JP4949992B2 - プリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、ICタグを有する印字媒体に対して、その印字面に対する印字とICタグに対するデータの無線書き込みとを実行するプリンタに関する。
従来、ICタグを有する印字媒体に対して、その印字面に対する印字とICタグに対するデータの無線書き込みとを実行するプリンタが開発されている(特許文献1参照)。このようなプリンタは、印字媒体の印字面に対して、印字部によって例えばサーマル印字方式による印字を実行する一方で、無線リーダライタを用いてICタグと無線通信を確立し、無線データ通信によってICタグにデータを書き込む。
ICタグに対するデータの無線書き込みを実行するようにしたプリンタでは、ICタグのタグアンテナが無線リーダライタのアンテナに対面する位置で印字媒体の搬送を一旦停止してICタグに対する無線データ書き込みを実行するのが一般的である。これは、ICタグに対して確実にデータを記録するようにするためである。そこで、ICタグに対するデータ書き込みが成功したら、印字媒体の搬送を再開する。
特開2007−001061号公報
ICタグのタグアンテナが無線リーダライタのアンテナに対面する位置で印字媒体の搬送を一旦停止してICタグに対する無線データ書き込みを実行する場合には、印字媒体に対する印字及びデータ書き込みのための処理が遅くなってしまうという問題がある。
本発明の目的は、印字媒体に対する印字及びデータ書き込みのための処理を高速度化することである。
本発明のプリンタは、無線によるデータの読み書きが可能なICタグを有するとともに一面に印字面が形成された印字媒体を所定の案内経路に沿って案内搬送する媒体搬送部と、前記案内経路中で前記印字媒体に対して印字を行なう印字部と、前記印字媒体が前記案内経路に沿って案内搬送される過程で、前記印字媒体に設けられた前記ICタグのタグアンテナが有する前記印字媒体の案内搬送方向の上流側と下流側との二箇所に配置された他の部位より感度が高い受感部が順に対面する位置にアンテナを備え、このアンテナと前記タグアンテナとの間の無線データ通信によって前記ICタグに対するデータの読み書きを実行する無線リーダライタと、前記タグアンテナの位置データ、前記二箇所に配置された受感部の間の距離データ、印字データ及び前記ICタグに書き込むデータを記憶部に記憶する手段と、前記印字部を駆動制御して前記印字媒体の印字面に対して前記記憶部に記憶されている印字データに応じた印字を実行する手段と、前記記憶部に記憶されている位置データに応じて下流側に配置された前記受感部が前記アンテナに対面するタイミングを判定するとともに、前記記憶部に記憶されている距離データに応じて上流側に配置された前記受感部が前記アンテナに対面するタイミングを判定する手段と、前記判定する手段で判定されたタイミングで前記無線リーダライタを駆動制御し、記憶部に記憶されている前記書き込むデータを前記ICタグに書き込む手段と、を備える。
本発明によれば、ICタグに対するデータ書き込みの機会を増やすことができることから、一例として、印字部による印字と無線リーダライタによるデータの書き込みとを印字媒体を搬送させながら実行することができ、したがって、印字媒体に対する印字及びデータ書き込みのための処理を高速度化することができる。
本発明の実施の一形態を図1ないし図4に基づいて説明する。本実施の形態は、ロール状に巻回されたラベル用紙101に対して、ラインサーマル印字方式による印字を行なうようにしたプリンタであるサーマルプリンタ102への適用例である(図1、図2参照)。ラベル用紙101は、長尺状の台紙101aに印字媒体としての複数枚のラベル101bが規定の間隔で貼付され、ロール状に巻回された構造のものである(図2参照)。このようなラベル用紙101は、内巻き用紙として用いられる構造であり、故に、巻き方向内側にラベル101bが位置付けられている。ラベル101bの表面は印字面となっている。
図1は、プリンタの概略的な縦断側面図である。本実施の形態のサーマルプリンタ102は、直方体状のハウジング103に各部が収納されて構成されている。ハウジング103には、ロール状に巻回されたラベル用紙101を引き出し自在に収納保持する用紙保持部104が配置されている。用紙保持部104に収納されたラベル用紙101は、予め定められた案内経路105に案内され、排出口106から排出される。案内経路105は、用紙保持部104と排出口106との間を略ストレートに結んでおり、その間に、媒体搬送部としての用紙搬送部107と印字部108と無線リーダライタ109とがそれぞれ配設されている。
用紙搬送部107は、案内経路105を挟んで対向配置されている一対の駆動ローラDRと従動ローラFRとを主要な構成要素とし、印字部108に設けられている後述するプラテンローラPRをも構成要素としている。案内経路105中、一対の駆動ローラDR及び従動ローラFRはプラテンローラPRよりもラベル用紙101の搬送方向上流側に配置されている。そして、駆動ローラDR及びプラテンローラPRは、駆動モータDM(図3参照)を駆動源として回転駆動され、ラベル用紙101に搬送力を付与する。従動ローラFRは、案内経路105を介して駆動ローラDRに当接しており、駆動ローラDRの回転力をラベル用紙101に対して有効に伝達できるように構成されている。このような従動ローラFRと同様の役割は、印字部108を構成する後述するサーマルプリンタヘッド110も担っている。つまり、サーマルプリンタヘッド110は、案内経路105を介してプラテンローラPRに当接しており、プラテンローラPRの回転力をラベル用紙101に対して有効に伝達できるように構成されている。
印字部108は、前述したように、プラテンローラPRとサーマルプリンタヘッド110とを有し、これらを主要な構成要素としている。サーマルプリンタヘッド110は、一列に列設された図示しない発熱素子を有するライン型のサーマルプリンタヘッドであり、発熱素子の選択的な発熱によってインクリボン111のインクをラベル用紙101に転写する熱転写方式の印字を実行する。そこで、印字部108は、もう一つの重要な構成要素として、リボン送り機構112を有している。リボン送り機構112は、インクリボン111を巻回保持するリボン送り軸113とインクリボン111を巻き取るリボン巻取り軸114とを有し、リボン送り軸113に巻回保持されているインクリボン111をプラテンローラPRとサーマルプリンタヘッド110との間に通してリボン巻取り軸114に巻き取らせる機構である。このようなインクリボン111の経路を所定のリボン案内経路115とするために、リボン送り機構112には複数個の案内コロ116が設けられている。リボン巻取り軸114は、駆動ローラDR及びプラテンローラPRと同様に、駆動モータDM(図3参照)を駆動源として回転駆動され、リボン送り軸113に巻回保持されているインクリボン111を巻き取る。
無線リーダライタ109は、案内経路105に沿って駆動ローラDRとプラテンローラPRとの間に配置されており、ICチップとの間でRFID技術による近距離無線通信を実行する。このため、無線リーダライタ109は、近距離無線通信用のアンテナ117(図2参照)を備えている。一例として、無線リーダライタ109は、パッシブ型の電磁誘導方式による無線通信を実行する。
図2は、ICタグのタグアンテナと無線リーダライタ109のアンテナ117との配置関係を示す(a)は正面図、(b)は側面図である。ラベル用紙101が有するラベル101bには、ICタグ118が埋設されている。ICタグ118は、ICチップ119にタグアンテナ120が接続されて構成されている。ICチップ119は、図示しないプロセッサ、メモリ及び近距離無線通信回路を含む集積回路によって形成されており、タグアンテナ120は、ICチップ119によって実行される近距離無線通信を支援する。つまり、タグアンテナ120は、他の部位より感度が高い一対の受感部121を有し、これらの受感部121が無線リーダライタ109のアンテナ117と対面することで、アンテナ117との間の無線通信を実現する。本実施の形態では、無線リーダライタ109が電磁誘導方式による近距離無線通信を実行するものであるため、タグアンテナ120の受感部121が無線リーダライタ109のアンテナ117に対面する位置において、受感部121とアンテナ117との間に電磁誘導が生ずる。これにより、タグアンテナ120の受感部121を介してICチップ119が起電され、ICチップ119に含まれているプロセッサがメモリに格納されているプログラムに従った処理を実行する。これにより、無線リーダライタ109とICタグ118との間の近距離無線通信が可能となる。
ここで、図2(a)に示すように、本実施の形態のICタグ118のタグアンテナ120は、印字媒体であるラベル101bの搬送方向(図2中、矢印で示す)の上流側と下流側との二箇所に受感部121を有している。本明細書中では、便宜上、ラベル101bの搬送方向を基準として、その下流側に位置する受感部121を第1の受感部121a、その上流側に位置する受感部121を第2の受感部121bと呼ぶ。これらの受感部121(121a、121b)の間の距離は、距離Xである(図2(a)参照)。これに対して、無線リーダライタ109のアンテナ117は、ラベル101bの搬送方向(図2中、矢印で示す)と直交する方向に長く形成されている。
図3は、サーマルプリンタ102のハードウェア構成を示すブロック図である。サーマルプリンタ102は、情報処理を実行するハードウェア資源として、情報処理部201を有している。情報処理部201は、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU202に、それぞれ記憶部を構成するSRAM203とフラッシュROM204とEEPROM205とがバスライン206を介して接続されることにより構成されている。SRAM203は、一時記憶データ等の可変データを書き替え自在に記憶し、ワークエリアとして利用される。フラッシュROM204は、各種設定値や各種テーブル等を書き替え自在に記憶し、その記憶内容を給電なしに保持可能である。EEPROM205は、制御プログラム等を書き替え自在に記憶し、その記憶内容を給電なしに保持可能である。
情報処理部201によって制御され、あるいはそのような制御のために利用されるハードウェア資源として、情報処理部201には、用紙搬送部107、印字部108、無線リーダライタ109、操作表示部122及びセンサSが接続されている。
つまり、用紙搬送部107が有する駆動ローラDR、用紙搬送部107及び印字部108が有するプラテンローラPR、印字部108が有するリボン巻取り軸114は、前述したように、駆動モータDMを駆動源として回転駆動される。そこで、駆動モータDMを駆動制御するためのモータ制御回路207がバスライン206を介して情報処理部201に接続されている。
また、印字部108が有するサーマルプリンタヘッド110は、ヘッド制御回路208によって駆動される。このヘッド制御回路208は、バスライン206を介して情報処理部201に接続されている。
また、無線リーダライタ109もバスライン206を介して情報処理部201に接続されている。
また、本実施の形態のサーマルプリンタ102は、外観を図示しない操作表示部122をハウジング103の外部に有している。操作表示部122は、操作表示駆動回路209によって駆動される。この操作表示駆動回路209は、バスライン206を介して情報処理部201に接続されている。
更に、本実施の形態のサーマルプリンタ102は、ラベル用紙101が有するラベル101bを位置検出するための複数個のセンサSを有しており、これらのセンサSのためのセンサ入力回路210もバスライン206を介して情報処理部201に接続されている。
加えて、情報処理部201には、本実施の形態のサーマルプリンタ102と外部機器との間の通信を実現させるための通信インターフェース211を備えており、この通信インターフェース211もバスライン206を介して情報処理部201に接続されている。本実施の形態のサーマルプリンタ102は、通信インターフェース211を介して外部機器から各種のデータやコマンドを受信する。このような各種のデータとしては、印字データ、ICタグ118に書き込むデータ(以下、RFIDデータと呼ぶ)、並びに、タグアンテナ120が有する受感部121についての位置データ及び距離データ等がある。受感部121についての位置データというのは、ラベル101bの先端位置から第1の受感部121aまでの位置を特定するデータである。受感部121についての距離データというのは、第1の受感部121aと第2の受感部121bとの間の距離を特定するデータである。コマンドは、例えば印字やデータ書き込みの実行を指示する実行コマンドである。
図4は、印字及びデータ書き込み処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態のサーマルプリンタ102は、EEPROM205に記憶保存されている制御プログラムに従いCPU202が各種処理を実行し、ラベル101bに対する印字及びICチップ119に対するデータ書き込みを行なう。
CPU202は、まず、通信インターフェース211を経由して外部機器から実行コマンドを伴う印字データ、ICタグ118に書き込むデータ、位置データ及び距離データを受信すると、これらのコマンド及びデータを記憶部としてのSRAM203に一時記憶する(ステップS101)。そして、CPU202は、SRAM203に一時記憶した印字データに従い印字部108を駆動制御し、センサSの出力信号を参照しながらラベル101bの印字面に対して印字データに応じた印字を実行する(ステップS102)。
EEPROM205に記憶保存されている制御プログラムは、印字データ等を受信すると(ステップS101)、SRAM203のワークエリアに、RFIDデータの書き込み回数をカウントするカウンタとRFIDデータの書き込み成功フラグのための領域とを生成する。
RFIDデータの書き込み回数の初期カウント値は「0」であり、RFIDデータの書き込みがなされる度に「1」、「2」とインクリメントする。そして、後述するステップS114でのRAMクリアによってクリアされる。本実施の形態では、第1の受感部121aと第2の受感部121bと対応させてそれぞれ1回ずつのRFIDデータの書き込み処理が実行される(ステップS108等参照)。この場合、第1の受感部121aと第2の受感部121bとにそれぞれ対応する「1回」のRFIDデータの書き込み処理は、1つの書き込み動作によって実行されるものであっても、複数の書き込み動作が組となる複数の書き込み動作によって実行されるものであっても、何れでも良い。
RFIDデータの書き込み成功フラグの初期値は「0」であり、この初期値はCPU202の命令によって「1」に設定される。
CPU202は、ステップS102の印字動作に続いて、RFIDデータの書き込み回数が「2」であるかどうかを判定する(ステップS103)。この判定は、SRAM203のワークエリアに設定したRFIDデータの書き込み回数をカウントするカウンタの値を参照することによってなされる。RFIDデータの書き込み回数が「2」ではない場合にはステップS104の処理に進み、「2」である場合には後述するステップS112での印字終了かどうかの判定処理に進む。RFIDデータの書き込み回数の初期カウント値は「0」であることから、当初はステップS104に進むことになる。
ステップS104では、ICタグ118のタグアンテナ120が有する第1の受感部121aがRFIDデータの書き込み位置である無線リーダライタ109のアンテナ117の位置に位置しているかどうかが判定される。この判定は、ステップS101で受信しSRAM203に一時記憶した位置データ、つまり、ラベル101bの先端位置から第1の受感部121aまでの位置を特定するデータとラベル101bの位置を検出するセンサSの出力値とを参照することでなされる。
CPU202は、第1の受感部121aがRFIDデータの書き込み位置に位置していないと判定した場合には(ステップS104のN)、RFIDデータの書き込み回数が「1」であるかどうかを判定する(ステップS105)。RFIDデータの書き込み回数が「1」でないと判定した場合にはステップS102の印字動作にリターンし(ステップS105のN)、RFIDデータの書き込み回数が「1」であると判定した場合にはステップS106の処理に移行する(ステップS105のY)。RFIDデータの書き込み回数の初期カウント値は「0」であることから、ステップS105の判定処理は、当初、RFIDデータの書き込み回数は「1」でないと判定されることになる(ステップS105のN)。その結果、ステップS102の印字動作にリターンする。
CPU202は、第1の受感部121aがRFIDデータの書き込み位置に位置すると判定した場合には(ステップS104のY)、ステップS108の処理に移行する(ステップS101のN)。RFIDデータの書き込み成功フラグの初期値は「0」であることから、ステップS106の判定処理は、当初、RFIDデータの書き込み成功フラグの初期値は「1」でないと判定され、ステップS108の処理に移行することになる(ステップS106のN)。
ステップS108の処理は、RFIDデータの書き込み処理である。つまり、CPU202は、無線リーダライタ109を駆動制御し、ICタグ118のICチップ119に対して、RFIDデータを書き込む処理を実行する。そして、CPU202は、SRAM203のワークエリアに設定したRFIDデータの書き込み回数をカウントするカウンタをインクリメントし、その値を「1」にする(ステップS109)。
その後、CPU202は、RFIDデータの書き込みが成功したかどうかを判定する(ステップS110)。この処理は、ICタグ118との近距離無線通信に際して、ICチップ119から送信される確認信号によってなされる。CPU202は、RFIDデータの書き込みが成功したと判定した場合には(ステップS110のY)、SRAM203のワークエリアに生成したRFIDデータの書き込み成功フラグを「1」に設定し(ステップS111)、印字終了かどうかの判定を実行する(ステップS112)。これに対して、RFIDデータの書き込みが成功したと判定しなかった場合には(ステップS110のN)、SRAM203のワークエリアに生成したRFIDデータの書き込み成功フラグを「1」に設定することなく、印字終了かどうかの判定を実行する(ステップS112)。その結果、RFIDデータの書き込み成功フラグはNULLデータのままとなる。そして、ステップS112で印字終了であると判定された場合にはステップS113の処理に進み(ステップS112のY)、印字終了ではないと判定された場合にはステップS102の印字動作にリターンする(ステップS112のN)。
ステップS112の処理でステップS102の印字動作にリターンした場合(ステップS112のN)、第1の受感部121aがアンテナ117の位置に位置付けられた状態での最初のRFIDデータの書き込み処理が実行された段階では(ステップS104のY、ステップS108参照)、ステップS109で設定されるRFIDデータの書き込み回数は「1」である。そこで、CPU202は、ステップS103の判定処理でRFIDデータの書き込み回数が「2」ではないと判定する(ステップS103のN)。
この際、ICタグ118のタグアンテナ120が有する第1の受感部121aは、RFIDデータの書き込み位置まで搬送された後、RFIDデータの書き込み位置を通過する。そこで、続くステップS104の判定処理では、タグアンテナ120が有する第1の受感部121aがRFIDデータの書き込み位置を既に通過しているので、タグアンテナ120が有する第1の受感部121aが無線リーダライタ109のアンテナ117の位置に位置しないと判定され(ステップS104のN)、続くステップS105の判定処理では、RFIDデータの書き込み回数のカウント値が「1」であると判定され(ステップS105のY)、ステップS106の処理に移行する。
ステップS106では、SRAM203のワークエリアに用意したRFIDデータの書き込み成功フラグの値が「1」であるかどうかを判定する。RFIDデータの書き込み成功フラグの値が「1」であると判定された場合には(ステップS106のY)、RFIDデータの書き込みが既に成功しているので、後述するステップS112の印字終了判定処理に移行する。これに対して、RFIDデータの書き込み成功フラグの値が「1」ではないと判定された場合には(ステップS106のN)、ステップS107の判定処理に移行する。
ステップS107では、ICタグ118のタグアンテナ120が有する第2の受感部121bがRFIDデータの書き込み位置である無線リーダライタ109のアンテナ117の位置に位置するかどうかが判定される。この判定は、距離データ、つまり、第1の受感部121aと第2の受感部121bとの間の距離(距離X)を特定するデータとラベル101bの位置を検出するセンサSの出力値とを参照することでなされる。
CPU202は、第2の受感部121bがRFIDデータの書き込み位置に位置しないと判定した場合には(ステップS107のN)、ステップS102の印字動作にリターンし、ステップS103のN、ステップS104のN、ステップS105のY、ステップS106のNという判定処理を、第2の受感部121bがRFIDデータの書き込み位置に位置すると判定するまで繰り返す。
ICタグ118のタグアンテナ120が有する第2の受感部121bがRFIDデータの書き込み位置である無線リーダライタ109のアンテナ117の位置まで搬送されると、CPU202は、タグアンテナ120が有する第2の受感部121bがRFIDデータの書き込み位置に位置すると判定する(ステップS107のY)。この場合、ステップS108の処理に移行し、RFIDデータの書き込み処理を実行する。つまり、CPU202は、無線リーダライタ109を駆動制御し、ICタグ118のICチップ119に対して、RFIDデータを書き込む処理を実行する。そして、CPU202は、SRAM203のワークエリアに設定したRFIDデータの書き込み回数をカウントするカウンタをインクリメントし、その値を「2」にする(ステップS109)。
その後、CPU202は、RFIDデータの書き込みが成功したかどうかを判定する(ステップS110)。CPU202は、RFIDデータの書き込みが成功したと判定した場合には(ステップS110のY)、SRAM203のワークエリアに生成したRFIDデータの書き込み成功フラグを「1」に設定し(ステップS111)、印字終了かどうかの判定を実行する(ステップS112)。これに対して、RFIDデータの書き込みが成功したと判定しなかった場合には(ステップS110のN)、SRAM203のワークエリアに生成したRFIDデータの書き込み成功フラグを「1」に設定することなく、印字終了かどうかの判定を実行する(ステップS112)。ステップS112で印字終了であると判定された場合にはステップS113の処理に進み(ステップS112のY)、印字終了ではないと判定された場合にはステップS102の印字動作にリターンする(ステップS112のN)。
ここまでの処理で、ICタグ118のICチップ119に対して、RFIDデータの書き込み処理が終了している。この際、ICタグ118のタグアンテナ120が有する第1の受感部121aと無線リーダライタ109のアンテナ117とが対面する位置でのRFIDデータの書き込み処理、これが失敗した場合にはICタグ118のタグアンテナ120が有する第2の受感部121bと無線リーダライタ109のアンテナ117とが対面する位置でのRFIDデータの書き込み処理が実行されている。つまり、CPU202は、記憶部であるSRAM203に記憶されている距離データに応じて二箇所に配置された受感部121(第1の受感部121a、第2の受感部121b)がアンテナ117に対面するタイミングを判定する機能を実行し、更に、判定したタイミングで無線リーダライタ109を駆動制御し、RFIDデータをICタグ118に書き込む機能を実行している。その結果、RFIDデータの書き込み処理が成功した場合には書き込み成功フラグに「1」が設定され、RFIDデータの書き込み処理が成功していない場合には書き込み成功フラグに「1」が設定されておらず、NULLデータのままである(ステップS110、ステップS111参照)。そこで、ステップS112で印字終了が判定された場合(ステップS112のY)、書き込み成功フラグに「1」が設定されていれば(ステップS113のY)、RAMクリア処理を実行し(ステップS114)、そのまま印字及びデータ書き込み処理を終了する。これに対して、書き込み成功フラグに「1」が設定されていない場合には(ステップS113のN)、エラー処理を実行し(ステップS115)、RAMクリア処理を実行し(ステップS114)、その後に印字及びデータ書き込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ICタグ118のタグアンテナ120が有する第1の受感部121aと無線リーダライタ109のアンテナ117とが対面する位置でRFIDデータの書き込み処理を実行し、これが失敗した場合にはICタグ118のタグアンテナ120が有する第2の受感部121bと無線リーダライタ109のアンテナ117とが対面する位置でRFIDデータの書き込み処理を実行する。これにより、ICタグ118に対するデータ書き込みの機会を増やすことができる。そこで、印字部108による印字と無線リーダライタ109によるRFIDデータの書き込みとを、ラベル用紙101を搬送させながら実行することができ、この場合には、ラベル用紙101に貼付されたラベル101bに対する印字及びラベル101bに埋め込まれたICタグ118に対するデータ書き込みのための処理を高速度化することができる。
次いで、図5を参照しながら、サーマルプリンタ102の別の実施の形態について説明する。図1〜図4に基づいて説明した実施の形態と同一部分は同一符号を用い、説明も省略する。
図5は、ICタグ118のタグアンテナ120と無線リーダライタ109のアンテナ117との配置関係を示す(a)は正面図、(b)は側面図である。本実施の形態が図1〜図4に基づいて説明した実施の形態と相違する点は、アンテナ117の配置形状である。つまり、無線リーダライタ109のアンテナ117は、図1〜図4に基づいて説明した実施の形態ではラベル101bの搬送方向(図2中、矢印で示す)と直交する方向に長く形成されて配置されているのに対して、本実施の形態ではラベル101bの搬送方向(図5中、矢印で示す)に長く形成されて配置されている。アンテナ117の長さは、一例として、タグアンテナ120の全長よりも長く形成されている。
印字及びデータ書き込み処理として、図1〜図4に基づいて説明した実施の形態では、ICタグ118のタグアンテナ120が有する第1の受感部121aと無線リーダライタ109のアンテナ117とが対面する位置でRFIDデータの書き込み処理を実行し、これが失敗した場合にはICタグ118のタグアンテナ120が有する第2の受感部121bと無線リーダライタ109のアンテナ117とが対面する位置でRFIDデータの書き込み処理を実行する。これに対して、本実施の形態では、RFIDデータの書き込み成否に応じた複数回のRFIDデータの書き込み処理を実行するように構成してもよいし、そうでなくてもよい。つまり、本実施の形態では、アンテナ117がラベル101bの搬送方向(図5中、矢印で示す)に長く形成されて配置されているので、構造的に、ICタグ118に対するデータ書き込みの機会を増やすことができる。そこで、印字部108による印字と無線リーダライタ109によるRFIDデータの書き込みとを、ラベル用紙101を搬送させながら実行することができ、この場合には、ラベル用紙101に貼付されたラベル101bに対する印字及びラベル101bに埋め込まれたICタグ118に対するデータ書き込みのための処理を高速度化することができる。
本発明の実施の一形態を示すプリンタの概略的な縦断側面図である。 ICタグのタグアンテナと無線リーダライタのアンテナとの配置関係を示す(a)は正面図、(b)は側面図である。 プリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。 印字及びデータ書き込み処理の流れを示すフローチャートである。 別の実施の一形態として、ICタグのタグアンテナと無線リーダライタのアンテナとの配置関係を示す(a)は正面図、(b)は側面図である。
符号の説明
101b…ラベル(印字媒体)、105…案内経路、107…用紙搬送部(媒体搬送部)、108…印字部、109…無線リーダライタ、117…アンテナ、118…ICタグ、120…タグアンテナ、121…受感部、121a…第1の受感部(受感部)、121b…第2の受感部(受感部)、203…SRAM(記憶部)

Claims (3)

  1. 無線によるデータの読み書きが可能なICタグを有するとともに一面に印字面が形成された印字媒体を所定の案内経路に沿って案内搬送する媒体搬送部と、
    前記案内経路中で前記印字媒体に対して印字を行なう印字部と、
    前記印字媒体が前記案内経路に沿って案内搬送される過程で、前記印字媒体に設けられた前記ICタグのタグアンテナが有する前記印字媒体の案内搬送方向の上流側と下流側との二箇所に配置された他の部位より感度が高い受感部が順に対面する位置にアンテナを備え、このアンテナと前記タグアンテナとの間の無線データ通信によって前記ICタグに対するデータの読み書きを実行する無線リーダライタと、
    前記タグアンテナの位置データ、前記二箇所に配置された受感部の間の距離データ、印字データ及び前記ICタグに書き込むデータを記憶部に記憶する手段と、
    前記印字部を駆動制御して前記印字媒体の印字面に対して前記記憶部に記憶されている印字データに応じた印字を実行する手段と、
    前記記憶部に記憶されている位置データに応じて下流側に配置された前記受感部が前記アンテナに対面するタイミングを判定するとともに、前記記憶部に記憶されている距離データに応じて上流側に配置された前記受感部が前記アンテナに対面するタイミングを判定する手段と、
    前記判定する手段で判定されたタイミングで前記無線リーダライタを駆動制御し、記憶部に記憶されている前記ICタグに書き込むデータを前記ICタグに書き込む手段と、
    を備えるプリンタ。
  2. 前記位置データは、印字媒体の先端位置から下流側に配置された受感部までの位置を特定するデータである、請求項1記載のプリンタ。
  3. 前記書き込む手段は、
    前記判定する手段で判定された下流側の前記受感部が前記アンテナに対面するタイミングで前記無線リーダライタを駆動制御し、下流側の前記受感部を介して前記ICタグに対する前記ICタグに書き込むデータの書き込み処理を行うとともに、
    前記書き込み処理で前記ICタグに対する前記ICタグに書き込むデータの書き込みが失敗した場合に、前記判定する手段で判定された上流側の前記受感部が前記アンテナに対面するタイミングで前記無線リーダライタを駆動制御し、上流側の前記受感部を介して前記ICタグに対する前記ICタグに書き込むデータの書き込みを行い、
    他方、前記書き込み処理で前記ICタグに対する前記ICタグに書き込むデータの書き込みが成功した場合には、上流側の前記受感部が前記アンテナに対面する位置での前記ICタグに対する前記ICタグに書き込むデータの書き込みを実行しない、
    請求項1又は2記載のプリンタ。
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