制御装置、及び、これに使用するサーモ弁装置に関するものである。
4輪自動車の内燃機関は一般に水冷式になっており、冷却水はラジエータによって放熱して降温されるが、冷却水の温度がある程度まで昇温しないとラジエータに循環しないようにサーモ弁で制御されている。これにより、暖機時間を短縮したり低温環境下での過冷却を防止したりしている。また、車両用の暖房用ヒータは一般に熱源として冷却水を利用しており、シリンダヘッドを通過した冷却水をヒータコアに導いている。
ラジエータへの通水が冷却水温度によって制御されているのに対して、ヒータへの通水は冷却水温度とは関係なく常に行われている。このため、ヒータでの放熱によって冷却水の温度上昇が低下してしまい、結果として暖機時間が長くなる場合がある。
そこで特許文献1は、冷却水をラジエータに流さずにウォータポンプに向かわせるラジエータバイパス通路を設けると共に、冷却水の温度が所定温度よりも低い状態でヒータへの通水量を減少させる流量制御弁を設けて、シリンダヘッド冷却後の冷却水が所定温度よりも低い状態では冷却水を直接ウォータポンプに戻すことにより、冷却水からヒータへの熱交換を抑制して装置暖機とを図ることが開示されている。
特開平11−117739号公報
特許文献1では、ヒータへの通水量を制御する流量制御弁の作動温度は、ラジエータへの通水を制御する切り替え弁の作動温度と同じかそれよりも低い温度に設定されており、ラジエータに冷却水が流れない状態では、シリンダヘッドを冷却した冷却水はヒータには全く又は殆ど流れずに、ほぼ全量がラジエータバイパス通路を経由してウォータポンプに戻るようになっている。
しかし、この態様では、ヒータが全く効かない状態になっているため、搭乗者にヒータ又は機関の故障と誤解されるおそれがある。また、特許文献1では、ラジエータバイパス通路が必要になるため、それだけ構造が複雑化して重量も増大し、延いては燃費の悪化にもつながりかねないおそれがある。
さて、内燃機関において、冷却水は一般にシリンダブロックを冷却してからシリンダヘッドに向かっており、冷却効率の向上や熱歪みの防止のためには、冷却水がシリンダブロックのジャケット及びシリンダヘッドのジャケットをまんべんなく流れるのが好ましいと云える。そこで、シリンダヘッドのジャケットの形状について様々の工夫が成されている。
他方、特許文献1の実施形態では、ラジエータバイパス通路の始端は、ラジエータへの通水管路の始端の接続部とは反対側(ウォータポンプを設けた側)に位置させている。しかし、この構成では、冷却水がラジエータに流れる状態(暖機終了後の状態)と、冷却水がラジエータバイパス通路のみを流れる状態(暖機運転状態)とでシリンダヘッド内のジャケットを流れる冷却水の流れ方向が異なることになるため、シリンダヘッドをまんべんなく冷却できずに熱歪みが発生しやすくなるおそれも懸念される。
本願発明はこのような現状に鑑みなされたものであり、ヒータへの熱交換を抑制することによって早期昇温を図ることは特許文献1と類似しつつも、構造を簡単化すると共に搭乗者の誤解を無くせるようにすること、及び、その実現に好適な弁装置を提供することを課題とするものである。
本願発明は、車両用内燃機関の冷却水制御装置を発明の対象の一つとしている。この 冷却水制御装置は請求項1で特定しており、前提として、 シリンダヘッドに設けた冷却用のヘッドジャケットの出口に連通すると共にウォータポンプに至るメイン戻り管路が接続された戻り中継室を有している。
そして、前記戻り中継室に、ラジエータを通過した冷却水が流れるラジエータ戻り管路と、車内用ヒータを通過した冷却水が流れるヒータ戻り管路とが接続されており、前記ラジエータ戻り管路管路から前記戻り中継室への通水は冷却水温度に基づいて作動する第1制御弁によって制御され、前記ヒータ戻り管路から戻った冷却水はそのままメイン戻り管路に通れる構成であって、前記第1サーモ弁装置の作動温度よりも低い温度域において冷却水を前記ヘッドジャケットから戻り中継室に通水させる第2制御弁を設けている。
本願発明は、冷却水制御装置に使用する弁装置も含んでいる。この弁装置は、請求項2で特定したように、冷却水が第1温度に昇温すると第1スライダーが中心軸上を移動し始める第1サーモ弁と、前記第1温度よりも低い第2温度で第2スライダーが中心軸上を移動し始める第2サーモ弁とを有しており、前記第1サーモ弁の中心軸と第2サーモ弁の中心軸とは同軸に共通化されている。なお、第1温度と第2温度とは相対的な概念であり、具体的な作動温度は各機関の特性等に応じて設定したよい。
請求項1の制御弁及び請求項2のサーモ弁は様々なものを使用できるが、信頼性やコスト、自動制御性の点からは、温度によって膨張・収縮する感温ワックスを内蔵したものが好ましい。
請求項1の発明では、例えば、冷却水温度を3つの温度域に分けて制御できる。すなわち、ラジエータでの冷却(放熱)が必要な高温度域と、暖機運転初期のようにヒータへの熱交換も抑制したい低温度域と、両者の間の中温度域である。
そして、低温度域では、第1制御弁が閉じた状態で第2サーモ弁が開くことにより、ヒータへのある程度の通水は許容しつつ多くの冷却水をウォータポンプに戻すことができる(ラジエータへの循環はない)。これによって早期昇温を促進できる。また、冷却水はヒータにも流れてはいるので、搭乗者は「ヒータの効きが悪い」と感じるだけで、機関自体の故障と誤認することはない。
次に、中温度域では、第1制御弁と第2サーモ弁との両方を閉じる。この状態では、ヘッドジャケットを出た冷却水の全量がヒータを経由してウォータポンプに戻るため、ヒータは通常の効き状態になっていて、車内暖房を迅速かつ確実に行える(但し、逃がし弁機能を有する場合は、冷却水の一部はヒータを通ることなくウォータポンプにリークされる。)。
高温度域では、冷却水は、ラジエータを経由してウォータポンプに戻る部分と、ヒータを経由してウォータポンプに戻るものとに分かれるため、ヒータへの通水量は中温度域よりも少なくなっているが、冷却水の温度が上昇しているため、熱量は中温度域と同等かそれ以上になっている。従って、暖房性能が低下することはない。
このように、請求項1の発明によると、搭乗者の誤解を招くことなく早期昇温を実現できるが、シリンダヘッドから戻り中継室への通水を第2制御弁で制御する簡単な構造であるため、特許文献1のような大幅やコストアップや重量増大のおそれはない。また、冷却水は温度に関係なくヘッドジャケット内を設計したとおりの方向性を持って流れるため、冷却が不均一になって熱ひずみが生じるようなこともない。
なお、上記の説明は温度域を3つに分けて説明したが、これはあくまでも一例であり、温度域を低温度域(暖機運転域)と高温度域(通常運転域)2つに分けて、第2サーモ弁が閉じたらすぐに第1サーモ弁が開くように設定するといったことも可能である。
請求項1において、第1制御弁とは第2制御弁とは分離した状態に配置してもよいが、請求項2に記載した感温式の弁装置を採用すると、2つの弁が1つの姿に一体化(ユニット化)されているため、コンパクト化できて従来の冷却水制御装置にも容易に適用できるのみならず、ボルト等による取付け作業も簡単に行える。
第1実施形態に係る内燃機関の模式であり、(A)は冷却水が低温度域のときの図、(B)は冷却水が中温度域のときの図である。 冷却水が高温度域のときの模式図である。 効果を説明するためのすグラフである。 第2実施形態の模式図である。 第3実施形態であるサーモ弁装置の中温度域での断面図である。 低温度域でのサーモ弁装置の状態を示す図である。 低温度域において逃がし弁機能が発揮された状態を示す図である。 高温度域でのサーモ弁装置の作動状態を示す図である。
(1).第1実施形態の構成
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1,2で模式的に示している第1実施形態を説明する。
内燃機関は、シリンダブロック1とこれに重ね固定したシリンダヘッド2とを有して いる。冷却水を流す手段として、シリンダブロック1には気筒列を囲うブロックジャケット3が形成されており、シリンダヘッド2には空洞状のヘッドジャケット4が形成されている。ブロックジャケット3とヘッドジャケット4とは、シリンダブロック1及びシリンダヘッド2の一端面1a,2aに寄った端部において、連通路5にて連通している。
従って、本実施形態では、ブロックジャケット3に流入した冷却水は、気筒列の外側を周方向に流れて、流入口に近い端部においてヘッドジャケット4に向けて排出される。但し、ブロックジャケット3とヘッドジャケット4との連通構造は様々であり、クランク軸線方向に沿った飛び飛びの複数個所においてブロックジャケット3とヘッドジャケット4とが連通している場合もある。
シリンダブロック1の一端面1aの個所には、ウォータポンプ6を設けている。シリンダブロック1の一端面1aには一般にフロントカバー(図示せず)が重ね固定されており、フロントカバーとシリンダブロック1との間の空間にタイミングチェーンを配置している。そして、ウォータポンプ6の一部(ハンジングの一部)をフロントカバーに形成することも、広く行われている。ウォータポンプ6の吐出口とブロックジャケット3とは、吐出通路7で連結している。
シリンダヘッド2のうち他端面2bの個所に、冷却水制御部が一体に又は別体に形成されており、ここに冷却水制御装置8を設けている。冷却水制御装置8は、ヘッドジャケット4の出口穴9と連通した中間室10と、中間室10とリーク通路11を介して連通した戻り中継室12とを備えている。図では、戻り中継室12を中間室10のクランク軸線方向外側に表示しているが、戻り中継室12は、中間室10の上や横、或いは下に配置することも可能である。また、中間室10は必ずしも必要ではなく、ヘッドジャケット4の出口9に戻り中継室12を連通させてもよい。戻り中継室12の出口ポート13とウォータポンプ6とは、メイン戻り管路14で接続されている。
内燃機関は、ラジエータ16を備えている。また、吸気系に還流する排気ガスを冷却するためのEGRクーラ17も備えている。更に、車両は、室内を暖房するためのヒータ18を備えている。そして、中間室10に設けたラジエータ送りポート19とラジエータ13のアッパータンクとがラジエータ送り管路20で接続されて、戻り中継室12に設けたラジエータ戻りポート21とラジエータ16のロアタンクとが、ラジエータ戻り管路22で接続されている。
また、中間室10(又はヘッドジャケット4)に設けたヒータ送りポート23と、ヒータ18(正確にはヒータコア)の入り口とが、ヒータ送り管路24で接続されて、戻り中継室12に設けたヒータ戻りポート25aとヒータ18の出口とが、ヒータ戻り管路25で接続されている。ヒータ送り管路24の中途部にはEGRクーラ17が介在している。
冷却水制御装置8は、ラジエータ戻り管路22から戻り中継室12への通水を冷却水温度によって制御する第1サーモ弁27と、リーク通路11を冷却水温度に応じて開閉する第2サーモ弁29とを設けている。第1サーモ弁27と第2サーモ弁29との構造例は後述するが、いずれも熱によって膨張・収縮する感温ワックスを使用しており、スライダーが中心軸上を移動することにより、ラジエータ戻りポート21とリーク通路11とが開閉される。第1サーモ弁27は第1制御弁の一例であり、第2サーモ弁28は第2制御弁の一例である。
(2).第1実施形態の作用
第1サーモ弁27が開き作動開始する温度は、従来と同様の例えば80℃程度に設定している。他方、第2サーモ弁29は、例えば70℃までの低温度領域では開弁していて、70℃に至ると閉弁するように設定している。従って、本実施形態では、70℃以下を低温度領域、70〜80℃を中温度領域、80℃以上を高温度領域として定義している。勿論、これは一例であり、低温・中温・高温の領域は任意に設定できる。
図1(A)は低温度領域の状態を示しており、この状態では、第1サーモ弁27によってラジエータ戻りポート21が閉じられて、第2サーモ弁29はリーク通路11を開いている。従って、ヘッドジャケット4で受熱した冷却水の多くは戻り中継室12にダイレクトに流入してウォータポンプ6に吸引され、一部の冷却水は第1サーモ弁27及びヒータ18に流れる。
EGRクーラ17は冷却水を昇温させるように作用するため、ヒータ18に対しては効きを良くするように作用する。このため、機関で発生した熱を有効利用することができる。この状態では、多くの冷却水がブロックジャケット3とヘッドジャケット4とウォータポンプ6とを循環するため、機関の早期暖機に貢献できる。
また、ヒータ18は弱いながらも効いてはいるため、搭乗者が故障と誤認するようなことはない。また、従来の構造に第2サーモ弁28を付加するだけの簡単かつコンパクトな構造であるため、大幅なコストアップや重量増大には至らない。
図1(B)は中温度領域を表示しており、この状態では、冷却水は、その全量が中間室10からEGRクーラ17及びヒータ18に流れて戻り中継室12に戻り、メイン戻り管路からウォータポンプ6に吸引される(過大な圧力になったときにリーク通路11から逃がすことは可能である。)。従って、ヒータ18の効きはよい。
図2では高温度領域を示している。この状態では、ヘッドジャケット4を出た冷却水の一部はEGRクーラ17及びヒータ18に流れ、他の残りラジエータ16を経由して戻り中継室12に戻り、戻り中継室12に戻った冷却水はメイン戻り管路14からウォータポンプ6に吸引される。
図2では、水温と時間との関係を示している。K1は暖機終了温度であるが、第2サーモ弁28を備えておらずに冷却水の全量がヒータ18を経由している状態では、K1まで昇温するのに一点鎖線鎖線で示すようにT2の時間がかかるが、第2サーモ弁28を設けて冷却水を戻り中継室12にリークさせることにより、実線で示すように、K1まで昇温するのに要する時間T1は、T2よりも短くなっている。
(3).第2実施形態
図4に示す第2実施形態では、変速用CVT装置のオイルを加温するCVTウォーマ29を備えている。CVTウォーマ29の入り口は、ヒータ送り管路24のうちEGRクーラ17よりも下流側の部位にCVTウォーマ送り管路30によって接続されており、CVTウォーマ29の出口は、ヒータ戻り管路24にCVTウォーマ送り管路30で接続されている。そして、CVTウォーマ送り管路30に、第3サーモ弁32を介在させている。
この実施形態では、例えば、第1サーモ弁27は第1実施形態と同様に70℃で閉弁し、第2サーモ弁28は80℃で開弁するように設定しており、第3サーモ弁32は、例えば76℃で開弁するように設定している。
そして、冷却水の温度領域を70℃未満の第1温度領域、70〜76℃未満の第2温度領域、76〜80℃未満の第3温度領域、80℃以上の第4温度領域に分けて、第1温度領域では第1サーモ弁27は開いて第2サーモ弁28と第3サーモ弁32は閉じ、第2温度領域では全サーモ弁27,28,32が閉じ、第3温度領域では第1サーモ弁27と第2サーモ弁28とは閉じて第3サーモ弁32のみが開き、第3サーモ弁32では第1サーモ弁27が閉じて第2サーモ弁28と第3サーモ弁32とが閉じるように設定している(各サーモ弁の作動温度は任意に設定できる。)。
従って、この実施形態では、第1実施形態における中温度領域を2つに分けて、中温度領域の高温側領域に至ると、CVTウォーマ29に通水されてオイルが加温されるようになっている。CVTウォーマ29は冷却水にとっては放熱要因であり、暖機時間を遅くするように作用するので、機関温度(冷却水温度)にある程度の余裕が出てくる温度領域になってからCVTウォーマ29に通水するようにしている。
(3).サーモ弁装置の具体例
次に、第1サーモ弁27及びに一体化したサーモ弁装置の具体例(すなわち請求項2の具体例)を、図5以下の図面に基づいて説明する。なお、サーモ弁装置は、サーモ弁ユニットと呼ぶことも可能である。
本実施形態において、戻り中継室12がシリンダヘッド2の他側面2aに向けて開口するように形成されており、かつ、戻り中継室12と同心状にリーク通路11が形成されている。また、戻り中継室12の出口ポート13は、下向き又は横向きに開口している。
弁装置33は、シリンダヘッド2の他側面2aと略直交した姿勢でリーク通路11まで入り込んだ中心軸34を有しており、この中心軸34に、第1サーモ弁27を構成する第1スライダー35と、第2サーモ弁28を構成する第2スライダー36とが摺動可能に配置されている。第1スライダー35は戻り中継室12に位置し、第2スライダー36はリーク通路11の内部に位置している。
シリンダヘッド2の他側面2bにはハウジング37が固定されており、このハウジング37にラジエータ戻りポート21が形成されている(厳密には、戻り中継室12の一部もハウジング37で形成されている。)。また、第1サーモ弁27は、ハウジング37とシリンダヘッド2とで挟み固定されたトップケージ38とインナーケージ39とを有している。トップケージ38は、ラジエータ戻りポート21の側に向けて突の略山形であり、外周部には通水穴が空いており、中心軸34はトップケージ38に固定されている。
また、トップケージ38はフランジ部38aを有しており、樹脂製等の第1弁体40がフランジ部38aに内側から当接可能になっている。第1弁体40は、中心軸34にスライド自在に嵌まった筒部を有していた、第1スライダー35に固定されている。そして、第1スライダー35が内蔵した感温ワックスの膨張・収縮によって中心軸34上をスライドすると、第1弁体40がトップケージ36のフランジ38aに対して密着・離反し、これにより、ラジエータ戻りポート21と戻り中継室12との通水が制御される。
インナーケージ39は戻り中継室12の奥側に向けて膨れた形状であり、周囲には大きな通水穴が空いている。また、インナーケージ39は、第1スライダー35の大径部がスライド可能に嵌まるガイド筒部39aを有している。更に、第1弁体40とインナーケージ39との間には、台錘状の第1ばね41を介在させている。従って、第1弁体40は、第1ばね41によって閉じ方向に付勢されており、冷却水の温度が例えば80℃まで昇温すると、第1スライダー35が内蔵した感温ワックスの膨張作用によって戻り中継室12の奥側に移動し、これに伴って、第1弁体40は第1ばね41に抗してトップケージ38から離反する。すなわち、第1サーモ弁27が開き作動する。
第1スライダー35は、リーク通路11に向けて延びるガイド筒体42を有しており、戻り中継室12の底面に密着し得る第2弁体43が、ガイド筒体42にスライド可能に嵌まっており、かつ、第2弁体43は、台錘状の第2ばね44によってリーク通路11の側に付勢されている。第2弁体43は、ガイド筒体42の先端に設けたフランジによって抜け不能に保持されている。
第2ばね44の一端部は、第1スライダー35の大径部の端面に当接している。第2ばね44のばね力は第1ばね41のばね力よりも小さい値に設定している。従って、リーク通路11の内圧が所定値まで上昇すると、第2弁体43が第2ばね44を変形させて移動し、これにより、冷却水がリーク通路11から戻り中継室12にリークする。従って、第2弁体40と第2ばね44とは、安全弁を構成している。
第2スライダー36は、基本的には第1スライダー35と同じ原理・構造であり、内蔵した感温ワックスの膨張・収縮により、中心軸34上を移動する。温度と動きとの関係を見ると、両スライダー35,36とも、冷却水が昇温して感温ワックスが膨張すると、各図において下向きに移動し、冷却水が降温して感温ワックスが収縮すると、各図において上向きに移動する。すなわち、両スライダー35,36は、温度に反応して同じ方向に移動する。
そして、第2スライダー36は筒状のプッシュ筒45を有しており、プッシュ筒45が、第2弁体43にリーク通路11の側から当接している。プッシュ筒45は、第1スライダー35のガイド筒体32の外側において第2弁体43に当接している。従って、第2弁体43の安全弁機能には支障はない。
第2スライダー36は、第1実施形態の例に合わせると、冷却水の水温が例えば70℃未満の状態では、内蔵した感温ワックスは収縮しきっていて、図6のとおり、第2ばね41に抗して第1スライダー35に接近するように後退している。このため、第2弁体43は戻り中継室12の底面11aから離反しており、これにより、冷却水の一部は、ヒータ18には流れずにリーク通路11から戻り中継室12に流入し、メイン戻り管路14を介してウォータポンプ6に吸引される。
第2スライダー36が後退した状態で、第1スライダー35も第2ばね43を介して後退方向に付勢されているため、第2スライダー36が後退していることは、第1スライダー35の作動には影響しない。すなわち、第1スライダー35は、閉じ状態に保持されている。
図5は、冷却水の水温が70〜80℃の中温度領域の場合を示しており、この状態では、第2スライダー36が前進して、リーク通路11は第32体43で閉じられている。従って、冷却水はその全量が第1サーモ弁27及びヒータ18に向かう。図5に示す矢印は、ヒータ18から戻った冷却水の流れ方向を示している。中温度領域でヘッドジャケット4の水圧が過大になると、図7に示すように、第2スライダー36の前進状態は維持しつつ、第2弁体43が第2ばね44に抗して後退する。
冷却水の水温が80℃を越えると、図8に示すように、リーク通路11は第2弁体43で閉じられて、第1スライダー35及び第1弁体40が前進し、ラジエータ戻りポート21と戻り中継室12とが連通する。従って、相当割合の冷却水がラジエータ16を循環する。
このように、本実施形態の装置33は、1本の中心軸34を第1サーモ弁27と第2サーモ弁28とが共有している。すなわち、第1サーモ弁27と第2サーモ弁28とが同軸に配置された一つのユニットになっている。このため、全体としてコンパクトであると共に、作動も確実になる。
更に、従来と同様の方法で第1サーモ弁27をシリンダヘッド2に固定すると、第2サーモ弁28も所定位置に自動的にセットされる。このため、第2サーモ弁28を設けたことによって組み立て作業の手間が増大することはない。シリンダヘッド2の構造も変更する必要はないため、汎用性にも優れている。
(4).その他
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、請求項1では、制御弁として、電磁ソレノイドやモータ等のアクチエータで遠隔的に操作されるものを使用し、温度センサーからの信号に基づいてアクチエータを制御することも可能である。また、冷却水の温度に反応して自動的に開閉する方式として、バイメタルのような感温変形材を使用することも可能である。
請求項2の場合、図示した実施形態では第2サーモ弁の弁体として、第1サーモ弁に組み込まれている逃がし用の第2弁体を流用したが、第2サーモ弁に固有の弁体を設けることも可能である。この場合、第2サーモ弁に逃がし弁機能を持たせることも可能である。また、逃がし弁機能が必要な場合、当該逃がし弁は、第1及び第2のサーモ弁とは異なる個所に独立して設けてもよい。
本願発明は、実際に車両用内燃機関に適用できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
2 シリンダヘッド
3 ブロックジャケット
4 ヘッドジャケット
6 ウォータポンプ
8 冷却水制御装置
11 リーク通路
12 戻り中継室
14 メイン戻り管路
16 ラジエータ
17 EGRクーラ
18 ヒータ
20 ラジエータ送り管路
22 ラジエータ戻り管路
24 ヒータ送り管路
25 ヒータ戻り管路
27 第1サーモ弁(第1制御弁)
28 第2サーモ弁(第2制御弁)
33 サーモ弁装置
34 中心軸
35 第1スライダー
36 第2スライダー
40 第1弁体
41 第1ばね
43 第2弁体
44 第2ばね

Claims (2)

  1. シリンダヘッドに設けた冷却用のヘッドジャケットの出口に連通すると共にウォータポンプに至るメイン戻り管路が接続された戻り中継室を有しており、
    前記戻り中継室に、ラジエータを通過した冷却水が流れるラジエータ戻り管路と、車内用ヒータを通過した冷却水が流れるヒータ戻り管路とが接続されており、前記ラジエータ戻り管路管路から前記戻り中継室への通水は冷却水温度に基づいて作動する第1制御弁によって制御され、前記ヒータ戻り管路から戻った冷却水はそのままメイン戻り管路に通れる構成であって、
    前記第1サーモ弁装置の作動温度よりも低い温度域において冷却水を前記ヘッドジャケットから戻り中継室に通水させる第2制御弁を設けている、
    車両用内燃機関の冷却水制御装置。
  2. 冷却水が第1温度に昇温すると第1スライダーが中心軸上を移動し始める第1サーモ弁と、前記第1温度よりも低い第2温度で第2スライダーが中心軸上を移動し始める第2サーモ弁とを有しており、前記第1サーモ弁の中心軸と第2サーモ弁の中心軸とは同軸に共通化されている、
    車両用内燃機関の冷却水制御装置に使用するサーモ弁装置。
JP2015122882A 2015-06-18 2015-06-18 車両用内燃機関の冷却水制御装置 Active JP6576702B2 (ja)

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