JP4967964B2 - 誘電体磁器組成物および積層型電子部品 - Google Patents

誘電体磁器組成物および積層型電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、たとえば積層セラミックコンデンサなどの積層型電子部品の誘電体層などとして用いられる誘電体磁器組成物と、その誘電体磁器組成物を誘電体層として用いる積層型電子部品に関する。
電子部品の一例である積層セラミックコンデンサは、たとえば、所定組成の誘電体磁器組成物からなるセラミックグリーンシートと、所定パターンの内部電極層とを交互に重ね、その後一体化して得られるグリーンチップを、焼成して製造される。
このような積層セラミックコンデンサは、小型、大容量、高信頼性の電子部品として広く利用されており、電気機器および電子機器の中で使用される個数も多数にのぼる。近年、機器の小型かつ高性能化に伴い、積層セラミックコンデンサに対する更なる小型化、大容量化、低価格化、高信頼性化への要求はますます厳しくなっている。
このような要求に応えるための方針の一つとして、誘電体層を構成する誘電体材料の組成を変更するだけではなく、誘電体層中に誘電体材料(主成分相)とは異なる2次相を存在させることが提案されている。
たとえば特許文献1には、直流電流印可後の圧電共振を抑制するために、誘電体セラミック中に希土類元素R、Mg、SiおよびMnからなる複合酸化物を2次相粒子として存在させることが開示されている。
また、特許文献2では、高電界強度下における加速寿命を良好にするために、誘電体セラミック中にMgおよびVからなる複合酸化物を2次相粒子として存在させることが開示されている。
しかしながら、特許文献1および2では、2次相粒子の存在割合や形状については何ら考慮されていない。また、特許文献1では、たとえば、MgおよびSiからなる複合酸化物は、信頼性を悪化させるという理由により、2次相粒子として存在させないようにしている。したがって、特許文献1では、上記の組成を有する複合酸化物のみを2次相粒子として存在させている。さらに、特許文献2における具体的な実施例では、誘電体層の厚みが4μmであるため、さらなる薄層化を進めた場合には、高電界強度下における加速寿命が悪化することが予想された。
特開2007−63114号公報 特開2006−232629号公報
近年の電子機器の小型化、高機能化および高性能化の進展により、積層セラミックコンデンサはより小型でより大容量のものへとの要望が増大する一途である。これに対しては、誘電体材料の改良による高い比誘電率の実現や、誘電体層の厚みを薄くして積層数を増やすことなどの対策が採用されることが多い。しかしながら、誘電体層の厚みが比較的に厚い場合(たとえば、4μm程度)に、良好な寿命特性を示していても、薄層化したときには、測定条件が同じであっても寿命等の特性が急激に悪化してしまう。その上、小型化、高機能化は電子回路を高密度化させるので、使用時の発熱による温度上昇も大きくなり、さらに携帯機器など屋外での使用機会の増大もあって、温度変化に対する特性の変化が小さいことも従来以上に厳しく要求されている。このため、さらに薄層化した場合(たとえば、2μm以下)であっても、高い比誘電率(たとえば2000以上)を維持しつつ、静電容量の温度特性および高温加速寿命を向上させ、かつ、その他の特性(CR積、破壊電圧、DCバイアス特性等)を悪化させないことが求められていた。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、薄層化した場合であっても、高い比誘電率を示しつつ、良好な温度特性および高温加速寿命を有し、かつ、CR積、破壊電圧、DCバイアス特性等の特性が良好な誘電体磁気組成物を提供することにある。また、本発明の別の目的は、この誘電体磁器組成物で構成されている誘電体層と、内部電極層とが交互に積層された素子を有する積層セラミックコンデンサなどの積層型電子部品を提供することである。
本発明者等は、上記目的を達成するために、鋭意検討を行った結果、特定条件の誘電体磁器組成物を用いて、異相としての針状結晶を析出させ、その存在割合を制御することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記課題を解決する本発明に係る誘電体磁器組成物は、
主成分としてBaTiO、(Ba,Ca)TiO、(Ba,Sr)TiO、(Ba,Mg)TiOおよびBa(Ti,Zr)Oから選ばれる少なくとも1つを有し、
副成分として、Mgの酸化物と、Mnおよび/またはCrの酸化物と、Rの酸化物と(ただし、RはY、Gd、Ho、Dy、Er、Ybから選ばれる少なくとも1つ)、V、Ta、Mo、NbおよびWから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物と、を有し、
焼結助剤として、Si、M(ただし、Mは、Ba、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つ)、BおよびLiから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物を有し、
針状結晶が存在しており、
一般式ABOで表した場合に、Aサイト元素がBaを少なくとも有すると共に、Ca、SrおよびRで構成される元素群から選ばれる少なくとも1つをさらに有し、Bサイト元素がTiを少なくとも有すると共に、Mg、Zr、Mn、Cr、V、Ta、Mo、NbおよびWで構成される元素群から選ばれる少なくとも1つをさらに有しており、
前記Aサイト元素と前記Bサイト元素とのモル比を示すA/Bが、0.985≦A/B<0.997であり、
走査型電子顕微鏡により、2000倍の倍率で、50×50μmを1視野として観察したときに、3視野において観察される前記針状結晶の合計の個数が10〜50個であることを特徴とする。
本発明では、上記のように、主成分および副成分を構成する元素を、Aサイト元素およびBサイト元素に分けている。そして、A/Bの値が上記の範囲を満足するように、上記の主成分および副成分を選択することで、誘電体磁器組成物中に異相である針状結晶を上記の割合で存在させることができる。その結果、高い比誘電率(たとえば、2000以上)を示しつつ、良好な温度特性を有し、かつ、CR積、破壊電圧、DCバイアス特性、高温加速寿命等の特性が良好な誘電体磁気組成物を得ることができる。
好ましくは、前記針状結晶が、MgおよびSiを含む複合酸化物を有する針状結晶および/またはBa、TiおよびMgを含む複合酸化物を有する針状結晶である。針状結晶が上記の組成を有している場合に、本発明の効果がさらに向上する。
好ましくは、前記針状結晶における長径をL、短径をSとした場合に、全ての前記針状結晶についての長径に対する短径の比を示すS/Lを算出し、その平均値を{(S/L)ave}としたときに、{(S/L)ave}が、0.01≦{(S/L)ave}≦0.5の関係を満足する。{(S/L)ave}を上記の範囲内とすることで、針状結晶の存在により得られる効果がさらに向上する。
本発明に係る積層型電子部品としては、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、チップインダクタ、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップ抵抗、その他の表面実装(SMD)チップ型電子部品が例示される。
本発明の誘電体磁器組成物は、上記の主成分および副成分で構成され、A/B値を特定の範囲とすることで、特定の存在割合および形状に制御された針状結晶を存在させることができ、所望の特性を実現することができる。
また、本発明の積層型電子部品は、上記の誘電体磁器組成物から構成される誘電体層と、内部電極層と、が交互に積層された素子を有している。そのため、素子の積層方向に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡により観察した場合にも、特定の存在割合および形状に制御された針状結晶が存在する。したがって、本発明の積層型電子部品によれば、層厚0.5〜2μmとした場合でも、高い比誘電率(たとえば、2000以上)を実現しつつ、容量温度特性(たとえば、EIA規格のX5R特性およびX6S特性)を満足することができ、かつ、CR積、IR寿命、破壊電圧、DCバイアス特性をも良好とすることができる。その結果、誘電体層が薄層化された場合であっても、大容量を実現しつつ、厳しい使用環境下においても、高い信頼性が保証される。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図2は図1のII部分を走査型電子顕微鏡で観察したときの拡大模式図、
図3は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造工程を示すフローチャート、
図4(A)はMg−Si系針状結晶のEDS測定結果、図4(B)はBa−Ti−Mg系針状結晶のEDS測定結果を示す図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
誘電体層2は、本発明の誘電体磁器組成物を含有する。
本発明の誘電体磁器組成物は、一般式ABOで表され、主成分としてBaTiO、(Ba,Ca)TiO、(Ba,Sr)TiO、(Ba,Mg)TiOおよびBa(Ti,Zr)Oから選ばれる少なくとも1つと、副成分として、Mg、Mn、Cr、R(ただし、RはY、Gd、Ho、Dy、Er、Ybから選ばれる少なくとも1つ)、V、Ta、Mo、NbおよびWから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物と、焼結助剤としてSi、M(ただし、Mは、Ba、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つ)、BおよびLiから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物を含有している。この際、酸素(O)量は、上記式の化学量論組成から若干偏倚してもよい。
本発明では、ABOにおけるAサイト元素が、Baを少なくとも有すると共に、Ca、SrおよびRで構成される元素群から選ばれる少なくとも1つをさらに有し、Bサイト元素が、Tiを少なくとも有すると共に、Mg、Zr、Mn、Cr、V、Ta、Mo、NbおよびWで構成される元素群から選ばれる少なくとも1つをさらに有している。Aサイト元素を構成する元素と、Bサイト元素を構成する元素とは、イオン半径を基準として区別し、比較的にイオン半径の大きい元素をAサイト元素とし、比較的にイオン半径の小さい元素をBサイト元素としている。したがって、上記のAサイト元素およびBサイト元素が、必ずしも、現実のペロブスカイト型結晶構造におけるAサイト位置およびBサイト位置を占めている必要はない。
また、Aサイト元素とBサイト元素とのモル比を示すA/Bが、0.985≦A/B<0.997、好ましくは0.986≦A/B≦0.995、より好ましくは0.986≦A/B≦0.994である。本発明におけるA/Bは、上記のAサイト元素を構成する主成分および副成分の元素のモル数と、上記のBサイト元素を構成する主成分および副成分の元素のモル数との比を表している。このA/Bの値は、後述する針状結晶の存在と関係があり、A/Bが小さすぎると、針状結晶が過剰に存在してしまい、比誘電率が急激に低下する傾向にある。一方、A/Bが大きすぎると、針状結晶が存在することが困難となり、所望の特性を満足しない傾向にある。
上記の主成分は、本実施形態では、組成式(Ba1−x−yCaSr)・(Ti1−u−vMgZr)Oと表すことができる。主成分にはチタン酸バリウム(BaTiO)が含まれていることが好ましい。具体的には、組成式中、好ましくは0≦x≦0.01、より好ましくは0≦x≦0.009、さらに好ましくは0≦x≦0.008である。また、好ましくは0≦y≦0.01、より好ましくは0≦y≦0.009、さらに好ましくは0≦y≦0.008である。
この組成式において、xは主成分におけるCaの比率を表す。xが大きすぎると、針状結晶が存在することが困難となり、所望の特性を満足できない傾向にある。また、yは主成分におけるSrの比率を表す。yが大きすぎると、温度特性が悪化してしまう傾向にある。
なお、Ba、CaおよびSrはいずれも、Aサイト元素であるため、Baが、Ca等に置換されても、A/Bの値は変化しない。
また、組成式中、好ましくは0≦u≦0.01、より好ましくは0≦u≦0.009、さらに好ましくは0≦u≦0.008である。また、好ましくは0≦v≦0.01、より好ましくは0≦v≦0.009、さらに好ましくは0≦v≦0.008である。
この組成式において、uは主成分におけるMgの比率を表す。uが大きすぎると、針状結晶が過剰に析出してしまい、比誘電率が急激に低下してしまう傾向にある。また、vは主成分におけるZrの比率を表す。vが大きすぎると、温度特性が悪化してしまう傾向にある。
なお、Ti、MgおよびZrはいずれも、Bサイト元素であるため、Tiが、Mg等に置換されても、A/Bの値は変化しない。
本実施形態の誘電体磁器組成物は、副成分としてMgの酸化物を含有していることが好ましい。Mgの酸化物は、副成分として含有させることで、容量温度特性を平坦化させる効果を有している。また、MgはBサイト元素であるから、Mgが含有されると、A/Bは小さくなる。Mgの酸化物は、主成分100モルに対して、MgO換算で、好ましくは0.50〜3.00モル、より好ましくは0.60〜2.60モル、さらに好ましくは0.70〜2.30モルの量で含まれる。Mgの酸化物の含有量が少なすぎると、焼結時に急激な粒成長を生じ、所望の容量温度特性およびDCバイアス特性が得られない。一方、Mgの酸化物の含有量が多すぎると、比誘電率が低下し、容量温度特性が悪化する傾向にある。
本実施形態の誘電体磁器組成物は、副成分としてMnおよび/またはCrの酸化物を含有していることが好ましい。Mnおよび/またはCrの酸化物は、焼結を促進する効果と、絶縁抵抗IRを高くする効果と、IR寿命を向上させる効果とを有している。また、MnおよびCrは、Bサイト元素であるから、含有されると、A/Bは小さくなる。Mnおよび/またはCrの酸化物は、主成分100モルに対して、MnOおよび/またはCrO3/2換算で、好ましくは0.05〜0.35モル、より好ましくは0.08〜0.32モル、さらに好ましくは0.10〜0.30モルの量で含まれる。Mnおよび/またはCrの酸化物の含有量が少なすぎると、絶縁抵抗が大きく低下してしまうとともに、CR積や信頼性も低下してしまう。また、Mnおよび/またはCrの酸化物の含有量が多すぎると、絶縁抵抗(IR)が低下すると共に、比誘電率および焼結性が低下する傾向にある。
本実施形態の誘電体磁器組成物は、副成分としてR(ただし、RはY、Gd、Ho、Dy、Er、Ybから選ばれる少なくとも1つ)の酸化物を含有していることが好ましい。Rの酸化物は、IR寿命を向上させる効果を有している。また、RはAサイト元素であるから、含有されると、A/Bは大きくなる。Rとして、特に好ましくは、Yおよび/またはGdの酸化物である。これら希土類元素は1種単独で使用しても、また組み合わせて使用してもよく、同様の効果が得られる。
Rの酸化物は、主成分100モルに対して、R換算で、好ましくは0.40〜1.80モル、より好ましくは0.40〜1.60モル、さらに好ましくは0.40〜1.40モルの量で含まれる。Rの酸化物の含有量が少なすぎると、IR寿命が低下してしまう。また、Rの酸化物の含有量が多すぎると焼結性が低下し、焼成温度が高くなる傾向にあり、また十分な比誘電率を得ることが困難になり、その他の特性も悪化する傾向にある。
本実施形態の誘電体磁器組成物は、副成分としてV、Ta、Mo、Nb、Wからなる群から選ばれる元素の酸化物を含有していることが好ましい。V、Ta、Mo、Nb、Wからなる群から選ばれる元素の酸化物は、IR寿命を向上させる効果を有している。これらの元素はBサイト元素であるから、含有されると、A/Bは小さくなる。これらの元素の酸化物としては、Vの酸化物であることが特に好ましい。V、Ta、Mo、Nb、Wの酸化物は、主成分100モルに対して、それぞれV、Ta、MoO、Nb、WO換算で、0.02〜0.50モル、好ましくは0.02〜0.40モル、より好ましくは0.02〜0.30モルの量で含まれる。これら酸化物の含有量が少なすぎると、信頼性(IR寿命)向上の効果は得られない傾向にある。また、これらの酸化物の含有量が多すぎると、絶縁抵抗が大きく低下する傾向にある。
本発明の誘電体磁器組成物は、焼結助剤としてSi、M(ただし、Mは、Ba、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つ)、BおよびLiから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物を含有している。これらの元素の酸化物としては、たとえば、SiO、MO、LiOおよびBなどが挙げられるが、本発明では、少なくともSiOを用いることが好ましい。
より好ましくは、焼結助剤が、(Ba,Ca)SiO2+x (但し、x=0.7〜1.2)で表される。複合酸化物である(Ba,Ca)SiO2+x は融点が低いため主成分に対する反応性が良好なので、本発明ではBaOおよび/またはCaOを上記複合酸化物として添加することが好ましい。さらに、BaおよびCaはAサイト元素であるから、含有されると、A/Bは大きくなる。(Ba,Ca)SiO2+x におけるxは、好ましくは0.7〜1.2であり、より好ましくは0.8〜1.1である。xが小さすぎると、すなわちSiOが多すぎると、主成分と反応して誘電体特性を悪化させてしまう。一方、xが大きすぎると、融点が高くなって焼結性を悪化させるため、好ましくない。なお、BaとCaとの比率は任意であり、一方だけを含有するものであってもよい。
焼結助剤は、主成分100モルに対して、好ましくは0.20〜3.00モル、より好ましくは0.50〜3.00モル、さらに好ましくは0.50〜2.50モルの量で含まれる。焼結助剤の含有量が少なすぎると、誘電体磁気組成物の焼結が不十分となってしまい、比誘電率が低下すると共に、絶縁抵抗、破壊電圧およびIR寿命が大きく低下する傾向にある。一方、焼結助剤の含有量が多すぎると、比誘電率が低下する傾向にある。
なお、本明細書では、主成分および各副成分を構成する各酸化物または複合酸化物を化学量論組成で表しているが、各酸化物または複合酸化物の酸化状態は、化学量論組成から外れるものであってもよい。ただし、各副成分の上記比率は、各副成分を構成する酸化物または複合酸化物に含有される金属量から上記化学量論組成の酸化物または複合酸化物に換算して求める。
本発明では、上記の誘電体磁器組成物中に上記の針状結晶が存在していること、あるいは、図2に示すように上記の誘電体層2中に異相として針状結晶20が存在していることが特徴的である。この針状結晶20の方向は制限されず、素子本体10の積層方向に沿っていてもよいし、内部電極層3に平行であってもよい。また、針状結晶20が内部電極層3に接触していてもよいし、接触することなく存在していてもよい。このような針状結晶20は走査型電子顕微鏡(SEM)により目視にて観察される。具体的には、コンデンサ素子本体10の積層方向に垂直な断面において、SEMにより2000倍の倍率で、1視野を50×50μmとして撮影された画像から、目視にて針状結晶20が観察される。この針状結晶20は、抵抗値が高く、誘電体層のIR寿命を向上させる効果を有している。
本発明では、上記の2000倍の倍率で、1視野を50×50μmとしたSEM画像を異なる箇所において3視野撮影したときに、その3視野分の写真において観察される針状結晶20の合計の個数が10〜50個、好ましくは20〜40個、より好ましくは25〜40個である。針状結晶20の個数が少なすぎると、信頼性(IR寿命)向上の効果は得られない傾向にある。一方、針状結晶20の個数が多すぎると、比誘電率が低下する傾向にある。
また、本実施形態では、目視にて確認した全ての針状結晶20について、針状結晶20の長径をL、短径をSとした場合に、長径に対する短径の比であるS/Lを算出する。全ての針状結晶20についてのS/Lの平均値である{(S/L)ave}が、好ましくは0.01≦{(S/L)ave}≦0.5、より好ましくは0.01≦{(S/L)ave}≦0.30、さらに好ましくは0.02≦{(S/L)ave}≦0.30の関係を満足している。{(S/L)ave}が小さすぎると、針状結晶20の高い結晶性のため電圧印可時に電界集中が起こりやすく、信頼性(IR寿命)が低下する傾向にある。一方、{(S/L)ave}が大きすぎると、針状結晶20としての特性を維持することが困難となるため、信頼性(IR寿命)を向上させる効果が得られない傾向にある。この{(S/L)ave}は、A/Bの値や組成を変化させることにより制御することができる。
なお、本実施形態において、針状結晶であるか否かの判断は、誘電体磁器組成物中では長径Lが0.20μm以上、あるいは、誘電体層2中では長径Lが誘電体層2の厚み(層間厚み)の1/5以上であるものを針状結晶と判断する。たとえば、誘電体層2の厚みが1.0μmである場合には、Lが0.2μm以上の粒子を針状結晶であると判断し、これらの粒子について上記の{(S/L)ave}を算出する。また、長径Lの最大値は、特に制限されないが、誘電体磁器組成物中では1.0μm程度、あるいは、誘電体層2中では誘電体層2の厚みの0.8倍程度である。
本実施形態では、上記の針状結晶20として、組成の異なる2種類の針状結晶が存在しており、これは、本発明者らの実験により確認されている。この2種類の針状結晶は、たとえば、走査型電子顕微鏡(SEM)に付属のエネルギー分散型X線分光装置を用いて、針状結晶20について点分析等による組成分析を行い、得られたX線スペクトルから針状結晶を構成する元素およびその存在割合を算出することで区別される。
上記の組成分析により、本実施形態に係る針状結晶20は、MgおよびSiを主成分とするMg−Si系針状結晶と、Ba、TiおよびMgを主成分とするBa−Ti−Mg系針状結晶と、に区別される。従来(たとえば、特許文献1)では、信頼性を低下させるという理由からMg−Si系針状結晶を存在させないようにしていたが、本発明では、逆に、Mg−Si系針状結晶を意図的に存在させることで特性の向上を図ることができる。
誘電体層2の厚さは、特に限定されないが、一層あたり2.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0μm以下である。厚さの下限は、特に限定されないが、たとえば0.5μm程度である。
誘電体層2の積層数は、特に限定されないが、200以上であることが好ましく、より好ましくは400以上である。
誘電体層2に含まれる誘電体粒子の平均結晶粒径は、特に限定されず、誘電体層2の厚さなどに応じて、例えば0.1〜1.0μmの範囲から適宜決定すればよく、好ましくは0.1〜0.5μmである。なお、誘電体層中に含まれる誘電体粒子の平均結晶粒径は、次のように測定される。まず、得られたコンデンサ試料を内部電極に垂直な面で切断し、その切断面を研磨する。そして、その研磨面にケミカルエッチングを施し、その後、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察を行い、コード法により誘電体粒子の形状を球と仮定して算出する。
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定されればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
本発明の誘電体磁器組成物を用いた積層セラミックコンデンサは、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。この積層セラミックコンデンサによれば、層間厚みを0.5〜2.0μmとした場合であっても、比誘電率が2000以上を示し、高い電界強度下(4V/μm)でのCR積が20℃で500Ω・F以上で破壊電圧も80V/μm以上と極めて高く、2V/μmの印加における静電容量の低下率が40%以下で、150℃で10V/μmになるように電圧を印加した加速寿命試験での絶縁抵抗が10Ωに達するまでの時間が5時間以上とすることができる。
以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、誘電体層用ペーストに含まれる誘電体磁器組成物粉末を準備する。
図3に示すように、主成分の原料と副成分の原料とを、ボールミル等により混合し、誘電体磁器組成物粉末を得る。
主成分の原料としては、BaTiO、CaTiO、SrTiO、MgTiO、BaZrO等を用いることができる。この主成分の原料の製造方法としては特に制限されず、共沈法、ゾル・ゲル法、アルカリ加水分解法、沈殿混合法などにより得た沈殿物と副成分原料との混合物を仮焼してもよい。
副成分の原料としては、上記した酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。
上記の誘電体磁器組成物粉末の製造方法は、特に限定されず、上記した方法以外の方法として、主成分の原料を製造する際に、主成分の出発原料に副成分原料を混合しておき、固相法や液相法などにより主成分の原料を製造すると同時に誘電体磁器組成物粉末を得ても良い。
本発明では、誘電体磁器組成物粉末中の各化合物として、上述したA/Bが上記の範囲を満足するように上記の主成分および副成分の元素の酸化物を適宜選択すればよく、また、その含有量は焼成後に上記した誘電体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。
主成分原料の平均粒径は、塗料化する前の状態で、好ましくは0.1〜1.0μm、さらに好ましくは0.10〜0.50μmである。
また副成分原料の平均粒径は、好ましくは0.05〜0.20μm、より好ましくは0.05〜0.15μmである。上記の主成分原料および副成分原料を混合することで、焼成時に均一な焼結が行われるため、クラックまたはデラミネーションを生じ難くなり、素子の耐熱性の向上にも効果がある。
また、誘電体磁器組成物粉末の粒度分布の下限値を好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.05〜0.10μmにすることで異常粒成長を抑制し、容量の温度特性の悪化を防止することができる。上記のような誘電体磁器組成物粉末によれば、粒度分布がシャープであるため、薄層に適したグリーンシートを作製でき、層厚を0.5〜2.0μmと薄層化した場合においても、安定した電気特性が得られる。
なお、原料粉体の平均粒径および粒度分布は、粉末を30000倍のSEM写真で撮影し、その中で任意の1000個の粒子の面積を算出し、それを球に見立てた場合の直径を計算し、得られた直径から平均粒径および粒度分布を決定することができる。
上記の主成分および副成分の原料は、さらに仮焼などを行っても良い。なお、仮焼条件としては、たとえば、仮焼温度を、好ましくは800〜1100℃、仮焼き時間を、好ましくは1〜4時間とすれば良い。
図3に示すように、得られた誘電体磁器組成物粉末を塗料化して、誘電体層用ペーストを調製する。誘電体層用ペーストは、誘電体磁器組成物粉末と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
内部電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。
外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に積層印刷し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ処理は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、脱バインダ雰囲気中の酸素分圧を10−45〜10Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、脱バインダ効果が低下する。また酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、それ以外の脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、より好ましくは200〜350℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは2〜20時間とする。また、焼成雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とすることが好ましく、還元性雰囲気における雰囲気ガスとしては、たとえばNとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
グリーンチップ焼成時の雰囲気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−9〜10−4Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、焼成時の保持温度は、好ましくは1100〜1400℃、より好ましくは1200〜1300℃である。本発明では、副成分としての希土類元素酸化物の含有量を比較的に少なくしているため、焼成温度を比較的低温とすることができる。保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間、温度保持時間を好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とする。また、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
還元性雰囲気中で焼成した場合、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−3Pa以上、特に10−2〜10Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、特に500〜1100℃とすることが好ましい。保持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、アニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を好ましくは0〜20時間、より好ましくは2〜10時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部電極4を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る積層型電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る積層型電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、上記の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層と内部電極層とが交互に積層された素子本体を有するものであれば何でも良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
なお、以下の実施例および比較例において、各種物性評価は、以下のように行った。
(比誘電率ε)
コンデンサの試料に対し、基準温度20℃において、デジタルLCRメータ(横河電機(株)製 YHP4274A)にて、周波数120Hz,入力信号レベル(測定電圧)0.5Vrms/μmの条件下で、静電容量Cを測定した。そして、得られた静電容量、積層セラミックコンデンサの誘電体厚みおよび内部電極同士の重なり面積から、比誘電率(単位なし)を算出した。比誘電率は、高いほど好ましい。
(CR積)
コンデンサ試料に対し、絶縁抵抗計(アドバンテスト社製R8340A)を用いて、20℃において5V/μmの直流電圧を、コンデンサ試料に1分間印加した後の絶縁抵抗IRを測定した。CR積は、上記にて測定した静電容量C(単位はμF)と、絶縁抵抗IR(単位はMΩ)との積を求めることにより測定した。
(破壊電圧)
コンデンサ試料に対し、電圧を印加して電流が10mA以上流れた電圧を破壊電圧とした。測定数は各組成50個であり、中心値を代表値とした。
(静電容量の温度特性)
静電容量の温度特性は、EIA規格のX5RおよびX6Sを満足するか否かを調べた。具体的には、X5Rについては、LCRメータにより、温度−55〜85℃について測定電圧0.5Vrmsで容量を測定し、容量変化率が±15%以内(基準温度25℃)を満足するか否かを調べた。
X6Sについては、LCRメータにより、温度−55〜105℃について測定電圧0.5Vrmsで容量を測定し、容量変化率が±22%以内(基準温度25℃)を満足するか否かを調べた。
(DCバイアス特性)
まず、120Hz、0.5VrmsのAC電圧を印加した時の静電容量を測定した後、DC2.0V(2V/μm)、および120Hz、0.5VrmsのAC電圧を同時に印加した時の静電容量を測定した。得られた測定値により、静電容量の低下率を算出した。
(IR寿命試験)
加速寿命試験として、温度150℃にて直流電圧を10V(10V/μm)印加して、その絶縁抵抗の経時変化を測定した。なお、加速寿命試験では、各試料の絶縁抵抗(IR)値が10Ω以下になったときの時間をIR寿命時間とし、複数の試料についての平均寿命時間を求めた。
実施例1
主成分の原料として、BaTiO、CaTiO、SrTiO、MgTiOおよびBaZrOを、副成分の原料として、MgO、MnO、RとしてのYおよびGd、V、Ta、Mo、Nb、Wからなる群から選ばれる元素の酸化物、および焼結助剤としてのSiOおよびCaOを、それぞれ準備して、誘電体スラリーを調製した。なお、A/Bの値は表1に示す通りである。また、MgO、MnO、RとしてのYおよびGd、V、Ta、Mo、Nb、Wからなる群から選ばれる元素の酸化物は、予め仮焼したものを用いた。
調製した誘電体原料の組成を表1に示す。副成分の含有量は、主成分100モルに対する量である。試料番号1では、主成分をBaTiOのみとした。試料番号2では、BaTiOにCaTiOを、試料番号3では、BaTiOにSrTiOを、試料番号4および5では、BaTiOにMgTiOを、試料番号6では、BaTiOにBaZrOを含有させた。表中で符号「*」を付した試料は、本発明の比較例を示す。また、表中の斜体で表した数値は、本発明の範囲を外れる数値を示す。
そして、上記のようにして得られた誘電体スラリーを用いて、PETフィルム上に1.2μmの厚さを持つグリーンシートを成形し、このグリーンシート上に、内部電極用ペーストを1.0μmの厚みで印刷し、電極層を有するグリーンシートを製造した。
なお、内部電極用ペーストとしては、Ni粒子と、有機ビヒクルをと、を用いて、ペースト化したものを使用した。
次いで、電極層を有するグリーンシートを複数枚積層し、加圧接着することによりグリーン積層体とし、このグリーン積層体を所定サイズに切断することにより、グリーンチップを得た。
次いで、得られたグリーンチップについて、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、積層セラミック焼成体を得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:60℃/時間、保持温度:300℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1150℃〜1250℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:300℃/時間、雰囲気:加湿したNとHとの混合ガスとした。
アニール条件は、保持温度:1000〜1100℃、温度保持時間:2時間、昇温、降温速度:200℃/時間、雰囲気:加湿したNガスとした。
次いで、得られた積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてIn−Gaを塗布し、図1に示す積層セラミックコンデンサの試料を得た。得られたコンデンサ試料のサイズは、2.0×1.25×1.25mmであり、誘電体層の厚さおよび層数は1.0μm×100層、内部電極層の厚さは約0.8μmであった。
(針状結晶の観察)
まず、各コンデンササンプルを積層方向に垂直な面で切断し、その切断面を研磨した。そして、その研磨面を走査型電子顕微鏡(SEM)により2000倍の倍率で、1視野を50×50μmとした画像を3視野分撮影した。この3視野分のSEM写真に存在する針状結晶の個数を目視にて数えた。
なお、粒子の長径Lが、内部電極層間の厚み(誘電体層厚み)の1/5以上、すなわち0.2μm以上であるものを針状結晶とし、全ての針状結晶について長径Lに対する短径Sの比であるS/Lを算出し、その平均値である{(S/L)ave}を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0004967964
(針状結晶の組成分析)
また、試料番号1のサンプルについて、析出した針状結晶の組成分析を以下のようにして行った。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて針状結晶を観察し、エネルギー分散X線分光法(EDS)により複数の針状結晶の点分析を行って、針状結晶についてX線スペクトルを測定した。なお、SEMの加速電圧は15kVとした。結果を図4(A)および図4(B)に示す。
図4(A)および図4(B)から、組成が異なる2種類の針状結晶が存在していることが確認できる。図4(A)に示した針状結晶は、MgOとSiOとが主成分であることから、Mg−Si系針状結晶である。一方、図4(B)に示した針状結晶には、SiOは含まれておらず、BaO、TiOおよびMgOが主成分であることから、該針状結晶は、Ba−Ti−Mg系針状結晶である。
各サンプルについて上記した特性の評価を行った。結果を表2に示す。また、表中の斜体で表した数値は本発明の目的物性の範囲を外れる数値を示す。
Figure 0004967964
表1に示すように、A/Bの値を本願規定の範囲となるように、誘電体原料の組成を設定することで、析出した針状結晶の個数および{(S/L)ave}が本願規定の範囲となることが確認できる。その結果、表2に示すように、比誘電率ε、CR積、破壊電圧、静電容量の温度特性、DCバイアス特性、IR寿命試験に優れたコンデンサが得られる。一方、A/Bの値が本願規定の範囲を外れると、針状結晶の個数が、本願規定の範囲から外れてしまい、上記物性値の何れかが目的値を満足しなくなる。
実施例2
主成分原料をBaTiOのみとし、副成分原料の組成を表3に示す量とした以外は、実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料を作製し、特性評価を行った。試料番号7〜9では、焼結助剤としてのCaOの含有量を変化させた。試料番号10〜19では、副成分としてのMgO、MnO、RとしてのYおよびGdの含有量を変化させた。試料番号20〜23では、Vを、Ta、Mo、Nb、Wに変更した。試料番号24では、MnOをCrO3/2に変更した。結果を表4に示す。また、表中の斜体で表した数値は本発明の目的物性の範囲を外れる数値を示す。
Figure 0004967964
Figure 0004967964
表3に示すように、副成分、焼結助剤の種類および含有量を適切に選択することで、A/Bの値を、本願規定の範囲とすることができ、針状結晶の個数および{(S/L)ave}を本願規定の範囲とすることができることが確認できる。その結果、表4に示すように、比誘電率ε、CR積、破壊電圧、静電容量の温度特性、DCバイアス特性、IR寿命試験に優れたコンデンサが得られる。
また、試料番号9より、CaOが含有されていない場合であっても、本願規定の範囲を満足し、その結果、比誘電率ε、CR積、破壊電圧、静電容量の温度特性、DCバイアス特性、IR寿命試験に優れたコンデンサが得られる。
さらに、試料番号14より、針状結晶の{(S/L)ave}が、本願の好ましい範囲外である場合には、所望の特性が得られない傾向にある。
実施例3
主成分原料をBaTiOのみとし、副成分原料の種類、焼結助剤の種類を表5に示す量とした以外は、実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料を作製し、特性評価を行った。試料番号25〜28では、副成分としてのRの種類を変更した。試料番号29および30では、焼結助剤の種類を変更した。結果を表6に示す。また、表中の斜体で表した数値は本発明の目的物性の範囲を外れる数値を示す。
Figure 0004967964
Figure 0004967964
表5に示すように、副成分(R)、焼結助剤の種類を変更しても、A/Bの値を、本願規定の範囲とすることができ、針状結晶の個数および{(S/L)ave}を本願規定の範囲とすることができることが確認できる。その結果、表6に示すように、比誘電率ε、CR積、破壊電圧、静電容量の温度特性、DCバイアス特性、IR寿命試験に優れたコンデンサが得られる。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は図1のII部分を走査型電子顕微鏡で観察したときの拡大模式図である。 図3は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造工程を示すフローチャートである。 図4(A)はMg−Si系針状結晶のEDS測定結果、図4(B)はBa−Ti−Mg系針状結晶のEDS測定結果を示す図である。
符号の説明
1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2… 誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極
20… 針状結晶

Claims (4)

  1. 主成分としてBaTiO、(Ba,Ca)TiO、(Ba,Sr)TiO、(Ba,Mg)TiOおよびBa(Ti,Zr)Oから選ばれる少なくとも1つを有し、
    副成分として、Mgの酸化物と、Mnおよび/またはCrの酸化物と、Rの酸化物と(ただし、RはY、Gd、Ho、Dy、Er、Ybから選ばれる少なくとも1つ)、V、Ta、Mo、NbおよびWから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物と、を有し、
    焼結助剤として、Si、M(ただし、Mは、Ba、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つ)、BおよびLiから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物を有し、
    針状結晶が存在しており、
    一般式ABOで表した場合に、Aサイト元素がBaを少なくとも有すると共に、Ca、SrおよびRで構成される元素群から選ばれる少なくとも1つをさらに有し、Bサイト元素がTiを少なくとも有すると共に、Mg、Zr、Mn、Cr、V、Ta、Mo、NbおよびWで構成される元素群から選ばれる少なくとも1つをさらに有しており、
    前記Aサイト元素と前記Bサイト元素とのモル比を示すA/Bが、0.985≦A/B<0.997であり、
    走査型電子顕微鏡により、2000倍の倍率で、50×50μmを1視野として観察したときに、3視野において観察される前記針状結晶の合計の個数が10〜50個であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 前記針状結晶が、MgおよびSiを含む複合酸化物を有する針状結晶および/またはBa、TiおよびMgを含む複合酸化物を有する針状結晶である請求項1に記載の誘電体磁器組成物。
  3. 前記針状結晶における長径をL、短径をSとした場合に、全ての前記針状結晶についての長径に対する短径の比を示すS/Lを算出し、その平均値を{(S/L)ave}としたときに、{(S/L)ave}が、0.01≦{(S/L)ave}≦0.5の関係を満足する請求項1または2に記載の誘電体磁器組成物。
  4. 誘電体層と内部電極層とが交互に積層された素子本体を有する積層型電子部品であって、
    前記誘電体層が、主成分としてBaTiO、(Ba,Ca)TiO、(Ba,Sr)TiO、(Ba,Mg)TiOおよびBa(Ti,Zr)Oから選ばれる少なくとも1つを有し、
    副成分として、Mgの酸化物と、Mnおよび/またはCrの酸化物と、Rの酸化物と(ただし、RはY、Gd、Ho、Dy、Er、Ybから選ばれる少なくとも1つ)、V、Ta、Mo、NbおよびWから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物と、を有し、
    焼結助剤として、Si、M(ただし、Mは、Ba、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つ)、BおよびLiから選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物を有し、
    一般式ABOで表した場合に、Aサイト元素がBaを少なくとも有すると共に、Ca、SrおよびRで構成される元素群から選ばれる少なくとも1つをさらに有し、Bサイト元素がTiを少なくとも有すると共に、Mg、Zr、Mn、Cr、V、Ta、Mo、NbおよびWで構成される元素群から選ばれる少なくとも1つをさらに有しており、
    前記Aサイト元素と前記Bサイト元素とのモル比を示すA/Bが、0.985≦A/B<0.997である誘電体磁器組成物から構成され、
    前記誘電体層において、針状結晶が存在しており、
    前記素子本体の積層方向に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡により、2000倍の倍率で、50×50μmを1視野として観察したときに、3視野において観察される前記針状結晶の合計の個数が10〜50個であることを特徴とする積層型電子部品。
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